JP5589412B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、及び電子写真カートリッジ - Google Patents
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Description
電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下適宜「感光体」という)については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が広く使用されている。
即ち、本発明の第1の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であっ
て、該感光層中に、下記一般式(1)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(2)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される構造単位を有するバインダー樹脂を含むことを特徴とする電子写真感光体、に存する(請求項1)。
また、本発明の第2の要旨は、第1の要旨の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、クリーニングブレードを使用したクリーニング工程を有することを特徴とする、画像形成装置、に存する(請求項2)。
また、本発明の第4の要旨は、第1の要旨の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とクリーニングブレードを使用したクリーニング手段を備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ、に存する(請求項4)。
ビビリによる異音や、トナーのフィルミングといった問題を生じない電子写真感光体、並びにそれを用いた画像形成装置、画像形成方法、電子写真感光体カートリッジを得ることが出来る。
[電子写真感光体]
本発明の感光体は、特定構造を有する電荷輸送剤とバインダー樹脂を含有する感光層を備えるものである。上記の感光層は、通常は導電性支持体(「導電性基体」ともいう)上に設けられる。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dL2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。なお、下引き層のバインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、バインダー樹脂は、バインダー樹脂のみで用いるほか、硬化剤とともに硬化した形で使用することもできる。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を含んでいても良い。
[感光層]
本発明の感光体は、導電性支持体上に感光層を有する。本発明の感光体には、電荷発生層(電荷発生材料を含む層)と電荷輸送層(電荷輸送材料を含む層)を含む積層型の感光層を有する積層型感光体、あるいは電荷発生材料と電荷輸送材料を同一の感光層中に含む単層型感光体がある。
る。
本発明における弾性変形率及びユニバーサル硬度は、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下の通りに設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さとを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図4に示すようなプロファイルを取得する。
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
上記の弾性変形率は下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図4中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−Cで囲まれる面積を示す。弾性変形率が大きいほど、負荷に対する変形が残留しにくく、弾性変形率が100の場合には変形が残らないことを意味する。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm2)
次に、感光層の構成成分について説明する。
電荷発生材料の例としては、例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
特に、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペ
クトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる明瞭な回折ピークを有するものは、好ましい。
また、該オキシチタニウム二ロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することは、好ましい。
電荷発生材料として使用される顔料としては、使用される露光波長により好ましい材料が決められる場合がある。露光波長が380nm〜500nm程度の短波長領域の場合には、上記アゾ顔料が好適に用いられる。一方、630〜780nm程度の近赤外光を使用する場合には、その領域にも高感度を有するフタロシアニン顔料と、一部のアゾ顔料が好適に使用される。一方、環境特性、例えば湿度依存性が小さいことが求められる場合も、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に明瞭な回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンは湿度依存性が大きいため、上記アゾ顔料が好適に使用される。
さらに、感光層内に分散される電荷発生材料の量は少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下、感度の低下、凝集による平滑性の低下などの弊害がある。よって、積層型感光層の電荷発生層内の電荷発生材料の量は、通常は20重量%以上、好ましくは40重量%以上、また、通常90重量%以下、好ましくは70重量%以下とする。単層型感光層内の電荷発生材料の量は、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下とする。
本発明における電荷輸送材料としては、下記一般式(1)および(2)で表される正孔輸送性の材料が用いられる。
一般式(1)で表される電荷輸送材料は分子がコンパクトなため、感光層に含有したとき感光体の表面硬度が高くなる特徴を有し、残留電位が低い特徴も備えている。しかし、電荷移動度が小さく、速い電子写真プロセスでは残留電位が上昇するため、単体の適用には制約が有る。一方で、一般式(2)で表される電荷輸送材料は、分子サイズとしては一般式(1)より大きいため、表面硬度は一般式(1)を使用した場合より小さくなるものの、残留電位が小さく、電荷移動度も一般式(1)で表される電荷輸送材料より大きいという特徴がある。一般式(1)と(2)で表される電荷輸送材料を混合させると、表面硬度は(1)に近く、残留電位は(2)に近くなるという、相乗効果が観測された。即ち、単純に両者の加重平均から予想される特性よりも大きい効果が得られる。
一般式(1)としては、上述した一般式(1)の有利な効果を助長するために以下の構成であることが好ましい。
あることが最も好ましい。
R2は水素原子、メチル基、あるいはフェニル基を表し、特に好ましくは水素原子である。
