JP5600061B2 - α−1−抗トリプシンおよびアポリポタンパク質A−Iを精製する方法 - Google Patents

α−1−抗トリプシンおよびアポリポタンパク質A−Iを精製する方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本明細書は、その全体を参照によって本明細書に援用する、2007年8月17日に出願された米国仮特許出願第60/935,527号の優先権の利益を主張する。
本発明は、例えばヒト血漿画分からのα−1−抗トリプシン(AAT、またα−1プロテイナーゼ阻害剤、APIおよびA1−PIとしても知られている)およびアポリポタンパク質A−I(ApoA−I)の双方のタンパク質を分離および精製する方法に関する。特定の実施態様では、本発明は、双方のタンパク質の原料として同一の出発原料が使用できるように、精製の初期段階でApoA−IからAATを分離する方法を提供する。本方法は、医薬用途に適するAATおよびApoA−Iの組成物の提供にさらに関連し、大規模精製に適する。
多数のタンパク質ベースの生物医薬品が、ヒト血漿から単離される。ある程度自発的な献血に依存する原料ヒト血漿は供給が限られており、血漿タンパク質の精製における一般に低い濃度、高い脆弱性、および限られた収率と相まって、この種の薬剤の製造は困難で費用がかかるものとなっている。したがって達成可能な最高収率で、ヒト血漿の同一サンプルから可能な限り多数の医学関連タンパク質が単離できるように、血漿タンパク質の精製方法の効率を改善する必要がある。
ヒト血漿タンパク質のタンパク質分離および精製工程は、タンパク質の多様性、各タンパク質製剤に付随する可能な汚染物質および/または不純物の様々な性質、および生物医薬品の生産に通常必要とされる大量のタンパク質のために、特有の課題を提示する。精製技術は、一般に単一タンパク質標的を単離するための一連の精製工程を伴う。
α−1−抗トリプシン(AAT)およびアポリポタンパク質A−I(ApoA−I)は、生物医薬品に製造できるヒト血漿タンパク質の例である。専用精製工程を使用してこれらのタンパク質を精製する方法については、記述されている。例えば国際公開第04060528号パンフレットはAATのための精製工程について記載しており、米国特許5,089,602号明細書はApoA−Iの精製について記載しており、各工程はヒト血漿画分から出発し、それぞれ単一タンパク製品をもたらす。
本出願人は、ヒト血漿の同一画分から出発して、AATおよびApoA−Iの精製を可能にする方法を開発した。これらの方法は大規模精製に適し、したがって工業的に適用可能な製造工程の基盤を提供する。本発明は、双方のタンパク質を精製する出発原料として同一の出発原料が使用できるように、精製初期段階でApoA−IからAATを分離する方法、および前記分離後に医薬品等級のAATおよびApoA−Iを生成する方法を提供する。
ApoA−Iは高密度リポタンパク質(HDL)の28kDaの主要タンパク質構成物であり、排出または再利用のための末梢から肝臓へのコレステロールの逆輸送において重要な役割を演じる。
ApoA−Iは、特に再構成HDL様粒子中において、治療的可能性を有するとして長きにわたり記載されてきた。最近になってやっとこの可能性を強調する研究が公開された(JAMA(2007);vol.297,p.1675−1682)。
ApoA−Iのための多様な精製技術が開発されている。
ApoA1を小規模精製する最も一般的なやり方の一つは、HDLを単離するために超遠心を使用することであり、HDL粒子からのApoA−Iの分離がそれに続く。溶剤抽出をはじめとして、HDLからApoA−Iを精製するいくつかの異なるやり方がある。超遠心は非常に時間のかかる方法であり、大規模単離には適さない。
例えばクロマトグラフィー精製(Ross S.E.et al.,Rapid chromatographic purification of apolipoproteins A−I and A−II from human plasma,Analytical Biochemistry 149,p.166−168(1985))およびゲル濾過HPLCを使用した精製(Tricerri A.et al.,A rapid and efficient procedure for the purification of human apolipoprotein A−I using gel−filtration HPLC,IJBC,1,p.159−166(1994))など、超遠心を含まず出発原料として血漿を使用する方法について記載されている。ヒト血漿の冷エタノール分画からの画分を出発原料として使用するその他の方法についてもまた、公開されている(Peitsch et al.,A purification method for apolipoprotein A−I and A−II,Analytical Biochemistry,178.p.301−305(1989))。
Rotkreuzstiftung Zentrallaboratorium Blutspendedienst SRKに付与されたEP0329605号明細書およびLerch et al.,Isolation and properties of apolipoprotein A for therapeutic use,Protides Biol.Fluids,36,p.409−416(1989)は、リポタンパク質を含有するヒト血漿画分からのアポリポタンパク質の調製に関する。双方の公開は、ApoA−Iを生成するための出発原料として、冷エタノール分画処理の沈殿物BおよびIVが使用できることを報告する。汚染物質を沈殿させるために、任意に有機溶剤を添加した高濃度エタノールを含有する緩衝液を活用する。沈殿物はグアニジン塩酸塩中で可溶化され、それは引き続いてゲル濾過またはダイアフィルトレーションによって除去される。ApoA−Iを通過させながら汚染物質を結合する、アニオン交換クロマトグラフィー工程が含まれる。任意に第2のイオン交換樹脂への吸着によって、ApoA−Iを濃縮することが提案される。
国際公開第9807751号パンフレットはまた、ApoA−Iを単離するためのイオン交換クロマトグラフィーの使用についても報告する。
主要セリンエンドペプチダーゼ阻害剤であるΑ−1−抗トリプシン(AAT)は、約1.9〜3.5g/lの濃度でヒト血漿中に存在する。この約53kDaの糖タンパク質は肝臓中で生成され、特に肺における結合組織のタンパク質分解に関与する酵素である好中球エラスターゼを阻害する。AATはアスパラギン残基46、83、および247に3つのN−グリコシル化部位を有し、それらは複合型二および三分岐グリカンの混合物によってグリコシル化される。これは4.0〜5.0の範囲の等電点を有する複数のAATアイソフォームをもたらす。AATによるプロテアーゼ阻害は組織タンパク質分解調節の必須構成要素であり、AAT欠乏症はいくつかの疾患の病態と関係があるとされる。AAT欠乏症を遺伝により受け継いだ個人は、例えばヒト白血球エラスターゼにより肺組織が無制限に破壊されて、重度の早期発症型肺気腫を患うリスクが増大する。外来性ヒトAATの投与はエラスターゼを阻害することが示されており、AAT欠乏性患者における生存率の向上および肺機能低下率の減少と関連付けられている(Crystal et al.,Am.J.Respir.Crit.Care Med.158:49−59(1998);概説についてはR.Mahadeva and D.Lomas,Thorax 53:501−505(1998)を参照されたい)。
その治療における有用性のために、商業的なAATの生産は重要な研究対象になっている。大腸菌(E.coli)(R.Bischoff et al.,Biochemistry 30:3464−3472(1991))、酵母(K.Kwon et al.,J.Biotechnology 42:191−195(1995);Bollen et al.,米国特許第4,629,567号明細書)、植物(J.Huang et al.,Biotechnol.Prog.17:126−33(2001))中での、および遺伝子導入哺乳類の乳中への分泌による(G.Wright et al.,Biotechnology,9:830−834(1991);A.L.Archibald,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:5178−5182(1990))組み換えAAT生産における大きな進展があった。しかしヒト血漿からのAATの単離が、目下、多量のAATを得るための最も効率の良い実用的な方法であり、ヒト血漿は唯一のFDA認可原料である。
沈殿、吸着、抽出、およびクロマトグラフィー工程の組み合わせを伴う、ヒト血漿画分からAATを単離し精製するための多くの方法について記載されている。AATを単離するための公開された方法のほとんどは、例えばコーン(Cohn)画分IV、またはより具体的には画分IV1および画分IV1-4などのコーン画分(Cohn Fraction)IV沈殿物として知られているヒト血漿の1つ以上の画分、ならびにキストラー・ニッチマン(Kistler−Nitschman)上清AまたはA−Iの沈殿物に始まり、それらは一連のエタノール沈殿およびpH調節後にペーストとして血漿から得られる(E.J.Cohn et al.,J.Amer.Chem.Soc.,68:459−475(1946);P.Kistler,H.S.Nitschmann,Vox Sang.,7:414−424(1962))。
Glaser et al.,Preparative Biochemistry,5:333−348(1975)は、コーン画分IV1ペーストからAATを単離する方法について述べている。ペーストは、コーン分画で用いられる5.2のpHによって大部分が不活性化されるAATを再活性化するために、pH8.5のリン酸緩衝液中で撹拌される。透析および遠心分離後、上清にpH6.0〜7.6での、およびpH8.6での2回のアニオン交換クロマトグラフィーを施し、続いてpH7.6での、およびpH8.0でのさらなるクロマトグラフィー処理によって、AATを約30%の全収率で生成する。
