JP5592291B2 - 密閉型電池及び安全弁 - Google Patents

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Description

本発明は、異常な内部圧力を開放する非復帰式の安全弁を有する密閉型電池、及び、該密閉型電池に用いて好適な非復帰式の安全弁に関する。
周知のように、携帯用の電子機器の電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として、様々な二次電池が提案されている。そして、このような二次電池のうち、特に密閉型の電池には、電池ケースの内部圧力が所定の圧力を超えた場合に開裂するように作動して内部圧力を低下させる安全弁、いわゆる非復帰式の安全弁が設けられていることも多い。こうした安全弁は、発電要素の化学反応によって生じたガスなどによる内部圧力の異常な上昇に反応して作動することでケース内部のガスを排出させるように機能する。そして従来、このような、密閉型電池に用いられる非復帰式の安全弁としては、特許文献1に記載の安全弁が知られている。
この特許文献1に記載の安全弁では、所定の材質のステンレス鋼板からなる弁体に対して開裂に適した所定の形状の薄肉溝を形成するようにしている。そして、電池の内部圧力が設定値に達することに反応して上記溝が開裂作動するように、上記ステンレス鋼板の素材耐力や溝部の板厚等が決定されている。
特開平8−158016号公報
特許文献1に記載の安全弁のように、弁体となるステンレス鋼板の素材耐力や溝部の板厚、形状等を規定することにより、安全弁が作動する圧力の精度、すなわち作動圧力の精度を高めることができるようにはなる。しかし近年、電池ケースの材料の多様化に伴って、安全弁に用いられる材料も金属や樹脂など多様化してきており、どのような材料、材質からなる安全弁であっても作動圧力の精度を適切に維持もしくは向上させることのできる技術が求められている。また、二次電池のみならず一次電池などの電池であれ、密閉型の電池である限り、異常な内部圧力を開放する必要があることに変わりはなく、ひいてはこのような安全弁の作動圧力の精度の維持もしくは向上も、密閉型電池に共通する技術課題となっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池として内部圧力の異常な上昇に反応して非復帰式の安全弁を適切に作動させることのできる密閉型電池、及び該密閉型電池に採用して好適な非復帰式の安全弁を提供することにある。
上記課題を解決する密閉型電池は、開裂により内部圧力を開放させる非復帰式の安全弁を備えた密閉型電池であって、前記安全弁は、区画板に溝として形成された第1の薄肉部と、該第1の薄肉部の少なくとも対向する二側方に位置する態様で前記区画板に曲線状のコーナー部を有する多角形の環状の溝として形成された第2の薄肉部とをそれぞれ有し、前記第1の薄肉部と前記第2の薄肉部とは、前記区画板の肉厚方向において、前記第1の薄肉部の肉厚中心位置が前記第2の薄肉部の肉厚中心位置よりも電池の内部側に位置し、前記第1の薄肉部は、その全ての部分が前記第2の薄肉部によって囲まれているとともに、前記第2の薄肉部のコーナー部近傍まで延出され、前記区画板の平面方向において曲線状に終端する端部を有し、前記第1の薄肉部の端部における曲線と前記第2の薄肉部のコーナー部を形成する曲線の一部とが同心円の一部として形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、区画板にあって内部圧力により外部方向に屈曲して開裂する第1の薄肉部の屈曲点が、同区画板の外部方向への旋回中心となる第2の薄肉部の屈曲点に対し、その旋回方向(開裂方向)に対して電池の内部側に設けられるようになる。このように、区画板の肉厚方向において、第1の薄肉部の屈曲点が第2の薄肉部の屈曲点よりも内側にあるため、安全弁が内部圧力により外部方向に押圧されて第1の薄肉部が外部方向へ移動しようとする場合、第2の薄肉部には第1の薄肉部側から押し開かれる(圧縮される)力が加えられる。このとき、安全弁の剛性が維持されていれば、安全弁にかかる外部方向への押圧力に対して、第2の薄肉部側から対抗する力が生じて前記外部方向への押圧力に対抗する対抗力を生み、第1の薄肉部の外部方向への移動が抑制されるようになる。このようなことから第1の薄肉部は、内部圧力が前記対抗力を超えるまでは外部方向への移動が抑制され、ほとんど変形せず疲労によるひずみが生じないため、同第1の薄肉部には開裂が生じない。
一方、内部圧力が大きくなると、安全弁の変形などにより、外部方向への押圧力がそれに対抗する対抗力よりも大きくなり、その結果、区画板の肉厚方向において、第1の薄肉部が、第2の薄肉部よりも外部側に移動するようになる。外部側に移動された第1の薄肉部は、大きく屈曲変形されるとともに、内部圧力による張力(引き裂かれる力)が作用するようになるなど、ひずみが大きくなり、外部側に移動されていない場合に比較して、急激に開裂しやすくなる。
これにより、第1の薄肉部に生じるひずみの大きさを、安全弁を作動させない領域においては小さくする一方、安全弁を作動させる領域においては大きくするようにすることを、第1の薄肉部が外部側に移動するか否かによって調整することができる。すなわち、異常な内部圧力であり安全弁を作動させたい領域にて第1の薄肉部を外部側に移動させることにより、第1の薄肉部に生じるひずみを急激に大きく立ち上がる特性にして、安全弁の作動/不作動が曖昧な領域を減少させ、安全弁を高い精度で作動させることができるようになる。
