JP5613979B2 - ノイズフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、ノイズフィルタに関し、コモンモードチョークコイルを内蔵したノイズフィルタに関する。
携帯電話のドライバとレシーバとの間における信号伝送方式として、差動伝送方式が用いられることがある。差導伝送方式では、2本の信号線を伝送する差動信号の電流の和が一定であるので、理論的には、コモンモードノイズが発生しない。
しかしながら、実際には、ドライバのインピーダンスのばらつき等により、2つの信号の振幅や立ち上がり時間、位相等のバランスが崩れ、コモンモードノイズが差動信号に発生してしまう。そのため、ドライバとレシーバとの間において、コモンモードノイズの対策を行う必要がある。
更に、差動伝送方式では、規格(例えば3GPP)によっては、差動信号を構成するノーマルモードの信号の高次(4次以上)の高調波を除去する必要がある。すなわち、該ノーマルモードの信号がノーマルモードノイズとみなされる場合がある。したがって、ドライバとレシーバとの間において、ノーマルモードノイズの対策も行う必要がある。以上のように、携帯電話のドライバとレシーバとの間におけるコモンモードノイズ対策及びノーマルモードノイズ対策に適したノイズフィルタが望まれている。
なお、従来のノイズフィルタとしては、例えば、特許文献1に記載の積層型アレイ部品が知られている。しかしながら、該積層型アレイ部品は、ノーマルモードノイズの除去のためのノイズフィルタであるので、ノーマルモードノイズつまり差動信号を構成する高調波信号を過剰に除去し、波形品質を低下させてしまう。
特開2005−64267号公報
そこで、本発明の目的は、差動信号波形の品質低下を抑制しつつ、携帯電話のドライバとレシーバとの間におけるコモンモードノイズ対策及びノーマルモードノイズ対策に適したノイズフィルタを提供することである。
本発明の一形態であるノイズフィルタは、第1のコイルを含む第1のLCフィルタと、第2のコイルを含む第2のLCフィルタと、第3のコイルを含む第3のLCフィルタと、第4のコイルを含む第4のLCフィルタと、前記第1のLCフィルタないし前記第4のLCフィルタを内蔵していると共に、複数の絶縁体層が積層されてなる積層体と、積層方向から平面視したときに、前記第1のコイルと前記第3のコイルとに重なるように設けられている容量結合電極と、を備え、前記第2のコイルは、積層方向において、前記第1のコイルと重なっていると共に、積層方向から平面視したときに、該第1のコイルと重なっており、前記第1のコイルと前記第3のコイルとは、前記容量結合電極により容量結合していること、を特徴とする。
本発明によれば、2つのコイルの結合係数を0.3以上0.6以下に設定することが容易となるので、差動信号波形の品質低下を抑制しつつ、携帯電話のドライバとレシーバとの間を伝送するコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを効果的に除去することができる。
以下に、本発明の実施形態に係るノイズフィルタについて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るノイズフィルタ10a〜10fの外観斜視図である。図2は、ノイズフィルタ10aの積層体12aの分解図である。図3は、ノイズフィルタ10aの等価回路図である。以下では、ノイズフィルタ10aの形成時に、セラミックグリーンシートが積層される方向を積層方向と定義する。そして、この積層方向をz軸方向とし、ノイズフィルタ10aの長手方向をx軸方向とし、x軸とz軸とに直交する方向をy軸方向とする。x軸、y軸及びz軸は、ノイズフィルタ10aを構成する辺に対して平行である。
(ノイズフィルタの構成)
ノイズフィルタ10aは、図1に示すように、積層体12a、及び、外部電極E1〜E10を備えている。以下、積層体12aのx軸方向の両端に位置する面を端面と定義し、積層体12aのy軸方向の両端に位置する面を側面と定義し、積層体12aのz軸方向の正方向側の面を上面と定義し、積層体12aのz軸方向の負方向側の面を下面と定義する。
外部電極E1,E3,E5,E7はそれぞれ、y軸方向の正方向側の側面において、z軸方向に延びるように形成されている。外部電極E1,E3,E5,E7はそれぞれ、入力端子として機能する。外部電極E2,E4,E6,E8はそれぞれ、y軸方向の負方向側の側面において、z軸方向に延びるように形成されている。外部電極E2,E4,E6,E8はそれぞれ、出力端子として機能する。外部電極E9,E10はそれぞれ、両端面において、z軸方向に延びるように形成されている。外部電極E9,E10はそれぞれ、グランド電極として機能する。
積層体12aは、以下に説明するように、複数の内部電極と複数の誘電体層とが共に積層されて構成され、内部にLCフィルタLC1〜LC4を内蔵している。より詳細には、積層体12aは、図2に示すように、複数の誘電体層14a〜14c,16a〜16q,14d〜14fがこの順に積層されることにより構成される。複数の誘電体層14a〜14c,16a〜16q,14d〜14fは、それぞれ略同じ面積及び形状を有する長方形の絶縁層である。
誘電体層16aの主面上には、y軸方向に長手方向を有する長方形状のコンデンサ電極50,52,54,56が形成されている。コンデンサ電極50,52,54,56はそれぞれ、y軸方向の負方向側の端部において、コンデンサ電極50,52,54,56と外部電極E2,E4,E6,E8とを接続するための引き出し部51,53,55,57を有している。また、誘電体層16bの主面上には、x軸方向に長手方向を有する長方形状のコンデンサ電極58が形成されている。コンデンサ電極58は、x軸方向の両端部において、コンデンサ電極58と外部電極E9,E10とを接続するための引き出し部71,72を有している。