LebingおよびChenは米国特許第5,610,285号明細書において、血漿および血漿画分からヒトAATを精製するための、最初のアニオン交換クロマトグラフィー工程と、それに続く低pHおよび低イオン強度でのカチオン交換クロマトグラフィーを用いた精製方法について述べる。カチオンクロマトグラフィーは、これらの条件下で活性AATがイオン交換カラムに結合しないのに対し、変性AATおよびアルブミンをはじめとする夾雑タンパク質は保留されるという事実を利用する。
Coanは米国特許第4,697,003号明細書において、AAT含有画分からのエタノールおよび塩の除去と、それに続く、AATがカラム上に保留される一方で望まれないタンパク質が溶出するような条件下におけるDEAEセルロースまたは類似材料上でのアニオン交換クロマトグラフィーを含んでなる、様々なコーン血漿画分からAATを単離する方法について述べている。Coanはまた、約60℃以上で約10時間にわたる「低温殺菌」についても述べており、それは肝炎ウィルスを非感染性にするのに十分であると述べている。
GlaserらはAnal.Biochem.,124:364−371(1982)で、およびEP0 067 293号明細書でも、(a)ペーストをpH8.5の緩衝液に溶解するステップと、(b)濾過するステップと、(c)DTTなどのジチオールを添加するステップと、(d)変性タンパク質を硫酸アンモニウムで沈殿させるステップとを含んでなる、コーン画分IV1沈殿物からAATを単離する方法のいくつかの変法について述べている。Glaserらは50%飽和硫酸アンモニウムでの沈殿に先だって、2.5%AEROSILTMヒュームドシリカの存在下でDTTによる処理が実施される一変法について述べている。AAT回収率はシリカ不在下におけるのと同様に良好であり、精製係数は約70%改善された。Glaserは、αおよびβリポタンパク質を除去する工程でAerosil 380を使用してもよいと述べている。
MattesらはVox Sanguinis 81:29−36(2001)で、および国際公開第98/56821号パンフレット、米国特許第6,974,792号明細書および米国特許出願公開第2002/0082214号明細書において、エタノール沈殿、アニオン交換クロマトグラフィー、およびヒドロキシアパタイト上への吸着クロマトグラフィーを伴う、コーン画分IVからAATを単離する方法を開示する。後者の工程は不活性AATを除去して非常に高比活性の生成物を提供すると報告されており、それは発明者らによれば、当該技術分野で知られているその他の高純度AAT調製品中には存在しないとされる、pI値4.3および4.4のAATアイソフォームの濃縮のためであるとされる。
Keyらは国際公開第04060528号パンフレットにおいて、AATを溶解させる条件下でAAT含有タンパク質混合物を緩衝液に懸濁させるステップと、得られた懸濁液をジスルフィド還元剤と接触させて還元懸濁液を生成するステップと、還元懸濁液を不溶性タンパク質吸着材料と接触させるステップと、懸濁液から不溶性物質を除去して、さらにイオン***換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーに組み合わせるステップとを含む、AATを含む画分、優先的にコーン画分IV1-4から、AATを単離する方法を開示する。
RalstonおよびDrohanは米国特許第6,093,804号明細書において、「脂質除去剤」を通じた最初のタンパク質懸濁液からのリポタンパク質の除去と、それに続くクエン酸緩衝液によるアニオン交換媒体からの溶出を通じた「不活性AAT」の除去を伴う方法について述べている。脂質除去剤は合成含水ケイ酸カルシウムであるMICRO CELTM EまたはChromosorb ETMであると述べられている。非クエン酸緩衝液の存在下では、アニオン交換媒体は活性AATと結合する一方、「不活性AAT」は通過させる。クエン酸緩衝液が、引き続くアニオン交換媒体からのAAT溶出のために、そして後のカチオン交換媒体からの溶出のためにも指定されている。RalstonおよびDrohanは、ジスルフィド還元剤の使用については述べていない。本方法は、製品純度>90%のAAT(そして精製されたAATの>90%が活性AATである)および製造規模収率>70%を提供すると記載されている。RalstonおよびDrohanは、特にコーン画分IV1調製品が大量のApoA−Iを含有すると述べており、これが精製中にカラムの流れおよび容量を阻害する効果を有すると指摘している。彼らは前述の「脂質除去剤」によるタンパク質混合物懸濁液の処理が、ApoA−Iを除去すると報告している。
Bauerは国際公開第05027821号パンフレットにおいて、好ましくは画分IV−1である異なるコーン画分から出発するAAT精製方法、汚染物質(すなわち脂質、リポタンパク質、およびその他のタンパク質)の除去、および逐次クロマトグラフィー工程による不活性AATからの活性AATの分離について述べている。BauerはApoA−Iを精製するのが望ましいことについては言及しておらず、反対にBauerはApoA−Iが精製中にカラムの流れを阻害して容量を低下させると指摘しており、汚染ApoA−Iをヒュームドシリカ(AerosilTM)に結合させて除去することを提案している。Bauerは、ApoA−Iがヒュームドシリカから溶出できるかどうかを開示しておらず、それが望ましいことを提案してもいない。
AATは、α−1−抗トリプシン欠乏症に起因する肺気腫に対する効果的な治療薬であるが、タンパク質の限られた供給および複雑な製造工程のために、治療は非常に高価である(目下毎年約$25,000)。AATを含有する血漿およびその他の複合タンパク質混合物からヒトAATを単離するためのより効率的で対費用効果の高い方法に対する必要性が、なおも存在する。
上で論じたほとんど全てのAAT精製方法では、ApoA−Iをはじめとするリポタンパク質は通常依然として脂質除去剤に結合する汚染物質として廃棄される。他方では、ApoA−Iの公開された精製方法では、混合物中のAATを多数のその他の血漿タンパク質と共に廃棄する。
ヒト血漿の同一画分からのAATおよびApoA−I双方の精製は上記の米国特許第6,093,804号明細書でのみ言及され、そこではApoA−Iが合成含水ケイ酸カルシウムへの吸着によってAATから分離でき、さらなる後処理プロセスの前に引き続いて0.5N NaOHで溶出されると記載されている。同一ヒト血漿画分から出発する精製工程から、どのようにして医薬品純度等級AATおよびApoA−Iを得ることができるかについては開示されていない。事実、同一出願人(American Red Cross)からの後者の出願(国際公開第05027821号パンフレット)は、この方法が大規模調製に適さないことを指摘し、具体的には米国特許第6,093,804号明細書に記載されているような方法が、数キログラムの範囲内である小規模から中規模の原材料加工のためにのみ効率的であることを指摘する。
さらに米国特許第6,093,804号明細書で提案されるような0.5N NaOHによるApoA−Iの溶出は、pH約13.69の高アルカリ性環境作り出し、それはApoA−Iの部分的なまたは完全ですらある脱アミド(Johnson A.et al.,Biochem.Biophys.1989,268(1):276−86参照)、そしておそらくは不可逆的変性をもたらす。生物医薬品は脱アミド化および/または変性されると、通常それらの生物学的活性を失い、一層悪いことには免疫原性反応を生じやすいので、より少ないまたは皆無の変性を引き起こすさらに別の精製方法を開発する必要性がある。
本発明は、双方のタンパク質の原料として同一の出発原料が使用できるように、精製初期段階でApoA−IからAATを分離する方法、および分離されたAATとApoA−Iを医薬品等級の純度にさらに精製する方法を開示する。換言すれば、本発明は、i)ApoA−IおよびAATを含む出発原料を処理して、ApoA−Iを含有する画分とAATを含有する画分とを分離するステップと、ii)ApoA−Iを含有する画分からApoA−Iを医薬品等級の純度に精製するステップと、iii)AATを含有する画分からAATを医薬品等級の純度に精製するステップとを含むApoA−IおよびAATを精製する方法を開示する。
本発明の意味では「医薬品等級の純度」とは、75%を超え、優先的には85%を超え、なおもより優先的には95%を超える純度を意味する。
本発明の方法は、脱アミドおよび変性を最小化する。これは双方のタンパク質の精製の各工程でpHを13.69未満、13以下、12以下、または11以下に保つことで、または代案としては、タンパク質がpH11以上でインキュベートされる時間を最小化することで達成されてもよい。一実施態様では、ApoA−IおよびAATの脱アミドおよび変性は、pHが7〜12であることを確実にすることで最小化できる。別の実施態様では、pH範囲は8〜11である。さらに別の実施態様では、pH範囲は9〜10である。いくつかの具体的であるが非限定的な例では、ApoA−IおよびAATの脱アミドおよび変性を最小化するpH値としては、pH8.0、8.5、9.0、9.5、10、10.5、および11が挙げられる。上で教示されるレベル未満に留まるpHに言及する明細書のあらゆる箇所でもまた、これらの範囲および特定のpH点が当てはまる。
タンパク質の脱アミドを妨げることはより少ない変性をもたらし、得られる生物医薬品が免疫原性になるリスクを低下させる。
本発明は、具体的には、このAATおよびApoA−Iの分離および精製を達成するための4つの異なる方法を教示し、それらは全て大規模精製に適する。本発明の意味では大規模精製に適するとは、精製が例えば50キログラム以上のヒト血漿画分からの出発など、数10キログラムのヒト血漿画分などの出発原料から出発することを意味する。
本明細書で具体的に参照される全ての公報および特許出願は、その全体を参照によって援用する。特に断りのない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が所属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
「AAT」という用語は、一般にヒト血清から単離されるヒトAATを指す。用語は薬理学的に効果的な天然変異型を包含することが意図される(例えばBrantly et al.,Am.J.Med.84(sup.6A):13−31(1988)を参照されたい)。
