JP5594425B2 - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5594425B2
JP5594425B2 JP2013272555A JP2013272555A JP5594425B2 JP 5594425 B2 JP5594425 B2 JP 5594425B2 JP 2013272555 A JP2013272555 A JP 2013272555A JP 2013272555 A JP2013272555 A JP 2013272555A JP 5594425 B2 JP5594425 B2 JP 5594425B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
control
capacity
pull
mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013272555A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014142171A (ja
Inventor
喜一郎 佐藤
久晃 高岡
祐介 藤本
英明 栗山
紀夫 伊賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2013272555A priority Critical patent/JP5594425B2/ja
Publication of JP2014142171A publication Critical patent/JP2014142171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5594425B2 publication Critical patent/JP5594425B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D29/00Arrangement or mounting of control or safety devices
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B15/00Systems controlled by a computer
    • G05B15/02Systems controlled by a computer electric
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2400/00General features of, or devices for refrigerators, cold rooms, ice-boxes, or for cooling or freezing apparatus not covered by any other subclass
    • F25D2400/28Quick cooling
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2700/00Means for sensing or measuring; Sensors therefor
    • F25D2700/12Sensors measuring the inside temperature

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本発明は、チルド運転可能な冷凍装置に関し、特に、チルド運転において、庫内の温度に応じて冷却能力を適宜異ならせる技術に関する。
従来から、コンテナなどに用いられる冷凍装置では、庫内温度を摂氏零度より低い設定温度まで冷却し、庫内のカーゴを冷凍するフローズン運転と、フローズン運転よりも冷却能力を抑えて、庫内のカーゴを冷蔵するチルド運転と、が切り替えて行われている。
例えば、下記特許文献1には、コンテナの庫内の設定温度に応じて、フローズンモード(フローズン運転)とチルドモード(チルド運転)とが切り替えて行われることが記載されている。また、チルドモードでは、庫内への空気吹出口と庫内からの空気吸込口とに設けられた端子箱に収納されたモニタ用積荷品(カーゴ)の温度状態が、設定温度に近い適温範囲であるか否かに応じて、冷却器の能力を100%にして、庫内温度を設定温度へ急速に収束させるプルダウン(プルダウン制御)を行うか、冷却器の能力をPID制御して微細な能力調整(能力制御)をするかが切り替えて行われることも記載されている。
特開平3−181766号公報
しかしながら、上記の従来技術におけるチルド運転では、例えば、図6(a)に示すように、カーゴの温度が設定温度に近い適温範囲にまで低下したときに、プルダウン制御から能力制御への切り替えを行うため、例えばドリアン等のガスを放出する青果物であるホットカーゴが庫内に大量に保管されている場合には、プルダウン制御から能力制御へ切り替える際の過渡期に、ホットカーゴからガスが放出されるときの呼吸熱によって庫内温度が想定よりも急に上昇する虞がある。この場合、プルダウン制御よりも冷却能力が抑えられた能力制御によって庫内温度を設定温度まで低下させようとすると、庫内温度を低下させるのに長い時間がかかるという問題がある。また、庫内温度の上昇度合いによっては、能力制御による冷却能力では庫内温度を設定温度まで低下させることができない虞もある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、チルド運転可能な冷凍装置であって、チルド運転において、庫内温度を設定温度まで低下させるのに要する時間を短縮することができる冷凍装置を提供することを目的とする。
本発明の冷凍装置(1)は、庫内温度が予め定められた温度範囲内で設定された設定温度(SP)になるように庫内を冷却するチルド運転を行う冷凍装置(1)であって、前記チルド運転において、プルダウン制御と、前記プルダウン制御よりも低い冷却能力で庫内を冷却する能力制御と、を切り替えて行う運転制御部(52)を備え、前記運転制御部(52)は、庫内に向けて吹出される吹出空気の温度が少なくとも前記設定温度(SP)に到達するまで、前記プルダウン制御を行う。
この構成によれば、プルダウン制御によって、吹出空気の温度が少なくとも設定温度(SP)に到達するまで低下される。つまり、上記特許文献1に記載の技術と同様に、吹出空気の温度が設定温度(SP)よりも予め定められた温度分高い温度を下回る時点でプルダウン制御から能力制御への切り替えを行う場合に比して、プルダウン制御から能力制御への切り替え当初の庫内温度が低くなる。
したがって、例えば、庫内にホットカーゴが大量に保管されている場合等、プルダウン制御から能力制御に切り替える際の過渡期に急に庫内温度が上昇するような場合があっても、上記特許文献1に記載の技術に比して、能力制御によって庫内温度を設定温度(SP)まで低下させる温度の範囲は低減されるので、庫内温度を設定温度(SP)まで低下させるのに要する時間を短縮することができる。
また、前記冷凍装置は、圧縮機(11)と、庫内熱交換器(14)に流れる冷媒量を調整するための膨張弁(13)と、前記圧縮機(11)に吸入する冷媒量を調整するための吸入調整弁(35)と、を更に備え、前記チルド運転における運転モードとして、ホットカーゴを冷却するためのホットカーゴモード及びホットカーゴ以外の通常のカーゴを冷却するための通常カーゴモードが予め定められており、前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御では、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて調整するとともに、前記吸入調整弁(35)を全開にして前記圧縮機(11)を駆動し、前記能力制御では、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて調整し、更に、前記吹出空気の温度に応じて前記吸入調整弁(35)の開度を調整しつつ、前記圧縮機(11)を駆動し、前記運転モードとして前記ホットカーゴモードが選択されている場合であって、前記プルダウン制御を行っているときに、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)を下回ると、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替え、一方、前記運転モードとして前記通常カーゴモードが選択されている場合であって、前記プルダウン制御を行っているときに、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも予め定められた温度(ΔT)分高い温度を下回ると、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える。
この構成によれば、選択されている運転モードに応じて、プルダウン制御から能力制御に切り替えるときの遷移条件を切り替えることができる。
例えば、庫内にホットカーゴが大量に保管されている場合等、プルダウン制御から能力制御に切り替える際の過渡期に急に庫内温度が上昇するような場合に備えて、プルダウン制御から能力制御に切り替えるときの温度条件を低めに設定することが考えられる。しかし、この場合、ホットカーゴではない通常のカーゴが庫内に保管されている場合には、例えば、図6(b)に示すように、プルダウン制御から能力制御へ切り替える際の過渡期に、庫内温度が設定温度よりも低下(アンダーシュート)し、カーゴを冷やしすぎて損傷させる虞がある。
しかし、運転モードに応じて、プルダウン制御から能力制御に切り替えるときの遷移条件を切り替えることによって、例えば、庫内にホットカーゴが保管されている場合には、運転モードとしてホットカーゴモードを選択して、吹出空気の温度が庫内の設定温度(SP)を下回るまでプルダウン制御を行わせることによって、運転モードとして通常カーゴモードを選択する場合に比して、プルダウン制御から能力制御への切り替え当初の庫内の温度を低くすることができる。
つまり、プルダウン制御から能力制御への切り替える際の過渡期に、ホットカーゴの呼吸熱で庫内温度が急に上昇した場合であっても、運転モードとして通常カーゴモードを選択する場合に比して、プルダウン制御から能力制御への切り替え当初の庫内温度が低くなっているため、能力制御によって庫内温度を設定温度(SP)に到達させるまでに要する時間が長くなる虞を軽減することができる。
また、庫内にホットカーゴではないカーゴが保管されている場合には、運転モードとして通常カーゴモードを選択して、吹出空気の温度が庫内の設定温度(SP)よりも予め定められた温度(ΔT)分高い温度を下回るまでプルダウン制御を行わせることによって、運転モードとしてホットカーゴモードを選択する場合に比して、プルダウン制御から能力制御への切り替え当初の庫内の温度を高くすることができる。
つまり、プルダウン制御から能力制御への切り替える際の過渡期に、運転モードとしてホットカーゴモードを選択する場合に比して、庫内温度が設定温度(SP)よりも低下する虞を軽減することができ、カーゴを冷却しすぎて損傷させる虞を軽減することができる。
また、前記冷凍装置は、圧縮機(11)と、庫内熱交換器(14)に流れる冷媒量を調整するための膨張弁(13)をと、備え、前記チルド運転における運転モードとして、ホットカーゴを冷却するためのホットカーゴモード及びホットカーゴ以外の通常のカーゴを冷却するための通常カーゴモードが予め定められており、前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御では、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて調整するとともに、前記圧縮機(11)を駆動し、前記能力制御では、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて調整するとともに、前記圧縮機(11)を駆動し、前記運転モードとして前記ホットカーゴモードが選択されている場合であって、前記プルダウン制御を行っているときに、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)を下回ると、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替え、一方、前記運転モードとして前記通常カーゴモードが選択されている場合であって、前記プルダウン制御を行っているときに、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも予め定められた温度(ΔT)分高い温度を下回ると、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える構成としてもよい。
この構成では、冷媒回路(10)における冷媒循環量の調節は、主として圧縮機(11)において冷媒の容量制御をして圧縮機(11)から吐出される冷媒の流量を調節することによって行われる。この構成においても、上述した吸入調整弁(35)によって圧縮機(11)に吸入する冷媒量を調整する場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、この構成によれば、選択されている運転モードに応じて、プルダウン制御から能力制御に切り替えるときの遷移条件を切り替えることができる。
また、前記能力制御から前記プルダウン制御への切り替え条件として、第一の判定条件と第二の判定条件とが予め定められており、前記第一の判定条件は、前記第二の判定条件よりも低い前記吹出空気の温度が閾値として採用されているとともに、当該温度条件を満たす継続時間が閾値として採用されている条件であることが好ましい。
この構成によれば、能力制御中に、例えば、蒸発器(14)に着霜が生じる等して、本来の冷却能力で冷却することができなくなり、吹出空気の温度が第二の判定条件に採用されている閾値を超えた場合には、能力制御による冷却能力では冷却しきれない状況であると判断して、能力制御よりも冷却能力が高いプルダウン制御に切リ替え、庫内を適切に冷却することができる。
