JP5613003B2 - ベニヤレースへの原木の供給方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベニヤレースへ原木を供給する方法の改良に関するものである。
従来、ベニヤレースへ原木を供給するに際し、ベニヤレースの前位に、適宜の構成で成る原木芯出し装置と原木供給装置を配設し、各原木の性状に応じて、所望の回転芯(回転中心軸)を個別に定めると共に、該所望の回転芯とベニヤレースのスピンドルの中心軸とを一致させるよう、個々の原木の姿勢(三次元的な位置)を調整して供給することは一般的に行われており、実用に供されている原木芯出し装置の形式は様々であるが、本発明に於ては、例えば引用文献1・引用文献2に開示される如く、仮に定めた原木の仮軸芯を、左右一対の仮芯用のスピンドルの中心軸に合わせるようにして原木を挟持し、前記仮軸芯を中心として、原木を少なくとも一回転させると共に、適宜の外周検知機構を用いて、原木の外周形状を検知し、次いで、検知した外周形状を、所望の回転芯を求める際の主要な条件として採用して、所望の回転芯を算定し、更に、該算定した原木の回転芯が、原木供給装置の原木把持機構を構成する部材である、左右一対の把持部材の伸縮方向に対して平行状となる状態に至るまで、挟持した原木を追加的に回転させてから、回転を停止させることによって、原木供給装置による原木の供給を可能化する形式の原木芯出し装置を対象とする。
而して、斯様な形式の原木芯出し装置を用いて、算定した原木の回転芯が、原木供給装置の原木把持機構を構成する左右一対の把持部材の伸縮方向に対して平行状となる状態に至るまで、挟持した原木を追加的に回転させてから、回転を停止させれば、その後は、前記原木把持機構の左右一対の把持部材を、必要に応じて、算定した原木の回転芯に適応する位置へ変位させてから、相互に接近させるよう作動させ、各把持部材の先端部に付設した把持爪によって原木を把持し直すと共に、仮芯用のスピンドルによる原木の挟持を開放し、更に、把持した原木をベニヤレースのスピンドルに対応する位置へ移送する途上に於て、各把持部材の長さ(原木把持機構を構成する他の部材に対する相対的な長さ)を、左右各別に適宜寸法だけ伸長又は縮小させることによって、原木の回転芯を、ベニヤレースのスピンドルの回転中心に一致させるように供給することができるが、原木の姿勢を調整する工程の一部を、移送途上に於て実施することから、総じて、能率的な原木供給が行い得るので有益であり、既に、多数の装置が実用に供されている。
ところで、述上の如く各把持部材の先端部に付設した把持爪によって、原木を把持した場合には、把持した原木を、仮芯用のスピンドルに対応する位置から移送し始める際と、ベニヤレースのスピンドルに対応する位置へ移送し終えて、移送を停止する際とに、原木の自重に起因する慣性力が、把持爪が介入する原木の局部へ集中的に作用するので、原木の把持姿勢が歪んで供給位置の精度を悪化させる虞があり、而も、原木の木口面側(端面側)から見た場合に、原木の重心の所在位置と、把持爪が介入する原木の局部との間に隔たりがあると、前記慣性力に、更にモーメントの作用が加わって、原木の把持姿勢の歪を拡大させ、供給位置の精度を一段と悪化させる虞が生じることになる。
従って、机上論的には、原木の木口面側から見た場合の重心の所在位置を、把持部材の把持爪によって把持するのが良策であると言え、不定形(不均質)な原木の重心の所在位置を、正確に算出することは、技術的に極めて困難であるものの、通常、原木の重心は、前記回転芯の長さ方向の中央部近辺に在ることが実験的にも確認されているから、原木の両木口面に於ける前記回転芯の左右の末端部乃至は該末端部近辺の部位に、各把持部材の把持爪を介入させて、原木を把持することができれば望ましいことになるが、あいにく、原木の回転芯を、ベニヤレースのスピンドルに一致させて把持する場合に、該スピンドルと把持部材の先端部との衝突を回避する条件は、必要不可欠な絶対条件であるから、原木の木口面側から見た場合の重心の所在位置乃至は重心の所在位置の近辺を、把持爪によって把持することは事実上不可能である。
そこで、本出願人は、先に一案として「ベニヤレースへの原木の供給方法」(特願2010−206373)に開示する如く、ベニヤレースの前位に、仮芯用のスピンドルを備えた原木芯出し装置と、先端部に把持爪を具備した伸縮自在な把持部材を有する原木把持機構を備えた原木供給装置とを配設し、予め原木の所望の回転芯を個別に定めると共に、該所望の回転芯とベニヤレースのスピンドルの中心軸とを一致させるよう、個々の原木の姿勢を調整して供給するに際し、少なくとも垂直方向乃至は垂直方向の成分を含む上下方向の調整については、前記仮芯用のスピンドルで挟持した原木を、前記把持部材で把持し直してから、ベニヤレースのスピンドルの位置へ供給するまでの間の適当な時期に、前記把持部材を適宜伸縮させて姿勢を調整する原木の供給方法であって、仮芯用のスピンドルで挟持した原木を、把持部材で把持し直す際には、各原木の両端面に於ける所望の回転芯の末端部から、ベニヤレースのスピンドルの半径に最少安全保障間隔を加算して算出される、所定距離だけ離れた部位に把持爪を介入させて把持し、供給することを特徴とするベニヤレースへの原木の供給方法を提案し、供給位置の精度の悪化防止を図った。
特許第3676546号公報 特許第4282039号公報
前記本出願人が提案した発明よれば、ベニヤレースのスピンドルと把持部材の先端部との衝突を確実に回避する制約条件下に於て、原木の自重の慣性力に伴うモーメントの作用が、比較的少なくなる部位に、把持爪を介入させて原木を把持するので、把持姿勢の歪の発生を抑止するのに有効であり、相応の成果を挙げることができたが、先述の如く、算定した原木の回転芯が、原木供給装置の原木把持機構を構成する左右一対の把持部材の伸縮方向に対して平行状となる状態に至るまで、単純に挟持した原木を追加的に回転させてから、回転を停止させ、各把持部材の先端部に付設した把持爪によって原木を把持し直す把持態様を採るだけでは、常に適切な態様を採り得るとは限らず、更に一段と改良を施す余地のあることが、本発明の開発過程に於て判明した。
即ち、後に改めて詳述するが、例えば図6に例示する如く、原木芯出し装置Aの一部を構成する左右一対の仮芯用のスピンドル3・3aによって挟持した原木G1を図示矢印方向に一回転させ、一方(右側)の木口面に於ける末端部がn1であり、他方(左側)の木口面に於ける末端部がn2である、回転芯N1を算定した場合に、該回転芯N1が、原木供給装置の原木把持機構b1を構成する左右一対の把持部材12の伸縮方向に対して平行状となる状態は、図7及び図8に例示する如く、原木G1の仮軸芯M1(及び仮芯用のスピンドルの中心軸j)を中心(定点)として対称状を成す、都合ニつの状態が実在し得るが、追加的な回転が少なくて済み、能率的であるのは、図7の状態であるから、従前に於ては(先記引用文献1・引用文献2の発明の如く、把持爪を介入させる部位を特定しない場合と、前記本出願人が提案した発明の如く、把持爪を介入させる部位を特定する場合との双方共に)、優先的に図7の状態を選択するのが通例であった。