「ApoA−I」という用語は、一般にヒト血清から単離されるヒトApoA−Iを指す。用語は薬理学的に効果的な天然変異型を包含することが意図される。
当業者は、本明細書に記載されているのと同様または同等の方法および材料が本発明の実施において使用でき、このような同等物が本発明の範囲内とされることを理解するであろう。後述の実施態様は例としてのみ提供され、本発明の範囲は記載されている特定の実施態様に限定されるものではない。
実質的な量のAATおよびApoA−Iを含有するタンパク質のあらゆる非精製混合物が、本発明方法に従ったAATおよびApoA−I精製のための出発原料として使用できる。一実施様態に従って、AAT−およびApoA−I含有タンパク質混合物は、ヒト血漿画分から、特に血漿コーン画分IVペーストから選択できる。「ヒト血漿画分」という用語は、血漿から1つ以上の血漿構成要素を除去することで得られる、AATおよびApoA−Iを含有するあらゆる出発原料を包含する。特定の実施態様では、コーン画分IV1ペーストは出発原料であることができるが、同様の血漿画分の使用が本発明の範囲内であると考察される。代案の出発原料としては、その他のAATおよびApoA−I含有コーン画分、キストラー・ニッチマン上清AまたはA+Iからの沈殿物(P.Kistler,H.S.Nitschmann,Vox Sang.,7:414−424(1962))、およびSchultzeらによって米国特許第3,301,842号明細書に記載されている血漿からの硫酸アンモニウム沈殿物が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明の全ての方法の共通工程は、AATおよびApoA−Iがどちらも可溶化されるようなやり方で、ヒト血漿画分を処理する工程である。
本発明の一実施態様では、AATおよびApoA−Iの分離および精製は、ApoA−Iが沈殿する一方でAATが溶液中に残るように、AAT/ApoA−I懸濁液のpHおよび低級脂肪族アルコール濃度を調節して達成できる。沈殿したApoA−Iは、AATを含有する溶液から分離できる。本発明は、ApoA−Iを懸濁液から沈殿させる新しい有利な条件を提供する。例えばEP第0329605号明細書などの技術は、低級脂肪族アルコールによるApoA−Iの沈殿が大規模処理に適するかもしれないと示唆するが、当該技術分野で教示される条件下では、ApoA−IはAATと共に沈殿することが分かった。またAATの収率は低下し、AATは部分的に不活性化される。本発明は5%〜25%(v/v)の濃度およびpH4〜8の低級脂肪族アルコールでApoA−Iを沈殿させることにより、AATおよびApoA−Iの双方を含んでなる溶液からApoA−Iを分離する際に、AATの損失および不活性化を妨ぎながらAATからApoA1を分離する問題を解決する。
本発明の特定の実施態様は、ApoA−I結合剤で処理され任意にDTTで処理されてもよいAAT/ApoA−I溶液のpHが、ApoA−IがApoA−I結合剤に結合するように調節される、AATおよびApoA−Iを分離および精製する方法を教示する。ApoA−I結合剤の例としては、ヒュームドシリカ(例えばAerosilTM)、脂質除去剤(LRATM)、またはCibacron blueTM誘導体(Ciba)などの特異的ApoA−I結合リガンド、トリアジン誘導体(Prometic)、またはVHH抗体断片(The Bio Affinity Company)が挙げられる。いくつかの実施態様では、ApoA−Iはヒュームドシリカに結合できる。ヒュームドシリカに結合するApoA−IはAATを含有する溶液から分離でき、次の工程でヒュームドシリカからApoA−Iを溶出できる。様々な実施態様において、pH13.69未満、13以下、12以下、または11以下でヒュームドシリカからApoA−Iを溶出できる。
いくつかの実施態様では、本発明はAATおよびApoA−Iの分離および精製方法を教示し、AAT/ApoA−I溶液は、どちらのタンパク質も結合しない条件でジチオスレイトール(DTT)およびヒュームドシリカ(Aerosil 380)によって処理される。可溶性AAT/ApoA−I画分は沈殿したヒュームドシリカ/夾雑タンパク質から分離され、AATおよびApoA−Iを含有する上清が生じる。AATおよびApoA−Iはイオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製され、引き続く疎水性相互作用クロマトグラフィー工程中に分離される。
様々な実施態様では、本発明はAATおよびApoA−Iの分離および精製方法を教示し、ApoA−IまたはAATのどちらもイオン交換カラムに結合しない条件で、AAT/ApoA−I溶液をアニオン交換カラムに通過させ、引き続いてApoA−Iが結合できAATが可溶性を保つことができて通過物画分中でApoA−Iから分離できるような条件下で、通過物を疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)カラムに接触させる。
AATおよびApoA−Iの分離後に、タンパク質精製について当該技術分野で知られている方法のいずれかによって、特にAATまたはApoA−Iの精製に適することが既知である方法によって、それぞれのAATおよびApoA−Iを含有する溶液をさらに処理してもよい。
特定の実施態様では、下で詳述するようなタンパク質精製工程中またはその後にウィルス低減工程を実施でき、薬学的に適切な保存緩衝液中で精製タンパク質を滅菌して調合でき、凍結乾燥させまたは液体製剤として保存できる。
その他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本発明の主旨と範囲内の様々な変更および修正は、この詳細な説明から当業者には明らかになるので、詳細な説明および特定例は例示のためにのみ提供される。さらに実施例は本発明の原理を実証するものであり、先行技術に係る技術者に明らかに有用であろう全ての実施例に対する本発明の応用を具体的に例示するものではない。
実施例2で詳述されるApoA−IおよびAATの分離の実施態様を図示する流れ図である。
本発明は、双方のタンパク質に対して同一の出発原料が使用できるように、精製初期段階でApoA−IからAATを分離する方法を提供する。本発明はまた、AATおよびApoA−Iをそれぞれ大規模に医薬品等級の純度にさらに精製する方法も提供する。本発明の方法は、脱アミドおよび変性を最小化する。これは双方のタンパク質の精製の各工程において13.69未満、13以下、12以下、または11以下のpHを保つ、または代案としてはタンパク質がpH11以上でインキュベートされる時間を最小化することで達成することができる。この曝露持続時間は最小化され、例えば特定の実施態様では、pH値が11以上である時間は5時間を超えてはならない。いくつかの実施態様では、pH値が11以上である時間は1時間を超えてはならない。別の実施態様では、pH値が11以上である時間は、25℃で30分を超えてはならない。より高温では許容可能な曝露時間は一層短く、より低温では許容可能な曝露時間はより長いかもしれない。精製するタンパク質の脱アミドを妨げることは、かなりより少ない変性をもたらし、得られた生物医薬品が免疫原性になるリスクを大幅に低下させる。一実施態様では、pHが7〜12であることを確実にすることで、ApoA−IおよびAATの脱アミドおよび変性を最小化できる。別の実施態様では、pH範囲は8〜11である。さらに別の実施態様では、pH範囲は9〜10である。ApoA−IおよびAATの脱アミドおよび変性を最小化する特定の、しかし非限定的なpH値の例としては、pH8.0、8.5、9.0、9.5、10、10.5、および11が挙げられる。
本発明の方法に従ったAATおよびApoA−I精製の出発原料として、実質量のAATおよびApoA−Iを含有するタンパク質のあらゆる未精製混合物を使用できる。一実施様態に従って、AATおよびApoA−Iを含有するタンパク質混合物は、ヒト血漿からの画分から、特に血漿コーン画分IVペーストから選択できる。特定の実施態様では、コーン画分IV1ペーストが出発原料であるが、同様の血漿画分の使用も本発明の範囲内であると考察される。代案の出発原料としては、その他のAATおよびApoA−Iを含有するコーン画分、キストラー・ニッチマン上清AまたはA+Iからの沈殿物(Kistler and Nitschmann,Vox Sang.,7:414−424(1962))、およびSchultzeらによって米国特許第3,301,842号明細書に記載されている血漿からの硫酸アンモニウム沈殿物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
コーン画分IV1ペーストは、ヒト血漿を−2℃〜2℃の温度に冷却して、それを約6.9〜7.5のpHに調節することで調製できる。約6〜10%(v/v)の濃度に冷エタノールを添加して、温度を約−4℃〜0℃に低下させた後、画分Iと称される沈殿物が形成し、次に遠心分離または濾過によって除去される。次に上の手順からの濾液または上清をpH約6.7〜7.1に調節でき、冷エタノールを約18〜22%(v/v)の濃度に添加できる。次に温度を約−7℃〜−3℃に低下でき、混合物を再度遠心分離または濾過する。ここで形成した画分II+IIIと称される沈殿物は、除去してその他のタンパク質を精製するために使用できる。次にこの第2の濾液または上清を約5.0〜5.1のpHに調節して、エタノール濃度を約20.0〜22.0%(v/v)に調節し、温度を約−6℃〜−3℃に調節できる。今度は画分IV1が沈殿し、遠心分離または濾過によって除去され、必要になるまでペーストの形態で保存できる。画分IV1のペーストは、AAT、ApoA−I、ならびにその他の夾雑タンパク質および脂質を含有する。
