まず、遊技機の実施例1であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施例のパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1を示す背面図である。図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、図1、図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516が設けられている。プッシュボタン516は、プッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていれば良い。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていれば良い。
操作レバー600のパチンコ遊技機1内方側には、送風口が設けられていることで、操作レバー600を操作する遊技者の手に対し、演出に応じて送風するとともにバイブレータを動作させて振動させることにより臨場感を高めることができるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば、図1に示すように、「左」(9L)、「中」(9C)、「右」(9R)の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていても良い。また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていても良い。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、及び第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点及び終了時点がほぼ同じ(全く同じでも良い。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでも良い。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果に基づいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。s
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしても良い。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしても良い。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部(図1参照)と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図1参照)とが設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしても良い。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
尚、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であっても良い。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、及び第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。本実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成しても良い。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成しても良い。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。本実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、本実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。本実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、本実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。本実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、本実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。本実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a及びカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことに基づいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果に基づいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果に基づいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果に基づいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
このように、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23は近接スイッチを用いて構成し、第1〜第3入賞確認スイッチ14b,15b,23aはフォトセンサを用いているが、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aの検出方式は本実施例で示したものにかぎらず、例えば、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23と、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとで異なる検出方式であれば、逆に第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23としてフォトセンサを用い、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして近接スイッチを用いても良い。この場合、フォトセンサである第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23の検出結果に基づいて特別図柄の変動表示や賞球払出処理が実行され、近接スイッチである第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aの検出結果は、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口の異常入賞の判定のみに用いられることになる。また、例えば、電磁式のスイッチである近接スイッチや光学式のフォトセンサに代えて、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23または第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして、機械式のスイッチ(マイクロスイッチなど)を用いても良い。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示や賞球払出処理の実行の契機となる第1,2始動口スイッチ14a,15aカウントスイッチ23は、異常入賞の判定に用いられる第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aよりも上流側に設けられていたが、異常入賞の判定に用いられるスイッチの下流側に設けても良い。