また、能力制御中に、例えば、蒸発器(14)に着霜が生じてはいないが、ホットカーゴの呼吸熱で庫内温度が上昇するような場合には、能力制御では冷却能力が不足しており、吹出空気の温度が第二の判定条件に採用されている閾値を超えるまでには至らないが、当該閾値よりも低い温度状態が長い間継続する状態になることがある。この構成によれば、当該状態を第一の判定条件によって判断することができ、当該判断時に、能力制御よりも冷却能力が高いプルダウン制御に切リ替え、庫内を適切に冷却することができる。
また、前記冷凍装置において、前記第一の判定条件は、前記吸入調整弁(35)の開度が予め定められた初期開度(AP0)よりも大きく、且つ、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも第一の予め定められた温度(T1)分高い温度を超えている状態が、予め定められた時間(Td)継続していることであり、前記第二の判定条件は、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも、前記第一の予め定められた温度(T1)よりも高い第二の予め定められた温度(T2)分高い温度を超えていることであることが好ましい。
能力制御が行われているときに、吹出空気の温度が設定温度(SP)よりも第二の予め定められた温度(T2)分高い温度を超えている状態になったときには、最早、能力制御による冷却能力では庫内を冷却しきれない状況になると考えられる。
この構成によれば、上記のように、能力制御が行われているときに、能力制御による冷却能力では庫内を冷却しきれない状況が発生しているか否かを、第二の判定条件を満たすか否かによって適切に判定することができる。
一方、能力制御が行われているときに、吸入調整弁(35)の開度が初期開度(AP0)以上に開いており、つまり、吹出空気の温度が吸入調整弁(35)の初期開度(AP0)に対応する温度よりも高く、且つ、吹出空気の温度が、設定温度(SP)よりも予め定められた温度(T2)高い温度よりも高くはないが、設定温度(SP)よりも予め定められた温度(T1)高い温度よりも高いことが、予め想定していた時間(Td)よりも長く継続している状態は、能力制御では冷却能力が不足している状況であると考えられる。
この構成によれば、上記のように、能力制御が行われているときに、能力制御では冷却能力が不足している状況が発生しているか否かを、第一の判定条件を満たすか否かによって適切に判定することができる。
また、第一の予め定められた温度(T1)は、第二の予め定められた温度(T2)より低い温度である。このため、第一の判定条件を満たす場合には、第二の判定条件を満たす場合に比して、吹出空気の温度が低い状態で能力制御からプルダウン制御に切り替えられるので、能力制御が長引く虞を軽減することができる。
また、前記冷凍装置において、前記第一の判定条件は、前記圧縮機の運転容量が予め定められた容量よりも大きく、且つ、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも第一の予め定められた温度(T1)分高い温度を超えている状態が、予め定められた時間(Td)継続していることであり、前記第二の判定条件は、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも、前記第一の予め定められた温度(T1)よりも高い第二の予め定められた温度(T2)分高い温度を超えていることであってもよい。
この構成によれば、上記のように、能力制御が行われているときに、能力制御による冷却能力では庫内を冷却しきれない状況が発生しているか否かを、第二の判定条件を満たすか否かによって適切に判定することができる。
一方、能力制御が行われているときに、前記圧縮機の運転容量が予め定められた容量よりも大きくなっており、つまり、吹出空気の温度が前記予め定められた容量に対応する温度よりも高く、且つ、吹出空気の温度が、設定温度(SP)よりも予め定められた温度(T2)高い温度よりも高くはないが、設定温度(SP)よりも予め定められた温度(T1)高い温度よりも高いことが、予め想定していた時間(Td)よりも長く継続している状態は、能力制御では冷却能力が不足している状況であると考えられる。
この構成によれば、上記のように、能力制御が行われているときに、能力制御では冷却能力が不足している状況が発生しているか否かを、第一の判定条件を満たすか否かによって適切に判定することができる。
また、第一の予め定められた温度(T1)は、第二の予め定められた温度(T2)より低い温度である。このため、第一の判定条件を満たす場合には、第二の判定条件を満たす場合に比して、吹出空気の温度が低い状態で能力制御からプルダウン制御に切り替えられるので、能力制御が長引く虞を軽減することができる。
また、前記冷凍装置において、前記運転制御部(52)は、前記第一の判定条件を満たした後に、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替えるときは、冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始することが好ましい。
この構成によれば、第一の判定条件を満たしたとき、つまり、ホットカーゴの呼吸熱等によって庫内温度が上昇するような状況になり、能力制御による冷却能力では冷却能力が不足している状況になったことが判定されたときは、その後、プルダウン制御から能力制御に切り替えるときに、冷却能力が最大のチルドモードで能力制御が開始される。このため、冷却能力が最大ではないチルドモードで能力制御を開始する場合に比して、冷却能力が不足している状況になる虞を軽減することができる。
また、前記冷凍装置において、前記運転制御部(52)は、前記第二の判定条件を満たした後に、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える際に、前記圧縮機(11)の吐出側の冷媒の圧力が、予め定められた範囲外である場合、または、予め定められた上限値以上である場合は、前記冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始し、一方、前記圧縮機(11)の吐出側の冷媒の圧力が、前記予め定められた範囲内であって、且つ、前記予め定められた上限値未満である場合は、前記冷却能力が最大のチルドモードよりも冷却能力が低いチルドモードで前記能力制御を開始することが好ましい。
この構成によれば、第二の判定条件を満たしたときは、その後、プルダウン制御から能力制御に切り替えるときに、圧縮機(11)の吐出側の冷媒の圧力に応じて、冷却能力が最大のチルドモードで能力制御を開始するか、当該冷却能力が最大のチルドモードよりも冷却能力が低いチルドモードで能力制御を開始するかを適切に切り替えて、庫内を冷却しすぎる虞を軽減することができる。
また、前記冷凍装置において、前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える際に、前記冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始する場合、前記吸入調整弁(35)の開度を、前記予め定められた初期開度(AP0)よりも大きい開度に設定して、前記能力制御を開始することが好ましい。
この構成によれば、プルダウン制御から能力制御に切り替える際に、冷却能力が最大のチルドモードで能力制御を開始する場合において、吸入調整弁(35)の開度が、予め定められた初期開度(AP0)よりも大きい開度以下になることを回避することができる。つまり、吸入調整弁(35)を予め定められた初期開度(AP0)に調整するときに比して、圧縮機(11)に吸入する冷媒量を多くすることができ、冷却能力を高めることができる。
また、前記冷凍装置において、前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える際に、前記冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始する場合、前記圧縮機の運転容量を、前記予め定められた容量よりも大きい容量に設定して、前記能力制御を開始してもよい。
この構成によれば、プルダウン制御から能力制御に切り替える際に、冷却能力が最大のチルドモードで能力制御を開始する場合において、圧縮機の運転容量が、前記予め定められた容量よりも大きい容量以下になることを回避することができる。つまり、圧縮機の運転容量を前記予め定められた容量に調整するときに比して、圧縮機(11)に吸入する冷媒量を多くすることができ、冷却能力を高めることができる。
また、前記冷凍装置において、前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御から前
記能力制御に切り替える際に、前記冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始する場合、前記膨張弁(13)の開度が、前記能力制御における前記膨張弁(13)の開度の上限値として予め定められた開度以上であるときは、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて予め定められた初期開度よりも大きい開度に設定して、前記能力制御を開始し、一方、前記膨張弁(13)の開度が、前記予め定められた開度未満であるときは、前記膨張弁(13)の開度を調整することなく、そのまま前記能力制御を開始することが好ましい。
この構成によれば、プルダウン制御から能力制御に切り替える際に、冷却能力が最大のチルドモードで能力制御を開始する場合であって、膨張弁(13)の開度が能力制御における膨張弁(13)の開度の上限値以上であり、つまり、外気温が膨張弁(13)の開度の上限値に対応する温度以上であって、冷却能力を高めることが要求される状況のときに、膨張弁(13)の開度を外気温に応じた初期開度に調整するときに比して、蒸発器14に流れる冷媒量を多くすることができ、これによって、冷却能力を高めることができる。
前記冷凍装置は、前記吹出空気の温度の制御目標値を補正する温度補正部を備え、前記制御目標値として、前記設定温度と同じ値である第一の制御目標値と、前記第一の制御目標値よりも小さい値である第二の制御目標値とが予め定められており、前記制御目標値が前記第一の制御目標値に設定されて前記プルダウン制御が行われることによって前記吹出空気の温度が前記設定温度に到達し、且つ、庫内から蒸発器に送られる吸込空気の温度が予め定められた第一の基準値よりも高い場合には、前記温度補正部は、前記制御目標値を前記第二の制御目標値に変更し、前記運転制御部は、前記吹出空気の温度が前記第二の制御目標値に到達するように制御を行ってもよい。
この構成では、プルダウン制御が行われることによって吹出空気の温度が設定温度に到達したときに、吸込空気の温度が予め定められた第一の基準値よりも高い場合には、庫内の冷却不足であると判断される。すなわち、この場合には、庫内の温度が十分に低下しておらず、庫内の温度が高いと判断され、制御目標値が第二の制御目標値に変更される。そして、吹出空気の温度が第二の制御目標値に到達するように冷凍装置が制御される。したがって、この構成では、制御目標値が一定である場合に比べて庫内の冷却を促進させることができるので、庫内の温度を設定温度により短時間で近づけることができる。
また、前記冷凍装置において、前記吸込空気の温度が、前記第一の基準値よりも小さい値である予め定められた第二の基準値よりも低くなった場合には、前記温度補正部は、前記制御目標値を前記第一の制御目標値に変更するのが好ましい。
この構成では、吸込空気の温度が第二の基準値よりも低くなった場合には、庫内の冷却不足が解消されたと判断され、制御目標値が第二の制御目標値から第一の制御目標値に変更されるので、庫内の温度が過度に低下するのを抑制することができる。
前記冷凍装置は、前記吸込空気及び前記吹出空気の流れを形成する庫内ファンと、前記庫内ファンの動作を制御する庫内ファン制御部と、を備え、前記吸込空気の温度が前記第一の基準値よりも小さい値である予め定められた第三の基準値よりも低くなった場合には、前記庫内ファン制御部は、前記庫内ファンの回転速度が小さくなるように前記庫内ファンを制御し、前記吸込空気の温度が前記第一の基準値よりも大きい値である予め定められた第四の基準値よりも高くなった場合には、前記庫内ファン制御部は、前記庫内ファンの回転速度が大きくなるように前記庫内ファンを制御してもよい。
この構成では、吸込空気の温度が第三の基準値よりも低くなった場合には、庫内ファンの回転速度が小さくなるように庫内ファンが制御されるので、庫内の温度が低下しすぎるのを抑制することができるとともに、消費電力を低減することもできる。そして、その後、吸込空気の温度が第四の基準値よりも高くなった場合には、庫内ファンの回転速度が大きくなるように庫内ファンが制御されるので、庫内の温度が上昇しすぎるのを抑制できる。
本発明によれば、チルド運転可能な冷凍装置であって、チルド運転において、庫内温度を設定温度まで低下させるのに要する時間を短縮することができる冷凍装置を提供することが可能になる。
本発明に係る冷凍装置の構成の一例を示す概略構成図。 チルド運転において運転制御部が複数の制御を切り替えて行うことを説明するための説明図であり、(a)は、プルダウン制御と能力制御とを切り替えて行うことを示し、(b)は、能力制御において複数のチルドモードを切り替えて行うことを示す。 運転制御部によってチルド運転におけるプルダウン制御と能力制御とを切り替える制御の流れの一例を示すフローチャート。 運転制御部によるプルダウン制御から能力制御への切り替え制御時の吹出空 気の温度の時系列変化の一例を示す説明図。 運転制御部によって能力制御における複数のチルドモードを切り替える制御の流れの一例を示すフローチャート。 チルド運転におけるプルダウン制御から能力制御への切り替えによって発生する問題を説明するための説明図であり、(a)は、吹出空気の温度が設定温度よりも所定温度高くなった場合に切り替えを行ったときの一例を示し、(b)は、吹出空気の温度が設定温度と等しくなった場合に切り替えを行ったときの一例を示す。 冷凍装置の概略構成を示す断面図。 冷凍装置の制御系及び主要機構の概略構成を示すブロック図。 運転制御部によるプルダウン制御から能力制御への切り替え制御時の吹出空気の温度及び吸込空気の温度の時系列変化の一例を示すとともに、庫内ファンの回転速度の制御例を示す説明図。 運転制御部によってチルド運転におけるプルダウン制御と能力制御とを切り替える制御の流れの一例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態に係る冷凍装置1について、図面を参照して説明する。各実施形態の冷凍装置1は、海上輸送等に用いられるコンテナの庫内を冷却するものである。図1に示すように、冷凍装置1は、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路10を備えている。
