JP5611057B2 - 芳香族化合物のヨード化法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヨード化された芳香族化合物の製造方法に関する。特に、本発明は、3,5−二置換フェノールを、X線造影剤の合成のための有用な中間体である対応する3,5−二置換−2,4,6−トリヨードフェノールに電子化学的にヨード化することを含む製造方法並びに造影剤自身の製造に関する。
ヨード系造影剤は、X線造影診断法において広く用いられるよく知られた化合物である。これら化合物の適当な例としては、ジアトリゾエート、イオタラメート、イオキシタラメート、メトリゾエート、イオヘキソール、オメプロール、イオパミドール、イオペントール、イオプロミド、イオベルソール、イオキシラン、イオジキサノール、イオサルコール、イオグラミド、イオグルニド、イオグルアミド、アセトリゾエート、イオダミド、イオセタミドおよびメトリザミドが挙げられ、これらはいずれもモノマーであり、例えばイオキサグレート、イオトロラン、イオタスル、イオジパミド、イオカルメート、ヨードキサメート、イオトロキセート、イオトロランなどはダイマーである。ヨード系造影剤の更なる例は、例えば、WO94/14478(Bracco)に記載されている。共通の特徴として、それら化学構造には増大した造影効果をもたらすトリヨード化された芳香族核を有している。
これら化合物は様々な経路で製造することができ、そのいくつかは、与えられた基質、特に適当にはアニリンを芳香族ヨード化して対応する2,4,6−トリヨードアニリン誘導体を得、これをさらに最終化合物に変換することを含んでなる。
また、上記化合物の製造のための有用な前駆体は3,5−二置換フェノールであり、これは最初に2、4および6位でトリヨード化し、対応する3,5−二置換−2,4,6−トリヨードフェノールを生成する。次いで、これをいわゆるSmile転位によって変換して所望の最終化合物を得る。
上記合成経路およびSmile転位の一般的な文献としては、例えば、WO88/09328、WO97/05097およびWO00/32561(Bracco)が挙げられる。よく知られた求電子的置換メカニズムに従って、フェノール環でのヨード化はオルトおよびパラのフリーの位置(即ち、2、4および6位)で起こり、トリヨード化された環を生じる。
ヨード化のステップは、具体的には、当分野で知られたいくつかの方法に従って実施することができる。
例えば、濃塩酸(HCl)中の塩化ヨード(ICl)を用いることにより、あるいは水溶液中の例えばKICl2またはNaICl2等の同様のヨード化剤により行うことができる(一般的な文献としてWO92/14695(Guerbet)または米国特許第5,013,865号(Mallinckrodt)参照)。上記の方法は、ヨード化剤の保存期間が限られることヨード化剤の腐食性に起因する主な欠点がある。さらに、塩素原子の存在は副反応につながり望ましくない塩素副生成物の形成をもたらし、これが最終化合物の反応収率と純度に影響を及ぼす。上記の問題には、適当な芳香族核種の電子化学的ヨード化を含む別の経路に従って十分に対処することができる。
電子化学的ヨード化は、具体的には、実質的に以下の反応式:
2−2I++e-
に従って、電解セルにおいてアノードでヨウ素源(例えばI2自体)からI+が形成し、形成したI+カチオンが標的化合物の芳香族核種に対してヨード化剤として作用する。
ヨウ素分子の他にも、アルカリ金属ヨウ化物、さらにはヨウ化水素酸またはそれらの混合物等の様々なヨウ化物を用いてI+種を電子化学的に発生させることができる。
但し、注目すべきことに、I2源からの電子化学的ヨード化は1モルのヨウ素源から2モルのヨード化種を有利に生じる。
さらに、この方法にはヨード化種を必要なときに生じさせることができ、腐食性の試薬の保存を回避することができるというさらなる利点がある。
さらに、塩素源が存在しないので、最終化合物の純度に影響を及ぼす塩素化副生成物を生じない。
芳香族基質の電子化学的ヨード化は、例えばJ. Am. Chem. Soc, Vol. 98, No. 6, 1976, pages 1515-1519;およびEP828705(Nycomed Imaging As)に報告されているように、当分野においてよく知られている。
EP828705によれば、特に、3,5−二置換アニリンまたは3,3’−二置換−5,5’−連結したビスアニリンの電子化学的ヨード化を含んでなる、モノマーまたはダイマーのトリヨードアニリン化合物の製造方法が開示されている。
フェノールおよびその誘導体に関しては、米国特許第3,833,490号に、IO-イオンの存在下で4−ヒドロキシベンゾニトリルを電子化学的ヨード化して、3および/または5位にヨウ素原子を有する対応するモノ−またはジ−ヨード化誘導体を得ることを含んでなる除草剤の製造方法が開示されている。
注目すべきことに、フェノール性水酸基に対してパラ位に置換基(例えばシアノ基)が存在すると上記の基質は酸化的分解を受けにくくなるので、上記ヨード化法は電解セル内で、アノードコンパートメントに存在する酸化的条件下で直接行なわれる。