因に、検知した原木の外周形状を、主要な条件として採用して、回転芯を算定する場合であっても、所望の回転芯は、帯状のベニヤ単板の取得率、ベニヤ単板の総取得量等の諸要件を勘案して(必要に応じては、心材部分の所在位置、年輪の芯の所在位置等の要件も適度の割合で加味して)算定することから、外周の局部的な凹凸部分の存在は、軽視或は無視される傾向となるが、原木の重心は、局部的な凹凸部分の存在を含めた全体の外周形状に応じて(正確には、局部毎の比重の分布状態にも応じて)定まるので、前記回転芯の長さ方向の中央部と全く同じ位置にある確率は殆どなく、該中央部の近隣に外れて在るのが一般的であり、例えば図7及び図8の状態に於て、原木G1の重心Qが、夫々図示した点の位置(対称的ではあるが同一位置)にあると仮定すると、図7の状態の原木G1を、把持部材12によって把持する場合の一方の木口面側については、図9に例示する如く、回転芯の末端部n1から所定距離Zだけ離れた把持部材12の先端部と原木Gの重心Qとの間隔はu1となり、また、他方の木口面側については、図10に例示する如く、回転芯の末端部n2から所定距離Zだけ離れた把持部材12の先端部と原木G1の重心Qとの間隔はu2となるのに対して、図8の状態の原木G1を、把持部材12によって把持する場合の一方の木口面側については、図11に例示する如く、回転芯の末端部n1から所定距離Zだけ離れた把持部材12の先端部と原木G1の重心Qとの間隔はh1となり、また、他方の木口面側については、図12に例示する如く、回転芯の末端部n2から所定距離Zだけ離れた把持部材12の先端部と原木Gの重心Qとの間隔はh2となる。
そこで、夫々の間隔の合計を比較すると、u1+u2>h1+h2の関係が成立するので(但し、あくまで重心Qが図示した点の位置に在る実例の場合)、図7の状態の原木G1を把持部材12によって把持した場合には、図8の状態の原木G1を把持部材12によって把持する場合に比べて、重心から些か離れた部位を把持する結果となり、把持姿勢の歪の発生を抑止する効果が、概して劣る問題点があるにも拘わらず、従前は、斯様な問題点の存在に気づかないで、単に処理の迅速化を図るべく、追加的な回転が少なくて済む図7の状態を優先的に選択するのが通例であったから、供給位置の精度が悪化し易い確率が甚だ高く、一段と改良を施す余地のあることが、本発明の開発過程に於て判明した。
本発明は、前記課題を解決すべく開発したものであって、具体的には、ベニヤレースの前位に、仮に定めた原木の仮軸芯を、左右一対の仮芯用のスピンドルを以って挟持し、前記仮軸芯を中心として、原木を少なくとも一回転させると共に、適宜の外周検知機構を用いて、少なくとも原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭を含めた、原木の外周形状を検知し、次いで、検知した外周形状を、所望の回転芯を求める際の主要な条件として採用して、原木の回転芯を算定する機能を具備する原木芯出し装置と、前記仮芯用のスピンドルによって挟持された原木を、左右一対の伸縮自在な把持部材によって把持し直す原木把持機構と、該原木把持機構を、前記原木芯出し装置の仮芯用のスピンドルに対応する位置から、ベニヤレースのスピンドルに対応する位置まで、交互に往復作動させる往復作動機構とを具備する原木供給装置とを備えて、ベニヤレースへ原木を供給するに際し、
前記算定した原木の回転芯が、前記原木の一方の木口側から見て、前記把持部材の伸縮方向に対して平行状となり、且つ、原木の長さ方向の中央部に対して略同等の適宜距離だけ離れた少なくとも左右各一箇所の輪郭に適合する仮想重心と、前記回転芯に適応する部位に把持爪を介入させる際の各把持部材の先端部とが、可及的に接近し得る状態に至るまで、挟持した原木を追加的に回転させてから、回転を停止させ、次いで、前記回転芯に適応する部位を、各把持部材の把持爪によって把持し直すことを特徴とするベニヤレースへの原木の供給方法(請求項1)と、原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭の中心に基づいて、仮想重心を定めて成る請求項1記載のベニヤレースへの原木の供給方法(請求項2)と、原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭の中心と、原木の長さ方向に於ける中央部の輪郭の中心とに基づいて、仮想重心を定めて成る請求項1記載のベニヤレースへの原木の供給方法(請求項3)と、原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭の中心と、該二箇所の輪郭の内側に於て、略等間隔毎に位置する二箇所以上の輪郭の中心とに基づいて、仮想重心を定めて成る請求項1記載のベニヤレースへの原木の供給方法(請求項4)と、原木の両木口面に於ける回転芯の末端部から、ベニヤレースのスピンドルの半径に最少安全保障間隔を加算して算出される、所定距離だけ離れた部位を、回転芯に適応する部位とし、該部位に各把持部材の把持爪を介入させて、原木を把持して成る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載のベニヤレースへの原木の供給方法(請求項5)とを提案する。

本発明の請求項1に係る発明によれば、原木の回転芯が、原木供給装置の原木把持機構を構成する左右一対の把持部材の伸縮方向に対して平行状となる状態であって、且つ、原木の長さ方向の中央部に対して略同等の適宜距離だけ離れた少なくとも左右各一箇所の輪郭に適合する仮想重心と、前記回転芯に適応する部位に把持爪を介入させる際の各把持部材の先端部とが、可及的に接近し得る状態に至るまで、挟持した原木を追加的に回転させてから、回転を停止させ、次いで、前記回転芯に適応する部位を、各把持部材の把持爪によって把持し直すものであるから、従前の無作為の場合とは違って、常に、原木の自重の慣性力に伴うモーメントの作用が、可及的に少なくなる、適切な態様を以って、原木を把持することができ、供給位置の精度の悪化抑止に極めて有効である。
因に、前記仮想重心は、単に原木の輪郭のみに適合する仮想の重心であって、局部的な比重の差異の要件を除外してあるので、必ずしも正確な重心の位置とは一致しないが、公知の通り、単一の樹種に於ける局部的な比重の差異は、主として含水率の相違に起因するものであり、いわゆる心材と辺材の差異の如く、原木の放射方向(遠芯方向)に対しては比較的顕著であっても、円周方向に於ては、あまり顕著ではないので、正確な重心に対して、実用的に格別支障となるほどの違いは生じない。
尚、比較的通直な短尺原木(2尺〜4尺)を対象とする場合には、請求項2に係る発明の如く、原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭の中心に基づいて、仮想重心を定めても、正確な重心に対して、実用的に格別支障となるほどの違いは生じないが、弓状に湾曲した短尺原木を対象とする場合には、請求項3に係る発明の如く、原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭と、原木の長さ方向に於ける中央部の輪郭との都合3箇所の輪郭の中心に基づいて、仮想重心を定めるのが好ましく、更に、例えば二箇所以上で屈曲した長尺原木等の如く、比較的長くて不定形な原木を対象とする場合など、必要に応じては、請求項4に係る発明の如く、原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭を含む、四箇所以上の輪郭の中心に基づいて、仮想重心を定めるようにしても差支えない。