そして遊技制御マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とに基づいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とに基づいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とに基づいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御マイクロコンピュータ1560はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a、25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28L及び右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28b及び右枠LED28c及び装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図1及び図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。尚、賞球LED51及び球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄及び演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄及び演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
本実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当りA」または「通常大当りC」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。尚、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第2大当り状態(高速2ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「2」)となる。
このような第2大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第2大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。尚、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、本実施例のように、第1大当り状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものではなく、同一のラウンド数であって、大入賞口の開放期間が非常に短い(例えば0.1秒間)としたものであっても良い。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであっても良い。
また、非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すれば良い。このように非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基に対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当りA」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後や、確変状態において「確変大当りB」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。
こうした「確変大当りA」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「確変大当りB」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「突確大当り」ともいう)と称される。尚、これら大当り図柄は任意であり、例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号等にしても良い。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、確変大当りB(第2大当り状態)と同様に特別可変入賞球装置20において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数{第2ラウンド数に等しい実行回数(本例では2回)に達するまで繰り返し実行される。尚、小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置20を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されれば良い。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。尚、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしても良いし、複数の制御が組合せられて行われるようにしても良い。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であれば良い。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。本実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、本実施例では、通常状態において「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変制御(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、確変状態において「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていても良い。また、例えば、特図ゲームにける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく第1大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御され、その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしても良い。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御マイクロコンピュータ1560等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、遊技制御マイクロコンピュータ1560等の電源電圧を作成する電源回路、電源の遮断を検知する電断検出回路302、電源遮断時に遊技制御マイクロコンピュータ1560にバックアップ電源を供給するバックアップ電源供給回路等が搭載された第2電源基板31a、音声制御基板70及び球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。尚、遊技制御基板31及び第2電源基板31aは基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V及びDC12V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された第1電源基板990やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。第1電源基板990には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31及び各電気部品制御基板(演出制御基板80及び払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御マイクロコンピュータ1560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、本実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