しかしながら、電解セルの外でヨード化ステップを行っても、副生成物の混合物が生じ、電子化学的に生じたヨード化種によるフェノールのヨード化は期待した結果をもたらさなかった。同じ実験的証拠が以下に記載する実験の項の比較例1および2にみられる。
フェノールの電子化学的ヨード化に関するこれらの主な欠点にもかかわらず、我々は意外にも、与えられた3,5−置換フェノールの電子化学的ヨード化により対応するトリヨード化化合物の製造が可能であることを見出した。
本発明の目的
本発明は、3,5−二置換フェノールの電子化学的ヨード化のための方法、さらに電子化学的ヨード化ステップを含むX線造影剤の製造方法を提供する。
従って、本発明の第1の目的は、式(2)で示される3,5−二置換−2,4,6−トリヨードフェノールの製造方法であって:
(a)適当なヨウ素源からI+カチオンを電子化学的に発生させること;および
(b)式(1)で示される3,5−二置換フェノールを上記ステップ(a)のI+カチオンの存在下でヨード化すること:
Figure 0005611057
[式中、RおよびR’は、同一または互いに異なる、カルボキシ−COOH、カルボキシエステル−COOR1およびカルボキサミド−CONH2、−CONHR1または−CONR23から選択される基を示し、ここでR1、R2およびR3は同一または互いに異なる、場合によりヒドロキシ、アミノ、スルフィジル、C1−C6アルコキシまたはカルボキシから選択される1以上で置換されたおよび/または場合により−NH−、−O−、>C=O、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−NH(C=O)−、−(C=O)NH−、>SOまたは>SO2基から選択される1以上の2価の基が介在する、直鎖または分岐鎖のC1−C6アルキル基である]
を含んでなる製造方法である。
本発明の方法は、式(2)で示される3,5−二置換フェノールを高い収率と純度で回収でき、有利である。
本明細書において、特に記載しない限り、直鎖または分岐鎖のC1−C6アルキル基なる語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル鎖を意図する。該アルキル基の適当な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル,および等が挙げられる。
上記アルキル基はさらに、上記の様々な部分で置換および/または介在されていてもよい。
1−C6 アルコキシなる語は、アルキル部分が上記直鎖または分岐鎖のC1−C6アルキル基のいずれかを示す任意のアルキル−オキシ基を意図する。
本発明のアルコキシ基の適当な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ペンチルオキシなどが挙げられる。
本発明の方法の好ましい態様によれば、式(1)および式(2)において、RおよびR’が、同一または互いに異なる、カルボキシ(−COOH)、カルボキシエステル(−COOR1)およびカルボキサミド(−CONH2、−CONHR1または−CONR23)(ここでR1、R2およびR3が、同一または互いに異なる、場合により1以上のヒドロキシ基で置換された、直鎖または分岐鎖のC1−C4アルキル基である)から選択される基を示す。
さらに好ましくは、式(1)および式(2)において、RおよびR’は同一または互いに異なる、以下から選択される基:
−COOH、
−COOCH3
−COO(CH23−CH3
−CONH2
−CONHCH3
−CONHCH2−CH(OH)−CH2(OH)、
−CONHCH[CH2OH]2
を示す。
上記から、RおよびR’基はいずれも反応ステップには直接関与しないので、以下に詳述するように、RおよびR’の意味において存在し、望ましくない副反応を受けることがある、任意の置換基または基は反応が起こる前に適当に保護する必要があることは当業者には明らかである。このような基の保護とその後の脱保護は、当分野において広く知られており、有機合成法において慣用的に利用されている様々な方法によって行うことができる。有機化学における保護基の一般的な文献として、例えば、T. W. Green, Protective Groups in Organic Synthesis (Wiley, N.Y. 1981)が挙げられる。本発明の製造方法のステップ(a)に記載する、I+の電子化学的発生は、電解セルにおいて、アノードおよびカソード(あるいはアノードおよびカソードコンパートメントと称する)の存在下で行う。適当なアノードは、当分野において慣用的に知られており、黒鉛炭素アノード、ガラス状炭素アノード、白金アノードまたは例えば、イリジウム、チタン、または導電性二酸化チタン等の他の金属を含んでいてもよい白金合金アノードを含んでなるものであってよい。白金および黒鉛炭素アノードが特に好ましい。