また、請求項5に係る発明の如く、原木の両木口面に於ける回転芯の末端部から、ベニヤレースのスピンドルの半径に最少安全保障間隔を加算して算出される、所定距離だけ離れた部位を、回転芯に適応する部位として、該部位に、各把持部材の把持爪を介入させる態様によれば、ベニヤレースのスピンドルと把持部材の先端部との衝突を確実に回避する制約条件下に於て、原木の自重の慣性力に伴うモーメントの作用が、最も少なくなるので好ましいが、仮に前記所定距離よりも幾分多い(長い)距離の別の部位に、各把持部材の把持爪を介入させる態様であっても、前記仮想重心と、前記次善の部位に把持爪を介入させる際の各把持部材の先端部とが、可及的に接近し得る状態に至るまで、挟持した原木を追加的に回転させる構成による作用・効果は、相応に奏されるので(対称的な状態に回転を留めた場合と比較すれば、やはり、モーメントの作用が少ない)有効である。
本発明の実施に用い得る一連の装置類の概略正面説明図である。 図1に例示した一連の装置類の概略側面説明図である。 図1・図2の装置類による仮軸芯の定め方の説明図である。 図1・図2の装置類による原木半径の測り方の説明図である。 図1・図2の装置類による原木の立体形状の定め方の説明図である。 図1・図2の装置類による原木の回転芯の定め方の説明図である。 図6に例示した原木の供給姿勢の定め方の説明図である。 図6に例示した原木の供給姿勢の異なる定め方の説明図である。 図7に図示した原木の右木口面に於ける把持態様の説明図である。 図7に図示した原木の左木口面に於ける把持態様の説明図である。 図8に図示した原木の右木口面に於ける把持態様の説明図である。 図8に図示した原木の左木口面に於ける把持態様の説明図である。 図1・図2の装置類による原木の移動態様の説明図である。 比較的通直な原木に於ける仮想重心の定め方の説明図である。 湾曲した原木に於ける仮想重心の定め方の説明図である。 図1・図2の装置類による別の供給態様の説明図である。 図1・図2の装置類による例外的な原木の把持態様の説明図である。 本発明の実施に用い得る別の一連の装置類の正面概略説明図である。 図18に例示した一連の装置類の側面概略説明図である。 図18・図19の装置類による原木の供給態様の説明図である。 図18・図19の装置類による別の供給態様の説明図である。 図18・図19の装置類による例外的な原木の供給態様の説明図である。
以下、本発明を図面に例示した実施の一例と共に更に詳述するが、図面を見易くする便宜上、木口面側から見た原木については、手前側の木口面の輪郭みのを図示するに留め、奥行方向に有る凹凸部分の外縁、奥側(反対側)の木口面の輪郭、手前側の木口面に現れる年輪等については、図示を省略した。また、各機器類の作動を制御する制御装置、及び該制御装置と各機器類とを接続する制御系統(制御回路)についても、特殊な構成を採る必要はなく、要は所要の制御機能を奏し得るものであれば足りるので、必要な制御の態様を詳述するに留め、図示は省略した。また、図面に例示した一連の装置類の形態は、必要に応じて、適宜設計変更して差支えなく、所要の機能を奏し得る形態であれば足りるが、いずれにしても、本発明の実施には、所要の機能を奏し得る一連の装置類を用いることが必要であるから、先ず、図示した一連の装置類について説明する。尚、既に説明済の実施例とは別の実施例を説明するに際し、既に説明済の実施例と同じ構成で成る装置類、機構類、部材類等については、同一の符号を付して、重複する説明を可及的に省略する。
図1・図2に於て、1は、原木芯出し装置Aの一部を構成する左右一対の原木支持部材であって、常態に於ては、後述する仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jを通る垂線を前後方向の中心とする、適宜の待機位置に於て待機し、図示しない原木搬入機構を介して間歇的に供給される原木Gを、各木口面の近辺に於て支持すると共に、図示しない制御装置の制御に基づく流体シリンダ等から成る昇降作動部材(図示省略)の作動を得て、左右各別に昇降作動し、支持した原木Gを後述する位置まで上昇させる。
2は、原木芯出し装置Aの一部を構成する左右一対のカメラであって、前記原木支持部材1によって支持されて上昇する途中の原木Gの両木口面を左右各別に撮影し、図示しない制御装置に、画像信号を発信する。而して、制御装置は、各カメラ2からの画像信号に基づいて、原木Gの両木口の仮定直径を算定すると共に、算定した各仮定直径に適合する(各仮定直径の半分の位置にある点同士を結ぶ線に相当する)原木Gの仮軸芯Mを、後述する仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jと同じ高さに合わせるべく、左右各別に上限位置を定めて、前記原木支持部材1の上昇を停止させる。また更に、必要に応じては、各カメラ2の画像信号に基づいて、原木Gの両木口面の輪郭に適合する中心を算出すると共に、算出した各中心に適合する仮想重心を算定したり、或は例えば年輪の芯位置を算出したり、更には例えば木口面に現れた心材部分の輪郭を算出したりする。
3・3aは、原木芯出し装置Aの一部を構成する左右一対の仮芯用のスピンドルであって、所定の半径rを有するベニヤレースCのスピンドル22に比べて太さを一段と細してあり、各々が左右一対の基台4に固定された軸受箱5・5aを介して回転可能に枢支されると共に、いずれか片側(図示例は左側)のスピンドル3aには、歯付回転部材9の嵌装と図示矢印方向への摺動とを許容するスプライン3bが形成されており、歯付ベルト等から成る無端帯8と前記歯付回転部材9とを介して、回転検出器10aを具備した減速機付電動機等から成る駆動源10に接続されている。また更に、当該仮芯用のスピンドル3・3aは、遊転継手6を介して、流体シリンダ等から成る進退作動部材7にも接続されている。而して、制御装置は、算定した仮定直径に適合する原木Gの仮軸芯Mが、仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jと同じ高さに至ったら、進退部材7を介して、各スピンドル3・3aを原木Gの端面に向けて進出させることにより、原木Gを挟持させると共に、原木Gが両スピンドル3・3によって挟持された後は、前記原木支持部材1を当初の待機位置へ下降させ、更に、駆動源10を介して、原木Gを少なくとも一回転させる。
