JP5606180B2 - シリカ微粒子の測定方法 - Google Patents

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本発明は、シリカ微粒子の測定方法に関する。
二酸化ケイ素を含む精密部品、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)に代表される精密部品、或いは半導体ウェハに代表される単結晶部品は、研磨工程を経て製造される。そのような研磨工程では、主にシリカ系砥粒を含む研磨液が利用される。
シリカ系砥粒の原料の製法として、例えば、特許文献1、2は、最終研磨に使用されるコロイダルシリカ等のシリカ微粒子の製造方法を開示している。かかるシリカ微粒子は、安定性等の観点から、不純物を除去することが理想であると考えられてきた。
図1は、従来のガラス基板を用いた従来のハードディスクドライブの製造工程を示す工程フロー図である。図1に示すように、精密部品が情報記録用媒体のガラス基板(サブストレート)である場合、当該ガラス基板は、ガラス素材の溶融工程1、研削工程2を経て製造される。さらに、このガラス基板は、研磨工程3で研磨される。その最終工程(通常、研磨工程3は、複数のステップを経て段階的に研磨精度をあげるようになっている)において、特許文献1、2の方法で製造されたコロイダルシリカなどのシリカ系砥粒を含む研磨液で研磨される。なお、シリカ系砥粒を用いてガラス基板を製造する方法は、例えば、特許文献3、4に開示されている。
また、精密部品の品質を確保するため、研磨された精密部品は、光学的表面分析装置(OSA)や、パーティクル検出装置などで検査される。OSAは、例えば、0.22ミクロン(220nm)から2,000ミクロン(2,000,000nm)の解像度で、精密部品の異物量を測定する。また、パーティクル検出装置は、ウェハ表面をレーザ光により走査し、パーティクルなどからの光散乱強度を測定することにより、異物やCOP(Crystal Originated Particle)などの位置および大きさを輝点欠陥(Light Point Defect:LPD)として認識する検出装置である。
特開2001−11433号公報 国際公開WO2008/072637号公報 特開2008−246645号公報 特開2008−101132号公報
最終研磨に使用するシリカ微粒子は、その粒径が年々小さくなる傾向にある。現在では、光の波長よりも小さい数nm〜数十nm程度のシリカ微粒子が使用されている。そのため、OSAでは、シリカ微粒子を計測することができなかった。他方、一般的な高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)を用いても、精密部品が二酸化ケイ素を基本とするものである場合には、精密部品のケイ素と残留した研磨液のケイ素とを識別することができないため、研磨用のシリカ微粒子が付着した不良品を検出できずにいた。その結果、研磨工程3でシリカ微粒子が過度に付着した不良品が発生していたとしても、その不良を検出する術が無く、従来は、そのまま成膜工程5、組立工程6を経ていた。その結果、最終の検査工程7で研磨工程3での不良が発覚することになり、歩留まりが悪く、生産性が低かった。
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、精密部品の表面に残存している場合にこれを検出することのできるシリカ微粒子の測定方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、マーカーとして検出可能な不純物組成内に含有されるよう調製されたシリカ微粒子を含む研磨液で二酸化ケイ素を基本とする精密部品を研磨する研磨工程と、前記研磨工程後の精密部品を洗浄する洗浄工程とを経た前記精密部品に残存しているシリカ微粒子を測定するシリカ微粒子の測定方法であって、前記洗浄工程後に、前記精密部品の表面を溶液で溶解する溶解ステップと、前記溶解ステップを経た溶液中の不純物量からシリカ微粒子を定量する定量ステップとを備えていることを特徴とするシリカ微粒子の測定方法である。この態様では、研磨用のシリカ微粒子に含まれる不純物が、マーカーとして機能するので、精密部品を検査する際、シリカ微粒子に含まれる不純物を検出し、それに基づいて、シリカ微粒子を定量することができる。上記マーカーとしての機能により、従来は、検出が困難であった微小な(例えば、粒径が1nm〜100nm)シリカ微粒子を定量することが可能になる。この結果、従来よりも上流側の工程で、精密部品の良否を判定することが可能になるので、後工程の歩留まりが向上し、生産性を高めることが可能になる。精密部品は、二酸化ケイ素を基本とするものであれば、半導体ウェハのような結晶基板であってもよく、或いは、ガラス基板であってもよい。さらにガラス基板としては、ハードディスク用ガラス基板が例示される。「精密部品に含まれる元素」は、ハードディスク用ガラス基板の場合、ナトリウム、カリウム等が例示される。また半導体ウェハの場合、ガリウムやインジウムが例示される。さらに、不純物として列挙したものは、何れもイオン化エネルギーが低く(9.26eV未満)、ICP−MSで不純物を分析し、これに基づいて、シリカ微粒子を定量することが容易になる。
