JP5600923B2 - アルミノシリケートの製造方法 - Google Patents
アルミノシリケートの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5600923B2 JP5600923B2 JP2009257483A JP2009257483A JP5600923B2 JP 5600923 B2 JP5600923 B2 JP 5600923B2 JP 2009257483 A JP2009257483 A JP 2009257483A JP 2009257483 A JP2009257483 A JP 2009257483A JP 5600923 B2 JP5600923 B2 JP 5600923B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminosilicate
- reaction
- molar ratio
- less
- cha
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
すなわち本発明の要旨は、次の(1)〜(4)のとおりである。
金属源、Al元素源および水を含む混合物の水熱合成により、CHA結晶構造を有し、Al2O3に対するSiO2のモル比が5以上のアルミノシリケートを製造する方法であって、該混合物におけるSi元素に対するN,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオンのモル比が0.005以上、Si元素に対するアルカリ金属のモル比が0.35以上1.0以下、かつSi元素に対する水のモル比が10以上であり、かつ該混合物中に含まれる種結晶の量が0.5重量%以上であることを特徴とするアルミノシリケートの製造方法。
(2)前記混合物がN,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン以外のアンモニウムカチオンを含み、該混合物におけるSi元素に対するN,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン以外のアンモニウムカチオンのモル比が0.005未満である、(1)に記載の方法。
(3)前記混合物中に含まれる種結晶の量が30重量%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のアルミノシリケートの製造方法。
(4)有機化合物原料を、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法によって製造されたアルミノシリケートに接触させて、低級オレフィンを製造することを特徴とする低級オレフィンの製造方法。
(5)有機化合物原料がエチレンであり、低級オレフィンがプロピレンである、(4)に記載の方法。
本発明のアルミノシリケートの製造方法は、上記のとおり、N,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン、Si元素源、アルカリ金属源、Al元素源および水を含む混合物の水熱合成により、CHA結晶構造を有し、Al2O3に対するSiO2のモル比が5以上のアルミノシリケートを製造する方法であって、該混合物におけるSi元素に対するN,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオンのモル比が0.005以上、Si元素に対するアルカリ金属のモル比が0.35以上1.0以下、かつSi元素に対する水のモル比が10以上であることに特徴をもつものである。
本発明において、CHA構造とは、International Zeolite Association(以下これを、「IZA」と略称することがある。)が定めるゼオライトの構造を規定するコードでCHA構造のものを示す。これは、天然に産出するチャバサイト(chabazite)と同等の結晶構造を有するアルミノシリケートである。
またTABAは、アルミノシリケートの水熱合成に際し、構造規定剤として用いられる有機化合物である。
その他の構造規定剤としては、例えば、N,N,N−トリアルキル−1−アダマンタンアンモニウムカチオン(以下これを「TAADA」ということがある。)、3−キナクリジナールから誘導されるカチオン、2−exo−アミノノルボルネンから誘導されるカチオン等の脂環式アミンから誘導されるカチオン、N,N,N−トリアルキルシクロヘキシルアンモニウムカチオン(TACHA)等が挙げられる。
これらのカチオンも、上記と同様に、CHA型アルミノシリケートの形成に害を及ぼさないアニオンを伴うものである。
またアルカリ金属源は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
その他の構造規定剤は、ゼオライト構造のCHAケージ内でスペーサーとしての役割をするが、多すぎると、その構造規定剤が指向するCHA以外のゼオライト構造となる可能性が高くなる。
反応混合物中に添加する種結晶の量は特に限定されず、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、また上限は、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
加熱温度(反応温度)は特に限定されず、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上であり、また上限は、通常200℃以下、好ましくは190℃以下、より好ましくは180℃以下である。
反応温度が低すぎると、CHA型アルミノシリケートが結晶化しないことがある。また、反応温度が高すぎると、CHA型とは異なるタイプのアルミノシリケートが生成することがある。
反応時間が短すぎると、CHA型アルミノシリケートが結晶化しないことがある。また、反応時間が長すぎると、CHA型とは異なるタイプのアルミノシリケートが生成することがある。
構造規定剤の除去方法は特に限定されず、焼成や抽出等のそれ自体既知の通常用いられる方法で行えばよいが、焼成が望ましい。
焼成は、酸素が含まれる雰囲気で行うのが好ましく、通常は、空気雰囲気で行われる。
昇温速度が速すぎると、構造規定剤の燃焼が短時間の間に一気に起き、その際に発生する燃焼熱によってアルミノシリケートの骨格が崩壊し、結晶性が低下する、または結晶構造を保てなくなることがある。
本発明の低級オレフィンの製造方法は、有機化合物原料を、上記方法で製造された高シリカのCHA型アルミノシリケートに接触させて、低級オレフィンを製造することに特徴をもつものである。