カソードとしては、例えば、炭素、白金、パラジウム、鉛、銅またはステンレススチールカソード並びにそれらの混合物等の慣用のものを用いることができる。特に、炭素およびスチールカソードが最も好ましい。カソードおよびアノードは、例えば、意図する目的に関する技術分野において知られている多孔性のガラスまたは他の任意の透過膜材料からなる多孔性の隔膜または隔壁により慣用的手段に従って電子化学的に相互に接続する。本発明の方法によれば、ヨード化種は、例えば、I2分子またはアルカリ塩NaIもしくはKIまたはさらにはヨウ化水素酸またはそれらの任意の混合物等の適当なヨウ化物誘導体を含んでなる任意の適当なヨウ素源から in situで生じるヨウ素カチオン(I+)によって示される。
本発明において、ヨウ素分子(I2)は特に好ましい。本方法が参照する反応の化学量論に基づき、トリヨード化して対応する式(2)の化合物にするには、式(1)の芳香族基質1モルにつき少なくとも3モルの反応性(I+)種が必要である。好ましくは、フェノール性の基質に対してやや過剰量のヨード化剤を用いて、それらの当量比を1:1〜3:1、さらにより好ましくは、1:1〜2:1の範囲で変更することができる。semicelle contenuti diversi
アノードでの反応は有機溶媒、好ましくは例えばアセトニトリル、低級アルコールC1−C4およびそれらの混合物等の極性のおよび/またはプロトン性の溶媒の存在下で行う。
好ましくは、本方法は低級アルコールの存在下で行い、メタノールがさらにより好ましい。例えば重量比1:1の水:メタノール混合物またはさらに少ない含水量の(例えば1:4)でも、ある量の水を含んでなる含水アルコール溶媒系は避けるのが好ましい。
この点で、特にステップ(a)でヨウ素分子単独または任意の適当なヨウ化物とともに反応性(I+)種が生じる場合は、溶媒における溶解度を損なう水の存在は、反応成果に悪影響を及ぼすと考えられる。
比較例3に記載のように、実際、本方法のステップ(a)のヨウ素の電子化学的酸化を所定の水:アルコール混合物を用いて行う場合は、本方法の最後に多量の未反応のヨウ素が回収される。
カソードコンパートメントを接続する限りにおいては、上記の溶媒系の選択に関する制限は必要ないので、水の量が様々であっても問題なく使用することができる。典型的には、アセトニトリル、低級アルコールおよび水それらの調合物等の極性のおよび/またはプロトン性の溶媒を用いることができる。
これらのうち、メタノール−水混合物が特に好ましい。
反応媒体は通常、酸(例えば濃硝酸または濃硫酸、例えば97%H2SO4)の添加により、酸性のpH、即ち7未満、に維持する。好ましくは、pHは0〜4、さらにより好ましくは1〜2の間に維持する。
あるいは、ステップ(a)は好ましくは、電解セル内の伝導性を維持するのに適当な既知の化合物の存在下で行い、上記目的のために用いることができる。
アノードでのI+カチオンの電子化学的発生のため、電極間に電位をかけてアノード電位をSCE(参照電極として飽和カロメル電極)に対して約1〜3Vにする。
好ましくは、SCEに対し約1.2〜約1.8Vのアノード電位で反応を行う。
あるいは、本発明に従う電解プロセスは定電流モードで行う、即ち、その間例えば1〜500mA/cm2に対応する一定の電流を溶液に流す。
本プロセスの間、慣用の方法に従って操作することによって、温度を一定(例えば15〜25℃)に保つ。典型的には、特にメタノール等の低沸点溶媒を用いる場合は、本プロセス中に発生する熱によって溶媒が一部蒸発することがあり、新しい溶媒をさらに加え温度と溶媒量を一定に維持するようにする。
次いで、ヨード化種を含む得られた溶液を上記の芳香族基質(1)または適当なその溶液と接触させる。
典型的には、実験の項で記載するように、式(1)の芳香族基質のヨード化は、それ自体または例えば上記の選択した溶媒に適当に溶解したステップ(a)のヨード化溶液と基質(1)の両方が適切に接触する別のリアクターで行う。
好ましくは、メタノール等の低級アルコール中の基質(1)の溶液を用いる。その後、当分野で周知の慣用法に従い反応混合物を処理し、単離して式(2)の化合物を得る。
一例として、ヨウ素分子を用いて(I+)カチオンを発生させる場合は、反応の最後で、適当な量のアルカリヨウ化物(例えばKI)を添加することにより、I2、次いでKI3複合体を形成して過剰量の(I+)またはI2を慣用法により容易に除去することができる。同様に、過剰量のヨウ素も、反応媒体が脱色するまで亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムを添加して除去することができる。
本発明の方法の出発物としての式(1)の化合物は知られており、それ自体が商業的に入手可能でなければ、いずれも既知の方法に従って製造することができる。
式(1)の化合物についての一般的な文献については、例えば、上記のWO88/09328、WO97/05097およびWO00/32561を参照。
同様に、本方法に用いる他の任意の反応物および/または溶媒は知られており、容易に入手可能である。
