JP5601460B2 - 同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置及び方法 - Google Patents
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Description
なお、同一負荷パターン装置は、無人搬送台車等の移動体上に設置された搬送装置、物流装置などの産業用装置を主に想定するが、それらには限定されない。
ここで「損失量」とは、非接触電力伝送装置による給電電力とモータ出力との差、すなわち、非接触電力伝送装置からモータに到る電気回路およびモータ内部の磁気回路において発熱や電磁放射の形で失われる仕事量を意味する。
そのため、非接触電力伝送装置を構成する給電用アンテナコイルと受電用アンテナコイルの相対位置が変動した場合、例えば、無人搬送台車等の移動体が停止したときに非接触で電力伝送する場合に、停止するごとに停止位置が変動するような場合の影響は補償できず、電力伝送の効率が低下する問題点があった。
前記同一負荷パターンにおける非接触電力伝送装置の1次側電力量を計算する電力量演算器と、
非接触電力伝送装置のパラメタを複数の値に変化させ、各パラメタにおける前記1次側電力量を比較し、該1次側電力量を最小にするパラメタを選択して、非接触電力伝送装置に指令するパラメタ選択・指令器と、
受電側に設けられ、前記同一負荷パターンのサイクル開始信号とサイクル終了信号を出力する指令値生成器と、
前記サイクル開始信号と前記サイクル終了信号を無線で伝送する送信側と受信側の無線信号伝送装置と、を備え、
前記電力量演算器は、前記サイクル開始信号が入力された時点から前記サイクル終了信号が入力される時間までの1サイクルの電力量を演算する、ことを特徴とする同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置が提供される。
非接触電力伝送装置のパラメタを複数の値に変化させ、
受電側に設けられた指令値生成器により、前記同一負荷パターンのサイクル開始信号とサイクル終了信号を出力し、
送信側と受信側の無線信号伝送装置により、前記サイクル開始信号と前記サイクル終了信号を無線で伝送し、
電力量演算器により、前記サイクル開始信号が入力された時点から前記サイクル終了信号が入力される時間までの1サイクルの電力量を演算して、前記各パラメタにおける前記同一負荷パターンによる非接触電力伝送装置の1次側電力量を計算し、
各パラメタにおける前記1次側電力量を比較し、該1次側電力量を最小にするパラメタを選択して、非接触電力伝送装置に指令する、ことを特徴とする同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動方法が提供される。
図1は、本発明による省電力駆動装置の第1実施形態を示す図である。
13はコンバータであり、外部電源11から供給される電力を直流に変換して非接触電力伝送装置40に供給する。コンバータ13は、この実施形態ではダイオードブリッジを仮定するが、位相制御により電圧可変なサイリスタブリッジや、パワーMOSFETやIGBTなどの電力制御素子を用いたブリッジでもよい。
また、インバータ19は、この実施形態では、モータ21の正逆回転、力行・回生が可能な4象限駆動のインバータを仮定するが、機械負荷23(同一負荷パターン装置)の特性および動作によっては、回転方向が一方向のみ、もしくは力行のみが可能なインバータでもよい。
モータ21は、この実施形態では、3相誘導モータないし3相永久磁石同期モータを仮定するが、インバータとの組み合わせでトルク・回転速度が可変であれば、他の形式のモータでもよい。
25はモータエンコーダであり、モータ21の回転位置(角度)を測定する。モータエンコーダ25として、光学式や磁気式のロータリーエンコーダやレゾルバが用いられる。なお、制御器27が速度制御を行う場合には、モータ21の回転速度(角速度)を測定すればよい。この場合、ロータリーエンコーダやレゾルバで測定した回転位置を時間微分してもよいし、タコメータのように回転速度を直接測定してもよい。
制御器27は、この実施形態では、位置制御を仮定するが、速度制御でもよい。制御器内部の演算手法としては、PID(Proportional Integral Derivative)制御やI−PD(Integral Proportional Derivative)制御などが多く用いられるが、その他の制御手法を用いてもよい。制御性を改善するためのフィードフォワード演算を組み合わせてもよい。制御器27は、DSP(Digital Signal Processor)やマイコンを用いたプログラマブル装置もしくはアナログ回路もしくはそれらの組み合わせにより実現可能である。
図1において、非接触電力伝送装置40は、給電側回路と受電側回路からなる。
給電側回路は、この例では、給電用アンテナコイル41、発振回路43、駆動クロック生成回路44、ドライバ制御回路45、及びドライバ46からなる。