[第1実施形態]
冷媒回路10においては、圧縮機11、凝縮器12、膨張弁13、及び蒸発器(庫内熱交換器)14が配管によって接続されており、冷媒が循環する。
圧縮機11は、例えば、圧縮機モータの回転速度が一定となる固定容量型のスクロール圧縮機で構成されている。凝縮器12は、庫外に配置されており、いわゆる空冷凝縮器を構成している。凝縮器12の近傍には、凝縮器12に庫外空気を送風するための庫外ファン15が設けられている。凝縮器12では、庫外ファン15が送風する室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。
膨張弁13は、例えば、開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。膨張弁13は、後述の制御部50による制御の下、庫外の気温(外気温)が高くなるにつれて、開度が大きくなるように調節される。これによって、外気温が高くなるにつれて、蒸発器14に流れる冷媒量が多くなり、蒸発器14の熱交換能力が高められる。
蒸発器14は、コンテナ内に配置されており、庫内を冷却するための冷却熱交換器を構成している。蒸発器14の近傍には、コンテナ庫内の庫内空気を循環させながら蒸発器14に庫内空気を送風する庫内ファン16a,16bが設けられている。蒸発器14では、庫内ファン16a,16bが送風する庫内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。尚、当該冷凍装置1には、庫内ファン16a,16bが2つ設けられているが、庫内ファンの数をこれに限定する趣旨ではなく、1台のみ設けられている構成でもよい。
圧縮機11の吐出管21は、逆止弁31及び吐出圧力調整弁32を介して凝縮器12の流入端と接続されている。凝縮器12の流出端は、レシーバ33、液電磁弁41、及びエコノマイザ熱交換器34の高圧側流路34aを介して膨張弁13と接続されている。圧縮機11の吸入管22は、吸入比例弁35を介して蒸発器14の流出端と接続されている。蒸発器14の流入端は、膨張弁13と接続されている。
エコノマイザ熱交換器34は、高圧側流路34aを流れる冷媒と低圧側流路34bを流れる冷媒とを熱交換させるものである。低圧側流路34bの流入端は、キャピラリーチューブ36及びエコノマイザ電磁弁42を介してレシーバ33と液電磁弁41との間の配管に接続されている。低圧側流路34bの流出端は、圧縮機11の中間吸入口11aと接続されている。中間吸入口11aは、圧縮機11の圧縮機構において冷媒の圧縮途中(低圧寄り)の位置に連通されている。
吸入比例弁(吸入調整弁)35は、圧縮機11に吸入する冷媒量を調節することにより冷媒回路10における冷媒循環量を調節する流量調整弁を構成している。吸入比例弁35は、後述のチルド運転における能力制御時に、庫内に向けて吹出される吹出空気の温度を、ユーザーにより設定された所定温度(設定温度)に対して、例えば±0.5℃の範囲内に維持するように制御される。
具体的には、吸入比例弁35は、後述のチルド運転における能力制御時に、後述の制御部50による制御の下、吹出空気の温度が設定温度よりも低くなるにつれて、開度が小さくなるように調節される。これによって、吹出空気の温度が設定温度よりも低く、庫内が過度に冷却されているような場合に、圧縮機11に吸入する冷媒量を少なくして蒸発器14の熱交換能力を低くし、庫内が過度に冷却されることを回避する。
これとは反対に、吸入比例弁35は、後述のチルド運転における能力制御時に、後述の制御部50による制御の下、吹出空気の温度が設定温度よりも高くなるにつれて、開度が大きくなるように調節される。これによって、吹出空気の温度が設定温度よりも高く、庫内を更に冷却したい場合に、圧縮機11に吸入する冷媒量を多くして蒸発器14の熱交換能力を高め、庫内の冷却を促進する。
また、冷媒回路10には、第1デフロスト管23、第2デフロスト管24、吐出ガスバイパス管25、及び液インジェクション管26が接続されている。
第1デフロスト管23及び第2デフロスト管24は、圧縮機11の吐出管21から分岐するように接続され、圧縮機11から吐出された冷媒を蒸発器14に導入し、蒸発器14に付着した霜を融解させるデフロスト運転用の配管である。第1デフロスト管23及び第
2デフロスト管24は、それぞれの一端が逆止弁31と吐出圧力調整弁32との間に接続され、それぞれの他端が膨張弁13と蒸発器14との間に接続されている。
第1デフロスト管23には、デフロスト運転時に開放されるホットガス電磁弁43が設けられている。第2デフロスト管24には、デフロスト運転時に開放されるデフロスト電磁弁44及びドレンパンヒータ37が設けられている。ドレンパンヒータ37は、コンテナ内において蒸発器14の表面から剥離した霜や結露水を受けるための図略のドレンパン内に設置されている。このため、デフロスト運転時に圧縮機11から吐出された冷媒がドレンパンヒータ37を流通すると、ドレンパン内に回収された霜や結露水の氷塊は、圧縮機11から吐出された冷媒から吸熱して融解する。
吐出ガスバイパス管25は、蒸発器14の冷却能力が過剰となる場合等に、圧縮機11から吐出される冷媒の一部を圧縮機11の吸入側に戻すための配管である。また、吐出ガスバイパス管25は、圧縮機11から吐出された冷媒中の冷凍機油を、圧縮機11の吸入側に戻すための油戻し配管として兼用されている。吐出ガスバイパス管25は、一端が逆止弁31とデフロスト電磁弁44との間に接続され、他端が蒸発器14と吸入比例弁35との間に接続されている。吐出ガスバイパス管25には、後述のチルド運転における能力制御時に、所定の運転条件に応じて適宜開放される吐出ガスバイパス電磁弁45が設けられている。
液インジェクション管26は、凝縮器12で凝縮した液冷媒を圧縮機11の吸入側に返送する所謂液インジェクション用の配管である。液インジェクション管26は、一端がレシーバ33と液電磁弁41との間に接続され、他端が吸入比例弁35と圧縮機11との間に接続されている。液インジェクション管26には、例えば、後述のチルド運転における能力制御時等に、所定の運転条件に応じて適宜開放されるインジェクション電磁弁46が設けられている。
また、冷凍装置1には、各種センサが設けられている。蒸発器14の近傍には、庫内に向けて吹出される吹出空気の温度を検出する吹出温度センサSSと、蒸発器14に送り込まれる庫内空気(吸込空気)の温度を検出する吸込温度センサRSが設けられている。また、蒸発器14の入口側には、蒸発器入口の冷媒の温度を検出する蒸発器入口温度センサEISが設けられ、蒸発器14の出口側には、蒸発器出口の冷媒の温度を検出する蒸発器出口温度センサEOSが設けられている。また、凝縮器12の近傍には、外気温を検出する外気温センサESが設けられている。
圧縮機11の吐出管21には、圧縮機11から吐出された冷媒の温度を検出する吐出温度センサDCHSと、圧縮機11から吐出された冷媒の圧力を検出する高圧圧力センサHPTが設けられている。圧縮機11の吸入管22には、圧縮機11に吸入される冷媒の圧力を検出する低圧圧力センサLPTが設けられている。
また、冷凍装置1は、冷凍装置1の各部の動作制御を司る制御部50を備えている。制御部50は、例えば、CPUと、ROMやRAM等のメモリと、を備えたマイクロコンピュータで構成されており、メモリに記憶された各種制御プログラムをCPUによって実行することによって各部の動作制御を行う。制御部50は、例えば、指示受付部51及び運転制御部52として機能する制御プログラムをCPUによって実行することによって、吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度に基づいて、冷媒回路10の運転制御を行う。
指示受付部51は、リモコン等のユーザーによる操作によって入力された庫内の目標温度(設定温度)や、後述する運転モードの選択指示等、冷凍装置1の運転に係る各種指示
入力を受け付ける。
運転制御部52は、冷媒回路10において、庫内温度を摂氏零度より低い設定温度(例えば、−20℃)まで冷却し、庫内のカーゴを冷凍するフローズン運転と、フローズン運転よりも冷却能力を抑えて、庫内のカーゴを冷蔵するチルド運転と、図略のドレンパン内に回収された蒸発器14の表面から剥離した霜や結露水を融解するデフロスト運転とを切り替えて行う。尚、以下では、運転制御部52により行われるチルド運転の詳細についてのみ説明し、フローズン運転とデフロスト運転の詳細についての説明は省略する。
具体的には、運転制御部52は、例えば、設定温度が所定の温度(例えば−10℃)よりも高い温度(例えば、10℃)の場合にチルド運転を行う。尚、運転制御部52は、設定温度が当該所定の温度(例えば−10℃)よりも低い温度(例えば、−20℃)の場合は、フローズン運転を行う。
運転制御部52は、チルド運転を行う場合には、圧縮機11を連続的に運転して、蒸発器14で庫内空気を継続して冷却する。尚、運転制御部52は、チルド運転を行う場合には、液電磁弁41を常時開放し、他の電磁弁42〜46を必要に応じて開閉する。また、庫外ファン15及び庫内ファン16a,16bを、所定の回転速度で駆動させる。
冷媒回路10においてチルド運転が行われている場合、圧縮機11で圧縮された冷媒は、吐出管21を経由して凝縮器12へ流入する。凝縮器12では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。その後、冷媒は、レシーバ33を経由してエコノマイザ熱交換器34の高圧側流路34aを通過する。液冷媒は、その後、膨張弁13を通過する際に減圧されてから蒸発器14へ流入する。蒸発器14では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。これによって、庫内が冷却される。蒸発器14で蒸発した冷媒は、吸入比例弁35を通過した後に圧縮機11に吸入される。
チルド運転には、複数の運転モードが設けられている。具体的には、庫内にドリアン等のガスを放出する積荷(カーゴ)であるホットカーゴ(熱負荷の高いカーゴ)を冷却するためのホットカーゴモードと、ホットカーゴ以外の通常のカーゴ(熱負荷の低いカーゴ)を冷却するための通常カーゴモードが設けられている。ホットカーゴモードと通常カーゴモードの切り替え(運転モードの選択)は、ユーザーによる手動操作、通信手段などを介して行うことができるように構成されていてもよい。運転モードは、例えば、リモコン等を用いてユーザーによって選択された運転モードが、指示受付部51によって受け付けられることによって設定される。
図2(a)に示すように、このチルド運転において、運転制御部52は、通常カーゴモードまたはホットカーゴモードの何れが設定されていても、プルダウン制御と能力制御とを切り替える制御を行う。
プルダウン制御は、吸入比例弁35を全開にする一方で、外気温センサESで検出された外気温に応じて膨張弁13の開度を調整しつつ、圧縮機11を駆動することによって、庫内を急速に冷却する制御である。
能力制御は、外気温センサESで検出される外気温に応じて膨張弁13の開度を調整し、更に、吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度に応じて吸入比例弁35の開度を調整しつつ、圧縮機11を駆動することによって、プルダウン制御よりも低い冷却能力で庫内を冷却し、庫内温度が設定温度に対して予め定められた温度範囲(例えば、設定温度±0.5℃)を超えないように(すなわち庫内温度がこの温度範囲内となるように)、庫内を適度な温度状態に維持する制御である。
運転制御部52は、プルダウン制御を行っているときに、設定されている運転モードに応じた遷移条件が満たされると、プルダウン制御から能力制御に切り替え、後述の第一の判定条件または第二の判定条件が満たされた場合に、能力制御からプルダウン制御に切り
替える。尚、運転制御部52によるプルダウン制御と能力制御とを切り替える制御の詳細については後述する。
更に、図2(b)に示すように、能力制御には、冷却能力の異なる複数のチルドモードが含まれる。具体的には、チルドモードとして、循環量制御モードと、吐出ガスバイパス電磁弁制御モード(BSV制御モード)と、デフロスト電磁弁制御モード(DSV制御モード)と、ホットガス電磁弁制御モード(HSV制御モード)と、が設けられている。運転制御部52は、これら複数のチルドモードを切り替えて能力制御を行う。
循環量制御モードでは、運転制御部52は、吹出空気の温度に応じて吸入比例弁35の開度を調整することによって、冷媒回路10内に循環させる冷媒量を調整する。運転制御部52は、循環量制御モードが行われているときに、冷凍装置1が後述の第一過冷却条件を満たす状態であることによって、循環量制御モードでは冷却能力が高すぎると判断した場合に、チルドモードをBSV制御モードへ切り替える。
BSV制御モードでは、運転制御部52は、吐出ガスバイパス電磁弁45を開いて、圧縮機11の吐出ガスの一部を吸入側に戻すことによって冷却能力を低下させる。そして、吹出空気の温度が上昇すると、運転制御部52は、これに応じて吸入比例弁35の開度を大きくし、圧縮機11に吸入される冷媒の圧力を上昇させる。
運転制御部52は、BSV制御モードが行われているときに、冷凍装置1が後述の第二過冷却条件を満たす状態であることによって、BSV制御モードでは冷却能力が高すぎると判断した場合に、チルドモードをDSV制御モードへ切り替える。また、運転制御部52は、BSV制御モードが行われているときに、冷凍装置1が後述の第一冷却不足条件を満たす状態であることによって、BSV制御モードでは冷却能力が低すぎると判断した場合に、チルドモードを循環量制御モードへ切り替える。