ここで、高シリカのCHA型アルミノシリケートは、有機化合物原料から低級オレフィンへの変換反応における触媒活性成分となるものである。この反応において、触媒活性成分として用いられるアルミノシリケートの好ましい物性は、上記のとおりである。
ここで、触媒の再生器としては、反応器から導入された触媒を、酸素を含有した窒素ガスや水蒸気などで処理することにより再生するものが挙げられる。
また、希釈剤は反応器に入れる前に反応原料と混合しても良いし、反応原料とは別に反応器に供給しても良い。
なお、副生成物としては炭素数が4以上のオレフィン類、パラフィン類、芳香族化合物および水が挙げられる。
なお、以下の各例において、X線回折(XRD)パターンは、PANalytical社製のPW1700を用いて得た。X線源はCuKαであり(X線出力:40kV、30mA)、読込幅は0.05°、走査速度は3.0°/minである。
40重量%ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド(BTMA OH)水溶液3.3g、水酸化ナトリウム0.64gおよび水5.2gを混合し、これに水酸化アルミニウム(酸化アルミニウム換算で50〜57%含有)0.76gを加え、攪拌した後に、シリカ源としてシリカ濃度40重量%のコロイダルシリカ(スノーテックス40、日産化学工業社製)6.0gを加えて十分攪拌した。さらにシリカの重量に対して4重量%に相当するCHA型アルミノシリケート0.10gを種結晶として加えて、攪拌することにより原料ゲル(反応混合物)を調製した。
得られた白色粉末のXRDパターンを図1に示す。図1から、MOR構造に基づくピークが微量観測されているものの、主生成物はCHA構造を有するアルミノシリケートであることが確認された。
実施例1の原料ゲルの組成、生成物の収率と物性を表1に示す。
実施例1において、BTMA OH水溶液3.3gを1.7gに変え、水5.2gを6.2gに変え、CHA型アルミノシリケート(種結晶)0.10gを0.24gに変えた以外は、実施例1と同様の方法と条件で、原料ゲルを調製、加熱し、生成物を濾過、水洗、乾燥後に焼成し、白色粉末2.5gを得た。
得られた白色粉末のXRDパターンを図2に示す。図2から、生成物はCHA構造を有するアルミノシリケートであることが確認された。
実施例2の原料ゲルの組成、生成物の収率と物性を表1に示す。
実施例1において、水酸化ナトリウム0.64gを0.48gに変えた以外は、実施例1と同様の方法と条件で、原料ゲルを調製、加熱し、生成物を濾過、水洗、乾燥後に焼成し、白色粉末2.5gを得た。
得られた白色粉末のXRDパターンを図3に示す。図3から、CHA構造に基づくピークが極微量観測されているものの、主生成物はアモルファスであることが確認された。
比較例1の原料ゲルの組成、生成物の収率と物性を表1に示す。
実施例1において、BTMA OH水溶液を用いなかったこと、水5.2gを7.2gに変えたこと、CHA型アルミノシリケート(種結晶)0.10gを0.24gに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法と条件で、原料ゲルを調製、加熱し、生成物を濾過、水洗、乾燥後に焼成し、白色粉末2.1gを得た。
得られた白色粉末のXRDパターンを図4に示す。図4から、CHA構造に基づくピークが極微量観測されているものの、主生成物はアモルファスであることが確認された。
比較例2の原料ゲルの組成、生成物の収率と物性を表1に示す。
Claims (5)
- N,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン、Si元素源、アルカリ金属源、Al元素源および水を含む混合物の水熱合成により、CHA結晶構造を有し、Al2O3に対するSiO2のモル比が5以上のアルミノシリケートを製造する方法であって、該混合物におけるSi元素に対するN,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオンのモル比が0.005以上、Si元素に対するアルカリ金属のモル比が0.35以上1.0以下、かつSi元素に対する水のモル比が10以上であり、かつ該混合物中に含まれる種結晶の量が0.5重量%以上であることを特徴とするアルミノシリケートの製造方法。
- 前記混合物がN,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン以外のアンモニウムカチオンを含み、該混合物におけるSi元素に対するN,N,N−トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン以外のアンモニウムカチオンのモル比が0.005未満である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記混合物中に含まれる種結晶の量が30重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミノシリケートの製造方法。
- 有機化合物原料を、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によって製造されたアルミノシリケートに接触させて、低級オレフィンを製造することを特徴とする低級オレフィンの製造方法。
- 有機化合物原料がエチレンであり、低級オレフィンがプロピレンである、請求項4に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009257483A JP5600923B2 (ja) | 2009-11-10 | 2009-11-10 | アルミノシリケートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009257483A JP5600923B2 (ja) | 2009-11-10 | 2009-11-10 | アルミノシリケートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011102209A JP2011102209A (ja) | 2011-05-26 |
JP5600923B2 true JP5600923B2 (ja) | 2014-10-08 |
Family