R5は水素原子、またはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。アルキル基の場合は、炭素数1〜10が好ましく、1〜6であることがより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシルキ基が挙げられる。以上のなかでも、水素原子であることが好ましい。
Ar1、Ar2はアリール基もしくはアラルキル基を表す。アリール基の場合は、炭素数6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられるが、フェニ
ル基、トリル基が好ましく、トリル基であることが特に好ましい。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、4−メチルベンジル基、フェネチル基が挙げられる。以上のなかでも、トリル基であることが特に好ましく、Nの結合位置に対して4位にメチル基があるものが最も好ましい。
R7、R8はアルキル基あるいはアリール基を表す。アルキル基の場合は、炭素数1〜10が好ましく、1〜6であることがより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシルキ基、等が挙げられる。アリール基の場合は、炭素数6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、等が挙げられる。以上のなかでも、R7、R8はアリール基であることが好ましく、フェニレン基であることが特に好ましい。
本発明では、下記一般式(3)で表される構造単位を含有するポリカーボネート樹脂を、バインダー樹脂として、前記一般式(1)、(2)で表される電荷輸送材料と同一層で使用する。下記一般式(3)で表される構造単位を含有するポリカーボネート樹脂は高い弾性変形率を有し、特に一般式(1)、(2)で表される電荷輸送材料と組み合わせた際に異音、フィルミングといったトラブルが生じにくく、電荷輸送材料との相溶性も良好であることから、好適に用いられる。
好ましい一般式(3)の例としては、下記が挙げられる。脂肪族アルキル基としては、5員環〜8員環構造が、バインダー樹脂製造の観点からは好ましい。このうち、表面硬度の観点からは(3)−4、(3)−5、(3)−6が好ましく、高弾性変形率の観点からは(3)−5、(3)−6がより好ましい。
ランダムに共重合させて用いてもよい。共重合させてもよいビスフェノールユニットの例を、下記に示す。共重合比率は、一般式(3)で表されるユニットの高弾性変形率を損なわない範囲なら任意だが、好ましくは一般式(3)の割合が50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
なく、二層以上の異なる層から形成されていてもよい。
感光層の上に、保護層を最外層として設けても良い。これらの保護層としては、前記一般式(1)、(2)で表される電荷輸送材料、および前記一般式(3)で表されるバインダー樹脂を少なくも含有する。また、当該保護層には、硬度、弾性変形率を損なわない範囲で、適宜添加剤を加えてもよい。例えばフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂等の樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子等の無機粒子等が挙げられる。また、保護層の厚みが1μmより厚い場合は、その下層の影響よりも保護層の物性が表面機械物性をより強く支配するため、下層の感光層に用いられる材料には本発明で規定する範囲にとらわれず、任意の材料を使用してもよい。
下引き層、感光層、保護層などの各層の形成方法に制限は無い。例えば、形成する層に含有させる材料を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体の上に、直接又は他の層を介して順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。塗布後、乾燥により溶剤を除去することにより、感光層を形成する。
本発明の感光体は、後述する画像形成装置に用いられることにより、画像形成の用途に使用されるものである。本発明の積層型感光体は負帯電で使用し、単層型感光体は正帯電で使用する。
[感光体の露光波長]
本発明の感光体は、画像形成の際には、露光手段から書き込み光によって露光を行なわれて静電潜像を形成されることになる。この際に用いられる書き込み光は静電潜像の形成が可能である限り任意であるが、中でも、露光波長が通常380nm以上、中でも400nm以上、また、通常850nm以下の単色光を用いる。中でも480nm以下の単色光を用いると感光体を、より小さなスポットサイズの光で露光することができ、高解像度で高階調性を有する高品質の画像を形成することができることから、高品質の画像を得たい際に480nm以下の単色光で露光することが好ましい。
本発明の電子写真感光体を用いて画像形成を行なう場合、潜像を現像するための現像剤であるトナーとしては、任意のトナーを用いることができるが、中でも、特定の平均円形度を有するトナー(以下、適宜「本発明のトナー」と言う。)を用いることが特に好ましい。このように特定の円形度を有するトナーを用いることにより、本発明の画像形成装置はより高画質な画像を形成することができる。
<平均円形度>
本発明のトナーの形状は、トナーを構成する粒子群に含まれる各粒子の形状が、互いに近いものであって、球形に近いほどトナーの粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になる傾向にあり、画像品質を高めるうえで好ましい。特に、トナーの形状が完全な球形に近い形状となれば、電子写真感光体との接触面積が小さくなり、トナーの
転写率が高まり、トナーの消費量を低減することが可能となる場合がある。一方で、完全な球形状のトナーを製造することは製造上困難であり、トナーが高コスト化するため、一定以上の条件で球形に近ければよく、完全な球形である必要は無い。
円形度a=L0/L (X)
(式(X)中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理したときの粒子像の周囲長を示す。)
上記の円形度は、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
また、本発明のトナーは、体積平均粒径〔Dv〕を個数平均粒径〔Dn〕で除した値〔Dv/Dn〕が、通常1.0以上、また、通常1.25以下、好ましくは1.20以下、より好ましくは1.15以下であることが望ましい。〔Dv/Dn〕の値は、粒度分布の状態を表し、この値が1.0に近い方ほど粒度分布がシャープであることを表す。粒度分布がシャープであるほど、トナーの帯電性が均一となるので望ましい。
さらに、本発明のトナーは、粒径5μm以下の個数分率が、通常15%以下、好ましくは10%以下であることが、画像カブリの改善に効果があるため望ましい。
ー社製)を用い、個数分布・体積分布を出力するインターフェイス及び一般的なパーソナルコンピューターを接続して使用する。また、電解液はアイソトンIIを用いる。測定法としては、上記電解液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に測定試料(トナー)を2〜20mg加える。そして、試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、上記コールターカウンターのマルチサイザーII型あるいはIII型により、100μm
アパーチャーを用いて測定する。このようにしてトナーの個数及び体積を測定して、それぞれ個数分布、体積分布を算出し、それぞれ、体積平均粒径〔Dv〕、個数平均粒径〔Dn〕を求める。
なお、本発明のトナーのピーク分子量は、測定装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)を用いて次の条件で測定される。