また、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。尚、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。尚、本実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくても良く、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしても良い。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、払出制御基板37及び演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御マイクロコンピュータ1560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御マイクロコンピュータ1560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。本実施例では、ROM54及びRAM55は遊技制御マイクロコンピュータ1560に内蔵されている。すなわち、遊技制御マイクロコンピュータ1560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていれば良く、ROM54は外付けであっても内蔵されていても良い。また、I/Oポート部57は、外付けであっても良い。遊技制御マイクロコンピュータ1560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
尚、遊技制御マイクロコンピュータ1560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御マイクロコンピュータ1560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御マイクロコンピュータ1560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、及び、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御マイクロコンピュータ1560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御マイクロコンピュータ1560のIDナンバ(遊技制御マイクロコンピュータ1560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄及び演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御マイクロコンピュータ1560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。尚、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御マイクロコンピュータ1560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が第2電源基板31aにおいて作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサ304が放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、本実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているものとする。
遊技制御マイクロコンピュータ1560のリセット端子には、第2電源基板31aからのリセット信号が入力される。第2電源基板31aには、遊技制御マイクロコンピュータ1560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路(図示略)が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御マイクロコンピュータ1560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御マイクロコンピュータ1560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御マイクロコンピュータ1560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御マイクロコンピュータ1560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載しても良い。
さらに、遊技制御マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、第2電源基板31aから電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、第2電源基板31aには、遊技機において使用される所定電圧(本実施例ではDC12V)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電断検出回路302が搭載されている。尚、電断検出回路302を第2電源基板31aに搭載するのではなく、第1電源基板990、主基板31に搭載するようにしても良い。また、遊技制御マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23a及び各入賞口スイッチ30a,30bや、演出装置500に設けられる昇降センサ90からの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、演出装置500の可動部800を昇降する昇降モータ533を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御マイクロコンピュータ1560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御マイクロコンピュータ1560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120及びRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。尚、RAMは外付けであっても良い。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ及び入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPU120から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンド及び演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御マイクロコンピュータ1560側)に入り込まない。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516からの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)からの指示に基づいて、該枠ボタン基板509に接続されているボタン振動用モータ517の駆動信号を出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるとともに、プッシュボタン516に振動を与えるボタン振動用モータ517の動作制御を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が制御できるようになっている。
尚、ボタン振動用モータ517は、プッシュボタン516の内部に組み込まれていて、該ボタン振動用モータ517が動作することにより、プッシュボタン516が振動することで、プッシュボタン516を操作する遊技者の手により該振動を遊技者が知覚できるようになっている。
尚、本実施例では、これら遊技者の手に知覚可能に報知する報知手段としてボタン振動用モータ517を使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらボタン振動用モータ517による振動ではなく、例えば、プッシュボタン516を回転させることでプッシュボタン516の指触感覚を変化させたり、プッシュボタン516の表面の硬さを、プッシュボタンの表示に形成されたバルーン内の圧力を変化させることで変化させてプッシュボタン516の指触感覚を変化させたり、或いは、プッシュボタン516の操作力や操作ストロークを変化させるようにしても良い。
