JP5590588B2 - 給電装置、受電装置及び受給電装置 - Google Patents

給電装置、受電装置及び受給電装置 Download PDF

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Description

本発明は、電磁誘導方式を用いた非接触給電に関する。
例えば発光ダイオード(以下、LED:Light Emitting Diodeとも呼ぶ。)は、従来から、信号機や宣伝用や行き先表示等の各種のディスプレイ装置に使用されてきた。近年、発光ダイオードの輝度や効率が向上したので、室内や屋外の照明装置にも使用され始めている。特許文献1は、電球型LEDランプについて開示している。特許文献1に記載された電球型LEDランプは、従来の電球と同様の外形を有し、従来の電球に用いられていたAC電源のソケットに差し込めるように口金を有している。この電球型LEDランプの内部には、発光ダイオードを実装する基板、発光ダイオードを点灯するための電子回路、放熱板等が内蔵されている。
特開2007−265892号公報
従来の発光ダイオードを用いた照明装置では、専らAC電源に接続して使用されているのが現状である。そのため、従来の発光ダイオードを用いた照明装置では、使用される場所等の制約が生じている。そこで、非接触で照明装置に給電することができれば、照明装置を設置できる場所の制約が軽減されることが期待できる。
ところで、電磁誘導方式を用いた非接触給電技術においては、前述の照明装置で例示される受電装置が受電用コイルを有し、給電装置により発生させられた交流磁場に応じて受電コイルに誘導起電力を発生させる。このとき、受電装置の導体部分に交流磁場に起因した渦電流が発生して、導体部分が発熱することがある。よって、ユーザの安全や受電装置の故障防止のために、熱を検知した場合には緊急停止させたり冷却機構を駆動したりする機構を受電装置に実装する必要がある。しかしながら、熱対策の機構を受電装置に実装することは、受電装置の構造の複雑化や高コスト化の原因となる。また、給電装置により発生させられる磁場の中に、ユーザが不注意で金属物などの導体を置いてしまった場合には、その導体がユーザの知らないうちに発熱しまうことがある。
本発明は上記課題に鑑み、電磁誘導方式を用いた非接触給電において、受電用コイルが配置される空間において導体が発熱するのを抑えることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の給電装置は、受電用コイルを備える受電装置に電磁誘導方式で給電する給電装置であって、同一平面上で同一の点の周りに線材を巻き回した外径が各々異なるm個(ただし、m≧2)の平面コイルを、径方向内側から外側に向かって前記外径の小さい順に配置し、前記受電用コイルを配置する空間に前記m個の平面コイルが面している給電用コイルと、前記受電装置に給電するときに、前記m個の平面コイルに共通の周波数の交流電流を流す駆動回路とを備え、前記給電用コイルの内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルの前記線材の長さの差が、当該k番目の平面コイルの外周の長さ未満である
また、本発明の給電装置は、受電用コイルを備える受電装置に電磁誘導方式で給電する給電装置であって、同一平面上で同一の点の周りに線材を巻き回したm個(ただし、m≧2)の平面コイルを、径方向内側から外側に向かって配置し、前記受電用コイルを配置する空間に前記m個の平面コイルが面している給電用コイルと、前記受電装置に給電するときに、前記m個の平面コイルに1MHz以上の高調波成分が発生しない周波数の交流電流を流す駆動回路とを備え、前記給電用コイルの内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルの前記線材の長さの差が、当該k番目の平面コイルの外周の長さ未満である
また、本発明の給電装置は、受電用コイルを備える受電装置に電磁誘導方式で給電する給電装置であって、同一平面上で同一の点の周りに線材を巻き回したm個(ただし、m≧2)の平面コイルを、径方向内側から外側に向かって配置し、前記受電用コイルを配置する空間に前記m個の平面コイルが面している給電用コイルと、前記受電装置に給電するときに、前記m個の平面コイルに1MHz以上の高調波成分が発生しない周波数の交流電流を流す駆動回路とを備え、前記給電用コイルの内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルに直流電流を流したとき、前記空間に発生させられる静磁場の前記径方向における各位置の強度は、当該k番目の平面コイルの内周の位置で極大値となる。
本発明の給電装置において、前記m個の平面コイルの直流抵抗の値が同じであるようにしてもよい。
また、本発明の給電装置において、前記m個の平面コイルの直流抵抗の値及び前記線材の長さが同じであるようにしてもよい。
また、本発明の給電装置において、前記m個の平面コイルが並列接続されているようにしてもよい。
また、本発明の給電装置において、前記m個の平面コイルに直列接続された容量性素子を備えるようにしてもよい。
また、本発明の給電装置において、前記空間の反対側から前記給電用コイルを覆うように、当該給電用コイルから離間して設けられた磁性体と、前記磁性体を前記空間の反対側から覆うように設けられた非磁性体とを備えるようにしてもよい。
また、本発明の給電装置において、前記給電用コイルをn個(ただし、n≧2)備え、前記駆動回路は、前記n個の給電用コイルに共通の周波数の交流電流を流すようにしてもよい。
この給電装置において、前記n個の給電用コイルの内側からj番目(ただし、1≦j≦m)の平面コイルが互いに直列接続されているようにしてもよい。
本発明の受給電装置は、上記いずれかの構成の給電装置と、前記給電装置から受電用コイルを用いて受電する受電装置とを備える受給電装置である。
本発明の受給電装置において、前記受電用コイルは、前記給電装置が有する前記平面コイルのいずれの自己インダクタンスよりも大きい自己インダクタンスで予め構成されてもよい。
本発明の受電装置において、前記受電装置が、前記給電装置から受電した電力を用いて発光体を発光させる発光回路を有するようにしてもよい。
本発明の給電用コイルは、電磁誘導方式で給電する給電装置に用いられる給電用コイルであって、同一平面上で同一の点の周りに線材を巻き回した外径が各々異なるm個(ただし、m≧2)の平面コイルを、径方向内側から外側に向かって前記外径の小さい順に配置し、内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルの前記線材の長さの差が、当該k番目の平面コイルの外周の長さ未満である。
本発明によれば、従来構成に比べて、磁場が相対的に強い領域を複数に分散して発生させることができるから、電磁誘導方式を用いた非接触給電において、受電用コイルが配置される空間において導体が発熱するのを抑えることができる。
本発明の実施形態に係る受給電装置の基本構成を示し、(A)は概念図、(B)は構成図である。 本発明の実施形態に係る受給電装置の具体的な構成を示すブロック図である。 給電部のコイルを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のI−I線に沿う断面図である。 インバータ部の変形例の構成を示すブロック図である。 受電部の一例を示す回路図である。 受電部における受電効率を測定した回路を示すブロック図である。 静磁場特性を示す模式的なグラフである(平面コイルが2つ)。 給電用コイルに流れる交流電流の周波数と、インピーダンスとの関係を模式的に表したグラフである。 ゲート駆動回路から交流電流を流した場合に給電用コイルに流れる電流Iの周波数特性を示すグラフである。 静磁場特性のシミュレーション結果を示すグラフである(2A)。 静磁場特性のシミュレーション結果を示すグラフである(500mA)。 静磁場の3次元分布を示す図である。 静磁場特性のシミュレーション結果を示すグラフである(2A)。 平面コイルを3つとした場合の給電用コイルを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のII−II線に沿う断面図である。 平面コイルを4つとした場合の給電用コイルを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のIII−III線に沿う断面図である。 給電用コイルを構成する平面コイルの電気的な接続について説明する図である。 静磁場特性を示す模式的なグラフである(平面コイルが3つ)。 静磁場特性の発生の様子を示すグラフである(各平面コイルに1A)。 静磁場特性の発生の様子を示すグラフである(各平面コイルに1A)。 静磁場の3次元分布を示す図である。 静磁場特性の発生の様子を示すグラフである(給電用コイルに1A)。 静磁場特性の発生の様子を示すグラフである(給電用コイルに1A)。 n=5とした場合の給電装置の構成を説明する図である。 給電部が有する5つの給電用コイルの電気的な接続を説明する図である。 給電用コイルの別の実施形態を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のIV−IV線に沿う断面図である。 受給電装置の構成を示すブロック図である。 受給電装置の構成を示すブロック図で奉る。 受給電装置の構成を示すブロック図である。 受給電装置に適用できるダイオード等の実装回路を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のV−V線に沿う断面図である。 受給電装置のブロック図である。 受給電装置を応用した照明装置の別の実施形態を示すブロック図である。