本発明の別の態様は、不純物を組成内に含有したシリカ微粒子を含む研磨液で二酸化ケイ素を基本とする精密部品を研磨する研磨工程と、前記研磨工程後の精密部品を洗浄する洗浄工程とを経た前記精密部品に残存しているシリカ微粒子を測定するシリカ微粒子の測定方法であって、前記洗浄工程後に、前記精密部品の表面にある欠陥部位を光学的にカウントして、前記シリカ微粒子に含まれる前記不純物を検出する欠陥カウントステップを備えていることを特徴とするシリカ微粒子の測定方法である。この態様では、前記不純物を含有するシリカ微粒子を含有する研磨液を用いることによって、シリカ微粒子に含まれる不純物を光学的に検出する装置(例えば、半導体ウェハの輝度欠陥をカウントするパーティクル検出装置)で検出することができ、その欠陥カウントに基づいて、シリカ微粒子の定量を行うことができる。
前記欠陥カウントステップは、前記精密部品としての半導体ウェハ表面をレーザ光により走査し、光散乱強度を測定することにより、輝点欠陥を検出するものであることが好ましい。
各態様において、前記不純物は、チタン、バナジウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、錫、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、金、鉛、ビスマス、並びに希土類元素のグループから一以上選択される元素であることが好ましい。この態様では、不純物は、何れもイオン化エネルギーが低く(9.26eV未満)、ICP−MSで不純物を分析し、これに基づいて、シリカ微粒子を定量することが容易になる。
好ましい態様において、前記シリカ微粒子は、コロイダルシリカである。
好ましい態様において、前記シリカ微粒子は、粒径が1nm〜100nmである。この態様では、粒径が光の波長よりも短く、極めて良好な研磨性能を発揮することができる一方、このシリカ微粒子に含まれる不純物によって、研磨液に含まれていたシリカ微粒子を精密部品自身のケイ素成分から識別することが可能になる。
好ましい態様において、前記不純物の含有量は、総質量の1ppmから10,000ppmまでの範囲である。この態様では、研磨液として好適な性能を維持しつつ、識別機能を発揮することが可能な範囲となる。
好ましい態様において、前記精密部品を研磨する工程は、当該精密部品の最終研磨工程で使用されるものである。
好ましい態様において、前記不純物としての元素は、チタン、バナジウム、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、錫、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、鉛、ビスマス、並びに希土類元素から選択されるものである。この態様では、不純物として選択される元素のグループのうち、同位体存在比が一つの原子量で70%以上であり、且つ原子量の同重量体の数が少ないものが不純物として選択されるので、検出感度をより向上させることができる。
好ましい態様において、前記不純物としての元素は、希土類元素から選択されるものである。この態様では、不純物として選択される元素のグループのうち、安定している希土類元素が選択されるので、不純物としてコロイダルシリカ微粒子の中に含有させやすくなる。
好ましい態様において、前記不純物としての元素は、ルテニウム、ロジウム、パラジウムのいずれか一つ以上である。この態様では、不純物として選択される元素のグループのうち、塩酸に溶けやすい元素が選択されるので、単離が容易になる。
好ましい態様において、前記不純物としての元素は、ゲルマニウム、ストロンチウム、テルルのいずれか一つ以上である。この態様では、不純物として選択される元素のグループのうち、硝酸に溶けやすい元素が選択されるので、洗浄の際に落としやすくなる。これに対し、塩酸や硫酸等は洗浄に使うと鉄が付着するので好ましくないのである。
好ましい態様において、前記不純物としての元素は、タングステン、タンタル、モリブデン、ニオブ、ジルコニウムのいずれか一つ以上である。この態様では、不純物として選択される元素のグループのうち、フッ化水素酸以外の酸に比較的安定で、加工中や洗浄中に溶出しないので、取り扱いが便利になる。