ApoA−IおよびAATを精製する本発明の方法は、大規模精製に適する。本発明の要旨において大規模精製に適するとは、例えば数十キログラムのヒト血漿画分からなど、数十キログラムの出発原料から始めた場合であっても、高収率かつ高純度のApoA−IおよびAAT精製を意味する。いくつかの実施態様では、精製は50kgを超えるヒト血漿画分に始まる。いくつかの実施態様では、精製は50kgを超えるコーン画分IV1に始まり、後者は約900リットルのヒト血漿の出発容積に相当する。また3000〜4000リットル以上の範囲内のヒト血漿の出発容積も本発明の方法のために使用できる。本発明に従って精製されたAATは、SDS−Page、およびELISAなどの免疫学的アッセイ、または比濁分析による判定で>96%の純度を有する。典型的に精製AATの約79〜99%、平均して約90%が活性である。コーン画分IV1の機能的に活性なAAT含量を基準にした回収率は、ヒト血漿中の正常な含量の約40〜60%またはおよそ20〜40%である。
本発明に従って精製されたApoA−Iは、少なくとも75%の純度を有する。特定の実施態様を使用すればApoA−Iの純度は85%よりも高い。収率は少なくとも15%である。特定の実施態様を使用すれば、収率は血漿中のApoA−I含量と比較して少なくとも30%である。
本発明のいくつかの実施態様では、AATおよびApoA−Iの分離および精製は、ApoA−Iが沈殿する一方でAATが溶液中に残留するように、AAT/ApoA−I溶液中でpHおよび例えばエタノールなどの低級脂肪族アルコールの濃度を調整することで達成できる。沈殿したApoA−Iは、AATを含有する溶液から分離できる。EP第0329605号明細書は、低級脂肪族アルコールでの沈殿によって、再懸濁されたヒト血漿画分からApoA−Iが沈殿できることを報告する。
本出願人はここで、EP第0329605号明細書で開示される条件下でApoA−Iを沈殿させる40%(v/v)未満の低級脂肪族アルコール濃度が、ApoA−IおよびAATの分離をもたらさず、AATの同時の損失および不活性化をももたらし、したがって双方のタンパク質の精製方法に適さないことを見出した。本発明の要旨では低級脂肪族アルコールとは、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、およびブタノールなどのC1〜C4脂肪族アルコールを意味する。
pH4.5〜6.5では、AATを溶液中に残留させてその活性を保ちながら、およそ5〜25%(v/v)程度に低い濃度の例えばエタノールなどの低級脂肪族アルコールで、ApoA−Iが沈殿できることがここで意外にも判明した。いくつかの実施態様では、pHは5〜6である。特定の実施態様では、低級脂肪族アルコールの濃度は約7〜15%(v/v)である。特定の実施態様では、低級脂肪族アルコールの濃度は約8〜14%(v/v)である。6.5などのより高いpHではApoA−Iの沈殿が減少するのに対し、4.5未満などのより低いpHではAATの沈澱もまた増加する。例えば5%(v/v)未満のエタノール濃度などのより低い濃度の低級脂肪族アルコールでは、ApoA−Iは沈殿しないのに対し、例えば25%(v/v)よりも高いエタノール濃度などのより高い濃度の低級脂肪族アルコールでは、AATの沈澱もまた増加する。様々な実施態様では、沈殿工程中の温度を約10℃未満に保つことができる。
ApoA−IとAATを分離させて、ApoA−Iを沈殿させながらAATの損失と不活性化を防止するのに加えて、本発明の方法は、従来技術で提案されるのよりも経済的な、低級脂肪族アルコールでApoA−Iを沈殿させるやり方を提供する。またより低い濃度の低級脂肪族アルコールの使用によって低下する爆発の危険も、沈殿工程のための製造ユニットの構築経費をより低下させる。
沈殿工程後、AATおよびApoA−Iは1つ以上の処理工程で医薬品等級の純度に別々に精製できる。AATおよびApoA−Iの分離後、AATおよびApoA−Iを含有する溶液は、例えばAATまたはApoA−Iそれぞれの精製に適することが既知の方法など、タンパク質精製のために当該技術分野で知られている方法のいずれかによってさらに処理できる。
本発明のいくつかの実施態様では、pH約8.0〜10.0で約50〜150mMのTris、0〜30mMのNaClにコーン画分IV1を再懸濁して、約0〜10℃で少なくとも1時間撹拌できる。様々な実施態様では、pHは約8.8〜9.6であることができる。特定の実施態様では、再懸濁されたコーン画分IV1の溶液を約2〜3時間撹拌できる。1kgのコーン画分IV1あたり約6〜18kg、または12〜16kgの緩衝液が使用できる。AAT収率を最大化する任意のステップとして、Tris緩衝懸濁液を約40〜45℃の温度に約1〜1.5時間加熱し、次に再度約0〜10℃に冷却できる。
次にTris緩衝懸濁液を約0℃〜2℃の温度に冷却できる。次にApoA−IおよびAAT懸濁液をpH約5.0〜6.0でエタノール濃度8%〜14%(v/v)に調節することで、ApoA−Iを沈殿させることができる。この調節は、例えば所定量のエタノールおよび酢酸ナトリウム/酢酸溶液をTris緩衝懸濁液に添加することによって達成できる。エタノール/酸性溶液は、温度を約0℃〜−7℃に冷却しながら約30〜60分間かけて添加でき、次にこれらの条件を約2〜4時間保つ。引き続く濾過を通じたApoA1の分離を促進するためにC1000などの濾過助剤を添加でき、次に混合物を最低15分間撹拌できる。可溶性AATを含有する濾液は、圧搾濾過器を優先的に使用して不溶性のApoA−I材料から濾過によって分離できる。代案としては不溶性のApoA−I材料は遠心分離によって分離できる。
次に上述の分離方法の濾液または上清中のAATをさらに精製できる。いくつかの実施態様では、AAT濾液は約0℃〜8℃およびpH約8.8〜9.6に調節できる。pH調節後、DTTを約15〜30mMの濃度に添加できる。次にpHを約8.8〜9.6に保ちながら、DTT処理された濾液を約0〜10℃で約2〜4時間混合できる。次に血漿を含有するペースト画分中およそ16.7g/Lの血漿当量の濃度で、ヒュームドシリカを溶液に添加できる。次に懸濁液を約8.8〜9.6のpH範囲内において、約0〜10℃で少なくとも30分間撹拌できる。いくつかの実施態様では、溶液は約1〜4時間撹拌される。この段階でAAT濾液の残る不純物は、ヒュームドシリカ懸濁液に結合でき、それは次に沈殿物を形成する。ヒュームドシリカとしては、例えばAerosilTMが使用できる。溶液中に残留するAATは、任意にC1000などの濾過助剤を添加した後に、圧搾濾過器を使用して沈殿したヒュームドシリカおよび夾雑タンパク質から分離でき、精製されたAAT濾液を生成する。濾過助剤を使用する場合、量は1kgのヒュームドシリカあたり約3kgの濾過助剤であることができる。様々な実施態様では、所望のレベルの透明度が得られるまで、懸濁液を圧搾濾過器に通して再循環できる。
後述の実施態様では、濾液は最初に、塩勾配溶出を伴うイオン交換クロマトグラフィー(「IEC」)にかけることができる。クロマトグラフィーカラムは、それに正に帯電した基が共有結合的に付着する多孔性樹脂支持マトリックスからなる、アニオン交換樹脂を含有できる。これらの正に帯電した基は、AATなどのアニオン基があるタンパク質をはじめとするアニオンに可逆的に結合する。
溶出緩衝液のpHで正味の負電荷を有するAAT、およびその他のタンパク質は、IECカラムに結合できる。わずかなまたは皆無の負電荷を有する夾雑タンパク質は、結合することなくアニオン交換樹脂カラムを通過して、カラム溶出物と共に流出できる。次にカラムと結合するこれらの夾雑タンパク質は、勾配溶出によってAATから分離される。塩濃度は、樹脂に結合する様々なタンパク質を逐次放出するためにカラムが溶出されるに従って、徐々に増大できる。
AAT最終濾液は、IEC平衡緩衝液(およそ50mMのTrisおよびpH約8.6〜8.9)で平衡化されたアニオン交換樹脂を含有するクロマトグラフィーカラムに直接注入できる。カラムには所定のタンパク質容量のおよそ50〜70%までAAT最終濾液を装填できる。次にIEC洗浄緩衝液(例えばおよそ50mMのTris、約25〜65mMのNaCl、pH約7.1〜7.7)でカラムを洗浄してカラムから汚染物質を除去でき、引き続いてIEC溶出緩衝液(例えばおよそ50mMのTris、約70〜120mMのNaCl、pH約7.1〜7.7)を使用して、AATを溶出できる。
後述の特定の実施態様では、IECカラムからのAAT含有溶出液を疎水性相互作用クロマトグラフィー(「HIC」)にかけることができる。このタイプのクロマトグラフィーは、それに成分が共有結合的に付着する支持マトリックスを用いる。水性環境では、これらの疎水性部分は、IEC溶出液中に残留する夾雑タンパク質などの疎水性分子と可逆的に結合できる。AATは比較的非疎水性である。したがってAATの大部分が緩衝液によるカラムの溶出中にカラムを通過できるのに対し、より疎水性の夾雑タンパク質はカラムに結合したままである。したがってカラム溶出物は精製されたAATを含有する。実際にはAATは特定のHICカラム媒体に対してわずかな親和性を有することが分かっており、このような場合は、最初に装填されたサンプル中の実質的に全てのAATを回収するために、大量の洗浄緩衝液によるさらなる溶出が望ましいかもしれない。
IECカラムからの溶出液は、硫酸アンモニウムをおよそ0.9〜1.1Mの最終濃度に添加することにより、HICに対応できるように準備できる。次に溶液を濾過して、HIC洗浄緩衝液(例えばおよそ50mMのTris、約1M硫酸アンモニウム、pH約7.3〜7.5)で平衡化された疎水性相互作用カラムに装填できる。次に1Lの重力沈降樹脂あたり約25〜75グラムのタンパク質の範囲内で、カラムを装填できる。装填中、AATは疎水性カラムマトリックスに結合せずカラムを通過する。装填完了時に充填カラム内に残留する非結合AATは、HIC洗浄緩衝液を使用してカラムから洗い出すことができる。合わせたカラム通過物および引き続く洗浄液は限界濾過によって濃縮でき、リン酸緩衝液(約40mMのリン酸ナトリウム、pH約7.2〜7.6)中に透析濾過できる。最終AAT濃度は、好ましくは7%タンパク質以下である。
所望の純度および活性レベルに達するのに必要とされる追加的精製工程後、次にAAT溶液を濃縮および滅菌できる。様々な実施態様では、AATは疎水性相互作用クロマトグラフィー後に、薬学的に許容できる純度および活性レベルであることができ、追加工程は必要でないかもしれない。いくつかの実施態様では、濃縮は、限外濾過とそれに続く透析濾過(ダイアフィルトレーション)によって達成できる。これらの技術では、溶剤および溶解塩および小型分子が濾過膜を通過して、より濃縮されたタンパク質溶液を後に残す。次に溶液を連続的に同一膜に通過させることで一定の生成物容積を保ちながら、生成物に大量の新しい緩衝液を連続して添加することで、タンパク質溶液中の残る塩および小型分子を異なる緩衝液で交換できる。