測定は、試料濃度(樹脂の濃度)を0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF溶液を測定装置に50〜200μL注入して行なう。試料(トナー中の樹脂成分)の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
HF不溶分を算出することができる。
本発明のトナーの軟化点〔Sp〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、耐高温オフセット性、耐久性の観点からは、軟化点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、また、低エネルギーで定着する観点から、通常150℃以下、好ましくは140℃以下である。
また、本発明のトナーのガラス転移温度〔Tg〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常80℃以下、好ましくは70℃以下であると、低エネルギーで定着できるので望ましい。また、ガラス転移温度〔Tg〕は、通常40℃以上、好ましくは50℃以上であると、耐ブロッキング性の点で好ましい。
トナーの軟化点〔Sp〕及びガラス転移温度〔Tg〕は、トナーに含まれる重合体の種類及び組成比に通常は大きく影響を受ける。このため、トナーの軟化点〔Sp〕及びガラス転移温度〔Tg〕は、後述する重合体の種類及び組成を適宜最適化することにより調整することができる。また、例えば重合体の分子量、ゲル分、ワックス等の低融点成分の種類及び混合量によっても、調整することが可能である。
本発明のトナーがワックスを含有する場合、トナー粒子中のワックスの分散粒径は、平均粒径として、通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上であり、また、上限は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。分散粒径が小さすぎる場合、トナーの耐フィルミング性改良の効果が得られない可能性があり、大きすぎる場合、トナーの表面にワックスが露出しやすくなり帯電性や耐熱性が低下する可能性がある。
また、トナーに占めるワックスの割合は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であり、また通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。ワックスが少なすぎる場合、定着温度幅が不十分となる可能性があり、多すぎる場合、装置部材を汚染して画質が低下する可能性がある。
本発明のトナーは、上記の平均円形度を有する限り他に制限は無い。トナーの種類は、通常はその製造方法に応じて様々なものが得られるが、本発明のトナーとしては、いずれを用いることも可能である。
以下、トナーの製造方法の一例を説明するが、本発明のトナーの製造方法は以下の方法に限定されない。
重合法によるトナーの方法としては、例えば、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法、単量体は可溶であるが、得られる重合体が不溶である水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造することが可能である。
また、トナーの離型性、低温定着性、高温オフセット性、耐フィルミング性等を改良するために、トナーに低軟化点物質(ワックス)を含有させる方法が提案されている。溶融混練粉砕法では、トナーに含まれるワックスの量を増やすことが難しく、重合体(バインダー樹脂)に対して5重量%程度が限界とされている。それに対して、重合法トナーでは、低軟化点物質を多量(具体的には、通常5重量%以上30重量%以下)に含有させることが可能である。なお、ここでいう重合体は、トナーを構成する材料の一つであり、例えば後述する乳化重合凝集法により製造されるトナーの場合、重合性単量体が重合して得られるものである。
懸濁重合法を用いて本発明のトナーを製造する場合、低軟化点物質を内包化する具体的方法としては、水系媒体中での物質の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、さらに少量の極性の大きな樹脂又は単量体を混合することで、低軟化点物質を外殻樹脂で被覆した、いわゆるコア/シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御及び粒径の制御は、例えば、難水溶性の無機塩及び保護コロイド作用を示す分散剤の種類及び混合量を変える方法、機械的装置条件(例えばローターの周速、パス回数、撹拌羽根形状等の攪拌条件)、容器形状、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定の本発明のトナーを得ることができる。
スラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレット2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
また、黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し、磁性体の量は、通常40重量部以上150重量部以下が望ましい。
具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属化合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。荷電制御剤は、樹脂100重量部に対し、通常0.5重量部以上10重量部以下が望ましい。
本発明のトナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、分散剤の具体例としては、例えば無機系化合物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースのナトリウ
ム塩、デンプン等が水相に分散させて使用される。なお、分散剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
単量体中に低軟化物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散した単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機又はホモミキサー、ホモジナイザー等により分散する。この際、好ましくは単量体組成物からなる液滴が、所望のトナーのサイズを有するように撹拌速度、時間等を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、その製造工程としては、通常、重合工程、混合工程、凝集工程、融合工程、洗浄・乾燥工程を行なう。即ち、一般的には乳化重合により重合体一次粒子を得て(重合工程)、その重合体一次粒子を含む分散液に、必要に応じ、着色剤(顔料)、ワックス、帯電制御剤等の分散体を混合し(混合工程)、この分散液中に凝集剤を加えて一次粒子を凝集させて粒子凝集体とし(凝集工程)、必要に応じて微粒子等を付着する操作を行ない、その後に融合させて粒子を得て(融合工程)、得られた粒子を洗浄、乾燥することにより(洗浄・乾燥工程)、母粒子が得られる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニングユニット6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6は、多くの場合、カートリッジ(本発明の電子写真感光体カートリッジ。以下適宜、「感光体カートリッジ」という)として、画像形成装置の本体から取り外し、交換可能となるように設計されている。例えば電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニングユニット6、トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感
