JP5589412B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、及び電子写真カートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、及び電子写真カートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、複写機やプリンター等に用いられる単層型正帯電型電子写真感光体および画像形成装置に関するものである。より詳しくは、塗布液の経時安定性に優れ、長期間に渡って電気特性が良好な状態を安定に保持する点を特長とする、単層型正帯電型電子写真感光体および画像形成装置に関するものである。
電子写真技術は、即時的に高品質の画像が得られることなどから、複写機、プリンター、印刷機として広く使われている。
電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下適宜「感光体」という)については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が広く使用されている。
近年、高画質化の要求により、トナーの小径化が進み、中でもケミカルトナーにおいては形状が球に近い形態となることが多いため、感光体上に残ったトナーをブレードによりクリーニングする際にすり抜けが発生し易く、その結果地汚れ等の画像欠陥となる可能性が高くなっている。そのため、クリーニングブレードを従来より強い圧力で感光体に当接し、トナーのすり抜けを防止する対策が取られることが多くなっている。
特許第2812729号公報 特許第3544079号公報
クリーニングブレードの感光体への当接圧が大きくなると、ブレードが感光体最表面と固着・滑りを繰り返す、いわゆるスティック・スリップ現象によるビビリを生じ、その結果異音を発生するリスクが高くなったり、スリップ中にトナーがすり抜けてしまう可能性も出てくる。また、ブレードの圧力により感光体表面にトナーの成分が固着し、除去が困難になる、いわゆるフィルミング現象が発生し、持続的な画像欠陥となるリスクも高くなっている。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、感光体の最外層に特定の電荷輸送材料とバインダー樹脂を使用することにより、他の感光体性能を損なうことなく、異音、フィルミングの発生を抑制できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明の第1の要旨は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であっ
て、該感光層中に、下記一般式(1)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(2)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される構造単位を有するバインダー樹脂を含むことを特徴とする電子写真感光体、に存する(請求項1)。
Figure 0005589412
(一般式(1)中、Xは環状脂肪族アルキル基、RNの結合位置に対して4位にメチル基があるトリル基を表し、Rは水素原子、メチル基、あるいはフェニル基を表し、R,Rは水素原子、アリール基あるいはアルキル基を表し、Rは水素原子、またはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す
Figure 0005589412
(一般式(2)中、Ar、Arトリル基、Arはアリーレン基、Rは水素原子あるいはアルキル基、R、Rはアルキル基あるいはアリール基を表す
Figure 0005589412
(一般式(3)中、Zは環状脂肪族アルキル基を表す)。
また、本発明の第2の要旨は、第1の要旨の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、クリーニングブレードを使用したクリーニング工程を有することを特徴とする、画像形成装置、に存する(請求項2)。
また、本発明の第3の要旨は、フロー式粒子像分析装置によって測定される該トナーの平均円形度が、0.960以上1.000以下であることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置、に存する(請求項3)。
また、本発明の第4の要旨は、第1の要旨の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とクリーニングブレードを使用したクリーニング手段を備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ、に存する(請求項4)。
本発明によれば、クリーニングブレードの当接圧の強いプロセスにおいてもブレードの
ビビリによる異音や、トナーのフィルミングといった問題を生じない電子写真感光体、並びにそれを用いた画像形成装置、画像形成方法、電子写真感光体カートリッジを得ることが出来る。
本発明の電子写真感光体を備えた画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。 本発明の実施例及び比較例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを示すX線回折図である。 本発明の実施例及び比較例で用いたオキシチタニウムフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルを示すX線回折図である。 押込み深さに対する荷重曲線を示したグラフである。
以下、本発明を実施するための実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
[電子写真感光体]
本発明の感光体は、特定構造を有する電荷輸送剤とバインダー樹脂を含有する感光層を備えるものである。上記の感光層は、通常は導電性支持体(「導電性基体」ともいう)上に設けられる。
[導電性支持体]
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料やアルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着または塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。
例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、陽極酸化処理することにより陽極酸化被膜が形成されるが、硫酸中での陽極酸化処理がより良好な結果を与える。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、電解電圧は10〜20V、電流密度は0.5〜2A/dL2の範囲内に設定されるのが好ましいが、前記条件に限定されるものではない。
このようにして形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を行うことは好ましい。封孔処理は、公知の方法で行われればよいが、例えば、主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、あるいは主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が施されるのが好ましい。
支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタンおよび酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
また、金属酸化物粒子の粒径としては、種々のものが利用できるが、中でも特性および液の安定性の面から、平均一時粒径として10nm以上100nm以下が好ましく、特に好ましいのは、10nm以上50nm以下である。
下引き層は、金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は良好な分散性、塗布性を示し好ましい。なお、下引き層のバインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、バインダー樹脂は、バインダー樹脂のみで用いるほか、硬化剤とともに硬化した形で使用することもできる。
また、本発明の感光体の感光層が単層型である場合は、支持体との接着性が低く、使用時に感光層が剥離してしまう可能性があることから、後述する電荷発生層を、下引き層の代用とすることもできる。この場合は、下引き層として、フタロシアニン顔料やアゾ顔料をバインダー樹脂中に分散して塗布したものなどが好適に用いられる。このように電荷発生層を下引き層の代用とした場合は特に電気特性が優れるため、好ましい。
バインダー樹脂に対する無機粒子の混合比は任意に選べるが、10重量%から500重量%の範囲で使用することが、分散液の安定性、塗布性の面で好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性および塗布性から0.1μm〜20μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を含んでいても良い。
[感光層]
