JP5591609B2 - 玉軸受用保持器および玉軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、玉を転動自在に保持する合成樹脂製の玉軸受用保持器、およびその保持器を外輪および内輪間に組み込んだ玉軸受に関する。
例えば、発動機を有する車両のトランスミッションのギヤ支持軸には、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受などの各種の密封型玉軸受が広く使用されている。
この種の玉軸受は、外径面に内側転走面が形成された内輪と、その内輪の外側に配置され、内径面に外側転走面が形成された外輪と、内輪の内側転走面と外輪の外側転走面との間に転動自在に介在された複数の玉と、内輪と外輪との間に配され、各玉を円周方向等間隔に保持する保持器と、内輪と外輪間に形成された環状空間に配されたシール部で主要部が構成されている。この外輪あるいは内輪のいずれか一方がハウジングなどの固定部分に装着され、他方が回転軸などの回転部分に装着される。
特に、電動車両やハイブリッド車両においては、高速のモータ回転が入力されるため、回転軸などの回転部分は高回転となる傾向にある。その結果、潤滑不足、トルク(発熱)、遠心力による保持器の変形などが問題となる。この潤滑不足やトルク(発熱)による保持器の変形に対しては保持器の形状を工夫することで解決することができ、また、軽量な合成樹脂製の保持器を使用することで遠心力による保持器の変形を抑制することが可能である。一方、自動車の電装補機部品(例えば、モータやオルタネータ等)として使用される玉軸受の場合、両側シールによる密封状態で使用されるため、グリース等の潤滑材の使用が必須となる。
このように遠心力による保持器の変形を抑制することを目的とした軽量の合成樹脂製の保持器は種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された保持器は、円環状をなす主部と、その主部の軸方向片面に互いに間隔をあけて円周方向等配で一体的に突設された一対ずつの弾性片とで構成され、これら一対ずつの弾性片の間に凹設されて外径側と内径側とに開口したポケットを備え、そのポケットで玉を転動自在に保持する冠形状を有する。このような冠形状の保持器では、玉を片側のみから保持しており、大きな遠心力を負荷した時に不均等な変形により玉がポケットから脱落したり、内外輪などの他部品と干渉する可能性がある。
このような懸念を解消するため、保持器の形状を軸方向で対称とした保持器が種々提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示された保持器は、一対の環状体を互いに軸方向に結合させた構造を備え、円環状の基部と、その基部から等間隔で立設する柱部とが一体に成形されており、環状体同士を一方の柱部が他方の柱部間の中間点に位置するように対向させ、隣接する柱部間で玉を保持するためのポケットを形成するように結合させたものである。
特開平9−151943号公報 特開平2009−115128号公報
ところで、特許文献1に開示された冠形状の保持器では、前述したように玉を片側のみから保持しており、大きな遠心力を負荷した時に不均等な変形により玉がポケットから脱落したり、内外輪などの他部品と干渉する可能性がある。また、このような懸念を解消するために提案された特許文献2の保持器では、環状体同士を一方の柱部が他方の柱部間の中間点に位置するように対向させ、隣接する柱部間で転動体を保持するためのポケットを形成するように結合させた構造を採用していることから、偶数個の玉については適用可能であるが、奇数個の玉については適用できない。
また、グリース等の潤滑材を使用した密封型玉軸受に組み込む場合、特許文献2に開示された対称形状の保持器では、一対の環状体を柱部で結合させた構造であることから、特許文献1に開示された冠形状の保持器と比べて、玉軸受における内外輪間の空間容積が小さくなり、特に、軸方向寸法が小さいタイプの玉軸受では、潤滑材の封入量を十分に確保することが困難となる可能性がある。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、玉の個数に制約されることなく、十分な強度を確保しつつ、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体が分離することを確実に防止すると共に潤滑材の封入量を十分に確保し得る玉軸受用保持器および玉軸受を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、軸方向に向き合う二枚の環状体の対向面に玉を収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に形成し、その対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させた玉軸受用保持器であって、一方の環状体のポケットの周方向端部外径側を軸方向に延出させて外径側凸部を形成してその内周面を玉と当接可能にすると共に内径側を凹ませて内径側凹部を形成し、かつ、他方の環状体のポケットの周方向端部内径側を軸方向に延出させて内径側凸部を形成してその内周面を玉と当接可能にすると共に外径側を凹ませて外径側凹部を形成し、外径側凸部を外径側凹部に挿入すると共に内径側凸部を内径側凹部に挿入することにより外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させ、外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させ、ポケットの一方の周方向端部に外径側凸部および内径側凹部を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部および外径側凹部を形成したことを特徴とする。なお、本発明における環状体は、保持器の軽量化が図れる点で合成樹脂製であることが有効である。
本発明では、外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させることにより、その外径側凸部と内径側凸部との係合面に沿って摩擦力が発生する。また、外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させたことにより、外径側凸部と内径側凸部との係合面の法線方向に発生した反力の軸方向成分が現出する。この外径側凸部と内径側凸部との係合面に沿って発生する摩擦力と、その係合面の法線方向に発生する反力の軸方向成分との相乗作用により、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体が軸方向に分離することを確実に防止することができる。また、本発明では、環状体のポケットの周方向端部に二枚の環状体の結合部を設けたことにより、偶数個の玉に限らず奇数個の玉にも適用可能であり玉の個数に制約を受けることはない。さらに、ポケット間に位置する柱部が二枚の環状体の結合部ではないことから、潤滑材の封入量を十分に確保できる構造とすることが容易となる。
また、本発明では、ポケットの一方の周方向端部に外径側凸部および内径側凹部を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部および外径側凹部を形成した構造とすることにより、一つの金型で製作した一種の環状体を使用して一方の環状体と他方の環状体とすることができ、製品コストの低減が図れる。
本発明において、外径側凸部と内径側凸部との係合面の傾斜角度を5°以上とすることが望ましい。このように傾斜角度を設定すれば、高回転により大きな遠心力が負荷された時の係合面の変形を抑制することが容易となり、係合面に反力の軸方向成分を確実に作用させることができ、二枚の環状体の結合力を確保することが容易となる。なお、係合面の傾斜角度が5°よりも小さいと、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、係合面の変形を抑制することが困難となり、係合面に反力の軸方向成分を確実に作用させることが難しくなる。
本発明において、内径側凸部を外径側凸部よりも厚肉にした構造が望ましい。このようにすれば、高回転により大きな遠心力が負荷された際、外径側凸部よりも厚肉にした内径側凸部の質量が外径側凸部よりも大きいことから、その内径側凸部が外径側凸部よりも大きく変形する。ここで、外径側凸部と内径側凸部との係合面は、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜していることから、内径側凸部の変形は、外径側凸部と内径側凸部との係合面での結合力を高めるように作用する。
本発明において、外径側凸部と内径側凸部とを三つ以上のポケットの周方向両端部に形成することが望ましい。このようにすれば、外径側凸部と内径側凸部との係合面での結合力を確保することが容易となって二枚の環状体が軸方向に分離することを未然に防止することができる。なお、外径側凸部と内径側凸部とを一つあるいは二つのポケットの周方向両端部に形成するだけでは、外径側凸部と内径側凸部との係合面での結合力を確保することが困難となる。
本発明において、二枚の環状体のポケット位置での軸方向寸法よりも、そのポケット間に位置する柱部の軸方向寸法を小さくした構造が望ましい。このような構造とすれば、この保持器を密封型玉軸受に適用した場合、その玉軸受における内外輪間の空間容積を従来よりも大きくすることができ、潤滑材の封入量を十分に確保することが容易となる。
以上の構成を具備した保持器に、互いに相対回転する外輪および内輪と、外輪と内輪との間に介在する玉とを付加すれば、玉軸受を構成することができる。特に、本発明は、内輪と外輪間に形成された環状空間に配され、弾性部材からなるシールリップを有するシール部を備えた密封型玉軸受に有効である。
本発明によれば、外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させることにより、その外径側凸部と内径側凸部との係合面に沿って発生する摩擦力と、外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させたことにより、外径側凸部と内径側凸部との係合面の法線方向に発生する反力の軸方向成分との相乗作用により、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体が軸方向に分離することを確実に防止することができる。
その結果、玉の個数に制約されることなく、十分な強度を確保しつつ、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体が分離することを確実に防止すると共に潤滑材の封入量を十分に確保し得る玉軸受用保持器を提供することができ、電動車両やハイブリッド車両において使用される高回転軸受に好適な自動車用途の玉軸受を提供できる。
本発明の実施形態で、保持器を構成する二枚の環状体を示す組立分解斜視図である。 結合前の二枚の環状体を示す部分展開図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 結合後の二枚の環状体を示す部分展開図である。 図5のC−C線に沿う断面図である。 図5のD−D線に沿う断面図である。 本発明の実施形態で、図1の保持器を組み込んだ密封型玉軸受を示す断面図である。
本発明に係る玉軸受用保持器および玉軸受の実施形態を以下に詳述する。なお、以下の実施形態では、保持器を密封型玉軸受に適用した場合について説明するが、密封型ではない玉軸受にも適用可能である。
この実施形態の玉軸受1は、図8に示すように、外径面に内側転走面2aが形成された内輪2と、その内輪2の外側に配置され、内径面に外側転走面3aが形成された外輪3と、内輪2の内側転走面2aと外輪3の外側転走面3aとの間に転動自在に介在された複数の玉4と、内輪2と外輪3との間に配され、各玉4を円周方向等間隔に保持する保持器5と、内輪2と外輪3間に形成された環状空間6に配され、弾性部材からなるシールリップを有するシール部7とで主要部が構成されている。
この実施形態では、外輪3がハウジングなどの固定部分に装着され、内輪2が回転軸などの回転部分に装着される。シール部7は、固定側である外輪3の内径端部に装着された芯金8aと、その芯金8aに一体的に加硫接着されたシール部材8bとからなり、そのシール部材8bはゴム等の弾性部材で構成され、その先端部に内輪2の外径端部に接触するシールリップ8cを有する。なお、この実施形態では内輪回転タイプを例示しているが、内輪2がハウジングなどの固定部分に装着され、外輪3が回転軸などの回転部分に装着された外輪回転タイプにも適用可能である。
この玉軸受1は、電動車両やハイブリッド車両において使用される高回転軸受として好適であり、潤滑不足、トルク(発熱)、遠心力による保持器5の変形を抑制することを目的とした軽量の合成樹脂製の保持器5を備えている。この種の保持器5は、図1に示すように、軸方向に向き合う二枚の環状体10の対向面11に玉4(図8参照)を収容する半球状のポケット12を周方向の複数箇所に形成し、環状体10のそれぞれの対向面11を衝合させて二枚の環状体10を結合させた対称形状を有する。この実施形態の保持器5は、これら二枚の環状体10を結合させるための手段として、以下の結合構造を具備する。
図2は結合前の二枚の環状体10を示し、図3は図2のA−A線に沿う断面で、図4は図2のB−B線に沿う断面である。同図に示すように、二枚の環状体10のそれぞれは、ポケット12の一方の周方向端部の外径側を軸方向に延出させて外径側凸部13を形成すると共に内径側を凹ませて内径側凹部14を形成し、かつ、ポケット12の他方の周方向端部の内径側を軸方向に延出させて内径側凸部15を形成すると共に外径側を凹ませて外径側凹部16を形成する。
このように、二枚の環状体10のそれぞれで、ポケット12の一方の周方向端部に外径側凸部13および内径側凹部14を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部15および外径側凹部16を形成した構造を採用したことにより、一つの金型で製作した一種の環状体10を使用して一方の環状体10と他方の環状体10とすることができ、製品コストの低減が図れる。
この構造において、一方の環状体10の外径側凸部13を他方の環状体10の外径側凹部16に挿入すると共に一方の環状体10の内径側凸部15を他方の環状体10の内径側凹部14に挿入することにより、外径側凸部13と内径側凸部15を軸方向で係合させる。また、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aを、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させている(図3および図4参照)。
図5は結合後の二枚の環状体10を示し、図6は図5のC−C線に沿う断面で、図7は図5のD−D線に沿う断面である。同図に示すように、二枚の環状体10のそれぞれの対向面11を衝合させ、外径側凸部13と内径側凸部15を所定の締め代でもって軸方向で係合させることにより、その外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aに沿って摩擦力が発生する。また、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aを、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させたことにより、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aの法線方向に発生した反力の軸方向成分が現出する。
この外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aに沿って発生する摩擦力と、その係合面13a,15aの法線方向に発生する反力の軸方向成分との相乗作用により、高回転により大きな遠心力が負荷された場合であっても、二枚の環状体10が軸方向に分離することを確実に防止することができる。
このように、環状体10のポケット12の周方向両端部に、外径側凸部13および内径側凹部14と内径側凸部15および外径側凹部16からなる結合部を設けたことにより、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、一方の環状体10と他方の環状体10が相互に軸方向外側へ離隔してポケット12が開こうとしても、前述の結合部により玉4をポケット12内に収容した状態を維持することが容易となる(図5参照)。
また、環状体10のポケット12の周方向端部に二枚の環状体10の結合部を設けたことにより、偶数個の玉に限らず奇数個の玉にも適用可能であり玉の個数に制約を受けることはない。さらに、ポケット12間に位置する柱部17が二枚の環状体10の結合部ではないことから、潤滑材の封入量を十分に確保できる構造とすることが容易となる。
つまり、図5に示すように、二枚の環状体10のポケット位置での軸方向寸法Wよりも、そのポケット間に位置する柱部17の軸方向寸法Wを小さくした構造としている(W>W)。このような構造とすることにより、この保持器5を密封型玉軸受に適用した場合、その玉軸受における内外輪間の空間容積を従来よりも大きくすることができ、潤滑材の封入量を十分に確保することが容易となる。
この実施形態では、外径側凸部13と内径側凸部15とを全てのポケット12の周方向両端部に形成した場合を例示しているが、外径側凸部13と内径側凸部15とは三つ以上のポケット12の周方向両端部に形成すればよい。このように外径側凸部13と内径側凸部15とを三つ以上のポケット12の周方向両端部に形成すれば、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aでの結合力を確保することが容易となって二枚の環状体10が軸方向に分離することを未然に防止することができる。なお、外径側凸部13と内径側凸部15とを一つあるいは二つのポケット12の周方向両端部に形成するだけでは、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aでの結合力を確保することが困難となる。
この実施形態の結合構造では、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aの傾斜角度θ(図3および図4参照)を5°以上とする必要がある。このように傾斜角度θを設定することにより、高回転により大きな遠心力が負荷された時の係合面13a,15aの変形を抑制することが容易となり、係合面13a,15aに反力の軸方向成分を確実に作用させることができて二枚の環状体10の結合力を確保することが容易となる。なお、係合面13a,15aの傾斜角度θが5°よりも小さいと、高回転により大きな遠心力が負荷された場合、係合面13a,15aの変形を抑制することが困難となり、係合面13a,15aに反力の軸方向成分を確実に作用させることが難しくなる。
また、この結合構造では、図6および図7に示すように、内径側凸部15を外径側凸部13よりも厚肉にしている(tIN>tOUT)。このように内径側凸部15を外径側凸部13よりも厚肉にすることにより、高回転により大きな遠心力が負荷された際、外径側凸部13よりも厚肉にした内径側凸部15の質量が外径側凸部13よりも大きいことから、その内径側凸部15が外径側凸部13よりも大きく変形する。
ここで、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aは、外径側凸部13および内径側凸部15の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜していることから、内径側凸部15の変形は、外径側凸部13と内径側凸部15との係合面13a,15aでの結合力を高めるように作用する。
以上で説明した二枚の環状体10は、保持器5の軽量化が図れる点で合成樹脂製としている。ここで、コスト面や耐油性の点を考慮すれば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA66(ポリアミド66)あるいはPA46(ポリアミド46)から選択されたいずれか一つの合成樹脂で成形することが有効である。例えば、使用油の中に樹脂攻撃性の成分(リン、硫黄)が多く含まれている場合には、耐油性の優劣がPPS>PA46>PA66であることから、PPSを使用することが好ましい。また、樹脂材料の価格を考慮すれば、PA66>PA46>PPSであることから、使用油の樹脂攻撃性を考慮した上で材料を選定することが望ましい。なお、その他の樹脂材料としては、PA9T(ポリアミド9T)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やフェノール樹脂を使用することが可能である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 玉軸受
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 保持器
6 環状空間
7 シール部
8c シールリップ
10 環状体
11 対向面
12 ポケット
13 外径側凸部
13a 係合面
14 内径側凹部
15 内径側凸部
15a 係合面
16 外径側凹部
17 柱部
θ 傾斜角度

Claims (8)

  1. 軸方向に向き合う二枚の環状体の対向面に玉を収容する半球状のポケットを周方向の複数箇所に形成し、前記対向面を衝合させて二枚の環状体を結合させた玉軸受用保持器であって、
    一方の環状体のポケットの周方向端部外径側を軸方向に延出させて外径側凸部を形成してその内周面を前記玉と当接可能にすると共に内径側を凹ませて内径側凹部を形成し、かつ、他方の環状体のポケットの周方向端部内径側を軸方向に延出させて内径側凸部を形成してその内周面を前記玉と当接可能にすると共に外径側を凹ませて外径側凹部を形成し、前記外径側凸部を外径側凹部に挿入すると共に前記内径側凸部を内径側凹部に挿入することにより前記外径側凸部と内径側凸部を軸方向で係合させ、前記外径側凸部と内径側凸部との係合面を、外径側凸部および内径側凸部の基端側よりも先端側が厚肉となるように軸方向に対して傾斜させ、前記ポケットの一方の周方向端部に外径側凸部および内径側凹部を形成すると共に、他方の周方向端部に内径側凸部および外径側凹部を形成したことを特徴とする玉軸受用保持器。
  2. 前記外径側凸部と前記内径側凸部との係合面の傾斜角度を5°以上とした請求項1に記載の玉軸受用保持器。
  3. 前記内径側凸部を前記外径側凸部よりも厚肉にした請求項1又は2に記載の玉軸受用保持器。
  4. 前記外径側凸部と前記内径側凸部とを、三つ以上のポケットの周方向両端部に形成した請求項1〜3のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
  5. 前記二枚の環状体のポケット位置での軸方向寸法よりも、前記ポケット間に位置する柱部の軸方向寸法を小さくした請求項1〜のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
  6. 前記環状体は合成樹脂製である請求項1〜のいずれか一項に記載の玉軸受用保持器。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の保持器と、互いに相対回転する外輪および内輪と、前記外輪と内輪との間に介在する玉とを備えた玉軸受。
  8. 前記内輪と外輪間に形成された環状空間に配され、弾性部材からなるシールリップを有するシール部を備えた請求項に記載の玉軸受。
JP2010165084A 2010-07-22 2010-07-22 玉軸受用保持器および玉軸受 Expired - Fee Related JP5591609B2 (ja)

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