JP5613221B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに関する。
内燃機関等に使用されるスパークプラグは、例えば、軸線方向に延びる中心電極と、中心電極の外周に設けられる絶縁体と、絶縁体の外周に設けられる筒状の主体金具と、主体金具の先端部に接合される接地電極とを備える。また、接地電極は、その先端部が中心電極の先端部と対向するように曲げ返され、中心電極の先端部と接地電極との先端部の間には間隙が形成される。
さらに近年では、接地電極や中心電極のうち、前記間隙を形成する部位に耐消耗性に優れる金属(例えば、イリジウム合金や白金合金等)からなるチップを溶接し、着火性や耐消耗性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2003−229230号公報
ところで、チップが溶接される電極は、例えば、ニッケルを主成分とする金属により形成され、一般にチップの熱膨張係数は、チップが溶接される電極の熱膨張係数よりも小さなものとされる。従って、高温下において、チップ及び電極間で生じる熱応力差が比較的大きなものとなる。その結果、冷熱サイクルの繰り返しに伴い、チップ及び電極間において酸化スケールが急速に形成されてしまい、電極からチップが早期に剥離(脱落)してしまうおそれがある。
そこで、チップの剥離(脱落)を防止すべく、電極に対してチップを極めて強固に溶接することで、チップ及び電極間における酸化スケールの形成を抑制することが考えられる。しかしながら、この場合には、チップのうち電極側に位置する部位が、電極の熱膨張に引っ張られる形でより大きく熱膨張(変形)してしまう。これにより、チップのうち電極側に位置する部位と、チップのうち電極とは反対側に位置する部位との間における熱膨張差が大きくなってしまう。その結果、チップのうち電極とは反対側に位置する部位が変形してしまったり(例えば、反り返ってしまったり)、当該部位に割れが発生してしまったりするおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、チップの熱膨張係数がチップの溶接される電極の熱膨張係数よりも小さいスパークプラグにおいて、電極に対するチップの溶接性を向上させ、チップの剥離(脱落)をより確実に防止しつつ、チップの変形や割れを効果的に防止することを特徴とする。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、中心電極と、前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極とを備え、前記両電極の少なくとも一方にチップが溶接されたスパークプラグであって、
前記チップは、前記チップが溶接された前記電極より熱膨張係数が小さく、前記チップの貴金属成分の含有率A(質量%)と前記電極の貴金属成分の含有率B(質量%)との差(A−B)が50%以上であり、
前記チップと前記電極との間の中間層に空孔が存在し、前記チップの中心軸を含む断面において、前記チップと前記中間層との境界の長さをL(mm)、前記チップと前記中間層との境界に沿う方向の前記空孔の長さをN(mm)とすると、0.1≦N/L≦0.4であることを特徴とする。
上記構成1によれば、A−Bが50質量%以上とされているため、使用時(高温下)においてチップや電極に含有される貴金属成分を十分に拡散させることができる。この拡散に伴い、中間層に存在する空孔をチップの内部(特に中間層側)へと入り込ませることができ、チップの内部に空孔を形成することができる。そして、このチップ内部に形成された空孔により、電極の熱膨張に伴い電極からチップに加わる応力を緩和することができ、チップのうち電極側に位置する部位とチップのうち電極とは反対側に位置する部位との間における熱膨張差を低減させることができる。その結果、チップにおける変形や割れの発生をより確実に防止することができる。
また、チップの内部に形成された空孔の存在により、電極及びチップ間における熱応力差を低減させることができる。従って、チップ及び電極間における酸化スケールの形成を効果的に抑制することができ、電極に対するチップの溶接性を高めることができる。その結果、電極からのチップの剥離(脱落)をより確実に防止することができる。
尚、0.1>N/Lとした場合には、チップの内部に空孔を十分に形成することができず、上述の作用効果が発揮されないおそれがある。また、N/L>0.4とした場合には、チップ内部に対して空孔が入り込みにくくなり、上述の作用効果が発揮されないおそれがある。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記断面において、前記チップの一方の側面から他方の側面までの範囲を4等分する前記中心軸に平行な直線を端から順にP1,P2,P3とし、
P1からP3までの範囲における前記境界に沿う方向の前記空孔の長さをQ(mm)とすると、0.6≦Q/Nであることを特徴とする。