1,1A,40,50,60,70…受給電装置、10,41,51,61,71,91…給電部、2…インバータ部、3…コンデンサ、4,4−1,4−2,4−3,4−4,4−5…給電用コイル、4A,4B,4C,4D…平面コイル、6…発振回路、6A…クロック発生器、6B…PLL、6C…LC発振器、6D…可変抵抗器、7…制御回路、8…ゲート駆動回路、9…スイッチング用トランジスタ、11…基板、12,15…磁性シート、13,14…スペーサ、16…放熱板、20,42,52,62,72,92…受電部、21…電力受電部、22,41,51,61,71…LED発光部、22A…負荷抵抗、23…受電用コイル、24,44,54,64,94…発光ダイオード、25…フード、26…整流回路、27…平滑用コンデンサ、45…保護用ダイオード、65…抵抗、78,98…蓄電池、79…電力変換回路、81,82…データ通信用回路、90…照明装置
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いる。
図1は、本発明の実施形態に係る受給電装置1の基本構成を示し、(A)は概念図、(B)は構成図である。図1(A)に示すように、受給電装置1は、給電部10と受電部20とを備えている。給電部10は、電磁誘導方式で受電部20に給電する給電装置である。給電部10は、インバータ部2で発生させられた交流電力を給電用コイル4に供給する。受電部20は、給電部10により給電された交流電力を受電する受電装置である。受電部20は、受電用コイル23を備え、給電部10から非接触で受電する電力受電部21と、電力受電部21から電力が供給されて発光するLED発光部22とを備えている。
図1(B)に示すように、給電部10は、商用電源で例示されるAC電源に接続されている。インバータ部2は、AC電源からの交流電力が変換された直流電力(DC)が供給され、給電用コイル4に供給する交流電力を発生させる。この場合、給電部10は、AC−DC−ACの変換を行っている。給電部10は、電球型のソケット(図示せず)を介してAC電源に接続されてもよい。LED発光部22は、発光ダイオード24を発光体として備える発光回路である。LED発光部22は、受電部20が有する図示せぬ装着部(例えばソケット)に着脱可能な発光体として発光ダイオード24を備えてもよい。受電部20は、必要に応じて、発光ダイオード24が発生した光を反射したり拡散したりするための笠やフード25を備えてもよい。発光ダイオード24は、受電用コイル23から供給される交流電力を用いて点灯したり、この交流電力を整流した直流電力を用いて点灯したりする。
受給電装置1によれば、給電部10の給電用コイル4から受電部20の受電用コイル23への磁力伝搬によって電力の伝送を行い、LED発光部22の発光ダイオード24を発光させることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る受給電装置1Aの具体的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、受給電装置1Aは、給電部10と受電部20とを備えている。給電部10は、インバータ部2と、インバータ部2に接続されるコンデンサ3と、給電用コイル4とを備えている。受電部20は、電力受電部21と、LED発光部22とを備えている。電力受電部21は、受電用コイル23を備えている。LED発光部22は、給電部10から供給され、電力受電部21で受電された電力を用いて動作する。給電用コイル4は一次コイルとも呼ばれるコイルであり、受電用コイル23は二次コイルとも呼ばれるコイルである。
給電部10において、インダクタンスがL1である平面コイル4A,4Bが並列接続されて給電用コイル4が構成されている。そして、容量Cの第1のコンデンサ3Aの一端が、平面コイル4A,4Bの並列回路の一端に接続されている。平面コイル4A,4Bの並列回路の他端は、容量Cの第2のコンデンサ3Bの一端に接続されている。第2のコンデンサ3Bの他端は、インバータ部2に接続される。第2のコンデンサ3Bの他端は接地されている。第1のコンデンサ3A及び第2のコンデンサ3Bが本発明の容量性素子に相当する。
受電用コイル23は、インダクタンスがL2の平面コイルである。給電部10における平面コイル4A,4Bと、受電部20における受電用コイル23とは、交流電流が流されたときに電磁気的に結合(以下、「電磁結合」という。)する。受電用コイル23には、容量Cのコンデンサが並列接続又は直列接続されてもよい。また、ここにおいて、L1<L2の関係を満たすものとする。受電用コイル23のインダクタンスL2を、平面コイル4A,4BのインダクタンスL1に対して大きくすることで、受電用コイル23に発生させられる誘導起電力を大きくすることができる。
図3は、給電部10が有する給電用コイル4を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のI−I線に沿う断面図である。図3に示すように、給電用コイル4が有する平面コイル4A,4Bは同心円状に配置されており、平面コイル4Aが同心円の中心の回りに巻き回され、平面コイル4Bが平面コイル4Aの外側に巻き回されている。言い換えれば、給電用コイル4は、同一の平面上で同一の点(ここでは、中心点)の周りに線材を巻き回した平面コイル4A,4Bを、径方向内側から外側に配置した平面状のコイルである。この径方向は、給電用コイル4のコイル径方向であるとともに、平面コイル4A,4Bのコイル径方向である。
平面コイル4A,4Bは、ここでは、互いに同じ方向に線材を巻き回して構成されている。また、図3に示すように、平面コイル4Aの外周と平面コイル4Bの内周との間には隙間が形成されている。また、平面コイル4A,4Bの線材は、同種の線材で同一の長さとなるように形成されている。これにより、平面コイル4A,4Bの直流抵抗の抵抗値は、理論上は同一となる。平面コイル4A,4Bは、いずれも、直列抵抗を低減させるために絶縁被覆された複数の導線を撚り合わせた線材で構成される。絶縁被覆の材料としては、エナメル等の樹脂、絹等の繊維を使用できる。このような線材としては、例えばリッツ線が挙げられる。すなわち、平面コイル4Aは、線材を平面状に巻き回した第1平面コイルである。平面コイル4Bは、平面コイル4Aの外周の直径よりも大きい直径の内側空間を形成するように、線材を平面状に巻き回した第2平面コイルである。
受電部20の受電用コイル23は、受電時において、給電部10が有する平面コイル4A,4Bに対して所定の間隔を空けて対向するように配置(配設)される。すなわち、給電用コイル4は、受電部20の受電用コイル23が配置される空間(受電用コイル23の配置空間)に面して設けられている(図1(A)参照)。
図2に戻って説明する。
インバータ部2は、インバータの駆動周波数の矩形波等を発生する発振回路6と、制御回路7と、ゲート駆動回路8と、スイッチング用トランジスタ9とを備えている。
発振回路6は、水晶振動子を用いた水晶発振器等で構成されるクロック発生器6Aと、PLL(Phase-lockedloop、位相同期回路と呼ばれている。)6Bと、PLLに接続されるLC発振器6Cとを有する。発振回路6は、PLL6Aで制御される所謂VCO(Voltage Controlled Oscillator、電圧制御発振器と呼ばれている。)である。LC発振器6Cの容量Cとしては、例えば、半導体の可変容量ダイオードを用いる。VCOの周波数は、可変容量ダイオードに印加される逆方向電圧の調整によって変えられる。可変容量ダイオードに印加される逆方向電圧は、電源Vccから供給される。可変容量ダイオードに印加される逆方向電圧は、電源Vccに接続される周波数可変用の可変抵抗器6Dによって調整される。
以上の構成の発振回路6は、クロック発生器6Aの周期的な信号と、VCOの発振周波数が分周された信号とが比較されて、可変容量ダイオードに印加される逆方向電圧がフィードバック制御されることにより、VCOの周波数が一定になるように制御される。
ゲート駆動回路8は、発振回路6とスイッチング用トランジスタ9との間に設けられ、発振回路6の出力電圧を増幅する。ゲート駆動回路8は、例えば増幅用の集積回路を用いて構成されるが、複数段の増幅回路を用いて構成されてもよい。ゲート駆動回路8は、ゲートドライブ回路とも呼ばれている。ゲート駆動回路8は、給電部10が受電部20に電磁誘導方式で給電するときに、平面コイル4A,4Bのそれぞれに共通の周波数の交流電流を流す駆動回路である。ゲート駆動回路8は、例えば、交流5Vで、100kHzから300kHzの間の周波数の交流電流を給電用コイル4に流す。平面コイル4A,4Bは互いに並列接続されているから、ゲート駆動回路8は、共通の周波数で、同位相で、且つ、同じ電流値の交流電流を、平面コイル4A,4Bのそれぞれに流すことになる。
なお、ゲート駆動回路8が給電用コイル4の駆動に用いる交流電圧は5V以外であってもよい。また、ゲート駆動回路8が給電用コイル4に流す交流電流の周波数は、特定の周波数に限定されることはないが、例えば、前述したAC電源の電源周波数よりも高い周波数である。
制御回路7は、発振回路6とゲート駆動回路8とを制御する。制御回路7は、発振回路6のインバータ部2で発生させる交流周波数の可変手段を有している。
次に、ゲート駆動回路8と、スイッチング用トランジスタ9と、給電用コイル4との接続について説明する。
図2に示すように、スイッチング用トランジスタ9の第1のN型MOSFET9Aのドレインが電源VDDに接続され、第1のN型MOSFET9Aのソースが第2のN型MOSFET9Bのドレインに接続され、第2のN型MOSFET9Bのソースは接地されている。第1及び第2のN型MOSFET9A,9Bのゲートには、第1のゲート駆動回路8A,8Bの出力信号が入力される。第1のN型MOSFET9Aのソースと、第2のN型MOSFET9Bのドレインとの接続点には、第1のコンデンサ3Aの一端が接続され、第1のコンデンサ3Aの他端が並列接続された平面コイル4A,4Bの一端に接続されている。並列接続された平面コイル4A,4Bの他端は第2のコンデンサ3Bの一端に接続され、第2のコンデンサ3Bの他端は接地されている。
ゲート駆動回路8と、スイッチング用トランジスタ9と、給電用コイル4との別の接続について説明する。
図4は、インバータ部2の変形例の構成を示すブロック図である。図4に示すように、スイッチング用トランジスタ9は(電源に直列接続されるN型MOSFETを2組、すなわち4個備え、N型MOSFET9A〜9Dの各ゲートは、4つのゲート駆動回路8A〜8Dで駆動される。N型MOSFET9A,9Bの組では、図2と同様であり、第1のゲート駆動回路8Aの出力信号は、第1のN型MOSFET9Aのゲートに入力される。第2のゲート駆動回路8Bの出力信号は、第2のN型MOSFET9Bのゲートに入力される。N型MOSFET9C,9Dの組において、第3のゲート駆動回路8Cの出力信号は、第3のN型MOSFET9Cのゲートに入力され、第4のゲート駆動回路8Dの出力信号は、第4のN型MOSFET9Dのゲートに入力される。第1のN型MOSFET9Aのソースと第2のN型MOSFET9Bのドレインとの接続点には、第1のコンデンサ3Aの一端が接続されている。第1のコンデンサ3Aの他端が平面コイル4A,4Bが並列接続された一端に接続されている。並列接続された平面コイル4A,4Bの他端は、第2のコンデンサ3Bの一端に接続されている。第2のコンデンサ3Bの他端は、第3のN型MOSFET9Cのソースと第4のN型MOSFETのドレインとの接続点に接続されている。
次に、受電部20について説明する。
図5は、受電部20の一例を示す回路図である。図5に示すように、受電部20は、給電用コイル4と電磁結合する受電用コイル23と、受電用コイル23に接続される整流回路26と、整流回路26に接続されるLED発光部22とを有する。LED発光部22に接続されているコンデンサ27は、例えば電解コンデンサであり、整流回路26の平滑用コンデンサである。整流回路26は、半波整流を行う回路、全波整流を行う回路、又は、ブリッジ整流回路で例示される整流回路である。LED発光部22は、交流電流又は直流電流で動作する電子回路であれば、どのようなLED発光回路でもよい。LED発光部22は、例えば、発光ダイオード24、発光ダイオード24以外のダイオード、集積回路等の能動素子やこれらの能動素子に接続される抵抗、コンデンサ及びインダクタンス等の受動部品、スイッチ等の機構部品並びにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等を有する。LED発光部22は、例えば、照明装置、液晶表示のバックライト、宣伝や方向指示等に用いられる表示板等の各種ディスプレイ装置又は機器用パイロットランプである。
[実施例1]
以下、実際に受給電装置を作製しその効率を測定した。これを実施例1として具体的に説明する。実施例1の給電部10として、周波数が282.9kHzで出力電力が5Wのインバータを用いた。給電用コイル4が有する平面コイル4A,4Bは同心円状に配置されており、平面コイル4Aが同心円の中心の回りに線材を巻き回して構成され、平面コイル4Bが平面コイル4Aと中心点を共有するように、平面コイル4Aの外側に線材を巻き回して構成されている。給電用コイル4として用いたリッツ線は、0.05mmΦのポリウレタン銅線(JIS C 3202)を75本撚り合わせた線材である。
給電用コイル4の条件を以下に示す。
外径(直径):50mm±5mm
内径(直径):10mm±1mm
厚さ :0.7mm±0.2mm
巻数 :32±2(合算)
絶縁材 :ポリウレタン銅線(JIS C 3202)
平面コイル4A,4Bのインピーダンスについては、インピーダンスアナライザ(アジレント製、モデル4294A)で測定した。この測定において、平面コイル4A,4Bは、それぞれインダクタンスL1,L2がともに2μHであり、直列抵抗の抵抗値は1.5Ωであった。平面コイル4A,4Bは、同じ線種の線材で構成されているから、直流抵抗の抵抗値が同じであるということは、それぞれの線長が同じということを意味する。
図6は、受電部20における受電効率を測定した回路を示すブロック図である。
図6に示すように、受電用コイル23は、給電用コイル4の上部に対向して配置されている。受電用コイル23は、図5と同様に整流回路26と、LED発光部22を模擬するために負荷抵抗22Aが接続されている。ここにおいて、受電用コイル23には、コンデンサは接続されていないものとする。さらに、整流回路26を介在しないで受電用コイル23に直接負荷が接続されている受電部20の回路における受電効率も測定した。コンデンサ27は、容量が27μF、耐圧が50Vのものを使用した。
受電用コイル23の条件を以下に示す。受電用コイル23は、給電用コイル4の外側の平面コイル4Bと同様の構造である。受電用コイル23に用いたリッツ線は、上記した給電用コイル4と同じである。
外径(直径):40mm±5mm
内径(直径):10mm±1mm
厚さ :0.7mm±0.2mm
巻数 :28±2(合算)
絶縁材 :UEWポリウレタン銅線(JIS C 3202)
表1は、負荷抵抗22Aの値を約5Ωから51Ωまで変化させ、各負荷抵抗22Aで受電用コイル23に最も負荷電流が流れる位置で受電したときの、負荷抵抗22Aの端子電圧(V)、負荷電流(A)、受電電力(W)を示している。また、表1は、そのときの給電部10における電流値(A)及び消費電力(W)も合わせて示している。効率は、受電電力(w)/給電部の消費電力(W)×100(%)である。
表1から明らかなように、負荷抵抗22Aの値を約5Ωから51Ωまで変化させたときの効率は、約47.3%〜77.8%であり、非常に高い効率が得られた。
Figure 0005590588
表2は、整流回路26がない、つまり受電用コイル23に直接、負荷抵抗22Aが接続されている回路の受電効率等を示す。整流回路26が無い場合には整流回路26の損失がないので、負荷抵抗22Aの値を約5Ωから51Ωまで変化させたときの効率は、約47.2%〜84.4%となった。は整流回路26の損失がないため、整流回路26を設けた場合よりも僅かに効率が向上した。
Figure 0005590588
実施例1の説明は以上である。
ところで、給電部10では、給電用コイル4の構成とゲート駆動回路8による給電用コイル4の駆動とにより、電磁誘導方式で受電部20に給電するときに、受電用コイル23の配置空間にある導体が発熱するのを抑えられるようにしている。言い換えれば、受電用コイル23の配置空間に、渦電流を発生させうる導体が置かれた場合であっても、その導体が発熱するのを抑えられるように、給電部10は構成されている。
図7は、給電用コイル4に直流電流を流したときに受電用コイル23の配置空間に発生させられる静磁場の様子を示すグラフである。図7に示すグラフによって表される静磁場の特性であり、受電用コイル23の配置空間に発生する静磁場の給電用コイル4の径方向における磁束密度の分布を、以下では「静磁場特性」と称する。この静磁場特性は、受電用コイル23の配置空間に、受電部20等の導体が配置されていないときの特性を示す。受電用コイル23の配置空間の透磁率を一定とすると、磁束密度が大きいほど磁場の強度は高い。以下、給電用コイル4の径方向に広がる平面をxy平面とし、給電用コイル4の上面の法線方向を向くz軸を定めたxyz直交座標系を用いて説明する。図7に示すグラフにおいて、横軸はx軸方向における位置を表し、原点Oが給電用コイル4の中心に対応している。x=−x1,x1の位置は、それぞれ平面コイル4Aの内周の位置に対応する。x=−x2,x2の位置は、それぞれ平面コイル4Aの外周の位置に対応する。x=−x3,x3の位置は、それぞれ平面コイル4Bの内周の位置に対応する。縦軸は、給電用コイル4の中心からz軸方向に所定距離だけ離れた位置における、z軸方向の磁場の強度(ここでは、磁束密度Bzで表す。)を表す。
図7に示すように、給電用コイル4の静磁場特性では、平面コイル4Aの内周に対応したx=±x1の2箇所において磁束密度Bz=Bp1であり、磁束密度Bzがピークとなる。磁束密度Bp1は、給電用コイル4の中心に対応する磁束密度Bz=Boよりも大きい。また、平面コイル4Aの内周に対応する位置(x=±x1)から、原点Oの反対方向に離れると、磁束密度Bzは次第に小さくなる。そして、平面コイル4Aの外周に対応する位置(x=±x2)から、原点Oの反対方向に更に離れると、磁束密度Bzは次第に大きくなる。そして、平面コイル4Bの内周に対応したx=±x3の2箇所において磁束密度Bz=Bp2であり、磁束密度Bzがピークとなる。そして、平面コイル4Bの内周に対応する位置(x=±x3)から、原点Oの反対方向に更に離れると、磁束密度Bzは次第に小さくなる。
以上のように、給電用コイル4の静磁場特性は、平面コイル4Aの内周に対応した2箇所、及び、平面コイル4Aと平面コイル4Bとの境界部分(より具体的には、平面コイル4Bの内周)に対応した2箇所において、給電用コイル4の径方向における両側よりも磁場が相対的に強くなることを示す。
ところで、平面コイルを利用した従来からある非接触給電装置では、平面コイルを1つだけ用いている(つまり、上記平面コイル4A又は4Bの一方のみを有している構成と同等である)。このような非接触給電装置では、電気的な共振を利用して受電装置での受電効率を向上させている。よって、この非接触給電装置では、平面コイルの中心付近の上部に、局所的に強い磁場を発生させる。すなわち、平面コイルの上部においては、平面コイルの中心の上部において局所的に磁場が強くなり、中心から平面コイルの径方向に離れるほど磁場が弱くなる。よって、この非接触給電装置では、給電用コイルに対して受電用コイルの位置が精密に設定されていないと、受電装置における受電効率が著しく低下することがある。また、この非接触給電装置は、磁場の強度が局所的に高い領域の磁場により受電装置に給電するから、受電装置が動作するために必要な電力を供給するためには、その磁場の強度を特に高くする必要がある。よって、この局所的に強い磁場に起因して、受電用コイルの配置空間にある導体に渦電流が発生しやすくなり、その結果、この導体が発熱しやすくなる。
これに対し、本実施形態の給電部10は給電用コイル4を有するから、平面コイル4Aの内周の上部と平面コイル4Bの内周の上部とに分散して、磁場が相対的に強い領域が現れる。よって、給電部10によれば、給電用コイルとして平面コイルを1つだけ用いた場合に比べて、局所的に強い磁場が発生するのを抑えることができる。このような静磁場が発生する理由のひとつとして、給電用コイル4を構成する平面コイル4Aと4Bとが互いに電磁結合していることが考えられる。このように、給電用コイル4を、平面コイル4Aと平面コイル4Bという独立した2つの平面コイルで構成したことで、給電用のコイルによって発生させられる磁場が強い領域が分散して発生したと考えられる。
また、給電部10によれば、給電用コイルとして平面コイルを1つだけ用いた場合に比べて、受電部20の受電用コイル23の位置が給電用コイル4の位置に対して精密に設定されていなくても、受電部20での受電効率は低下しにくい。
以上の構成の給電部10が、受電用コイル23の配置空間の導体の発熱を抑えつつ、受電部20に電磁誘導方式で給電するためには、平面コイル4Aと平面コイル4Bとに共通の周波数で、且つ、互いの位相差が小さい交流電流を供給すればよいと考えられる。ここで、平面コイル4Aと平面コイル4Bとの線種が同じであるとすれば、平面コイル4Aと平面コイル4Bとの線材の長さの差(以下、「線長差」いう。)をなるべく小さくすべきである(望ましくはゼロ)。線長差を小さくすることで、平面コイル4Aと平面コイル4Bとに流れる交流電流の位相差の発生が抑えられるからである。
図8は、平面コイル4A又は平面コイル4Bに流れる交流電流の周波数とインピーダンスとの関係を模式的に表したグラフである。図8のグラフにおいて、横軸は交流電流の周波数を表し、縦軸はインピーダンスを表している。図8に示すように、平面コイル4A,4Bに流れる交流電流の周波数の差が大きくなるほどインピーダンスは大きくなり、fm(例えば1MHz)を超えると、インピーダンスは周波数変化に対して大きく増大する(例えば対数的に増加する)。平面コイル4Aと平面コイル4Bとに流れる交流電流に位相差が生じると、この位相差に起因して、受電用コイル23の配置空間の磁場において高調波成分が生じる。よって、交流電流の位相差がfmを超えると、この高調波成分に起因する渦電流と導体の抵抗成分とにより、導体が発熱しやすくなる。この理由から、高調波成分の発生を抑えるためには、給電部10では、平面コイル4Aと平面コイル4Bとの線長差をなるべく小さくし、更に、共通の周波数で同位相の交流電流を、並列接続された平面コイル4A,4Bに流すようにしている。この観点から考えると、平面コイル4A,4Bで許容される線長差は、例えば、給電部10が受電部20に給電する場合に、1MHz以上の高調波成分が発生しない大きさ以下とする。
平面コイル4A,4Bの線長差を極力小さくするための一例として、平面コイル4A,4Bにおける線材の巻数を、両コイルの線長差を最小にするような巻数にするとよい。例えば、平面コイル4Aの巻数が先に決められた場合、平面コイル4Bの巻数を両コイルの線長差を最小にする巻数にすればよい。このとき、両コイルの線長差は、少なくとも、平面コイル4Bの外周の長さ未満となる。平面コイル4Bの巻数が先に決められた場合、平面コイル4Aの巻数を両コイルの線長差を最小にする巻数にすればよい。このとき、両コイルの線長差は、少なくとも、平面コイル4Aの外周の長さ未満となる。
また、平面コイル4A,4Bの直流抵抗値の差はなるべく小さいことが望ましく、ゼロであることが望ましい。このようにする理由も、平面コイル4Aと平面コイル4Bとに流れる交流電流の位相差の発生を抑えることによるものである。直流抵抗値は、ゲート駆動回路8が流す交流電流の周波数付近であるおよそ200kHzから300kHzにおいて、インピーダンスの実抵抗値とほぼ等価になる。よって、平面コイル4A,4Bの直流抵抗値の差が小さいと、ゲート駆動回路8が流す交流電流の周波数のインピーダンスの実抵抗の差も小さくなる。したがって、平面コイル4A,4Bの直流抵抗値の差を小さくすれば、実抵抗に起因する交流電流の位相差の発生も抑えられる。
なお、本実施形態では、平面コイル4A,4Bを構成する線材の線種が同じであるから、直流抵抗値の差はほぼ無視することができる。
次に、図9は、表1に示す給電部10で用いた平面コイル4A,4Bとコンデンサ3A、3Bとにゲート駆動回路8から交流電流を流した場合に、平面コイル4A,4Bに流れる電流Iの周波数特性を模式的に表したグラフである。図9のグラフの横軸は周波数であり、縦軸は電流Iの大きさである。図9に示す破線のグラフは、受電部20が設けられていない場合(言い換えれば、無負荷の場合)の周波数特性を示す。図9に示す実線のグラフは、受電部20が設けられている場合の周波数特性である。図9の点A0で示すように、受電部20が設けられていない場合、平面コイル4A,4B及びコンデンサ3A、3Bで定まる共振周波数fで電流Iが最大(ピーク)のIとなり、そして、共振周波数fから離れた周波数であるほど電流Iは小さくなる。このような周波数特性の下、本実施形態では、ゲート駆動回路8は、共振周波数fよりも高い周波数fの交流電流を給電用コイル4に流す。これにより、無負荷時には、図9の点A1で示すように、給電用コイル4に流れる電流IはIに対して十分小さいIとなって、無負荷時に給電用コイル4に大電流が流れることを抑制することができる。この状況の下で受電部20を設けた場合には、図9の点A2で示すように、相互インダクタンスの作用等によって実線矢印で示すように電流Iが大きくなり、給電用コイル4に流れる電流IがIとなる。この場合であっても、図9に示すように、共振周波数fでの鋭い共振がない双峰特性を示すので、共振特性の鋭さを示すQが低下する。よって、電流Iは、共振周波数fにおけるピークの電流Iよりも小さい。したがって、ゲート駆動回路8が共振周波数fとは異なる周波数(ここでは、共振周波数fよりも高い周波数)の交流電流を流すことで、共振周波数fの交流電流を流した場合に比べて、この電流に起因する給電部10側の発熱が抑えられるはずである。
なお、ゲート駆動回路8による給電用コイル4のこのような駆動は仕様の一例である。よって、ゲート駆動回路8は、周波数fの交流電流を流して給電用コイル4を駆動してもよいし、共振周波数以外の周波数の交流電流を流して給電用コイル4を駆動してもよい。
[実施例2]
以下、上述した静磁場特性の発生を実証するシミュレーションを実施例2として具体的に説明する。この実施例2では、給電用コイル4の設計を以下のとおりにしてシミュレーションを行った。平面コイル4A,4Bとして用いたリッツ線は、線径0.05mmΦ、抵抗率0.13mΩ/mm、線材皮膜厚0.001mmのポリウレタン銅線(JIS C 3202)を54本撚り合わせたものである。
(平面コイル4Aの条件)
線長 :2238.38mm
外径(直径):41.0mm±0.30mm
(半径20.5mm±0.20mm)
内径(直径):16.00mm±0.30mm
(半径8.00mm±0.20mm)
抵抗値 :290.99mΩ
巻数 :25
(平面コイル4Bの条件)
線長 :2199.11mm
外径(直径):57.00mm±0.30mm
(半径28.50mm±0.20mm)
内径(直径):43.00mm±0.30mm
(半径21.50mm±0.20mm)
抵抗値 :285.88mΩ
巻数 :14
平面コイル4A,4Bの平均距離:1.00mm(巻数2相当の隙間)
平面コイル4A,4Bの線長差:39.27mm
平面コイル4A,4Bの抵抗差:5.11mΩ
図10から図12は、給電用コイル4における静磁場特性の発生を実証するシミュレーション結果を示す図である。図13は、従来の非接触給電装置のように平面コイルを1つだけとした場合の静磁場特性のシミュレーション結果を示すグラフである。静磁場特性のシミュレーションにおいては、平面コイル4A,4Bのそれぞれに、2A(図10及び図13の場合)又は500mA(図12の場合)の直流電流を流し、それぞれ、給電用コイル4からz軸方向に1mmの位置における磁束密度をビオ・サバールの法則を用いて求めた。図10、図11及び図13において、(A)はz軸方向の磁束密度[mT]を表すグラフであり、(B)はx軸方向の磁束密度[mT]を表すグラフである。図12は、図10に示す静磁場特性の3次元的な分布を示した図である。図12において、左側の列の図が給電用コイル4を用いた場合の結果であり、右側の列の図が従来のように平面コイルを1つだけとした場合の結果を表す。図12において、(A)はz軸方向、(B)はy軸方向、(C)はx軸方向における磁場の強度を表す。これらのシミュレーション結果からも、給電部10においては、従来のように平面コイルを1つだけ用いた場合(図13参照)とは静磁場の発生の仕方に違いがあり、平面コイル4Bの内周に対応する位置(x≒±22mm)での静磁場の強度に関する発明者の知見が確かであることを確認できた。図13に示すように、平面コイルを1つだけとした場合には、比較的強い静磁場が複数領域に分散して発生する傾向は確認されず、平面コイルの中心付近においてのみ磁束密度が高くなっている。このことから、平面コイル4Aの外周と平面コイル4Bの内周との空隙を設けることも、図10〜図12に示す静磁場特性の発生に寄与していると考えられる。
また、図10と図12とを比較すると、給電用コイル4を流れる直流電流が小さい場合ほど、平面コイル4Aの内周に対応する位置の磁束密度Bzと、平面コイル4Bの内周に対応する位置の磁束密度Bzとの差が小さくなる。すなわち、給電用コイル4を流れる直流電流が小さい場合ほど、静磁場特性はより平坦な特性に近づき、給電用コイル4の径方向における位置に応じた磁束密度の変化が抑えられる。
ところで、このシミュレーションにおいては、線長差はおよそ39mmであり、直流抵抗の値の差はおよそ5.1mΩであるが、線長差や直流抵抗の値の差が多少大きくなっても、受電用コイル23の配置空間の導体の発熱量が極端に増大したり静磁場特性が大きく変化したりすることはないと考えられる。よって、給電用コイル4において、少なくとも線長差が平面コイル4Bの外周の長さ未満であれば、従来のように平面コイルを1つだけとした場合に比べて、受電用コイル23の配置空間にある導体の発熱を抑えられるはずである。また、例えば、平面コイル4A,4Bの直流抵抗の抵抗値が異なっていても、それぞれが発生させる磁場の強度に変化は生じるが、平面コイル4Aと平面コイル4Bとの電磁結合が発生することで、前述した傾向の静磁場特性が発生すると考えられる。
実施例2の説明は以上である。
以上説明したとおり、給電部10において、給電用コイル4を平面コイル4A,4Bで構成し、給電用コイル4の径方向における静磁場特性において、平面コイル4Bの内周において磁場強度が相対的に高くなるようにしたことで、受電用コイル23の配置空間において、渦電流に起因する導体の発熱を抑えることができる。受電用コイル23の配置空間に受電部20や金属物等の導体が置かれた場合、給電用コイル4により発生させられる磁場にも変化が生じると考えられるが、給電部10が、磁場が相対的に強い領域を複数領域に分散して発生させることで、受電部20に安定的に給電しつつも、局所的に強い磁場の発生によって生じる渦電流を原因とした導体の発熱を抑えることができる。また、給電部10を用いたことで、給電用コイル4により発生させられる磁場によって導体(例えば受電部20の導体)が高熱になるのを防ぐことができるので、例えば冷却機構や熱検知により緊急停止を行うための熱対策の機構による装置構成の複雑化や高コスト化を抑え、熱による装置故障の可能性を抑えたり、熱に対するユーザの安全も確保したりすることが可能となる。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(1)上述した実施形態では、給電部10は第1のコンデンサ3A及び第2のコンデンサ3Bを有していたが、これらのうちの一方のみを有していてもよいし、両方とも有さない構成であってもよい。第1のコンデンサ3A及び第2のコンデンサ3Bは、給電用コイル4の特性の調整用(言い換えれば、受電用コイル23の配置空間に発生する磁場の調整用)に用いられるのであり、その調整が必要でなければ、第1のコンデンサ3A及び第2のコンデンサ3Bは不要である。例えば、給電部10が降圧して受電部20に給電する場合などにも、第1のコンデンサ3A及び第2のコンデンサ3Bは不要である。
(2)上述した実施形態では、給電用コイル4は、平面コイル4A,4Bが同心円状となるように配置されていたが、両コイルの中心がずれていても構わない。また、平面コイル4A,4Bは外周が円形でなくてもよく、例えば楕円形であってもよいし、六角形や八角形などの等の多角形であってもよく、平面コイルと観念される限りその形状は特定の形状に限定されない。
(3)上述した実施形態では、給電用コイル4は、平面コイル4A,4Bという2つの平面コイルで構成されていたが、3つ以上の平面コイルで構成されていてもよい。この場合も、給電用コイル4を構成する複数の平面コイルが同一平面に配置され、かつ、一の平面コイルの内側空間に他の平面コイルが位置するように、給電用コイル4が構成されていればよい。また、給電用コイル4では、平面コイルの内周に対応した位置で磁場が相対的に強くなる程度に、平面コイル間に隙間(例えば、平均距離が巻数2相当以上の隙間)が空けられているとよい。
続いて、給電用コイル4を3つ以上の平面コイルで構成した場合について詳述する。
図14は、平面コイルを3つとした場合の給電用コイル4を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のII−II線に沿う断面図である。図15は、平面コイルを4つとした場合の給電用コイル4を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のIII−III線に沿う断面図である。図16は、給電用コイル4を構成する平面コイルの電気的な接続について説明する図であり、(A)は、平面コイルの数が3つの場合を示し、(B)は、平面コイルの数が4つの場合を示す。この変形例の給電部10において、図16に示す部分以外の回路構成は、上述した実施形態で説明した回路構成と同じでよい。
まず、平面コイルを3つとした場合の給電用コイル4の構成を説明する。図14に示すように、給電部10は、同心円状に配置された平面コイル4A,4B,4Cを有している。平面コイル4A,4Bの構成は、上述した実施形態と同一の構成であるが、ここでの給電用コイル4では、さらに、平面コイル4Cが平面コイル4Bの外側に線材を巻き回されている。また、平面コイル4Bの外周と平面コイル4Cの内周との間には隙間が形成され、平面コイル4Cは、平面コイル4A,4Bと同じ方向に巻き回されている。また、図16(A)に示すように、給電用コイル4は、それぞれインダクタンスL1を有する平面コイル4A,4B,4Cが互いに並列接続された構成である。また、給電用コイル4において、第1のコンデンサ3Aの一端が平面コイル4A,4B,4Cの並列接続された一端に接続されている。そして、平面コイル4A,4B,4Cの並列接続された他端は、第2のコンデンサ3Bの一端に接続されている。
ここにおいて、平面コイル4A,4B,4Cの線材は、同種の線材で且つ同一の長さとなるように形成されている。これにより、平面コイル4A,4B,4Cの直流抵抗の抵抗値は、理論上は同一となる。平面コイル4Cの線材の長さや直流抵抗の抵抗値を、平面コイル4A,4Bと同一にする理由は、上述した実施形態で説明した理由と同じである。ただし、上述した実施形態と同じ理由から、平面コイル4Cと平面コイル4Bとの線材の長さの差は、平面コイル4Cの外周の長さ未満であればよい。
このように、平面コイル4A,4B,4Cは互いに並列接続されているから、ゲート駆動回路8は、共通の周波数、同位相で、且つ、電流値が同じ交流電流を平面コイル4A,4B,4Cのそれぞれに流すことになる。
図17は、平面コイル4A,4B,4Cで構成される給電用コイル4における静磁場特性を示すグラフである。図17に示すグラフの横軸及び縦軸は、それぞれ図7に示すグラフの横軸及び縦軸と同じである。図17に示すように、この変形例の給電用コイル4の静磁場特性では、平面コイル4Cの内周に対応したx=±x5の2箇所において、磁束密度Bz=Bp3となり、その両側(例えば、平面コイル4Bの外周に対応したx=±x4の位置)よりも磁束密度Bzが相対的に高くなっている。また、平面コイル4Cの内周に対応したx=±x5の位置から原点Oとは反対方向に離れるほど、磁束密度Bzは次第に小さくなる。平面コイル4Cが、平面コイル4Bと電磁結合したことにより、このような静磁場特性が発生すると考えられる。ただし、平面コイル4Cは平面コイル4Aとも電磁結合している可能性もある。
以上のように、平面コイルが3つの場合に給電用コイル4より発生させられる静磁場特性では、平面コイル4Aの内周に対応した2箇所、及び、平面コイル4Aと平面コイル4Bとの境界部分に対応した2箇所のほか、平面コイル4Bと平面コイル4Cとの境界部分に対応した2箇所においても、給電用コイル4の径方向における両側よりも磁場が相対的に強くなる。このように、この給電用コイル4は、平面コイル4Aの内周の上部と、平面コイル4Bの内周との上部と、平面コイル4Cの内周の上部とに分散して、磁場が相対的に強い領域を発生させることができる。よって、本変形例の給電部10によれば、磁場が相対的に強い領域を更に多くの領域に分散させることができるので、局所的に強い磁場が発生することを抑えることができる。
以上の理由から、平面コイルが4つの場合であっても、給電用コイル4を同様に構成すればよい。図15に示すように、給電部10は、同心円状に配置された平面コイル4A,4B,4C,4Dを有している。平面コイル4A,4B,4Cの構成は、平面コイルが3つの場合と同一の構成であるが、ここでの給電用コイル4では、さらに、平面コイル4Dが平面コイル4Cの外側に線材を巻き回されている。また、平面コイル4Cの外周と平面コイル4Dの内周との間には隙間が形成され、平面コイル4Dは、平面コイル4A,4B,4Cと同じ方向に巻き回されている。また、図16(B)に示すように、給電用コイル4は、それぞれインダクタンスL1を有する平面コイル4A,4B,4C,4Dが互いに並列接続された構成である。また、給電用コイル4において、第1のコンデンサ3Aの一端が平面コイル4A,4B,4C,4Dの並列接続された一端に接続されている。そして、平面コイル4A,4B,4C,4Dの並列接続された他端は、第2のコンデンサ3Bの一端に接続されている。ここにおいても、平面コイル4A,4B,4C,4Dの線材は、同種の線材で同一の長さとなるように形成されている。これにより、平面コイル4A,4B,4C,4Dの直流抵抗の抵抗値は、理論上は同一となる。平面コイル4Dの長さや直流抵抗の抵抗値を平面コイル4A,4B,4Cと同一にする理由は、上述した実施形態と同じ理由による。ただし、上述した実施形態と同じ理由により、平面コイル4Dと平面コイル4Cとの線材の長さの差は、平面コイル4Dの外周の長さ未満であればよい。
このように平面コイルを4つとした給電用コイル4とすれば、磁場が相対的に強い領域を更に多くの領域に分散させることができるので、局所的に強い磁場が発生することを抑えることができる。
以上の根拠に基づけば、給電用コイル4を構成する平面コイルの数は5つ以上であってもよいことが明らかである。給電用コイル4を構成する平面コイルの数をm個(ただし、m≧2)と一般化して表すと、給電用コイル4の構成は、以下の条件を満たしていればよい。まず、給電用コイル4は、同一の点(例えば、同心円の中心)の周りに同一平面上で線材を巻き回したm個の平面コイルを径方向内側から外側に向かって配置した構成である。また、給電用コイル4は、m個の平面コイルが受電用コイル23を配置する空間に面して設けられる。そして、給電用コイル4において、内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルに直流電流を流したときに受電用コイル23の配置空間で発生する静磁場は、内側からk番目の平面コイルの内周に対応した位置の強度がこの位置の両側の強度よりも高くなっていればよい。給電用コイル4においてこの静磁場特性を得るためには、上述した発明者の知見に基づけば、内側からk−1番目及びk番目の平面コイルの線材の長さの差が、k番目の平面コイルの外周の長さ未満であればよいと考えることができる。このとき、給電用コイル4を構成するm個の平面コイルは、一部又は全体が電磁結合すると考えられる。そして、ゲート駆動回路8は、受電部20に給電するときには、m個の平面コイルのそれぞれに共通の周波数の交流電流を流せばよい。
給電用コイル4を構成する平面コイルの数が多いほど、受電用コイル23の配置空間において磁場が相対的に強い領域が多くの領域に分散し、静磁場特性が平坦な特性に近づくと考えられ、受電用コイル23の配置空間にある導体の発熱を抑える効果を高めることが期待できる。
[実施例3]
以下、上述した静磁場特性の発生を実証するシミュレーションを実施例3として、具体的に説明する。この実施例3では、給電用コイル4の条件を以下の表3に示すようにしてシミュレーションを行った。また、平面コイル間の平均距離dが1mmの給電用コイル4(タイプA)と、平面コイル間の平均距離dが2mmの給電用コイル4(タイプB)との2つの給電用コイル4を用いてシミュレーションを行った。
Figure 0005590588
この実施例3で、m=2の給電用コイル4は、平面コイル4A,4Bで構成される。m=3の給電用コイル4は平面コイル4A,4B,4Cで構成される。m=4の給電用コイル4は、平面コイル4A,4B,4C,4Dで構成される。また、この実施例3では、z=1mmの位置におけるz軸方向の磁束密度Bzを計算しており、各平面コイルを流れる電流が1Aとなるようにした。各平面コイルを流れる電流が1Aで同じになるようにしているので、直流抵抗値は或る値で同一であると考えることができる。
図18は、静磁場特性の発生の様子を示すグラフであり、(A)がm=2の給電用コイル4に対応し、(B)がm=3の給電用コイル4に対応し、(C)がm=4の給電用コイル4に対応する。図19(A)は、図18(A)〜(C)に示したグラフのうちタイプA(d=1mm)の給電用コイル4の結果をまとめたグラフを表す図であり、図19(B)は、図18(A)〜(C)に示したグラフのうちタイプB(d=2mm)の給電用コイル4の結果をまとめたグラフを表す図である。図18、図19において、グラフの横軸及び縦軸はそれぞれ、図7に示すグラフの横軸及び縦軸と同じである。また、図19においては、平面コイルが存在する位置を太線で図示している(図19のグラフの凡例の「coil」に対応。)。また、図19及び後で説明する図22において、グラフの凡例の「double」はm=2の給電用コイル4に対応し、「triplicate」はm=3の給電用コイル4に対応し、「fourfold」はm=4の給電用コイル4に対応している。図20は、図18及び図19に対応する静磁場特性の3次元的な分布を示した図である。図20では、(A)m=2,d=1mm、(B)m=3,d=1mm、(C)m=4,d=1mm、(D)m=2,d=2mm、(E)m=3,d=2mm(F)m=4,d=2mmの給電用コイル4を用いた場合のz軸方向の磁束密度Bzを表す。
図18から図20を見て分かるように、給電用コイル4を構成する平面のコイルの数が多いほど、給電用コイル4の中心における磁場の強度が増加する量よりも、給電用コイル4の中心から離れた領域での磁場の強度が増加する量が相対的に大きいことが確認できた。つまり、給電用コイル4を構成する平面コイルの数が多いほど、磁場が相対的に強い領域がより広い範囲に分散して発生していることを確認できた。
図21は、給電用コイル4を流れる電流が1Aとなるようにした場合のシミュレーション結果を示すグラフである。この場合、給電用コイル4を構成する平面コイルの数が増えるほど、1つ当たりの平面コイルに流れる電流が小さくなる。図21において、(A)がm=2の給電用コイル4に対応し、(B)がm=3の給電用コイル4に対応し、(C)がm=4の給電用コイル4に対応する。図22(A)は、図21(A)〜(C)に示したグラフのうちタイプA(d=1mm)の給電用コイル4の結果をまとめたグラフを表す図であり、図22(B)は、図20(A)〜(C)に示したグラフのうちタイプB(d=2mm)の給電用コイル4の結果をまとめたグラフを表す図である。図21及び図22において、横軸及び縦軸はそれぞれ図18及び図19に示すグラフの横軸及び縦軸と同じである。このシミュレーション結果から、給電用コイル4を流れる電流の合計を平面コイルの数に関わらず同一にした場合であっても、給電用コイル4の平面コイル数が増えるほど、静磁場特性がより平坦な特性に近づき、相対的に磁場の強い領域がより広い分散して発生していることを確認できた。
(4)上述した実施形態では、給電部10が給電用コイル4を1つだけ有する構成を説明したが、給電部10が給電用コイル4を2つ以上備えていてもよい。すなわち、給電部10は、給電用コイル4をn個(ただし、n≧2)備えていてもよい。この場合、ゲート駆動回路8は、n個の給電用コイル4に共通の周波数の交流電流を流すこととなる。
図23は、n=5とした場合の給電部10の構成を説明する図である。図23(A)に示すように、この給電部10では、5つの給電用コイル4が同一平面上に配置されている。ここにおいて、5つの給電用コイル4の各々を区別するために、各給電用コイル4を、「4−1」,「4−2」,「4−3」、「4−4」,「4−5」という符号を付して区別して表す。また、給電用コイル4−1,4−2,4−3,4−4,4−5に面するように、受電用コイル23が配置される配置空間側には受電部20を置くための台100が設けられている。台100は、例えば木製や樹脂材料で形成されたテーブルなどであり、受電部20を置くことのできる部材であればよい。ただし、台100は、電磁波を透過させる素材で形成されていれば、その素材などは特に問わない。台100が存在することにより、台100の素材などによっては、受電部20を扱うユーザは給電用コイル4−1〜4−5を視認することができない。図23においては、説明の便宜のため、給電用コイル4−1〜4−5を図示している。
この変形例の給電部10において、給電用コイル4−1,4−2,4−3,4−4が四隅に配置され、給電用コイル4−1,4−2,4−3,4−4の間に形成された領域に給電用コイル4−5が配置されている。この変形例の給電部10によれば、図23(B)に示すように、台100上のどの位置に受電部20を配置しても、受電部20は給電用コイル4−1,4−2,4−3,4−4,4−5の少なくともいずれかを介して給電部10から受電することができる。よって、受電部20を扱うユーザは、台100上のどの位置に受電部20を置くかについてあまり意識しなくてよい。
図24は、給電部10が有する5つの給電用コイル4−1,4−2,4−3,4−4,4−5の電気的な接続の構成を説明する図である。図24に示す符号においては、平面コイルを示す「4A」,「4B」の末尾に、その平面コイルを有する給電用コイルの符号を括弧書きで示している。この変形例の給電部10において、図24に示す部分以外の回路構成は、上述した実施形態で説明した回路構成と同じでよい。
図24に示すように、この変形例の給電部10では、5つの給電用コイル4−1,4−2,4−3,4−4,4−5の内側からj番目(ただし、1≦j≦m。ここではm=2である。)の平面コイルが互いに直列接続されている。より具体的に、給電用コイル4−1の平面コイル4Aと、給電用コイル4−2の平面コイル4Aと、給電用コイル4−3の平面コイル4Aと、給電用コイル4−4の平面コイル4Aと、給電用コイル4−5の平面コイル4Aとが直列接続されている。また、給電用コイル4−1の平面コイル4Bと、給電用コイル4−2の平面コイル4Bと、給電用コイル4−3の平面コイル4Bと、給電用コイル4−4の平面コイル4Bと、給電用コイル4−5の平面コイル4Bとが直列接続されている。また、直列接続された5つの平面コイル4A,4Bのうち、給電用コイル4−1の平面コイル4A,4Bが第1のコンデンサ3Aの一端に接続されている。第1のコンデンサ3Aの他端は、ゲート駆動回路8に接続されている。また、直列接続された5つの平面コイル4A,4Bのうち、給電用コイル4−5の平面コイル4A,4Bが第2のコンデンサ3Bの一端に接続されている。第2のコンデンサ3Bの他端は接地されている。ゲート駆動回路8は、給電用コイル4−1〜4−5に共通の周波数の交流電流を流す。
また、n個の給電用コイル4を接続する場合に、内側から同じ位置にある平面コイルを互いに直列接続することで、平面コイルのインピーダンスのばらつきに起因して、受電用コイル23の配置空間において発生する磁場の強度にばらつきが生じるのを抑えることができる。仮に、n個の給電用コイル4について、内側から同じ位置にある平面コイルを並列接続した場合に、それらのインピーダンスにばらつきがあると、インピーダンスが低い平面コイル上では磁場が発生しやすくなる一方で、インピーダンスが高い平面コイル上では磁場が発生しにくくなり、給電が正常に行われない可能性がある。これに対し、本変形例のように平面コイル同士を互いに直列接続する構成とすれば、仮に平面コイルのインピーダンスにばらつきがあっても、このような磁場の強度のばらつきの発生を抑えることができる。
ただし、平面コイルのインピーダンスのばらつきが無視できるように調整されていれば、内側から同じ位置にある平面コイルが互いに並列接続されていてもよい。
ところで、受電部20が台100上に置かれていない場合には、受電用コイル23の配置空間での磁束密度は十分低い状態となる。一方で、例えば、受電部20が台100の給電用コイル4−1上に置かれると、給電用コイル4−1と受電用コイル23との相互インダクタンスの作用等によって、給電用コイル4−1の上方において磁束密度が高くなり、受電部20への給電が行われる。このように、受電部20が置かれた位置の給電用コイル4が強い磁場を発生させることとなる。よって、給電部10によれば、ゲート駆動回路8が給電用コイル4を駆動し続けた場合であっても、受電部20が受電しないときに無駄な磁場を発生させないで済む。これにより、給電部10においては、無駄な電力消費を抑えることが可能である。
また、この変形例の給電部10においては、給電用コイル4−1〜4−5が互いに電磁結合して、受電用コイル23の配置空間での磁場の発生に影響を与えると考えられる。例えば、給電用コイル4−5は、給電用コイル4−1〜4−4のいずれとも近い位置にあるので、給電用コイル4−1〜4−4と電磁結合する。
この変形例では、給電用コイル4の数nを5として説明したが、給電用コイル4の数nは2以上4以下であってもよいし、6以上であってもよい。また、n個の給電用コイル4の配置態様は、図23を用いて説明した態様以外であってもよく、特定の配置態様に限定されることはない。また、この変形例の給電部10においても、上述した変形例の(4)で説明したように、1の給電用コイル4が有する平面コイルの数mが3以上であってもよい。
また、この変形例の給電部10において、n個の給電用コイル4は必ずしも同一平面上に設けられている必要はなく、一部又は全部が異なる平面に配置されてもよい。
(5)上述した実施形態において、受電部20は発光回路などを備えた照明装置であったが、少なくとも受電用コイル23を備え、受電用コイル23を用いて受電した電力を用いて動作するものであればよい。例えば、上述した実施形態の給電部10と、受電用コイル23で受電した電力を外部に出力する受電部20とをユニット化した受給電装置を構成してもよい。この受給電装置はトランスに相当する。また、この受給電装置は、給電用コイル4及び受電用コイル23が平面コイルで構成されているので、薄型のトランスとして提供することが可能である。
(6)上述した実施形態では、平面コイル4A,4Bは並列接続され、これらは1のゲート駆動回路8により流された交流電流により駆動された。これに代えて、給電用コイル4を構成する平面コイル同士を接続せずに、平面コイル毎に独立してゲート駆動回路8を設けた構成としてもよい。また、ゲート駆動回路8は、給電用コイル4を構成する各平面コイルに同じ電流値の交流電流を流すのではなく、一部又は全部の平面コイルの交流電流の電流値を異ならせてもよい。この変形例の給電部10であっても、複数のゲート駆動回路8が、各平面コイルに共通の周波数の交流電流を流せば、上述した実施形態と同等の作用効果を奏する。
また、給電部10が、給電用コイル4の平面コイルにおける交流電流の位相差を検知する検知回路を有し、ゲート駆動回路8は、この位相差を小さくするように、給電用コイル4の各平面コイルに供給する交流電流の位相を制御してもよい。
(7)図25は、平面コイル4A,4Bの別の実施形態を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のIV−IV線に沿う断面図である。図25に示すように、基板11上には、第1の磁性シート12と放熱シート又は樹脂シートを有する第1のスペーサ13と、平面コイル4A,4Bと、第2のスペーサ14が積層されており、さらに、基板11の下部には第2の磁性シート15と、放熱板16が配設されている。図25(A)に示すように、給電用コイル4の左側には、基板11に接続されるコンデンサ3が配置されている。
基板11の上面側及び下面側に配置される磁性シート12,15は、いわゆる電磁ノイズ削減用のシートである。磁性シート12,15は、受電用コイル23の配置空間の反対側から給電用コイル4を覆うように、給電用コイル4から離間して設けられた磁性体である。基板11の下面側に配置される放熱板16は、給電用コイル4で発熱し、基板11に伝導する熱を放熱するために設けられている。放熱板16は、熱伝導率の大きい材料を使用することができる。放熱板16の材料としては、Al(アルミニウム)やCu(銅)が挙げられ、給電用コイル4の外部磁場による挙動の変化を抑えるために非磁性体であることが好ましい。給電用コイル4に流れる交流電流は磁性シート12,15によって磁気シールドされるので、放熱板16が誘導加熱されるのを防止している。
この変形例の給電用コイル4によれば、給電部10で発生する熱やインバータ部2で発生する電磁雑音を低減化できる。
(8)LED発光部の変形例を説明する。
図26は、受給電装置40の構成を示すブロック図である。図26に示すように、受給電装置40は給電部41と受電部42とを備える。受電部42は、受電用コイル23と受電用コイル23に接続される一つ以上の発光ダイオード44とを有する。発光ダイオード44としては、赤色、黄色、緑色、青色、紫色、白色等の各種の発光ダイオード44を使用することができる。発光ダイオード44には、発光ダイオード44の保護用ダイオード45が並列に接続されている。保護用ダイオード45としては、所謂ツェナーダイオードを使用することができる。
受給電装置40によれば、受電用コイル23に供給される交流電流で発光ダイオード44を点灯することができ、発光ダイオード44の順方向で電流が流れる。交流電流が発光ダイオード44とは逆方向の場合には、ツェナーダイオードが接続されているので、発光ダイオード44には電流が流れない。このような受給電装置40は、照明装置や信号灯等のディスプレイ装置に利用できる。発光ダイオード44の明るさは、発光ダイオード44に流れる電流を変えて調整することができる。発光ダイオード44に流れる電流は、インバータ部2の周波数を変化させて調整することができる。インバータ部2の周波数は、例えば図2の発振回路6の周波数を変えることで実施できる。
(9)受給電装置の変形例の構成について説明する。
図27は、受給電装置50の構成を示すブロック図である。図27に示す受給電装置50は、給電部51と受電部52とを有する。受給電装置50が図26の受給電装置40と異なるのは、発光ダイオード54の接続の態様である。受電部52において、受電用コイル23に接続される発光ダイオード54の導通方向が互いに逆、つまり逆並列接続された対の発光ダイオード54A,54Bが複数対並列接続されている。発光ダイオード54としては、赤色、黄色、緑色、青色、紫色、白色等の各種の発光ダイオード54を用いることができる。このような受給電装置50は、照明装置や信号灯等のディスプレイ装置に利用できる。発光ダイオード54の明るさは、受給電装置40で説明したように、発光ダイオード54に流れる電流を変えて調整することができる。
(10)次に、受給電装置のさらに別の実施形態について説明する。
図28は、受給電装置60の構成を示すブロック図である。図28に示す受給電装置60は、給電部61と受電部62とを備える。受電部62は、受電用コイル23と、受電用コイル23に接続される整流回路26と、整流回路26に接続された発光ダイオード64とを有する。
受給電装置60では、受電部62に整流回路26を設けているので、直列接続された発光ダイオード64の保護回路は不要である。発光ダイオード64としては、赤色、黄色、緑色、青色、紫色、白色等の各種の発光ダイオード64を用いることができる。図示の直列接続された発光ダイオード64に接続される抵抗65は、直流電流調整用の抵抗である。受給電装置60では、受電用コイル23に供給される交流電流を整流回路26で直流に変換して発光ダイオード64を点灯することができる。発光ダイオード64の直列接続数は、整流回路26で得られる直流電圧を考慮して決めればよい。受給電装置60では、整流回路26で発生する直流電圧を比較的高く設定して、電流は発光ダイオード64の1個に必要な低電流とすることができる。このような受給電装置60は、受給電装置40,50と同様に照明装置や信号灯等のディスプレイ装置に利用できる。
(11)次に、受給電装置40〜60に適用できる発光ダイオード等の実装回路について説明する。
図29は、受給電装置40〜60に適用できるダイオード等の実装回路を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のV−V線に沿う断面図である。図29に示すように、基板11の上部側には、受電用コイル23と、第1のスペーサ13とが積層されており、さらに、基板11の下部側には磁性シート15と、第2のスペーサ14と、放熱板16と、発光ダイオード44,54,64が配設されている。放熱板16としては、Al等を使用することができる。基板11の上部側に配設されるスペーサ13は、受電用コイル23が近接して配置されるときの短絡防止と、受電用コイル23で発生する熱を放熱する作用を有している。基板11の下面側に配置される磁性シート15は、いわゆる電磁ノイズ削減用のシートである。
基板11の下面側に配置される放熱板16は、給電用コイル4で発熱した熱が基板11に伝導した熱と、発光ダイオード44,54,64のパッケージで発生した熱とを放熱するために設けられている。受電用コイル23で受電した交流電流は磁性シート15によって磁気シールドされるので、放熱板16が誘導加熱されて発熱することを防止している。上記した発光ダイオード44,54,64の実装によれば、給電用コイル4や発光ダイオード44,54,64で発生する熱やインバータ部2で発生する電磁雑音を低減化することができる。
(12)次に、受電部にさらに蓄電池等を設けた受給電装置のさらに別の実施形態について説明する。
図30は、受給電装置70のブロック図である。図30に示すように、受給電装置70は、給電部71と受電部72とを備える。受電部72は、受電用コイル23と、受電用コイル23に接続される整流回路26と、整流回路26に充電制御回路77して接続される蓄電池78とを有する。給電部71は、図2に示した受給電装置1Aと同様に構成されている。蓄電池78としては、リチウムイオン電池のような充放電可能な二次電池を使用することができる。
受給電装置70によれば、例えば受電部72に携帯機器が接続されている場合には、この携帯機器に内蔵されている蓄電池78に非接触で発熱なく効率良く電力を伝送することができる。
受電部72には電力変換回路79を設けてもよい。電力変換回路79は、整流回路26で得た直流をインバータで電力変換するDC−DCコンバータで構成することができる。このような構成にすれば、給電部71側の電源を5Vの単一電源として、受電部72の携帯機器を電力変換回路79で変換した二つ以上、つまり複数の直流電源によって使用することが可能となり、利便性が向上する。
受給電装置70の給電部71には、データ通信用回路81を、受電部72には、データ通信用回路82を設けてもよい。通信信号は、給電部71のインバータ部2を搬送信号として変調すればよい。変調された信号は、例えば、受電部72側のデータ通信用回路82で復調される。変調方式としては、WPC(Wireless Power Consortium)方式を用いることができる。このような構成によれば、給電部71から受電部72の電力を給電できるとともに、給電部71から受電部72又は受電部72から給電部71に非接触で通信つまり無線通信が可能となり、給電部71と受電部72との間でデータ通信ができる。
(13)次に、受電部にさらに蓄電池やLEDを設けた照明装置の実施形態について説明する。
図31は、受給電装置を応用した照明装置90の別の実施形態を示すブロック図である。図31に示す照明装置90は、給電部91と受電部92を備える。受電部92は、発光ダイオード94と、受電用コイル23と、受電用コイル23に接続される充電制御回路97を介して接続される蓄電池98とを有する。このような、照明装置90では、給電部91をAC電源で構成しておけば、蓄電池98に充電が完了した時点から、給電部91をAC電源から取り外して使用することができる。つまり携帯用の照明装置90として使用することができる。AC電源の停電時には、蓄電池98によって、発光ダイオード94を駆動することができる。
本発明を適用した照明装置90によれば、例えば受電部92に内蔵されている蓄電池98に非接触で発熱なく効率良く電力を伝送することができる。
また、本発明の発光回路は、LED発光部に限らず、電力を用いて発光させるものであればLED以外の発光体を発光させてもよい。
本発明は上記実施形態に限定されることなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。

Claims (14)

  1. 受電用コイルを備える受電装置に電磁誘導方式で給電する給電装置であって、
    同一平面上で同一の点の周りに線材を巻き回した外径が各々異なるm個(ただし、m≧2)の平面コイルを、径方向内側から外側に向かって前記外径の小さい順に配置し、前記受電用コイルを配置する空間に前記m個の平面コイルが面している給電用コイルと、
    前記受電装置に給電するときに、前記m個の平面コイルに共通の周波数の交流電流を流す駆動回路と
    を備え、
    前記給電用コイルの内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルの前記線材の長さの差が、当該k番目の平面コイルの外周の長さ未満である
    給電装置。
  2. 電用コイルを備える受電装置に電磁誘導方式で給電する給電装置であって、
    同一平面上で同一の点の周りに線材を巻き回したm個(ただし、m≧2)の平面コイルを、径方向内側から外側に向かって配置し、前記受電用コイルを配置する空間に前記m個の平面コイルが面している給電用コイルと、
    前記受電装置に給電するときに、前記m個の平面コイルに1MHz以上の高調波成分が発生しない周波数の交流電流を流す駆動回路と
    を備え、
    前記給電用コイルの内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルの前記線材の長さの差が、当該k番目の平面コイルの外周の長さ未満である
    給電装置。
  3. 電用コイルを備える受電装置に電磁誘導方式で給電する給電装置であって、
    同一平面上で同一の点の周りに線材を巻き回したm個(ただし、m≧2)の平面コイルを、径方向内側から外側に向かって配置し、前記受電用コイルを配置する空間に前記m個の平面コイルが面している給電用コイルと、
    前記受電装置に給電するときに、前記m個の平面コイルに1MHz以上の高調波成分が発生しない周波数の交流電流を流す駆動回路と
    を備え、
    前記給電用コイルの内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルに直流電流を流したとき、前記空間に発生させられる静磁場の前記径方向における各位置の強度は、当該k番目の平面コイルの内周の位置で極大値となる
    給電装置。
  4. 記m個の平面コイルの直流抵抗の値が同じである
    請求項1からのいずれか1項に記載の給電装置。
  5. 記m個の平面コイルの前記線材の長さが同じである
    請求項に記載の給電装置。
  6. 記m個の平面コイルが並列接続されている
    請求項1からのいずれか1項に記載の給電装置。
  7. 記m個の平面コイルに直列接続された容量性素子
    を備える請求項1からのいずれか1項に記載の給電装置。
  8. 記空間の反対側から前記給電用コイルを覆うように、当該給電用コイルから離間して設けられた磁性体と、
    前記磁性体を前記空間の反対側から覆うように設けられた非磁性体と
    を備える請求項1からのいずれか1項に記載の給電装置。
  9. 記給電用コイルをn個(ただし、n≧2)備え、
    前記駆動回路は、
    前記n個の給電用コイルに共通の周波数の交流電流を流す
    請求項1からのいずれか1項に記載の給電装置。
  10. 記n個の給電用コイルの内側からj番目(ただし、1≦j≦m)の平面コイルが互いに直列接続されている
    請求項に記載の給電装置。
  11. 求項1から1のいずれか1項に記載の給電装置と、
    前記給電装置から受電用コイルを用いて受電する受電装置と
    を備える受給電装置。
  12. 記受電用コイルは、
    前記給電装置が有する前記平面コイルのいずれの自己インダクタンスよりも大きい自己インダクタンスで予め構成されている
    請求項1に記載の受給電装置
  13. 記受電装置が、
    前記給電装置から受電した電力を用いて発光体を発光させる発光回路
    を有する請求項11又は12に記載の受給電装置。
  14. 磁誘導方式で給電する給電装置に用いられる給電用コイルであって、
    同一平面上で同一の点の周りに線材を巻き回した外径が各々異なるm個(ただし、m≧2)の平面コイルを、径方向内側から外側に向かって前記外径の小さい順に配置し、
    内側からk−1番目及びk番目(ただし、2≦k≦m)の平面コイルの前記線材の長さの差が、当該k番目の平面コイルの外周の長さ未満である
    給電用コイル。
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