本発明の3,5−二置換フェノールの電子化学的ヨード化ついて本発明の方法に関する詳細は以下の実験の項に記載するが、以下に簡潔に記載する。
メルティングポット(るつぼとも称する)を、マグネティックスターラー上の晶析装置内に置く。次いで白金アノードを懸垂し、るつぼの底を構成する多孔性ガラスと晶析装置の内底の間に配置する。
選択されたヨウ素源の適当な量のアルコール溶液(例えばメタノール中のI2の溶液)を晶析装置に加え、多孔性ガラスとの電子化学的接触がもたらされるようにした後、所定量の酸を加える。次いで、適当な量のアルコール水混合物をるつぼに加えた後、酸を加える。るつぼがその内容物によってヨード化アルコール溶液に浸されたら、グラファイトカソードをるつぼ内に導入し、次いでこの系を電気的に接続する。一定の電流を維持した後、カソードで水素が生成し、ヨウ素溶液の色が茶色から黄橙色に変化する。反応中は適当な量の新鮮なメタノールをアノードコンパートメントに少しずつ加えて蒸発分を補い、るつぼのガラスフリットと周囲のヨウ素溶液との接触を維持する。
適当な時間、例えば3時間後、溶液は淡黄色となる。次いで、電源を停止し、晶析装置のヨード化溶液を一口フラスコに移す。次いで、適当な量の選択された式(1)の化合物またはその溶液を、一度にまたは少しずつで、加え、混合物を加熱還流する。反応はTLCでモニターし、化学量論的に変換されるまで加熱を継続する。得られた最終の溶液は室温になるまで冷ます。
次いで、任意の過剰のI+およびI2は、KIの適当な溶液およびNaSO3の飽和溶液を脱色するまで添加することにより除去することができる。次いで溶媒を蒸発させて、残留物を適当な溶媒(例えば酢酸エチル)で抽出する。溶液を乾燥し、濾過し、留去して残留物を得る。粗製物を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーまたは疎水性ポリマー樹脂カラムからの溶出により、最初に水でヨウ化物塩を除去した後、例えばアセトン等の適当な溶媒で生成物を溶出させて、精製する。
次いで、得られた式(2)の化合物は、以下の式(5)を有する、対応のX線造影剤に容易に変換することができる。
従って、本発明の更なる目的は、以下の式(5)で示される化合物の製造方法であって、
(a)適当なヨウ素源からI+カチオンを電気化学的に発生させ;
(b)上記ステップ(a)のI+カチオンの存在下で、式(1)で示される3,5−二置換フェノールをヨード化して
Figure 0005611057
[式中、RおよびR’は上記と同意義である]
式(2)で示される化合物を得、
(c)式(2)で示される化合物自体またはベンゼン環のヒドロキシ基がアルカリもしくはアルカリ土類金属塩として存在する化合物を、式(3)
4HN(C=O)CH(R5)Z (3)
[式中、R4およびR5は、同一または互いに異なる、水素または場合により1以上のヒドロキシまたはC1−C6アルコキシ基で置換された直鎖または分岐鎖のC1−C6アルキル基であり、Zはハロゲン原子または任意の適当な脱離基である]
で示される化合物と反応させて、式(4)
Figure 0005611057
[式中、R、R’、R4およびR5は前記と同意義である]
で示される化合物を得;および
(d)式(4)で示される化合物を塩基の存在下でSmile転位に付し、式(5)
Figure 0005611057
で示される最終化合物を得る、
ことを含んでなる製造方法である。
X線造影を製造する本発明の方法によれば、ステップ(a)および(b)の電子化学的ヨード化は前記のとおり行うが、ステップ(c)および(d)、包括的実験条件およびその適当な変更については、例えば前記の特許出願WO88/09328、WO97/05097およびWO00/32561に記載されているように、当分野において知られている。
好ましくは、式(3)の化合物において、Zは臭素または塩素原子である。さらにより好ましくは、本方法を、イオアミドール(式中、RおよびR’のいずれもが−CONH−CH(CH2OH)2基を示し、R4は水素であり、R5はメチルである;The Merck Index, XIIIEd., 2001, No.5073参照)またはオメプロール(式中、RおよびR’がそれぞれ−CONH−CH2−CH(OH)CH2OH基を示し、R4がメチルであり、R5が水素である; The Merck Index, XIII Ed., 2001 , No. 5071参照)等の周知のX線造影剤に適用することができる。
従って、本発明の更なる目的は、それぞれ、式(2a)または式(2b)を出発物質とする、イオパミドールまたはオメプロールの製造方法であって、該式(2a)および式(2b)の化合物が、本発明のステップ(a)および(b)のとおり、それぞれ化合物(1a)または(1b)の電子化学的ヨード化により得られる、製造方法である。
Figure 0005611057
本発明の更なる態様によれば、本方法は、以下に実質的に記載するように、所定のカルボキシまたはカルボキシエステル基を有する適当に置換されたアニリンの製造にも便利に利用することができる。従って、本発明のさらなる実施形態によれば、式(7)の3,5−二置換−2,4,6−トリヨードアニリンの製造方法であって、