本発明の感光体は、導電性支持体上に感光層を有する。本発明の感光体には、電荷発生層(電荷発生材料を含む層)と電荷輸送層(電荷輸送材料を含む層)を含む積層型の感光層を有する積層型感光体、あるいは電荷発生材料と電荷輸送材料を同一の感光層中に含む単層型感光体がある。
クリーニングブレードとの摩擦に起因する異音を抑制するためには感光層の表面硬度が高いことが好ましく、トナーのクリーニング不良防止、フィルミング抑制の観点からは、感光層の弾性変形率が高いことが好ましい。硬度、弾性変形率は、電荷輸送材料、およびバインダー樹脂双方に依存し、またその相溶性によっても影響されるため、材料の組合せで好適な範囲となるように設計する必要が有る。感光層の好ましい表面硬度は、ユニバーサル硬度値として、好ましくは195N/mm以上、より好ましくは210N/mm以上、更に好ましくは220N/mm以上である。感光層の好ましい弾性変形率の範囲は、好ましくは38%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは42%以上であ
る。
本発明における弾性変形率及びユニバーサル硬度は、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下の通りに設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さとを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図4に示すようなプロファイルを取得する。
・測定条件
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
上記の弾性変形率は下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
弾性変形率(%)=(We/Wt)×100
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図4中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−Cで囲まれる面積を示す。弾性変形率が大きいほど、負荷に対する変形が残留しにくく、弾性変形率が100の場合には変形が残らないことを意味する。
また、上記のユニバーサル硬度は、押込み加重5mNまで押し込んだ時の値であり、その時の押込み深さから以下の式により定義される値である。
ユニバーサル硬度(N/mm)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm
次に、感光層の構成成分について説明する。
<電荷発生材料>
電荷発生材料の例としては、例えばセレニウム及びその合金、硫化カドミウム、その他無機系光導電材料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料などの有機顔料等各種光導電材料が使用でき、特に有機顔料、更にはフタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましい。
使用されるフタロシアニンとしては、具体的には、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、またはその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)などのチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型,I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。なお、これらのフタロシアニンのうち、フタロシアニン環の中心に金属を含有する含金属フタロシアニンが好ましく、含金属フタロシアニンの中でもA型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等がより好ましく、A型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニンが更に好ましい。
特に、オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペ
クトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる明瞭な回折ピークを有するものは、好ましい。
また、該オキシチタニウム二ロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することは、好ましい。
電荷発生材料としてアゾ顔料を使用する場合には、各種公知のビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が好適に用いられる。
電荷発生材料として使用される顔料としては、使用される露光波長により好ましい材料が決められる場合がある。露光波長が380nm〜500nm程度の短波長領域の場合には、上記アゾ顔料が好適に用いられる。一方、630〜780nm程度の近赤外光を使用する場合には、その領域にも高感度を有するフタロシアニン顔料と、一部のアゾ顔料が好適に使用される。一方、環境特性、例えば湿度依存性が小さいことが求められる場合も、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に明瞭な回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンは湿度依存性が大きいため、上記アゾ顔料が好適に使用される。
用いる電荷発生材料の粒子径は充分小さいことが望ましい。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。
さらに、感光層内に分される電荷発生材料の量は少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下、感度の低下、凝集による平滑性の低下などの弊害がある。よって、積層型感光層の電荷発生層内の電荷発生材料の量は、通常は20重量%以上、好ましくは40重量%以上、また、通常90重量%以下、好ましくは70重量%以下とする。単層型感光層内の電荷発生材料の量は、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下とする。
<電荷輸送材料>
本発明における電荷輸送材料としては、下記一般式(1)および(2)で表される正孔輸送性の材料が用いられる。
Figure 0005589412
(一般式(1)中、Xは環状脂肪族アルキル基、Rはアルキル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、Rは水素原子、メチル基、あるいはフェニル基を表し、R,Rは水素原子、アリール基あるいはアルキル基を表し、Rは水素原子、またはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
Figure 0005589412
(一般式(2)中、Ar、Arはアリール基もしくはアラルキル基、Arはアリーレン基、Rは水素原子あるいはアルキル基、R、Rはアルキル基あるいはアリール基を表す)
一般式(1)で表される電荷輸送材料は分子がコンパクトなため、感光層に含有したとき感光体の表面硬度が高くなる特徴を有し、残留電位が低い特徴も備えている。しかし、電荷移動度が小さく、速い電子写真プロセスでは残留電位が上昇するため、単体の適用には制約が有る。一方で、一般式(2)で表される電荷輸送材料は、分子サイズとしては一般式(1)より大きいため、表面硬度は一般式(1)を使用した場合より小さくなるものの、残留電位が小さく、電荷移動度も一般式(1)で表される電荷輸送材料より大きいという特徴がある。一般式(1)と(2)で表される電荷輸送材料を混合させると、表面硬度は(1)に近く、残留電位は(2)に近くなるという、相乗効果が観測された。即ち、単純に両者の加重平均から予想される特性よりも大きい効果が得られる。
正孔輸送材料(1)、(2)の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、当該正孔輸送材料2種の合計量は、感光層中のバインダー樹脂100重量部に対して、通常30重量部以上、好ましくは40重量部以上、また、通常200重量部以下、好ましくは150重量部以下である。電荷輸送材料の量は少なすぎると電気特性が悪化する可能性があり、多すぎると塗布膜が脆くなり耐摩耗性が悪化する可能性がある。正孔輸送材料(1)/(2)の比率は、通常10/90〜90/10、好ましくは30/70〜70/30、より好ましくは40/60〜60/40である。両者の比率が近い方が、お互いの利点が現れやすく、相乗効果が大きくなるため、好ましい。
一般式(1)としては、上述した一般式(1)の有利な効果を助長するために以下の構成であることが好ましい。
Xにおいて環状脂肪族アルキル基の環を形成する炭素数は、2〜8が好ましく、4〜6がより好ましい。上記環状脂肪族アルキル基は置換基を有して有さなくてもよい。置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アリール基等が挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基;アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基;アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられる。また、好ましい形態としては、置換基を有さない、または、アルキル基を置換するものであり、より好ましい形態としては置換基を有さないものである。