例えば、ニッケル水素電池は、通常使用時であれ内部圧力に変動が生じる。このため、このような構造によって、ニッケル水素電池の通常使用時における温度域と経年変化によっては第1の薄肉部に生じる変化を疲労が蓄積しない疲労強度以下にするとともに、異常圧力時には当該圧力に反応して破断するように調整した安全弁をニッケル水素電池に備えることができるようにもなる。
また、第1の薄肉部と第2の薄肉部とにより、第1の薄肉部に生じるひずみが調整されるので、区画板の材質などにかかわらず、安全弁として好適に作動するように調整することができる。
さらに、この安全弁は、区画板に薄肉部を形成した構造からなるため、復帰式安全弁などに比べても部品点数が少なく、組付け時の歩留まりが良く、コストも低くすることができる。
このような構成によれば、第2の薄肉部により安全弁全体が変形しやすくなるとともに、第1の薄肉部を外部方向へ移動させる圧力の調整が容易になる。また区画板の剛性にかかわらず、第2の薄肉部の厚みの調整で内部圧力に応じて安全弁が屈曲変形するように調整することができるようになる。これにより密閉型電池の安全弁を、その材質にかかわらず好適に作動させることができるようになる。
このような構成によれば、コーナー部における第1の薄肉部と第2の薄肉部との間の肉厚が均一になるため、第1の薄肉部が外部方向へ移動されたとき、同コーナー部を屈曲させる力も安定するようになるので安全弁の作動がより安定するようになる。
好ましくは、前記第1の薄肉部は、前記区画板の電池外部側に形成されており、前記第
2の薄肉部は、前記区画板の電池内部側に形成されている。
このような構成によれば、第1の薄肉部を第2の薄肉部に対して内部側に設けられるようになることから、第1の薄肉部の屈曲点を、同屈曲点の外部方向への旋回中心となる第2の薄肉部の屈曲点に対して内部側に設けることが容易になる。
好ましくは、前記区画板は、当該密閉型電池のケースに一体形成されている。
このような構成によれば、安全弁が密閉型電池のケースに一体形成されるようになるので、より一層の部品点数の削減、組付け時の歩留まり向上、コスト削減を図られるようになる。
好ましくは、前記区画板が樹脂板からなる。
このような構成によれば、樹脂製の密閉型電池ケースにも好適な作動特性を有する安全弁を設けることができるようになる。また、第1の薄肉部と第2の薄肉部以外の部分の厚みを厚くすることができるようになることから、全体が膜状の安全弁などに比べて、ガスの透過を抑制することができるようになる。例えば、ニッケル水素電池であれば、水素の透過が抑制されるようになることから、電池としての特性を好適に維持することができるようになる。
上記課題を解決する安全弁は、開裂により容器内部の圧力を開放させる安全弁であって、区画板に溝として形成された第1の薄肉部と、該第1の薄肉部の少なくとも対向する二側方に位置する態様で前記区画板に曲線状のコーナー部を有する多角形の環状の溝として形成された第2の薄肉部とをそれぞれ有し、前記第1の薄肉部と前記第2の薄肉部とは、前記区画板の肉厚方向において、前記第1の薄肉部の肉厚中心位置が前記第2の薄肉部の肉厚中心位置よりも容器の内部側に位置し、前記第1の薄肉部は、その全ての部分が前記第2の薄肉部によって囲まれているとともに、前記第2の薄肉部のコーナー部近傍まで延出され、前記区画板の平面方向において曲線状に終端する端部を有し、前記第1の薄肉部の端部における曲線と前記第2の薄肉部のコーナー部を形成する曲線の一部とが同心円の一部として形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、区画板にあって内部圧力により外部方向に屈曲して開裂する第1の薄肉部の屈曲点が、同区画板の外部方向への旋回中心となる第2の薄肉部の屈曲点に対し、その旋回方向(開裂方向)に対して電池の内部側に設けられるようになる。このように、区画板の肉厚方向において、第1の薄肉部の屈曲点が第2の薄肉部の屈曲点よりも内側にあるため、安全弁が内部圧力により外部方向に押圧されて第1の薄肉部が外部方向へ移動しようとする場合、第2の薄肉部には第1の薄肉部側から押し開かれる(圧縮される)力が加えられる。このとき、安全弁の剛性が維持されていれば、安全弁にかかる外部方向への押圧力に対して、第2の薄肉部側から対抗する力が生じて前記外部方向への押圧力に対抗する対抗力を生み、第1の薄肉部の外部方向への移動が抑制されるようになる。このようなことから第1の薄肉部は、内部圧力が前記対抗力を超えるまでは外部方向への移動が抑制され、ほとんど変形せず疲労によるひずみが生じないため、同薄肉部には開裂が生じない。
一方、内部圧力が大きくなると、安全弁の変形などにより、外部方向への押圧力がそれに対抗する対抗力よりも大きくなり、その結果、区画板の肉厚方向において、第1の薄肉部が、第2の薄肉部よりも外部側に移動するようになる。外部側に移動された第1の薄肉部は、大きく屈曲変形されるとともに、内部圧力による張力(引き裂かれる力)が作用するようになるなど、ひずみが大きくなり、外部側に移動されていない場合に比較して、急激に開裂しやすくなる。
これにより、第1の薄肉部に生じるひずみの大きさを、安全弁を作動させない領域においては小さくする一方、安全弁を作動させる領域においては大きくするようにすることを、第1の薄肉部が外部側に移動するか否かによって調整することができる。すなわち、異常な内部圧力であり安全弁を作動させたい領域にて第1の薄肉部を外部側に移動させることにより、第1の薄肉部に生じるひずみを急激に大きく立ち上がる特性にして、安全弁の作動/不作動が曖昧な領域を減少させ、安全弁を高い精度で作動させることができるようになる。
