JP5611071B2 - 温度センサ - Google Patents

Description

本発明は、例えば車載バッテリーのセルの温度検出等に用いて好適な温度センサに関する。

通常、ハイブリッド自動車や電気自動車などに搭載されるバッテリーは、複数のバッテリーセルを直列に接続して、所定の出力電圧を得るようにしている。そして、これらのバッテリーセルの過充電、過放電を防止するために、温度センサをバッテリーセルに装着して、バッテリーセルの温度を監視することが提案されている。

図４及び図５はバッテリーセルの温度監視に使用される従来の温度センサとその取付構造を示したものである。

図４に示した温度センサ１及びその取付構造は下記特許文献１に開示されたものであり、図５に示した温度センサ２及びその取付構造は下記特許文献２に開示されたものである。

図４及び図５に示した温度センサ１，２は、いずれも、サーミスタの周囲を樹脂で覆ったセンサ本体５と、センサ本体５の外周部から延出したアーム状弾性部材６と、を備えている。

センサ本体５は、図４及び図５に示すように、先端に、被測定部であるバッテリーセル８の表面８ａに当接する平坦な測温面５ａが設けられている。また、センサ本体５の後端には、本体内のサーミスタに接続したリード線９が引き出されており、該リード線９が温度測定装置又は温度測定回路基板に接続される。

アーム状弾性部材６は、センサ本体５の側方に延出して設けられていて、その先端部である自由端６ａが、バッテリーセル８の表面８ａに対して定位置に組み付けられる樹脂製のモジュール部品１０のセンサ係止部１１に係止されることで、バッテリーセル８に対する位置決めが成される。

上記従来の温度センサ１，２の場合、アーム状弾性部材６の基端６ｃはセンサ本体５にリジッドに（硬直に）結合されており、アーム状弾性部材６の中間部には自由端６ａの変位を助ける折り曲げ部６ｂが設けられている。

アーム状弾性部材６の自由端６ａを係止するセンサ係止部１１は、自由端６ａに被測定部であるバッテリーセル８の表面８ａ側への押圧荷重を作用させて、アーム状弾性部材６に弾性変形を生じさせる。このアーム状弾性部材６の弾性復元力が、測温面５ａと被測定部である表面８ａとの密着状態を確保する。

特開２００５−１８９０８０号公報 特開２００８−３０４２９５号公報

ところが、前述した従来の温度センサ１，２はバッテリーセル８に組み付けられるモジュール部品１０とは別体であり、温度センサ１，２をバッテリーセル８に組み付けるには、予め、温度センサ１，２をモジュール部品１０のセンサ係止部１１に取り付ける作業が必要で、組立作業性が悪いという問題があった。

また、温度センサ１，２とモジュール部品１０との間の組立誤差が、バッテリーセル８に対する温度センサ１，２の位置決め精度にばらつきを招き、その結果、バッテリーセル８に対する温度測定性能にばらつきを招くおそれがあった。

そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、温度センサを被測定部に組み付ける際の作業性を向上させると共に、被測定部に対する温度センサの位置決め精度を向上させて、被測定部に対して安定した温度測定性能を確保することができる温度センサを提供することにある。

本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
（１)被測定部に当接される測温面を先端に有したセンサ本体と、該センサ本体から延出したアーム状弾性部材と、該アーム状弾性部材を介して前記センサ本体を支承すると共に前記測温面が前記アーム状弾性部材の弾性復元力によって前記被測定部に密着するように前記被測定部に取り付けられる樹脂製のモジュール部品と、を備え、
前記センサ本体及び前記アーム状弾性部材が、インサート成形により前記モジュール部品に一体成形されたことを特徴とする温度センサ。

上記（１）の構成によれば、センサ本体及びアーム状弾性部材は、インサート成形によりモジュール部品に一体成形されているため、モジュール部品に対する組み付け作業が必要とならない。センサ本体を被測定部に取り付ける際の作業は、モジュール部品を被測定部に取り付ける作業だけで済むため、温度センサを被測定部に組み付ける際の作業工程を低減させて、作業性を向上させることができる。

また、センサ本体及びアーム状弾性部材がインサート成形によりモジュール部品に一体成形されるため、別体の部品相互を組み立てる際の組立誤差が生じない。そのため、被測定部に対する温度センサの位置決め精度を向上させて、被測定部に対して安定した温度測定性能を確保することができる。

本発明による温度センサによれば、センサ本体及びアーム状弾性部材は、インサート成形によりモジュール部品に一体成形されているため、モジュール部品に対する組み付け作業が必要とならない。また、センサ本体とモジュール部品とが別体の場合に発生する組立誤差も生じない。

