JP5613642B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に電動モータが発生した補助トルクを負荷に伝えるためのウォームギヤ機構の改良技術に関する。
電動パワーステアリング装置に搭載されているウォームギヤ機構は、電動モータに連結されたウォームと、負荷に連結されたトルク伝達用のウォームホイールとによって構成されている。ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて電動モータが発生した補助トルクは、ウォームからウォームホイールを介して負荷に伝達される。このようなウォームギヤ機構では、円滑な噛み合いとなるように、ウォームとウォームホイールとの間にバックラッシ(歯面同士の隙間)を有している。
しかし、バックラッシを有していると、例えば車両が悪路を走行しているときに歯同士が当たる音、いわゆる歯打ち音が発生する。このような歯打ち音は、騒音の要因となり得る。さらに、電動パワーステアリング装置では、バックラッシを有する分だけ、制御の応答に微小な遅れ時間(タイムラグ)が発生する要因となり得る。電動パワーステアリング装置の操舵フィーリング(操舵感覚)を高めるには、より安定した制御性能にすることが求められ、そのためにはバックラッシを抑制することが好ましい。近年、バックラッシを抑制する技術が開発されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1で知られている電動パワーステアリング装置のウォームギヤ機構は、ウォーム軸に設けられるウォームと、このウォームに噛み合うウォームホイールと、から成る。ウォーム軸の一端部は、電動モータのモータ軸に対して端面同士が対面しつつ軸継手によって結合されるとともに、玉軸受によってハウジングに回転可能に支持されている。ウォーム軸の他端部は、ウォーム軸支持部材によってハウジングに回転可能に支持されている。
ウォーム軸支持部材は、樹脂製の中空円盤状の部材であって、ハウジングに形成された真円状の孔に嵌め込まれている。このウォーム軸支持部材には、ウォーム軸を支持するための支持孔と、この支持孔の径方向外側に位置するスリットと、が形成されている。
支持孔の中心は、ウォーム軸支持部材の全体の中心に対してオフセットしている。ハウジングの孔に対しウォーム軸支持部材を回すことによって、支持孔の中心の位置を調整することが可能である。支持孔の中心の位置を調整すれば、ウォームとウォームホイールとの間のバックラッシを調整することが可能である。
スリットは、ウォーム軸支持部材の全体の中心に対して同心の円弧状に形成されている。ウォーム軸支持部材にスリットを有することにより、温度変化の影響によるウォームとウォームホイールとの中心間の距離の変化を、吸収することができる。
しかし、補助トルクをウォームからウォームホイールに伝達するときには、ウォームホイールからウォームに反力が発生する。この反力はウォームからウォーム軸を介してウォーム軸支持部材に伝わる。このウォーム軸支持部材はスリットを有しているので、ウォームホイールに対するウォームの噛み合い部分から離れる方向へ弾性変位する。このような弾性変位が長期にわたって繰り返されると、樹脂製のウォーム軸支持部材は経年変化によって、塑性変形し得る。これでは、当初のバックラッシを抑制する機能が低下する要因となり得る。
電動パワーステアリング装置の制御部は、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクに従った補助トルクを、電動モータに発生させるように制御している。この制御部が制御信号を発してから、電動モータが制御信号どおりの補助トルクを発するまでには、微小なタイムラグを生ずる。このため、制御信号にはオーバーシュートなどの乱れが発生し、安定するまでに微小な時間がかかる。その間、電動モータが発生する補助トルクは、微小にふらつく。
さらに、操舵フィーリングを高めるには、制御系に入るノイズや制御パラメータの変化があっても、トルク制御が乱されない、いわゆるロバスト性が高いことが好ましい。トルク制御が乱れると、その間、電動モータが発生する補助トルクは、微小にふらつく。このようなトルク変動は、電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングを高める上で、できるだけ抑制されることが好ましい。
しかし、特許文献1のウォームギヤ機構では、ウォーム軸支持部材はスリットを有しているので、トルク変動に従って弾性変位を起こし得る。これでは、操舵フィーリングを高める上で不利である。
特開2002−173036公報
本発明は、ウォームギヤ機構を有している電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングを、より高めることができる技術を、提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクに基づいて制御部が電動モータを制御し、この電動モータが発生した補助トルクをウォームギヤ機構を介して操舵車輪に伝達することにより、前記操舵トルクに前記補助トルクを付加した複合トルクによって、前記操舵車輪の転舵を行うようにした電動パワーステアリング装置において、