また、本実施例では、後述するレベルゲージ演出における操作をプッシュボタン516にて受付けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら操作を、操作レバー600により受付けたり、或いは、トラックボールを設けて、該トラックボールによりレベルゲージ演出における操作を受付けるようにしても良い。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御マイクロコンピュータ1560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。尚、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。本実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化しても良い領域についての初期化データが設定されている。ステップS41及びS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。尚、本実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
尚、本実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いても良い。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としても良い。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。尚、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしても良い。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしても良い。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11及びS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御マイクロコンピュータ1560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御マイクロコンピュータ1560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)及び初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。本実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。本実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御マイクロコンピュータ1560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
尚、本実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御マイクロコンピュータ1560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、電断検出回路302が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、電源復帰時に正常に復帰させるのに必要なデータを保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a及びカウントスイッチ23、24の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b及び普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b及び大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a及びカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a及びカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」及び「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。尚、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、本実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしても良い。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b及び演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b及び演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
本実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図6は、第1電源基板990、第2電源基板31a及び主基板31の回路図である。
第1電源基板990には、図6に示すように、整流回路991、トランス992、DC−DCコンバータ993、994が搭載されている。尚、遊技制御マイクロコンピュータ1560の制御に関連しない電圧を生成するための電圧生成回路等は省略する。
整流回路991は、外部から供給されたAC24Vの交流電圧を直流電圧に変換し、トランス992は、整流回路991により変換された直流電圧を昇圧して内部回路に伝達する。そしてDC−DCコンバータ993は、トランス992を介して昇圧された直流電圧から+30Vの直流電圧を生成してDC−DCコンバータ994に供給する。DC−DCコンバータ994は、DC−DCコンバータ993にて生成されたDC+30Vの直流電圧からDC+12Vの直流電圧を生成し、+12Vラインに供給する。
第1電源基板990と第2電源基板31aは、接続ケーブル997を介して接続される。詳しくは、接続ケーブル997の一端側のコネクタ996と第1電源基板990に設けられたコネクタ995とが接続され、接続ケーブル997の他端側のコネクタ998と第2電源基板31aに設けられたコネクタ300とが接続されることで第1電源基板990と第2電源基板31aが接続されるようになっている。
第1電源基板990と第2電源基板31aが接続ケーブル997を介して接続されることにより第1電源基板990で生成されたDC+12Vが供給される。
第2電源基板31aには、図6に示すように、DC−DCコンバータ301、電断検出回路302、コンデンサ304、スイッチ306が搭載されている。
DC−DCコンバータ301は、第1電源基板990から供給されたDC+12Vの直流電圧からDC+5Vの直流電圧を生成し、+5V(VCC)ラインに供給する。
+5V(VCC)ラインに供給されたDC+5Vの直流電圧は、電断検出回路302の駆動電圧として電断検出回路302にも供給される。また、+5V(VCC)ラインは、第2電源基板31a側に設けられたコネクタ307と主基板31側に設けられたコネクタ310との接続により主基板31側の+5V(VCC)ラインに接続され、この主基板31側の+5V(VCC)ラインに供給されたDC+5Vの直流電圧は、主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧として供給される。
また、+5V(VCC)ラインに供給されたDC+5Vの直流電圧は、逆流防止用のダイオード305を介して+5(VBB)の直流電圧の供給ラインに接続されているとともに、+5(VBB)の直流電圧の供給ラインの一方側でグラウンドレベルに接続され、その間には大容量のコンデンサ304が設けられており、+5(VBB)の直流電圧の供給ラインの他方側は、コネクタ307とコネクタ310との接続により主基板31側の+5V(VBB)ラインに接続され、遊技制御マイクロコンピュータ1560のバックアップ電源入力端子VBBに接続されている。これにより+5V(VCC)ラインから供給されたDC+5Vの直流電圧をコンデンサ304に蓄積可能とされ、停電時において、コンデンサ304に蓄積された電圧を、当該電圧が全て放出されるまでの期間にわたりバックアップ電源として遊技制御マイクロコンピュータ1560に供給できるようになっている。また、+5(VBB)の直流電圧の供給ラインにおいてコンデンサ304と主基板31と接続されるコネクタ307との間には、スイッチ306が設けられており、このスイッチ306がONの状態でのみ遊技制御マイクロコンピュータ1560にバックアップ電源が供給され、スイッチ306がOFFの状態となるとバックアップ電源が遊技制御マイクロコンピュータ1560に対して供給されない状態となる。