また、第1の薄肉部と第2の薄肉部とにより、第1の薄肉部に生じるひずみが調整されるので、区画板の材質などにかかわらず、安全弁として好適に作動するように調整することができる。
さらに、この安全弁は、区画板に薄肉部を形成した構造からなるため、復帰式安全弁などに比べても部品点数が少なく、組付け時の歩留まりが良く、コストも低くすることができる。
本発明にかかる非復帰式の安全弁を有する密閉型電池、及び該密閉型電池に採用されて好適な非復帰式の安全弁によれば、密閉型の電池等の容器の内部圧力が異常になったような場合、同異常圧力に反応して安全弁を適切に作動させることができるようになる。
本発明の安全弁を有する密閉型電池を具体化した電池モジュールの一実施形態について、(a)はその平面構造を示す平面図、(b)はその側面構造を示す側面図。 同実施形態の電池モジュールの蓋部について示す図であり、(a)はその平面構造を示す平面図、(b)はその側面構造を示す側面図、(c)はその裏面構造を示す裏面図。 同実施形態の電池モジュールの蓋部に設けられる安全弁の構造を示す拡大図であり、(a)はその表面構造を示す表面図、(b)はその裏面構造を示す裏面図、(c)は(b)のコーナー部の部分拡大図。 同実施形態の安全弁の端面構造を示す端面図であり、(a)は図3(a)の4a−4a線における端面構造を示す端面図、(b)は図3(a)の4b−4b線における端面構造を示す端面図。 同実施形態の安全弁の動作例を図4(a)に示した端面構造に準じて示す模式図であり、(a)は変形前の状態を示す図、(b)は変形を始めた状態を示す図、(c)は降伏点を越えた状態を示す図、(d)は破断により開裂した状態を示す図。 同実施形態の安全弁の第1の薄肉部にかかる内部圧力により同第1の薄肉部に生じるひずみを示すグラフの図。 (a)〜(d)本発明の密閉型電池に採用される安全弁の第2の薄肉部の平面構造について、他の実施形態の平面構造を示す平面図。 (a)〜(d)本発明の密閉型電池に採用される安全弁の第1の薄肉部の平面構造について、他の実施形態の平面構造を示す平面図。 (a)〜(d)本発明の密閉型電池に採用される安全弁の端面構造について、他の実施形態の端面構造を示す端面図。 (a)〜(c)本発明の密閉型電池に採用される安全弁の薄肉部を形成する溝の端面構造について、他の実施形態の端面構造を示す端面図。
以下、本発明にかかる非復帰式の安全弁を有する密閉型電池について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、電池モジュールは、所要の電力容量を得るべく複数(例えば6個)の密閉型電池としての単電池14を電気的に直列接続して構成される。電池モジュールは、複数の個別の直方体状からなる単電池14を最も表面積の広い面(長側面)を縦に見てその側面にあたる短側面同士が互いに対向するように配列した構造となっている。すなわち、この電池モジュールは、例えばニッケル水素蓄電池からなる単電池14を6個連結することにより構成されている。
電池モジュールは樹脂製であり、上部開口を有する樹脂製の一体電槽10と、一体電槽10の上部開口を封止する樹脂製の蓋体20とにより構成されている。一体電槽10には、正極板、負極板、セパレータ、集電板及び電解液などからなる発電要素等を収容する、6個の電槽が設けられており、一体電槽10の上面開口が蓋体20により封止されることによりそれら電槽がそれぞれ非連通状態に区画される。すなわち、これら非連通状態に区画された6個の電槽がそれぞれ単電池14を構成する。なお、各電槽内の発電要素は、単電池14の充放電に伴い生じる化学反応により水素や酸素などのガスを発生させたり、逆に吸収したりする。このようなことから、過度な化学反応などが生じた際、同反応によりガスが過度に発生するようなおそれもある。
電池モジュールの長手方向の両側面には、それぞれ外部端子12、13が設けられている。外部端子12と外部端子13との間には、単電池14が直列接続されていることから、6個の単電池14の総出力がこれら外部端子12,13から取り出される。
電池モジュールの蓋体20には、電池モジュールの内部温度を検出するためのセンサを装着するセンサ装着穴22が設けられている。
また、電池モジュールの蓋体20は、図2(a),(b)に示すように、電池モジュールの上面に対応する表面20aと、図2(b),(c)に示すように、電池モジュールの一体電槽10に接合される裏面20bとを有している。蓋体20の裏面20bは、一体電槽10に形成された単電池14の各電槽に対応するように6つの電槽蓋部23に区画されている。なお本実施形態では、1つの電槽蓋部23にはセンサ装着穴22が形成されるとともに、すべての電槽蓋部23には安全弁40がそれぞれ設けられている。安全弁40は、対応する電槽の内部圧力が、電池モジュール(電槽)の耐圧以下の圧力であるとともに、通常使用時の内部圧力を超過する圧力である異常圧力になった場合に開裂して、電槽内の異常圧力を開放させるものである。これにより、蓋体20により封止された各単電池14の電槽は、その内部圧力が異常圧力になったとき、安全弁40が開裂して異常圧力が開放され、その内部圧力が電槽の耐圧を超えることが防止されるようになっている。