コンデンサ電極50とコンデンサ電極58とが誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC1を構成している。コンデンサ電極52とコンデンサ電極58とが誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC2を構成している。コンデンサ電極54とコンデンサ電極58とが誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC3を構成している。コンデンサ電極56とコンデンサ電極58とが誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC4を構成している。
誘電体層16c〜16f,16h〜16kの主面上にはそれぞれ、線状電極が折り曲げられた形状を有するコイル電極30a〜30h,34a〜34hが設けられている。より詳細には、コイル電極30a,34aはそれぞれ、「L」字形状を有し、その一端はそれぞれ、外部電極E1,E7に接続されている。コイル電極30b〜30g,34b〜34gは、同じ誘電体層16上に形成されたもの同士で互いに反対方向に旋廻するように渦状に形成された電極である。また、コイル電極30h,34hはそれぞれ、「L」字形状を有し、その一端はそれぞれ、外部電極E2,E8に接続されている。
更に、誘電体層16c〜16jにはそれぞれ、ビア導体b1〜b8,b21〜b28が設けられている。ビア導体b1〜b4,b6〜b8は、コイル電極30a〜30hの一端に接続されている。また、ビア導体b5は、ビア導体b4とビア導体b6とを接続している。一方、ビア導体b21〜b24,b26〜b28は、コイル電極34a〜34hの一端に接続されている。また、ビア導体b25は、ビア導体b24とビア導体b26とを接続している。これにより、誘電体層16c〜16kが積層された場合には、ビア導体b1〜b8,b21〜b28は、z軸方向に隣り合っているコイル電極30a〜30h,34a〜34h同士を接続する。その結果、コイル電極30a〜30hは、コイルL1を構成し、コイル電極34a〜34hは、コイルL4を構成する。
誘電体層16g〜16j,16l〜16oの主面上にはそれぞれ、線状電極が折り曲げられた形状を有するコイル電極32a〜32h,36a〜36hが設けられている。より詳細には、コイル電極32a,36aはそれぞれ、「L」字形状を有し、その一端はそれぞれ、外部電極E4,E6に接続されている。コイル電極32b〜32g,36b〜36gは、同じ誘電体層16上に形成されたもの同士で互いに反対方向に旋廻するように渦状に形成された電極である。また、コイル電極32h,36hはそれぞれ、「コ」字形状を有し、その一端はそれぞれ、外部電極E3,E5に接続されている。
更に、誘電体層16g〜16nにはそれぞれ、ビア導体b11〜b18,b31〜b38が設けられている。ビア導体b11〜b14,b16〜b18は、コイル電極32a〜32hの一端に接続されている。また、ビア導体b15は、ビア導体b14とビア導体b16とを接続している。一方、ビア導体b31〜b34,b36〜b38は、コイル電極36a〜36hの一端に接続されている。また、ビア導体b35は、ビア導体b34とビア導体b36とを接続している。これにより、誘電体層16g〜16nが積層された場合には、ビア導体b11〜b18,b31〜b38は、z軸方向に隣り合っているコイル電極32a〜32h,36a〜36h同士を接続する。その結果、コイル電極32a〜32hは、コイルL2を構成し、コイル電極36a〜36hは、コイルL3を構成する。
誘電体層16qの主面上には、y軸方向に長手方向を有する長方形状のコンデンサ電極60,62,64,66が形成されている。コンデンサ電極60,62,64,66はそれぞれ、y軸方向の負方向側の端部において、コンデンサ電極60,62,64,66と外部電極E2,E4,E6,E8とを接続するための引き出し部61,63,65,67を有している。また、誘電体層16pの主面上には、x軸方向に長手方向を有する長方形状のコンデンサ電極68が形成されている。コンデンサ電極68は、x軸方向の両端部において、コンデンサ電極68と外部電極E9,E10とを接続するための引き出し部73,74を有している。
コンデンサ電極60とコンデンサ電極68とが誘電体層16pを挟んで対向することにより、コンデンサC1を構成している。コンデンサ電極62とコンデンサ電極68とが誘電体層16pを挟んで対向することにより、コンデンサC2を構成している。コンデンサ電極64とコンデンサ電極68とが誘電体層16pを挟んで対向することにより、コンデンサC3を構成している。コンデンサ電極66とコンデンサ電極68とが誘電体層16pを挟んで対向することにより、コンデンサC4を構成している。
積層体12aが以上のような構成を有することにより、図3に示すように、コイルL1及びコンデンサC1からなるLCフィルタLC1、コイルL2及びコンデンサC2からなるLCフィルタLC2、コイルL3及びコンデンサC3からなるLCフィルタLC3、及び、コイルL4及びコンデンサC4からなるLCフィルタLC4が形成されている。LCフィルタLC2,LC3は、LCフィルタLC1,LC4とは電気的に接続されていない。ここで、LCフィルタLC1を例にとると、コイルL1の一端が外部電極E1に接続されていると共に、コイルL1の他端が外部電極E2に接続されている。更に、コンデンサC1の一端は、コイルL1の他端に接続されていると共に、コンデンサC1の他端は、外部電極E9,E10に接続されている。LCフィルタLC2,LC3,LC4の構成については、LCフィルタLC1の構成と同様であるので説明を省略する。