はアルキル基、アラルキル基、またはアリール基を表す。アルキル基としては炭素数1〜10が好ましく、1〜6であることがより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシルキ基が挙げられる。アラルキル基としては炭素数7〜20が好ましく、7〜13であることが寄り好ましい。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、4−メチルベンジル基、フェネチル基が挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられるが、フェニル基、トリル基が好ましく、トリル基であることが特に好ましい。トリル基の場合、Nの結合位置に対して4位にメチル基が
あることが最も好ましい。
は水素原子、メチル基、あるいはフェニル基を表し、特に好ましくは水素原子である。
,Rは水素原子、アリール基あるいはアルキル基を表す。アリール基の場合は、炭素数6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられるが、フェニル基、トリル基が好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。アルキル基の場合は、炭素数1〜10が好ましく、1〜6であることがより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシルキ基が挙げられる。以上のなかでも、R,Rがフェニル基であることが好ましい。
は水素原子、またはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。アルキル基の場合は、炭素数1〜10が好ましく、1〜6であることがより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシルキ基が挙げられる。以上のなかでも、水素原子であることが好ましい。
(1)の具体例を、下記に示す。
Figure 0005589412
一般式(2)としては、上述した一般式(2)の有効な特徴を助長するためにも以下の構成であることが好ましい。
Ar、Arはアリール基もしくはアラルキル基を表す。アリール基の場合は、炭素数6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられるが、フェニ
ル基、トリル基が好ましく、トリル基であることが特に好ましい。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、4−メチルベンジル基、フェネチル基が挙げられる。以上のなかでも、トリル基であることが特に好ましく、Nの結合位置に対して4位にメチル基があるものが最も好ましい。
Arはアリーレン基を表す。例えば、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基が挙げられる。置換基がアルキル基の場合は、炭素数1〜10が好ましく、1〜6であることがより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシルキ基、等が挙げられる。置換基がアリール基の場合は、炭素数6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、等が挙げられる。以上のなかでも、Arはアリーレン基としては置換基を有してないものが好ましく、フェニレン基であることが特に好ましい。
は水素原子あるいはアルキル基を表す。アルキル基の場合は、炭素数1〜10が好ましく、1〜6であることがより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシルキ基、等が挙げられる。以上のなかでも、水素原子が好ましい。
、Rはアルキル基あるいはアリール基を表す。アルキル基の場合は、炭素数1〜10が好ましく、1〜6であることがより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシルキ基、等が挙げられる。アリール基の場合は、炭素数6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、等が挙げられる。以上のなかでも、R、Rはアリール基であることが好ましく、フェニレン基であることが特に好ましい。
(2)の具体例を、下記に示す。
Figure 0005589412
一般式(1)、(2)にさらに加えて混合させてもよい正孔輸送材料としては特に限定されず、任意の材料を用いることが可能である。公知の正孔輸送材料の例としては、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性材料などが挙げられる。混合してもよい電荷輸送材料の分子量は通常250以上、好ましくは300以上、より好ましくは320以上、またその上限は、好ましくは460以下、より好ましくは430以下である。分子量が小さ過ぎると感光層を乾燥中に昇華する可能性があり、また分子量が大き過ぎると、前記一般式(1)、(2)で表される電荷輸送材料の表面機械物性面での利点を損なう。
<バインダー樹脂>
本発明では、下記一般式(3)で表される構造単位を含有するポリカーボネート樹脂を、バインダー樹脂として、前記一般式(1)、(2)で表される電荷輸送材料と同一層で使用する。下記一般式(3)で表される構造単位を含有するポリカーボネート樹脂は高い弾性変形率を有し、特に一般式(1)、(2)で表される電荷輸送材料と組み合わせた際に異音、フィルミングといったトラブルが生じにくく、電荷輸送材料との相溶性も良好であることから、好適に用いられる。
Figure 0005589412
(一般式(3)中、Zは環状脂肪族アルキル基を表す)。
好ましい一般式(3)の例としては、下記が挙げられる。脂肪族アルキル基としては、5員環〜8員環構造が、バインダー樹脂製造の観点からは好ましい。このうち、表面硬度の観点からは(3)−4、(3)−5、(3)−6が好ましく、高弾性変形率の観点からは(3)−5、(3)−6がより好ましい。
Figure 0005589412
なお、本発明に使用されるポリカーボネート樹脂は、一般式(3)で表される単一ユニットからなるホモポリマーでもよいが、他のビスフェノールユニットとブロックあるいは
ランダムに共重合させて用いてもよい。共重合させてもよいビスフェノールユニットの例を、下記に示す。共重合比率は、一般式(3)で表されるユニットの高弾性変形率を損なわない範囲なら任意だが、好ましくは一般式(3)の割合が50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
Figure 0005589412
さらに、感光層は、各種の添加剤を含有していても良い。これらの添加剤は成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するために用いられるもので、例えば、可塑剤、紫外線等の短波長光吸収剤、酸化防止剤、残留電位を抑制するための残留電位抑制剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤(例えば、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等)、界面活性剤などが挙げられる。なお、添加剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、本発明の感光体において感光層の膜厚に制限は無く本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、単層型感光体の場合は、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下である。積層型感光体の場合は、電荷発生層は好ましくは0.1μm以上1μm以下、より好ましくは0.2μm以上0.8μm以下であり、電荷輸送層は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常40μm以下、好ましくは35μm以下である。当該電荷輸送層は、単一の層だけで
なく、二層以上の異なる層から形成されていてもよい。
[その他の層]
感光層の上に、保護層を最外層として設けても良い。これらの保護層としては、前記一般式(1)、(2)で表される電荷輸送材料、および前記一般式(3)で表されるバインダー樹脂を少なくも含有する。また、当該保護層には、硬度、弾性変形率を損なわない範囲で、適宜添加剤を加えてもよい。例えばフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂等の樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子等の無機粒子等が挙げられる。また、保護層の厚みが1μmより厚い場合は、その下層の影響よりも保護層の物性が表面機械物性をより強く支配するため、下層の感光層に用いられる材料には本発明で規定する範囲にとらわれず、任意の材料を使用してもよい。