光体1及び供給ローラ43に各々当接している。ただし、現像ローラ44と電子写真感光体1とは当接せず、近接していてもよい。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体、被転写体)Pに転写するものである。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
る。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位に帯電される(帯電工程)。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう(現像工程)。現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、正極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、以下において、実施例1について「実施例」は「参考例」と読み替えるものとする。
<塗布液の製造>
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表される化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドの
ペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
まず電荷発生物質として、図3のCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示すオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Aを調製した。
電荷輸送層形成用塗布液は以下のように作製した。
前記(3)−4の繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂100部(粘度平均分子量40000)、電荷輸送物質として前記(1)−1で表される化合物を40部、前記(2)−1で表される化合物を40部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部、及びレベリング剤としてシリコーンオイル(信越
シリコーン社製:商品名KF96)0.05部を、THF/トルエン(8/2(重量比))の混合溶媒640部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
表面が鏡面仕上げされ、清浄に洗浄された外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、上記の下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥し、乾燥後の
膜厚がそれぞれ、1.3μm、0.4μm、25μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラムを得た。なお、電荷輸送層の乾燥は、125℃で20分間行なった。
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体を80rpmで回転させながら、初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを、透過率の異なるNDフィルターを使用して光量を変化させて表面電位の減衰挙動を測定した。その際、各光量で露光後、いったん660nmのLED光を除電光として露光し、残存電荷の多くをキャンセルした。測定値としては、表面電位が半減するのに必要な露光量(半減露光量:E1/2と称する)、および780nmの単色光を1.7μJ/cm2露光した際の表面電位
(明電位;VLと称する)を求めた。結果を表1に示す。
弾性変形率及びユニバーサル硬度を、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。結果を表1に示す。
<画像試験>
作製した感光体ドラムと フロー式粒子像分析装置によって測定される平均円形度0.990のトナーAとを用いて、画像特性試験を行った。画像特性試験は、ヒューレットパッカード社製カラープリンターHP Color LaserJet 4700dn(クリーニングブレード、カウンター当接方式)を用いて行った。
電荷輸送物質として前記(1)−1で表される化合物の代わりに、前記(1)−2で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物を48部、前記(2)−1で表される化合物を32部用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物を32部、前記(2)−1で表される化合物を48部用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
電荷輸送物質として前記(1)−1で表される化合物の代わりに、前記(1)−11で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として前記(1)−1で表される化合物の代わりに、前記(1)−20で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
電荷輸送物質として前記(2)−1で表される化合物の代わりに、前記(2)−4で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として前記(2)−1で表される化合物の代わりに、前記(2)−5で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、前記(3)−1で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、前記(3)−5で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例11
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物の代わりに、前記(1)−11で表される化合物を用いた以外は、実施例10と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物の代わりに、前記(1)−20で表される化合物を用いた以外は、実施例10と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例13
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、前記(3)−8で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、下記(a)で表される化合物(粘度平均分子量40000)を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物60重量部、下記(b)で表
される化合物(粘度平均分子量50000)40重量部を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー樹脂として、前記(3)−5で表される化合物70重量部、下記(c)で表される化合物(粘度平均分子量30000)30重量部を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