ところで、外部電極E1,E3が入力端子と機能し、外部電極E2,E4が出力端子と機能するので、図2において、コイルL1には、例えば、z軸方向の上から下へと電流が流れ、コイルL2には、例えば、z軸方向の下から上へと電流が流れる。すなわち、コイルL1とコイルL2とには、z軸方向において逆方向に電流が流れる。更に、コイルL1を構成するコイル電極30a〜30fは、z軸方向の上から下へと行くにしたがって時計回りに旋廻し、コイルL2を構成するコイル電極34a〜34fは、z軸方向の上から下へと行くにしたがって反時計回りに旋廻している。すなわち、コイルL1とコイルL2とは、互いに逆向きに旋廻している。したがって、コイルL1とコイルL2とに電流が流れた場合には、共に同じ方向に電流が旋廻するようになる。また、コイルL1とコイルL2とは、バイファイラ巻きに構成されている。具体的には、コイルL1及びコイルL2は、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とが重なるようにz軸方向に並べて配置されている。更に、コイルL2は、z軸方向において、誘電体層16g〜16kにてコイルL1と一部において重なっている。その結果、コイルL1とコイルL2とは、同じ方向に磁束を発生して磁気的に結合することで、LCフィルタLC1を構成するコイルL1及びLCフィルタLC2を構成するコイルL2は、コモンモードチョークコイルL11としても機能する。なお、LCフィルタLC3を構成するコイルL3及びLCフィルタLC4を構成するコイルL4も、コモンモードチョークコイルL12としても機能しているが、その詳細についてはコイルL1とコイルL2と同じであるので説明を省略する。
(効果)
以上のように、ノイズフィルタ10aによれば、LCフィルタLC1〜LC4が内蔵されていると共に、コイルL1〜L4がコモンモードチョークコイルL11,L12を構成するコイルを兼ねているので、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの両方を除去することができる。
特に、ノイズフィルタ10aでは、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とが一致していると共に、コイルL1の一部とコイルL2の一部とがz軸方向において重なっている。よって、コイルL1とコイルL2とがz軸方向において重なっている部分の長さを調整することにより、コイルL1とコイルL2とを適切な結合係数にて結合させることが容易となる。同様に、コイルL3とコイルL4とを適切な結合係数にて結合させることが容易となる。この適切な結合係数とは、具体的には、0.3以上0.6以下である。そして、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数を0.3以上0.6以下とすることにより、携帯電話のドライバとレシーバとの間を伝送する差動信号に発生するノーマルモードノイズを効果的に除去できる。
より詳細には、本願発明者は、ノイズフィルタ10aが奏する効果を確認するために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。図4ないし図7は、コンピュータシミュレーションの結果を示したグラフであり、ノイズフィルタ10aにおいて、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数を0.2,0.3,0.6,0.7としたときにおける、ノーマルモードノイズの挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。縦軸は、ノイズの挿入損失を示し、横軸は、周波数を示している。
携帯電話のドライバとレシーバとの間を伝送する差動信号の周波数は、100MHz程度である。このような差動信号では、3次の高調波である300MHz付近におけるノーマルモードノイズの挿入損失は、3dBよりも小さい必要がある。これは、300MHz付近におけるノーマルモードノイズの挿入損失が大きすぎると、差動信号そのものに悪影響が出るからである。
そこで、図4に示したグラフを参照すると、結合係数が0.2の場合には、300MHzにおけるノーマルモードノイズの挿入損失は、5dB程度であることが分かる。一方、図5に示したグラフを参照すると、結合係数が0.3の場合には、300MHzにおけるノーマルモードノイズの挿入損失は、3dB程度となっている。故に、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数は、0.3以上であることが好ましい。
また、UHF帯の下限周波数である470MHz付近におけるノーマルモードノイズの挿入損失は、10dBよりも大きい必要がある。これは、UHF帯の信号がノーマルモードノイズとして差動信号に影響を及ぼすことを防止するためである。
そこで、図7に示したグラフを参照すると、結合係数が0.7の場合には、470MHzにおけるノーマルモードノイズの挿入損失は、5dB程度であることが分かる。一方、図6に示したグラフを参照すると、結合係数が0.6の場合には、470MHzにおけるノーマルモードノイズの挿入損失は、10dB程度となっている。故に、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数は、0.6以下であることが好ましい。
以上のように、ノイズフィルタ10aは、コモンモードチョークコイルL11,L12を有しているので、携帯電話のドライバとレシーバとの間に発生するコモンモードノイズを除去することができる。更に、ノイズフィルタ10aは、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数が、0.3以上0.6以下となっているので、差動信号波形の劣化を抑制しつつ、ノーマルモードノイズも除去できる。よって、ノイズフィルタ10aは、携帯電話のドライバとレシーバとの間におけるコモンモードノイズ対策及びノーマルモードノイズ対策に適している。
次に、本願発明者は、ノイズフィルタ10aが奏する効果を明確なものとするために、実験を行った。より詳細には、ノイズフィルタ10aに相当する第1の実験例を作製すると共に、特許文献1に記載の積層型アレイ部品に相当する第2の実験例を作製した。第2の実験例の結合係数は、0.05以下に設定した。そして、第1の実験として、これらの実験例に矩形波を入力させて、出力されてくる出力信号を測定した。また、第2の実験として、これらの実験例への入力時の各周波数におけるノイズの強度分布と、これらの実験例からの出力時の各周波数におけるノイズの強度分布とを測定した。
図8は、第1の実験例において、第1の実験を行った際の結果を示したグラフである。図9は、第2の実験例において、第1の実験を行った際の結果を示したグラフである。図8及び図9では、縦軸は、信号レベルを示しており、横軸は、時間を示している。