以上説明したように、本発明によれば、精密部品の表面に残存している研磨用のシリカ微粒子を検出することができ、その検出に基づいてコロイダルシリカを定量することができるので、従来よりも上流側の工程で、精密部品の良否を判定することが可能になる結果、後工程での歩留まりが向上し、生産性を高めることが可能になるという顕著な効果を奏する。
従来のガラス基板の製造方法を示す工程フロー図である。 本発明の実施形態に係るガラス基板の製造方法を示す工程フロー図である。 本発明の実施形態に係る半導体ウェハの製造方法を示す工程フロー図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
[精密部品]
本実施形態は、種々の精密部品に適用することが可能である。精密部品は、基本的には、二酸化ケイ素を基本とするものであり、ハードディスク用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス素材、半導体ウェハ等が例示される。
例えば、ハードディスク用ガラス基板のガラス素材としては、Li2Oが3.6質量%、Na2Oが11.2質量%、K2Oが0.4質量%、MgOが0.6質量%、CaOが1.6質量%、Al23が14.9質量%、SiO2が64.5質量%、ZrO2が2.0質量%、CeO2が0.5質量%、SnO2が0.7質量%のものが好適である。
また、半導体ウェハとしては、高純度の金属ケイ素を精製した単結晶が基本となる。
[不純物を含むコロイダルシリカの製造方法]
シリカ微粒子としてのコロイダルシリカは、反応媒体中でアルキルシリケートを加水分解、重縮合反応して作成される。この時、合成を行う反応媒体に不純物を溶解させることにより、コロイダルシリカの中に不純物を含有させることができる。本実施形態は、3nm〜100nmの粒子径を有するコロイダルシリカを製造するに有効である。
反応媒体は、アンモニア、ナトリウム、カリウム、リチウム等アルカリ金属の水酸化物、水溶性アミン、四級アンモニウム水酸化物等のアルカリを含む。特にアルカリ金属の水酸化物は、反応性が高く、好ましく使用される。アルカリ金属を含有しないコロイダルシリカを得たい場合には、含窒素塩基性化合物を使用する。
本実施形態に使用されるアルキルシリケートは、珪酸モノマまたは重合度2〜10の珪酸オリゴマのアルキルエステルである。このアルキル基としては、1〜3の炭素数を有するものが好ましい。また分子内に異なったアルキル基を有する混合エステルや、これらアルキルシリケートの混合物も用いることができる。好ましいアルキルシリケートの例としては、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、メチルトリエチルシリケート等が挙げられる。
不純物としては、チタン、バナジウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、錫、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、金、鉛、ビスマス、並びに希土類元素が好適である。本発明を実施する際には、上述した元素のグループから好適なものを1以上、選択することが好ましい。不純物は、原則として、精密部品を構成する組成にないこと、精密部品が遭遇する環境にないこと、ICP−MSで分析できること、安定していること、毒性がないことが条件である。特に希土類元素はそれに有効である。
ケイ素は、精密部品の組成に含まれるため、元素のグループから除外される。また、精密部品が磁気ディスク用ガラス基板の場合、ストロンチウム、チタン、亜鉛等の元素は、基板に含まれる場合があるため、グループから除外される。精密部品が半導体ウェハの場合では、ガリウムやインジウムが上記グループから除外される場合がある。
アルカリ金属(但し、Rb、Csを除く)や鉄、塩素、ニッケル、アルミニウムは、精密部品が遭遇する環境もしくは工程に存在するため、本実施形態では、元素のグループから除外される。
ICP−MSで測定可能という観点では、硫黄等のイオン化エネルギーが高い(9.26eV以上)元素も測定限界値が高いため、マーカーとして不向きである。好適なものは、チタン、バナジウム、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、錫、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、鉛、ビスマス、並びに希土類元素である。
安定している材質としては、希土類元素が好ましい。
毒性の観点からは、ベリリウム、ホウ素、ヒ素等環境面、人体面で悪影響が想定されるものは、除外される。