11は、原木芯出し装置Aの一部を構成する反射型光電管式の距離計等から成る外形検知器であって、原木Gの両木口面付近と中央部とに対向する計三箇所に配設されており、各箇所に於ける原木Gの外周に対する距離(間隔)を計測して、図示しない制御装置に計測値を発信する。而して、制御装置は、前記駆動源10が具備する回転検出器10aから発信される回転検出信号と、各外形検知器11から発信される計測値とから、各箇所に於ける原木Gの外郭形状を概算すると共に、各外郭形状を立体的に合成することによって、原木Gの立体形状を概算し、該立体形状に適応する所望の軸芯を、所要の回転芯(N)として定める。また、必要に応じては、例えば外側ニ箇所の外形検知器11の検知信号に基づいて、原木Gの両木口面付近の輪郭に適合する中心を算出すると共に、算出した各中心に適合する仮想重心を算定するか、或は例えば三箇所の外形検知器11の検知信号に基づいて、原木Gの両木口面付近の輪郭の中心と、原木Gの長さ方向に於ける中央部の輪郭の中心とを算出すると共に、算出した各中心に適合する仮想重心を定めるか、更には例えば先記カメラ2の画像信号に基づいて、原木Gの両木口面の輪郭に適合する中心を、また、中央の外形検知器11の検知信号に基づいて、原木Gの長さ方向に於ける中央部の輪郭の中心を夫々算出すると共に、算出した各中心に適合する仮想重心を定める。そして更に、後に改めて詳述する如く、定めた所要の回転芯(N)の延在方向が、後述する原木供給装置Bの原木把持機構b1に於ける把持部材12の伸縮方向と平行状を成す状態であって、且つ、前記算定した仮想重心(Q1、Q2)と、前記回転芯(N)に適応する部位に把持爪12aを介入させる際の各把持部材12の先端部とが、可及的に接近し得る状態に至るまで、原木Gを追加的に回転させる。
12は、原木供給装置Bの原木把持機構b1の一部を構成する左右一対の把持部材であって、各々が後述する左右一対の保持部材15によって垂直方向へ伸縮可能に保持されると共に、基端部には、回転検出器14aを具備したサーボモータ等から成る駆動源14によって回転する螺子13が、また、先端部には、原木Gの端面を把持する適数個の楔状の把持爪12aが夫々具備されている。而して、制御装置は、原木Gの端面を把持するに際し、後に改めて詳述する如く、駆動源14を介して螺子13を回転させることにより、把持爪12aの位置が、原木Gの端面の好適位置に至るように、各把持部材12を適当に伸縮(保持部材15に対する相対的な伸縮を指す)させる。
15は、原木供給装置Bの原木把持機構b1の一部を構成する左右一対の保持部材であって、各々が後述する移動梁17に付設されたガイドレール17aに沿って移動可能に嵌装されると共に、図示しない制御装置の制御に基づく流体シリンダ等から成る把持作動部材16の作動を得て、適時、相互に接近・離隔せしめられる。而して、制御装置は、後に改めて詳述する如く、各把持部材12を適当に伸縮させた後に、把持作動部材16を介して、各保持部材15を相互に接近させることによって、各把持部材12による原木Gの把持を実施する。
17は、原木供給装置Bの原木移動機構b2の一部を構成する移動梁であって、原木供給装置Bの原木把持機構b1を案内するガイドレール17aを具備すると共に、前記基台4とベニヤレースCとの間に架設された左右一対の支持枠18によって、前後方向へ移動可能に支持されている。
19は、原木供給装置Bの原木移動機構b2の一部を構成する左右一対の移動螺子であって、軸受箱20によって枢支されると共に、前記移動梁17に螺合されており、図示しない制御装置の制御に基づき、回転検出器21aを具備したサーボモータ等から成る駆動源21の作動を得て、前記移動梁17を前後方向へ移動させる。而して、制御装置は、適宜の待機位置、例えば原木芯出し装置AとベニヤレースCとの中間位置に、移動梁17を待機させておくと共に、後に改めて詳述する如く、所要時に、駆動源21を作動させて、移動梁17を、前記仮芯用のスピンドル3・3aの上方近辺へ移動させ、更に、把持作動部材16を介して、各保持部材15を相互に接近させることによって、各把持部材12による原木Gの把持を実施した後に、駆動源21を適宜作動させて、移動梁17を連続的に(或は間歇的に)移動させ、原木芯出し装置AからベニヤレースCへ直ちに(或はそれらの中間位置等に於て適当な待機期間を設けて)原木Gを移動させる。
本発明に係る原木の供給方法は、例えば斯様な構成で成る一連の装置類を用いて実施することが可能であって、以下、具体的な供給態様について、図3〜図15に例示した供給態様に関係する説明図を引用しながら詳述すると、原木芯出し装置Aに於ては、図示しない原木搬入機構を介して、原木支持部材1に原木Gが搬入されると、図示しない制御装置は、図3に例示する如く、原木支持部材1を上昇させる過程に於て、カメラ2を介して原木Gの両木口面を左右各別に撮影し、カメラ2からの画像信号に基づいて、原木Gの右側木口面の仮定直径D1と、左側木口面の仮定直径D2とを算定すると共に、仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jを通る垂線上であって、且つ、各仮定直径D1・D2の半径D1/2・D2/2に相当する位置に位置する点g1・g2を結ぶ線を、仮軸芯Mとして定め、而も、原木Gの右側に位置する原木支持部材1については、カメラ2の中心と仮芯用のスピンドル3の中心軸jとの間隔Sに、カメラ2の中心と前記点g1との間隔ΔS1を加算した距離S1(=S+ΔS1)だけ、また、原木Gの左側に位置する原木支持部材1については、前記間隔Sに、カメラ2の中心と前記点g2との間隔ΔS2を加算した距離S2(=S+ΔS2)だけ、夫々継続的に上昇させることによって、前記仮軸芯Mを、仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jと同じ高さに合わせる。尚、原木の元口と末口との直径差、撮影時期のズレ等に起因して、カメラ2の中心と前記点g1又は点g2の相対位置が、上下に逆転している際には、逆転している側について、前記間隔Sから、実測間隔ΔSxを減算した距離Sx(=S−ΔSx)だけ、継続的に上昇させることによって、仮軸芯Mを、仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jと同じ高さに合わせる。
また、図示しない制御装置は、必要に応じて、各カメラ2の画像信号に、適宜の画像処理を施して(例えば両木口面の輪郭上に多数の注目点を定めて、両木口面を多角形に見立てると共に、多角形の重心位置を求める為の公知の数式を活用することで、容易に輪郭に適合する中心を算出することができる。また、市販されているCAD/CAMにも、多角形の重心位置を求めるソフトウェアが組み込まれている)、原木Gの両木口面の輪郭に適合する中心を算出すると共に、算出した各中心に適合する仮想重心を算定する制御も併せて実施するものであり、例えば図14に例示する如く、原木G1に於て、一方の木口面の輪郭上に於ける多数の注目点vに適合する中心q1と、図示しない他方の木口面の輪郭上に於ける多数の注目点に適合する中心q2とを算出した場合には、各中心の中間位置に、仮想重心Q1を算定する。
また更に、図示しない制御装置は、必要に応じて、例えば「原木の年輪中心検出装置および方法」(特願2010−210461号)に開示される如く、画像上で各端面の領域内に複数の探査開始点を設定すると共に、画像上に所定サイズの検査フィルタを設定し、更に、検査フィルタ内に写っている年輪の法線方向を検出すると共に、検査フィルタを、前記各探査開始点から年輪中心に向かうように法線方向へ移動させた場合に於ける、検査フィルタの移動軌跡を探査し、探査した各移動軌跡の交点(交点が複数ある場合は、複数の交点の重心)を求める画像処理を施すことによって、該交点(又は複数の交点の重心)を各端面の年輪の芯として検出し、所望の回転芯を定める際に、前記年輪の芯の要件を、適度の割合で加味したり、或は例えば杉原木等に於ける赤身と白太の違いの如く、画像上に於ける色の相違、濃淡等に基づいて、心材と辺材との境界を判別することにより、両木口面に現れた心材部分の輪郭を算出し、所望の回転芯を定める際に、前記心材部分の輪郭の要件を、適度の割合で加味したりする制御も併せて実施する。