DSV制御モードでは、運転制御部52は、デフロスト電磁弁44を開閉することによって、吹出空気の温度を一定に維持する。具体的には、運転制御部52は、デフロスト電磁弁44を開くことによって、第2デフロスト管24に高温の冷媒を流入させ、吹出空気の温度を所定温度まで上昇させる。吹出空気の温度の上昇後は、デフロスト電磁弁44を閉じて、吹出空気の温度の上昇を回避する。尚、上記の通り、デフロスト電磁弁44は、本来、図略のドレンパン内に回収された霜や結露水の氷塊を融解すべく、ドレンパンヒータ37に圧縮機11から吐出された高温のガス冷媒を流すために用いられる。
運転制御部52は、DSV制御モードが行われているときに、冷凍装置1が後述の第三過冷却条件を満たす状態であることによって、DSV制御モードでは冷却能力が高すぎると判断した場合に、チルドモードをHSV制御モードへ切り替える。また、運転制御部52は、DSV制御モードが行われているときに、冷凍装置1が後述の第二冷却不足条件を満たす状態であることによって、DSV制御モードでは冷却能力が低すぎると判断した場合に、チルドモードをBSV制御モードへ切り替える。
HSV制御モードでは、運転制御部52は、膨張弁13を閉鎖する(開度を0%にする)とともに吸入比例弁35を全開にし、更に、ホットガス電磁弁43を開くことによって、第1デフロスト管23に高温の冷媒を流入させ、吹出空気の温度を上昇させる。尚、上記の通り、ホットガス電磁弁43は、本来、デフロスト運転中に、圧縮機11から吐出された高温のガス冷媒を蒸発器14に供給して圧縮機11との間で循環させるホットガスデフロストを行うために用いられる。
運転制御部52は、HSV制御モードが行われているときに、冷凍装置1が後述の第三
冷却不足条件を満たす状態であることによって、HSV制御モードでは冷却能力が低すぎると判断した場合に、チルドモードをDSV制御モードへ切り替える。
以下では、図3を用いて、運転制御部52が、チルド運転において、プルダウン制御と能力制御とを切り替えて行う制御の流れについて説明する。
例えば、リモコン等を用いてユーザーによって入力された庫内の設定温度SPが指示受付部51によって受け付けられ、当該受け付けられた設定温度SPが所定の温度(例えば−10℃)よりも高い温度(例えば、10℃)である場合に、運転制御部52は、チルド運転を開始する。運転制御部52は、チルド運転を開始すると、先ず、プルダウン制御を行って庫内を急速に冷却する(ステップS1)。
そして、運転モードとして通常カーゴモードが設定されている場合(ステップS2;通常カーゴモード)、運転制御部52は、吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度が、設定温度SPよりも予め定められた温度ΔT(例えば、1.5℃)分高い温度以上である間、ステップS1のプルダウン制御を継続する(ステップS3;NO)。
一方、運転モードとしてホットカーゴモードが設定されている場合(ステップS2;ホットカーゴモード)、運転制御部52は、吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度が設定温度SP以上である間、ステップS1のプルダウン制御を継続する(ステップS4;NO)。
そして、運転モードとして通常カーゴモードが設定されている場合(ステップS2;通常カーゴモード)に、吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度が設定温度SPよりも予め定められた温度ΔT分高い温度(SP+ΔT)を下回るようになると(ステップS3;YES)、運転制御部52は、プルダウン制御を止めて能力制御を開始し、つまり、チルド運転における制御をプルダウン制御から能力制御へ切り替える(ステップS5)。
また、運転モードとしてホットカーゴモードが設定されている場合(ステップS2;ホットカーゴモード)には、吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度が設定温度SPを下回るようになると(ステップS4;YES)、運転制御部52は、チルド運転における制御をプルダウン制御から能力制御へ切り替える(ステップS5)。尚、能力制御の詳細については後述する。
つまり、ホットカーゴモードでは、例えば、図4の実線のグラフに示すように、プルダウン制御によって、吹出空気の温度が少なくとも設定温度(SP)に到達するまで低下される。つまり、上記特許文献1に記載の技術や通常カーゴモードと同様にして、図4の破線のグラフに示すように、吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度が設定温度SPよりも予め定められた温度分高い温度(SP+ΔT)を下回る時点でプルダウン制御から能力制御への切り替えを行う場合に比して、プルダウン制御から能力制御への切り替え当初の庫内温度が低くなる。
したがって、例えば、庫内にホットカーゴが大量に保管されている場合等、プルダウン制御から能力制御に切り替える際の過渡期に急に庫内温度が上昇するような場合があっても、図4の太線矢印部に示すように、上記特許文献1に記載の技術や通常カーゴモードに比して、能力制御によって庫内温度を設定温度(SP)まで低下させる温度の範囲は低減されるので、庫内温度を設定温度(SP)まで低下させるのに要する時間を短縮することができる。
図3に戻り、運転制御部52は、吹出空気の温度が設定温度SPよりも予め定められた温度T2(例えば5℃)分高い温度(SP+T2)以下の場合は(ステップS6;NO)、能力制御を継続する。そして、吹出空気の温度が設定温度SPよりも予め定められた温度T2分高い温度(SP+T2)を超えると(ステップS6;YES)、能力制御を止めてプルダウン制御を開始し、つまり、チルド運転における制御を、能力制御からプルダウン制御へ切り替える(ステップS1)。
また、吸入比例弁35の開度が、プルダウン制御から能力制御への切り替え時に初期設定される予め定められた初期開度AP0(例えば、50%)よりも大きく(ステップS7;YES)、且つ、吹出空気の温度が設定温度SPよりも、上記予め定められた温度T2(例えば5℃)よりも低い予め定められた温度T1(例えば1℃)分高い温度(SP+T1)を超えている状態(ステップS8;YES)が、予め定められた時間Td(例えば1分)以上継続しているときは(ステップS9;YES)、運転制御部52は、例えばホットカーゴの呼吸熱等によって庫内温度が過度に上昇している状況であり、最早能力制御による冷却能力では冷却しきれない状況であると判断して、YESを示すホットカーゴ判定フラグをRAMに記憶(セット)する(ステップS10)。そして、運転制御部52は、能力制御を止めてプルダウン制御を開始し、つまり、チルド運転における制御を、能力制御からプルダウン制御へ切り替える(ステップS1)。
一方、吸入比例弁35の開度が、1)上記予め定められた初期開度AP0未満である場合(ステップS7;NO)、または、2)吹出空気の温度が設定温度SPよりも予め定められた温度T1分高い温度を超えていない場合(ステップS8;NO)、または、3)吸入比例弁35の開度が予め定められた初期開度AP0(例えば、90%)よりも大きく(ステップS7;YES)、且つ、吹出空気の温度が設定温度SPよりも予め定められた温度T1(例えば1℃)分高い温度を超えている状態(ステップS8;YES)が予め定められた時間Td継続していないとき(ステップS9;NO)は、能力制御を継続する(ステップS5)。
つまり、ステップS7,S8,S9によって、本発明に係る、ホットカーゴモードにおける能力制御からプルダウン制御への切り替え条件である第一の判定条件の一例が構成され、ステップS6によって、本発明に係る、通常カーゴモードにおける能力制御からプルダウン制御への切り替え条件である第二の判定条件の一例が構成されている。
また、ステップS6の判断結果が否定的である場合であっても、吸入比例弁35が初期開度AP0以上に開いており(ステップS7;YES)、且つ、吹出空気の温度が閾値(SP+T1)を超えている状況(ステップS8;YES)が、予め定められた時間Td継続しているとき(ステップS9;YES)には、プルダウン制御への切り替えが行われる。
尚、運転制御部52は、ステップS5の実行後、ステップS6を行わずに、ステップS7以降の処理を行うように簡素化して構成してもよい。また、運転制御部52は、ステップS5の実行後、ステップS6を行った後に、ステップS7以降の処理を行わないように簡素化して構成してもよい。また、運転制御部52は、ステップS5の実行後、ステップS6以降の処理を行わないように簡素化して構成してもよい。
また、運転制御部52は、ステップS2及びステップS3の処理を行わないように簡素化し、且つ、ステップS1の実行後にステップS4の処理を行うようにし、且つ、ステップS5の実行後、ステップS6以降の処理を行わないように簡素化して構成してもよい。
以下では、図5を用いて、運転制御部52が、能力制御において、複数のチルドモード
を切り替えて行う制御の流れについて説明する。
運転制御部52は、能力制御を開始する場合に、先ず、当該能力制御への切り替えが初回であるか否かを判断する(ステップS21)。尚、運転制御部52は、プルダウン制御から能力制御への切り替えを行ったことを示す切替フラグがRAMに記憶されているか否かによって、当該能力制御への切り替えが初回であるか否かを判断する。
運転制御部52は、ステップS21において、RAMに切替フラグが記憶されていないことによって、当該能力制御への切り替えが初回であると判断した場合は(ステップS21;YES)、RAMに当該切り替えを行ったことを示す切替フラグを記憶した後(ステップS33)、高圧圧力センサHPTで検出される圧縮機11から吐出された冷媒の圧力が、予め定められた範囲(例えば、0〜3000kPa)内であって、且つ、予め定められた上限値(例えば、1500kPa)未満であるか否かを判断する(ステップS34)。
また、運転制御部52は、当該能力制御への切り替えが初回でないと判断した場合であっても(ステップS21;NO)、RAMにYESを示すホットカーゴ判定フラグが記憶されていないときには(ステップS22;NO)、ステップS34を実行する。
運転制御部52は、ステップS34において、高圧圧力センサHPTで検出される圧縮機11から吐出された冷媒の圧力が予め定められた範囲内であって、且つ、予め定められた上限値未満であると判断した場合は(ステップS34;YES)、庫内の温度を急速に低下させないように、循環量制御モードよりも冷却能力が低いBSV制御モードで能力制御を開始する(ステップS25)。
一方、運転制御部52は、ステップS34において、高圧圧力センサHPTで検出される圧縮機11から吐出された冷媒の圧力が上記の予め定められた範囲内(例えば、0〜3000kPa)ではない場合、または、上記の予め定められた上限値(例えば、1500kPa)以上であると判断した場合には(ステップS34;NO)、プルダウン制御に比して冷却能力を低下させすぎないようにすべく、冷却能力が最も高いチルドモードである循環量制御モードで能力制御を開始する(ステップS23)。
また、運転制御部52は、当該能力制御への切り替えが初回でないと判断した場合であっても(ステップS21;NO)、RAMにYESを示すホットカーゴ判定フラグが記憶されているとき(ステップS22;YES)は、循環量制御モードで能力制御を開始する(ステップS23)。
そして、循環量制御モードで能力制御を行っているときに、予め定められた第一過冷却条件を満たした場合には(ステップS24;YES)、運転制御部52は、循環量制御モードで能力制御を行うことを止め、BSV制御モードで能力制御を開始し、つまり、チルドモードを循環量制御モードからBSV制御モードへ切り替える(ステップS25)。
尚、第一過冷却条件としては、例えば、1)吹出空気の温度が設定温度SPから0.5℃減じた温度(SP−0.5℃)よりも低い状態が10分連続することや、2)吹出空気の温度が設定温度SPから0.2℃減じた温度(SP−0.2℃)よりも低い状態が30分連続すること等が、試験運転等の実験値に基づいて予め定められている。
また、BSV制御モードで能力制御を行っているときに、予め定められた第一冷却不足条件を満たした場合には(ステップS26;YES)、運転制御部52は、BSV制御モードで能力制御を行うことを止め、循環量制御モードで能力制御を開始し、つまり、チル
ドモードを循環量制御モードへ切り替える(ステップS23)。
尚、第一冷却不足条件としては、例えば、1)吹出空気の温度が、設定温度SPに0.5℃加えた温度(SP+0.5℃)よりも高い状態が20分連続することや、2)高圧圧力センサHPTで検出された冷媒の圧力が900KPを超えている場合、または、設定温度SPが−3℃以上である場合に、吹出空気の温度が、設定温度SPに1℃加えた温度(SP+1℃)未満であって、且つ、吸入比例弁35が、設定温度SPに応じて予め定められた開度(設定温度SPが−5℃未満の場合は36%、設定温度SPが−5℃以上−3℃未満の場合は29%、設定温度SPが−3℃以上の場合は21%等)よりも大きい状態が5分連続すること等が、試験運転等の実験値に基づいて予め定められている。
また、BSV制御モードで能力制御を行っているときに、予め定められた第二過冷却条件を満たした場合には(ステップS27;YES)、運転制御部52は、BSV制御モードで能力制御を行うことを止めて、DSV制御モードで能力制御を開始し、つまり、チルドモードをBSV制御モードからDSV制御モードへ切り替える(ステップS28)。
尚、第二過冷却条件としては、例えば、1)膨張弁13の開度が75%以下であり、且つ、吸入比例弁35の開度が3%未満であり、且つ、吹出空気の温度が、設定温度SPから2℃減じた温度(SP−2℃)以下である状態が30秒連続することや、2)蒸発器出口温度センサEOSで検出された蒸発器14出口の冷媒の温度から蒸発器入口温度センサEISで検出された蒸発器14入口の冷媒の温度を減じて得られる温度差が5℃を超えている状態か、または、吹出空気の温度が、設定温度SPから0.5℃減じた温度(SP−0.5℃)未満である状態が、10分連続することや、3)吹出空気の温度が、設定温度SPから0.2℃減じた温度(SP−0.2℃)よりも低い状態が30分連続すること等が、試験運転等の実験値に基づいて予め定められている。