[各層の形成方法]
下引き層、感光層、保護層などの各層の形成方法に制限は無い。例えば、形成する層に含有させる材料を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体の上に、直接又は他の層を介して順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。塗布後、乾燥により溶剤を除去することにより、感光層を形成する。
この際、塗布方法は限定されず任意であり、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法などを用いることができる。この中でも、生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。なお、これらの塗布方法は、1つの方法のみを行なうようにしてもよいが、2以上の方法を組み合わせて行なうようにしてもよい。
[感光体の帯電型]
本発明の感光体は、後述する画像形成装置に用いられることにより、画像形成の用途に使用されるものである。本発明の積層型感光体は負帯電で使用し、単層型感光体は正帯電で使用する。
[感光体の露光波長]
本発明の感光体は、画像形成の際には、露光手段から書き込み光によって露光を行なわれて静電潜像を形成されることになる。この際に用いられる書き込み光は静電潜像の形成が可能である限り任意であるが、中でも、露光波長が通常380nm以上、中でも400nm以上、また、通常850nm以下の単色光を用いる。中でも480nm以下の単色光を用いると感光体を、より小さなスポットサイズの光で露光することができ、高解像度で高階調性を有する高品質の画像を形成することができることから、高品質の画像を得たい際に480nm以下の単色光で露光することが好ましい。
[トナー]
本発明の電子写真感光体を用いて画像形成を行なう場合、潜像を現像するための現像剤であるトナーとしては、任意のトナーを用いることができるが、中でも、特定の平均円形度を有するトナー(以下、適宜「本発明のトナー」と言う。)を用いることが特に好ましい。このように特定の円形度を有するトナーを用いることにより、本発明の画像形成装置はより高画質な画像を形成することができる。
[物性]
<平均円形度>
本発明のトナーの形状は、トナーを構成する粒子群に含まれる各粒子の形状が、互いに近いものであって、球形に近いほどトナーの粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になる傾向にあり、画像品質を高めるうえで好ましい。特に、トナーの形状が完全な球形に近い形状となれば、電子写真感光体との接触面積が小さくなり、トナーの
転写率が高まり、トナーの消費量を低減することが可能となる場合がある。一方で、完全な球形状のトナーを製造することは製造上困難であり、トナーが高コスト化するため、一定以上の条件で球形に近ければよく、完全な球形である必要は無い。
具体的には、本発明のトナーは、フロー式粒子像分析装置によって測定される平均円形度が、通常0.960以上、好ましくは0.970以上、より好ましくは0.975以上、特に好ましくは0.980以上である。また、上記平均円形度の上限は通常1.000以下であり、生産の容易さの観点から、好ましくは0.998以下、より好ましくは0.995以下である。
なお、上記の平均円形度は、トナーの粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定を行ない、測定された粒子の円形度〔a〕を下記式(X)により求めるものとする。
円形度a=L0/L (X)
(式(X)中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは画像処理したときの粒子像の周囲長を示す。)
上記の円形度は、トナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
平均円形度の具体的な測定方法としては、以下の通りである。即ち、予め容器中の不純物を除去した水20mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を加え、更に測定試料(トナー)を0.05g程度加える。この試料を分散した懸濁液に超音波を30秒照射し、分散液濃度を3000個/μL以上8000個/μL以下として、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上160μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
本発明のトナーの体積平均粒径〔Dv〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常4μm以上、好ましくは5μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは8μm以下である。トナーの体積平均粒径〔Dv〕が小さすぎる場合、画質の安定性が低下する可能性があり、大きすぎる場合、解像度が低下する可能性がある。
また、本発明のトナーは、体積平均粒径〔Dv〕を個数平均粒径〔Dn〕で除した値〔Dv/Dn〕が、通常1.0以上、また、通常1.25以下、好ましくは1.20以下、より好ましくは1.15以下であることが望ましい。〔Dv/Dn〕の値は、粒度分布の状態を表し、この値が1.0に近い方ほど粒度分布がシャープであることを表す。粒度分布がシャープであるほど、トナーの帯電性が均一となるので望ましい。
さらに、本発明のトナーは、粒径25μm以上の体積分率が、通常1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下、更に好ましくは0.05%以下である。この値は小さいほど好ましい。これは、トナーに含まれる粗粉の割合が少ないことを意味しており、粗粉が少ないと、連続現像の際のトナーの消費量が少なく、画質が安定するため好ましい。なお、粒径25μm以上の粗粉は、理想的には全く存在しないことが特に好ましいが、実際の製造上は困難であり、通常は0.05%以下にしなくとも構わない。
また、本発明のトナーは、粒径15μm以上の体積分率が、通常2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下である。粒径15μm以上の粗粉も理想的には全く存在しないことが特に好ましいが、実際の製造上は困難であり、通常は0.1%以下にしなくとも構わない。
さらに、本発明のトナーは、粒径5μm以下の個数分率が、通常15%以下、好ましくは10%以下であることが、画像カブリの改善に効果があるため望ましい。
ここで、トナーの体積平均粒径〔Dv〕、個数平均粒径〔Dn〕、体積分率、個数分率等は、以下のようにして測定することができる。即ち、トナーの粒子径の測定装置としては、コールターカウンターのマルチサイザーII型あるいはIII型(ベックマン・コールタ
ー社製)を用い、個数分布・体積分布を出力するインターフェイス及び一般的なパーソナルコンピューターを接続して使用する。また、電解液はアイソトンIIを用いる。測定法としては、上記電解液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に測定試料(トナー)を2〜20mg加える。そして、試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、上記コールターカウンターのマルチサイザーII型あるいはIII型により、100μm
アパーチャーを用いて測定する。このようにしてトナーの個数及び体積を測定して、それぞれ個数分布、体積分布を算出し、それぞれ、体積平均粒径〔Dv〕、個数平均粒径〔Dn〕を求める。
本発明のトナーのTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、適宜「GPC」と言う。)におけるピーク分子量のうち少なくとも1つは、通常10000以上、好ましくは20000以上、より好ましくは30000以上であり、通常150000以下、好ましくは100000以下、より好ましくは70000以下であることが望ましい。ピーク分子量が低すぎる場合、非磁性一成分現像方式における機械的耐久性が悪化する可能性があり、高すぎる場合、低温定着性や定着強度が悪化する可能性がある。
さらに、トナーのTHF不溶分は後述するセライト濾過による重量法で測定した場合、通常10%以上、好ましくは20%以上であり、また、通常60%以下、好ましくは50%以下である。上記範囲にない場合は、機械的耐久性と低温定着性の両立が困難となる可能性がある。
なお、本発明のトナーのピーク分子量は、測定装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)を用いて次の条件で測定される。
即ち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mLの流速で流す。次いで、トナーをTHFに溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
測定は、試料濃度(樹脂の濃度)を0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF溶液を測定装置に50〜200μL注入して行なう。試料(トナー中の樹脂成分)の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