前記ウォームギヤ機構は、ハウジングに収納されているウォーム軸に設けられるウォームと、このウォームに噛み合うウォームホイールと、から成り、
前記ウォーム軸の一端部は、前記電動モータのモータ軸に対して端面同士が対面しつつ結合されるとともに、第1軸受によって前記ハウジングに回転可能に支持され、
前記ウォーム軸の他端部は、第2軸受によって前記ハウジングに回転可能に支持され、
記第1軸受及び前記第2軸受は、両方共に、複数の球体を含む転がり軸受によって構成されるとともに、外輪の外周面全体が前記ハウジングによって支持され
前記第2軸受の外輪の中心は、前記モータ軸の軸心に対して、前記ウォーム軸が前記ウォームホイールの外周面に接近する方向にオフセットし、
前記第2軸受の内輪に、前記ウォーム軸の他端部が嵌め込まれることにより、前記第2軸受の内輪の中心は、前記第1軸受の中心及び前記ウォームの中心と共に前記モータ軸の軸線上に位置していることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、第2軸受が、モータ軸の軸心に対してオフセットしている。しかも、第1及び第2軸受は、外輪の外周面全体が、ハウジングによって支持されている。この第1及び第2軸受は、転がり軸受によって構成されているので、内輪と、外輪と、これらの内外輪の間に配列された複数個の移動体(球体等)とを含んでいる。オフセットしている方の軸受の内輪に対し、ウォーム軸が傾いて嵌合しているので、ウォーム軸からこの軸受に作用する荷重方向は、ウォーム軸の軸直角方向ではなく、若干傾いている。従って、オフセットしている軸受においては、内輪と複数個の球体との間の転がり摩擦抵抗や、外輪と複数個の球体との間の転がり摩擦抵抗を、オフセットしていない場合に比べて増す。この転がり摩擦抵抗を増すことにより、ウォーム軸に対して回転方向の抵抗(回転抵抗)を付加することができる。この回転抵抗によって、電動モータが発生する補助トルクのふらつき(変動)を抑制することができる。つまり、安定したトルク制御を行うことができる。従って、電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングを、より高めることができる。
さらに、請求項1に係る発明では、各軸受の外輪の外周面全体がハウジングによって支持されているので、第2軸受が、モータ軸の軸心に対してオフセットしているにもかかわらず、各軸受に過大な面圧が作用することを防止できる。従って、第1及び第2軸受の剛性を十分に確保することができるので、長期にわたってウォーム軸に回転抵抗を付加することができる。
加えて、請求項に係る発明では、モータ軸の軸心に対してオフセットしている方の軸受は、モータ軸から離れて位置した第2軸受である。つまり、モータ軸に接近している方の第1軸受は、モータ軸の軸心に対してオフセットしていない。この第1軸受は、ウォーム軸の一端部を支持している。第1軸受がオフセットしていないので、ウォーム軸の一端部は、電動モータのモータ軸に対して、端面同士が対面しつつ結合されるように位置することが可能である。このため、モータ軸にウォーム軸を連結するための軸継手の、選択の自由度が増す。軸同士を直結することが可能なので、簡単な構成で小型の筒形継手を採用することもできる。筒形継手には、筒内にセレーション歯が形成されているセレーション軸継手や、筒内にスプライン歯が形成されているスプライン軸継手がある。
加えて、 請求項に係る発明では、モータ軸の軸心に対してオフセットする方の軸受のオフセット方向は、ウォーム軸がウォームホイールの外周面に接近する方向である。このため、ウォームとウォームホイールとの中心間の距離が小さくなるので、ウォームとウォームホイールとの間のバックラッシを抑制することができる。従って、歯打ち音の発生を抑制できるとともに、制御の応答のタイムラグを抑制できる。
さらには、ウォーム、ウォームホイール及びハウジングの各々の材質によっては、高温になるにつれて熱膨張差が大きくなる。この結果、ウォームとウォームホイールとの中心間の距離が大きくなることによって、バックラッシが大きくなることがあり得る。これに対し、請求項に係る発明では、モータ軸の軸心に対してオフセットする方の軸受のオフセット方向は、中心間の距離が小さくなる方向である。このため、熱影響によるバックラッシの拡大を抑制することができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の模式図である。 図1に示された電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 図2の3−3線断面図である。 図2の4−4線断面図である。 図4の要部拡大図である。 第2ベアリングの拡大図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例に係る電動パワーステアリング装置を図1〜図6に基づき説明する。