上記構成2によれば、チップ及び電極間で生じる熱応力差が特に大きなものとなりやすいチップの中心側に空孔の大部分が形成されている。従って、使用時(高温下)において、チップの中心側内部に空孔をより多く形成することができ、電極及びチップ間における熱応力差をより効果的に低減させることができる。その結果、チップの溶接性を一層高めることができ、チップの剥離(脱落)をより一層確実に防止することができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記チップの中心軸と直交する平面に、前記チップが溶接された前記電極と当該電極側に位置する前記チップの端面とを前記中心軸に沿って投影したとき、前記電極の投影面と前記端面の投影面とが重なる領域は、矩形状又は円形状をなし、
K(mm)を、前記領域が矩形状の場合に前記領域の長辺とし、前記領域が円形状の場合に前記領域の直径とし、
T(mm)を、前記中心軸に沿った前記チップの最大厚さとしたとき、
K/T≧1.2であることを特徴とする。
尚、チップの一部が電極に埋没している場合など、電極側に位置するチップの面が複数存在する場合において、「電極側に位置するチップの端面」とあるは、チップの外表面のうち最も広範囲に亘って中間層に隣接している面(すなわち、電極に対するチップの溶接性を確保するという点で、最も重要な面)をいう。
上記構成3のように、K/T≧1.2を満たす比較的薄肉のチップは、高温下において電極が熱膨張した際に、チップのうち電極側に位置する部位が、電極の熱膨張に合わせて変形しやすい。そのため、電極及びチップ間における熱応力差をより小さくすることができ、溶接性の更なる向上を図ることができる。
一方で、チップのうち電極側に位置する部位がより変形しやすいため、チップのうち電極側に位置する部位とチップのうち電極とは反対側に位置する部位との間における熱膨張差は増大する。そのため、チップにおける変形や割れがより懸念される。
この点、上記構成1等によれば、K/T≧1.2とされ、チップの変形や割れがより懸念される場合においても、チップの変形等をより確実に防止することができる。その結果、K/T≧1.2とすることにより奏されるメリット(極めて優れた溶接性)を十分に維持しつつ、K/T≧1.2とすることに伴うデメリット(耐変形性の低下)を解消することができる。すなわち、上記構成3によれば、極めて優れた溶接性と、良好な耐変形性との双方を同時に得ることができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 接地電極側チップ及び接地電極間に位置する中間層の構成を示す拡大断面図である。 中心電極側チップ及び中心電極間に位置する中間層の構成を示す拡大断面図である。 長さKaを説明するための接地電極側チップ等の投影図である。 接地電極側チップの最大厚さTaを示す拡大断面図である。 長さKbを説明するための中心電極側チップ等の投影図である。 中心電極側チップの最大厚さTbを示す拡大断面図である。 第2実施形態における、スパークプラグの先端部の構成を示す一部破断拡大正面図である。 接地電極側チップ及び接地電極間に位置する中間層の構成を示す拡大断面図である。 中心電極側チップ及び中心電極間に位置する中間層の構成を示す拡大断面図である。 長さKcを説明するための接地電極側チップ等の投影図である。 接地電極側チップの最大厚さTcを示す拡大断面図である。 第3実施形態における、接地電極側チップ及び接地電極の相対位置関係等を示す拡大断面図である。 長さKeを説明するための接地電極側チップ等の投影図である。
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、熱伝導性に優れる金属〔例えば、銅や銅合金、純ニッケル(Ni)など〕からなる内層5A、及び、Niを主成分とする合金からなる外層5Bにより構成されている。さらに、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部が絶縁碍子2の先端から突出している。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料電池改質器等)の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15よりも後端側の外周面には径方向外側に突出する座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を前記燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3に対してその後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定されている。尚、段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、図2に示すように、主体金具3の先端部26には、Niを主成分とする合金からなる棒状の接地電極27が接合されている。接地電極27は、自身の中間部分にて曲げ返されており、その先端部側面が中心電極5の先端部と対向している。また、中心電極5の先端部と接地電極27の先端部との間には、間隙としての火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33において軸線CL1に沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
