JP5605167B2 - 生分解性樹脂製機械部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生分解性樹脂を成形してなる生分解性機械部品及びその製造方法、並びに内輪、外輪、転動体及びシール部材の少なくとも1つが前記生分解性樹脂製機械部品である転がり軸受に関する。
生分解性樹脂は、土壌中等に放置されるとバクテリア等により二酸化炭素及び水等に徐々に分解する。この生分解性樹脂からなる機械部品は、自然環境に放出されても原形を留めなくなるまで自然に分解するため、自然環境に対して悪影響を及ぼし難い。また、植物やその他の生物資源等のように再生可能な原料から生産されるバイオマスプラスチックも、カーボンニュートラルな素材として注目を浴びている。
これらの環境対応型プラスチックは、ごみ袋、ボトル容器、食品用トレイ、農業用マルチフィルム等の材料が主たる用途であったが、最近、機械部品や構造部品材料としての研究開発が活発になり、転がり軸受用の保持器やシール部材への適用も検討されている。本出願人も先に、ポリビニルアルコールに補強繊維材を配合した樹脂組成物からなる保持器やシールを備える転がり軸受を提案している(特許文献1〜4参照)。
特開2004−92732号公報 特開2004−92769号公報 特許第3791439号公報 特許第4117478号公報
しかしながら、ポリビニルアルコールは、200℃以上の高融点であるものの、100℃程度で機械的性質が大きく低下する。また、分子内に水酸基を多量に有するために耐水性に劣り、大気中の水分でも吸水が進んで機械的性質の経時的な低下を起こし易い。そのため、特に転がり軸受の内輪や外輪、転動体として広範囲な用途に使用するには強度不足が懸念される場合がある。また、保持器やシール部材においても、更なる強度向上が求められている。
そこで本発明は、生分解性に優れるポリビニルアルコールをベース樹脂とする成形品の耐熱性及び機械的特性を向上させ、更には高強度を長期間維持し、転がり軸受の内輪や外輪、転動体をはじめとする各種機械部品として十分に使用可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、鹸化度73〜98モル%、オキシアルキレン基量0.1〜5モル%、重合度500〜1500であるポリビニルアルコール100質量部に対し、イミド系架橋剤を0.5〜5質量部含有する樹脂組成物を射出成形し、得られた成形体に、70〜130℃にて、イミド系架橋剤を含有する超臨界二酸化炭素を接触させた後、成形体から超臨界二酸化炭素のみを除去し、次いで120〜170℃で熱処理することを特徴とする生分解性樹脂製機械部品の製造方法を提供する。
本発明によれば、生分解性に優れるとともに、耐熱性や機械的強度にも優れ、長寿命の、転がり軸受の内輪や外輪、転動体をはじめとする各種機械部品が提供される。
本発明で得られる転がり軸受の一実施形態を示す深溝玉軸受の断面図である。 図1の深溝玉軸受に組み込まれる保持器を示す斜視図である。 実施例で得られた、ポリビニルアルコールへのイミド系架橋剤の添加量と、円環強度との関係を示すグラフである。 実施例で得られた、ポリビニルアルコールへのイミド系架橋剤の添加量と、破断伸びとの関係を示すグラフである。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明では、ベース樹脂として生分解性樹脂に優れるポリビニルアルコールを用いる。ポリビニルアルコールとしては、下記一般式(I)で表わされる基本骨格を有するものが好ましい。
式中、R1はオキシアルキレン基、ポリエーテル基またはポリエステル基であり、l、m、nは整数である。鹸化度はm/(1+m+n)で表わされるが、73〜98モル%であることが好ましく、85〜95モル%であることがより好ましい。鹸化度が73モル%未満では、機械部品が耐湿性に劣るようになり、98モル%を超えると生分解性が悪くなる。
また、(l+m+n)は重合度を示すが、500〜3000であることが好ましく、500〜1500であることがより好ましい。分子量が500未満では機械部品の耐熱性が十分ではなく、3000を超えると成形時における流動性が低く、成形性に悪影響を与える。
本発明では、上記ポリビニルアルコールをイミド系架橋剤で架橋して機械的特性を高める。イミド系架橋剤の中でも、ポリビニルアルコールの活性水素との反応性に富み、また室温下で安定に存在して自己反応もなく、ポリビニルアルコールと溶融混練することもでき、更には耐水性や耐熱性、耐摺動性を付与できること等から、分子中に2個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物が好ましい。
カルボジイミド化合物としては、下記一般式(II)で表わされる基本骨格を持つものが好ましい。
具体的には、4,4´−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(式中のXが4,4´−ジシクロへキシル基、n=2〜20)、テトラメチルキシリレンカルボジイミド(式中のXがテトラメチルキシリレン基、n=2〜20)、N,N´−ジメチルフェニルカルボジイミド(式中のXがN,N´−ジメチルフェニル基、n=2〜20)、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(式中のXがN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニル基、n=2〜20)等を例示できる。
中でも、色相、安全性、安定性、更には耐加水分解性、耐候性、耐熱性の点から、芳香族カルボジイミド化合物よりも脂肪族カルボジイミド化合物の方が好ましい。また、TG5%重量減少率温度が250℃以上である耐熱性の点から、重合度5以上の脂肪族カルボジイミド化合物が特に好ましい。更には、脂肪族カルボジイミド化合物の中でもイソシアネート末端のものが、耐加水分解性の点から特に好ましく、
イミド系架橋剤の添加量は、ポリビニルアルコール100質量部に対し0.5〜5質量部である。イミド系架橋剤の添加量が0.5質量部未満では、十分な架橋密度が得られず、耐水性や機械的強度に優れた機械部品が得られない。一方、イミド系架橋剤の添加量が5質量部を超えると、機械部品の靭性が大幅に低下し、特に転がり軸受の保持器とした場合に保持器先端(爪部)が白化したり、最悪の場合破損する。更には、加工性が低下して射出成形が困難になる、生分解性も悪くなる等の弊害を発生するおそれもある。
また、機械的強度の向上を目的として、補強材を配合してもよい。補強材は、炭素繊維やガラス繊維が一般的であり、コスト面からはガラス繊維が最も適当であるが、ポリビニルアルコールが分解して土壌中に残存したときの環境への影響が少ないことから、軽質炭酸カルシウム(結晶形:カルサイト、アルゴナイト)、天然含水ケイ酸アルミニウム(カオリン、クレー)、タルク、ベントナイト、繊維状水酸化マグネシウム、ウォラストナイト、セピオライト、マイカ、二酸化ケイ素、珪藻土等が好適である。補強材は、ポリビニルアルコール100質量部に対し、15〜40質量部が適当であり、15質量部未満では機械的強度が不十分であり、40質量部を超えると流動性が低下して成形性が悪くなるとともに、土壌中に残存したときの環境負荷が高くなる。
また、補強材は、ポリビニルアルコールの水酸基との反応性が高いエポキシ基を有するシランカプリング剤で表面処理されていることが好ましい。
更に、目的に応じて他の添加物を添加することもできる。例えば、形成時や使用時の熱による劣化を防止するための酸化防止剤や、紫外線等による劣化を防止するための紫外線吸収剤、充填材等が好適であるが、何れも環境面を考慮して生分解性プラスチック研究会(BPS)の運用によるグリーンプラ識別表示制度のポジティブリスト(PL)に登録されている材料を選択することが好ましい。
上記のポリビニルアルコール、イミド系架橋剤、更には補強繊維材や添加剤を混練して樹脂組成物とされ、機械部品の形状に合せて成形する。混練は樹脂やゴム用の混練機を使用でき、例えばヘンシェルミキサーやタンブラー等を用いてドライブレンドしてもよく、バンバリーミキサーやニーダー、押出機、ロールミル等の混練り機を用いて溶融混練してもよい。成形方法にも制限はなく、樹脂やゴム用の成形機を用いることができるが、生産性の点では射出成形が好ましい。また、成形後に切削加工してもよい。