図3(a)に示すように、安全弁40は、単電池14の内部と外部とを区画する板状の区画板としての弁体41を有している。なお本実施形態では、弁体41は樹脂製の蓋体20に一体形成されていることから樹脂板として形成される。弁体41は、電池モジュールの外部側、すなわち蓋体20の表面20a側に弁外面41aを有しているとともに、その弁外面41aに線状の溝としての第1の凹溝42が形成されている。第1の凹溝42は、長手方向中央部を交差させた2本の線からなる形状として形成されているとともに、それぞれの長手方向の端部に曲線状の終端、すなわち凹溝の両側面を連結させる曲面状の終端部42rを有している。また安全弁40は、その弁外面41aが第1の凹溝42によって4つの区画44a〜44dに区分されるとともに、同第1の凹溝42によって各区画44a〜44dの間に第1の凹溝42の底部に対応する第1の薄肉部42aが形成される。
図3(b)に示すように、安全弁40は、弁体41の内部側、すなわち蓋体20の裏面20b側に弁内面41bを有しているとともに、その弁内面41bに線状の溝としての第2の凹溝43が形成されている。第2の凹溝43は、矩形かつ環状の溝として形成されているとともに、同矩形の4つの角部には同角部にて連結される2つの辺を曲線で連結させる曲線状のコーナー部43rが形成されている。また、第2の凹溝43は、弁外面41aに形成された第1の凹溝42の全周を囲うように配置されているため、第1の凹溝42と第2の凹溝43とが交差しない。第1の凹溝42と第2の凹溝43とが交差しないことにより、第1の凹溝42と第2の凹溝43の交差により形成されるおそれのある、極端に薄い部分や穴などが形成されないようになっている。安全弁40の弁内面41bは、第2の凹溝43によって、内周部区画45aと外周部区画45bとに区分されているとともに、第2の凹溝43によって内周部区画45aと外周部区画45bとの間に第2の凹溝43の底部に対応する第2の薄肉部43aが形成される。すなわち、弁外面41aに形成された4つの区画44a〜44dは、弁内面41bの内周部区画45a内に配置されるようになっている。
図3(c)に示すように、第1の凹溝42の終端部42rは、その曲面の曲線が第1の凹溝42の終端部42rに設定される中心点Cを中心とする円弧として形成されている。また、第2の凹溝43のコーナー部43rの曲面の曲線も前記中心点Cを中心とする円弧として形成されている。すなわち、第1の凹溝42の終端部42rの曲面と、第2の凹溝43のコーナー部43rの曲面とは同心円一部としての円弧として形成されている。これにより、図4(b)にも示すように、第1の凹溝42の終端部42rと第2の凹溝43のコーナー部43rとの間に形成される溝間部41cの安全弁40の平面方向に対する厚みD1が均一となる。このため、第1及び第2の凹溝42,43が屈曲して弁体41、すなわち4つの区画44a〜44dが外部方向に移動する際、溝間部41cの屈曲に要する力が安定化されて、第1及び第2の凹溝42,43としても屈曲がより安定し、安全弁40としての作動の安定化も図られるようになる。
これらのことにより、図4(a)に示すように、安全弁40は、その弁内面41bに内部から外部方向への圧力が印加されたとき、同印加された圧力により、弁体41において肉厚が薄いために剛性の低い第1の薄肉部42aや第2の薄肉部43a、とりわけ第1の薄肉部42aに応力が集中するようになっている。第1の薄肉部42aは、弁内面41bと第1の凹溝42の底面との間の肉厚の略中心位置に同第1の薄肉部42aが屈曲する理論的な屈曲点L1を有することとなり、第2の薄肉部43aは、弁外面41aと第2の凹溝43の底面との間の肉厚の略中心位置には第2の薄肉部43aが屈曲する理論的な屈曲点L2を有することとなる。また、屈曲点L1は、屈曲点L2よりも電池の内部側に配置されていることから、屈曲点L1と屈曲点L2との間には外部方向に対する離間距離としてのオフセットD2が設けられる。なお、第1の薄肉部42aや第2の薄肉部43aの形状や材質(例えば複合材)などにより、屈曲点L1や屈曲点L2は必ずしも略肉厚中心位置にならない場合もある。そのような場合であれ、屈曲点L1や屈曲点L2は肉厚中心位置から同様の方向に移動するのであれば屈曲点L1や屈曲点L2との間には適切なオフセットが設けられる。すなわち、肉厚中心位置に適切なオフセットが設けられれば、自ずと第1の薄肉部42aが屈曲する理論的な屈曲点L1と第2の薄肉部43aが屈曲する理論的な屈曲点L2との間にも適切なオフセットが設けられる。
屈曲点L1と屈曲点L2との間にオフセットD2が設けられることにより、屈曲点L1が外部方向に移動しようとする場合、屈曲点L1には、外部方向へ移動しようとする力とともに、屈曲点L1を移動可能に支持している屈曲点L2を弁体41の水平方向に押し広げるような力も加わる。この屈曲点L2を押し広げるような力は、弁体41が撓んだりせず弁体41の剛性が保たれている間は、弁体41には屈曲点L1を外部方向に移動させようとする力に対抗する対抗力が生じるため、屈曲点L1は移動されない。一方、この屈曲点L2を押し広げるような力により第1の薄肉部42aや第2の薄肉部43aが撓むなどして弁体41の剛性が保たれなくなると、弁体41には屈曲点L1を外部方向に移動させようとする力に対抗する対抗力が生じなくなるため、屈曲点L1が外部方向に移動されるようになる。このように、オフセットD2を設けることにより、対抗力−ひずみ曲線(後述する図6参照)において、対抗力は増加せずにひずみだけが増加する降伏点が生じることとなる。これにより、内部圧力が正常使用範囲であり降伏点を越えない場合、安全弁が作動されない一方、内部圧力が異常圧力であり降伏点を越える場合にのみ、安全弁が確実に作動されるようになる。なお、降伏点の圧力は、屈曲点L1と屈曲点L2が同じ高さになる(オフセットがなくなる)ときの圧力であると考えられる。