次にAATを薬学的に許容できる緩衝液と共に提供でき、液体形態で、または当該技術分野で知られている方法によって、例えばAAT治療製剤を調製するのに適することが知られている方法によって、凍結乾燥して保存できる。
哺乳類原料から単離されたタンパク質は、病原性ウィルス汚染物質を含むかもしれず、医薬組成物中のこのような汚染を低下させまたは排除することが望ましくあることができる。ウィルス低減方法については、当業者に知られている。本発明に適用可能と考察される方法としては、低温殺菌、照射、溶剤/洗剤処理、消毒、濾過、および超臨界流体処理が挙げられるがこれに限定されるものではない。溶剤/洗剤処理は、例えばタンパク質溶液とポリオキシエチレンソルビタンエステルおよびリン酸トリブチルとを接触させることで実施できる(米国特許第4,820,805号明細書参照;方法のAAT組成物への応用については国際公開第95/35306号パンフレットもまた参照されたい)。タンパク質溶液の消毒は、例えば米国特許第6,106,773号明細書、同第6,369,048号明細書、および同第6,436,344号明細書で開示されるように、溶液を可溶性病原体不活性化剤に曝すことで、または例えば米国特許第6,096,216号明細書とその中の参考文献で開示されるように、不溶性病原体不活性化マトリックスに接触させることで実施できる。濾過は、15〜70nmの限外濾過膜(例えばVirAGardTMfilters、A/G Technology Corp.;PlanovaTMfilters、旭化成株式会社;ViresolveTMfilters、Millipore Corp.;DV and OmegaTMfilters、Pall Corp、並びにGE Healthcareからの中空繊維)の通過であることができる。照射は紫外線またはγ放射線であることができ、例えば米国特許第6,187,572号明細書とその中の参考文献を参照されたい。超臨界流体での処置によるウィルスの不活性化については、米国特許第6,465,168号明細書に記載されている。タンパク質溶液の低温殺菌は、処理するタンパク質の熱安定性によって決まる限度内で加熱することにより達成できる。AATの場合、低温殺菌は、通常約60〜70℃に加熱することによって達成できる。後述のいくつかの実施態様では、AAT濃縮物のウィルス低減は、低温殺菌および限外濾過によって実施できる。例えば米国特許第4,876,241号明細書で開示されるように、安定化添加剤を添加して低温殺菌工程中にAATを熱分解から保護できる。スクロースおよび酢酸カリウムを安定剤として添加でき、次に安定化AAT溶液を約60℃で低温殺菌してウィルス汚染を低下できる。スクロースの量は、少なくとも40%、少なくとも50%、または約60重量%であることができる。40%未満のスクロースの使用は、望ましくないレベルのAAT凝集をもたらすことが分かっている。酢酸カリウムの量は、少なくとも4%、少なくとも5%、または約6重量%であることができる。
ウィルス低減後、AAT溶液は任意に希釈して限界濾過でき、次に再度濃縮して、例えば濾過によって滅菌する。次に滅菌されたAAT含有濃縮物を凍結乾燥して、治療薬を形成できる。いくつかの実施態様では、凍結乾燥AAT粉末は20mMリン酸ナトリウム、45mMのNaCl、3%マンニトール中で調製できる。この組成物はそれ自体が注射に適切であるが、後で滅菌水で戻すために凍結乾燥してガラスバイアル内に保存できる。
AAT最終濾液は、IEC平衡緩衝液(およそ50mMのTris、pH約8.6〜8.9)で平衡化されたアニオン交換樹脂を含有するクロマトグラフィーカラムに直接装填できる。カラムには所定のタンパク質容量のおよそ50〜70%までAAT最終濾液を装填できる。次にIEC洗浄緩衝液(およそ50mMのTris、約25〜65mMのNaCl、pH約7.1〜7.7)でカラムを洗浄して、カラムから汚染物質を除去し、引き続いてIEC溶出緩衝液(およそ50mMのTris、約70〜120mMのNaCl、pH約7.1〜7.7)を使用して、AATを溶出する。
最終製剤形態は、選択されるウィルス不活性化工程、および意図される投与様式に左右される。AATが注射によって、エアロゾルとして、または局所的に投与されるかどうか次第で、AATは、凍結乾燥粉末、液体、または懸濁液として保存できる。吸入用乾燥粉末製剤の組成物は、例えば用量あたり7.44mgのAAT、0.059mgクエン酸ナトリウム、および0.001mgクエン酸の名目上含量であることができる。このような製剤形態は、米国特許第6,138,668号明細書で開示されるような定量吸入器または肺送達装置のどちらかを用いた、米国特許第5,780,014号明細書に記載されているような吸入投与に適する。
本発明に従って精製されたAATは、SDS−Page、およびELISAなどの免疫学的アッセイ、または比濁分析による判定で>96%の純度を有する。典型的に精製AATの約79〜99%、平均して約90%が活性である。コーン画分IV1の機能的に活性なAAT含量を基準にした回収率は約40〜60%またはヒト血漿中の最初の含量と比較しておよそ20〜40%である。
この方法またはあらゆる後述の方法によって精製されたAATは、例えばUS 米国特許第6,974,792号明細書に記載のように、pIが4.3〜4.4の異性体が濃縮されていない。
本発明で記載されているように精製されたAATは、治療用医薬品に調合できる。精製されたタンパク質は、任意に製薬賦形剤が添加されてもよい従来の生理学的適合性水性緩衝溶液に溶解して、医薬品を提供してもよい。
このような薬学的キャリアおよび賦形剤ならびに適切な医薬製剤については、当該技術分野で良く知られている(例えば「Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins」,Frokjaer et al.,Taylor & Francis(2000)または「Handbook of Pharmaceutical Excipients」,3rd edition,Kibbe et al.,Pharmaceutical Press(2000)を参照されたい)。特に本発明のポリペプチド変異型を含む医薬組成物は、凍結乾燥または安定した液体形態に調合できる。AATは、当該技術分野で知られている多様な手順によって凍結乾燥できる。凍結乾燥製剤は、例えば無菌の注射用水または無菌の生理学的食塩溶液などの1つ以上の薬学的に許容できる希釈剤の添加によって、使用前に戻すことができる。
組成物の製剤は、あらゆる薬学的に適切な投与手段によって個人に送達できる。様々な送達系が知られており、あらゆる都合の良い経路によって組成物を投与するのに使用できる。本発明の組成物は全身性に投与できる。全身性用途のためには、本発明のタンパク質を従来の方法に従って非経口的(例えば静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、大脳内、肺内、鼻腔内、または経皮)または経腸的(例えば経口、膣内、または直腸)送達のために調合できる。特定の実施態様では、投与経路は静脈内、皮下、または肺内である。製剤は輸液によって連続的に、またはボーラス投与によって投与できる。いくつかの製剤形態は、徐放システムを包含する。
本発明に従ったAATは、許容できない有害副作用をもたらす用量に達することなく、所望の効果をもたらし、治療される病状または適応症の重篤性または拡大を予防しまたは低下させるのに十分な用量を意味する、治療的に効果的な用量で患者に投与できる。正確な用量は、例えば適応症、製剤形態、投与様式などの多数の要因に左右され、適応症毎に臨床前および臨床試験で判定されなくてはならない。
本発明はまた、家族性AAT欠乏症を患っている個人、ならびに例えば肺気腫および嚢胞性線維症などのAATの治療的使用が有益かもしれないその他の適応症を治療する方法も提供する。本方法は、前記個人に治療的に有効量のAATを投与するステップを含む。本発明の医薬組成物は、単独でまたはその他の治療薬と併せて投与できる。これらの薬剤は同一医薬品の一部として組み込むことができる。
本発明の特定の実施態様では、上述の方法によって得られた沈殿したApoA−Iは、後述するようにさらに精製できる。
ApoA−Iは、ヒト血漿タンパク質画分の懸濁液を約0〜−2℃、pH約5〜6で、約8〜14%の例えばエタノールなどの低級脂肪族アルコール濃度においてインキュベートして得られた沈殿物から、pH6〜10で約20mMのTrisを含んでなる緩衝液中で約2時間から最長24時間にわたり0℃〜50℃の温度で抽出できる。いくつかの実施態様では、緩衝液のpHは約8.0であることができる。任意に水溶性塩を約0〜1Mの濃度で添加できる。
ApoA−Iの可溶化を改善するために、非イオン性洗剤(例えばポリソルベート、ブリッジ(Brij)、オクチル−グリコシド)、イオン性洗剤(例えば胆汁酸)、または両性イオン性洗剤(例えばCHAPSTM、ZwittergentTM)を添加できる。続くステップ次第で、洗剤は、例えばダイアフィルトレーションまたは適切な樹脂(BioBeadsTM)への吸収によって除去でき、または部分的に除去できる。
緩衝懸濁液は、撹拌して約1〜4時間インキュベートし、次に濾過または遠心分離することができる。濾液または上清に含有されるApoA−Iは、後述の方法によってさらに精製できる。
濾液または上清のpHは適切に調節して、ApoA−Iが溶液中に残留したまま高分子量汚染物質の大部分が沈殿するまで、エタノールを添加できる。特定の実施態様では、ApoA−Iは、約45%(35〜55%)(v/v)のエタノール、pH3.5(pH3〜5)、10〜200mMのNaClで沈殿できる。ApoA−Iはまた、pHを5(pH4〜6)に、エタノール濃度を>50%(50〜60%)(v/v)に増大させることによっても沈殿できる。
本発明に従ったさらに別の方法では、例えば硫酸アンモニウムでの沈殿によってApoA−Iを濾液または上清から単離できる。硫酸アンモニウムは、最終濃度約0.6〜1.4M、pH範囲6〜9で、固体としてまたは濃縮原液としてApoA−I抽出物に添加できる。懸濁液は約0℃〜30℃で約2〜24時間にわたりインキュベートでき、沈殿したApoA−I画分は濾過または遠心分離によって収集できる。