そして、DSV制御モードで能力制御を行っているときに、予め定められた第二冷却不足条件を満たした場合には(ステップS29;YES)、運転制御部52は、DSV制御モードで能力制御を行うことを止め、BSV制御モードで能力制御を開始し、つまり、チルドモードをBSV制御モードへ切り替える(ステップS25)。
尚、第二冷却不足条件としては、例えば、1)吹出空気の温度が、設定温度SPに0.5℃加えた温度(SP+0.5℃)よりも高い状態が10分連続することや、2)吹出空気の温度が、設定温度SPに1℃加えた温度(SP+1℃)よりも高い状態が5分連続することや、3)設定温度SPが13℃以下に設定されており、高圧圧力センサHPTで検出された冷媒の圧力が850KPaを超えている場合、または、設定温度SPが13℃よりも高く設定され、高圧圧力センサHPTで検出された冷媒の圧力が1350KPaを超えている場合において、デフロスト電磁弁44を開いている状況であり、且つ、吐出温度センサDCHSで検出された圧縮機11から吐出された冷媒の温度が100℃未満であり、且つ、吹出空気の温度が設定温度SPよりも高く、高圧圧力センサHPTで検出される圧縮機11から吐出された冷媒の圧力が、予め定められた範囲(例えば、0〜3000kPa)内であることや、4)設定温度SPが25℃よりも高く設定され、吹出空気の温度が、当該設定温度SPに0.6℃加えた温度(SP+0.6℃)よりも高い状態が3時間連続すること等が、試験運転等の実験値に基づいて予め定められている。
また、DSV制御モードで能力制御を行っているときに、予め定められた第三過冷却条件を満たした場合には(ステップS30;YES)、運転制御部52は、DSV制御モードで能力制御を行うことを止めて、HSV制御モードで能力制御を開始し、つまり、チルドモードをDSV制御モードからHSV制御モードへ切り替える(ステップS31)。
尚、第三過冷却条件としては、例えば、1)吹出空気の温度が、設定温度SPから0.5℃減じた温度(SP−0.5℃)未満である状態が10分連続することや、2)吐出温度センサDCHSで検出された圧縮機11から吐出された冷媒の温度が105℃を超える状態であること等が、試験運転等の実験値に基づいて予め定められている。
そして、HSV制御モードで能力制御を行っているときに、予め定められた第三冷却不足条件を満たした場合には(ステップS32;YES)、運転制御部52は、HSV制御モードで能力制御を行うことを止め、DSV制御モードで能力制御を開始し、つまり、チルドモードをDSV制御モードへ切り替える(ステップS28)。
尚、第三冷却不足条件としては、例えば、1)吹出空気の温度が、設定温度SPに0.5℃加えた温度(SP+0.5℃)を超えている状態が10分連続することや、2)吹出空気の温度が、設定温度SPに1℃加えた温度(SP+1℃)を超えている状態が5分連続すること等が、試験運転等の実験値に基づいて予め定められている。
上記実施形態の構成によれば、設定されている運転モードに応じて、プルダウン制御から能力制御に切り替えるときの遷移条件を、ステップS3またはステップS4の何れにするかを切り替えることができる。このため、例えば、庫内にホットカーゴが保管されている場合には、運転モードとしてホットカーゴモードを選択して、吹出空気の温度が庫内の設定温度SPを下回るまでプルダウン制御を行わせることによって、運転モードとして通常カーゴモードを設定する場合に比して、プルダウン制御から能力制御への切り替え当初の庫内の温度を低くすることができる。
つまり、プルダウン制御から能力制御への切り替える際の過渡期に、ホットカーゴの呼吸熱で庫内温度が急に上昇した場合であっても、運転モードとして通常カーゴモードを設定する場合に比して、プルダウン制御から能力制御への切り替え当初の庫内温度が低くなっているため、能力制御によって庫内温度を設定温度SPに到達させるまでに要する時間が長くなる虞を軽減することができる。
また、庫内にホットカーゴではないカーゴが保管されている場合には、運転モードとして通常カーゴモードを設定して、吹出空気の温度が庫内の設定温度SPよりも予め定められた温度ΔT分高い温度を下回るまでプルダウン制御を行わせることによって、運転モードとしてホットカーゴモードを設定する場合に比して、プルダウン制御から能力制御への切り替え当初の庫内の温度を高くすることができる。
つまり、プルダウン制御から能力制御への切り替える際の過渡期に、運転モードとしてホットカーゴモードを選択する場合に比して、庫内温度が設定温度SPよりも低下する虞を軽減することができ、カーゴを冷却しすぎて損傷させる虞を軽減することができる。
また、能力制御が行われているときに、例えば、蒸発器14に着霜が生じる等して、本来の冷却能力で冷却することができなくなり、吹出空気の温度が設定温度SPよりも第二の予め定められた温度T2分高い温度を超えている状態になったときには、最早、能力制御による冷却能力では庫内を冷却しきれない状況になると考えられる。上記実施形態の構成によれば、能力制御が行われているときに、このように能力制御による冷却能力では庫内を冷却しきれない状況が発生しているか否かを、ステップS6によって適切に判定することができる。
一方、能力制御が行われているときに、例えば、蒸発器14に着霜が生じてはいないが、ホットカーゴの呼吸熱で庫内温度が上昇するような場合には、能力制御では冷却能力が不足しており、吸入調整弁35の開度が、プルダウン制御から能力制御への切り替え時に初期設定される初期開度AP0以上に開いており、つまり、吹出空気の温度が吸入調整弁35の初期開度AP0に対応する温度よりも高く、且つ、吹出空気の温度が、設定温度SPに予め定められた温度T2を加えた温度よりも高くはないが、設定温度SPに予め定められた温度T1加えた温度よりも高いことが、予め想定していた時間Tdよりも長く継続する状態になると考えられる。上記実施形態の構成によれば、このように能力制御が行われているときに、能力制御では冷却能力が不足している状況が発生しているか否かを、ステップS7からステップS9の全てを満たすか否かによって適切に判定することができる。
また、ステップS6で用いられる第一の予め定められた温度T1は、ステップS8で用いられる第二の予め定められた温度T2より低い温度である。このため、ステップS7からステップS9の全てを満たすことによって、能力制御からプルダウン制御に切り替えられる場合には、ステップS6を満たすことによって、能力制御からプルダウン制御に切り替えられる場合に比して、吹出空気の温度が低い状態で能力制御からプルダウン制御に切り替えられるので、能力制御が長引く虞を軽減することができる。
また、ステップS7からS9の全てを満たしてステップS10が行われ、つまり、ホットカーゴの呼吸熱等によって庫内温度が上昇するような状況になり、能力制御による冷却能力では冷却能力が不足している状況になったことが判定されたときは、プルダウン制御から能力制御に切り替えられるときに、ステップS22によって、冷却能力が最大のチルドモードで能力制御が開始される。このため、冷却能力が最大ではないチルドモードで能力制御を開始する場合に比して、冷却能力が不足している状況になる虞を軽減することができる。
また、初めて能力制御に切り替えられた場合や、ステップS7からS9の全てを満たすことなく、ステップS10が行われていない場合は、プルダウン制御から能力制御に切り替えられるときに、ステップS34によって、圧縮機11の吐出側の冷媒の圧力に応じて、冷却能力が最大の循環量制御モードで能力制御を開始するか、循環量制御モードよりも冷却能力が低いBSV制御モードで能力制御を開始するかを適切に切り替えて、庫内を冷却しすぎる虞を軽減することができる。
尚、運転制御部52は、ステップS23において、循環量制御モードで能力制御を開始する場合に、吸入比例弁35の開度を、プルダウン制御から能力制御への切り替え時に初期設定される予め定められた初期開度AP0(例えば、50%)よりも大きい予め定められた開度(例えば、60%)に設定して、能力制御を開始するように構成してもよい。
この構成によれば、プルダウン制御から能力制御に切り替えて、循環量制御モードで能力制御を開始する場合に、吸入比例弁35の開度が、予め定められた初期開度AP0よりも大きい予め定められた開度以下になることを回避することができる。つまり、吸入比例弁35を予め定められた初期開度AP0に調整するときに比して、圧縮機11に吸入する冷媒量を多くすることができ、冷却能力を高めることができる。
また、運転制御部52は、ステップS23において、循環量制御モードで能力制御を開始する場合に、膨張弁13の開度が能力制御における膨張弁13の開度の上限値として予め定められた開度(例えば、50%)以上であるときは、膨張弁13の開度を外気温に応じて予め定められた初期開度(例えば、35%から50%)よりも大きい開度(例えば、75%)に設定して能力制御を開始するように構成してもよい。
一方、膨張弁13の開度が、上記の膨張弁13の予め定められた開度(例えば、50%)未満であるときは、つまり、外気温センサESで検出される外気温が、上記の膨張弁13の予め定められた開度(例えば、50%)に対応する温度未満であるときには、膨張弁13の開度を調整することなく、そのまま能力制御を開始するように構成してもよい。
この構成によれば、プルダウン制御から能力制御に切り替えて、循環量制御モードで能力制御を開始する場合であって、膨張弁13の開度が能力制御における膨張弁13の開度の上限値以上であり、つまり、外気温が膨張弁13の開度の上限値に対応する温度以上であり、冷却能力を高めることが要求される状況のときに、膨張弁13の開度を外気温に応じた初期開度に調整するときに比して、蒸発器14に流れる冷媒量を多くすることができ、これによって、冷却能力を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る冷凍装置1について説明する。図7は、第2実施形態に係る冷凍装置1の概略構成を示す断面図である。図7に示す冷凍装置1は、第1実施形態と同様に、海上輸送等に用いられるコンテナ6の庫内を冷却する。図7に示す冷凍装置1は、上述した図1に示す冷媒回路10を備えている。
図7に示すように、冷凍装置1は、矩形状箱体に形成されたコンテナ6の前面開口部を塞ぐように取り付けられている。コンテナ6の前面開口部には、本体壁2と、隔壁5とが設けられている。本体壁2は、断熱材等で形成され、コンテナ6の前面開口部に固定されて開口部を塞いでいる。本体壁2は、上部3と下部4とを含み、下部4は、上部3よりも内側(庫内側)に凹んだ凹状部を構成している。隔壁5は、上下方向に延びる板状の部材であり、本体壁2より庫内S4側に設けられている。
本体壁2の下部4(凹状部4)は、庫内S4よりも外側に外側空間S1を形成している。また、本体壁2の上部3と隔壁5との間には、内側上部空間S2が形成されている。本体壁2の下部4と隔壁5との間には、内側下部空間S3が形成されている。外側空間S1には、圧縮機11、凝縮器12、庫外ファン15などが配置されている。内側上部空間S2には、蒸発器14、庫内ファン16a,16bなどが配置されている。庫内S4(荷室S4)には、カーゴが収納される。
隔壁5の上部には、内側上部空間S2と庫内S4とを連通する吸込口5aが設けられており、隔壁5の下部には、内側下部空間S3と庫内S4とを連通する吹出口5bが設けられている。庫内ファン16a,16bが運転されると、庫内S4の空気は、吸込口5aを通って内側上部空間S2に流入し、蒸発器14に送られる。蒸発器14に送られた吸込空気は、蒸発器14において冷媒と熱交換した後、内側下部空間S3を経由して吹出口5bを通って庫内S4に吹き出される。庫内S4に吹き出された吹出空気は、庫内S4を循環し、吸込口5aを通って内側上部空間S2に再び流入する。図7には、庫内S4を循環する空気のおおまかな流れを矢印で示しているが、空気の流れは、この矢印に示す経路に限られるものではない。
吸込温度センサRSは、内側上部空間S2において蒸発器14よりも上流側に設けられており、蒸発器14に送られる庫内S4の空気の温度(吸込空気の温度)を検出する。吹出温度センサSSは、内側下部空間S3において吹出口5bの近傍に設けられており、庫内S4に吹き出される空気の温度(吹出空気の温度)を検出する。
上述した第1実施形態では、図4に示したように吹出空気の温度の制御目標値が一定の値(すなわち設定温度SP)であったが、以下に説明する第2実施形態は、吸込空気の温度に基づいて吹出空気の温度の制御目標値が補正される点において、上述した第1実施形態とは異なっている。また、第2実施形態は、吸込空気の温度に基づいて庫内ファン16a,16bの回転速度を変更する点において、上述した第1実施形態とは異なっている。第2実施形態では、これらの構成以外の構成は、第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
図8は、冷凍装置1の制御系及び主要機構の概略構成を示すブロック図である。図8に示すように、制御部50は、各種センサにおいて検知された温度、圧力などに基づいて、圧縮機11、膨張弁13、庫外ファン15、庫内ファン16a,16bなどの運転制御を行う。
図8に示すように、第2実施形態の冷凍装置1では、制御部50は、上述した第1実施形態の制御部50と同様の構成を備え、さらに、温度補正部53としての機能と、庫内ファン制御部54としての機能とを備えている。温度補正部53は、庫内S4の温度に応じて吹出空気の温度の制御目標値を補正する。庫内ファン制御部54は、吸込空気及び吹出空気の流れを形成する庫内ファン16a,16bの回転速度を制御する。すなわち、庫内ファン制御部54は、庫内ファン16a,16bの風量を制御する。庫内ファン16a,16bは、回転速度を変更可能なファンである。庫内ファン制御部54は、庫内ファン16a,16bの回転速度を、互いに速度が異なる複数の回転速度から選択可能である。本実施形態では、庫内ファン16a,16bの回転速度は、高速と低速から選択可能であるように構成されているが、互いに速度が異なる3つ以上の複数の回転速度から選択可能であるように構成されていてもよい。
第2実施形態では、吹出空気の温度の制御目標値として複数の制御目標値が予め定められている。複数の制御目標値は、例えば制御部50のメモリなどに記憶されており、ユーザーによって設定変更可能であってもよい。