受電側回路は、この例では、受電用アンテナコイル42、コンデンサC1及び4つの整流ダイオードからなる整流回路47、及び平滑コンデンサC2からなる。受電用アンテナコイル42とコンデンサC1は、共振回路を形成している。
給電用アンテナコイル41に任意の周波数(発振周波数)の信号が供給されると、電磁結合により、受電用アンテナコイル42の両端には誘起電圧が発生し、この誘起電圧は、整流回路47を介して平滑コンデンサC2に蓄電されて、平滑された直流電圧となり、インバータ19へ供給される。
駆動クロック生成回路44は、発振回路43の出力に基づいて所定の周波数の駆動クロックを生成する回路であり、その周波数の制御は、パラメタ選択・指令器83が行うようになっている。
ドライバ制御回路45は、駆動クロック生成回路44が生成する駆動クロックに基づいてドライバ46を動作する信号を生成し、ドライバ46に出力する。
ドライバ46は、複数の増幅器とコンデンサC3とからなり、直列共振回路を駆動する回路である。
(1)発振周波数よりはるかに高い周波数を有する水晶発振器の出力を、デジタルカウンタで分周する。カウンタがカウントアップする値を変えることにより発振周波数を変えることができる。
(2)デジタルPLLで発振回路を構成し、PLLの分周カウンタのカウントアップ値を変える。
(3)アナログ発振回路とし、電圧で容量が変わるバリキャップ等の素子を用いて構成する。
電圧測定器61で測定される時刻tにおけるマイナス側に対するプラス側の電圧をV(t)と記す。また電流測定器63で測定される時刻tにおける直流のプラス側を図中で左から右へ流れる電流をI(t)と記す。電流測定値が負の値の場合、電流が図中で右から左へ流れることを示す。
電力量演算器81は、DSPやマイコンを用いたプログラマブル装置もしくはアナログ電子回路もしくはそれらの組み合わせにより実現可能である。
電力量演算器81は、以下のような演算を行う。
時刻tにおける電力P(t)は電圧と電流の積であり、式(1)であらわされる。ここで、P(t)が正の値であれば電力が図中の左から右へ、P(t)が負の値であれば電力が図中の右から左へ流れることを示す。
P(t)=V(t)×I(t)・・・(1)
以上の説明のように、電流測定値と電力に負の値も許容することにより、1サイクル中で力行と回生が混在している場合にも本発明は適用可能となる。すなわち、電力の正、負が、それぞれ力行、回生に相当する。
本発明は同一負荷パターンで繰り返し運転される装置(同一負荷パターン装置)を対象としているので、この実施形態において、図に示すように、モータ回転角度指令値Acはサイクル(繰り返される同一パターン)を有し、サイクルの開始時点と終了時点において、指令値生成器29はサイクル開始信号Csとサイクル終了信号Ceをそれぞれ出力するものとする。
なお、この図ではサイクル開始信号Cs、サイクル終了信号Ceはパルス信号としたが、サイクル開始を信号の立上がりエッジで、サイクル終了を信号の立下りエッジで示すようにするなど、他の信号波形でもよい。
また、制御器27が速度制御を行う場合には、指令値生成器29はモータ回転速度指令値を出力するようにすればよい。
パラメタ選択・指令器83により、損失を小さくするパラメタを探索・決定するための手順は以下のようになる。
パラメタ選択・指令器83は、1サイクルごとに異なる発振周波数指令値Fを出力する。サイクル終了時点において、電力量演算器81から各サイクルに対する1サイクルの電力量Wが出力されるので、パラメタ選択・指令器83の内部に記憶しておく。パラメタ選択・指令器83は、記憶した1サイクルの電力量Wを比較し、もっとも電力量が小さくなる発振周波数指令値Fを、以降の発振周波数指令値Fとして出力する。
例えば、典型的には、受電用アンテナコイルが移動体に搭載されていて移動体の停止中に電力伝送する場合において、移動体が移動して停止し直した場合である。
例えば、温度計等を使用して環境条件の変化を実際に測定して一定値以上の変化が生じたときにパラメタを探索・決定してもよいし、一定のサイクル数もしくは一定時間が経過したらパラメタを探索・決定し直すようにしてもよい。
後者を実現する方法としては、たとえば、サイクル開始信号もしくはサイクル終了信号の発生回数をカウントするカウンタもしくは経過時間を計測するタイマをパラメタ選択・指令器内に設け、カウンタの値もしくはタイマの値が一定値に達したらパラメタの探索・決定をやり直すようにし、同時にカウンタもしくはタイマをリセットしてサイクル数のカウントもしくは経過時間の計測を再スタートするようにすればよい。
この例では、図4に示すように発振周波数指令値を変化させる。最初の5サイクル(図中、C1、C2、C3、C4,C5)のそれぞれに対して発振周波数指令値FをF1、F2、F3、F4、F5に変化させ、それぞれのサイクルにおける1サイクルの電力量がW1、W2、W3、W4、W5であったとする。W1、W2、W3、W4、W5を記憶しておき、サイクル5(図中、C5)が終了した時点で比較し、W4がもっとも小さかったとすると、W4に対応する発振周波数指令値F4がこの時点においてもっとも損失を小さくする発振周波数指令値ということがわかるので、パラメタ選択・指令器83は、以降、100サイクルが経過するまで(すなわち、サイクルC6〜C100に対して)発振周波数指令値としてF4を出力し続ける。