次いで、図示しない制御装置は、進退部材7を介して、各スピンドル3・3aを原木Gの端面に向けて進出させることにより、原木Gを挟持させると共に、前記原木支持部材1を当初の待機位置へ下降させ、更に、駆動源10を介して、原木Gを少なくとも一回転させるが、その過程に於て、図4・図5に例示する如く、任意角度θt毎に、外形検知器11と仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jとの間隔Rから、外形検知器11と原木Gの外周との間隔R1を差し引くことによって、原木Gの両木口面付近と中央部との都合三箇所に於ける仮軸芯Mに対応する外郭寸法Rx(=R−R1)を次々と計測し、更に、該計測した外郭寸法Rxに基づいて、仮軸芯Mを中心とする原木Gの立体形状P1・P2・P3を概算し、併せて、各立体形状P1・P2・P3に適応する軸芯、例えば帯状のベニヤ単板を最も大量に取得せんと図る場合であれば、全ての立体形状P1・P2・P3に適合する最大内接円柱(図示省略)の中心軸を、所望の回転芯Nとして定める。尚、必要に応じては、先述の如く算出した年輪の芯の要件や、心材部分の輪郭の要件を、適度の割合で加味して、所望の回転芯を定める。尚、述上の如く仮軸芯Mに対応する外郭寸法Rxを計測する際の、計測点の位置の情報は、必要に応じて、仮想重心を算定する際の、注目点の位置の情報として併用することが可能である。
而して、図示しない制御装置は、例えば図6に例示する如く、原木G1について、仮軸芯M1を中心に一回転させ、一方の木口面に於ける末端部をn1、他方の木口面に於ける末端部をn2とする回転芯N1を定めたら、図7或は図8に例示する如く、前記回転芯N1が、先記原木把持機構b1の一部を構成する把持部材12の伸縮方向(垂直方向)に対して平行状を成す状態を予測すると共に、図7の状態の場合については、図9及び図10に例示する如く、前記回転芯N1の一方の末端部n1から所定距離Zだけ離れた把持部材12の先端部と原木G1の仮想重心Q1との間隔u1、及び回転芯N1の他方の末端部n2から所定距離Zだけ離れた把持部材12の先端部と原木G1の仮想重心Q1との間隔u2を、また、図8の状態の場合については、図11及び図12に例示する如く、回転芯N1の一方の末端部n1から所定距離Zだけ離れた把持部材12の先端部と原木G1の仮想重心Q1との間隔h1、及び回転芯N1の他方の末端部n2から所定距離Zだけ離れた把持部材12の先端部と原木G1の仮想重心Q1との間隔h2を、夫々予め算出し、更に、図7の状態に於ける前記各間隔の合計値(u1+u2)と、図8の状態に於ける前記各間隔の合計値(h1+h2)とを比較して、結果的に、回転芯N1が、把持部材12の伸縮方向に対して平行状を成す状態であり、且つ、前記各間隔の合計値が少なくなる状態(図示例の場合は、図8の状態)に至るまで、駆動源10を介して、原木G1を追加的に回転させた後に、回転を停止させる。
尚、図示しない制御装置は、所望の回転芯を定めたら、追加的な回転を停止させる制御と併せて、速やかに、駆動源を介して、保持部材共々移動梁を、適宜の待機位置から、所望の把持実施位置へ移動させるが、具体的な移動態様については、大別して二通りの態様を採り得るので、先に、原木の回転芯に対応する位置に移動させる態様から説明する。
而して、図示しない制御装置は、所望の回転芯N1を定めたら、追加的な回転を停止させる制御と併せて、速やかに、駆動源21を介して、保持部材15共々移動梁17を、適宜の待機位置から、所望の把持実施位置、例えば図8に例示する如く、原木G1の回転芯N1の真上(保持部材15が保持する把持部材12の真ん中が、回転芯N1の延長線上に位置する位置)に移動させると共に、図11及び図12に例示する如く、把持部材12の下端部と前記回転芯N1の一方の末端部n1との距離、及び把持部材12の下端部と回転芯N1の他方の末端部n2との距離が、夫々ベニヤレースCのスピンドル22の半径rに最少安全保障間隔α(通常は、数mm、例えば3mm程度)を加算して算出される、所定距離Z(=r+α)となる状態に至るまで、駆動源14を介して、左右の把持部材12を個別に変位(通常は、縮小状態からの伸長)させ、更に、前述する如く、原木G1の回転芯N1が、把持部材12の伸縮方向に対して平行状を成し、且つ、原木G1の回転が停止した状態に於て、把持作動部材16を介して、各保持部材15を相互に接近させることにより、原木G1の把持を実施すると共に、進退部材7を介して、仮芯用のスピンドル3・3aを原木G1の端面から離隔させることにより、原木G1の挟持を開放する。
然る後に、図示しない制御装置は、図13に例示する如く、駆動源21を介して、保持部材15共々移動梁17を、ベニヤレースCのスピンドル22に対応する供給位置、つまり、把持部材12の真ん中が、スピンドル22の中心軸kを通る垂線上に位置する位置へ連続的に(必要に応じては、適宜の供給待機位置に暫時待機させて、間歇的に)移動させるが、把持実施位置から供給位置に至る所要移動距離Lxとしては、仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jとスピンドル22の中心軸kとの間隔をL、仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jと回転芯N1との間隔をΔxとすると、次の数式、所要移動距離Lx=L−Δxによって算出することができる(但し、回転芯の位置が、図示例とは対称状となる場合については、所要移動距離Lx=L+Δxとなる)。
また更に、図示しない制御装置は、図13に例示する如く、保持部材15共々移動梁17を、前記供給位置へ移動させる過程に於て、一方(右側)の把持部材12については、回転芯N1の一方の末端部n1とスピンドル22の中心軸kとの高低差y1だけ、駆動源14を介して、保持部材15に対する突出長さを伸長させ、また、他方(左側)の把持部材12については、回転芯N1の他方の末端部n2とスピンドル22の中心軸kとの高低差y2だけ、駆動源14を介して、保持部材15に対する突出長さを縮小させることにより、最終的に、回転芯N1の高さをスピンドル22の中心軸kの高さに一致させる。
尚、前記実施例に於ては、原木の両木口面の中心同士を結ぶ線の中間位置に、仮想重心を定めたが、例えば図15に例示する如く、原木G2の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭の中心q3・q5と、原木G2の長さ方向に於ける中央部の輪郭の中心q4とを算出した場合であれば、略式的に、各中心q3・q4・q5を結ぶ三角形の中心に仮想重心Q2を定めるても、実際の重心の位置と大差は生じず、実用的に格別支障はない。また、図示は省略したが、必要に応じて、四箇所以上の輪郭の中心を算出する場合には、各中心を結ぶ多面体の中心に仮想重心を定めれば差支えない。また、所望の回転芯を定める為の輪郭上に於ける外郭寸法の計測箇所数と、仮想重心を定める為の輪郭上に於ける注目点の総数とは、同数である必要はなく、各々の所要精度からすると、仮想重心を定める為の輪郭上に於ける注目点の総数を、所望の回転芯を定める為の輪郭上に於ける外郭寸法の計測箇所よりも多くする方が実用的である(図5・図14参照)。