第2実施形態では、吹出空気の温度の制御目標値は、第一の制御目標値と、第二の制御目標値と、第三の制御目標値とを含む。第一の制御目標値は、庫内S4の目標温度(設定温度SP)と同じ値(例えば10℃)である。第二の制御目標値は、吸込空気の温度が高い場合(すなわち庫内S4の温度が高い場合)に、庫内S4の冷却を促進するために設けられた値であって、第一の制御目標値よりも小さい値(例えば8℃)である。第三の制御目標値は、第二の制御目標値から第一の制御目標値に戻すときに、制御目標値を段階的に上げるために設けられた値であって、第一の制御目標値よりも小さく、第二の制御目標値よりも大きい値(例えば9℃)である。なお、各制御目標値の具体的な数値は、一例であって、これらの数値に限定されるものではない。
また、第2の実施形態では、吹出空気の温度の制御目標値を補正するときの基準となる基準値と、庫内ファン16a,16bの回転速度を変更するときの基準となる基準値とが予め定められている。これらの基準値は、例えば制御部50のメモリなどに記憶されており、ユーザーによって設定変更可能であってもよい。
第2実施形態では、吹出空気の温度の制御目標値を補正するときの基準となる基準値は、第一の基準値と、第二の基準値とを含み、庫内ファン16a,16bの回転速度を変更するときの基準となる基準値は、第三の基準値と、第四の基準値とを含む。第一の基準値は、庫内S4の冷却不足が生じているか否かを判断するための値であって、庫内S4の目標温度(設定温度SP)よりも大きい値(例えば12℃)である。第二の基準値は、庫内S4の冷却不足が緩和されたか否かを判断するための値であって、第一の基準値よりも小さい値(例えば11℃)である。第三の基準値は、庫内S4の冷却が過度に促進されているか否かを判断するための値であって、第二の基準値よりも小さい値(例えば10.5℃)である。第四の基準値は、庫内S4の冷却不足が緩和された後に、再び庫内S4の冷却不足が生じているか否かを判断するための値であって、第一の基準値よりも大きい値(例えば13℃)である。なお、各基準値の具体的な数値は、一例であって、これらの数値に限定されるものではない。
図9は、チルド運転において運転制御部52によるプルダウン制御から能力制御へ切り替える制御例を示す説明図である。図9は、この制御時の吹出空気の温度及び吸込空気の温度の時系列変化の一例を示すとともに、庫内ファン16a,16bの回転速度の制御例を示している。図9において、実線で示す折れ線は、吹出空気の温度の時系列変化を示しており、破線で示す折れ線は、吸込空気の温度の時系列変化を示している。図10は、運転制御部52によってチルド運転におけるプルダウン制御と能力制御とを切り替える制御の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図9及び図10を参照しながら、第2実施形態における制御例について具体的に説明する。
図9及び図10に示す第2実施形態の制御例では、例えば図3に示した第1実施形態の制御例と同様の条件が満たされると、運転制御部52は、チルド運転を開始する。そして、チルド運転が開始されるときには、まず、運転モードの選択が行われる(ステップS41)。図9及び図10に示す制御例では、熱負荷の高いホットカーゴ用の設定(すなわちホットカーゴモード)が選択される場合を例に挙げて説明する。なお、運転モードの選択は、例えば図3に示した制御例と同様に行われてもよく、また、ユーザーによる手動操作、通信手段などを介して行うことができるように構成されていてもよい。
運転モードの選択が行われると、運転制御部52は、先ず、プルダウン制御を行って庫内S4を急速に冷却する(ステップS42)。運転制御部52は、庫内S4に向けて吹出される吹出空気の温度が少なくとも設定温度SP(第一の制御目標値)に到達するまで、プルダウン制御を行う。吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度が、例えば図9において点Aに到達し、第一の制御目標値を下回るようになると(ステップS43;YES)、運転制御部52は、チルド運転における制御をプルダウン制御から能力制御へ切り替える(ステップS44)。能力制御は、第1実施形態において図5を参照して説明した制御と同様であるので、詳細な説明を省略する。
次に、運転制御部52は、能力制御中において、プルダウン制御への切り替え条件を満たすか否かを判断する(ステップS45)。プルダウン制御への切り替え条件としては、例えば図3に示す第1実施形態の制御と同様の切り替え条件を用いることができるが、これに限られない。具体的に、第2実施形態では、運転制御部52は、ステップS45において、例えば図3に示すステップS6〜ステップS9の切り替え条件と同様の条件に基づいて、能力制御からプルダウン制御への切り替え条件を満たすか否かを判断することができる。なお、第2実施形態においても、運転制御部52は、図10に示すステップS45において、ステップS6と同様の処理を行った後に、ステップS7〜S9の処理を行わないように簡素化した切り替え条件を用いることもできる。
運転制御部52は、プルダウン制御への切り替え条件が満たされる場合(ステップS45;YES)、能力制御を止めてプルダウン制御を開始し、つまり、チルド運転における制御を、能力制御からプルダウン制御へ切り替える(ステップS42)。一方、運転制御部52は、プルダウン制御への切り替え条件が満たされていない場合(ステップS45;NO)、能力制御を継続する。
第2実施形態では、吹出空気の温度が第一の制御目標値まで低下しただけでは庫内S4の温度が十分に低下したとは判断せず、吸込空気の温度も参照する。すなわち、例えば図7に示すように容積の大きな庫内S4に、熱負荷の高い多くのホットカーゴが収納されている場合には、吹出空気の温度が第一の制御目標値まで低下したとしても、ホットカーゴから放出されるガスなどの影響によって庫内S4が十分に冷却されていない状態であることがある。
そこで、第2実施形態では、吹出空気の温度が第一の制御目標値まで低下した場合で、且つ、吸込空気の温度が第一の基準値よりも高い場合には(ステップS46;YES)、依然として庫内S4が冷却不足であると判断されるため、温度補正部53は、吹出空気の温度の制御目標値を第一の制御目標値から第二の制御目標値に補正する(ステップS47)。これにより、運転制御部52は、吹出空気の温度が第二の制御目標値に到達するように冷媒回路10を制御する。
一方、吹出空気の温度が第一の制御目標値まで低下した場合で、且つ、吸込空気の温度が第一の基準値以下である場合には(ステップS46;NO)、制御目標値の補正は行われず、能力制御が継続される(ステップS44)。
制御目標値が第二の制御目標値に補正されると、庫内S4の冷却が強められ、吹出空気の温度が第二の制御目標値に次第に近づいて、これに伴って吸込空気の温度の低下が促進される。そして、吸込空気の温度が第二の基準値よりも低くなった場合には、庫内の冷却不足が解消されたと判断される。具体的には、吸込空気の温度が、例えば図9において点Bの値に到達し、第二の基準値よりも低くなった場合には(ステップS48;YES)、温度補正部53は、制御目標値を第一の制御目標値に補正する(ステップS49)。
一方、吸込空気の温度が第二の基準値以上である場合には(ステップS48;NO)、制御目標値の補正は行われず、能力制御が継続される(ステップS44)。
なお、ステップS49において、制御目標値は、第二の制御目標値から第一の制御目標値まで段階的に上げられるのが好ましい。具体的に、例えば図9に示す制御例では、制御目標値は、第二の制御目標値から第三の制御目標値に上げられる。そして、予め定められた補正条件が満たされると、制御目標値は、第三の制御目標値から第一の制御目標値に上げられる。前記予め定められた補正条件としては、例えば制御目標値が第三の制御目標値に上げられてからの経過時間が所定時間に達することなどが例示できるが、これに限られない。このように制御目標値が段階的に上げられることによって、庫内S4の温度が上昇するのを抑制できるので、温度変化に起因するカーゴに対する影響を小さくすることができる。具体的には、例えば、温度変化に起因してカーゴ(例えば精密機器)において結露が生じるのを抑制することができる。
また、ステップS49において、温度補正部53が制御目標値を第一の制御目標値に補正する制御に加え、庫内ファン制御部54が庫内ファン16a,16bの回転速度を小さくする制御が行われてもよい。
次に、運転制御部52は、庫内ファン16a,16bの回転速度の変更条件が満たされているか否かを判断する(ステップS50)。具体的に、吸込空気の温度が、例えば図9において点Cに到達し、第三の基準値よりも低くなった場合には(ステップS50;YES)、庫内ファン制御部54は、庫内ファン16a,16bの回転速度が小さくなるように庫内ファン16a,16bを制御する(ステップS51)。具体的に、本実施形態では、庫内ファン16a,16bの回転速度が低速に設定される。これにより、庫内風量を下げて、庫内S4の冷却を弱めるとともに、消費電力を低減することができる。なお、吸込空気の温度が第三の基準値よりも低くなった場合であっても、その時点で庫内ファン16a,16bの回転速度が下限値である場合には、庫内ファン16a,16bの回転速度は変更されない。
また、吸込空気の温度が、例えば図9において点Dに到達し、第四の基準値よりも高くなった場合には(ステップS50;YES)、庫内ファン制御部54は、庫内ファン16a,16bの回転速度が大きくなるように庫内ファン16a,16bを制御する(ステップS51)。具体的に、本実施形態では、庫内ファン16a,16bの回転速度が高速に設定される。これにより、庫内風量を上げて、庫内S4全体を再度冷却することができる。なお、吸込空気の温度が第四の基準値よりも高くなった場合であっても、その時点で庫内ファン16a,16bの回転速度が上限値である場合には、庫内ファン16a,16bの回転速度は変更されない。
また、吸込空気の温度が第三の基準値以上であり、且つ、第四の基準値以下である場合には(ステップS50;NO)、庫内ファン16a,16bの回転速度は変更されず、能力制御が継続される(ステップS44)。
また、ステップS50における回転速度の変更条件は、上述した第三の基準値と第四の基準値に基づく条件に加え、吹出空気の温度が第一の制御目標値(設定温度SP)のインレンジ内であるという条件という条件を含んでいるのが好ましい。このように庫内S4の温度(吹出空気の温度)が第一の制御目標値(設定温度SP)の近傍において安定していることを条件として加えることによって、庫内ファン16a,16bの回転速度を変更することに起因する温度変動を小さくすることができる。
能力制御では、例えば吹出空気の温度が第一の制御目標値に対して予め定められた温度範囲(例えば、第一の制御目標値±0.5℃)内となるように、冷媒回路10が制御される。したがって、ステップS50において回転速度を上げるときの好ましい変更条件は、吸込空気の温度が第三の基準値よりも低くなり、且つ、吹出空気の温度が第一の制御目標値に対して予め定められた温度範囲内であることを含む。また、ステップS50において回転速度を下げるときの好ましい変更条件は、吸込空気の温度が第四の基準値よりも高くなり、且つ、吹出空気の温度が第一の制御目標値に対して予め定められた温度範囲内であることを含む。
なお、図9及び図10に示す制御例では、吹出空気の温度が図9において点Aに到達して第一の制御目標値(設定温度SP)を下回るようになると、運転制御部52がプルダウン制御から能力制御へ切り替える制御を行う場合を例示したが、このような制御に限られず、例えば次のような変形例の制御を行ってもよい。
この変形例では、プルダウン制御において、実線で示される吹出空気の温度が図9において点Aに到達して第一の制御目標値(設定温度SP)を下回るようになると、一点鎖線の折れ線で示すようにプルダウン制御を維持した状態で、図10に示すステップS46,S47の処理を行う。この変形例では、吹出空気の温度が第一の制御目標値まで低下し、吸込空気の温度が第一の基準値よりも高い場合には(ステップS46;YES)、温度補正部53は、吹出空気の温度の制御目標値を第一の制御目標値から第二の制御目標値に補正する(ステップS47)。そして、運転制御部52は、プルダウン制御を継続し、吹出空気の温度が第二の制御目標値に到達するように冷媒回路10を制御する。そして、一点鎖線で示される吹出空気の温度が図9において点Eに到達して第二の制御目標値を下回るようになると、運転制御部52は、プルダウン制御から能力制御へ切り替える制御を行い、温度補正部53は、制御目標値を第一の制御目標値に補正する(ステップS49)。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る冷凍装置1について説明する。第3実施形態に係る冷凍装置1は、図1に示す冷媒回路10を備えている。上述した第1実施形態では、吸入比例弁(吸入調整弁)35が圧縮機11に吸入する冷媒量を調節することにより冷媒回路10における冷媒循環量が調節される場合を例示した。これに対し、第3実施形態では、冷媒回路10における冷媒循環量の調節は、主として圧縮機11において冷媒の容量制御をして圧縮機11から吐出される冷媒の流量を調節することによって行われる。
したがって、第3実施形態では、図1中に示された吸入比例弁(吸入調整弁)35を省略することも可能である。ただし、第3実施形態において、冷媒回路10における冷媒循環量の調節は、圧縮機11において冷媒の容量制御をすることと、吸入比例弁(吸入調整弁)35によって圧縮機11に吸入する冷媒量を調節することとを併用してもよい。
第3実施形態において、吸入比例弁(吸入調整弁)35を省略する場合、プルダウン制御では、外気温センサESで検出された外気温に応じて膨張弁13の開度を調整しつつ、圧縮機11を駆動することによって、庫内が急速に冷却される。
また、第3実施形態において、吸入比例弁(吸入調整弁)35を省略する場合、能力制御では、外気温センサESで検出される外気温に応じて膨張弁13の開度を調整し、更に、吹出温度センサSSで検出される吹出空気の温度に応じて圧縮機11において冷媒の容量制御をすることによって、プルダウン制御よりも低い冷却能力で庫内を冷却し、庫内温度が設定温度に対して予め定められた温度範囲(例えば、設定温度±0.5℃)内となるように、庫内が適度な温度状態に維持される。