次に、本実施形態の安全弁40の作用について、図5及び図6を参照して説明する。なお、図5は、図4(a)を説明のために簡略化して描いたものである。また、図5において、電槽の内部圧力が各圧力P1〜P4のいずれであったとしても、説明便宜上、第2の凹溝43の外周には撓みなどの変化は生じないものとする。
図5(a)〜図5(d)に示す圧力P1〜P4の大きさの関係については図6のグラフ50に示している。グラフ50には、電池の内部圧力に応じて第1の薄肉部42aにひずみが生じる関係について示す線51が設けられている。グラフ50によるように、圧力P1は、大気圧との差がほとんど無い場合の圧力であり、圧力P2は、圧力P1より大きいとともに、通常使用領域を少し越え、弁体41の降伏点α1に至るまでの圧力である。また、圧力P3は、圧力P2より大きい圧力である弁体41の降伏点α1の圧力であるとともに、電槽破壊領域に至らないまでの異常上昇した圧力であり、圧力P4は、異常上昇した圧力P3の領域においてひずみが最大値α2になり安全弁40が開裂する圧力である。
図5(a)に示すように、内部圧力が大気圧に近い圧力P1の場合、安全弁40には特別な変化は生じないため、第1の薄肉部42aの屈曲点L1と、同屈曲点L1の基準位置L3とが外部方向に対して同じ位置に配置される。このため、第2の薄肉部43aの屈曲
点L2と、基準位置L3との間の与圧方向に対する距離はオフセットD2と同じ距離となっている。このような場合、第1の薄肉部42aや第2の薄肉部43aは、大きく屈曲されないことから、そこに疲労が蓄積されないため疲労によっては開裂しない。
図5(b)に示すように、内部圧力が安全弁40を降伏点に至らせない圧力P2の場合、安全弁40の弁内面41bが与圧され、弁体41に外部方向へ力がかかる。この際、移動しない外周に連結されている第2の薄肉部43aの移動量は小さく、内周部区画45aの中央部、特に、剛性の低い第1の薄肉部42aの移動量が最も大きくなる。しかしながら、弁体41は圧力P2の押圧力に対抗するように生じた対抗力にて、同圧力P2の押圧力に対抗するため、第1の薄肉部42aは外部方向へ大きく移動することができない。このようなことから第1の薄肉部42aの屈曲点L1が、同屈曲点L1の基準位置L3よりも与圧方向に少し移動するとしても、降伏点となる第2の薄肉部43aの屈曲点L2を過ぎないため、第1の薄肉部42aには常に、外部方向への力に対して反対方向への対抗力が付与される。これによって、第1の薄肉部42aや第2の薄肉部43aは、圧力P2によって降伏点を過ぎるほどには外部方向に大きく屈曲されないこととなり生じるひずみが小さく済まされ、その部材にほとんど疲労が蓄積されないか、蓄積されるとしても僅かであるため、疲労により開裂されない。
図5(c)に示すように、内部圧力が、安全弁40が降伏点を越える圧力P3の場合、安全弁40の弁内面41bが与圧され、弁体41に外部方向へ力が大きくかかる。この際も、内周部区画45aの中央部、特に、剛性の低い第1の薄肉部42aの移動量が最も大きくなる。ところで圧力P3に基づく押圧力により第1の薄肉部42aが外部方向へ移動しようとする際、弁体41から内部方向への対抗力を受けるが、この圧力P3に基づく押圧力による外部方向への力が対抗力を超えるため、弁体41は降伏点を越え、すなわち屈曲点L1が外部方向に屈曲点L2を過ぎて、第1の薄肉部42aは外部方向へ大きく移動するとともに大きく折れ曲がる。また、屈曲点L2を越えて移動した第1の薄肉部42aには、弁体41から内部方向への対抗力等がほとんど生じなくなる一方、第1の薄肉部42aを左右に引っ張る(引き裂く)方向への力が付与されるようになる。このように、とりわけ第1の薄肉部42aは外部方向に大きく屈曲されるとともに張力が印加されるようになるため疲労が蓄積されるようになり、屈曲点L1が屈曲点L2を越えていない場合に比べて一転して、開裂しやすい状態となる。なお本実施形態では、第2の薄肉部43aも屈曲するが屈曲する角度が第1の薄肉部42aよりも小さいため、蓄積する疲労の方が大きい第1の薄肉部42aを開裂させるようにしている。また第2の薄肉部43aは、内部圧力を受けた弁体41が好適に変形するように、すなわち第2の薄肉部43aを旋回中心として各区画44a〜44dがその第1の薄肉部42a側を外部方向へ移動できるようにしている。
図5(d)に示すように、内部圧力が第1の薄肉部42aが開裂される圧力P4の場合、安全弁40の弁内面41bが与圧され、第1の薄肉部42aには外部方向への力(押圧力)とともにそれを左右への張力(引き裂く)なども印加されて疲労が急激に蓄積されるようになる。そして、蓄積された疲労が限界を超えると第1の薄肉部42aが開裂して内部のガスが排出ガスとして排出されることを通じて内部圧力が開放される。これにより、内部の圧力P4が低下することで内部圧力が電槽の耐圧を超えない(電槽破壊領域に至らない)ようになっている。
また、溝間部41cの厚みD1は、薄肉となっていることが好ましい。具体的には、区画板の肉厚(図4(a)のD3)より薄い薄肉となっていることが好ましい。溝間部41cの厚みD1が厚いと、図6における降伏点での立ち上がりが小さくなるため、安全弁40を正常使用範囲では作動させない一方、異常圧力のときには作動するように調節することが困難になるからである。なお、図4(b)では、第1の薄肉部42aの肉厚、第2の