本発明では、上記の成形品に更にイミド系架橋剤を含浸させた後、熱処理する。これにより、樹脂組成物に内添されたイミド系架橋剤による成形品全体にわたる架橋に加えて、含浸させたイミド系架橋剤による表層での架橋が付加される。
含浸させるイミド系架橋剤の含浸量は、ポリビニルアルコール100質量部に対し1〜4質量部である。イミド系架橋剤の含浸量が1質量部未満では、表層での架橋密度を高める効果が少なく、耐水性や機械的強度に優れた機械部品が得られない。一方、イミド系架橋剤の含浸量が4質量部を超えると、表層のみならす内部での架橋が進んで機械部品の靭性が大幅に低下し、特に転がり軸受の保持器とした場合に保持器先端(爪部)が白化したり、最悪の場合破損する。更には、加工性が低下して射出成形が困難になる、生分解性も悪くなる等の弊害を発生するおそれもある。
ポリビニルアルコールに添加されるイミド系架橋剤の添加量を、含浸させるイミド系架橋剤の含浸量だけ増量することもできるが、成形品全体の架橋密度が高くなるという利点がある一方で、靭性が低下するようなる。これに対し、イミド系架橋剤を含浸させると、表層の架橋度が内部の架橋度よりも高まり、成形品全体として適度な靭性を有しつつ、高強度となる。
イミド系架橋剤を含浸させる方法には制限はないが、含浸速度を高める等の理由から超臨界流体を用いた含浸方法が好ましい。即ち、イミド系架橋剤を添加した樹脂組成物からなる成形品を、イミド系架橋剤を含有する超臨界流体を浸漬した後、成形品から超臨界流体のみを蒸発除去する。尚、超臨界流体中のイミド系架橋剤の濃度は、概ね飽和溶解度になるように調整される。
尚、超臨界流体としては超臨界二酸化炭素流体が好ましい。超臨界二酸化炭素流体とは、臨界温度以上の温度を有し、かつ臨界圧力以上の圧力を有する領域にある二酸化炭素である。二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は72.8MPaである。以下に、超臨界二酸化炭素流体を用いたときの含浸方法を例示する。
浸漬温度は、二酸化炭素の臨界温度以上で、かつポリビニルアルコールの融点未満とする。超臨界二酸化炭素の樹脂への浸透度は浸漬温度が高まるほど大きくなるため、浸漬温度をできるだけ高くした方が生産効率の観点からは好ましいが、ポリビニルアルコールの融点よりも高温になると、ポリビニルアルコール、更にはイミド系架橋剤の変性や劣化が生じるおそれがある。そのため、浸漬温度は最高でも130℃とし、好ましくは32〜130℃、より好ましくは70〜120℃である。
また、浸漬時の圧力は二酸化炭素の臨界圧力以上であるが、より高い方が超臨界二酸化炭素の樹脂への浸透度が高まり、改質の効率が向上するため好ましい。但し、処理装置を高圧に耐え得る構造とする必要があるため、処理装置が大掛かりで高額になる。そのため、処理装置の操作性や設備費等を考慮すると、圧力は100〜300atm(10.13〜30.4MPa)の範囲が適当である。
浸漬時間は特に制限されるものではないが、浸漬温度や浸漬圧力、更には成形品の大きさ等を考慮して適宜設定する。
尚、上記の浸漬処理を行う場合、処理装置内を二酸化炭素で置換しておくことが好ましい。例えば、処理装置内に酸素が残存している状態で浸漬を行うと、浸漬中に成形品が酸化劣化するおそれがある。
一方、蒸発除去するには、処理装置内をポリビニルアルコールのガラス転移点未満にした後、二酸化炭素を徐々に排出して装置内圧力をゆっくり下げて大気圧に戻す。これにより、成形品中の二酸化炭素が蒸発して除去され、イミド系架橋剤が成形品中に残される。超臨界状態でなくなると、イミド系架橋剤は二酸化炭素から分離して処理装置下部に蓄積する。尚、処理装置内をポリビニルアルコールのガラス転移温度より高い状態で減圧すると、二酸化炭素が除去される際に発泡が生じるおそれがある。
上記の含浸処理の後、処理装置から成形品を取り出し、洗浄して、表面に付着しているイミド系架橋剤を除去する。更には、洗浄後の成形品を真空乾燥し、成形品中に残存する二酸化炭素を完全に除去することが好ましい。