さらに、上記の測定方法で用いるカラムとしては、10以上2×10以下の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せることが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組合せや、昭和電工社製のshodex KA801、802、803、804、805、806、807の組合せが好ましい。
また、トナーのTHF不溶分の測定は、以下のようにして行なうことができる。即ち、試料(トナー)1gをTHF100gに加え25℃で24時間静置溶解し、セライト10gを用いて濾過し、濾液の溶媒を留去してTHF可溶分を定量し、1gから差し引いてT
HF不溶分を算出することができる。
<トナーの軟化点及びガラス転移温度>
本発明のトナーの軟化点〔Sp〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、耐高温オフセット性、耐久性の観点からは、軟化点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、また、低エネルギーで定着する観点から、通常150℃以下、好ましくは140℃以下である。
なお、トナーの軟化点〔Sp〕は、フローテスターにおいて、試料1.0gをノズル1mm×10mm、荷重30kg、予熱時間50℃で5分、昇温速度3℃/分の条件下で測定を行なったときの、フロー開始から終了までのストランドの中間点での温度として求めることができる。
また、本発明のトナーのガラス転移温度〔Tg〕に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常80℃以下、好ましくは70℃以下であると、低エネルギーで定着できるので望ましい。また、ガラス転移温度〔Tg〕は、通常40℃以上、好ましくは50℃以上であると、耐ブロッキング性の点で好ましい。
なお、トナーのガラス転移温度〔Tg〕は、示差走査熱量計において、昇温速度10℃/分の条件で測定した曲線の転移(変曲)開始部に接線を引き、2つの接線の交点の温度として求めることができる。
トナーの軟化点〔Sp〕及びガラス転移温度〔Tg〕は、トナーに含まれる重合体の種類及び組成比に通常は大きく影響を受ける。このため、トナーの軟化点〔Sp〕及びガラス転移温度〔Tg〕は、後述する重合体の種類及び組成を適宜最適化することにより調整することができる。また、例えば重合体の分子量、ゲル分、ワックス等の低融点成分の種類及び混合量によっても、調整することが可能である。
<トナー中のワックス>
本発明のトナーがワックスを含有する場合、トナー粒子中のワックスの分散粒径は、平均粒径として、通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上であり、また、上限は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。分散粒径が小さすぎる場合、トナーの耐フィルミング性改良の効果が得られない可能性があり、大きすぎる場合、トナーの表面にワックスが露出しやすくなり帯電性や耐熱性が低下する可能性がある。
なお、ワックスの分散粒径は、トナーを薄片化して電子顕微鏡観察する方法の他、ワックスが溶解しない有機溶剤等でトナーの重合体を溶出した後にフィルターで濾過し、フィルター上に残ったワックス粒子を顕微鏡により計測する方法等により確認することができる。
また、トナーに占めるワックスの割合は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であり、また通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。ワックスが少なすぎる場合、定着温度幅が不十分となる可能性があり、多すぎる場合、装置部材を汚染して画質が低下する可能性がある。
[製造方法]
本発明のトナーは、上記の平均円形度を有する限り他に制限は無い。トナーの種類は、通常はその製造方法に応じて様々なものが得られるが、本発明のトナーとしては、いずれを用いることも可能である。
以下、トナーの製造方法の一例を説明するが、本発明のトナーの製造方法は以下の方法に限定されない。
本発明のトナーは、公知のどのような方法で製造しても構わず、例えば重合法や溶融懸濁法等により製造されるトナーが挙げられ、更には、粉砕トナーを熱等の処理により球形化したものも用いることができるが、水系媒体中でトナー粒子を生成する、いわゆる重合法により製造されるトナー(重合法トナー)が好ましい。
重合法によるトナーの方法としては、例えば、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法、単量体は可溶であるが、得られる重合体が不溶である水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造することが可能である。
重合法トナーとしては、例えば、懸濁重合法トナー、乳化重合凝集法トナー等が挙げられる。
また、トナーの離型性、低温定着性、高温オフセット性、耐フィルミング性等を改良するために、トナーに低軟化点物質(ワックス)を含有させる方法が提案されている。溶融混練粉砕法では、トナーに含まれるワックスの量を増やすことが難しく、重合体(バインダー樹脂)に対して5重量%程度が限界とされている。それに対して、重合法トナーでは、低軟化点物質を多量(具体的には、通常5重量%以上30重量%以下)に含有させることが可能である。なお、ここでいう重合体は、トナーを構成する材料の一つであり、例えば後述する乳化重合凝集法により製造されるトナーの場合、重合性単量体が重合して得られるものである。
トナーの平均円形度を0.960以上にコントロールでき、比較的容易に粒度分布がシャープで3μm以上8μm以下の粒径の微粒子トナーを得る方法として、例えば、常圧(通常1気圧)下での、又は、加圧下での懸濁重合方法、乳化重合凝集法等が挙げられる。
懸濁重合法を用いて本発明のトナーを製造する場合、低軟化点物質を内包化する具体的方法としては、水系媒体中での物質の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、さらに少量の極性の大きな樹脂又は単量体を混合することで、低軟化点物質を外殻樹脂で被覆した、いわゆるコア/シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御及び粒径の制御は、例えば、難水溶性の無機塩及び保護コロイド作用を示す分散剤の種類及び混合量を変える方法、機械的装置条件(例えばローターの周速、パス回数、撹拌羽根形状等の攪拌条件)、容器形状、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定の本発明のトナーを得ることができる。
本発明のトナーの外殻樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体を利用することができる。重合法により直接トナーを得る方法においては、それらの単量体が好ましく用いられる。なお、外殻樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
本発明に好適に用いられる着色剤は、例えば黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたもの等が利用される。イエロー着色剤としては、例えば縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168が好適に用いられる。なお、着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
マゼンタ着色剤としては、例えば縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アン
スラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレット2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
本発明に用いられるシアン着色剤としては、例えば銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。これらの着色剤は、単独又は混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。
本発明の着色剤は、カラートナーの場合、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の観点から、適切なものを選択して用いればよい。該着色剤の混合量は、樹脂100重量部に対し通常1重量部以上20重量部以下が望ましい。
また、黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100重量部に対し、磁性体の量は、通常40重量部以上150重量部以下が望ましい。