図1に示されるように、電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングホイール21から車両の操舵車輪29,29(例えば前輪)に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40とからなる。
ステアリング系20は、ステアリングホイール21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介してピニオン軸24(回転軸24)を連結し、ピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26を連結し、ラック軸26の両端に左右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介して左右の操舵車輪29,29を連結したものである。
ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成されたピニオン31と、ラック軸26に形成されたラック32とからなる。
ステアリング系20によれば、運転者がステアリングホイール21を操舵することで、この操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
補助トルク機構40は、ステアリングホイール21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操舵トルクセンサ41で検出し、この操舵トルクセンサ41のトルク検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ43で発生し、この補助トルクをウォームギヤ機構44を介してピニオン軸24に伝達し、さらに、補助トルクをピニオン軸24からステアリング系20のラックアンドピニオン機構25に伝達するようにした機構である。
操舵トルクセンサ41は、ピニオン軸24に加えられたトルクを検出し、トルク検出信号として出力するものであり、例えば磁歪式トルクセンサやトーションバー式トルクセンサによって構成される。
電動パワーステアリング装置10によれば、運転者の操舵トルクに電動モータ43の補助トルクを加えた複合トルクにより、ラック軸26で操舵車輪29,29を操舵することができる。
図2に示されるように、ハウジング51は車幅方向(図左右方向)に延びており、ラック軸26を軸方向にスライド可能に収容している。ラック軸26は、ハウジング51から突出した長手方向両端にボールジョイント52,52を介してタイロッド27,27を連結している。
図3に示されるように、電動パワーステアリング装置10は、ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、操舵トルクセンサ41及びウォームギヤ機構44をハウジング51に収納し、ハウジング51の上部開口を上部カバー部53で塞いだものである。操舵トルクセンサ41は、上部カバー部53に取付けたものである。
ハウジング51は、上下に延びるピニオン軸24の上部24u、長手中央部24m及び下端部24dを3個の軸受(上から下方へ順に第1軸受55、第2軸受56、第3軸受57)を介して回転可能に支持したものであり、さらに電動モータ43を取付けるとともに、ラックガイド60を備えている。3個の軸受55〜57はボールベアリングからなる。第3軸受57の外輪は、ハウジング51の嵌合孔に圧入によって固定されている。
ラックガイド60は、ラック32とは反対側からラック軸26に当てるガイド部61と、このガイド部61を圧縮ばね62を介して押す調整ボルト63とからなる、ラック押圧手段である。
図4に示されるように、電動モータ43はハウジング51の側面に取り付けられており、横向きのモータ軸43aを備える。このモータ軸43aはハウジング51内に延び、カップリング45によってウォーム軸46に連結されている。ハウジング51は、水平に延びるウォーム軸46の両端部46a,46bを、軸受47,48を介して回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承している。2個の軸受47,48は、共に転がり軸受からなる。
以下、ウォーム軸46の一端部46a、つまりモータ軸43a側の端部46aを支持する軸受47のことを「第1軸受47」といい、他端部46bを支持する軸受48のことを「第2軸受48」ということにする。
図3及び図4に示されるように、ウォームギヤ機構44は、電動モータ43で発生した補助トルクをピニオン軸24に伝達する補助トルク伝達機構、すなわち倍力機構である。詳しく述べると、ウォームギヤ機構44は、ウォーム70と、このウォーム70に噛み合うウォームホイール80とからなる。ウォームホイール80のことを、以下「ホイール80」と略称する。ウォーム70の中心線WLに対して、ホイール80の中心線CLは略直角に配置されている。このホイール80の中心線CLは、ピニオン軸24の中心線CLでもある。