このようにしてイミド系架橋剤を含浸させた後、成形品を熱処理して内部及び表層を架橋して機械的強度を高める。熱処理温度は120〜170℃であり、140〜150℃がより好ましい。120℃未満では架橋反応が進行せず、機械的強度等の物性向上が十分ではなく、170℃を超えると樹脂の熱劣化が起こるおそれがある。尚、熱処理は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましく、最も好ましくは熱による寸法変化を防ぐために金型に嵌め込んだ状態で行なう。
本発明で得られる機械部品の種類には制限はなく、転がり軸受の内輪、外輪、転動体、保持器、シール部材にも適用することができる。図1は深溝玉軸受の断面図であり、内輪11と外輪12との間に、複数の転動体である玉13が保持器14により転動自在に保持された状態で組み込まれており、シール部材15でグリース等の潤滑剤(図示せず)を封止している。また、保持器14は、図2に示すように冠型保持器である。尚、シール部材15は、その一端に設けた係合部15aを外輪12の両外端の係止溝12aに嵌入して固定され、他端のリップ部15cが内輪11の軌道面に摺接している。また、符号15bは、係合部15aとリップ部15cとを連結する本体部である。
尚、潤滑剤には制限はないが、生分解性を有するものが好ましく、例えば、植物油や生分解性合成エステル油、あるいはこれらの油を各種金属石けん、ウレア化合物等の増ちょう剤によって増ちょうさせた生分解性グリースを例示できる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜5)
ポリビニルアルコール系樹脂として日本合成化学工業社製「エコマティAX−300」(鹸化度93%、オキシアルキレン基含有)、ガラス繊維として日東紡マテリアル社製「ECS03」(エポキシ系シランカップリング剤処理品)を用い、ポリビニルアルコール系樹脂:ガラス繊維=70:30で配合したものに対し、イミド系架橋剤として日清紡績社製「カルボジライトLA−1」(4,4´−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、カルボイミド当量248)を表1に示す割合で添加し、東洋精機製作所製「ラボプラストミル」にて溶融混練(200℃、回転数30rpmで5分間)した。尚、表1に示すイミド系架橋剤量は、ポリビニルアルコール100質量部に対する量である。
得られた混練物を粉砕した後、成形温度190〜210℃、金型温度50℃、冷却時間50秒にて日本精工社製深溝玉軸受用「6203」用の保持器(図2参照)及びシール部材を射出成形した。
得られた保持器及びシール部材に、超臨界二酸化炭素流体を用いてイミド系架橋剤(日清紡績社製「カルボジライトLA−1」)を含浸させた。含浸に際し、先ず、耐圧硝子工業株式会社製の超臨界二酸化炭素試験装置の圧力容器内に保持器及びシール部材と、イミド系架橋剤の50質量%トルエン溶液を10mL程度装入した。更に、圧力容器の内部圧力が6.5MPaになるまで二酸化炭素を液化二酸化炭素ボンベから圧力容器にポンプを使用して充填した。次に、圧力容器の内部温度を所定の温度まで昇温した。昇温時、圧力が上昇するが、20MPaを越えないように減圧バルブを用いて圧力を調整しながら、圧力容器を昇温させた。所定の温度、時間保持した後、室温まで徐々に降温し、減圧バルブを用いて内部圧力を1日程度かけてゆっくりと大気圧に戻して圧力容器から保持器を取り出した。そして、取り出した保持器及びシール部材をトルエンに漬けて超音波振動機で1分間程度洗浄し、表面に付着しているイミド系架橋剤を除去し、その後、真空乾燥機中で1晩静置して保持器及びシール部材に浸透した二酸化炭素を除去した。
次いで、145℃で24時間熱架橋処理を施した後、下記に従い機械的強度(円環強度)、生分解性、耐水性を評価した。
尚、比較例1ではポリビニルアルコールのみからなる保持器及びシール部材を作製し、比較例2ではポリビニルアルコールにイミド系架橋剤を添加せずに、含浸のみを行った。また、比較例3ではポリビニルアルコールに添加するイミド系架橋剤の添加量を過剰にし、比較例4ではイミド系架橋剤を含浸させず、比較例5ではイミド系架橋剤の含浸温度を実施例よりも高くして過酷にした。