電荷輸送物質として前記(2)−1で表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として下記Aで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として下記Bで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として下記Cで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として下記Dで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として下記Eで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として前記(2)−1で表される化合物の代わりに、前記Bで表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物の代わりに、前記Aで表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例10
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、前記(b)で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、下記(d)で表される化合物(粘度平均分子量37000)を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、下記Zで表される化合物(粘度平均分子量48000)を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2において用いたトナーAの代わりに、平均円形度0.931のトナーBを用いた以外は、実施例2と同様にして画像特性試験を行った。その結果、画像の解像度(ドット再現性、細線再現性)が劣化し、劣った画質となった。
表1の結果より、本発明の構成を使用した場合には、画像濃度が良好で、異音発生、クリーニング不良、フィルミングといった問題が発生せず、良好な画質が得られることが分かる。
<単層型感光体の製造>
下引き層は、次のようにして製造した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すY型チタニルフタロシアニン10重量部を、1,2−ジメトキシエタン 1
50重量部に加え、サンドグラインドミルにて1時間粉砕分散処理を行い、顔料分散液を調整した。次に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)を10重量% 1,2−ジメトキシエタン100部に溶解して、バインダー溶液を調整した。上記顔料分散液160重量部を、上記バインダー溶液100重量部に混合し、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え最終的に固形分濃度4.0%の分散液を調製した。このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、直径30mm、長さ247mm、厚さ0.75mmの表面を切削加工したアルミニウム管上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるように浸漬塗布後、室温下で乾燥して下引き層を設けた。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が7.5゜、28.5゜に強い回折ピークを示す電荷発生材料のα型チタニルフタロシアニン3重量部、下記構造式(PIG−1)で示される電子輸送能を有するペリレン顔料7重量部を、トルエン200重量部と共にサンドグラインドミルにより1時間混合分散して、顔料分散液を調整した。一方、前記構造式(1)−2で示される正孔輸送材料40重量部、前記構造式(2)−1で示される正孔輸送材料40重量部、前記構造式(3)−5で示されるバインダー樹脂(粘度平均分子量約40,000)100重量部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部、同じく酸化防止剤としてトリベ
ンジルアミン1重量部、レベリング剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名KF96)0.05重量部をテトラヒドロフラン400重量部に加え、60℃に加熱して溶解させた。この溶液を室温まで冷却後に、上記の顔料分散液を、ホモジナイザーにより均一になるように混合して、孔径10μmのフィルターでろ過して、塗布液を調整した。このように調製した塗布液を、上述の下引き層上に、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布し、感光体を作製した。
上記感光体ドラムを、ブラザー工業製モノクロレーザープリンタ HL1240のドラムカートリッジに搭載して画像試験を行った。2万枚連続印刷(5%印字)を行ったが、十分な画像濃度が得られ、ゴースト、カブリ等の画像劣化、フィルミング、クリーニング不良による画像欠陥は見られず、安定した画像が形成された。また、異音の発生は観測されなかった。
製の精密粒度分布測定装置コールター・カウンター マルチサイザー3を使用して粒径解析を行ったところ、体積平均粒径(Dv)は9.1μm、個数平均粒径(DN)は7.7μm、Dv/DNは1.19であった。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)
Claims (4)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層中に、下記一般式(1)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(2)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される構造単位を有するバインダー樹脂を含むことを特徴とする電子写真感光体。
(一般式(1)中、Xは環状脂肪族アルキル基、R1はNの結合位置に対して4位にメチル基があるトリル基を表し、R2は水素原子、メチル基、あるいはフェニル基を表し、R3,R4は水素原子、アリール基あるいはアルキル基を表し、R5は水素原子、またはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
(一般式(2)中、Ar1、Ar2はトリル基、Ar3はアリーレン基、R6は水素原子あるいはアルキル基、R7、R8はアルキル基あるいはアリール基を表す。)
(一般式(3)中、Zは環状脂肪族アルキル基を表す。) - 請求項1に記載の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、クリーニングブレードを使用したクリーニング
工程を有することを特徴とする、画像形成装置。 - フロー式粒子像分析装置によって測定される該トナーの平均円形度が、0.960以上1.000以下であることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
- 請求項1に記載の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とクリーニングブレードを使用したクリーニング手段を備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ。
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