そのため、温度センサを被測定部に組み付ける際の作業工程を低減させて、作業性を向上させることができる。また、被測定部に対する温度センサの位置決め精度を向上させて、被測定部に対して安定した温度測定性能を確保することができる。

本発明に係る温度センサの一実施形態のバッテリーに取り付けられた状態の斜視図である。 図１に示した温度センサの要部の拡大図である。 図２に示した温度センサのバッテリーへの取り付け状態を示す縦断面図である。 （ａ）は従来の温度センサの一部断面した側面図、（ｂ）は（ａ）に示した温度センサの取付構造の縦断面図である。 （ａ）は従来の別の温度センサの斜視図、（ｂ）は（ａ）に示した温度センサの取付構造の説明図である。

以下、本発明に係る温度センサの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。

図１〜図３は、本発明に係る温度センサの一実施形態を示したもので、図１は本発明に係る温度センサの一実施形態のバッテリーに取り付けられた状態の斜視図、図２は図１に示した温度センサの要部の拡大図、図３は図２に示した温度センサのバッテリーへの取り付け状態を示す縦断面図である。

この一実施形態の温度センサ２１は、サーミスタ２３ａの周囲を樹脂ケース２３ｂで覆ったセンサ本体２３と、該センサ本体２３からその側方に延出したアーム状弾性部材２５と、アーム状弾性部材２５を介してセンサ本体２３を支承する樹脂製のモジュール部品３０と、を備えている。

センサ本体２３は、先端に、被測定部であるバッテリーセル８の表面８ａに当接する平坦な測温面２３ｃが設けられている。また、センサ本体２３の後端には、本体内のサーミスタ２３ａに接続したリード線９が引き出されており、該リード線９がケーブル２６を介して温度測定装置又は温度測定回路基板に接続される。

アーム状弾性部材２５は、センサ本体２３の両側に延出して設けられていて、その先端部２５ａは、モジュール部品３０に一体に繋がっている。

本実施形態のアーム状弾性部材２５は、略Ｓ字状に蛇行したアームで、蛇行部の弾性変形により、センサ本体２３を、表面８ａに向かって進退可能に弾性支持する。

モジュール部品３０は、バッテリーセル８上に他の回路部品を組み付けるための樹脂製部品である。このモジュール部品３０は、センサ本体２３の測温面２３ｃがアーム状弾性部材２５の弾性復元力によってバッテリーセル８の表面８ａに密着するようにバッテリーセル８に取り付けられる。

本実施形態の温度センサ２１の場合、センサ本体２３及びアーム状弾性部材２５が、インサート成形によりモジュール部品３０に一体成形される。

以上に説明した本実施形態の温度センサ２１の場合、センサ本体２３及びアーム状弾性部材２５は、インサート成形によりモジュール部品３０に一体成形されているため、モジュール部品３０に対する組付作業が必要とならない。また、センサ本体２３を被測定部であるバッテリーセル８に取り付ける際の作業は、モジュール部品３０をバッテリーセル８に取り付ける作業だけで済むため、温度センサ２１をバッテリーセル８に組み付ける際の作業工程を低減させて、作業性を向上させることができる。

また、センサ本体２３及びアーム状弾性部材２５がインサート成形によりモジュール部品３０に一体成形されるため、別体の部品相互を組み立てる際の組立誤差が生じない。そのため、バッテリーセル８に対する温度センサ２１の位置決め精度を向上させて、バッテリーセル８に対して安定した温度測定性能を確保することができる。

なお、本発明の温度センサの用途は、上記一実施形態に示したバッテリーセル８の温度測定に限らない。本発明の温度センサは、バッテリー以外の各種の機器や部材の温度測定に利用することが可能である。

８ バッテリーセル
８ａ 表面（被測定部）
２１ 温度センサ
２３ センサ本体
２３ａ サーミスタ
２３ｂ 樹脂ケース
２３ｃ 測温面
２５ アーム状弾性部材
３０ モジュール部品

Claims (1)

1. 被測定部に当接される測温面を先端に有したセンサ本体と、該センサ本体から延出したアーム状弾性部材と、該アーム状弾性部材を介して前記センサ本体を支承すると共に前記測温面が前記アーム状弾性部材の弾性復元力によって前記被測定部に密着するように前記被測定部に取り付けられる樹脂製のモジュール部品と、を備え、
   前記センサ本体及び前記アーム状弾性部材が、インサート成形により前記モジュール部品に一体成形されたことを特徴とする温度センサ。

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