(a)適当なヨウ素源からI+カチオンを電子化学的に発生させ;および
(b)式(6)で示される3,5−二置換−アニリンを上記ステップ(a)のI+カチオンの存在下でヨード化する
Figure 0005611057
[式中、R’’およびR’’’は、同一または互いに異なる、カルボキシ−COOHまたはカルボキシエステル基−COOR1(ここでR1は、場合によりヒドロキシ、アミノ、スルフィジル、C1−C6アルコキシまたはカルボキシから選択される1以上の基で置換されたおよび/または場合により−NH−、−O−、>C=O、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−NH(C=O)−、−(C=O)NH−、>SOまたは>SO2基から選択される1以上の2価の基が介在する、直鎖または分岐鎖のC1−C6アルキル基である)である]
ことを含んでなる製造方法である。
本明細書において、特に記載しない限り、式(6)および式(7)において、R’’およびR’’’の定義そして故にR1の定義は前記と同意義である。
好ましくは、式(7)の化合物の上記の製造方法において、R’’およびR’’’は、同一または互いに異なる、−COOHまたは−COOR1であり、ここでR1は、直鎖または分岐鎖のC1−C4アルキル基である。
上記の方法は、まず最初にヨード化源I+を上記のとおり発生させ、続いてステップ(b)で芳香族環を高い収率と純度でトリヨード化することにより行われる。
またこの場合には、式(6)の出発物質は知られているか、または知られている方法、例えば適当に水素化するまたは対応のニトロイソフタル酸を還元し、次いで、場合によりカルボキシのカルボキシエステル基への変換のための慣用技術に従い官能化することにより、容易に調製することができる。
得られた式(7)の化合物は、当分野で周知の方法に従い作用することにより、X線造影剤(その一つに上記イオパミドールまたはオメプロールがある)の合成のための中間体として有用である。
何ら限定を受けることなく本発明をさらに説明するために、以下の実施例を記載する。
実施例1
+ 溶液の調製
メタノール中のヨウ素のストック溶液(0.55M,10mL)を100mLのビーカーに入れ、メタノール(20mL)で希釈し、0.2mLの97%H2SO4で酸性にした。多孔質のるつぼ(孔径6μm)を部分的にメタノール(2mL)、水(6mL)および97%H2SO4(0.2mL)で満たし、ビーカーに入れた。白金シートアノードをビーカーに挿入し、グラファイトカソードをるつぼに入れた。アノード液の色が淡黄色に脱色するまで定電流モード(200mA/cm2)で電気分解を行った。得られた溶液をそのまま次のヨード化反応に用いた。
実施例2
3,5−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)−2,4,6−トリヨードフェノールの合成
Figure 0005611057
3,5−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)−フェノール(56.5mg,0.17mmol)を、I+溶液(1.55mmolのI2および50mLのMeOHから実施例1に記載のとおり得た)の入った丸底フラスコに加えた。反応混合物を1時間還流した。次いで、さらに3,5−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)−フェノール(56.5mg,0.17mmol)を加え、溶液を1時間還流した。3回目の3,5−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)−フェノールを最後に加え(56.5mg,0.17mmol)、完全に変換されたことが観察されるまで溶液を還流した。冷却した後、KI(257mg,1.55mmol)を加え、溶液が淡黄色になるまでNa2SO3の飽和水溶液を滴加した。減圧下でメタノールを留去し、Amberlite(登録商標)XAD 1600 カラムを用い、塩が完全に除去されるまで水(100mL)で溶出した後、水/アセトン8/2(100mL)で溶出することにより、黄色の残留物を精製した。収量300mg,82%。
スペクトルデータ
1H-NMR (D2O, 300 MHz, 298K)
4.00 ppm b quint[2H]
3.74 ppm dd[2H] J1 = 1 1.6 Hz J2 = 3.7 Hz
3.62 ppm dd[2H] J1 = 1 1.8 Hz J2 = 6.6 Hz
3.56-3.36 ppm m[4H]

13C-NMR (D2O, 75.4 MHz, 298K)
172.6 ppm [C]
156.0 ppm [C]
148.2 ppm [C]
85.3 ppm [C]
78.9 ppm [C]
70.5 ppm [CH]
64.4 ppm [CH2]
42.9 ppm [CH2]
実施例3