述上の如き供給態様によれば、原木の回転芯が、原木供給装置の原木把持機構を構成する左右一対の把持部材の伸縮方向に対して平行状となる状態であって、且つ、原木の長さ方向の中央部に対して略同等の適宜距離だけ離れた少なくとも左右各一箇所の輪郭に適合する仮想重心と、前記回転芯に適応する部位に把持爪を介入させる際の各把持部材の先端部とが、可及的に接近し得る状態に至るまで、挟持した原木を追加的に回転させてから、回転を停止させ、次いで、前記回転芯に適応する部位を、各把持部材の把持爪によって把持し直すものであるから、原木の自重に起因する慣性力が、把持爪が介入する部位に作用する際の、力のモーメントの多寡に拘わる位置ベクトルを、常に最小に留めることができて、当初の原木の把持姿勢がそのまま維持し易く、従前よりも一段と安定的に精度良く原木を供給することが可能となる。
次に、先に説明を保留した、移動梁(及び原木)の別の移動態様について説明すると、先記図13の例に代えて、図16に例示する如く、保持部材15共々移動梁17を、仮芯用のスピンドル3・3aの真上(保持部材15が保持する把持部材12の真ん中が、仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jを通る垂線上に位置する位置)まで移動させる態様を採ることも可能であり、図からも明らかな如く、斯様な態様を採る場合であっても、保持部材15共々移動梁17を移動させる際の、所要移動距離Lxとしては、前記実施例の場合と同じ数式、所要移動距離Lx=L−Δx(但し、回転芯の位置が、図示例とは対称状となる場合については、所要移動距離Lx=L+Δx)によって算出することができ、実用的には格別支障なく、把持した原木をベニヤレースに供給することができる。
尚、図11・図12・図13・図16に例示する如く、原木G1の両木口面に於ける回転芯N1の末端部n1・n2から、ベニヤレースのスピンドル22の半径rに最少安全保障間隔αを加算して算出される、所定距離Zだけ離れた部位を、回転芯N1に適応する部位として、該部位に、各把持部材12の把持爪12aを介入させる態様によれば、ベニヤレースのスピンドル22と把持部材12の先端部との衝突を確実に回避する制約条件下に於て、原木G1の自重の慣性力に伴うモーメントの作用が、最も少なくなるので好ましいが、仮に前記所定距離よりも幾分多い(長い)距離の別の部位に、各把持部材の把持爪を介入させる態様であっても、前記仮想重心と、前記次善の部位に把持爪を介入させる際の各把持部材の先端部とが、可及的に接近し得る状態に至るまで、挟持した原木を追加的に回転させる構成による作用・効果は、相応に奏されるので(対称的な状態に回転を留めた場合と比較すれば、やはり、モーメントの作用が少ない)有効である。
而して、先述の通り、仮芯用のスピンドルの太さを、ベニヤレースのスピンドルの太さに比べて一段と細くしておけば、所望の回転芯の方向や所在位置が、仮軸芯の方向や所在位置と、相当に異なっていても、前記所定距離だけ離れた部位を、把持部材の把持爪によって把持することが不能化する虞は殆どないが、稀に、図17(イ)に例示する如く、所望の回転芯N3、及び重心Q3が図示する状態にある原木G3に於て、前記回転芯N3の一方の末端部n3から所定距離Z(=r+α)だけ離れた部位に、把持部材12の把持爪(12a)を介入させんとすると、把持部材12の先端部が仮芯用のスピンドル3に衝突する虞が生じる場合が有り得るので、この場合に限っては、例外的に、図17(ロ)に例示する如く、ベニヤレースのスピンドル22の半径rに最少安全保障間隔αよりも幾分広い間隔β(>α)を加算して算出される、特例距離Ze(=r+β)だけ離れた部位に、把持部材12の把持爪(12a)を介入させて、原木G3を把持する必要がある。
因に、仮芯用のスピンドルの太さを、ベニヤレースのスピンドルの太さに比べて一段と細くする具体的数値については、ベニヤレースのスピンドルの太さの具体的数値のみならず、仮芯用のスピンドルに最低限度必要な剛性、処理対象となる全ての原木の性状、回転芯の定め方等々の諸条件に対応させて、変えても差支えないので、必ずしも一概には定められないが、ベニヤレースのスピンドルに対して、直径で10mm〜40mm程度細くするのが一応の目安であり、普遍的には、仮芯用のスピンドルに最低限度必要な剛性に基づいて、所要直径の具体値数値を定めても、単に原木を空転させ得る剛性があれば足りるので、ベニヤレースのスピンドルの太さに比べて一段と細くなるのは当然であり、実用的には格別支障ない。
尚、本発明に係る原木の供給方法の実施に用い得る一連の装置類の構成としては、前記各実施例の構成に限るものではなく、各装置・各機構について、以下に述べる如く、種々の設計変更例が挙げられる。
即ち、前記図示例は、原木の両木口面に対向する位置に備えた左右一対のカメラによって、原木の両木口面の仮定直径(及び仮想半径)を算定すると共に、算定した各仮定半径の中心同士を結ぶ線に相当する原木の仮軸芯を、仮芯用のスピンドルの中心軸と同じ高さに合わせる構成であるが、その外にも、図示は省略したが、例えば原木支持部材によって支持されて上昇過程にある原木の上部外周部の到来と下部外周部の通過とを検出する前後一対の外周検出器を、原木の両木口面付近に夫々水平状に二対配設して、前記外周検出器による上部外周部の到来信号と下部外周部の通過信号の発信時間差と、原木支持部材の上昇速度とから、原木の両木口面付近の仮想直径(及び仮想半径)を算出すると共に、仮芯用のスピンドルの中心軸と前記外周検出器の間隔と、前記外周検出器による下部外周部の通過信号の発信時期とから、原木の仮軸芯を、仮芯用のスピンドルの中心軸と同じ高さにまで上昇させるに足る、所要の上昇期間を算出し、該所要の上昇期間だけ、追加的に原木支持部材(原木)の上昇を継続させる構成であっても差支えなく、或は例えば仮芯用のスピンドルの中心軸を中心として、相互に同期的に接近・離隔する、上下対称状の原木芯出し部材を、原木の両木口面付近に夫々各一対配設し、該上下対称状の原木芯出し部材によって、原木を上下から挟持する構成であっても差支えなく、要は、原木の仮軸芯を、仮芯用のスピンドルの中心軸と同じ高さに合わせ得る機能を奏し得る構成であれば足りる。
また、前記図示例の原木芯出し方法は、原木の比較的少数箇所(3箇所)の外郭寸法を計測することによって、仮軸芯を中心とする立体形状を概算する態様であるが、その外にも、図示は省略したが、例えば「原木の3次元形状測定装置および方法」(特開2010−112811号公報)に開示される如く、仮軸芯に対して平行状に、且つ、外周撮影用のカメラを中央として対称的に原木の外周面へ照射した二条の線状光線を、原木が適宜角度づつ回転する毎に、前記カメラによって撮影すると共に、撮影した画像に適宜の画像処理、即ち、原木外周部上に於ける前記二条の線状光線の検出位置と仮軸芯の位置とカメラの位置との相対的な位置関係から、仮軸芯から所望の原木外周部までの半径寸法を算出する画像処理を施して、仮軸芯を中心とする立体形状を概算する態様によれば、一段と詳細な原木の立体形状を算定して、所望の回転芯や仮想重心を定めることが可能となる。
また、前記図示例に於ては、原木供給装置の原木把持機構を構成する把持部材を、水平方向に往復移動させる、所謂、水平移動式の原木移動機構を原木供給装置に備えており、該水平移動式の原木把持機構は、総じて、重量級の原木の供給に適するとされる反面、供給の迅速性に欠ける懸念があり、軽量級の原木の迅速な供給には、後述する如く、把持部材を振子状に揺動させる、揺動式の原木移動機構を備えた原木供給装置が適する。