加えて、接地電極27のうち中心電極5との間で火花放電間隙33を形成する部位には、抵抗溶接により、所定の貴金属〔例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、及び、パラジウム(Pd)〕を主成分とする金属からなる円柱状の接地電極側チップ(本発明の「チップ」に相当する)31が接合されている。また、中心電極5のうち接地電極27との間で火花放電間隙33を形成する部位には、レーザー溶接により、所定の貴金属(例えば、Ir、Pt、Rh、Ru、及び、Pd)を主成分とする金属からなる円柱状の中心電極側チップ(本発明の「チップ」に相当する)32が接合されている。
さらに、本実施形態において、チップ31,32が溶接される接地電極27及び中心電極5(特に外層5B)は、上述の通り、Niを主成分とする合金により形成されている。そのため、接地電極側チップ31の熱膨張係数は、これが溶接される接地電極27の熱膨張係数よりも小さなものとなっている。また、中心電極側チップ32の熱膨張係数は、これが溶接される中心電極5(外層5B)の熱膨張係数よりも小さなものとなっている。
加えて、本実施形態では、接地電極側チップ31の貴金属成分の含有率をA1(質量%)とし、接地電極27の貴金属成分の含有率をB1(質量%)としたとき、A1−B1が50質量%以上とされている。また、中心電極側チップ32の貴金属成分の含有率をA2(質量%)とし、中心電極5(外層5B)の貴金属成分の含有率をB2(質量%)としたとき、A2−B2が50質量%以上とされている。
併せて、本実施形態において、接地電極27及び中心電極5(外層5B)には、クロムが10質量%以上35質量%以下含有されており、良好な加工性を確保しつつ、優れた耐酸化性を実現できるように構成されている。尚、耐酸化性を一層向上させるべく、接地電極27及び中心電極5(外層5B)に、所定量(例えば、合計含有量が1質量%以上3質量%以下)のアルミニウム(Al)及びケイ素(Si)を含有させてもよい。また、耐酸化性の更なる向上等を図るべく、接地電極27や中心電極5(外層5B)に、所定量(例えば、合計含有量が0.01質量%以上1質量%以下)のイットリウム(Y)や希土類元素〔ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及び、イッテルビウム(Yb)〕を含有させてもよい。
さらに、接地電極側チップ31及び接地電極27の間には、中間層34が形成されている。中間層34は、図3に示すように、接地電極側チップ31及び接地電極27が溶け合ってなる溶融部36と、当該溶融部36及び接地電極側チップ31の境界部分に形成された複数の空孔38とを備えている(尚、図3においては、図示の便宜上、溶融部36や空孔38を実際よりも厚く示しており、また、空孔38を実際よりも長く、かつ、その数を減じて示している。抵抗溶接により接地電極27に対して接地電極側チップ31を接合する場合などにおいては、溶融部36が非常に薄く、ほとんど確認できない場合もある)。溶融部36により、接地電極側チップ31が接地電極27に対して接合されており、本実施形態では、接地電極側チップ31及び接地電極27との間の全域に亘って溶融部36が形成されている。
加えて、接地電極側チップ31の中心軸CL2を含む断面において、接地電極側チップ31と中間層34との境界の長さをLa〔=La1+La2+La3(mm)〕とし、前記境界に沿う方向の前記空孔38の長さをNa〔=Na1+Na2+Na3+Na4+Na5+Na6(mm)〕としたとき、0.1≦Na/La≦0.4を満たすように構成されている。
さらに、前記中心軸CL2を含む断面において、接地電極側チップ31の一方の側面から他方の側面までの範囲を4等分する前記中心軸CL2に平行な直線を端から順に直線Pa1、直線Pa2(本実施形態では、中心軸CL2と一致する)、直線Pa3とする。このとき、直線Pa1から直線Pa3までの範囲における接地電極側チップ31と中間層34との境界に沿う方向の空孔38の長さをQa〔=Na2+Na3+Na4+Na5(mm)〕とすると、0.6≦Qa/Naを満たすように構成されている。すなわち、空孔38の大部分が、接地電極側チップ31の中心側に位置するように構成されている。