3,5−ビス(1−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシエチルアミノカルボニル)−2,4,6−トリヨードフェノールの合成
Figure 0005611057
3,5−ビス(1−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシエチルアミノカルボニル)−フェノール(56.5mg,0.17mmol)をI+溶液(1.55mmolのI2および50mLのMeOHから実施例1に記載のとおり得た)の入った丸底フラスコに加えた。反応混合物を1時間還流した。次いで、さらに上記フェノール誘導体(56.5mg,0.17mmol)を加え、溶液を1時間還流した。3回目の上記フェノール誘導体を最後に加え(56.5mg,0.17mmol)、完全に変換されるまで溶液を還流した。冷却した後、KI(257mg,1.55mmol)を加え、溶液が淡黄色になるまでNa2SO3の飽和水溶液を滴加した。減圧下でメタノールを留去し、Amberlite(登録商標)XAD 1600 カラムを用い、塩が完全に除去されるまで水(100mL)で溶出した後、水/アセトン8/2(100mL)で溶出することにより、黄色の残留物を精製した。収量:200mg,55%.
スペクトルデータ
1H-NMR (D2O, 300 MHz, 298K)
4.11 ppm quint[2H] J = 5.2 Hz
3.85-3.70 ppm m[8H]

13C-NMR (D2O, 75.4 MHz, 298K)
172.1 ppm [C]
156.0 ppm [C]
148.4 ppm [C]
85.1 ppm [C]
78.7 ppm [C]
60.0 ppm [CH2]
53.2 ppm [CH]
実施例4
3,5−ビス(n−ブトキシカルボニル)−2,4,6−トリヨードフェノールの合成
Figure 0005611057
+溶液(0.78mmolのI2および50mLのMeOHから実施例1に記載のとおり得た)を入れた丸底フラスコに、3,5−ビス(n−ブトキシカルボニル)−フェノール(25.0mg,0.085mmol)を加えた。得られた溶液を1時間還流した。次いで、さらに上記フェノール誘導体(25.0mg,0.085mmol)を加え、溶液を1時間還流した。3回目の上記フェノール誘導体を最後に加え(25.0mg,0.085mmol)、完全に変換されるまで溶液を還流した。冷却した後、KI(125mg,0.76mmol)を加え、溶液が淡黄色になるまでNa2SO3の飽和水溶液を滴加した。減圧下でメタノールを留去し、得られた黄色の溶液を水で希釈し、AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で留去した。黒色の残留物をシリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:9石油エーテル/0.5イソプロパノール/0.5AcOEt)で精製した。収量:100mg,58%.
スペクトルデータ
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz, 298K)
6.23 ppm bs[1 H]
4.36 ppm t[4H] J = 6 .6 Hz
1.75 ppm quint[4H] J = 6 .7 Hz
1.47 ppm sext[4H] J = 7 .4 Hz
0.95 ppm t[6H] J = 7 .4 Hz

13C-NMR (CDCl3, 75.4 MHz, 298K)
167.8 ppm [C]
154.7 ppm [C]
147.9 ppm [C]
80.8 ppm [C]
76.4 ppm [C]
66.8 ppm [CH2]
30.3 ppm [CH2]
19.3 ppm [CH2]
13.7 ppm [CH3]
実施例5
3,5−ビス(メトキシカルボニル)−2,4,6−トリヨードフェノールの合成
Figure 0005611057
+溶液(0.78mmolのI2および50mLのMeOHから実施例1に記載のとおり得た)を入れた丸底フラスコに、3,5−ビス(メトキシカルボニル)−フェノール(53.0mg,0.085mmol)を加えた。得られた溶液を1時間還流した。次いで、さらに上記フェノール誘導体(53.0mg,0.085mmol)を加え、溶液を1時間還流した。3回目の上記フェノール誘導体を最後に加え(53.0mg,0.085mmol)、完全に変換されるまで溶液を10時間還流した。冷却した後、KI(125mg,0.76mmol)を加え、溶液が淡黄色になるまでNa2SO3の飽和水溶液を滴加した。減圧下でメタノールを留去し、得られた黄色の溶液を水で希釈し、AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で留去した。黒色の残留物を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:9石油ベンジン/0.5イソプロパノール/0.5AcOEt)で精製した。収量:90mg,60%.