これらの条件を満たす不純物を反応媒体に加え、さらに不純物を含む反応媒体にアルキルシリケートを加えて、45℃からこの反応媒体の沸点以下の温度で、反応媒体とアルキルシリケートを接触させることにより、アルキルシリケートを加水分解反応させるとともに、これによって生じた反応媒体中の珪酸の重合反応を進行させることができる。そしてこの珪酸の重合反応の進行によって反応媒体中に、不純物を含むシリカの核粒子が生成し、その粒子成長によって3nm〜100nm、好ましくは5nm〜100nmの揃った粒子径を有するコロイダルシリカが生成する。
例えば、アルカリ性触媒として水酸化ナトリウムを3質量%、分散剤としてクエン酸三ナトリウムを2質量%添加し、さらに、不純物として酸化イットリウム、二酸化マンガン、塩化亜鉛をそれぞれ1質量%となるように溶解させた水溶液にテトラエチルシリケートを添加する態様をとることができる。その場合、反応媒体中の酸化イットリウムの含有量は、0.01%〜5.00%までが好ましい。これは低すぎると検出ができず、多すぎると反応を阻害するおそれがあるからである。反応は、例えば80℃で行い、反応終了後に未反応残渣をフィルターで除去してイットリウムを約100ppm含むコロイダルシリカを製造することができる(含有量は、コロイダルシリカをフッ化水素酸で溶解後ICP−MSで評価)。
[研磨液]
上記コロイダルシリカは、分散媒としての研磨用粒子分散液と混ぜ、種々の精密部品の最終研磨に使用する研磨液の主成分となる。
本実施形態に係る研磨用粒子分散液は、ポリビニルアルコール、変成ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド(共)重合体、エチレングリコール等の水溶性ポリマーや、スルホン酸系、リン酸系、カルボン酸系、非イオン系の界面活性剤が好適である。
また、本実施形態に係る研磨用粒子分散液は、上記コロイダルシリカを含んだだけで研磨液として使用可能なものであるが、所望により、添加剤として、研磨促進剤、界面活性剤、複素環化合物、pH調整剤およびpH緩衝剤からなる群より選ばれる1種以上を添加して使用しても構わない。pH調整剤としては、無機酸や有機酸を用いる。例えば、無機酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸などが挙げられるが、硝酸が取り扱いやすさの点で好ましい。フッ化水素酸などのガラスに対して浸蝕性の大きい酸は、傷を顕在させるので用いることはできない。また、有機酸としては、シュウ酸、クエン酸などが挙げられる。
本発明に係る研磨液には、精密部品の種類によっても異なるが、必要に応じて従来公知の研磨促進剤を使用することができる。
次に、上述した研磨液を用いて二酸化ケイ素を基本とする精密部品の製造方法について説明する。
[ガラス基板の製造方法]
図2を参照して、精密部品がガラス基板である場合、従来技術と同様に、溶融工程1および研削工程2を実施する。次いで、実施形態1または2で製造されたコロイダルシリカを含有する研磨液を用いて、研磨工程3を行った後、洗浄工程4を施される。次いで、本実施形態では、サンプル検査工程10を実施する。
このサンプル検査工程10では、サンプルをいくつか抜き出して、コロイダルシリカを測定する。この測定検査では、前記ガラス基板の表面を溶液で溶解する溶解ステップと、前記溶解ステップを経た溶液中の不純物量からコロイダルシリカを定量する定量ステップとを備えている。
上述した実施形態によって製造されるコロイダルシリカは、3nm〜100nmの粒の揃った粒子であるため、通常は、光学的表面分析装置(OSA)では検出されない。しかしながら、上述した所定の不純物を混入させることによって、この不純物が影となり、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)での検出が可能になるのである。
溶解ステップでは、硫酸等の溶液で溶解し、成分を分析可能とする。フッ化水素酸と硝酸を加えたもの、フッ化水素酸と塩酸を加えたものなど、フッ化水素酸に無機酸を加える形で溶解させたものであれば種々の態様を用いることが可能である。また、ICP−MSでの測定がしやすくなるので、フッ化水素酸と硝酸を加えた溶液で溶解することが好ましい。
次いで、定量ステップでは、ICP−MSで不純物の成分を検出することにより、当該不純物を含んでいたコロイダルシリカを定量することが可能になる。
[半導体ウェハの製造方法]
図3を参照して、精密部品が半導体ウェハの場合、インゴット成長工程20、外形研削工程21、エッチング工程22、スラッシング工程23、面取り工程24、ラッピング工程25、エッチング工程26、鏡面研磨工程27、洗浄工程28、並びにサンプル検査工程29が実施される。