以降、100サイクルごとに以上の動作を繰り返す。なおこの図4は最初の201サイクル(図中、C1〜C201)を示している。
図6は、本発明による省電力駆動装置の第2実施形態を示す図である。
この例では、インバータとモータが複数台あり、指令値生成器29は、それぞれの時刻において、モータ21Aが追随すべきモータ回転角度指令値Ac’を制御器27Aへ、モータ21Bが追随すべきモータ回転角度指令値Ac”を制御器27Bへ出力する。複数のモータの動きは、以下のいずれであってもよい。
(1)すべてのモータが同じ動きをする。たとえば、モータのサイズが制限されるため、一体の機械負荷を複数台のモータで分担して駆動するような場合である。この場合、モータ21Aが追随すべきモータ回転角度指令値Ac’とモータ21Bが追随すべきモータ回転角度指令値Ac”は、常に同じ値とすればよい。
(2)モータ一台ごとに動きが異なる。たとえば、多関節ロボットで、それぞれの関節を駆動するモータを備えているような場合である。この場合、モータ21Aが追随すべきモータ回転角度指令値Ac’とモータ21Bが追随すべきモータ回転角度指令値Ac”は、一般に異なる値とする。
この図は、第1実施形態でインバータとモータを2台とした場合の例を示す。なおこの例では、インバータとモータが2台の場合を示すが、3台以上の場合も同様である。
19A、19B インバータ
21A、21B モータ
23A、23B 機械負荷
25A、25B モータエンコーダ
27A、27B 制御器
モータエンコーダのかわりに、機械負荷の位置・速度を直接検知するロータリーエンコーダやリニアエンコーダを用いてもよい。
外部電源とコンバータの組み合わせの代わりに、直流電源(直流発電機、燃料電池、バッテリーなど)から直接直流を電力供給してもよい。
19、19A、19B インバータ、
21、21A、21B モータ、
23、23A、23B 機械負荷(同一負荷パターン装置)、
25、25A、25B モータエンコーダ、
27、27A、27B 制御器、
29 指令値生成器、
40 非接触電力伝送装置、41 給電用アンテナコイル、
42 受電用アンテナコイル、43 発振回路、
44 駆動クロック生成回路、45 ドライバ制御回路、
46 ドライバ、47 整流回路、
50 無線信号伝送装置、
52 送信側の無線信号伝送装置、54 受信側の無線信号伝送装置、
61 電圧測定器、63 電流測定器、
81 電力量演算器、83 パラメタ選択・指令器
Claims (3)
- 非接触電力伝送装置によって電力供給されるモータで駆動され、同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置であって、
前記同一負荷パターンにおける非接触電力伝送装置の1次側電力量を計算する電力量演算器と、
非接触電力伝送装置のパラメタを複数の値に変化させ、各パラメタにおける前記1次側電力量を比較し、該1次側電力量を最小にするパラメタを選択して、非接触電力伝送装置に指令するパラメタ選択・指令器と、
受電側に設けられ、前記同一負荷パターンのサイクル開始信号とサイクル終了信号を出力する指令値生成器と、
前記サイクル開始信号と前記サイクル終了信号を無線で伝送する送信側と受信側の無線信号伝送装置と、を備え、
前記電力量演算器は、前記サイクル開始信号が入力された時点から前記サイクル終了信号が入力される時間までの1サイクルの電力量を演算する、ことを特徴とする同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置。 - 前記非接触電力伝送装置のパラメタは、給電側の発振周波数である、ことを特徴とする請求項1に記載の同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動装置。
- 非接触電力伝送装置によって電力供給されるモータで駆動され、同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動方法であって、
非接触電力伝送装置のパラメタを複数の値に変化させ、
受電側に設けられた指令値生成器により、前記同一負荷パターンのサイクル開始信号とサイクル終了信号を出力し、
送信側と受信側の無線信号伝送装置により、前記サイクル開始信号と前記サイクル終了信号を無線で伝送し、
電力量演算器により、前記サイクル開始信号が入力された時点から前記サイクル終了信号が入力される時間までの1サイクルの電力量を演算して、前記各パラメタにおける前記同一負荷パターンによる非接触電力伝送装置の1次側電力量を計算し、
各パラメタにおける前記1次側電力量を比較し、該1次側電力量を最小にするパラメタを選択して、非接触電力伝送装置に指令する、ことを特徴とする同一負荷パターンを有する装置の省電力駆動方法。
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