また、図2に示すように、中心電極側チップ32及び中心電極5(外層5B)との間には、中間層35が形成されている。中間層35は、図4に示すように、中心電極側チップ32及び中心電極5(外層5B)が溶け合ってなる溶融部37と、当該溶融部37及び中心電極側チップ32の境界部分に形成された複数の空孔39とを備えている(尚、図4においては、図示の便宜上、空孔39を実際よりも厚く、かつ、長く示すとともに、その数を実際の数よりも減じて示している)。溶融部37により、中心電極側チップ32は中心電極5(外層5B)に接合されており、本実施形態では、中心電極側チップ32及び中心電極5との間の全域に亘って溶融部37が形成されている。
さらに、中心電極側チップ32の中心軸CL3を含む断面において、中心電極側チップ32と中間層35との境界の長さをLb〔=Lb1+Lb2(mm)〕とし、前記境界に沿う方向の前記空孔39の長さをNb〔=Nb1+Nb2+Nb3+Nb4+Nb5+Nb6(mm)〕としたとき、0.1≦Nb/Lb≦0.4を満たすように構成されている。
また、前記中心軸CL3を含む断面において、中心電極側チップ32の一方の側面から他方の側面までの範囲を4等分する前記中心軸CL3に平行な直線を端から順に直線Pb1、直線Pb2(本実施形態では、中心軸CL3と一致する)、直線Pb3とする。このとき、直線Pb1から直線Pb3までの範囲における中心電極側チップ32と中間層35との境界に沿う方向の空孔39の長さをQb〔=Nb2+Nb3+Nb4+Nb5(mm)〕とすると、0.6≦Qb/Nbを満たすように構成されている。すなわち、空孔39の大部分が、中心電極側チップ32の中心側に位置するように構成されている。
尚、境界に沿う空孔38,39の長さは、次のようにして調節することができる。すなわち、抵抗溶接によりチップ31,32を溶接する場合には、抵抗溶接時における、電極5,27に対するチップ31,32の押圧荷重や、通電電流を変更することで、空孔38,39の長さを調節することができる。例えば、押圧荷重を増大させ、チップ31,32及び電極5,27の接触面積を増大させることで、抵抗溶接時における発熱量を減少させることができ、より多くの空孔38,39を形成する(空孔38,39をより長くする)ことができる。また、レーザー溶接によりチップ31,32を溶接する場合には、レーザー溶接時における、電極5,27に対するチップ31,32の押圧荷重や、レーザービームのエネルギーを変更することで、空孔38,39の長さを調節することができる。例えば、レーザービームのエネルギーを増大させることで、発熱量を増大させることができ、形成される空孔38,39を比較的少なくする(空孔38,39をより短くする)ことができる。尚、溶接条件の変更によることなく、例えば、チップ31,32や電極5,27に含有されるガスの量を調節することで、空孔38,39の長さを調節することも可能である。
また、空孔38,39の長さは、次の手法により計測することができる。すなわち、中心軸CL2,CL3を含む断面を得るとともに、当該断面に対してクロスポリッシャー加工を施すことや、FIB(集束イオンビーム装置)を用いてイオンビームを照射することで、断面を研磨する。その後、SEM(走査型電子顕微鏡)等により研磨された断面を観察することで、空孔38,39の長さを計測することができる。
加えて、本実施形態では、図5に示すように、接地電極側チップ31の中心軸CL2と直交する平面Saに、接地電極27と、接地電極27側に位置する接地電極側チップ31の端面とを投影したとき、接地電極27の投影面27Pと前記端面の投影面31Pとが重なる領域Ra(図5中、散点模様を付した部位)は、円形状をなしている。そして、前記領域Raの直径をKa(mm)とし、図6に示すように、前記中心軸CL2に沿った接地電極側チップ31の最大厚さをTa(mm)としたとき、Ka/Ta≧1.2を満たすように構成されている。すなわち、放電面積の増大(耐消耗性の向上)を図るべく、Kaが比較的大きなものとされる一方で、製造コスト等の面から、Taが比較的小さなものとされており、接地電極側チップ31は比較的薄肉となっている。
また、本実施形態では、図7に示すように、中心電極側チップ32の中心軸CL3と直交する平面Sbに、中心電極5と、中心電極5側に位置する中心電極側チップ32の端面とを投影したとき、中心電極5の投影面5Pと前記端面の投影面32Pとが重なる領域Rb(図7中、散点模様を付した部位)は、円形状をなしている。そして、前記領域Rbの直径をKb(mm)とし、図8(尚、図8では、空孔39を不図示)に示すように、前記中心軸CL3に沿った中心電極側チップ32の最大厚さをTb(mm)としたとき、Kb/Tb≧1.2を満たすように構成されている。すなわち、接地電極側チップ31と同様に、中心電極側チップ32も比較的薄肉とされている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、A1−B1(A2−B2)が50質量%以上とされているため、使用時(高温下)においてチップ31,32に含有される貴金属成分を十分に拡散させることができる。この拡散に伴い、中間層34,35に存在する空孔38,38をチップ31,32の内部(特に中間層34,35側)へと入り込ませることができ、チップ31,32の内部に空孔を形成することができる。そして、このチップ31,32の内部に形成された空孔により、電極5,27の熱膨張に伴い電極5,27からチップ31,32に加わる応力を緩和することができ、チップ31,32のうち電極5,27側に位置する部位とチップ31,32のうち電極5,27とは反対側に位置する部位との間における熱膨張差を低減させることができる。その結果、チップ31,32における変形や割れの発生をより確実に防止することができる。
また、チップ31,32の内部に形成された空孔の存在により、電極5,27及びチップ31,32間における熱応力差を低減させることができる。従って、チップ31,32及び電極5,27間における酸化スケールの形成を効果的に抑制することができ、電極5,27に対するチップ31,32の溶接性を高めることができる。その結果、チップ31,32の剥離(脱落)をより確実に防止することができる。
さらに、本実施形態では、0.6≦Qa/Na、及び、0.6≦Qb/Nbとされており、チップ31,32及び電極5,27間で生じる熱応力差が特に大きなものとなりやすいチップ31,32の中心側に空孔38,39の大部分が形成されている。従って、使用時(高温下)において、チップ31,32の中心側内部により多くの空孔を形成することができ、電極5,27及びチップ31,32間における熱応力差をより効果的に低減させることができる。その結果、チップ31,32の溶接性を一層高めることができ、チップ31,32の剥離(脱落)をより一層確実に防止することができる。
加えて、Ka/Ta≧1.2、及び、Kb/Tb≧1.2を満たすため、電極5,27及びチップ31,32間における熱応力差をより小さくすることができ、溶接性の更なる向上を図ることができる。
一方で、Ka/Ta≧1.2、及び、Kb/Tb≧1.2を満たす場合には、チップ31,32における変形や割れがより懸念されるが、上述の構成を満たすことで、チップ31,32の変形等をより確実に防止することができる。その結果、Ka/Ta≧1.2(Kb/Tb≧1.2)とすることにより奏されるメリット(極めて優れた溶接性)を十分に維持しつつ、Ka/Ta≧1.2(Kb/Tb≧1.2)とすることに伴うデメリット(耐変形性の低下)を解消することができる。
また、両電極5,27に、Yや希土類元素を含有させた場合、これら元素は原子半径が比較的大きいため、電極5,27の結晶格子に歪みを生じさせることができる。従って、チップ31,32に含有される貴金属成分がより拡散しやすくなり、ひいてはチップ31,32の内部に空孔をより確実に入り込ませることができる。その結果、上述の作用効果をより一層確実に発揮させることができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1実施形態では、接地電極側チップ31及び接地電極27間の全域に亘って中間層34が形成され、中心電極側チップ32及び中心電極5(外層5B)間の全域に亘って中間層35が形成されている。これに対して、本第2実施形態では、溶接条件を変更することによって、図9に示すように、接地電極側チップ41及び接地電極27間の一部に中間層44が形成され、中心電極側チップ42及び中心電極5(外層5B)間の一部に中間層45が形成されている。尚、本実施形態では、接地電極27に対する接地電極側チップ41の溶接性を十分に確保すべく、図10に示すように、接地電極側チップ41の中心軸CL4を含む断面において、接地電極側チップ41及び中間層44の境界の長さが、接地電極側チップ41のうち中間層44を介することなく接地電極27に隣接する部位の長さよりも大きなものとされている。また、中心電極5に対する中心電極側チップ42の溶接性を十分に確保すべく、図11に示すように、中心電極側チップ42及び中間層45の境界の長さが、中心電極側チップ42のうち中間層45を介することなく中心電極5に隣接する部位の長さよりも大きなものとされている。
加えて、図10に示すように、中間層44は、溶融部46と、当該溶融部46及び接地電極側チップ41の境界部分に位置する複数の空孔48とを備えている。そして、接地電極側チップ41の中心軸CL4を含む断面において、接地電極側チップ41と中間層44との境界の長さをLc(mm)とし、前記境界に沿う方向の前記空孔48の長さをNc〔=Nc1+Nc2+Nc3+Nc4+Nc5(mm)〕としたとき、0.1≦Nc/Lc≦0.4を満たすように構成されている。尚、抵抗溶接により、接地電極27に対して接地電極側チップ41を接合する場合などにおいては、溶融部46が非常に薄く、ほとんど確認できない場合もある。