図10は、第2の実験例において、第2の実験を行った際の結果を示したグラフである。図11は、第1の実験例において、第2の実験を行った際の結果を示したグラフである。図10及び図11では、縦軸は、ノイズレベルを示しており、横軸は、周波数を示している。
第1の実験において、第1の実験例及び第2の実験例に矩形波を入力したところ、高周波におけるノイズが除去されて、図8及び図9に示すように、第1の実験例及び第2の実験例共に正弦波状の信号が出力されてきた。図8と図9とを比較すると、図8の出力信号の方が、図9の出力信号よりも、急峻な立ち上がり及び立ち下がりをしており、入力信号に近い波形を有していることが分かる。したがって、矩形波を入力信号として用いた場合における出力信号の劣化の程度は、第1の実験例の方が第2の実験例よりも小さいことが理解できる。すなわち、ノイズフィルタ10aにおける出力信号の劣化は、特許文献1に記載の積層型アレイ部品における出力信号の劣化よりも小さいことが理解できる。
更に、第2の実験において、第1の実験例及び第2の実験例に同じ強度分布のノイズを入力した。その結果、図10及び図11に示すように、第1の実験例と第2の実験例とで略同じノイズ除去効果を得ることができていることが分かる。すなわち、ノイズフィルタ10aにおけるノイズ除去効果は、特許文献1に記載の積層アレイ部品におけるノイズ除去効果と同等であることが理解できる。
以上のように、第1の実験及び第2の実験によれば、ノイズフィルタ10aは、出力信号の波形の劣化を低減しつつ、良好なノイズ除去効果を得ることができていることが分かる。
また、ノイズフィルタ10aによれば、LCフィルタとコモンモードチョークコイルとが一つのノイズフィルタ10a内に内蔵されているので、LCフィルタとコモンモードチョークコイルとが別々の電子部品により構成されている場合に比べて、回路全体を小型化できる。特に、ノイズフィルタ10aでは、コイルL1,L2は、コモンモードチョークコイルL11として機能すると共に、LCフィルタLC1,LC2の一部としても機能している。同様に、コイルL3,L4は、コモンモードチョークコイルL12として機能すると共に、LCフィルタLC3,LC4の一部としても機能している。このように、ノイズフィルタ10aでは、コイルL1〜L4が、LCフィルタの一部及びコモンモードチョークコイルの一部に兼用されているので、ノイズフィルタ10aがより小型化される。
また、ノイズフィルタ10aでは、以下に説明するように、コモンモードノイズを効率よく除去することが可能となる。xz断面において、コイルL1が発生する磁束とコイルL2が発生する磁束、及び、コイルL3が発生する磁束とコイルL4が発生する磁束が等しくない場合には、ノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されてしまい、新たなコモンモードノイズが発生して、コモンモードノイズが効率よく除去されない。そこで、ノイズフィルタ10aでは、xz断面において、コイルL1が発生する磁束の大きさとコイルL2が発生する磁束の大きさとが略等しくなるように、コイルL1,L2の電流経路を構成している。同様に、xz断面において、コイルL3が発生する磁束の大きさとコイルL4が発生する磁束の大きさとが略等しくなるように、コイルL3,L4の電流経路を構成している。これにより、コイルL1とコイルL2との間及びコイルL3とコイルL4との間の特性の差を小さくできる。故に、ノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されて、新たなコモンモードノイズが発生することがない。そのため、ノイズフィルタ10aでは、コモンモードチョークコイルL11及びコモンモードチョークコイルL12にて、より効率よくコモンモードノイズを除去することが可能となる。
また、xz断面においてコンデンサ電極が誘電体層16iに対して線対称な構造でない場合には、磁束の大きさが等しくなりにくいため、ノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されてしまい、新たなコモンモードノイズが発生して、コモンモードノイズが効率よく除去されない。一方、図2に示すように、コンデンサ電極50,52,58,60,62,68は、xz断面において、LCフィルタLC1とLCフィルタLC2との境界線(図2では、誘電体層16i)に対して、略線対称な構造を有している。同様に、図2に示すように、コンデンサ電極54,56,58,64,66,68は、xz断面において、LCフィルタLC3とLCフィルタLC4の境界線(図2では、誘電体層16i)に対して、略線対称な構造を有している。これにより、コンデンサ電極50,52,58が、コイルL1による磁束に及ぼす影響と、コンデンサ電極60,62,68が、コイルL2による磁束に及ぼす影響とを等しくできる。同様に、コンデンサ電極54,56,58が、コイルL4による磁束に及ぼす影響と、コンデンサ電極64,66,68が、コイルL3による磁束に及ぼす影響とを等しくできる。すなわち、コイルL1とコイルL2との間及びコイルL3とコイルL4との間の特性の差をより小さくできる。故に、ノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されて、新たなコモンモードノイズが発生することがない。そのため、ノイズフィルタ10aでは、コモンモードチョークコイルL11及びコモンモードチョークコイルL12にて、より効率よくコモンモードノイズを除去することが可能となる。