薄肉部43aの肉厚、及び溝間部41cの厚みD1が略同等になっている。このように、溝間部41cの厚みD1は、第1の薄肉部42a又は第2の薄肉部43aと同じ、もしくはそれら以下の厚みであることが、上記効果を顕著に示すためより好ましい。
また、本実施形態では、第1の凹溝42は2本の線状の溝が中央で交差する形状であるため、第1の薄肉部42aも中央で交差する形状となり、その交差点で第1の薄肉部42aに開裂が生じるようになる。このように開裂する点が特定できることにより、開裂が生じる作動圧の調整を行うことが容易にもなる。
以上説明したように、本実施形態の電池用端子によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)弁体41にあって内部圧力により外部方向に屈曲して開裂する第1の薄肉部42aの屈曲点L1が、同弁体41の外部方向への旋回中心となる第2の薄肉部43aの屈曲点L2に対し、その旋回方向(開裂方向)に対して単電池14の内部側に設けられるようになる。このように、第1の薄肉部42aの屈曲点L1が第2の薄肉部43aが屈曲点L2よりも内側にあるため、安全弁40が内部圧力により外部方向に押圧されて第1の薄肉部42aが外部方向へ移動しようとする場合、第2の薄肉部43aには第1の薄肉部42a側から押し開かれる(圧縮される)力が加えられる。このとき、安全弁40の剛性が維持されていれば、安全弁40にかかる外部方向への押圧力に対して、第2の薄肉部43a側から対抗する力が生じて第1の薄肉部42aの外部方向への押圧力に対抗する対抗力を生み、第1の薄肉部42aの外部方向への移動が抑制されるようになる。このようなことから第1の薄肉部42aは、押圧力が対抗力を超えるまでは外部方向への移動が抑制され、ほとんど変形せず疲労によるひずみが生じないため、同第1の薄肉部42aには開裂が生じない。
一方、内部圧力が大きくなることによって、安全弁40の変形などが生じ、外部方向への押圧力がそれに対抗する対抗力よりも大きくなると、その結果、第1の薄肉部42aが、第2の薄肉部43aよりも外部側に移動するようになる。外部側に移動された第1の薄肉部42aは、大きく屈曲変形されるとともに、内部圧力による張力(引き裂かれる力)が作用するようになるなど、ひずみが大きくなり、外部側に移動される前に比較して、急激に開裂しやすくなる。
これにより、第1の薄肉部42aに生じるひずみの大きさを、安全弁40を作動させない領域においては小さくする一方、安全弁40を作動させる領域においては大きくするように、第1の薄肉部42aが外部側に移動するか否かによって調整することができる。すなわち、異常な内部圧力であり安全弁40を作動させたい領域にて第1の薄肉部42aを外部側に移動させるように第1,第2の薄肉部42a,43aの肉厚・位置関係を調整することにより、第1の薄肉部42aに生じるひずみを急激に大きく立ち上がる特性にして、安全弁40の作動/不作動が曖昧な領域を減少させ、安全弁40を高い精度で作動させることができるようになる。
ニッケル水素電池は、通常使用時であれ内部圧力に変動が生じる。このため、このような構造によって、ニッケル水素電池の通常使用時における温度域と経年変化によっては第1の薄肉部42aに生じる変化を疲労が蓄積しない疲労強度以下にするとともに、異常圧力時には当該圧力に反応して破断するように調整した安全弁40をニッケル水素電池に備えることができるようにもなる。
(2)第1の薄肉部42aと第2の薄肉部43aとにより、第1の薄肉部42aに生じるひずみが調整されるので、弁体41の材質などにかかわらず、安全弁40として好適に作動するように調整することができる。さらに、この安全弁40は、弁体41に薄肉部を
形成した構造からなるため、復帰式安全弁などに比べても部品点数が少なく、組付け時の歩留まりが良く、コストも低くすることができる。
(3)第1の薄肉部42aが複数に分岐される線状に構成されることから、第1の薄肉部が外部方向に移動するようになる圧力を調整すること、すなわち、第1の薄肉部42aに生じるひずみを急激に立ち上がるような特性に調整する際の自由度が向上されるようになる。
(4)第2の薄肉部43aを環状の1本の溝として設けたことにより、第2の薄肉部43aにより安全弁40全体が変形しやすくなるとともに、第1の薄肉部42aを外部方向へ移動させる圧力の調整が容易になる。また弁体41の剛性にかかわらず、第2の薄肉部43aの厚みの調整で内部圧力に応じて安全弁40が屈曲変形するように調整することができる。これにより密閉型電池の安全弁40を、その材質にかかわらず好適に作動させることができるようになる。
(5)コーナー部43rにおける第1の薄肉部42aと第2の薄肉部43aとの間の肉厚が均一になるため、第1の薄肉部42aが外部方向へ移動されたとき、同コーナー部43rを屈曲させる力も安定するようになるので安全弁40の作動がより安定するようになる。
(6)第1の凹溝42を弁外面41aに、第2の凹溝43を弁内面41bにそれぞれ形成したことから、第1の薄肉部42aを第2の薄肉部43aに対して内部側に設けられ、第1の薄肉部42aの屈曲点L1を、同屈曲点L1の外部方向への旋回中心となる第2の薄肉部43aの屈曲点L2に対して内部側に設けることが容易になる。
(7)安全弁40が密閉型電池のケースに一体形成されるようになるので、より一層の部品点数の削減、組付け時の歩留まり向上、コスト削減を図られるようになる。