スペクトルデータ
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz, 298K)
6.23 ppm bs[1 H]
3.95 ppm s[6H]

13C-NMR (CDCl3, 75.4 MHz, 298K)
168.1 ppm [C]
154.8 ppm [C]
147.7 ppm [C]
81.1 ppm [C]
76.4 ppm [C]
53.6 ppm [CH3]
比較例1
フェノールのヨード化
+溶液(0.78mmolのI2および50mLのMeOHから実施例1に記載のとおり得た)を入れた丸底フラスコに、フェノール(24.4mg,0.26mmol)を加えた。反応混合物を5時間還流した。冷却した後、KI(131mg,0.79mmol)を加え、Na2SO3の飽和水溶液を滴加した。減圧下でメタノールを留去し、得られた黄色の溶液を水で希釈し、AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で留去し、褐色の残留物を石油ベンジン 9/AcOEt 1で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製した。収量:25mg、21%。
スペクトルデータ
Figure 0005611057
1 H-NMR (DMSO-d 6 +D 2 O, 300 MHz, 298K)
8.01 ppm s[2H]

13 C-NMR (DMSO-d 6 +D 2 O, 75.4 MHz, 298K)
155.8 ppm [C]
145.8 ppm [CH]
88.5 ppm [C]
85.0 ppm [C]

ESI-MS (ネガティブモード)
C6H3I3O
計算値:471.7 u.m.a.
実測値:471.1 (M-H+), 964.4 (M+Na+-2H+)
後の画分において、より極性の強い副生成物2−ヨードヒドロキノンおよびジヨードビフェノールが回収された。
比較例2
ピロガロールのヨード化
+溶液(0.78mmolのI2および50mLのMeOHから実施例1に記載のとおり得た)を入れた丸底フラスコに、ピロガロール(32mg,0.26mmol)を加えた。反応混合物を3時間還流した。冷却した後、KI(131mg,0.79mmol)を加え、Na2SO3の飽和水溶液を滴加した。減圧下でメタノールを留去し、得られた黄色の溶液を水で希釈し、AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で留去した。得られた褐色の残留物のクロマトグラフ分析は、複合体および酸化およびヨード化された副生成物の分離不可能な混合物を示した。
比較例3
含水アルコール媒体中でのI + の電子化学的発生
電子化学的ヨード化装置は、以下から構成されるセルからなる:
− 白金アノード(箔、3cm2)およびマグネティックスターラーバーを備えたアノードコンパートメント;
− ステンレススチールカソード(プレート、8cm2)を備えたカソードコンパートメント。
この2つのコンパートメントは多孔性のガラスフリット(平均孔サイズ6μm)で隔てられている。アノードコンパートメントにはメタノール/水(50/50,40mL)中のNaBF4の0.15M溶液が入っており、よく攪拌しながらヨウ素(762mg,3mmol)をこれに加えた。この混合物中でのヨウ素の溶解度は低いためヨウ素の大部分が沈殿としてアノードコンパートメントの底に存在した;混合物の色は淡橙色であった。HBF4の40%水溶液を用いてpHを1.5に調整した。カソードコンパートメントには、メタノール/水(50/50、15mL)中のNaBF4の0.15M溶液を入れた。
400mAの定電流をかけた。約30分後に電流を減少させ始め、最大電圧31.6Vで約40分後に約60mAまで減らした。溶液は黄色であり、最初のヨウ素は依然としてアノードコンパートメントの底に存在した。固体のヨウ素を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥し、重量を計った(678mg、未反応のヨウ素の回収率89%)。

Claims (17)

  1. 式(2)で示される3,5−二置換−2,4,6−トリヨードフェノールの製造方法であって:
    (a)アノードにて、適当なヨウ素源からI+カチオンを電子化学的に発生させること;および
    (b)式(1)で示される3,5−二置換フェノールを上記ステップ(a)のI+カチオンの存在下でヨード化すること:
    Figure 0005611057
    [式中、RおよびR’は、同一または互いに異なる、カルボキシ−COOH、カルボキシエステル−COOR1およびカルボキサミド−CONH2、−CONHR1または−CONR23から選択される基を示し、ここでR1、R2およびR3は同一または互いに異なる、場合によりヒドロキシ、アミノ、スルフィジル、C1−C6アルコキシまたはカルボキシから選択される1以上で置換されたおよび/または場合により−NH−、−O−、>C=O、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−NH(C=O)−、−(C=O)NH−、>SOまたは>SO2基から選択される1以上の2価の基が介在する、直鎖または分岐鎖のC1−C6アルキル基である]