ウォーム70は、ウォーム軸46に一体に形成されている金属製品、例えば機械構造用炭素鋼鋼材(JIS−G−4051)等の鉄鋼製品である。ホイール80は、全体又は少なくとも歯81の部分がナイロン樹脂等の樹脂製品である。金属製品のウォーム70に樹脂製品のホイール80を噛合わせるようにしたので、噛合いを比較的円滑にすることができるとともに、騒音を一層低減させることができる。
ウォーム70のねじ山71(つまり、歯71)は1条に設定されている。ホイール80の外周面には、全周にわたって等ピッチの複数の歯81が形成されている。このホイール80は、ピニオン軸24に対して軸方向への相対移動が規制され、且つ相対回転が規制されて取り付けられている。例えば、ホイール80はピニオン軸24に対して、回転方向にはセレーションやスプラインによって連結されるとともに、軸方向には止め輪によって取り付けられている。駆動側のウォーム70に負荷側のホイール80を噛合わせることによって、ウォーム70からホイール80を介して負荷にトルクを伝達することができる。
ウォーム70及びホイール80の詳細について詳細を次図以降で説明する。
図5及び図6に示すように、第1軸受47及び第2軸受48は、それぞれ外輪47a,48aの外周面全体がハウジング51によって支持されている。また、第1軸受47は、止め輪82及びナット83によって位置決めされている。詳細は後述するが、止め輪82及びナット83によって位置決めされた第1軸受47によって、ウォーム軸46は軸方向への変形を規制されている。一方、第2軸受48は、軸心BCがモータ軸43の軸心WLに対して、ホイール80の外周面に接近する方向にオフセットしている。
ウォームからステアリングホイール(図1、符号21)に補助トルクが伝達されることに伴う、ウォーム軸46方向への荷重(スラスト)を、第1軸受47が受ける。第2軸受48は、モータ軸の軸心WLに対してオフセットしているので、スラストを受けるのに最適とはいえない。
一般に、転がり軸受は、荷重を受けると、ボール等の転動体と軌道面(球体が転がる表面)との接触部に、微小な弾性変形を生じる。このような転がり軸受では、軸方向への弾性変形の規制がない場合に、作用するスラスト荷重が過大になると、球体の転動面や軌道輪(内輪と外輪)の軌道面に、凹凸状の圧痕を生じてしまい、回転の滑らかさを失うことになる。この結果、転がり軸受には、ゴロゴロ音などの作動音や振動が生じる。
これに対し、第1軸受47は、ウォーム軸46方向への変形を自己規制することが可能な転がり軸受によって構成されている。具体的には、第1軸受47に4点接触玉軸受を用いることで、ウォーム軸46の軸方向への変形を自己規制している。このため、第1軸受47は、ウォーム軸46方向への変形を自己規制することにより、過大な弾性変形を防ぐことができる。この結果、第1軸受47の耐久性を高めると共に作動音や振動を抑制することができる。
なお、4点接触玉軸受は、1個で軸方向の両方向のスラスト(アキシアル荷重)を受けることができるので、軸方向の剛性が大きい。
軸方向の剛性が大きい転がり軸受には、他に複列アンギュラ玉軸受がある。しかし、4点接触玉軸受の方が、軸受幅が小さい。4点接触玉軸受を採用することによって、ウォームギヤ機構44の小型化を図ることができる。
第2軸受48は、単列玉軸受であって、外輪48aと、内輪48bと、複数の球体48cとからなる。外輪48aはハウジング51に外周面全体が支持されており、内輪48bには、ウォーム軸46が嵌め込まれている。外輪48aの中心は、外径Dの中心、即ち軸BCに一致している。内輪48bの中心は、軸WLに一致している。
ところで、図6に示すように、単列玉軸受48(第2軸受48)は、熱膨張等を考慮して、外輪48a、内輪48b及び球体48cの各々の間に固有の隙間tを持たせて設計される。本発明によれば、第2軸受48の軸心BCがウォーム軸46の軸心WLに対してオフセットされている。このため、内輪48bは、ウォーム軸46によって軸心BCのオフセット方向とは反対方向へ押されて変位している。変位することで、外輪48a、内輪、球体48cが常に接触する状態とされる(図面上部の球体48c参照)。一方、軸心BCのオフセット方向では、内輪48bと球体48cとが接触せずに、内輪48bと球体48cとの間にスペース48dが生じる。
即ち、オフセットしている第2軸受48の内輪48bに対し、ウォーム軸46が傾いて嵌合しているので、ウォーム軸46からこの第2軸受48に作用する荷重方向は、ウォーム軸46の軸直角方向ではなく、若干傾いている。従って、第2軸受48においては、内輪48bと複数個の球体48cとの間の転がり摩擦抵抗や、外輪48aと複数個の球体48cとの間の転がり摩擦抵抗を、オフセットしていない場合に比べて増す。この転がり摩擦抵抗を増すことにより、ウォーム軸46に対して回転方向の抵抗(回転抵抗)を付加することができる。この回転抵抗によって、電動モータ(図4、符号43)が発生する補助トルクのふらつき(変動)を抑制することができる。つまり、安定したトルク制御を行うことができる。従って、電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングを、より高めることができる。