さらに、前記中心軸CL4を含む断面において、接地電極側チップ41の一方の側面から他方の側面までの範囲を4等分する前記中心軸CL4に平行な直線を端から順に直線Pc1、直線Pc2(本実施形態では、中心軸CL4と一致する)、直線Pc3とする。このとき、直線Pc1から直線Pc3までの範囲における前記境界に沿う方向の空孔48の長さをQc〔=Nc2+Nc3+Nc4(mm)〕とすると、0.6≦Qc/Ncを満たすように構成されている。
また、図11に示すように、中間層45は、溶融部47と、当該溶融部47及び中心電極側チップ42の境界部分に位置する複数の空孔49とを備えている。そして、中心電極側チップ42の中心軸CL5を含む断面において、中心電極側チップ42と中間層45との境界の長さをLd〔=Ld1+Ld2(mm)〕とし、前記境界に沿う方向の前記空孔49の長さをNd〔=Nd1+Nd2+Nd3+Nd4+Nd5(mm)〕としたとき、0.1≦Nd/Ld≦0.4を満たすように構成されている。
加えて、前記中心軸CL5を含む断面において、中心電極側チップ42の一方の側面から他方の側面までの範囲を4等分する前記中心軸CL5に平行な直線を端から順に直線Pd1、直線Pd2(本実施形態では、中心軸CL5と一致する)、直線Pd3とする。このとき、直線Pd1から直線Pd3までの範囲における前記境界に沿う方向の空孔49の長さをQd〔=Nd2+Nd3+Nd4+Nd5(mm)〕とすると、0.6≦Qd/Ndを満たすように構成されている。
さらに、上記第1実施形態において、接地電極側チップ31は円柱状をなしているが、本第2実施形態において、接地電極側チップ41は直方体状をなしている。そのため、図12に示すように、接地電極側チップ41の中心軸CL4と直交する平面Scに、接地電極27と、接地電極27側に位置する接地電極側チップ41の端面とを前記中心軸CL4に沿って投影したとき、接地電極27の投影面27Pと前記端面の投影面41Pとが重なる領域Rcは、矩形状となっている。
また、前記領域Rcの長辺をKc(mm)とし、図13に示すように、前記中心軸CL4に沿った接地電極側チップ41の最大厚さをTc(mm)としたとき、Kc/Tc≧1.2を満たすように構成されている。
以上、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。すなわち、電極5,27に対するチップ41,42の溶接性を格段に高めつつ、チップ41,42における変形や割れを非常に効果的に防止することができる。
〔第3実施形態〕
次いで、第3実施形態について、上記第1、第2実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1、第2実施形態において、接地電極側チップ31,41は、その全体が接地電極27の先端よりも基端側に位置している。これに対して、本第3実施形態では、図14に示すように、接地電極側チップ51は、その一部が接地電極27の先端よりも突出するようにして接地電極27に溶接されている。尚、接地電極27に対する接地電極側チップ51の溶接性を十分に確保すべく、接地電極側チップ51及び中間層54の境界の長さが、接地電極側チップ51のうち中間層54を介することなく接地電極27に隣接する部位の長さよりも大きなものとされている。
加えて、接地電極側チップ51は、上記第2実施形態と同様に、直方体状とされている。そのため、図15に示すように、接地電極側チップ51の中心軸CL6と直交する平面Seに、接地電極27と、接地電極27側に位置する接地電極側チップ51の端面(接地電極側チップ51の外表面のうち中間層54に対して最も広範囲に亘って隣接し、溶接性を確保する点で特に重要な面)とを前記中心軸CL6に沿って投影したとき、接地電極27の投影面27Pと前記端面の投影面51Pとが重なる領域Reは、矩形状となっている。そして、前記領域Reの長辺をKe(mm)とし、図14に示すように、前記中心軸CL6に沿った接地電極側チップ51の最大厚さをTe(mm)としたとき、Ke/Te≧1.2を満たすように構成されている。
以上、本第3実施形態によれば、基本的には上記第1、第2実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
加えて、接地電極側チップ51が接地電極27の先端よりも突出しているため、接地電極27による火炎核の成長阻害を抑制することができる。その結果、着火性の向上を図ることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、組成がそれぞれ異なるチップを有し、当該チップの貴金属成分の含有率A(質量%)とチップが溶接される接地電極における貴金属成分の含有率B(質量%)との差(A−B)を種々変更したスパークプラグのサンプルを複数作製した。尚、各サンプルは、溶接時の押圧荷重や通電電流等を調節することで、チップと中間層との境界の長さをL(mm)に対する、前記境界に沿う方向の空孔の長さをN(mm)の割合(N/L)と、長さNに対する、チップの中心側に位置する(直線P1から直線P3までの範囲に位置する)空孔の前記境界に沿う方向の長さをQ(mm)の割合(Q/N)とをそれぞれ異なるものとした。そして、各サンプルについて、机上バーナー試験を行った。すなわち、大気雰囲気下にて接地電極の温度が1000℃となるようバーナーで2分間加熱した後、1分間徐冷することを1サイクルとして1000サイクル実施した。そして、1000サイクル終了後に、チップの表面(中間層とは反対側に位置し、火花放電間隙を形成する面)、及び、接地電極の断面を観察し、耐変形性、及び、溶接性の面で各サンプルの優劣を評価した。