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、カラートナーの場合は、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く、且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。
具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属化合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。荷電制御剤は、樹脂100重量部に対し、通常0.5重量部以上10重量部以下が望ましい。
本発明で直接重合方法を利用する場合には、重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。なお、重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
該重合開始剤の混合量は、目的とする重合度により異なるが、単量体に対し通常0.5重量%以上20重量%以下用いられる。重合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。重合度を制御するため公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等をさらに混合することも可能である。
本発明のトナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、分散剤の具体例としては、例えば無機系化合物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースのナトリウ
ム塩、デンプン等が水相に分散させて使用される。なお、分散剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して通常0.2重量部以上10.0重量部以下を使用する事が好ましい。これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒体中にて高速撹拌下にて無機系化合物を生成させる事もできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合することで、懸濁重合方法に好ましい分散剤を得る事ができる。
また、これら分散剤の微細化のため、通常0.001重量部以上0.1重量部以下の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。なお、界面活性剤も、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
本発明のトナーの製造方法として直接重合方法を用いる場合には、例えば以下のような製造方法によって製造する事が可能である。
単量体中に低軟化物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散した単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機又はホモミキサー、ホモジナイザー等により分散する。この際、好ましくは単量体組成物からなる液滴が、所望のトナーのサイズを有するように撹拌速度、時間等を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
重合温度は通常40℃以上、一般的には50℃以上90℃以下の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、さらに、耐久特性向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄、ろ過することにより回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、単量体100重量部に対して、水の量が通常300重量部以上3000重量部以下を分散媒体として使用することが好ましい。
また、本発明におけるトナーは分級して粒度分布を制御しても良く、その方法として好ましくは、慣性力を利用した多分割分級装置を用いる。この装置を用いることにより、所望の粒度分布を有するトナーを効率的に製造できる。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、その製造工程としては、通常、重合工程、混合工程、凝集工程、融合工程、洗浄・乾燥工程を行なう。即ち、一般的には乳化重合により重合体一次粒子を得て(重合工程)、その重合体一次粒子を含む分散液に、必要に応じ、着色剤(顔料)、ワックス、帯電制御剤等の分散体を混合し(混合工程)、この分散液中に凝集剤を加えて一次粒子を凝集させて粒子凝集体とし(凝集工程)、必要に応じて微粒子等を付着する操作を行ない、その後に融合させて粒子を得て(融合工程)、得られた粒子を洗浄、乾燥することにより(洗浄・乾燥工程)、母粒子が得られる。
[画像形成装置]
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置(帯電手段)2、露光装置(露光手段;像露光手段)3及び現像装置(現像手段)4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置(転写手段)5、クリーニングユニット6及び定着装置(定着手段)7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニングユニット6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を正に帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。図1では帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示しているが、他にもコロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、帯電ブラシ等の接触型帯電装置などがよく用いられる。
なお、電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6は、多くの場合、カートリッジ(本発明の電子写真感光体カートリッジ。以下適宜、「感光体カートリッジ」という)として、画像形成装置の本体から取り外し、交換可能となるように設計されている。例えば電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6が劣化した場合に、この感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニングユニット6、トナーが全て備えられたカートリッジを用いることもある。
露光装置3は、電子写真感光体1に対し露光(像露光)を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、半導体レーザーやHe−Neレーザー等のレーザー、LED(発光ダイオード)などが挙げられる。また、感光体内部露光方式によって露光を行なうようにしてもよい。露光を行なう際の光は任意であるが一般に単色光が好ましく、例えば、波長(露光波長)が700nm〜850nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長300nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、露光した電子写真感光体1上の静電潜像を目に見える像に現像することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、カスケード現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感
光体1及び供給ローラ43に各々当接している。ただし、現像ローラ44と電子写真感光体1とは当接せず、近接していてもよい。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、通常、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は0.05〜5N/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は必要に応じて設けられ、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体、被転写体)Pに転写するものである。
クリーニングユニット6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニングブレードで掻き落として回収容器に蓄え、残留トナーを回収するものである。クリーニングブレードは、弾性ゴム部材および支持部材からなり、当該弾性ゴム部材の感光体当接部には、必要に応じてエッジ部材を更に設けても良い。当該弾性ゴム部材、あるいはエッジ部材は、ポリカプロラクトンポリオールおよび/またはポリエステルポリオールをポリオール成分とする、ポリウレタンからなることが、クリーニング効率を高める観点から、好ましい。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
記録紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