次に例えば当業者が判定できるような適切な条件下における、カチオンまたはアニオン交換樹脂、疎水性相互作用マトリックス、および混合モード樹脂(例えばイオン性および疎水性部位と反応できる特性を有する樹脂)からのApoA−Iの結合および溶出をはじめとする、当該技術分野で知られている方法によって、ApoA−Iのさらなる精製が達成できる。本発明のいくつかの実施態様では、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、疎水性相互作用マトリックス、および/または混合モード樹脂中において、ApoA−Iの状態が通過物画分にあり、汚染物質の大部分が樹脂に結合したままであるように条件を選択できる。
場合によりApoA−Iは、ヒュームドシリカ(AerosilTM)および/または脂質除去剤(LRATM;World Minerals)への結合によって、または例えばCibacronTMblue誘導体(Ciba)、トリアジン誘導体(Prometic)、またはVHH抗体断片(The Bio Affinity Company)への特異的リガンド吸着によって、さらに精製できる。これらの結合剤からのApoA−Iの溶出は、例えば洗剤、エタノール、カオトロピック試薬、高pH、特定の実施態様では13.69未満、または13以下、12以下、または11以下のpH、またはそれらの組み合わせによって実施できる。
本発明に従って精製されたApoA−Iは少なくとも75%、典型的には85%よりも高い純度を有する。いくつかの実施態様では、収率は血漿中のApoA−I含量と比較して少なくとも15%である。特定の実施態様では、収率は血漿中のApoA−I含量と比較して少なくとも30%である。
様々な実施態様では、AATについて上述されたような少なくとも1つのウィルス低減工程をApoA−Iに施すことができる。
本発明で記載されているような精製されたApoA−Iは、治療用医薬品に調合することができる。精製タンパク質は、任意に製薬賦形剤を添加できる従来の生理学的に適合性の水性緩衝溶液に溶解して医薬品を提供できる。このような薬学的キャリアおよび賦形剤ならびに適切な医薬製剤については、当該技術分野で良く知られている(例えば「Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins」,Frokjaer et al.,Taylor & Francis(2000)または「Handbook of Pharmaceutical Excipients」,3rd edition,Kibbe et al.,Pharmaceutical Press(2000)を参照されたい)。特に本発明のポリペプチド変異型を含む医薬組成物は、凍結乾燥形態または安定した液体形態に調合できる。ApoA−Iは当該技術分野で知られている多様な手順によって凍結乾燥できる。凍結乾燥製剤は、例えば無菌注射用水または無菌生理学的食塩溶液などの1つ以上の薬学的に許容できる希釈剤の添加によって、使用前に戻すことができる。いくつかの実施態様では、Lerch et al.,Vox Sanguinis 1996;71:155−164に記載のように、精製されたApoA−Iが再構成HDL様粒子(rHDL)の形態で治療的に使用できる。
ApoA−Iを含んでなる製剤は、あらゆる薬学的に適切な投与手段によって個人に送達できる。様々な送達系が知られており、あらゆる都合の良い経路によって組成物を投与するのに使用できる。特定の実施態様では、本発明の組成物は全身性に投与できる。全身性用途のためには、本発明のタンパク質を従来の方法に従って非経口的(例えば静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、大脳内、肺内、鼻腔内、経皮)または経腸的(例えば経口、膣内、直腸)送達のために調合できる。いくつかの実施態様では、ApoA−Iまたは再構成ApoA−Iは静脈内投与できる。製剤は輸液によって連続的に、またはボーラス投与によって投与できる。いくつかの製剤形態は、徐放システムを包含する。本発明に従ったApoA−Iは、許容できない有害副作用をもたらす用量に達することなく、所望の効果をもたらし、治療される病状または適応症の重篤性または拡大を予防しまたは低下させるのに十分な用量を意味する、治療的に効果的な用量で患者に投与できる。正確な用量は、例えば適応症、製剤形態、および投与様式などの多数の要因に左右され、それぞれの適応症毎に臨床前および臨床試験で判定されなくてはならない。
本発明はまた、家族性ApoA−I欠乏症を患っている個人、ならびに例えばアテローム動脈硬化、心血管疾患、脳血管疾患(例えば脳卒中)、虚血再灌流傷害、末梢血管疾患、糖尿病ならびに慢性および急性炎症疾患に付随する血管疾患、および過剰な凝固の抑制などのApoA−Iの治療的使用が有益かもしれないその他の適応症を治療する方法も提供する。本方法は、前記個人に治療的に有効量のApoA−IまたはrHDLを投与するステップを含む。
本発明の医薬組成物は、単独でまたはその他の治療薬と併せて投与できる。これらの薬剤は同一医薬品の一部として組み込むことができる。
特定の実施態様では、本発明はAATおよびApoA−Iを分離および精製する方法を提供し、AAT/ApoA−I溶液のpHは、ApoA−Iが、例えばヒュームドシリカ(例えばAerosilTM)、脂質除去剤(LRATM)またはCibacron blueTM誘導体(Ciba)などの特異的ApoA−I結合リガンド;トリアジン誘導体(Prometic)またはVHH抗体断片(The Bio Affinity Company)などの添加されたApoA−I結合剤に結合できるように調節される。いくつかの実施態様では、ヒュームドシリカがApoA−I結合剤である。ヒュームドシリカに結合するApoA−IはAAT含有溶液から分離でき、次にApoA−Iは13.69未満、または13以下、12以下、または11以下のpHでヒュームドシリカから溶出できる。一実施態様では、ApoA−Iは7〜12のpHで溶出できる。別の実施態様では、pHは8〜11であることができる。さらに別の実施態様では、pH範囲は9〜10であることができる。ApoA−Iを溶出できるいくつかの具体的なしかし非限定的なpH値の例としては、pH8.0、8.5、9.0、9.5、10、10.5、および11が挙げられる。AATおよびApoA−Iの分離後、例えばAATまたはApoA−Iの精製に適することが知られている方法など、タンパク質精製のために当該技術分野で知られている方法のいずれかによって、AATおよびApoA−Iを含有する溶液をさらに処理できる。
本発明の特定の実施態様では、コーン画分IV1ペーストを例えば約50〜150mMのTris、0〜30mMのNaCl、pH約8.0〜約10.0の懸濁緩衝液に懸濁して、約0〜10℃で最低1時間撹拌できる。いくつかの実施態様では、pHは約9.0〜9.6であることができる。様々な実施態様では、懸濁液は2〜3時間撹拌できる。緩衝液の量は、1kgの血漿含有画分(画分IV1)あたり6kg〜18kg(または12kg〜16kg)の範囲であることができる。AAT収率を最大化する任意の工程として、Tris緩衝懸濁液を約40〜45℃の温度で約1〜1.5時間加熱して、次に約0〜10℃に冷却できる。
次にTris緩衝懸濁液をジチオスレイトール(DTT)およびヒュームドシリカで処理できる。DTTは約15〜50mMの範囲内の濃度でTris緩衝懸濁液に添加できる。次に溶液を約0〜10℃、pH約9.0〜9.6で最低約30分間撹拌できる。特定の実施態様では、溶液は約2〜4時間撹拌される。次にDTT処理抽出物は、例えば希釈塩酸溶液を使用して、pH約7.5〜7.8に調節できる。次にヒュームドシリカ(例えばAerosilTM380)をおよそ16.7グラム/リットル血漿当量で、血漿を含有する画分に添加できる。次に懸濁液を低温でpH約7.5〜8.0で少なくとも30分間撹拌できる。いくつかの実施態様では、懸濁液を約1〜4時間撹拌できる。C1000などの濾過助剤を1部のシリカに対して約3部の濾過助剤の重量比で添加でき、混合物は最低約15分間撹拌できる。次に圧搾濾過器を使用して、沈殿したヒュームドシリカ/ApoA−Iおよび夾雑タンパク質から可溶性AAT画分を分離でき、最終AAT濾液が生じる。AAT濾液がさらに処理できる一方で、ヒュームドシリカApoA−I沈殿物はさらなる精製のために収集できる。代案としてはヒュームドシリカに結合するApoA−Iを遠心分離によって分離できる。ヒュームドシリカからのApoA−Iの溶出は、pH9〜10、好ましくはpH約9.5での50〜100mMのTris中におけるインキュベーションによって達成される。AATおよびApoA−Iの分離後、例えば上述の方法によって双方のタンパク質をさらに精製できる。
いくつかの実施態様では、本発明はAATおよびApoA−Iの分離および精製方法を提供し、AAT/ApoA−I溶液は、どちらのタンパク質も結合しない条件下で、ジチオスレイトール(DTT)およびヒュームドシリカ(AerosilTM)で処理される。可溶性AAT/ApoA−I画分は沈殿したヒュームドシリカ/夾雑タンパク質から分離でき、AATおよびApoA−I含有上清が生じる。AATおよびApoA−Iはイオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製でき、疎水性相互作用クロマトグラフィー工程中に分離される。
本発明の様々な実施態様では、画分IV1ペーストを懸濁緩衝液(例えば50〜150mMのTris、0〜30mMのNaCl、pH8.0〜約10.0)に懸濁して、0〜10℃で最低1時間撹拌できる。いくつかの実施態様では、懸濁緩衝液のpHは9.0〜9.6であることができる。特定の実施態様では、懸濁液は2〜3時間撹拌できる。使用される緩衝液の量は、1kgの血漿含有画分(画分IV1)あたり6〜18kg(または12〜16kg)の範囲であることができる。次にTris緩衝懸濁液を40〜45℃の温度に1〜1.5時間加熱して、次に0〜10℃に冷却できる。