ID=44192732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009257483A Active JP5600923B2 (ja) | 2009-11-10 | 2009-11-10 | アルミノシリケートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5600923B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5895510B2 (ja) | 2010-12-22 | 2016-03-30 | 東ソー株式会社 | チャバザイト型ゼオライト及びその製造方法、銅が担持されている低シリカゼオライト、及び、そのゼオライトを含む窒素酸化物還元除去触媒、並びに、その触媒を使用する窒素酸化物還元除去方法 |
JP5720508B2 (ja) * | 2011-09-15 | 2015-05-20 | 三菱化学株式会社 | シリル化されたcha型構造を有するh型ゼオライトの製造方法 |
JP5966776B2 (ja) * | 2012-08-31 | 2016-08-10 | 三菱化学株式会社 | プロピレン製造用触媒の製造方法 |
KR101824047B1 (ko) * | 2016-10-14 | 2018-01-31 | 한국화학연구원 | 에틸렌으로부터 프로필렌의 직접 제조방법 |
JP7158141B2 (ja) | 2017-11-27 | 2022-10-21 | エヌ・イーケムキャット株式会社 | 触媒用スラリー組成物及びその製造方法、これを用いた触媒の製造方法、並びに、Cu含有ゼオライトの製造方法 |
JPWO2020116474A1 (ja) | 2018-12-03 | 2021-10-21 | 古河電気工業株式会社 | 低級オレフィン含有ガスの製造装置および低級オレフィン含有ガスの製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5417969B2 (ja) * | 2008-12-17 | 2014-02-19 | 東ソー株式会社 | N,n,n−トリメチル−ベンジルアンモニウムイオンを用いたチャバザイトの製造方法 |
-
2009
- 2009-11-10 JP JP2009257483A patent/JP5600923B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011102209A (ja) | 2011-05-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8647999B2 (en) | Method for regenerating a catalyst containing a CHA zeolite | |
EP2234718B1 (en) | Process for obtaining modified molecular sieves | |
JP5700376B2 (ja) | プロピレンの製造方法及びプロピレン製造用触媒 | |
JP5668422B2 (ja) | アルミノシリケートの製造方法 | |
TW201700166A (zh) | 觸媒組成物以及於重質芳族物轉化方法中的用途 | |
JP5600923B2 (ja) | アルミノシリケートの製造方法 | |
EA007872B1 (ru) | Композиции молекулярных сит, их катализатор, их приготовление и применение в процессах превращения | |
JP6699336B2 (ja) | Aei型アルミノケイ酸塩の製造方法、該aei型アルミノケイ酸塩を用いたプロピレン及び直鎖ブテンの製造方法 | |
KR101159087B1 (ko) | 프로필렌의 제조 방법 | |
JP4823655B2 (ja) | キシレン類の製造方法 | |
JP2016513060A (ja) | 脱水‐加水分解プロセスおよびそのための触媒 | |
JP5685870B2 (ja) | プロピレンの製造方法 | |
JP2014024007A (ja) | ゼオライト触媒、ゼオライト触媒の製造方法および低級オレフィンの製造方法 | |
JP2016098149A (ja) | Aei型ゼオライトの製造方法 | |
JP5895705B2 (ja) | プロピレンの製造方法 | |
SG178307A1 (en) | Method for manufacturing an aromatic hydrocarbon, and transition-metal-containing crystalline metallosilicate catalyst used in said manufacturing method | |
JP2018087105A (ja) | Aei型ゼオライトの製造方法 | |
JP4774813B2 (ja) | プロピレンの製造方法 | |
JP2011079818A (ja) | プロピレンの製造方法 | |
JP2021147310A (ja) | Con型ゼオライト、con型ゼオライトの製造方法、及び低級オレフィンの製造方法 | |
KR20190056446A (ko) | 분자체 ssz-107, 이의 합성 및 용도 | |
US9688587B2 (en) | Process for oxygenate to olefin conversion using 2-D pentasil zeolite | |
JP4774812B2 (ja) | プロピレンの製造方法 | |
JP5720508B2 (ja) | シリル化されたcha型構造を有するh型ゼオライトの製造方法 | |
JP7222743B2 (ja) | ゼオライト触媒及び該ゼオライト触媒を用いた低級オレフィンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121003 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131031 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131112 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140109 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140722 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140804 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5600923 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |