JP5590871B2 - 特殊形状を有する麺状食品 - Google Patents

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Description

本発明は、食用に供するに値する、大豆調製物などを主原料とする特殊形状を有する麺状食品を提供することに関する。
大豆タンパク質、豆腐、全粒大豆粉、豆乳、オカラなど、大豆調製物を主原料とした麺状食品の製造は、大豆調製物の粘性が低いために単独では麺状にすることが困難であり、増粘性物質の添加により粘性を補強することが知られている。そして、豆乳あるいは豆腐をペースト状にしたものに、増粘剤としてアルギン酸ナトリウムを添加し、麺状に成型した後、塩化カルシウムなどのCa塩と反応させてゲルを形成させることにより麺状食品を調製することができることが知られている。アルギン酸ナトリウムとCa塩を反応させて作られたゲルは熱に対して安定で、他のゲル化剤、例えばゼラチンやカラギーナン、寒天などと違って、加熱しても溶解しない特徴を持っている(熱不可逆性)。
そのため、調理や殺菌の目的で食品を加熱しても、アルギン酸ナトリウムとCa塩とを組み合わせて調製された食品は、その形状が崩れることがなく、その形状のまま食用に供することができるという特徴を有することが知られている。このような特性を生かし、アルギン酸ナトリウムを用いて麺状食品を調製しようという試みが行われてきた。
しかしながら、従来からのアルギン酸ナトリウムとCa塩(塩化カルシウムなど)とを利用して調製された麺は、丸麺状で細く、ボリューム感に欠けるものしかできなかった。断面形状を丸以外の形状にした場合(例えば、きし麺状や太麺などの他、断面形状が楕円形のものなど、以下「特殊形状」という。)には、固まるまでのあいだに形状が変化し、断面の形状が丸くなってしまうという欠点があった。このような状況の下、これまでに、断面形状が丸以外の特殊な形状を有する麺状食品を調製することを目的として、アルギン酸ナトリウム濃度を上昇させることが検討された。しかしながら、アルギン酸ナトリウム濃度を単独で上昇させても上記特殊形状を成形維持するための粘性が十分に得られない。従って、他の増粘剤の添加が必要となる。一方アルギン酸ナトリウム及び他の増粘剤の濃度を高くした場合には、麺の特殊形状は確保されるものの、麺状食品の硬度が高くなりすぎて、食用に供することができないという問題点があった。そのため、従来技術においては、食用に供するに値する食感を有しつつ、断面形状が丸以外の特殊な形状をした麺状食品を提供することができなかった。
本発明は、喫食時においても麺としての品質を損なわず、適度な食感を有し、食用として上市しうる品質を確保することができる、断面形状が丸以外の、様々な特殊な形状の麺状食品を提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意研究を行った結果、アルギン酸ナトリウムとカードランを含む混合物を、温水中でCa塩(塩化カルシウムなど)と反応させることにより、様々な特殊な断面形状に成形したのち固まるまでのあいだに形状が変化しにくくなり、しかも麺状食品の硬度が高くなりすぎることを防止して、喫食時に適切な硬度を有する麺状食品を提供することができることを初めて見出し、上記課題を解決することができることを示した。
具体的には、一態様において、大豆調製物に、アルギン酸ナトリウムとカードランを添加して麺状に成型し、カルシウム温水溶液中に吐出して凝固させた後、食塩を含有する溶液中で処理することを特徴とする、麺状食品を提供する。
本発明は別の一態様において、大豆調製物に、アルギン酸ナトリウムおよびカードランに加えて、こんにゃく粉を増粘性物質としてさらに添加し、これを様々な特殊な断面形状の麺状に成型し、カルシウム温水溶液中に吐出して凝固させた後、食塩を含有する溶液中で処理することを特徴とする、麺状食品もまた、提供する。
本発明の構成を有しそして本発明の方法により調製した麺状食品は、様々な特殊な断面形状に成形したのち固まるまでのあいだに形状が変化しにくい物性となり、結果として丸麺以外の様々な断面形状を有する麺状食品とすることができる。また、本発明の方法により作製した麺状食品は、喫食時においても麺としての品質を損なわず、適度な食感を有し、食用として上市しうる品質を確保することができるものである。
図1は、本発明に記載のアルギン酸ナトリウムおよびカードランを含む組成の原料から調製された、断面形状が丸以外の形状の大豆麺を示す。
本発明において、アルギン酸ナトリウムとカードランを含む混合物を、温水中でCa塩(塩化カルシウムなど)と反応させることにより、様々な特殊な断面形状に成形したのち固まるまでのあいだに形状が変化しにくい物性となり、しかも凝固後、食塩水で処理することでアルギン酸ナトリウムとCa塩の反応による凝固を緩和させることで麺状食品の硬度が高くなりすぎることを防止して、喫食時に適切な硬度を有する麺状食品を提供することができることを初めて見出した。
本発明は、一態様において、大豆調製物に、アルギン酸ナトリウムとカードランを添加して麺状に成型し、カルシウム温水溶液中に吐出して凝固させた後、食塩を含有する溶液中で処理することを特徴とする、麺状食品を提供する。
本発明は別の一態様において、大豆調製物に、アルギン酸ナトリウムおよびカードランに加えて、こんにゃく粉を増粘性物質としてさらに添加し、これを様々な特殊な断面形状の麺状に成型し、カルシウム温水溶液中に吐出して凝固させた後、食塩を含有する溶液中で処理することを特徴とする、麺状食品もまた、提供する。
本明細書中で「大豆調製物」とは、大豆由来の液体状の調製物であり、大豆由来成分以外の成分が含まれていてもよい。本発明において使用することができる大豆調製物には、豆乳、大豆粉を水に溶かした大豆粉液、呉液などが含まれるが、これらには限定されない。この様な大豆調製物を調製する際に原料として使用する大豆は、サイズ、品種によって何ら制限されることはなく、大粒大豆、中粒大豆、小粒大豆のいずれのサイズであっても、また黄色大豆、黒大豆、青大豆、赤大豆、茶大豆などのいずれの品種であってもよい。
本発明においては、上記の大豆調製物に加えてまたは大豆調製物に代えて、野菜、穀物、海草処理物を使用することもできる。
大豆調製物のゲル形成のために使用する増粘性物質は、アルギン酸ナトリウムおよびカードランを必須の構成要素として使用し、アルギン酸ナトリウムおよびカードランのみを使用することができる他、アルギン酸ナトリウムとカードランとにそれら以外の増粘性物質とを組み合わせて使用することもできる。
アルギン酸ナトリウムは、コンブ、ワカメに代表される褐藻類の天然海藻から得られた天然多糖類であり、アルギン酸とNaイオンの結合した塩である。アルギン酸ナトリウムは、成形した後カルシウム塩を含有する溶液(カルシウム溶液)中で反応させることにより、成形した食品をゲル化することができる。この目的で使用することができるカルシウム溶液としては、塩化カルシウム溶液、乳酸カルシウム溶液、硫酸カルシウム溶液、クエン酸カルシウム溶液などを使用することができるが、これらには限定されない。本発明においては、食品添加物グレードのアルギン酸ナトリウムであれば、どのような市販品でも使用することができる。
カードランは、ほぼ純粋な直鎖のβ1,3-グルカンであり、アルカリ溶液に可溶であり、加熱すると熱硬化性のゲルを作るという性質を有する。このように、カードランは加熱するとゲル化するという性質を有していることから、食品を成形した後、75〜100℃の温水中で処理することにより、成形した食品をゲル化することができる。本発明においては、食品添加物グレードのカードランであれば、どのような市販品でも使用することができる。
本発明の麺状食品を調製するために増粘性物質として使用されるアルギン酸ナトリウムは、0.45〜1.76重量%の範囲で添加することができる。本発明においては、麺状食品を成形する際に、丸形の麺以外の断面形状の麺状食品を作製するため、成型時の混合物の粘性を高く設定してある。そのため、そのまま従来の方法に従って、麺状食品をカルシウム溶液中で反応させてゲル化させた場合、ゲル強度が必要以上に高くなり、麺状食品の硬度が高くなりすぎるという問題点が生じる。この様な問題を解消し、喫食時に適切な硬度を有する麺状食品を提供することを目的として、麺状に成型しカルシウム溶液中で反応させた後、食塩を含有する溶液中においてさらに処理する。これは、アルギン酸ナトリウムをカルシウム溶液中で反応させてゲル化した場合に、ゲル化後に食塩を含有する溶液中で処理すると、一旦軟質化して強度が低下するものの、その後軟質化が停止し、強度の低下が生じなくなることを見出したことに基づく。本発明において、食塩濃度は0.5〜3.0重量%の範囲であることを特徴とする。食塩濃度は、基本的に混合物中に含まれるアルギン酸ナトリウムの濃度と相関しており、アルギン酸ナトリウムの濃度が低い場合には食塩濃度も低くし、アルギン酸ナトリウムの濃度が高い場合には食塩濃度も高くするよう、適宜調整する。
また、本発明の麺状食品を調製するために増粘性物質として使用されるカードランは、0.20〜1.47重量%で添加することができる。カードランは加熱するとゲル化するという性質を有していることから、混合物を成形した後、75〜100℃の温水中で処理することにより、成形した食品をゲル化することができる。
これらの内容を総合して、本願発明の混合物は、必須の構成要素としてアルギン酸ナトリウムとカードランとを含むことから、糊状の混合物を麺状に成型する際には、カルシウム塩を含有する溶液中で吐出加工をすることにより、麺状に成形された混合物のアルギン酸ナトリウムの作用によるゲル化を促進しつつ、かつカルシウム溶液の温度を高める(75〜100℃)ことにより、麺状に成形された混合物のカードランの作用によるゲル化を同時に促進することができる。
アルギン酸ナトリウムおよびカードランとともに使用することができるその他の増粘性物質としては、こんにゃく粉などを使用することができる。こんにゃく粉は、こんにゃく芋を薄く切って乾燥させ、さらに細かく粉砕して粉末状にした粉末乾燥物(精粉)であり、この粉末中に含まれる食物繊維成分マンナンがアルカリ性物質(水酸化カルシウム、食用石灰、灰汁など)によって変化して固形化するという性質を有する。アルギン酸ナトリウムとカードランとを含む混合物に対してさらにこんにゃく粉を添加した場合、アルギン酸ナトリウムやカードランによるゲル化はこんにゃく粉の存在によって妨げられることはなく、逆にこんにゃく粉が増粘性と保水性を有することから、麺がゲル化するまでの形状の保持を補助する役割を有し、食品のボリューム感や食感を調製することもできる。
本発明の大豆麺を調製するために増粘性物質としてさらに添加することができるこんにゃく粉は、0.45〜1.76重量%の範囲で添加することができる。
大豆調製物に対して、アルギン酸ナトリウムとカードランを添加した混合物またはアルギン酸ナトリウムとカードランの他にその他の増粘性物質とを添加した混合物を、麺状に成型する。成形に際して、本発明の構成を採用する場合に、丸形の麺以外に、楕円状、長方形(きし麺状)、正方形(太麺状)、三角形、星状形など、様々な断面形状の麺状食品を形成することができる。そして、混合物が粘稠性の高い糊状の状態であるため、所望の太さの穴から吐出することにより、所望の太さの麺状の形状に調製することもできる。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例は、本発明の例示であって、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例1:大豆麺組成の検討(1)
本実施例においては、大豆麺の組成を検討することを目的として、様々な濃度のアルギン酸ナトリウムを含有する大豆麺を作製し、その性状を調べた。
大豆麺の基本的な成分として、おからパウダー((株)フードケミファ)、および食物繊維素材(セオラス(登録商標)ファイバーDF-17、旭化成ケミカルズ)、カードラン(カードランNS、キリン協和フーズ株式会社)、こんにゃく粉((株)津金沢)、および水を含有し、これに対して、0.45%、0.59%、0.89%、または1.76%のアルギン酸ナトリウム((株)フードケミファ)を添加して、以下の表1に示すサンプルNo.1-1〜No.1-4の組成を有する大豆麺を調製した。
アルギン酸ナトリウムとカードランを水とともに20℃にて高速攪拌して混合・溶解し、この溶液におからパウダー、および食物繊維(セオラス(登録商標)ファイバーDF-17)を添加して、さらに攪拌・混合した。これにさらに別途膨潤させたこんにゃく粉を添加して混合した。このようにして調製した混合物を、モーノポンプ(兵神装備(株))を用いて、直径1.5 mmの多孔ノズルから、90℃の塩化カルシウム溶液(0.5%)中に吐出し、1分反応させることにより、大豆麺を調製した。
次に、得られた大豆麺サンプル(サンプルNo.1-1〜No.1-4)を、様々な濃度(0〜3.0%)の食塩を含有する85℃の溶液と共にパウチに充填シールし、96℃の湯中で30分間処理し、0%溶液と比較して、塩水濃度に伴う大豆麺の食感の変化、特に、破断強度(g)の変化についてレオメーター(サン科学)で麺用プランジャーを使用して測定した。破断強度(g)を調べる際には、上述のようにして作製された大豆麺を3本用いた。
破断強度(g)についての結果を表2に示した。
上述した実験において破断強度についての変化を調べた結果、塩水処理の有無または塩水の差異の塩分濃度により、大豆麺の破断強度が影響を受けることが示された(表2)。一般に、これまで知られている麺類の歯ごたえと破断強度(g)との関係から、好ましい破断強度(g)はおよそ10〜45 gの範囲であることが知られている。表2に示される上述の破断強度の結果のうち、塩水処理後の破断強度がこれらの判断基準に合致している場合に、色を付けた。すなわち、表2において色を付けた条件の下で生成された場合の大豆麺を、好ましい大豆麺として選択した。具体的には、アルギン酸Na 0.45%〜1.76%の場合であって、塩水処理時の塩分濃度が0.5%〜3.0%の場合に、好ましい大豆麺が得られた。
このように、カードランおよびこんにゃく粉の含有量を一定に固定して、アルギン酸ナトリウムのみを変化させた場合に、その変化させたアルギン酸ナトリウムの量に依存して大豆麺の破断強度が変化したことから、この大豆麺を調製するに際して、アルギン酸ナトリウムが必須の役割を果たしていることが示される。
実施例2:大豆麺組成の検討(2)
本実施例においては、大豆麺の組成を検討することを目的として、様々な濃度のカードランを含有する大豆麺を作製し、その性状を調べた。
大豆麺の基本的な成分として、おからパウダー((株)フードケミファ)、および食物繊維素材(セオラス(登録商標)ファイバーDF-17、旭化成ケミカルズ)、アルギン酸ナトリウム((株)フードケミファ)、こんにゃく粉((株)津金沢)、および水を含有し、これに対して、0.20%、0.35%、0.64%、1.27%、または1.47%のカードラン(カードランNS、キリン協和フーズ株式会社)を添加して、以下の表3に示すサンプルNo.2-1〜No.2-5の組成を有する大豆麺を調製した。
アルギン酸ナトリウムとカードランを水とともに20℃にて高速攪拌して混合・溶解し、この溶液におからパウダー、および食物繊維(セオラス(登録商標)ファイバーDF-17)を添加して、さらに攪拌・混合した。これにさらに別途膨潤させたこんにゃく粉を添加して混合した。このようにして調製した混合物を、モーノポンプ(兵神装備(株))を用いて、直径1.5 mmの多孔ノズルから、90℃の塩化カルシウム溶液(0.5%)中に吐出し、1分反応させることにより、大豆麺を調製した。
次に、得られた大豆麺サンプル(サンプルNo.2-1〜No.2-5)を、様々な濃度(0〜3.0%)の食塩を含有する85℃の溶液と共にパウチに充填シールし、96℃の湯中で30分間処理し、0%溶液と比較して、塩水濃度に伴う大豆麺の食感の変化、特に、破断強度(g)の変化についてレオメーター(サン科学)で麺用プランジャーを使用して測定した。破断強度(g)を調べる際には、上述のようにして作製された大豆麺を3本用いた。
破断強度(g)についての結果を表4に示した。
上述した実験において破断強度についての変化を調べた結果、塩水処理の有無または塩水の差異の塩分濃度により、大豆麺の破断強度が影響を受けることが示された(表4)。一般に、これまで知られている麺類の歯ごたえと破断強度(g)との関係から、好ましい破断強度(g)はおよそ10〜45 gの範囲であることが知られている。表4に示される上述の破断強度の結果のうち、塩水処理後の破断強度がこれらの判断基準に合致している場合に、色を付けた。すなわち、表4において色を付けた条件の下で生成された場合の大豆麺を、好ましい大豆麺として選択した。具体的には、カードランの0.20%〜1.47%の場合であって、塩水処理時の塩分濃度が0.5%〜3.0%の場合に、好ましい大豆麺が得られた。
このように、アルギン酸ナトリウムおよびこんにゃく粉の含有量を一定に固定して、カードランのみを変化させた場合に、その変化させたカードランの量に依存して大豆麺の破断強度が変化したことから、この大豆麺を調製するに際して、カードランが必須の役割を果たしていることが示される。
実施例3:大豆麺の形状
本実施例においては、断面形状が丸以外の形状の大豆麺を成形し、ゲル化させた際に、断面形状がどのように変化するかを調べるために行った。
本実施例においては、アルギン酸ナトリウム300 g、カードランNS 100 g、こんにゃく粉300 g、おからパウダー1000 g、セオラスファィバーDF-17 800 g、水27500 gの組成で、楕円形およびきし麺状の大豆麺を調製した。調製の方法は、実施例1および2に記載の方法に従った。
このようにして調製した大豆麺の写真を、図1(a)〜(c)に示す。図1(a)は、典型的な断面形状が丸形の大豆麺であり、その直径は1.5 mmである。これに対して図1(b)は断面形状が楕円形の大豆麺(断面のサイズは、幅3.3 mm×厚さ0.9 mm)を示し、図1(c)は断面形状がきし麺状の大豆麺(断面のサイズは、幅4.4 mm×厚さ0.8〜0.9 mm)を示す。図1(b)および(c)に示すような断面形状を有する大豆麺はこれまで調製できなかったものであり、本発明により初めて所望の断面形状を有する麺状食品を調製することができることを明らかにした。
実施例4:官能試験
実施例1および2において形成することができた麺状の生成物サンプル、No.1-1〜No.1-4、No.2-1〜No.2-5、そして以下の方法により記載されるNo.3-1〜No.3-3について、官能試験を行った。
表5および表6に示すそれぞれのサンプルは、実施例1および2に記載された方法により調製された大豆麺であり、この大豆麺を、98℃にて二次加熱処理した。完成した大豆麺を、食感に関して官能試験に供した。
表5および表6において、破断強度(g)がおよそ10〜45 gの範囲であることを基準にして選択したそれぞれのサンプルの場合(表5および表6において色を付けた条件に該当する)、表5におけるサンプルNo.1-1および1-2の塩水処理時塩分濃度が0.0%である条件を除き、喫食に際して好ましくない食感を有していることがこの官能試験において明らかになった。従って、破断距離の判断基準に従って好ましいと判断された条件と、官能試験でも好ましい食感が得られることのあいだには基本的に相関関係が存在することがわかった。
一方、サンプルNo.1-1および1-2の塩水処理時塩分濃度が0.0%である条件では、実際に喫食した際に、食感の点で好ましくないことが明らかになった。このことから、塩水処理が必須の処理であることが示唆された。
さらに、アルギン酸ナトリウムおよびカードランの添加に加えて、ボリューム感や食感を調製することを目的として、以下に記載するように様々な濃度のこんにゃく粉を含む大豆麺を調製し(サンプルNo.3-1〜No.3-3)、それぞれの大豆麺サンプルの食感について、官能試験を行った。
大豆麺の基本的な成分として、おからパウダー((株)フードケミファ)、および食物繊維素材(セオラス(登録商標)ファイバーDF-17、旭化成ケミカルズ)、アルギン酸ナトリウム((株)フードケミファ)、カードラン(カードランNS、キリン協和フーズ株式会社)、および水を含有し、これに対して、0.45%、0.89%、または1.76%のこんにゃく粉((株)津金沢)を添加して、以下の表3に示すサンプルNo.3-1〜No.3-3の組成を有する大豆麺を調製した。
アルギン酸ナトリウムとカードランを水とともに20℃にて高速攪拌して混合・溶解し、この溶液におからパウダー、および食物繊維(セオラス(登録商標)ファイバーDF-17)を添加して、さらに攪拌・混合した。これにさらに別途膨潤させたこんにゃく粉を添加して混合した。このようにして調製した混合物を、モーノポンプ(兵神装備(株))を用いて、直径1.5 mmの多孔ノズルから、90℃の塩化カルシウム溶液(0.5%)中に吐出し、1分反応させることにより、大豆麺を調製した。
次に、得られた大豆麺サンプル(サンプルNo.3-1〜No.3-3)を、様々な濃度(0〜3.0%)の食塩を含有する85℃の溶液と共にパウチに充填シールし、96℃の湯中で30分間処理した。完成した大豆麺を、塩水濃度に伴う大豆麺の食感に関して、官能試験に供した。
この官能試験の結果、好ましい食感が得られたサンプルの条件に色を付けた。この結果から、こんにゃく粉を添加した場合、その濃度(0.45%〜1.76%)に関わらず、食感に対して悪影響を及ぼすことなく、ボリューム感を出すことができることを明らかにした。

Claims (7)

  1. 大豆調製物に、0.45〜1.76重量%の範囲のアルギン酸ナトリウムとカードランとを添加して麺状に成型し、カルシウム温水溶液中に吐出して凝固させた後、0.5〜3.0重量%の範囲の食塩を含有する溶液中で処理することを特徴とする、麺状食品。
  2. 破断強度が10〜45 gの範囲である、請求項1に記載の麺状食品。
  3. 大豆調製物に対して、こんにゃく粉をさらに添加する、請求項1または2に記載の麺状食品。
  4. カードランの添加量が0.20〜1.47重量%の範囲であり、カルシウム温水溶液の温度が75〜98℃の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の麺状食品。
  5. こんにゃく粉の添加量が0.45〜1.76重量%の範囲である、請求項3または4に記載の麺状食品。
  6. 麺状食品の断面形状が、丸以外である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の麺状食品。
  7. 麺状食品の断面形状が、楕円形、長方形、正方形、三角形、星状形から選択される形状である、請求項6に記載の麺状食品。
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