さらに、各軸受47,48の外輪47a,48aの外周面全体がハウジング51によって支持されているので、第1軸受47と第2軸受48とのいずれか一方が、モータ軸の軸心WLに対してオフセットしているにもかかわらず、各軸受47,48に過大な面圧が作用することを防止できる。従って、第1及び第2軸受47,48の剛性を十分に確保することができるので、長期にわたってウォーム軸46に回転抵抗を付加することができる。
モータ軸43に接近している方の第1軸受47は、モータ軸の軸心WLに対してオフセットしていない。この第1軸受47は、ウォーム軸46の一端部46aを支持している。第1軸受47がオフセットしていないので、ウォーム軸46の一端部46aは、電動モータ43のモータ軸WLに対して、端面同士が略対面しつつ結合されるように位置するため、ウォーム軸46とモータ軸WLの結合面の偏芯を抑えることが可能である。これにより、偏芯と偏角とを許容する継手(ゴムカップリング等)以外に、偏芯は許容せず偏角のみ許容する継手(セレーション等)も選択できる。このため、モータ軸43にウォーム軸46を連結するための軸継手の、選択の自由度が増す。軸同士を直結することが可能なので、簡単な構成で小型の筒形継手を採用することもできる。筒形継手には、筒内にセレーション歯が形成されているセレーション軸継手や、筒内にスプライン歯が形成されているスプライン軸継手がある。
なお、第1軸受47をモータ軸43の軸心に対してオフセットする場合は、例えばゴムカップリングを用いることで偏芯も許容できるので、モータ軸43にウォーム軸46を接続することができる。
モータ軸の軸心WLに対して、ウォーム軸46がホイール80の外周面に接近する方向に第2軸受48をオフセットした。このため、ウォーム70とホイール80との中心間の距離が小さくなるので、ウォーム70とホイール80との間のバックラッシを抑制することができる。従って、歯打ち音の発生を抑制できるとともに、制御の応答のタイムラグを抑制できる。
さらには、ウォーム70、ホイール80及びハウジング51の各々の材質によっては、高温になるにつれて熱膨張差が大きくなる。この結果、ウォーム70とホイール80との中心間の距離が大きくなることによって、バックラッシが大きくなることがあり得る。これに対し、モータ軸の軸心WLに対して第2軸受48のオフセット方向は、中心間の距離が小さくなる方向である。このため、熱影響によるバックラッシの拡大を抑制することができる。
尚、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、第1軸受に4点接触玉軸受や複列アンギュラ玉軸受を用いる場合を例に説明したが、安価にするために単列玉軸受を用いることも可能であり、任意の軸受を適用することができる。
本発明の電動パワーステアリング装置は、乗用車に採用するのに好適である。
10…電動パワーステアリング装置、21…ステアリングホイール、29…操舵車輪、42…制御部、43…電動モータ、44…ウォームギヤ機構、46…ウォーム軸、46a…一端部、46b…他端部、47…第1軸受、48…第2軸受、51…ハウジング、70…ウォーム、80…ウォームホイール、WL…ウォームの中心(モータ軸の軸線)、BC…第2軸受の中心線(オフセットされた軸受の軸線)。

Claims (1)

  1. ステアリングホイールに加えられた操舵トルクに基づいて制御部が電動モータを制御し、この電動モータが発生した補助トルクをウォームギヤ機構を介して操舵車輪に伝達することにより、前記操舵トルクに前記補助トルクを付加した複合トルクによって、前記操舵車輪の転舵を行うようにした電動パワーステアリング装置において、
    前記ウォームギヤ機構は、ハウジングに収納されているウォーム軸に設けられるウォームと、このウォームに噛み合うウォームホイールと、から成り、
    前記ウォーム軸の一端部は、前記電動モータのモータ軸に対して端面同士が対面しつつ結合されるとともに、第1軸受によって前記ハウジングに回転可能に支持され、
    前記ウォーム軸の他端部は、第2軸受によって前記ハウジングに回転可能に支持され、
    記第1軸受及び前記第2軸受は、両方共に、複数の球体を含む転がり軸受によって構成されるとともに、外輪の外周面全体が前記ハウジングによって支持され
    前記第2軸受の外輪の中心は、前記モータ軸の軸心に対して、前記ウォーム軸が前記ウォームホイールの外周面に接近する方向にオフセットし、
    前記第2軸受の内輪に、前記ウォーム軸の他端部が嵌め込まれることにより、前記第2軸受の内輪の中心は、前記第1軸受の中心及び前記ウォームの中心と共に前記モータ軸の軸線上に位置していることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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