即ち、図18・図19に例示した一連の装置類は、先記実施例に於ける原木供給装置Bに代えて原木供給装置Eを配設したものであり、該原木供給装置Eは、ガイドレール37aを付設した揺動梁37、先記実施例と同じ原木芯出し装置Aの基台4とベニヤレースCとの間に架設されており、左右一対の支持軸39及び軸受40を介して、前記揺動梁37を揺動可能に支持する左右一対の支持枠38、いずれか片側(図示例は左側)の支持軸39に嵌装したウォームホィール41、該ウォームホィール41と噛合うウォーム(図示省略)を介して、前記揺動梁37を振子状に揺動させる回転検出器42a付の駆動源42等から成る原木移動機構e2を、先記実施例に於ける原木供給装置Bの原木移動機構b2に代えて備えると共に、先記実施例に於ける原木供給装置Bの原木把持機構b1と同様に、把持爪32aを有する把持部材32、回転検出器34aを具備した駆動源34によって回転させられる螺子33、把持部材32を保持する保持部材35、保持部材35を相互に接近・離隔させる挟持作動部材36等から成る原木把持機構e1を、前記原木移動機構e2の揺動梁37に付設して構成したものであり、原木の具体的な供給態様については、先記実施例に於ける原木供給装置Bの場合と同様に、大別して二通りあるので、先に、保持部材共々揺動梁を、原木の回転芯に対応する位置に揺動させる態様から説明する。
而して、図20に例示する如く、図示しない制御装置は、図示する位置に仮想重心Q4を有する原木G4について、先記実施例の態様(図11乃至図13参照)に準じて、原木芯出し装置Aを介して、仮軸芯M4を中心に一回転させ、一方の末端部n5と他方の末端部n6とが夫々図示する位置に在る回転芯N4を定めたら、該回転芯N4の仮想延長線f3上に、原木供給装置Eの原木移動機構e2を構成する支持軸39の中心軸tが位置する状態(把持された原木G4が揺動させられる際に、回転芯N4の方向が、いずれの位置に於ても常に揺動軌跡の法線と一致する状態、つまり、原木の移動方向と直交方向に向く状態)であり、且つ、仮想重心Q4と、回転芯N4に適応する部位に把持爪(32a)を介入させる際の各把持部材32の先端部とが、可及的に接近し得る状態に至るまで、駆動源10を介して、原木G4を追加的に回転させた後に、回転を停止させる。
また一方、図示しない制御装置は、原木G4の回転芯N4を定めたら、追加的な回転を停止させる制御と併せて、速やかに、駆動源42を介して、保持部材35共々揺動梁37を、実線で示した待機位置から、所望の把持実施位置、例えば図20の左側に点線で示す如く、停止状態にある原木G4の回転芯N4の仮想延長線f3上に、保持部材35が保持する把持部材32の真ん中が位置する位置に揺動させると共に、一方の把持部材32の下端部と回転芯N4の一方の末端部n5との距離、及び他方の把持部材32の下端部と回転芯N4の他方の末端部n6との距離が、夫々ベニヤレースCのスピンドル22の半径rに最少安全保障間隔αを加算して算出される、所定距離Z(=r+α)となる状態に至るまで、駆動源34を介して、左右の把持部材32を個別に変位させ、更に、挟持作動部材36を介して、各保持部材35を相互に接近させることにより、停止状態にある原木G4の把持を実施すると共に、原木芯出し装置Aの進退部材7を介して、仮芯用のスピンドル3・3aを原木G3の端面から離隔させることにより、原木G4の挟持を開放する。
然る後に、図示しない制御装置は、駆動源42を介して、保持部材35共々揺動梁37を、ベニヤレースのスピンドル22に対応する供給位置、即ち、支持軸39の中心軸tとスピンドル22の中心軸kとを結ぶ仮想線f2上に把持部材32の真ん中が位置する位置へ連続的(又は間歇的)に揺動させるが、この場合の所要揺動角度θxとしては、支持軸39の中心軸tと仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jとを結ぶ仮想線をf1とし、仮想線f1と前記仮想線f2との挟角をθ、仮想線f1と前記仮想延長線f3との挟角をΔθとすると、次の数式、所要揺動角度θx=θ―Δθによって算出することができる(但し、回転芯の位置が、図示例とは対称状となる場合については、所要揺動角度θx=θ+Δθとなる)。
また更に、図示しない制御装置は、保持部材35共々揺動梁37を、前記供給位置へ揺動させる過程に於て、左右の把持部材32を個別に所要長さだけ伸長或は縮小させることにより、支持軸39の中心軸tと回転芯N4の末端部n5との間隔、及び支持軸39の中心軸tと回転芯N4の末端部n6との間隔が、いずれも、支持軸39の中心軸tとベニヤレースCのスピンドル22の中心軸kとの間隔と同等になるよう調整し、最終的に、回転芯N4の高さをスピンドル22の中心軸kの高さに一致させる。
斯様な揺動式の原木移動機構を用いた供給態様によっても、把持部材の先端部とベニヤレースのスピンドルとの衝突を適確に回避しつつ、原木の自重に起因する慣性力が、把持爪を介入させる部位に作用する際の、力のモーメントの多寡に拘わる位置ベクトルを、常に最小に留めることができて、当初の原木の把持姿勢がそのまま維持し易く、従前よりも一段と安定的に精度良く原木を供給することが可能となる。
因に、揺動梁の別の揺動態様としては、図21に例示する如く、保持部材35共々揺動梁37を、仮芯用のスピンドル3・3aに対応する位置、即ち、支持軸39の中心軸tと仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jとを結ぶ仮想線f1上に、保持部材35が保持する把持部材32の真ん中が位置する位置まで揺動させる態様を採ることも可能であり、図からも明らかな如く、斯様な態様を採る場合であっても、保持部材35共々揺動梁37を揺動させる際の、所要揺動角度θxとしては、前記実施例の場合と同じ数式、所要揺動角度θx=θ―Δθ(但し、回転芯の位置が、図示例とは対称状となる場合については、所要揺動角度θx=θ+Δθ)によって算出することができ、実用的には格別支障なく、把持した原木をベニヤレースに供給することができる。但し、斯様な供給態様を採る場合に於ては、供給位置の精度の正確性からして、原木G4の回転芯N4の方向を、下方に付加した延長補助線f4で示す如く、先記仮想線f1と平行方向に向けると共に、仮想線f3の方向は、回転芯N4の線上であって、支持軸39の中心軸tから仮芯用のスピンドル3・3aの中心軸jまでの距離と同等距離にある点と、支持軸39の中心軸tとを結ぶ方向に定めるのが望ましい。
勿論、斯様な揺動式の原木移動機構を用いる場合であっても、例えば図22に例示する如く、所望の回転芯N5、及び重心Q5が図示する状態にある原木G5に於て、前記回転芯N5の他方の末端部n8から所定距離Z(=r+α)だけ離れた部位に、把持部材32の把持爪(32a)を介入させんとすると、把持部材32の先端部が仮芯用のスピンドル3aに衝突する虞が生じる場合が稀には有り得るので、この場合には、やはり、図示する如く、例外的に、ベニヤレースのスピンドル22の半径rに最少安全保障間隔αよりも幾分広い間隔β(>α)を加算して算出される、特例距離Ze(=r+β)だけ離れた部位に、把持部材32の把持爪(32a)を介入させて、原木G5を把持する必要がある。