以上のように構成された電子写真装置では、感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像をトナーで現像する現像工程と、トナーを被転写体に転写する転写工程とを行ない、画像の記録が行なわれ
る。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって所定の電位に帯電される(帯電工程)。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、感光体に対して露光を行ない静電潜像を形成する(露光工程)。即ち、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。
そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう(現像工程)。現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、正極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。
そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される(転写工程)。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーが、クリーニングユニット6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
以下、実施例を示して本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下に示した実施例に限定されるものではなく任意に変形して実施することができる。また、以下の製造例、実施例、及び比較例中の「部」の記載は、特に指定しない限り「重量部」を示す。
なお、以下において、実施例1について「実施例」は「参考例」と読み替えるものとする。
実施例1
<塗布液の製造>
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表される化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドの
ペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
Figure 0005589412
電荷発生層形成用塗布液は以下のように作製した。
まず電荷発生物質として、図3のCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示すオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Aを調製した。
次に、電荷発生物質として、図4のCuKα特性X線によるX線回折スペクトルを示すオキシチタニウムフタロシアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで4時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液Bを調製した。
次いで、電荷発生層形成用塗布液Aと電荷発生層形成用塗布液Bを8:2の重量比で混合し、本実施例で用いる電荷発生層形成用塗布液を作製した。
電荷輸送層形成用塗布液は以下のように作製した。
前記(3)−4の繰返し構造を有するポリカーボネート樹脂100部(粘度平均分子量40000)、電荷輸送物質として前記(1)−1で表される化合物を40部、前記(2)−1で表される化合物を40部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部、及びレベリング剤としてシリコーンオイル(信越
シリコーン社製:商品名KF96)0.05部を、THF/トルエン(8/2(重量比))の混合溶媒640部に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
<感光体の製造>
表面が鏡面仕上げされ、清浄に洗浄された外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、上記の下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥し、乾燥後の
膜厚がそれぞれ、1.3μm、0.4μm、25μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラムを得た。なお、電荷輸送層の乾燥は、125℃で20分間行なった。
<電気特性試験>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体を80rpmで回転させながら、初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを、透過率の異なるNDフィルターを使用して光量を変化させて表面電位の減衰挙動を測定した。その際、各光量で露光後、いったん660nmのLED光を除電光として露光し、残存電荷の多くをキャンセルした。測定値としては、表面電位が半減するのに必要な露光量(半減露光量:E1/2と称する)、および780nmの単色光を1.7μJ/cm2露光した際の表面電位
(明電位;VLと称する)を求めた。結果を表1に示す。
<感光体表面物性評価>
弾性変形率及びユニバーサル硬度を、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。結果を表1に示す。
<画像試験>
作製した感光体ドラムと フロー式粒子像分析装置によって測定される平均円形度0.990のトナーAとを用いて、画像特性試験を行った。画像特性試験は、ヒューレットパッカード社製カラープリンターHP Color LaserJet 4700dn(クリーニングブレード、カウンター当接方式)を用いて行った。
作製した感光体ドラムとトナーとをシアン色用のプロセスカートリッジに装着し、このカートリッジをプリンターに装着した。温度25℃、湿度50%環境下で、10000枚の画像形成を行い、ゴースト、かぶり、濃度低下、フィルミング、クリーニング不良の評価を行った。結果を、表1に示す。なお、表1中、「CTM」は、「電荷輸送物質」を表す。
実施例2
電荷輸送物質として前記(1)−1で表される化合物の代わりに、前記(1)−2で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物を48部、前記(2)−1で表される化合物を32部用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物を32部、前記(2)−1で表される化合物を48部用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
電荷輸送物質として前記(1)−1で表される化合物の代わりに、前記(1)−11で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
電荷輸送物質として前記(1)−1で表される化合物の代わりに、前記(1)−20で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
電荷輸送物質として前記(2)−1で表される化合物の代わりに、前記(2)−4で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例8
電荷輸送物質として前記(2)−1で表される化合物の代わりに、前記(2)−5で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、前記(3)−1で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例10
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、前記(3)−5で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例11
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物の代わりに、前記(1)−11で表される化合物を用いた以外は、実施例10と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例12
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物の代わりに、前記(1)−20で表される化合物を用いた以外は、実施例10と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例13
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、前記(3)−8で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例14
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、下記(a)で表される化合物(粘度平均分子量40000)を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