(8)樹脂製の電池モジュールにも好適な作動特性を有する安全弁40を設けた。また、第1の薄肉部42aと第2の薄肉部43a以外の部分の厚みを厚くすることができるようになることから、全体が膜状の安全弁などに比べて、水素や酸素などのガスの透過を抑制することができるようになる。これにより、ニッケル水素電池であれば、水素の透過が抑制されるようになることから、電池としての特性を好適に維持することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記実施形態では、第2の凹溝43が矩形の環状である線状の溝である場合について例示した。しかしこれに限らず、第2の凹溝は、区画板平面方向(図3の紙面平行方向)において、第1の凹溝の少なくとも対向する二側方に位置する態様であれば、多角形や円形、複数の線により構成されるなど、どのような形状であってもよい。例えば、図7(a)〜(d)に示すように、第2の凹溝は、一対の平行な線状の溝60であってもよいし、一対の平行な直線とそれらをつなぐ2つの曲線とからなる線状の溝61であってもよいし、円形の線状の溝62であってもよいし、楕円の線状の溝63であってもよい。これにより、安全弁の設計自由度が高められるようになる。
・上記実施形態では、第1の凹溝42が2本の線が中央で交差する形状の線状の溝である場合について例示した。しかしこれに限らず、第1の凹溝は、少なくとも長手方向側方が第2の凹溝に囲まれる態様であればどのような形状であってもよい。例えば、図8(a)に示すように、第1の凹溝は、2本の線が中央で交差するとともに、それらのなす角度が上記実施形態と大きく相違するような角度である線状の溝70であってもよい。また、
図8(b)〜(d)に示すように、第1の凹溝は、両端がそれぞれ二つに分岐している線状の溝71であってもよいし、両端がそれぞれ三つに分岐している線状の溝72であってもよいし、一本の線状の溝73であってもよい。これにより、安全弁の設計自由度が高められるようになる。
溝71,72のように、溝(第1の薄肉部)が複数に分岐される線状に構成される場合、第1の薄肉部が外部方向に移動するようになる圧力を調整すること、すなわち、第1の薄肉部に生じるひずみを急激に立ち上がるような特性に調整する際の自由度が向上されるようになる。
・上記実施形態では、第1の凹溝42が弁外面41aに、第2の凹溝43が弁内面41bにそれぞれ溝として形成される場合について例示した。しかしこれに限らず、第1の凹溝及び第2の凹溝は、屈曲点L1を屈曲点L2よりも内部側に配置することができるのであれば弁外面や弁内面にどのように形成されてもよい。これにより、安全弁の設計自由度が高められるようになる。
例えば、図9(a)に示すように、第1の凹溝80とそれよりも浅い第2の凹溝81を共に弁外面に設けてもよい。これにより、第1の凹溝80に対応する第1の薄肉部80aが第2の凹溝81に対応する第2の薄肉部81aよりも薄くなるため、第1の薄肉部80aの屈曲点L1を第2の薄肉部81aの屈曲点L2よりも内部側に配置することができる。
また、図9(b)に示すように、第1の凹溝82とそれよりも深い第2の凹溝83を共に弁内面に設けてもよい。これにより、第1の凹溝82に対応する第1の薄肉部82aが第2の凹溝83に対応する第2の薄肉部83aよりも厚くなるため、第1の薄肉部82aの屈曲点L1を第2の薄肉部83aの屈曲点L2よりも内部側に配置することができる。
さらに、図9(c)に示すように、第1の凹溝84を弁外面に、第2の凹溝85を弁内面に設けるとともに、第1の凹溝84に対応する第1の薄肉部84aをさらに薄くする溝を弁内面側に形成し、第2の凹溝85に対応する第2の薄肉部85aをさらに薄くする溝を弁外面側に形成してもよい。これにより、第1の凹溝84に対応する第1の薄肉部84aが第2の凹溝85に対応する第2の薄肉部85aよりも内部側に形成されるため、第1の薄肉部84aの屈曲点L1を第2の薄肉部85aの屈曲点L2よりも内部側に配置することができる。
また、図9(d)に示すように、上記実施形態と同様に、第1の凹溝42を弁外面に、第2の凹溝43を弁内面に設けるとともに、第1の凹溝42と第2の凹溝83との間に他の溝86を弁外面に形成してもよい。これにより、弁体の剛性を調整することができるようにもなる。
・上記実施形態では、第1の凹溝42や第2の凹溝43を形成する溝形状が略矩形状の断面形状である場合について例示した。しかしこれに限らず、第1又は第2の凹溝の溝形状は、第1の薄肉部や第2の薄肉部を適切な形状に形成することができるのであれば、どのような形状であってもよい。例えば、図10(a)〜(c)に示すように、第1や第2の凹溝の溝形状はそれらの断面形状が、矩形形状の溝90であってもよいし、先細りする形状の溝91であってもよいし、少なくとも一部に円形状を含む溝92であってもよいし、これら形状の少なくとも2つが組み合わされたり、共用されるような形状であってもよい。これにより、安全弁の設計自由度が高められるようになる。
・上記実施形態では、図5において、電槽の内部圧力が各圧力P1〜P4のいずれであ
れ、第2の凹溝43の外周は撓まない場合について例示したが、これに限らず、内部圧力に応じて外周が撓んでもよい。通常使用時の内部圧力を超過したときに、弁体が降伏点を越えて変形するように安全弁を設定できれば、降伏点に至るまでに、外周部区画や、内周区画部、第1や第2の薄肉部など弁体のどのような箇所が変形してもよい。これにより、安全弁の設計自由度が高められるようになる。
・上記実施形態では、電池モジュールが樹脂製、すなわち一体電槽10と蓋体20とが樹脂製である場合について例示したが、これに限らず、一体電槽や蓋体は、金属などの樹脂以外の材料により形成されていてもよい。これにより、安全弁を有する電池モジュールの種類を拡大させることができるようになる。