また、第1電源基板990から供給されたDC+12Vの直流電圧は、図6に示すように、抵抗303により減圧されて、電断検出回路302が備える監視電圧入力端子VSBに入力される。電断検出回路302は、監視電圧入力端子VSBに入力された電圧が所定の大きさ(本実施例では、+1.2V)以下となったときに、電源断信号出力端子RESETから電源断信号を出力する構成とされている。この電源断信号出力端子RESETに接続された信号線は、コネクタ307とコネクタ310との接続により主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560の後述する入力ポート用端子Pに接続されており、監視電圧入力端子VSBに入力された電圧が所定の大きさ以下となったときに、電源断信号が遊技制御マイクロコンピュータ1560の入力ポート用端子Pに入力されるようになっている。すなわち、遊技制御マイクロコンピュータ1560は、電断検出回路302からの電源断信号の入力に基づき電断の発生を検知して前述した電力供給停止時処理を実行できるようになっている。本実施例では、+12Vの直流電圧が約+8V以下となったときに抵抗303により減圧された電圧が+1.2V以下となり、電源断信号が出力されるため、遊技制御マイクロコンピュータ1560は電源断信号の入力に基づいて、+12Vの直流電圧が、+8V以下となったときに電断の発生を検知することができる。
図6に示すように、主基板31及び第2電源基板31aは、互いに並設された状態で1つの基板収納ケース200内に収容される。その際、これら主基板31と第2電源基板31aとは、互いの対向端辺部に設けられた雄雌のコネクタ310、307を介して基板対基板接続されている。
尚、本実施例では、これら基板収納ケース200内に収容される主基板31と第2電源基板31aとは、コネクタ310、307を介して基板対基板接続されているが、ケーブル等を介して配線接続しても良い。
また、図6に示すように、スイッチ306は、第2電源基板31aの裏面側に搭載されている。スイッチ306には、押圧片306aが設けられており、押圧片306aが基板側に押圧されている状態でONの状態、すなわち遊技制御マイクロコンピュータ1560にバックアップ電源が供給される状態となり、押圧片306aが押圧されていない状態でスイッチ306がOFFの状態、すなわち遊技制御マイクロコンピュータ1560にバックアップ電源が供給されない状態となる。
次に、主基板31及び第2電源基板31aを収納する基板収納ケース200の構造及び基板収納ケース200の遊技機本体に対するに対する取付構造について説明する。
尚、以下の説明においては、図2に示すようにパチンコ遊技機1の背面に取り付けられた状態の基板収納ケース200をパチンコ遊技機1の背面側から見た場合を基準として、基板収納ケース200の上下、左右、前後方向を示すものとする。
主基板31及び第2電源基板31aが収納された基板収納ケース200は、遊技機本体の背面に取付部材280を介して取り付けられる。
基板収納ケース200は、図8に示すように、主基板31及び第2電源基板31aの裏面側を覆うベース部材201と、主基板31及び第2電源基板31aの実装面側を覆うカバー部材202と、から構成され、主基板31及び第2電源基板31aを挟持するように組み付けられるものである。
ベース部材201は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、略長方形状に形成されるベース板201aを有し、該ベース板201aの上下長辺には、前向きに立設された一対の側壁201b,201bがそれぞれ長手方向に沿って延設されている。側壁201b,201bには、カバー部材202に設けられた後述する係合片220が摺動自在に挿通される係合溝250が、長手方向の中央及び左右位置にそれぞれ形成されている。これら係合溝250は、側面視略L字形に形成され、その前端は側壁201bの前端にて前方に開放され、後述するように各係止片203、203を前方から挿通し、ベース板201aに沿って右側に移動させることで、カバー部材202を封止位置に係止できるようになっている。
ベース部材201の左側の短辺には、後述するカバー部材202に形成される挿通穴222、222に挿通可能な係止片203、203が、長手方向の両側からそれぞれ外向きに突設されている。また、左側の短辺に対向する右側の短辺の中央部には、ベース板201aの一部を前面側に向けて***させてなる***部206が形成されており、該***部206の前面にはベース側溶着部207が形成されている。このベース側溶着部207は、ベース部材201とカバー部材202とが位置合わせされたときに後述するカバー部材202のカバー側溶着部223の後面側に対向するようになっている。
カバー部材202は、図8に示すように、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、中央が外向きに膨出する略長方形状のカバー板202aと、該カバー板202aの長辺に沿って後向きに立設された一対の側壁202b、202bと、短辺に沿って後向きに立設された一対の側壁202c、202dとにより、後面側が開放するとともに、下長辺側に横長の凹部202eが形成された凸型の箱状に成形されている。側壁202b、202bの内面における中央位置及び左右側には、ベース部材201の係合溝250に係合可能な係合片220が内向きに突設されている。
カバー部材202の一方の短辺の側壁202c外面の長手方向の両端部には、ベース部材201の係止片203、203が挿通可能な長方形状の挿通穴222,222が形成されている。
他方の短辺の側壁202dの長手方向の中央部には、板状のカバー側溶着部223が外向きに延設され、ベース部材201とカバー部材202とが位置合わせされたときに、ベース部材201のベース側溶着部207の上面側に対向するとともに、カバー側溶着部223の右端部が規制片208に当接して移動規制されるようになっている。
凹部202eには、当該カバー部材202の裏面側に取り付けられる主基板31及び第2電源基板31aに設けられた複数の基板側コネクタそれぞれを外方に挿通するためのコネクタ用開口がそれぞれ形成されている。
また、カバー部材202の裏面側には、主基板31及び第2電源基板31aが、それぞれ4つの取付ネジによってそれぞれ四隅を止着することにより取り付けられる。遊技制御基板40は、電子部品等が実装(搭載)される実装面40a(搭載面)をカバー部材202の裏面に対向させた状態で、カバー部材202の裏面側に取り付けられ、取り付けられた状態において、実装面40aの裏面40bが側壁202b〜202dの下端よりも上方に位置するように収容される。
次に、ベース部材201とカバー部材202との封止状況について説明する。まず、図8に示すように、主基板31及び第2電源基板31aを接続した状態でカバー部材202の裏面側に取付ネジにより取り付ける。この際、主基板31及び第2電源基板31aの実装面をカバー部材202の裏面に対向させた状態で、主基板31及び第2電源基板31aをカバー部材202内に嵌め込んで位置決めし、主基板31及び第2電源基板31aのそれぞれの四隅に取付ネジを取り付け、カバー部材202のネジ穴(図示略)に取り付ける。
このように、カバー部材202の裏面側に、実装面が被覆されるように主基板31及び第2電源基板31aを取り付けた状態で収容することで、万が一カバー部材202が不正に開放された場合でも、カバー部材202から主基板31及び第2電源基板31aを取り外さない限り、実装面に実装された遊技制御マイクロコンピュータ1560等の電子部品に不正行為を施すことができなくなるので、手間がかかるようになる。