具体的には、圧縮機11は、能力制御時に、吹出空気の温度が設定温度SPよりも低くなるにつれて、圧縮機11の運転容量が小さくなるように制御される。これによって、吹出空気の温度が設定温度よりも低く、庫内が過度に冷却されているような場合に、冷媒回路10を循環する冷媒量を少なくして蒸発器14の熱交換能力を低くし、庫内が過度に冷却されることを回避する。
これとは反対に、圧縮機11は、能力制御時に、吹出空気の温度が設定温度SPよりも高くなるにつれて、圧縮機11の運転容量が大きくなるように制御される。これによって、吹出空気の温度が設定温度よりも高く、庫内を更に冷却したい場合に、冷媒回路10を循環する冷媒量を多くして蒸発器14の熱交換能力を高め、庫内の冷却を促進する。
例えば圧縮機11がインバーターによる容量可変型の圧縮機である場合には、圧縮機11のモータの周波数(回転数)を調整することによって、圧縮機11の運転容量を制御することができる。すなわち、圧縮機11のモータには、図略のインバーターを介して電力が供給される。インバーターからモータへ供給される交流の周波数(すなわち、圧縮機11の運転周波数)を変化させると、モータの回転速度が変化し、その結果、圧縮機11の運転容量が変化する。また、例えば圧縮機11がモータの回転速度一定の固定容量型の圧縮機である場合には、圧縮機11のモータを間欠的に動作させることによって、圧縮機11の運転容量を制御することができる。
第3実施形態では、図2〜図5に示す第1実施形態と同様の制御を行うことができ、また、図9及び図10に示す第2実施形態と同様の制御を行うことができる。以下、図3に示す制御と図5に示す制御例とを用いて、第3実施形態と第1実施形態との相違点について簡単に説明する。
図3に示す制御において、第1実施形態では、ステップS7において、吸入調整弁35の開度が予め定められた初期開度AP0よりも大きいことを判断条件としている。これに対し、第3実施形態では、図3におけるステップS7において、圧縮機の運転容量が予め定められた運転容量よりも大きいことを判断条件とする。前記予め定められた運転容量としては、インバーターからモータへ供給される予め定められた交流の周波数(すなわち、予め定められた圧縮機11の運転周波数)を例示することができる。なお、第3実施形態において、図3に示すその他のステップは、第1実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
また、図5に示す制御において、第1実施形態では、ステップS23において、循環量制御モードで能力制御を開始する場合に、吸入比例弁35の開度を初期開度AP0よりも大きい予め定められた開度に設定して、能力制御を開始するように構成している。これに対し、第3実施形態では、図5におけるステップS23において、循環量制御モードで能力制御を開始する場合に、圧縮機11の運転容量を、プルダウン制御から能力制御への切り替え時に初期設定される予め定められた運転容量よりも大きい予め定められた運転容量に設定して、能力制御を開始するように構成する。なお、第3実施形態において、図5に示すその他のステップは、第1実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
以上、本発明に係る冷凍装置の実施形態について説明したが、本発明に係る冷凍装置は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば、上記の実施形態では、図5を用いて能力制御において複数のチルドモード(循環量制御モード、BSV制御モード、DSV制御モード、HSV制御モード)が設けられている構成について説明した。しかし、当該構成に代えて、能力制御において1つのチルドモードしか設けられていない場合には、図5におけるステップS24〜S32を省略し、ステップS21、S22、S34の条件によらず、ステップS23を実行するように簡素化して構成してもよい。尚、当該ステップS23は、循環量制御モードに代えて、当該1つしかないチルドモード、つまり、最大の冷却能力を有するチルドモードを実行するように構成されている。
前記第2実施形態では、吸込空気の温度に基づいて吹出空気の温度の制御目標値を補正する制御と、吸込空気の温度に基づいて庫内ファン16a,16bの回転速度を変更する制御とを両方含む場合を例示したが、これに限られない。第2実施形態では、吸込空気の温度に基づいて吹出空気の温度の制御目標値を補正する制御を行う一方で、吸込空気の温度に基づいて庫内ファン16a,16bの回転速度を変更する制御を省略することもできる。
前記実施形態では、冷凍装置1が海上輸送等に用いられるコンテナの庫内を冷却する場合を例に挙げて説明したが、冷凍装置1の用途は、海上輸送等に用いられるコンテナに限られない。冷凍装置1は、例えば倉庫などの庫内を冷却する場合にも用いることができる。
また、上記図1乃至図10に示した構成及び処理は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を当該実施形態に限定する趣旨ではない。
1 冷凍装置
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 凝縮器
13 膨張弁
14 蒸発器(庫内熱交換器)
35 吸入比例弁(吸入調整弁)
50 制御部
52 運転制御部
AP0 (吸入調整弁の)予め定められた初期開度
ES 外気温センサ
SP 設定温度
SS 吹出温度センサ
T1 第一の予め定められた温度
T2 第二の予め定められた温度
Td 予め定められた時間

Claims (15)

  1. 庫内温度が予め定められた温度範囲内で設定された設定温度(SP)になるように庫内を冷却するチルド運転を行う冷凍装置(1)であって、
    前記チルド運転において、プルダウン制御と、前記プルダウン制御よりも低い冷却能力で庫内を冷却する能力制御と、を切り替えて行う運転制御部(52)と、
    圧縮機(11)と、
    庫内熱交換器(14)に流れる冷媒量を調整するための膨張弁(13)と、
    前記圧縮機(11)に吸入する冷媒量を調整するための吸入調整弁(35)と、を備え、
    前記チルド運転における運転モードとして、ホットカーゴを冷却するためのホットカーゴモード及びホットカーゴ以外の通常のカーゴを冷却するための通常カーゴモードが予め定められており、
    前記運転制御部(52)は、庫内に向けて吹出される吹出空気の温度が少なくとも前記設定温度(SP)に到達するまで、前記プルダウン制御を行い、
    前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御では、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて調整するとともに、前記吸入調整弁(35)を全開にして前記圧縮機(11)を駆動し、前記能力制御では、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて調整し、更に、前記吹出空気の温度に応じて前記吸入調整弁(35)の開度を調整しつつ、前記圧縮機(11)を駆動し、
    前記運転モードとして前記ホットカーゴモードが選択されている場合であって、前記プルダウン制御を行っているときに、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)を下回ると、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替え、
    一方、前記運転モードとして前記通常カーゴモードが選択されている場合であって、前記プルダウン制御を行っているときに、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも予め定められた温度(ΔT)分高い温度を下回ると、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える冷凍装置。
  2. 庫内温度が予め定められた温度範囲内で設定された設定温度(SP)になるように庫内を冷却するチルド運転を行う冷凍装置(1)であって、
    前記チルド運転において、プルダウン制御と、前記プルダウン制御よりも低い冷却能力で庫内を冷却する能力制御と、を切り替えて行う運転制御部(52)と、
    圧縮機(11)と、
    庫内熱交換器(14)に流れる冷媒量を調整するための膨張弁(13)と、を備え、
    前記チルド運転における運転モードとして、ホットカーゴを冷却するためのホットカーゴモード及びホットカーゴ以外の通常のカーゴを冷却するための通常カーゴモードが予め定められており、
    前記運転制御部(52)は、庫内に向けて吹出される吹出空気の温度が少なくとも前記設定温度(SP)に到達するまで、前記プルダウン制御を行い、
    前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御では、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて調整するとともに、前記圧縮機(11)を駆動し、前記能力制御では、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて調整するとともに、前記圧縮機(11)を駆動し、
    前記運転モードとして前記ホットカーゴモードが選択されている場合であって、前記プルダウン制御を行っているときに、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)を下回ると、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替え、
    一方、前記運転モードとして前記通常カーゴモードが選択されている場合であって、前記プルダウン制御を行っているときに、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも予め定められた温度(ΔT)分高い温度を下回ると、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える冷凍装置。
  3. 前記能力制御から前記プルダウン制御への切り替え条件として、第一の判定条件と第二の判定条件とが予め定められており、前記第一の判定条件は、前記第二の判定条件よりも低い前記吹出空気の温度が閾値として採用されているとともに、当該温度条件を満たす継続時間が閾値として採用されている条件である請求項に記載の冷凍装置。
  4. 前記能力制御から前記プルダウン制御への切り替え条件として、第一の判定条件と第二の判定条件とが予め定められており、前記第一の判定条件は、前記第二の判定条件よりも低い前記吹出空気の温度が閾値として採用されているとともに、当該温度条件を満たす継続時間が閾値として採用されている条件である請求項2に記載の冷凍装置。
  5. 前記第一の判定条件は、前記吸入調整弁(35)の開度が予め定められた初期開度(AP0)よりも大きく、且つ、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも第一の予め定められた温度(T1)分高い温度を超えている状態が、予め定められた時間(Td)継続していることであり、
    前記第二の判定条件は、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも、前記第一の予め定められた温度(T1)よりも高い第二の予め定められた温度(T2)分高い温度を超えていることである請求項に記載の冷凍装置。
  6. 前記第一の判定条件は、前記圧縮機の運転容量が予め定められた容量よりも大きく、且つ、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも第一の予め定められた温度(T1)分高い温度を超えている状態が、予め定められた時間(Td)継続していることであり、
    前記第二の判定条件は、前記吹出空気の温度が前記設定温度(SP)よりも、前記第一の予め定められた温度(T1)よりも高い第二の予め定められた温度(T2)分高い温度を超えていることである請求項4に記載の冷凍装置。
  7. 前記運転制御部(52)は、前記第一の判定条件を満たした後に、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替えるときは、冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始する請求項3または5に記載の冷凍装置。
  8. 前記運転制御部(52)は、前記第一の判定条件を満たした後に、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替えるときは、冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始する請求項4または6に記載の冷凍装置。
  9. 前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える際に、前記冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始する場合、前記吸入調整弁(35)の開度を、予め定められた初期開度(AP0)よりも大きい開度に設定して、前記能力制御を開始する請求項に記載の冷凍装置。
  10. 前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える際に、前記冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始する場合、前記圧縮機の運転容量を、予め定められた容量よりも大きい容量に設定して、前記能力制御を開始する請求項に記載の冷凍装置。
  11. 前記運転制御部(52)は、前記第二の判定条件を満たした後に、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える際に、前記圧縮機(11)の吐出側の冷媒の圧力が、予め定められた範囲外である場合、または、予め定められた上限値以上である場合は、前記冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始し、