実施例15
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物60重量部、下記(b)で表
される化合物(粘度平均分子量50000)40重量部を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
実施例16
バインダー樹脂として、前記(3)−5で表される化合物70重量部、下記(c)で表される化合物(粘度平均分子量30000)30重量部を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
比較例1
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
電荷輸送物質として前記(2)−1で表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
電荷輸送物質として下記Aで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
比較例4
電荷輸送物質として下記Bで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
比較例5
電荷輸送物質として下記Cで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
比較例6
電荷輸送物質として下記Dで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
比較例7
電荷輸送物質として下記Eで表される化合物80部のみを用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
比較例8
電荷輸送物質として前記(2)−1で表される化合物の代わりに、前記Bで表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例9
電荷輸送物質として前記(1)−2で表される化合物の代わりに、前記Aで表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例10
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、前記(b)で表される化合物を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例11
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、下記(d)で表される化合物(粘度平均分子量37000)を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
比較例12
バインダー樹脂として、前記(3)−4で表される化合物の代わりに、下記Zで表される化合物(粘度平均分子量48000)を用いた以外は、実施例2と同様に感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005589412
Figure 0005589412
比較例13
実施例2において用いたトナーAの代わりに、平均円形度0.931のトナーBを用いた以外は、実施例2と同様にして画像特性試験を行った。その結果、画像の解像度(ドット再現性、細線再現性)が劣化し、劣った画質となった。
表1の結果より、本発明の構成を使用した場合には、画像濃度が良好で、異音発生、クリーニング不良、フィルミングといった問題が発生せず、良好な画質が得られることが分かる。
実施例17
<単層型感光体の製造>
下引き層は、次のようにして製造した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示すY型チタニルフタロシアニン10重量部を、1,2−ジメトキシエタン 1
50重量部に加え、サンドグラインドミルにて1時間粉砕分散処理を行い、顔料分散液を調整した。次に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)を10重量% 1,2−ジメトキシエタン100部に溶解して、バインダー溶液を調整した。上記顔料分散液160重量部を、上記バインダー溶液100重量部に混合し、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え最終的に固形分濃度4.0%の分散液を調製した。このようにして得られた下引き層形成用塗布液を、直径30mm、長さ247mm、厚さ0.75mmの表面を切削加工したアルミニウム管上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるように浸漬塗布後、室温下で乾燥して下引き層を設けた。
単層型感光層は、次のように製造した。
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が7.5゜、28.5゜に強い回折ピークを示す電荷発生材料のα型チタニルフタロシアニン3重量部、下記構造式(PIG−1)で示される電子輸送能を有するペリレン顔料7重量部を、トルエン200重量部と共にサンドグラインドミルにより1時間混合分散して、顔料分散液を調整した。一方、前記構造式(1)−2で示される正孔輸送材料40重量部、前記構造式(2)−1で示される正孔輸送材料40重量部、前記構造式(3)−5で示されるバインダー樹脂(粘度平均分子量約40,000)100重量部、酸化防止剤として、チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名IRGANOX1076を8重量部、同じく酸化防止剤としてトリベ
ンジルアミン1重量部、レベリング剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名KF96)0.05重量部をテトラヒドロフラン400重量部に加え、60℃に加熱して溶解させた。この溶液を室温まで冷却後に、上記の顔料分散液を、ホモジナイザーにより均一になるように混合して、孔径10μmのフィルターでろ過して、塗布液を調整した。このように調製した塗布液を、上述の下引き層上に、乾燥後の膜厚が25μmになるように塗布し、感光体を作製した。
Figure 0005589412
<画像試験>
上記感光体ドラムを、ブラザー工業製モノクロレーザープリンタ HL1240のドラムカートリッジに搭載して画像試験を行った。2万枚連続印刷(5%印字)を行ったが、十分な画像濃度が得られ、ゴースト、カブリ等の画像劣化、フィルミング、クリーニング不良による画像欠陥は見られず、安定した画像が形成された。また、異音の発生は観測されなかった。
なお、当該プリンタに使用されている一成分トナーは、懸濁重合法で製造されたトナーであり、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000によって形状解析したところ、50%円形度は0.99であった。また、ベックマン・コールター株式会社
製の精密粒度分布測定装置コールター・カウンター マルチサイザー3を使用して粒径解析を行ったところ、体積平均粒径(Dv)は9.1μm、個数平均粒径(DN)は7.7μm、Dv/DNは1.19であった。
1 感光体
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層中に、下記一般式(1)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(2)で表される電荷輸送材料と、下記一般式(3)で表される構造単位を有するバインダー樹脂を含むことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005589412
    (一般式(1)中、Xは環状脂肪族アルキル基、RNの結合位置に対して4位にメチル基があるトリル基を表し、Rは水素原子、メチル基、あるいはフェニル基を表し、R,Rは水素原子、アリール基あるいはアルキル基を表し、Rは水素原子、またはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す
    Figure 0005589412
    (一般式(2)中、Ar、Arトリル基、Arはアリーレン基、Rは水素原子あるいはアルキル基、R、Rはアルキル基あるいはアリール基を表す
    Figure 0005589412
    (一般式(3)中、Zは環状脂肪族アルキル基を表す
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、クリーニングブレードを使用したクリーニング
    工程を有することを特徴とする、画像形成装置。
  3. フロー式粒子像分析装置によって測定される該トナーの平均円形度が、0.960以上1.000以下であることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 請求項1に記載の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とクリーニングブレードを使用したクリーニング手段を備えることを特徴とする、電子写真カートリッジ。
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