次にTris緩衝懸濁液をジチオスレイトール(DTT)およびヒュームドシリカ(AerosilTM)で処理できる。DTTは約15〜50mMの範囲内の濃度でTris緩衝懸濁液に添加できる。次に溶液を温度約0〜10℃、pH約9.0〜9.6で、少なくとも約30分間撹拌できる。いくつかの実施態様では、溶液は約2〜4時間撹拌できる。次にヒュームドシリカ(例えばAerosilTM)をおよそ16.7グラム/リットル血漿当量で、血漿を含有する画分に添加できる。次に約9.0〜9.6のpHを保ちながら、懸濁液を約0〜10℃で少なくとも約30分間撹拌できる。いくつかの実施態様では、溶液は約1〜4時間撹拌できる。C1000などの濾過助剤を1部のヒュームドシリカに対して約3部の濾過助剤の重量比で添加でき、混合物は最低約15分間撹拌できる。可溶性AAT/ApoA−I画分は、例えば圧搾濾過器を使用して、沈殿したヒュームドシリカ/夾雑タンパク質から分離でき、AAT/ApoA−I濾液が生じる。代案としては例えば遠心分離など、ヒュームドシリカを分離するその他の様式を用いることができる。
AATおよびApoA−Iは、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程中に、50mMのTris、7.5M硫酸アンモニウムを含んでなるpH約7.3〜7.5の洗浄緩衝液でAATが洗い流された後に、ApoA−Iが水と共に最終的に溶出されること以外は、上述のようにイオン交換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用してさらに精製できる。AATの合わせたカラム通過物と引き続く洗浄液を限外濾過によって濃縮し、リン酸緩衝液(約40mMのリン酸ナトリウム、pH約7.2〜7.6)中にダイアフィルター処理する。最終AAT濃度は好ましくは7%タンパク質以下である。AATはHICカラムから医薬品等級の純度で溶出される。
次に上述のように、ヒュームドシリカから溶出されるApoA−Iをさらに精製できる。
いくつかの実施態様では、本発明はAATおよびApoA−Iを分離および精製する方法を提供し、AAT/ApoA−I溶液をDTTおよびヒュームドシリカで処理して、次にApoA−IまたはAATのどちらもイオン交換カラムに付着しない条件下でアニオン交換カラムに通過させ、ApoA−Iが結合してAATが可溶性のままであるような条件下で、通過物をHICカラムに接触させて通過物画分中でApoA−Iから分離する。AATおよびApoA−Iの分離後、AATおよびApoA−Iを含有する溶液は、タンパク質精製について当該技術分野で知られている方法のいずれかによって、例えばAATまたはApoA−Iの精製に適することが知られている方法によって、さらに処理できる。
特定の実施態様では、上述のように緩衝液によってコーン画分IV1ペーストを懸濁して、DTTおよびAerosilTMで処理して濾過できる。AAT/ApoA−I濾液のpHは、例えば希釈塩酸溶液の添加によって、約7.1〜7.7に調節できる。次にAAT/ApoA−I濾液の導電率を例えば2MのNaCl溶液の添加によって、22.0℃でおよそ15mS/cmに調節できる。次にpH/導電率が調節されたAAT/ApoA−I濾液を平衡緩衝液(例えば約50mMのTris、pH約7.4、約15mS/cm導電率)で平衡化されたアニオン交換樹脂を含有するクロマトグラフィーカラムに、直接に装填できる。夾雑タンパク質がカラムに結合できる一方、AATおよびApoA−Iは通過する。
次に硫酸アンモニウムを約0.9M〜1.1Mの最終濃度に添加することで、AAT/ApoA−I通過物をHICのために準備できる。溶液は濾過して、HIC洗浄緩衝液で平衡化されたHICカラムに装填できる。装填中の最初の溶出はAAT含有溶出物を提供でき、追加的洗浄緩衝液による溶出は、カラム中に保留されるあらゆるAATを除去できる。合わせた溶出物および洗浄液は例えば限外濾過によって濃縮でき、リン酸緩衝液中にダイアフィルター処理される。いくつかの実施態様では、最終AAT濃度は7%タンパク質以下である。ひとたびAAT画分が除去されたら、0.1〜0.2Mの硫酸アンモニウム溶液によって追加的不純物をカラムから洗い流すことができ、次に水を使用してApoA−Iをカラムから溶出できる。AATはHICカラムから医薬品等級の純度で溶出される。ApoA−IおよびAATは、例えば上述の方法を使用してさらに精製できる。
実施例1:コーン画分IV1沈殿物の調製
ヒト血漿を約0℃に冷却し、pH約7.2に調節した。冷エタノールを約8%(v/v)濃度に添加し、温度をおよそ−2℃に低下させた。形成した沈殿物(画分I)を遠心分離または濾過により除去した。
上の手順からの濾液または上清を約pH6.9に調節し、冷エタノールをおよそ20%(v/v)濃度に添加した。次に温度を5℃に低下させ、混合物に再度、遠心分離または濾過のどちらかを施す。形成した沈殿物(画分II+III)は、他の目的のために保留した。
上の手順からの濾液または上清をpH約5.05に調節し、エタノール濃度を21%(v/v)に調節した。温度を−5℃に調節した。形成した沈殿物(画分IV1)を遠心分離または濾過によって除去し、ペーストの形態で必要になるまで保存した。この画分IV1ペーストは、AAT、ApoA−I、ならびに夾雑タンパク質および脂質を含有した。
実施例2:ApoA−Iの沈殿を伴うApoA−IおよびAATの精製
2.1 ApoA−IおよびAATの分離:
2.1.1 画分IV1の抽出およびApoA−I画分の沈殿
画分IV1材料を懸濁緩衝液(100mMのTris、pH9.6)に懸濁し、2〜8℃で2時間撹拌した。使用された緩衝液の量は、1kgの血漿含有画分あたり15kgの緩衝液であった。次に懸濁液をおよそ0℃に冷却し、一定量のエタノールおよび酢酸ナトリウム/酢酸溶液をTris緩衝懸濁液に添加して、pH5.4およびエタノール濃度12%(v/v)を有する懸濁液を生成した。温度をおよそ−4℃に冷却させながらエタノール/酸性溶液を30分間かけて添加した。次にpH/エタノール条件を2時間保った。1kgの画分IV1沈殿物あたり100グラムの濾過助剤で、濾過助剤C1000を添加した。次に混合物を約15分間撹拌した。圧搾濾過器での濾過によって可溶性AAT材料(AAT濾液)を不溶性のApoA−I材料(ApoA−I沈殿物)から分離した。
2.2 AATのさらなる精製
2.2.1 DTTおよびシリカによる精製
AAT濾液の温度をおよそ5℃に調節しながら、1MのNaOHを使用して濾液のpHを9.4前後に調節した。pH調節後、DTTを30mMの濃度に添加した。次にpH9.4前後を保ちながら、DTT処理濾液をおよそ5℃で2時間混合した。次にヒュームドシリカ(AerosilTM380)をおよそ16.7グラム/リットル血漿当量で、血漿を含有するペースト画分に添加した。次に懸濁液を5℃前後の温度、pH約9.4でおよそ1時間撹拌した。1kgのヒュームドシリカあたり3kgの比率で濾過助剤C1000を添加し、混合物をおよそ15分間撹拌した。圧搾濾過器を使用して、沈殿したヒュームドシリカおよび夾雑タンパク質から可溶性AAT生成物を分離し、AAT最終濾液を生成した。所望の透明度レベルが得られるまで、懸濁液を圧搾濾過器に再循環させた。
2.2.2 イオン交換クロマトグラフィー
IEC平衡緩衝液(50mMのTris、pH8.8)で平衡化されたTMAEフラクトゲルを含有するクロマトグラフィーカラムに、AAT最終濾液を直接装填した。カラムにはタンパク質容量のおよそ65%までAAT最終濾液を装填した。IEC洗浄緩衝液(50mMのTris、約45mMのNaCl、pH約7.4)での洗浄によってカラムから汚染物質を除去し、IEC溶出緩衝液(およそ50mMのTris、約95mMのNaCl、pH約7.4)を用いて、AATを引き続いて溶出した。
2.2.3 疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)
硫酸アンモニウムをおよそ1Mの最終濃度に添加することで、IECカラムからの溶出液をHICのために準備した。次に溶液を濾過して、HIC洗浄緩衝液(50mMのTris、1M硫酸アンモニウム、pH約7.4)で平衡化された疎水性相互作用カラム(GE Healthcare Phenyl Sepharose high sub)に装填した。カラムに1Lの重力沈降樹脂あたり、およそ40グラムのタンパク質を装填した。装填中にAATは疎水性カラムマトリックスに結合せず、カラムを通過した。装填完了時に、非結合AATは充填カラム内に残留し、HIC洗浄緩衝液を使用してカラムから洗い流された。合わせたカラム通過物および引き続く洗浄液を限外濾過によって濃縮し、リン酸緩衝液(40mMリン酸ナトリウム、pH約7.4)中に、ダイアフィルター処理した。
生成物はSDS−Pageと、ELISAなどの免疫学的アッセイまたは比濁分析の双方による判定で、≧96%純粋なAATであり、サイズ排除HPLCによって≧93%モノマーであることが分かった。コーン画分IVペーストの機能的に活性なAAT含量に基づく回収率は40〜60%であり、または通常の血漿含量のおよそ20〜40%であった。平均して89%の精製されたAATが活性であり、79〜99%の範囲が典型的に観察された。
2.3 ApoA−Iのさらなる精製
2.1に記載されているようにして得られたおよそ50gのApoA−I沈殿物をpH8.0の7倍量のTris−HClに懸濁し、室温でおよそ2時間撹拌した。次に懸濁液を濾過助剤(CeliteTM574)で被覆されたセルロースフィルターに通して、濾過した。
ApoA−Iを含有する濾液に、固体硫酸アンモニウムを0.8、0.9、1.0、1.2、および1.4Mの最終濃度で添加した。各懸濁液のpHを7.0〜7.5に調節した。次に沈殿物を最後にCeliteTM574濾過助剤で被覆されたセルロースフィルターを通じた濾過によって分離する前に、懸濁液を室温で少なくとも2時間インキュベートした。
この方法を使用して純度89%に至るApoA−I製剤が得られ、それは医薬品等級の純度に相当する。
実施例3:ApoA−Iのヒュームドシリカへの吸着を使用したApoA−IおよびAATの精製
3.1 ApoA−IおよびAATの分離:ヒュームドシリカへの結合
画分IV1ペーストを懸濁緩衝液(100mMのTris、20mMのNaCl、pH約9.6)に懸濁して、およそ5℃でおよそ2時間撹拌した。使用された緩衝液の量は、1kgの血漿含有画分(画分IV1)あたりおよそ12kgであった。AAT収率を最大化するために、Tris緩衝懸濁液をおよそ1.5時間にわたっておよそ43℃に加熱し、次におよそ5℃に冷却した。