また、ノイズフィルタ10aでは、図2に示すように、コイルL1,L2は、z軸方向において、コンデンサC1,C2の間に位置するように積層されている。すなわち、コイルL1とコイルL2との間には、コンデンサが設けられていない。そのため、コイルL1及びコイルL2にて発生した磁束は、コンデンサC1,C2により妨げられにくい。これにより、コイルL1,L2内の磁束を強めることができ、LCフィルタLC1,LC2のノーマルモードノイズの除去特性を向上させることができると共に、LCフィルタLC1とLCフィルタLC2との磁気的結合を強めることができ、コモンモードチョークコイルL11のコモンモードノイズの除去特性を向上させることが可能となる。なお、同様のことが、LCフィルタLC3,LC4及びコイルL3,L4についても言える。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態に係るノイズフィルタ10bの構成について図面を参照しながら説明する。図12は、第2の実施形態に係るノイズフィルタ10bの積層体12bの分解斜視図である。ノイズフィルタ10bの外観斜視図及び等価回路図については、ノイズフィルタ10aと同じであるので、図1及び図3を援用する。図12において、図2と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
ノイズフィルタ10aとノイズフィルタ10bとの相違点は、コイルL1とコイルL2の結合のさせ方及びコイルL3とコイルL4との結合のさせ方である。より具体的には、ノイズフィルタ10aでは、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを部分的に重ならせている。また、同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL4とコイルL4とを部分的に重ならせている。
一方、ノイズフィルタ10bでは、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを一致させた状態で重ならせている。コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL3とコイルL4とを一致させた状態で重ならせている。
より詳細には、コイルL1〜L4は、誘電体層16c〜16iに設けられており、z軸方向において一致した領域に設けられている。そして、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致しないように配置する。ただし、コイルL1とコイルL2とは、z軸方向から平面視したときに重なっている。同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致しないように配置する。ただし、コイルL3とコイルL4とは、z軸方向から平面視したときに重なっている。
以上のようなノイズフィルタ10bによっても、ノイズフィルタ10aと同様に、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの両方を除去することができる。
特に、ノイズフィルタ10bでは、図12に示すように、z軸方向から平面視したときに、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを一致させた状態で重ならせている。よって、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とのずれ量を調整することにより、コイルL1とコイルL2とを適切な結合係数にて結合させることが容易となる。同様に、コイルL3とコイルL4とを適切な結合係数にて結合させることが容易となる。この適切な結合係数とは、具体的には、0.3以上0.6以下である。そして、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数を0.3以上0.6以下とすることにより、携帯電話のドライバとレシーバとの間を伝送する差動信号に発生するノーマルモードノイズを効果的に除去できる。
(第3の実施形態)
以下に、第2の実施形態に係るノイズフィルタ10cの構成について図面を参照しながら説明する。図13は、第3の実施形態に係るノイズフィルタ10cの積層体12cの分解斜視図である。図14は、ノイズフィルタ10cの等価回路図である。図13及び図14において、図2及び図3と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12cは、図13に示すように、誘電体層16a,16qのそれぞれにコンデンサ電極80,82,84,86,90,92,94,96が形成されている点において、積層体12aと相違する。以下、積層体12cと積層体12aとの相違点を中心に説明を行う。
誘電体層16aには、コンデンサ電極50,52,54,56,80,82,84,86が形成されている。コンデンサ電極80とコンデンサ電極58とは、誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC5を構成している。コンデンサ電極82とコンデンサ電極58とは、誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC6を構成している。コンデンサ電極84とコンデンサ電極58とは、誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC7を構成している。コンデンサ電極86とコンデンサ電極58とは、誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC8を構成している。
更に、コンデンサ電極80のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部81が設けられている。これにより、図14に示すように、コンデンサC5は、外部電極E1と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極82のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部83が設けられている。これにより、図14に示すように、コンデンサC6は、外部電極E3と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極84のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部85が設けられている。これにより、図14に示すように、コンデンサC7は、外部電極E5と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極86のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部87が設けられている。これにより、図14に示すように、コンデンサC8は、外部電極E7と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。
誘電体層16qには、コンデンサ電極60,62,64,66,90,92,94,96が形成されている。コンデンサ電極90とコンデンサ電極68とは、誘電体層16pを挟んで対向することにより、コンデンサC5を構成している。コンデンサ電極92とコンデンサ電極68とは、誘電体層16pを挟んで対向することにより、コンデンサC6を構成している。コンデンサ電極94とコンデンサ電極68とは、誘電体層16pを挟んで対向することにより、コンデンサC7を構成している。コンデンサ電極96とコンデンサ電極68とは、誘電体層16pを挟んで対向することにより、コンデンサC8を構成している。
更に、コンデンサ電極90のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部91が設けられている。これにより、図14に示すように、コンデンサC5は、外部電極E1と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極92のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部93が設けられている。これにより、図14に示すように、コンデンサC6は、外部電極E3と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極94のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部95が設けられている。これにより、図14に示すように、コンデンサC7は、外部電極E5と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極96のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部97が設けられている。これにより、図14に示すように、コンデンサC8は、外部電極E7と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。
ノイズフィルタ10cは、コンデンサC5〜C8が追加されて、Π型構造をとることによって、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失を急峻かつ大きくすることができる。
なお、ノイズフィルタ10cでは、ノイズフィルタ10aと同様に、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを部分的に重ならせている。また、同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL3とコイルL4とを部分的に重ならせている。しかしながら、コイルL1とコイルL2との結合のさせ方及びコイルL3とコイルL4との結合のさせ方はこれに限らない。ノイズフィルタ10cにおいて、ノイズフィルタ10bのように、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを一致させた状態で重ならせてもよい。同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL3とコイルL4とを一致させた状態で重ならせてもよい。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態に係るノイズフィルタ10dの構成について図面を参照しながら説明する。図15は、第4の実施形態に係るノイズフィルタ10dの積層体12dの分解斜視図である。図16は、ノイズフィルタ10dの等価回路図である。図15及び図16において、図2及び図3と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
ノイズフィルタ10dは、図15及び図16に示すように、コンデンサC1〜C4の代わりに、コンデンサC9〜C12が設けられている点において、図2及び図3に示すノイズフィルタ10aと相違する。以下、積層体12cと積層体12aとの相違点を中心に説明を行う。
ノイズフィルタ10dでは、図15に示すように、コイルL1,L4の途中に、コンデンサ電極100〜102が形成された誘電体層16c,16dが挿入されている。同様に、コイルL2,L3の途中に、コンデンサ電極105〜107が形成された誘電体層16n,16oが挿入されている。
より詳細には、誘電体層16c,16dは、誘電体層16bと誘電体層16eとの間に配置される。コンデンサ電極100,101はそれぞれ、コイルL1,L4に接続されており、コンデンサ電極102は、コイルL1,L4には接続されていない。ただし、コンデンサ電極102は、外部電極E9,E12と接続される引き出し部103,104が設けられている。これにより、コンデンサC9,C12は、図16に示すように、コイルL1,L4の途中と外部電極E9、E10との間に接続されている。
誘電体層16n,16oは、誘電体層16mと誘電体層16pとの間に配置される。コンデンサ電極105,106は、コイルL2,L3に接続されており、コンデンサ電極107は、コイルL2,L3には接続されていない。ただし、コンデンサ電極107は、外部電極E9,E10と接続される引き出し部108,109が設けられている。これにより、コンデンサC10,C11は、図16に示すように、コイルL1,L4の途中と外部電極E9、E10との間に接続されている。
ノイズフィルタ10dは、コンデンサC9〜C12が追加されて、T型構造をとることによって、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失を急峻かつ大きくすることができる。
なお、ノイズフィルタ10dでは、ノイズフィルタ10aと同様に、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを部分的に重ならせている。また、同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL4とコイルL4とを部分的に重ならせている。しかしながら、コイルL1とコイルL2との結合のさせ方及びコイルL3とコイルL4との結合のさせ方はこれに限らない。ノイズフィルタ10dにおいて、ノイズフィルタ10bのように、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを一致させた状態で重ならせてもよい。同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL3とコイルL4とを一致させた状態で重ならせてもよい。
(第5の実施形態)
以下に、第5の実施形態に係るノイズフィルタ10eの構成について図面を参照しながら説明する。図17は、第5の実施形態に係るノイズフィルタ10eの積層体12eの分解斜視図である。図18は、ノイズフィルタ10eの等価回路図である。図17及び図18において、図2、図3、図15及び図16と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
ノイズフィルタ10eは、ノイズフィルタ10aとノイズフィルタ10dとを組み合わせた構造を有している。具体的には、ノイズフィルタ10eは、ノイズフィルタ10aに対して、ノイズフィルタ10dのコンデンサC9〜C12が追加された構造を有している。これにより、ノイズフィルタ10eは、図18に示すように、L型構造のLCフィルタが直列に接続された構造を有するようになる。
なお、ノイズフィルタ10eでは、ノイズフィルタ10aと同様に、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを部分的に重ならせている。また、同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL4とコイルL4とを部分的に重ならせている。しかしながら、コイルL1とコイルL2との結合のさせ方及びコイルL3とコイルL4との結合のさせ方はこれに限らない。ノイズフィルタ10eにおいて、ノイズフィルタ10bのように、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを一致させた状態で重ならせてもよい。同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL3とコイルL4とを一致させた状態で重ならせてもよい。
(第6の実施形態)
以下に、第6の実施形態に係るノイズフィルタ10fの構成について図面を参照しながら説明する。図19は、第6の実施形態に係るノイズフィルタ10fの積層体12fの分解斜視図である。図19において、図2と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12fは、図19に示すように、結合電極120,121が設けられている誘電体層16c,16qが設けられている点において、図2に示す積層体12aと相違する。以下に、積層体12fと積層体12aの相違点について説明する。
図19に示すように、結合電極120は、コイルL1とコイルL4とを容量結合させるための電極であり、x軸方向に延在している帯状の電極である。結合電極120は、z軸方向において、コイルL1,L4とコンデンサC1〜C4との間に設けられている。また、結合電極120は、z軸方向から平面視したときに、コイルL1とコイルL4と重なるように設けられている。これにより、コイルL1とコイルL4との間に寄生容量が形成されるようになる。
また、結合電極121は、コイルL2とコイルL3とを容量結合させるための電極であり、x軸方向に延在している帯状の電極である。結合電極121は、z軸方向において、コイルL2,L3とコンデンサC1〜C4との間に設けられている。また、結合電極121は、z軸方向から平面視したときに、コイルL2とコイルL3と重なるように設けられている。これにより、コイルL2とコイルL3との間に寄生容量が形成されるようになる。
以上のように、ノイズフィルタ10fでは、結合電極120,121が設けられている。該結合電極120,121は、コイルL1,L2からなる組とコイルL3,L4からなる組とを容量結合させている。これにより、ノイズフィルタ10fは、結合電極120,121がないノイズフィルタよりも、コモンモードノイズの反射を抑制することが可能となる。
なお、ノイズフィルタ10fでは、ノイズフィルタ10aと同様に、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを部分的に重ならせている。また、同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに一致させると共に、z軸方向において、コイルL4とコイルL4とを部分的に重ならせている。しかしながら、コイルL1とコイルL2との結合のさせ方及びコイルL3とコイルL4との結合のさせ方はこれに限らない。ノイズフィルタ10fにおいて、ノイズフィルタ10bのように、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL1とコイルL2とを一致させた状態で重ならせてもよい。同様に、コイルL3のコイル軸とコイルL4のコイル軸とをz軸方向から平面視したときに重ならせないと共に、z軸方向において、コイルL3とコイルL4とを一致させた状態で重ならせてもよい。
なお、ノイズフィルタ10b〜10eにおいて、結合電極120,121が設けられてもよい。
本発明の実施形態に係るノイズフィルタの外観斜視図である。 第1の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解図である。 第1の実施形態に係るノイズフィルタの等価回路図である。 ノイズフィルタにおいて、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数を0.2としたときにおける、ノーマルモードノイズの挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。 ノイズフィルタにおいて、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数を0.3としたときにおける、ノーマルモードノイズの挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。 ノイズフィルタにおいて、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数を0.6としたときにおける、ノーマルモードノイズの挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。 ノイズフィルタにおいて、コイルL1とコイルL2との結合係数及びコイルL3とコイルL4との結合係数を0.7としたときにおける、ノーマルモードノイズの挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。 第1の実験例において、第1の実験を行った際の結果を示したグラフである。 第2の実験例において、第1の実験を行った際の結果を示したグラフである。 第2の実験例において、第2の実験を行った際の結果を示したグラフである。 第1の実験例において、第2の実験を行った際の結果を示したグラフである。 第2の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 第3の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 図13のノイズフィルタの等価回路図である。 第4の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 図15のノイズフィルタの等価回路図である。 第5の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 図17のノイズフィルタの等価回路図である。 第6の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。
符号の説明
C1〜C12 コンデンサ
L1〜L4 コイル
L11,L12 コモンモードチョークコイル
LC1〜LC4 LCフィルタ
10a〜10f ノイズフィルタ
12a〜12f 積層体
14a〜14f,16a〜16u 誘電体層
30a〜30h,32a〜32h,34a〜34h,36a〜36h コイル電極
50,52,54,56,58,60,62,64,66,68,80,82,84,86 コンデンサ電極
E1〜E10 外部電極

Claims (7)

  1. 第1のコイルを含む第1のLCフィルタと、
    第2のコイルを含む第2のLCフィルタと、
    第3のコイルを含む第3のLCフィルタと、
    第4のコイルを含む第4のLCフィルタと、
    前記第1のLCフィルタないし前記第4のLCフィルタを内蔵していると共に、複数の絶縁体層が積層されてなる積層体と、
    積層方向から平面視したときに、前記第1のコイルと前記第3のコイルとに重なるように設けられている容量結合電極と、
    を備え、
    前記第2のコイルは、積層方向において、前記第1のコイルと重なっていると共に、積層方向から平面視したときに、該第1のコイルと重なっており、
    前記第1のコイルと前記第3のコイルとは、前記容量結合電極により容量結合していること、
    を特徴とするノイズフィルタ。
  2. 前記第2のコイルは、積層方向において、前記第1のコイルと一部において重なっており、
    前記第1のコイルのコイル軸と前記第2のコイルのコイル軸とは、積層方向から平面視したときに、重なっていること、
    を特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
  3. 前記第2のコイルは、積層方向において、前記第1のコイルと一致した状態で重なっており、
    前記第1のコイルのコイル軸と前記第2のコイルのコイル軸とは、積層方向から平面視したときに、重なっていないこと、
    を特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
  4. 前記第1のLCフィルタは、第1のコンデンサを、含み、
    前記第2のLCフィルタは、第2のコンデンサを、含み、
    前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、積層方向において、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に設けられていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  5. 前記第1のコイルと前記第2のコイルとは、0.3以上0.6以下の結合係数で磁気結合していること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  6. 前記第4のコイルは、積層方向において、前記第3のコイルと重なっていると共に、積層方向から平面視したときに、該第3のコイルと重なっていること、
    を特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
  7. 前記第3のLCフィルタは、第3のコンデンサを、含み、
    前記第4のLCフィルタは、第4のコンデンサを、含み、
    前記第3のコイル及び前記第4のコイルは、積層方向において、前記第3のコンデンサと前記第4のコンデンサとの間に設けられていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のノイズフィルタ。
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