(1)生分解性評価
保持器を粉砕し、菱三商事社製微生物酸化分解測定装置「MODA」(JIS K6953、ISO14855対応)の反応筒部分(完熟堆肥+海砂)に投入し、生分解により発生した二酸化炭素を定量して生分解の進行度を測定した。結果を表1に示すが、生分解度は6ヶ月経過時の生分解の進行度が60%以上の場合に、一般に生分解性を有するといえる。
(2)機械的強度(円環強度)
保持器の円環強度を、室温(23℃)または120℃にて測定した。結果を表1及び図3に示すが、比較例1の測定値に対する相対値とした。
(3)引張破断伸び
JIS K7113法に準じて引張試験を行い、試験片が破断したときの伸び率を測定した。結果を表1及び図4に示す。
(4)耐湿性試験
保持器及びシール部材を60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽中に吊り下げて100時間放置した後、円環強度を測定した。そして、試験前の円環強度を1とし、100時間放置後の円環強度との相対比を求めた。結果を表1に示す
(5)軸受回転試験
保持器及びシール部材を用いて6203玉軸受(内輪、外輪、玉は何れもSUJ2製)を組み立て、リチウム石けん−エステル油系の生分解可能なグリース(混和ちょう度250)を軸受空間容積の20%となるように封入して試験軸受とした。尚、通常のグリース封入量は軸受空間の35%程度であるが、本試験では加速させるために20%とした。そして、下記条件にて連続回転させ、保持器が変形するなどして回転に支障を来たすまでの回転時間を計測した。尚、回転は2000時間を目処に行い、2000時間経過時に回転に支障がない場合は試験を停止した。結果を表1に示す。
(回転条件A)
・雰囲気温度:120℃
・回転数:10,000min−1(内輪回転)
・荷重:ラジアル荷重98N、アキシアル荷重245N
(回転条件B)
・雰囲気:温度60℃、湿度90%
・回転数:10,000min−1(内輪回転)
・荷重:ラジアル荷重98N、アキシアル荷重245N
表1から、本発明に従いポリビニルアルコール100質量部に対し0.5〜5質量部のイミド系架橋剤を添加して架橋させ、更にイミド系架橋剤を含浸させた保持器及びシール部材は、生分解性に優れることに加え、機械的強度及び耐久性にも優れることがわかる。
これに対し、ポリビニルアルコールのみからなる比較例1では耐久性に大きく劣っている。また、イミド系架橋剤を含浸させただけの比較例2では耐久性が若干改善されるものの、実施例に比べると劣っており、特に高温耐久性(条件A)に問題がある。
図3にも示すように、ポリビニルアルコールに添加するイミド系架橋剤の添加量を多くするほど、円環強度、更には耐水性や耐熱性が向上するが、一方で図4に示すように破断伸びが低下するようになり、比較例3のように添加量が過剰になると靭性が低く、玉圧入時に保持器が破損した。
また、比較例4のようにポリビニルアルコールにイミド系架橋剤を添加しても、イミド系架橋剤を含浸させないと、耐水性が悪く、多湿状態(条件B)での耐久性に劣るようになる。更に、比較例5のようにイミド系架橋剤の含浸を高温で行うと、架橋剤自体及びポリビニルアルコールが変性して高温(条件A)での耐久性に劣るようになる。
11 内輪
12 外輪
13 玉
14 保持器
15 シール部材

Claims (1)

  1. 鹸化度73〜98モル%、オキシアルキレン基量0.1〜5モル%、重合度500〜1500であるポリビニルアルコール100質量部に対し、イミド系架橋剤を0.5〜5質量部含有する樹脂組成物を射出成形し、得られた成形体に、70〜130℃にて、イミド系架橋剤を含有する超臨界二酸化炭素を接触させた後、成形体から超臨界二酸化炭素のみを除去し、次いで120〜170℃で熱処理することを特徴とする生分解性樹脂製機械部品の製造方法
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