次いで、カバー部材202の裏面側に取り付けられた主基板31及び第2電源基板31aの裏面をベース部材201のベース板201aの前面と対向させ、ベース部材201の左側の短辺からカバー部材202の側壁202cがはみ出すようにカバー部材202をベース部材201に近接し、カバー部材202の各係合片220をベース部材201の各係合溝250の開放端部から挿通する。このとき、カバー部材202の側壁202cによりベース部材201の側壁201bの外面が覆われる。そしてこの状態で、カバー部材202を右側に向けて長手方向にスライドさせる。
そして、各係合片220が各係合溝250の端部に当接するとともに、カバー側溶着部223の右端部が規制片208に当接してスライド移動が規制されると、左側の短辺では、ベース部材201の係止片203、203がカバー部材挿通穴222、222内に挿通される。このように、各係合片220が各係合溝250に係合され、カバー側溶着部223の右端部が規制片208に係止され、係止片203、203がカバー部材挿通穴222、222内に挿通されることによりベース部材201にカバー部材202が組み付けられ、ベース部材201に対するカバー部材202の組付位置が決定し、ベース部材201とカバー部材202とが位置合わせされてベース部材201の開口が閉鎖された閉鎖状態となり、封止が可能な状態となり、カバー側溶着部223とベース側溶着部207とを溶着することで封止される。
カバー側溶着部223とベース側溶着部207とが一度溶着されると、カバー側溶着部223及びベース側溶着部207をニッパ等により切断しなければ、基板収納ケース200内に収納された主基板31及び第2電源基板31aを取り出すことは不可能な状態となり、基板収納ケース200を開放した場合には、カバー側溶着部223及びベース側溶着部207切断されることでその痕跡が残ることとなる。
次に、基板収納ケース200と遊技機本体側の取付部材280との取付構造について説明する。
基板収納ケース200を構成するベース部材201の裏面には、図9に示すように、長手方向に沿って2組の係合部225、225が設けられている。2組の係合部225、225は、図9のB−B断面図に示すように、それぞれ長辺側に向かって張り出す側面視略L字状に形成されており、取付部材280に形成された後述のガイドレール281、281に係合可能とされている。
また、図9に示すように、ベース部材201の裏面には、基板収納ケース200に収納された第2電源基板31aのスイッチ306に対応する箇所に挿通孔226が形成されており、挿通孔226を介してスイッチ306が露呈するようになっている。挿通孔226の周囲には筒状部226aが形成されており、筒状部226aの基板側の端部は第2電源基板31aの裏面に当接し、外方の端部は、ベース部材201の裏面よりも突出するように形成されている。
取付部材280は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、その前面には、図10に示すように、長手方向に沿って2列のガイドレール281、281が形成されている。ガイドレール281、281は、図10のD−D断面図に示すように、内側に向かって張り出す側面視略L字状に形成されており、基板収納ケース200を構成するベース部材201の裏面に形成された2組の係合部225、225と係合可能となっている。
また、取付部材280の右側短辺の略中央部には、長手方向から略中央部から右側短辺方向に向けて延びる係止片283が形成されている。係止片283は、図10のC−C断面図に示すように、その一部に前方に突出する突出部283aが、突出部283aの左右には凹溝283b、283bが、それぞれ形成されている。また、係止片283の右側端部には、前方(C−C断面図では下方)に向けて屈曲する係止部283cが形成されている。また、係止片283は、可撓性を有しており、図11に示すように、後方(図11中では上方)に向かって押圧することで、後方(図11中では上方)に向かって撓み、押圧を解除することで弾性力によりもとの形状に復元する。
次に、基板収納ケース200の取付部材280への取付状況について説明する。まず、図11(a)に示すように、取付部材280の左側から基板収納ケース200(ベース部材201)の裏面に形成された2組の係合部225、225を、取付部材280の前面に形成されたガイドレールに係合させつつ右方向にスライド移動させる。この状態では、第2電源基板31aに搭載されたスイッチ306が押圧されていないOFFの状態であり、バックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))は非接続状態であり、第2電源基板31aに搭載されたコンデンサ304から主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560に対してバックアップ電源が供給されていない状態である。
次いで、図11(b)に示すように、基板収納ケース200の右側端部が係止片283の突出部283aに差し掛かった際に、係止片283を後方(図11中では上方)に向かって押圧して撓ませ、さらに基板収納ケース200を右方向にスライド移動させる。
そして、基板収納ケース200(ベース部材201)の裏面に形成された挿通孔226が係止片283の突出部283aに対応する位置となるまで基板収納ケース200を右方向にスライド移動させ、係止片283の押圧を解除し、もとの形状に復帰させることで、図11(c)に示すように、係止片283の突出部283aが、挿通孔226内に入り込み、挿通孔226の周囲にベース部材201の裏面よりも突出するように形成された筒状部226aの端部が係止片283における突出部283aの左右に形成された凹溝283b、283bにそれぞれ挿合し、挿通孔226が塞がれるとともに、挿通孔226内に入り込んだ突出部283aと係止片283の係止部283cとにより基板収納ケース200の左右方向のスライドが規制され、基板収納ケース200が取付部材280に固定されることで、遊技機本体に取り付けられた状態となる。
この際、図11(c)に示すように突出部283aにより第2電源基板31aに搭載されたスイッチ306が押圧されてONの状態となり、バックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))が接続状態となって、第2電源基板31aに搭載されたコンデンサ304から主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560に対してバックアップ電源が供給される状態となる。
本実施例のようなパチンコ遊技機では、遊技の制御を行う遊技制御マイクロコンピュータが搭載された主基板とは別に設けられた電源基板から遊技制御マイクロコンピュータの駆動電源もバックアップ電源も供給されており、このような構成においては、電源基板から供給される電源配線の途中に不正な基板(いわゆる「ぶら下げ基板」)が取り付けられることで主基板への電源供給が遮断され、かつ電源基板から供給されるバックアップ電源も遮断されてしまうと、遊技制御マイクロコンピュータの各種データ、カウンタ等が初期化されてしまい、その上で意図的に大当りを発生させてしまうといった不正行為が行われる虞があった。
このため、本実施例のように遊技制御マイクロコンピュータ1560が搭載された主基板31とともに、バックアップ電源を供給するコンデンサ304が搭載され、主基板31に対してバックアップ電源を供給することが可能な第2電源基板31aを同じ基板収納ケース200に収納して封止状態とし、不正な基板の取り付けにより、主基板への電源供給並びにバックアップ電源の双方が遮断されてしまうことを困難とし、上記のような不正行為を防止することが考えられる。
しかしながら、遊技制御マイクロコンピュータ1560が搭載された主基板31と、バックアップ電源を供給する第2電源基板31aと、がともに基板収納ケース200に収納され、封止した状態とした場合には、基板収納ケース200ごと、主基板31を遊技機本体から取り外した状態であっても、遊技制御マイクロコンピュータ1560のRAM55に記憶されているデータが保持される構成となる。
このような構成とすると、主基板31を基板収納ケース200ごと一度取り外し、打込機などを用いて不正な遊技状態データが保持(バックアップ)された状態とした主基板31を再度取り付けることにより、電源復帰時にはバックアップされていた通りの遊技状態とする不正行為が行われる虞がある。