まず、インゴット成長工程20では、チョクラルスキー法(CZ法)やフローティングゾーン法(FZ法)などにより単結晶の半導体インゴットを成長させる。
外形研削工程21では、単結晶の半導体インゴットの先端部及び終端部が切断される。そして、この外形研削工程21において、直径を均一にするために半導体インゴットの外周を円筒研削盤等により研削してブロック体とし、外周形状が整えられる。
エッチング工程22では、必要に応じて、エッチング液に浸漬されて、エッチングされる。
スラッシング工程23では、外形研削工程21を経たブロック体が特定の結晶方位を示すために、オリエンテーションフラットやオリエンテーションノッチをこのブロック体に施す。このプロセスの後、ブロック体は、棒軸方向に対して所定角度をもってワイヤソー等によりスライスされ、ウェハとなる。
面取り工程24では、周辺部の欠けやチッピングを防止するために、スラッシング工程S3を経てスライスされたウェハの周辺に面取り加工が行われる。すなわち、ウェハの外周部が面取り用砥石により、所定の形状に面取りされる。これにより、ウェハの外周部は、所定の丸みを帯びた形状に成形される。
ラッピング工程25では、スライス等の工程で生じた薄円板状のウェハ表裏面の凹凸層をラッピングにより平坦化される。このラッピング工程では、ウェハを、互いに平行なラッピング定盤の間に配置し、ラッピング定盤とウェハとの間に、アルミナ砥粒、分散剤、水の混合物であるラッピング液を流し込む。そして、加圧下で回転・すり合わせを行い、ウェハ表裏両面をラッピングする。これにより、ウェハ表裏面の平坦度とウェハの平行度とが高まる。
エッチング工程26では、ラッピング工程S5を経たウェハをエッチング液に浸漬されてエッチングする。このエッチング工程では、面取り工程24やラッピング工程25のような機械加工プロセスによって導入された加工変質層をエッチングによって完全に除去する。
鏡面研磨工程27では、例えば、3段階でウェハの表面が研磨される。
(1)外周研磨工程
まず、エッチング工程26を経たウェハは、外周部が外周研磨される。これにより、ウェハの面取り面が鏡面仕上げされる。外周研磨工程では、ウェハの面取り面を、遊離砥粒を含有する研磨液を供給しながら研磨布に押し付けて、鏡面に研磨する。
(2)粗研磨工程
次に、外周研磨工程を経たウェハは、表裏面を同時に研磨する両面研磨装置又は表裏面を片面ずつ研磨する片面研磨装置を用いて、表面が粗研磨される。粗研磨工程では、ウェハの所定の面を、遊離砥粒を含有する研磨液を供給しながら研磨布に押し付けて、5〜10μmの研磨量で研磨する。研磨布としては、例えばポリエステルフェルトにポリウレタンを含浸させた多孔性の不織布タイプの研磨布が挙げられる。なお、この粗研磨は1段階でもよく(1次研磨)、多段階でもよい(1次研磨、2次研磨、・・・)。すなわち、この粗研磨とは、最終的な鏡面仕上げを行う仕上げ研磨の前の全ての研磨工程を意味する。
(3)仕上げ研磨工程
粗研磨工程を経たウェハには、さらに表裏面を同時に研磨する両面同時研磨装置又は表裏面を片面ずつ研磨する片面研磨装置を用いて、仕上げ研磨が行われる。仕上げ研磨工程では、上述した本実施形態の研磨液をウェハの所定の面に供給しながら研磨布に押し付けて、1μm以下の研磨量で鏡面に研磨する。研磨布としては、例えば不織布の基布の上にポリウレタンを発泡させた2層のスウェード状研磨布が挙げられる。この仕上げ研磨により、鏡面研磨が完了する。
洗浄工程28では、鏡面研磨工程27を経たウェハを仕上げ洗浄する。具体的には、RCA洗浄液により洗浄される。その後、検査が施されて、最終的なウェハ製品として出荷される。なお、鏡面研磨工程27を経たウェハを洗浄工程28に供する前に、必要に応じて保管液中で一時的に保管してもよい。すなわち、鏡面研磨工程27を経たウェハは、次工程である仕上げ洗浄工程に送られるが、洗浄工程に送られるまでの待ち時間(搬送に要する時間等)に、保管液中で一時的に保管される場合がある。これは、ウェハを大気中に放置したのでは、研磨液が乾燥してウェハの表面に固着し、洗浄工程で除去することが困難になるためである。保管液としては、クエン酸等のキレート剤を含有する水溶液が挙げられる。
サンプル検査工程29では、パーティクル検出装置でシリカ中に含まれる不純物からコロイダルシリカ付着量を算出する工程を含む。上述したように、半導体ウェハを最終的に研磨する際の研磨材には、不純物を含有するシリカ微粒子が含まれているので、そのシリカ微粒子の不純物をウェハの表面の輝点欠陥(Light Point Defect:LPD)として検出することが可能となる。
アルカリ性触媒として水酸化ナトリウムを3質量%、分散剤としてクエン酸三ナトリウムを2質量%添加し、さらに、不純物として酸化イットリウム、二酸化マンガン、塩化亜鉛をそれぞれ1質量%となるように溶解させた水溶液にテトラエチルシリケートを添加し、さらに上述して得られた研磨液を製造した。