    一方、前記圧縮機(11)の吐出側の冷媒の圧力が、前記予め定められた範囲内であっ
    て、且つ、前記予め定められた上限値未満である場合は、前記冷却能力が最大のチルドモードよりも冷却能力が低いチルドモードで前記能力制御を開始する請求項から10の何れか一項に記載の冷凍装置。
  12. 前記運転制御部(52)は、前記プルダウン制御から前記能力制御に切り替える際に、前記冷却能力が最大のチルドモードで前記能力制御を開始する場合、前記膨張弁(13)の開度が、前記能力制御における前記膨張弁(13)の開度の上限値として予め定められた開度以上であるときは、前記膨張弁(13)の開度を外気温に応じて予め定められた初期開度よりも大きい開度に設定して、前記能力制御を開始し、
    一方、前記膨張弁(13)の開度が、前記予め定められた開度未満であるときは、前記膨張弁(13)の開度を調整することなく、そのまま前記能力制御を開始する請求項から11の何れか一項に記載の冷凍装置。
  13. 前記吹出空気の温度の制御目標値を補正する温度補正部を備え、
    前記制御目標値として、前記設定温度と同じ値である第一の制御目標値と、前記第一の制御目標値よりも小さい値である第二の制御目標値とが予め定められており、
    前記制御目標値が前記第一の制御目標値に設定されて前記プルダウン制御が行われることによって前記吹出空気の温度が前記設定温度に到達し、且つ、庫内から蒸発器に送られる吸込空気の温度が予め定められた第一の基準値よりも高い場合には、前記温度補正部は、前記制御目標値を前記第二の制御目標値に変更し、前記運転制御部は、前記吹出空気の温度が前記第二の制御目標値に到達するように制御を行う、請求項1から12の何れか一項に記載の冷凍装置。
  14. 前記吸込空気の温度が、前記第一の基準値よりも小さい値である予め定められた第二の基準値よりも低くなった場合には、前記温度補正部は、前記制御目標値を前記第一の制御目標値に変更する、請求項13に記載の冷凍装置。
  15. 前記吸込空気及び前記吹出空気の流れを形成する庫内ファンと、
    前記庫内ファンの動作を制御する庫内ファン制御部と、を備え、
    前記吸込空気の温度が前記第一の基準値よりも小さい値である予め定められた第三の基準値よりも低くなった場合には、前記庫内ファン制御部は、前記庫内ファンの回転速度が小さくなるように前記庫内ファンを制御し、
    前記吸込空気の温度が前記第一の基準値よりも大きい値である予め定められた第四の基準値よりも高くなった場合には、前記庫内ファン制御部は、前記庫内ファンの回転速度が大きくなるように前記庫内ファンを制御する、請求項13または14に記載の冷凍装置。
JP2013272555A 2012-12-28 2013-12-27 冷凍装置 Active JP5594425B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013272555A JP5594425B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-27 冷凍装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012288225 2012-12-28
JP2012288225 2012-12-28
JP2013272555A JP5594425B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-27 冷凍装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014142171A JP2014142171A (ja) 2014-08-07
JP5594425B2 true JP5594425B2 (ja) 2014-09-24

Family

ID=51020453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013272555A Active JP5594425B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-27 冷凍装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9829242B2 (ja)
JP (1) JP5594425B2 (ja)
CN (1) CN104870916B (ja)
DK (1) DK179086B1 (ja)
WO (1) WO2014103339A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016080304A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 株式会社鷺宮製作所 冷却庫の制御装置及び制御方法
KR20160084149A (ko) 2015-01-05 2016-07-13 엘지전자 주식회사 냉장고의 제어방법
JP6406214B2 (ja) * 2015-11-04 2018-10-17 株式会社デンソー 収納装置
JP6483061B2 (ja) * 2016-07-14 2019-03-13 オリオン機械株式会社 チラーの制御方法及び装置
WO2018013545A1 (en) * 2016-07-14 2018-01-18 Carrier Corporation Transport refrigeration system and method of operation
JP6474108B2 (ja) * 2016-07-14 2019-02-27 オリオン機械株式会社 チラーの制御方法及び装置
JP2018132247A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 富士電機株式会社 自動販売機
JP6642513B2 (ja) * 2017-05-09 2020-02-05 株式会社デンソー 冷凍装置
CN115003972A (zh) * 2020-02-12 2022-09-02 株式会社电装 空调***、空调控制方法以及空调控制程序
WO2023283483A1 (en) * 2021-07-09 2023-01-12 Phononic, Inc. Control scheme for beverage coolers optimized for beverage quality and fast pulldown time

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4220197A (en) * 1979-01-02 1980-09-02 Dunham-Bush, Inc. High speed variable delivery helical screw compressor/expander automotive air conditioning and waste heat energy _recovery system
JPS6284278A (ja) 1985-10-08 1987-04-17 富士電機株式会社 オ−プンシヨ−ケ−スの庫内温度制御装置
JPS63187061A (ja) 1987-01-28 1988-08-02 ダイキン工業株式会社 冷凍装置の運転制御装置
JP2674245B2 (ja) * 1989-12-11 1997-11-12 ダイキン工業株式会社 コンテナ冷凍装置
US6047557A (en) * 1995-06-07 2000-04-11 Copeland Corporation Adaptive control for a refrigeration system using pulse width modulated duty cycle scroll compressor
KR100404984B1 (ko) * 2000-08-24 2003-11-10 가부시끼가이샤 도시바 냉장고 및 그 제어방법
DE60233567D1 (de) * 2001-06-26 2009-10-15 Daikin Ind Ltd Gefriervorrichtung
US6826917B1 (en) * 2003-08-01 2004-12-07 York International Corporation Initial pull down control for a multiple compressor refrigeration system
CN100483049C (zh) 2003-10-20 2009-04-29 星崎电机株式会社 冷却储藏库
US7237395B2 (en) * 2003-12-22 2007-07-03 General Electric Company Methods and apparatus for controlling refrigerators
JP3864989B1 (ja) * 2005-07-29 2007-01-10 ダイキン工業株式会社 冷凍装置
CN100538202C (zh) * 2005-07-29 2009-09-09 大金工业株式会社 冷冻装置
US20090038322A1 (en) * 2006-03-30 2009-02-12 Carrier Corporation Transport refrigeration unit
JP5027443B2 (ja) * 2006-05-19 2012-09-19 ホシザキ電機株式会社 冷却貯蔵庫
JP5405009B2 (ja) * 2007-09-06 2014-02-05 ホシザキ電機株式会社 冷却貯蔵庫の庫内温度制御装置
JP4289427B2 (ja) * 2007-09-28 2009-07-01 ダイキン工業株式会社 冷凍装置
WO2009061804A1 (en) * 2007-11-09 2009-05-14 Carrier Corporation Transport refrigeration system and method of operation
US20100281894A1 (en) * 2008-01-17 2010-11-11 Carrier Corporation Capacity modulation of refrigerant vapor compression system
US20090248218A1 (en) * 2008-03-28 2009-10-01 Thermo King Corporation Environment control system for a transport unit
US20110174014A1 (en) * 2008-10-01 2011-07-21 Carrier Corporation Liquid vapor separation in transcritical refrigerant cycle
CN102203515A (zh) * 2008-10-31 2011-09-28 开利公司 多区制冷剂蒸气压缩***的控制
US9160258B2 (en) * 2009-07-27 2015-10-13 Rocky Research Cooling system with increased efficiency
JP4770976B2 (ja) * 2009-11-25 2011-09-14 ダイキン工業株式会社 コンテナ用冷凍装置
JP5110192B1 (ja) 2011-06-10 2012-12-26 ダイキン工業株式会社 冷凍装置

Also Published As

Publication number Publication date
DK179086B1 (en) 2017-10-16
WO2014103339A1 (ja) 2014-07-03
CN104870916A (zh) 2015-08-26
US20150330703A1 (en) 2015-11-19
DK201500341A1 (en) 2015-07-13
JP2014142171A (ja) 2014-08-07
US9829242B2 (en) 2017-11-28
CN104870916B (zh) 2017-05-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5594425B2 (ja) 冷凍装置
JP3988780B2 (ja) 冷凍装置
JP4954484B2 (ja) 冷却貯蔵庫
JP3864989B1 (ja) 冷凍装置
JP4289427B2 (ja) 冷凍装置
JP2003207248A (ja) 冷蔵庫
JP5110192B1 (ja) 冷凍装置
WO2005038365A1 (ja) 冷却貯蔵庫
JP5854937B2 (ja) 冷蔵庫
JP4609590B2 (ja) 冷凍装置
JP4334971B2 (ja) 冷却貯蔵庫
US20210302092A1 (en) Method for controlling refrigerator
JP6149921B2 (ja) 冷凍装置
JP6309156B2 (ja) 冷蔵庫
JP6998339B2 (ja) 冷蔵庫
KR100772233B1 (ko) 냉장고 및 냉장고의 제어 방법
JP6888981B2 (ja) 冷凍冷蔵庫
CN111288712B (zh) 冰箱
CN111288713B (zh) 冰箱
JP2013122328A (ja) コンテナ用冷凍装置
JP4286106B2 (ja) 冷凍冷蔵庫
JP2009085552A (ja) 冷蔵庫
JP2002228322A (ja) 冷蔵庫のヒータ制御方法
JP2016057024A (ja) 車両用冷凍装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140708

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140721

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5594425

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151