例えば、本実施例のように高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態、すなわち遊技機の挙動からは低確低ベース状態との区別をすることが困難ではあるが、内部的には遊技者にとって有利な確変状態を備える場合には、遊技機本体から主基板31を基板収納ケース200ごと一度取り外し、打込機を接続して、潜伏確変状態に制御されるまで擬似的に遊技している状態を再現することで、潜伏確変状態を示すデータが保持された状態とし、この状態となった主基板31を基板収納ケース200ごと、再度遊技機本体に取り付けることで、遊技者が実際に遊技を行っていないにも関わらず、大当りが発生しやすい状態の遊技機を遊技者に対して提供するという不正行為(いわゆるモーニング営業)が行われる可能性がある。
このような不正行為を防止する方法としては、停電時において主基板31の遊技制御マイクロコンピュータ1560が認識データを生成するとともにRAM55に記憶しておき、さらに払出制御基板37などの基板収納ケース外の遊技機本体側の基板に搭載されたマイクロコンピュータに対して生成した認識データを送信し、当該外部の基板にも記憶させておくとともに、復旧時においてRAM55に記憶されている認識データと外部の基板に記憶されている認識データとを照合し、一致しなければバックアップされているデータをクリアする方法が考えられる。
しかしながら、このような方法では、復帰時において認識データを照合させる処理を追加する必要があるうえに、基板収納ケース外の遊技機本体側の基板に認識データを記憶させたり、遊技制御マイクロコンピュータ1560からの要求により記憶している認識データを出力させたりする必要があり、基板収納ケース外の遊技機本体側の基板に係る制御まで変更する必要があった。
これに対して本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技制御マイクロコンピュータ1560が搭載された主基板31とともに、バックアップ電源を供給するコンデンサ304が搭載され、主基板31に対してバックアップ電源を供給することが可能な第2電源基板31aを同じ基板収納ケース200に収納して封止される構成であるが、基板収納ケース200が遊技機本体から取り外された状態においては、第2電源基板31aに搭載されたスイッチ306が押圧されていないOFFの状態となり、バックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))が非接続状態となって、第2電源基板31aに搭載されたコンデンサ304から主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560に対してバックアップ電源が供給されず、RAM55のデータを保持できない状態となるので、基板収納ケース外の遊技機本体側の基板に係る制御を変更せずとも、不正なデータが保持された主基板31を基板収納ケース200ごと取り付けるという不正行為を防止できる。
また、本実施例では、基板収納ケース200を遊技機本体側の取付部材280に取り付けることで、取付部材280が基板収納ケース200を係止する際に用いる係止片283に設けられた突出部283aが基板収納ケース200の挿通孔226を介して第2電源基板31aの裏面に設けられたスイッチ306の押圧片306aを押圧することで、バックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))が接続状態となり、第2電源基板31aに搭載されたコンデンサ304から主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560に対してバックアップ電源が供給されるのに対して、基板収納ケース200を取付部材280から取り外した状態では、スイッチ306の押圧片306aが押圧されない状態となることで、バックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))が非接続状態となり、第2電源基板31aに搭載されたコンデンサ304から主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560に対してバックアップ電源が供給されないようになっている。すなわち基板収納ケースを取付部材280(遊技機本体)に取り付けた際に、基板収納ケース200の一部、または基板収納ケース200に収納された部材の一部が遊技機本体の一部に当接することでバックアップ電源が供給される状態となり、当該基板収納ケース200の一部、または基板収納ケース200に収納された当該部材の一部が遊技機本体の一部と非当接状態となることで、バックアップ電源が遮断される構成をとっており、基板収納ケース200の一部、または基板収納ケース200に収納された部材の一部を当接させる構造とするのみで基板収納ケース200や遊技機本体の構造を大きく変更することなく、基板収納ケース200の取り外し時においてバックアップ電源を遮断することができる。
尚、本実施例では、取付部材280が基板収納ケース200を係止する際に用いる係止片283に設けられた突出部283aが基板収納ケース200の挿通孔226を介して第2電源基板31aの裏面に設けられたスイッチ306の押圧片306aを押圧することで、バックアップ電源が供給され、基板収納ケース200が遊技機本体から取り外されることで押圧片306aが押圧されなくなることによりバックアップ電源が遮断される構成であるが、基板収納ケース200が遊技機本体に取り付けられている状態において基板収納ケース200の一部、または基板収納ケース200に収納された部材の一部に当接部を設け、この当接部が当接している状態においてバックアップ電源が供給されるのに対して、基板収納ケース200を遊技機本体から取り外すことで当接部が非当接状態となることでバックアップ電源の供給が遮断される構成であれば、他の構成であっても上記と同様に、基板収納ケース200や遊技機本体の構造を大きく変更することなく、基板収納ケース200の取り外し時においてバックアップ電源を遮断することができる。
また、本実施例では、基板収納ケース200においてスイッチ306が露呈する挿通孔226の周囲には筒状部226aが形成されているとともに、筒状部226aの外方の端部がベース部材201の裏面よりも突出するように形成されており、係止片283の突出部283aにより挿通孔226が塞がれる際に、筒状部226aの端部が係止片283における突出部283aの左右に形成された凹溝283b、283bにそれぞれ挿合するようになっており、基板収納ケース200が遊技機本体に取り付けられた状態においてスイッチ306への接触が規制されるようになっている。
このため、スイッチ306の押圧片306aを押圧した状態のまま、すなわちバックアップ電源が供給される状態のまま基板収納ケース200を遊技機本体に取り付けたり、取り外したりすることが防止されるようになっている。仮に、器具を挿入して押圧片306aを押圧した状態のまま基板収納ケース200を遊技機本体に取り付けた場合でも、当該器具を抜き取ることが困難となり、不正行為が行われた痕跡を残すことが可能となる。
尚、本実施例では、係止片283の突出部283aにより挿通孔226が塞がれる際に、筒状部226aの端部が係止片283における突出部283aの左右に形成された凹溝283b、283bにそれぞれ挿合することでスイッチ306への接触が規制される構成であるが、例えば、スイッチ306の周囲に規制壁を設けるなど、基板収納ケース200が遊技機本体に取り付けられた状態においてスイッチ306への接触が規制される構成であれば、上記と同様の効果が得られる。
また、本実施例では、主基板31とともに基板収納ケース200に収納されている第2電源基板31aに、主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧(+5V(VCC))よりも高いDC+12Vの直流電圧が第1電源基板990より供給されるとともに、第2電源基板31aに搭載されたDC−DCコンバータ301がDC+12Vから遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧(+5V(VCC))を生成して供給するようになっている。一方、第2電源基板31aには、遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧の生成元となるDC+12Vの直流電圧を監視する電断検出回路302が搭載されており、電断検出回路302では、DC+12Vの直流電圧が遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧よりも高い所定値(本実施例では8V)以下まで低下した場合に電断の発生を検知して電源断信号を遊技制御マイクロコンピュータ1560に対して出力し、これに基づいて、電源復帰時に正常に復帰させるのに必要なデータを保存するための電力供給停止時処理を実行するようになっている。