具体的には、チップの表面に変形や割れが生じていたサンプルは、耐変形性に劣るとして「×」の評価を下し、一方で、チップの表面に変形や割れが生じていなかったサンプルは、良好な耐変形性を有するとして「○」の評価を下すこととした。
また、チップ及び中間層の境界部分の長さに対する、当該境界部分において形成された酸化スケールの長さを計測するとともに、前記境界部分の長さに対する酸化スケールの長さの割合(酸化スケール割合)を算出し、酸化スケール割合が50%以上となったサンプルは、溶接性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。一方で、酸化スケール割合が25%以上50%未満となったサンプルは、良好な溶接性を有するとして「○」の評価を下し、酸化スケール割合が25%未満となったサンプルは、極めて優れた溶接性を有するとして「◎」の評価を下すこととした。
さらに、耐変形性、及び、溶接性の面からサンプルを総合的に判定し、耐変形性及び溶接性の少なくとも一方で評価が「×」となったサンプルは、総合判定を「×」とした。これに対して、耐変形性及び溶接性の双方において評価が「○」となったサンプルは、総合判定を「○」とし、耐変形性における評価が「○」で、かつ、溶接性における評価が「◎」となったサンプルは、総合判定を「◎」とした。
表1に、当該試験の結果を示す。尚、各サンプルともに、接地電極をINC600(登録商標)(Ni−16Cr−7Fe)により形成した。また、チップの熱膨張係数を、接地電極の熱膨張係数よりも小さなものとした。
Figure 0005613221
表1に示すように、A−Bを50質量%未満としたサンプル(サンプル1,2)は、チップに変形や割れが生じやすいことが分かった。これは、貴金属成分の濃度差が小さかったため、高温下においてチップの貴金属成分が接地電極側に拡散しにくくなり、ひいては空孔がチップの内部に入り込みにくかったことによると考えられる。
また、N/Lを0.1未満としたサンプル(サンプル3)や、N/Lを0.4よりも大きくしたサンプル(サンプル4)は、耐変形性や溶接性に劣ることが確認された。
これに対して、A−Bを50質量%以上とするとともに、0.1≦N/L≦0.4を満たすサンプル(サンプル5〜11)は、耐変形性及び溶接性の双方において良好な性能を有することが明らかとなった。これは、次の理由によると考えられる。すなわち、A−Bが50質量%以上とされたことで、高温下においてチップの貴金属成分が接地電極側に十分に拡散した。そして、この拡散に伴い、境界部分の比較的広範囲に亘って形成された空孔がチップの内部(中間層側)に入り込み、チップの内部に比較的容積の大きな空孔が形成された。この空孔により、接地電極の熱膨張に伴い接地電極からチップに加わる応力が緩和されることとなり、チップのうち接地電極側に位置する部位とチップのうち表面側に位置する部位との間における熱膨張差が減少した。その結果、チップの表面における変形や割れの発生が抑制された。また、チップ内部に形成された空孔の存在により、接地電極及びチップ間における熱応力差が低減し、その結果、境界部分における酸化スケールの形成が抑制された。
さらに、0.6≦Q/Nを満たすサンプル(サンプル10,11)は、極めて優れた溶接性を有することが分かった。これは、接地電極との間における熱応力差が特に大きなものとなりやすいチップ中心側の内部に多くの空孔が形成されたため、熱応力差をより効果的に低減できたためであると考えられる。
上記試験の結果より、溶接性及び耐変形性の双方を良好なものとすべく、チップの貴金属成分の含有率A(質量%)と電極の貴金属成分の含有率B(質量%)との差(A−B)を50質量%以上とするとともに、0.1≦N/L≦0.4を満たすように構成することが好ましいといえる。
また、溶接性の更なる向上を図るべく、0.6≦A/Nを満たすことがより好ましいといえる。
次に、外径〔チップの投影面及び接地電極の投影面が重なる領域の直径K(mm)と等しい〕と、中心軸に沿った最大厚さT(mm)とが種々異なる円柱状のチップが接地電極に溶接されてなるスパークプラグのサンプルを複数作製した。そして、得られたサンプルについて、上述の机上バーナー試験を行い、耐変形性及び溶接性を評価した。
表2に、当該試験の結果を示す。尚、各サンプルともに、チップをPt−20Niにより形成するとともに、接地電極をNi−1.5Si−1.5Cr−2Mnにより形成し、チップの熱膨張係数を、接地電極の熱膨張係数よりも小さなものとした。