尚、前記各実施例に於ては、把持部材を介して把持した原木をベニヤレースへ供給する際に、各原木の回転芯の高さを、単にスピンドルの中心軸の高さに一致させるよう、保持部材に対する把持部材の突出長さを、所要長さだけ左右各別に伸長若しくは縮小させる態様としたが、例えば先記特許文献3の図23〜図27等に開示される如く、原木芯出し装置とベニヤレースのスピンドルとの間に、バックアップロール等の如き原木供給の障害となる部材が存在する場合など、原木と他の部材との衝突を回避する必要がある場合には、図示は省略したが、把持した原木をベニヤレースへ供給する過程に於て、一時的に、障害となる部材との衝突を回避し得る位置まで、把持した原木を過剰に変位(上昇)させるよう、保持部材に対する把持部材の突出長さを、暫時余分に縮小させると共に、衝突が回避可能な位置を過ぎた以降に、各原木の回転芯の高さを、スピンドルの中心軸の高さに一致させるよう、保持部材に対する把持部材の突出長さを、所要長さだけ左右各別に伸長させる態様を採ることも可能である。
また、前記各実施例からも明らかな如く、原木の回転芯の向きを、原木の移動方向と直交方向に向けた状態として、原木を把持するようにすれば、原木の把持態様の如何に拘わらず、原木の所要移動距離(所要揺動角度)は、前記各数式によって求められる値に定まるので、前記各実施例に於ける各二通りの把持態様とは異なる態様(例えば仮芯用のスピンドルと原木の回転芯との中間部の上方を把持する態様)を採ることも可能ではあるが、把持位置及び把持開放位置の算定を含めた、位置制御の容易性からすると、前記各実施例に於ける各二通りの把持態様を採るのが実用的である。
また、前記各実施例に例示する如く、適数個の楔状の把持爪を先端部に有する把持部材を用いれば、原木の重心に比較的近い位置を重点的に把持し得るので、供給姿勢の安定化に有益であるが、把持爪の形状としては、斯様な楔状に限るものではなく、図示は省略したが、例えば円錐状、先端部を円錐状とした円柱状、角錐状、円周方向に於て2分割〜4分割した穴抜きポンチ状等々、従来公知の種々の形状が適用可能であり、また、必要に応じては、把持部材の先端部に付設した把持爪と同形状又は別形状の把持爪を、先端部以外の部分へ追加的に付設して成る把持部材を用いても差支えない。
また、図18・図19の実施例は、原木芯出し装置AとベニヤレースCとの中間上方に於て、原木移動機構e2の揺動梁39を枢支し、保持部材35を吊り下げて揺動させる形態であって、全体構造の簡易性、屑処理の容易性、不良原木を排除する利便性、バックアップロール等の如き原木供給の障害となる部材が付設されいるベニヤレースへの原木供給の容易性等に優れるが、原木供給の障害となる部材が付設されていないベニヤレースへ原木を供給する場合であれば、図示は省略したが、原木芯出し装置とベニヤレースとの中間下方に於て、原木移動機構の揺動梁を枢支し、保持部材を上向きに付設して揺動させる形態に変更することも、然程困難ではない。
また、ベニヤレースのスピンドルは、少なくとも当初に供給された原木を挟持することができれば足り、必要に応じて、旋削終期に於てスピンドルによる原木の挟持を暫時開放する、所謂、スピンドルレス切削が可能な形式のベニヤレースにも、本発明に係る原木の供給方法を適用することができる。
以上明らかな如く、本発明に係る原木の供給方法によれば、従前の原木の供給方法に比べて、一層精度良く原木を供給することが可能となると共に、供給動作の起動時及び停止時の加速度を、従来よりも大きくして、供給能率の向上を図り得る可能性も有しており、斯界に於ける本発明の実施効果は著大である。
A :原木芯出し装置
B、E :原木供給装置
C :ベニヤレース
G、G1、G2、G3、G4、G5 :原木
M、M1 :原木の仮軸芯
N、N1、N2、N3、N4、N5 :原木の回転芯
Q :重心
Q1、Q2、Q3、Q4、Q5 :仮想重心
1 :左右一対の原木支持部材
2 :カメラ
3、3a :仮芯用のスピンドル
7 :仮芯用のスピンドルの進退作動部材
10 :仮芯用のスピンドルの駆動源
11 :外形検知器
12、32 :左右一対の把持部材
12a、32a :把持爪
14、34 :把持部材用の螺子の駆動源
15、35 :左右一対の保持部材
16、36 :保持部材用の挟持作動部材
17 :移動梁
18、38 :左右一対の支持枠
21 :移動梁用の螺子の駆動源
22 :ベニヤレースのスピンドル
37 :揺動梁
39 :左右一対の支持軸
42 :揺動梁用の支持軸の駆動源

Claims (5)

  1. ベニヤレースの前位に、仮に定めた原木の仮軸芯を、左右一対の仮芯用のスピンドルを以って挟持し、前記仮軸芯を中心として、原木を少なくとも一回転させると共に、適宜の外周検知機構を用いて、少なくとも原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭を含めた、原木の外周形状を検知し、次いで、検知した外周形状を、所望の回転芯を求める際の主要な条件として採用して、原木の回転芯を算定する機能を具備する原木芯出し装置と、前記仮芯用のスピンドルによって挟持された原木を、左右一対の伸縮自在な把持部材によって把持し直す原木把持機構と、該原木把持機構を、前記原木芯出し装置の仮芯用のスピンドルに対応する位置から、ベニヤレースのスピンドルに対応する位置まで、交互に往復作動させる往復作動機構とを具備する原木供給装置とを備えて、ベニヤレースへ原木を供給するに際し、前記算定した原木の回転芯が、前記原木の一方の木口側から見て、前記把持部材の伸縮方向に対して平行状となる状態で、且つ、原木の長さ方向の中央部に対して略同等の適宜距離だけ離れた少なくとも左右各一箇所の輪郭に適合する仮想重心と、前記回転芯に適応する部位に把持爪を介入させる際の各把持部材の先端部とが、可及的に接近し得る状態に至るまで、挟持した原木を追加的に回転させてから、回転を停止させ、次いで、前記回転芯に適応する部位を、各把持部材の把持爪によって把持し直すことを特徴とするベニヤレースへの原木の供給方法。
  2. 原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭の中心に基づいて、仮想重心を定めて成る請求項1記載のベニヤレースへの原木の供給方法。
  3. 原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭の中心と、原木の長さ方向に於ける中央部の輪郭の中心とに基づいて、仮想重心を定めて成る請求項1記載のベニヤレースへの原木の供給方法。
  4. 原木の両木口面乃至は両木口面付近の輪郭の中心と、該二箇所の輪郭の内側に於て、略等間隔毎に位置する二箇所以上の輪郭の中心とに基づいて、仮想重心を定めて成る請求項1記載のベニヤレースへの原木の供給方法。
  5. 原木の両木口面に於ける回転芯の末端部から、ベニヤレースのスピンドルの半径に最少安全保障間隔を加算して算出される、所定距離だけ離れた部位を、回転芯に適応する部位とし、該部位に各把持部材の把持爪を介入させて、原木を把持して成る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載のベニヤレースへの原木の供給方法。
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