次にTris緩衝懸濁液をDTTおよびヒュームドシリカ(AerosilTM380)で処理した。DTTをTris緩衝懸濁液に約30mMの濃度で添加した。溶液を約5℃、pH9.4前後でおよそ2時間撹拌した。次に希釈塩酸溶液を使用して、DTT処理抽出物のpHを約7.8に調節した。次にヒュームドシリカ(AerosilTM380)をおよそ16.7グラム/リットル血漿当量で、血漿を含有するペースト画分に添加した。懸濁液を約5℃、pH7.5〜8.0でおよそ1時間撹拌した。1部のシリカに対して3部の濾過助剤の重量比で、CelpureTMC1000濾過助剤を添加し、混合物を15分間撹拌した。圧搾濾過器を使用して、沈殿したヒュームドシリカ/ApoA−Iおよび夾雑タンパク質から可溶性AAT画分を分離し、AAT最終濾液を生成した。AAT濾液をさらに処理する一方、ヒュームドシリカAPOA−1沈殿物をさらなる精製のために収集した。
3.2 AATのさらなる精製:
2.2.2および2.2.3に記載されているようにして、イオン交換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーにより、AATをさらに精製した。
生成物は、SDS−Pageおよび免疫学的アッセイ双方による判定で≧96%純粋なAATであり、サイズ排除HPLCによれば≧93%モノマーであった。コーン画分IVペーストの機能的に活性なAAT含量に基づいた回収率は40〜60%または通常の血漿含量のおよそ20〜40%であった。平均して89%の精製されたAATが活性であり、79〜99%の範囲が典型的に観察された。
3.3 ApoA−Iのさらなる精製
ステップ3.1の工程においてAATから分離されたヒュームドシリカをpH9.5の50〜100mM Tris緩衝液に再懸濁することで、ApoA−Iをヒュームドシリカから放出した。引き続く遠心分離または濾過によるヒュームドシリカからの分離後、2.3に記載されているようにしてApoA−Iをさらに精製してもよい。
実施例4:イオン交換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーによるApoA−IおよびAATの精製
4.1 ApoA−IおよびAATの分離
画分IV1ペーストを懸濁緩衝液(100mMのTris、20mMのNaCl、pH約9.6)に懸濁し、およそ5℃で2時間撹拌した。使用された緩衝液の量は、1kgの血漿含有画分(画分IV1)あたりおよそ12kgであった。Tris緩衝懸濁液をおよそ43℃で1.5時間前後加熱し、次におよそ5℃に冷却した。
次にTris緩衝懸濁液をDTTおよびヒュームドシリカ(AerosilTM380)で処理した。DTTをTris緩衝懸濁液に30mMの濃度で添加した。溶液をおよそ5℃、pHおよそ9.4で2時間撹拌した。次にヒュームドシリカ(AerosilTM380)をおよそ16.7グラム/リットル血漿当量で、血漿を含有するペースト画分に添加した。pHをおよそ9.4に保ちながら、懸濁液を5℃前後でおよそ1時間撹拌した。1部のヒュームドシリカに対して3部の濾過助剤の重量比で、CelpureTMC1000濾過助剤を添加し、混合物を約15分間撹拌した。圧搾濾過器を使用して、沈殿したヒュームドシリカ/夾雑タンパク質から可溶性AAT/ApoA−I画分を分離し、AAT/ApoA−I最終濾液を生成した。
疎水性相互作用クロマトグラフィー工程中、水でのAAT洗浄工程後にApoA−Iを溶出したこと以外は、2.3.2および2.3.3に記載されているようにして、イオン交換クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィーによって、AATおよびApoA−Iをさらに精製した。
AATの合わせたカラム通過物および洗浄液を限外濾過によって濃縮し、リン酸緩衝液(40mMリン酸ナトリウム、pH約7.4)中にダイアフィルター処理した。生成物は、SDS−Pageおよび免疫学的アッセイ双方による判定で≧96%純粋なAATであり、サイズ排除HPLCによれば≧93%モノマーであった。コーン画分IVペーストの機能的に活性なAAT含量に基づいた回収率は40〜60%または、通常の血漿含量のおよそ20〜40%であった。平均して89%の精製されたAATが活性であり、79〜99%の範囲が典型的に観察された。
4.2 AATのさらなる処理
実施例5:陰イオン交換クロマトグラフィーとそれに続く疎水性相互作用クロマトグラフィーによるApoA−IおよびAATの精製
5.1 DTTおよびシリカによる精製
実施例4.1に記載されているようにして、画分IV−1の抽出とDTTおよびシリカによる精製を実施した。
5.2.イオン交換クロマトグラフィー
AAT/ApoA−I最終濾液を希塩酸溶液の添加によって約7.4のpH範囲に調節した。AAT/ApoA−I濾液の導電率を2M NaCl溶液の添加によって、22.0℃でおよそ15mS/cmに調節した。平衡緩衝液(50mMのTris、pH7.4、15mS/cm導電率)で平衡化されたアニオン交換樹脂EMDTMAEフラクトゲル650(m)を含有するクロマトグラフィーカラムに、pH/導電率調節済みAAT/ApoA−I最終濾液を直接装填した。夾雑タンパク質がカラムに結合する一方、AATおよびApoA−Iは装填中に通過した。AAT/ApoA−Iを含有するイオン***換カラム通過物画分を指示されるようにさらに処理した。
5.3.ApoA−IおよびAATの分離:疎水性相互作用クロマトグラフィー
硫酸アンモニウムを1Mの最終濃度に添加することで、AAT/ApoA−I IEC通過物をHICのために準備した。次にこの溶液を濾過して、HIC洗浄緩衝液(50mMのTris、pH7.4、1M硫酸アンモニウム)で平衡化された疎水性相互作用カラム(GE Healthcare Phenyl Sepharose high sub)に装填した。装填中の最初の溶出はAAT含有溶出物を提供し、追加的な洗浄緩衝液(50mMのTris、pH7.4、1M硫酸アンモニウム)よる溶出は、カラム内に残留するあらゆるAATを除去した。合わせた通過物および洗浄液を限外濾過によって濃縮し、リン酸緩衝液中にダイアフィルター処理した。ひとたびAAT画分を除去したら、0.1〜0.2M硫酸アンモニウム溶液によってカラムから追加的な不純物を洗い流し、次に水を使用してカラムからApoA−Iを溶出した。
生成物は、SDS−Pageおよび免疫学的アッセイ双方による判定で≧96%純粋なAATであり、サイズ排除HPLCによれば≧93%モノマーであった。コーン画分IVペーストの機能的に活性なAAT含量に基づいた回収率は40〜60%または通常の血漿含量のおよそ20〜40%であった。平均して89%の精製されたAATが活性であったのに対し、6回の試行中では79〜99%の範囲が典型的に観察された。
本明細書の全体を通じて、「含む」という用語、または「含んでなる」などのバリエーションは、述べられた整数またはステップ、または要素、整数またはステップの群の包含を意味するが、あらゆるその他の整数またはステップ、または要素、整数またはステップの群の排除は意味しないものと理解される。
本発明の主旨または範囲を逸脱することなく、既述された部分には、様々な変更または追加ができるものと理解される。

Claims (13)

  1. アポリポタンパク質A−I(ApoA−I)およびΑ−1−抗トリプシン(AAT)を、双方のタンパク質を含有する単一の出発ヒト血漿画分から精製する方法であって、
    i)ApoA−IおよびAATを含む出発ヒト血漿画分を処理して、AATを含有する画分とApoA−Iを含有する画分とを分離するステップであって、
    a)出発原料として使用される出発ヒト血漿画分を、ApoA−IおよびAATの双方が可溶化されるように処理するステップと、
    b)10℃以下の温度にて8〜14%(v/v)の濃度にエタノールを添加することでApoA−Iを溶液から沈殿させ、かつ、ApoA−Iが沈殿してAATが溶液中に留まるように溶液のpHを約5〜6に調整するステップと、
    c)沈殿したApoA−Iを、AATを含有する溶液から分離するステップ、
    とを含む前記ステップと、
    ii)ApoA−IおよびAATを、1つ以上の加工工程において医薬品等級の純度に別々に精製するステップ、と
    を含む方法。
  2. 出発ヒト血漿画分が、コーン画分IV、キストラー・ニッチマン上清AおよびA+Iからの沈殿物、および硫酸アンモニウム沈殿物の1つ以上から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 1つ以上のコーン画分IVがコーン画分IVである、請求項2に記載の方法。
  4. AATおよびApoA−Iが13.69以上のpHに曝されない、請求項1に記載の方法。
  5. AATおよびApoA−Iが13以上のpHに曝されない、請求項1に記載の方法。
  6. AATおよびApoA−Iが12以上のpHに曝されない、請求項1に記載の方法。
  7. AATおよびApoA−Iが11以上のpHに曝されない、請求項1に記載の方法。
  8. ステップa)で出発ヒト血漿画分が、約50〜150mMのTrisおよび約0〜20mMのNaClを含むpH約8.0〜10.0の緩衝液中に可溶化される、請求項1に記載の方法。
  9. ApoA−Iが10℃以下の温度で沈殿される、請求項1に記載の方法。
  10. ウィルス低減ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. ウィルス低減ステップが約60℃での低温殺菌を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 低温殺菌ステップが、少なくとも40%w/wのスクロースおよび少なくとも4%w/wの酢酸カリウムを含む溶液に対して実施される、請求項11に記載の方法。
  13. ウィルス低減ステップが、ウィルス粒子を除去できるフィルターを通して濾過することを含む、請求項10に記載の方法。
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