この研磨液を用いて、表1に示すガラス素材を最終研磨し、精密部品としてのハードディスクドライブ用のガラス基板を5枚製造した。
Figure 0005606180
ガラス基板は、図2の工程1〜4により、溶融工程、研削工程、研磨工程、洗浄工程を施した段階のものである。研磨工程では、実施形態の製造方法で製造したイットリウムを含む研磨液で、ガラス基板を最終研磨し、洗浄・乾燥を行った。
次いで、サンプル検査工程を実施した。このサンプル検査工程では、不純物を含有するシリカ微粒子を主成分とする研磨液の効果を確認するため、洗浄後のガラス基板を光学的表面分析装置(OSA)で検査して欠陥部位をカウントする欠陥カウントステップを事前に行い、次いで溶解ステップと定量ステップとを実施した。欠陥カウントステップでは、OSAとして、ケーエルエー・テンコール株式会社製のCandela6300を使用し、5枚のガラス基板を検査した。それぞれ欠陥カウントは、表2の通りであった。
Figure 0005606180
次に、溶解ステップとして、これら5枚のガラス基板をそれぞれフッ化水素酸0.1%で硫酸3N(超純水使用)の水溶液に浸漬し、80℃まで加熱してコロイダルシリカを溶解させた。その後、定量ステップとして、その液をアジレントテクノロジー社製の高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(7700s)でイットリウムの量を測定し、検量線からガラス基板に付着しているコロイダルシリカを定量した。結果は表3の通りであった。
Figure 0005606180
表3から明らかなように、これまでのOSAによる付着物の評価では差がなかったガラス基板であっても、不純物を検出することにより、その検出量に差があることがわかった。
以上により、これまで検出されていなかったコロイダルシリカの付着が定量的に検出できるようになるため、精密部品の品質向上に寄与できる。
アルカリ性触媒として水酸化ナトリウムを3質量%、分散剤としてクエン酸三ナトリウムを2質量%添加し、さらに、不純物として酸化イットリウム、二酸化マンガン、塩化亜鉛をそれぞれ1質量%となるように溶解させた水溶液にテトラエチルシリケートを添加し、さらに上述して得られた研磨液を製造した。
この研磨液を用いて、半導体デバイスに用いられるSiO2酸化膜を形成している精密部品としてのシリコンウエハ基板(直径200mm)を製造した。シリコンウエハ基板は、図3の各工程20〜27を経て、上記実施形態に係る研磨液で研磨したものである。
研磨後のシリコンウエハ基板をRCA洗浄、乾燥後、3枚のサンプル品をパーティクル検出装置で評価した。
Figure 0005606180
表4から明らかなように、これまでは、検出が困難であったシリコンウエハ基板に残存するシリカ微粒子であっても、本実施例では、研磨液のシリカ微粒子の中含まれる不純物を検出することにより、有効にシリコンウエハ基板の良否を判定することが可能になった。
上述した実施の形態は、本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。

Claims (3)

  1. マーカーとして検出可能な不純物組成内に含有されるよう調製されたシリカ微粒子を含む研磨液で二酸化ケイ素を基本とする精密部品を研磨する研磨工程と、前記研磨工程後の精密部品を洗浄する洗浄工程とを経た前記精密部品に残存しているシリカ微粒子を測定するシリカ微粒子の測定方法であって、
    前記洗浄工程後に、前記精密部品の表面を溶液で溶解する溶解ステップと、
    前記溶解ステップを経た溶液中の不純物量からシリカ微粒子を定量する定量ステップと
    を備えていることを特徴とするシリカ微粒子の測定方法。
  2. 請求項1に記載のシリカ微粒子の測定方法において、
    前記不純物は、チタン、バナジウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、錫、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、金、鉛、ビスマス、並びに希土類元素のグループから一以上選択される元素である
    ことを特徴とするシリカ微粒子の測定方法。
  3. 請求項1または2に記載のシリカ微粒子の測定方法において、
    前記不純物の含有量は、総質量の1ppmから10,000ppmまでの範囲である
    ことを特徴とするシリカ微粒子の測定方法。
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