    を含んでなり、前記ステップ(a)および(b)について、同一または異なる、極性のおよび/またはプロトン性有機溶媒中で行われる製造方法であって、ステップ(a)について該有機溶媒が水を含まない、製造方法
  2. 式(1)および(2)で示される化合物において、RおよびR’が、同一または互いに異なる、カルボキシ−COOH、カルボキシエステル−COOR1およびカルボキサミド−CONH2、−CONHR1または−CONR23から選択される基であり、ここでR1、R2およびR3が、同一または互いに異なる、場合により1以上のヒドロキシ基で置換された、直鎖または分岐鎖のC1−C4アルキル基である、請求項1記載の製造方法。
  3. 式(1)および式(2)で示される化合物において、RおよびR’が同一または互いに異なる、以下から選択される基:
    −COOH、
    −COOCH3
    −COO(CH23−CH3
    −CONH2
    −CONHCH3
    −CONHCH2−CH(OH)−CH2(OH)、
    −CONHCH[CH2OH]2
    である、請求項2に記載の製造方法。
  4. ヨウ素カチオンI+が、I2分子、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムまたはヨウ化水素酸またはそれらの混合物を含む適当なヨウ素源からin situで発生する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. ヨウ素カチオンI+がヨウ素分子I2からin situで発生する、請求項4に記載の製造方法。
  6. ステップ(a)の、I+の電子化学的発生のためのアノードコンパートメントにおいて、溶媒が、アセトニトリル、低級アルコールC1−C4またはそれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 溶媒がメタノールである請求項6に記載の製造方法。
  8. ステップ(a)のアノードにおけるI+カチオンの電子化学的発生のために、SCEに対し1〜3Vのアノード電位がかけられる、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. SCEに対するアノード電位が1.2〜1.8Vである請求項8に記載の製造方法。
  10. ステップ(a)のアノードにおけるI+カチオンの電子化学的発生が、溶液に1〜500mA/cm2の定電流を流すことにより定電流モードで行なわれる、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  11. ステップ(b)を別のリアクターで行う、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. ステップ(a)で得られた溶液を別のリアクターに移し、式(1)の化合物またはその溶液と接触させる、請求項11記載の製造方法。
  13. 式(5)で示される化合物の製造方法であって、
    (a)アノードにて、適当なヨウ素源からI+カチオンを電気化学的に発生させ;
    (b)上記ステップ(a)のI+カチオンの存在下で、式(1)で示される3,5−二置換フェノールをヨード化して
    Figure 0005611057
    [式中、RおよびR’は請求項1と同意義である]
    式(2)で示される化合物を得、
    (c)式(2)で示される化合物自体またはベンゼン環のヒドロキシ基がアルカリもしくはアルカリ土類金属塩として存在する化合物を、式(3)
    4HN(C=O)CH(R5)Z (3)
    [式中、R4およびR5は、同一または互いに異なる、水素または場合により1以上のヒドロキシまたはC1−C6アルコキシ基で置換された直鎖または分岐鎖のC1−C6アルキル基であり、Zはハロゲン原子または任意の適当な脱離基である]
    で示される化合物と反応させて、式(4)
    Figure 0005611057
    [式中、R、R’、R4およびR5は前記と同意義である]
    で示される化合物を得;および
    (d)式(4)で示される化合物を塩基の存在下でSmile転位に付し、式(5)
    Figure 0005611057
    で示される最終化合物を得る、
    ことを含んでなり、前記ステップ(a)および(b)について、同一または異なる、極性のおよび/またはプロトン性有機溶媒中で行われる製造方法であって、ステップ(a)について該有機溶媒が水を含まない、製造方法
  14. 式(3)で示される化合物において、Zは臭素または塩素原子である、請求項13記載の製造方法。
  15. 式(5)(ここで、RおよびR’はいずれも−CONH−CH(CH2OH)2基であり、R4は水素であり、R5はメチルである)で示される化合物を製造するための請求項13または14に記載の製造方法。
  16. 式(5)(ここで、RおよびR’はいずれも−CONH−CH2−CH(OH)CH2OH基を示し、R4はメチルであり、R5は水素である)で示される化合物を製造するための請求項13または14に記載の製造方法。
  17. 請求項1記載の製造方法によって製造される式(2)で示される対応する化合物を出発物質とするイオパミドールまたはイオメプロールの製造方法。
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