このため、第1電源基板990から第2電源基板31aに供給される電圧であり、遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧のもととなるDC+12Vの供給が絶たれても、直ちに遊技制御マイクロコンピュータ1560への駆動電圧の供給が絶たれることがなく、このような状況であっても遊技制御マイクロコンピュータ1560への駆動電圧が低下するまでに一定の時間が確保されることとなり、電源復帰時に正常に復帰させるのに必要なデータを保存するための電力供給停止時処理を確実に実行させることができる。
また、従来のように遊技の制御を行う遊技制御マイクロコンピュータが搭載された主基板とは別に設けられた電源基板にて遊技制御マイクロコンピュータの駆動電源もバックアップ電源も生成されて主基板に供給される構成の場合には、駆動電源ラインとバックアップ電源ラインとで電位差が生じることで不具合が生じないように、バックアップ電源は駆動電源ラインを分岐させて充電されるものが一般的である。すなわちバックアップ電源の供給ラインと駆動電源の供給ラインとが大元で接続される構成である。このため、駆動電源の供給ライン、バックアップ電源の供給ラインのいずれか一方でも短絡させると、駆動電源の電圧が急激に低下することで、遊技制御マイクロコンピュータが動作を停止して再起動させることができる。
従来のような構成では、このような駆動電源の供給ラインまたはバックアップ電源の供給ラインを短絡させることによる遊技制御マイクロコンピュータの再起動を利用して、前述の「ぶら下げ基板」などにより乱数周期のタイミングを特定し、特定の乱数を狙って大当りを発生させるという不正行為が行われる虞があった。
これに対して本実施例では、前述のように主基板31とともに基板収納ケース200に収納されている第2電源基板31aに、主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧(+5V(VCC))よりも高いDC+12Vの直流電圧が第1電源基板990より供給されるとともに、第2電源基板31aに搭載されたDC−DCコンバータ301がDC+12Vから遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧(+5V(VCC))並びにコンデンサ304に充電されるバックアップ電源を生成して供給するようになっている。このため、遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧の供給ラインやバックアップ電源の供給ラインが基板収納ケース200の外部に露呈することがなく、これら遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧の供給ラインやバックアップ電源の供給ラインを短絡させて遊技制御マイクロコンピュータ1560を再起動させることが困難となり、上述のような特定の乱数を狙って大当りを発生させるという不正行為を効果的に防止できる。
尚、基板収納ケース200の外部に露呈する遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧(+5V(VCC))の元となるDC+12Vの供給ラインを短絡させることは、遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧の供給ラインやバックアップ電源の供給ラインを短絡させるのに比較すると容易であるが、遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧の供給ラインやバックアップ電源の供給ラインのように直接、遊技制御マイクロコンピュータ1560に供給される電源ラインに比較すると、遊技制御マイクロコンピュータ1560が再起動するタイミングを特定することは困難であり、遊技制御マイクロコンピュータ1560の駆動電圧の供給ラインやバックアップ電源の供給ラインそのものを基板収納ケース200の外部に露呈させておく構成に比較すると上述のような不正行為を防止する効果は高い。
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、基板収納ケース200が遊技機本体から取り外された状態においては、第2電源基板31aに搭載されたスイッチ306が押圧されていないOFFの状態となり、バックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))が非接続状態となって、第2電源基板31aに搭載されたコンデンサ304から主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560に対してバックアップ電源が供給されず、RAM55のデータを保持できない状態となる構成であるが、基板収納ケース200が遊技機本体から取り外された状態においては、第2電源基板31aに搭載されたコネクタと、遊技機本体側に固定されたコネクタと、が外れることによりバックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))が非接続状態となり、第2電源基板31aに搭載されたコンデンサ304から主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560に対してバックアップ電源が供給されず、RAM55のデータを保持できない状態となる構成としても良く、このような構成においても、基板収納ケース外の遊技機本体側の基板に係る制御を変更せずとも、不正なデータが保持された主基板31を基板収納ケース200ごと取り付けるという不正行為を防止できる。
また、基板収納ケース200が遊技機本体から取り外された状態においては、第2電源基板31aに搭載されたコネクタと、遊技機本体側に固定されたコネクタと、が外れることによりバックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))が非接続状態となり、第2電源基板31aに搭載されたコンデンサ304から主基板31に搭載された遊技制御マイクロコンピュータ1560に対してバックアップ電源が供給されず、RAM55のデータを保持できない状態となる構成においては、コネクタの周辺にコネクタへの接触を規制する規制部を設けることが好ましく、このようにすることで、コネクタ同士の間に導電性のある器具を進入させてバックアップ電源の供給ライン(+5V(VBB))を短絡させることが困難となるので、上記のようにバックアップ電源の供給ラインを短絡させて遊技制御マイクロコンピュータ1560を再起動させることによる不正行為を効果的に防止できる。
また、前記実施例1では、バックアップ電源を供給するコンデンサ304が主基板31とは異なる第2電源基板31aに搭載され、主基板31とともに基板収納ケース200に収納される構成であったが、バックアップ電源を供給するコンデンサ304を主基板31に実装する構成としても良い。
また、前記実施例1では、遊技機としてパチンコ遊技機を用いた例について説明しているが、遊技の制御に用いられるデータがバックアップ電源により保持される遊技機であれば適用可能であり、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されたことにより1ゲームが終了し、前記可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンに適用しても良い。
また、前記実施例1では、遊技機として、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシンや、これら遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。