Figure 0005613221
表2に示すように、K/T≧1.2を満たすサンプル(サンプル21〜23)は、溶接性を極めて優れるとともに、良好な耐変形性を有することが分かった。これは、次の理由によると考えられる。
すなわち、K/T≧1.2とされた比較的薄肉のチップは、高温下において接地電極が熱膨張した際に、チップのうち接地電極側に位置する部位が、接地電極の熱膨張に合わせて変形しやすい。そのため、接地電極及びチップ間における熱応力差が小さくなり、優れた溶接性を実現することができる。
一方で、チップのうち接地電極側に位置する部位がより変形することで、チップのうち接地電極側に位置する部位とチップのうち表面側(中間層とは反対側)に位置する部位における熱膨張差は増大する。そのため、K/T≧1.2とされたチップは、変形や割れが生じやすく、耐変形性には劣る。
しかしながら、中間層に前記空孔を設けたことで、上述の通り、チップのうち接地電極側に位置する部位とチップのうち表面側(中間層とは反対側)に位置する部位における熱膨張差は低減させることができ、ひいてはチップの変形や割れをより確実に防止することができた。すなわち、溶接性の面で優れるものの、耐変形性が不十分となりやすいK/T≧1.2とされたチップを用いた場合において、上述のように中間層に空孔を設けることにより、耐変形性を十分に向上させることができ、その結果、極めて優れた溶接性と、良好な耐変形性とを実現できたと考えられる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、中心電極5及び接地電極27の双方にチップ31,32が溶接されているが、両電極の一方のみにチップを設けることとしてもよい。この場合、一方の電極に設けられたチップと、他方の電極との間に火花放電間隙が形成されることとなる。
(b)上記実施形態では、チップが貴金属を主成分とする金属により形成されており、チップにおける貴金属成分の含有率が、チップが溶接される電極における貴金属成分の含有率よりも大きなものとされている。これに対して、例えば、貴金属を主成分とする金属により電極を形成することで、電極における貴金属成分の含有率がチップにおける貴金属成分の含有率よりも大きく、かつ、含有率の差が50質量%以上となるように構成してもよい。この場合においても、高温下における貴金属成分の拡散に伴い、空孔がチップの内部に入り込むこととなる。その結果、上記実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
(c)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(d)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ、5…中心電極、27…接地電極、31…接地電極側チップ、32…中心電極側チップ、33…火花放電間隙(間隙)、34,35…中間層、38,39…空孔、CL2,CL3…(チップの)中心軸。

Claims (3)

  1. 中心電極と、前記中心電極との間に間隙を形成する接地電極とを備え、前記両電極の少なくとも一方にチップが溶接されたスパークプラグであって、
    前記チップは、前記チップが溶接された前記電極より熱膨張係数が小さく、前記チップの貴金属成分の含有率A(質量%)と前記電極の貴金属成分の含有率B(質量%)との差(A−B)が50質量%以上であり、
    前記チップと前記電極との間の中間層に空孔が存在し、前記チップの中心軸を含む断面において、前記チップと前記中間層との境界の長さをL(mm)、前記チップと前記中間層との境界に沿う方向の前記空孔の長さをN(mm)とすると、0.1≦N/L≦0.4であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記断面において、前記チップの一方の側面から他方の側面までの範囲を4等分する前記中心軸に平行な直線を端から順にP1,P2,P3とし、
    P1からP3までの範囲における前記境界に沿う方向の前記空孔の長さをQ(mm)とすると、0.6≦Q/Nであることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記チップの中心軸と直交する平面に、前記チップが溶接された前記電極と当該電極側に位置する前記チップの端面とを前記中心軸に沿って投影したとき、前記電極の投影面と前記端面の投影面とが重なる領域は、矩形状又は円形状をなし、
    K(mm)を、前記領域が矩形状の場合に前記領域の長辺とし、前記領域が円形状の場合に前記領域の直径とし、
    T(mm)を、前記中心軸に沿った前記チップの最大厚さとしたとき、
    K/T≧1.2であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
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