・上記実施形態では、安全弁40の材質と蓋体20の材質とが同じである場合について例示したが、これに限らず、安全弁の材質と蓋体の材質とが異なってもよい。この場合、異なる材料を一体形成したり、蓋体に安全弁を取り付けるようにしてもよい。これにより安全弁の設計自由度が高められるようになる。
・上記実施形態では、安全弁40が蓋体20に一体形成される場合について例示したが、これに限らず、安全弁は別途形成されて蓋体に取り付けられてもよい。これによっても安全弁の設計自由度が高められるようになる。
・上記実施形態では、単電池14それぞれに安全弁を設ける場合について例示したが、これに限らず、電池モジュールにおいて、各単電池の電槽が連通されているような場合、安全弁は連通されている電槽に対して1つだけ設けるようにしてもよい。また、非連通された複数の単電池から構成される電池モジュールにおいて、それら単電池の一部にだけこのような安全弁を設けてもよい。これにより密閉型電池における安全弁の設計自由度などが高められる。
・上記実施形態では、6個の単電池14を電気的に直接接続して構成される電池モジュールについて例示した。しかしこれに限らず、電池モジュールを構成する単電池の数は、6個よりも少なくても、逆に6個よりも多くてもよい。これにより、安全弁が採用される電池モジュールの種類などが拡げられる。
・上記実施形態では、単電池14を複数連結した電池モジュールに安全弁を設ける場合について例示したが、これに限らず、安全弁を、単電池1つだけからなる電池モジュールや、電池モジュール以外の単電池の電槽などに設けることもできる。これにより、安全弁の適用される電池の種類が多様な電池に拡げられる。
・上記実施形態では、ニッケル水素電池からなる電池モジュールである場合について例示したが、これに限らず、電池モジュールなどの電池としては、ニッケルカドミウム電池やリチウムイオン電池等の二次電池(蓄電池)であってもよい。これにより、この電池用端子と、それを用いた電池の適用範囲が拡げられる。
・上記実施形態では、電池が二次電池である場合について例示したが、これに限らず、電池は一次電池でもよい。
・上記実施形態では、安全弁40が密閉型電池に用いられる場合について例示したがこれに限らず、このような安全弁を、密閉型電池に準じ、内部圧力が異常に上昇するおそれのある密閉型の容器に用いることもできる。これにより、このような安全弁の採用可能性が高められるようになる。
10…一体電槽、12,13…外部端子、14…単電池、20…蓋体、20a…表面、20b…裏面、22…センサ装着穴、23…電槽蓋部、40…安全弁、41…弁体、41a…弁外面、41b…弁内面、41c…溝間部、42…第1の凹溝、42a…第1の薄肉部、42r…終端部、43…第2の凹溝、43a…第2の薄肉部、43r…コーナー部、44a〜44d…区画、45a…内周部区画、45b…外周部区画、C…中心点、D2…オフセット、L1,L2…屈曲点、L3…基準位置。

Claims (5)

  1. 開裂により内部圧力を開放させる非復帰式の安全弁を備えた密閉型電池であって、
    前記安全弁は、区画板に溝として形成された第1の薄肉部と、該第1の薄肉部の少なくとも対向する二側方に位置する態様で前記区画板に曲線状のコーナー部を有する多角形の環状の溝として形成された第2の薄肉部とをそれぞれ有し、
    前記第1の薄肉部と前記第2の薄肉部とは、前記区画板の肉厚方向において、前記第1の薄肉部の肉厚中心位置が前記第2の薄肉部の肉厚中心位置よりも電池の内部側に位置し、
    前記第1の薄肉部は、その全ての部分が前記第2の薄肉部によって囲まれているとともに、前記第2の薄肉部のコーナー部近傍まで延出され、前記区画板の平面方向において曲線状に終端する端部を有し、
    前記第1の薄肉部の端部における曲線と前記第2の薄肉部のコーナー部を形成する曲線の一部とが同心円の一部として形成されていることを特徴とする密閉型電池。
  2. 前記第1の薄肉部は、前記区画板の電池外部側に形成されており、
    前記第2の薄肉部は、前記区画板の電池内部側に形成されている
    請求項1に記載の密閉型電池。
  3. 前記区画板は、当該密閉型電池のケースに一体形成されている
    請求項1又は2に記載の密閉型電池。
  4. 前記区画板が樹脂板からなる
    請求項1〜のいずれか一項に記載の密閉型電池。
  5. 開裂により容器内部の圧力を開放させる安全弁であって、
    区画板に溝として形成された第1の薄肉部と、該第1の薄肉部の少なくとも対向する二側方に位置する態様で前記区画板に曲線状のコーナー部を有する多角形の環状の溝として形成された第2の薄肉部とをそれぞれ有し、
    前記第1の薄肉部と前記第2の薄肉部とは、前記区画板の肉厚方向において、前記第1の薄肉部の肉厚中心位置が前記第2の薄肉部の肉厚中心位置よりも容器の内部側に位置

    前記第1の薄肉部は、その全ての部分が前記第2の薄肉部によって囲まれているとともに、前記第2の薄肉部のコーナー部近傍まで延出され、前記区画板の平面方向において曲線状に終端する端部を有し、
    前記第1の薄肉部の端部における曲線と前記第2の薄肉部のコーナー部を形成する曲線の一部とが同心円の一部として形成されていることを特徴とする安全弁。
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