JP5585911B2 - ウェハの分離方法及びウェハ分離移載装置 - Google Patents
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Description
このウェハの分離作業は、周知のように非常に困難な作業であり、ウェハを分離し安定的に供給するための装置としては、例えば特許文献1に記載の「ウェハの分離搬送装置及び分離搬送方法」、あるいは特許文献2に記載の「ウェーハの枚葉装置および枚葉装置」等がある。
そこで、本発明の目的は、半導体素子の材料であり、多数枚のウェハが積層された状態の積層ウェハ群からウェハを分離し、分離したウェハを一枚ずつ所定の箇所に移載する作業において、分離するウェハに対し摩擦や変形等によるストレスをできるだけ与えないようにして破損を防止することにより、ウェハの歩留まりをより向上させてウェハの安定供給ができるようにした、ウェハの分離方法及びウェハ分離移載装置を提供することである。
本発明に係るウェハ分離移載装置の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
次に、ウェハ供給手段(ウェハ供給機(4)等)によって積層ウェハ群(7)を保持し、前記混合流が積層面に当たる位置に積層ウェハ群(7)を移動させる。
詳しくは、分離している各ウェハ間に多数の気泡が入り、これら気泡がいわばクッションの機能を果たすことにより、各々が分離し水中で浮遊している状態の各ウェハ同士が接触又は衝突しにくく、これによりウェハが損傷することを防止できる。さらには、多数の気泡によって分離するウェハに大きな浮力が付与され、これによりウェハがより短い時間で分離される。
これにより、ウェハの歩留まりをより向上させてウェハを安定的に供給することができる。
図1乃至図8及び図11乃至図14を参照する。
なお、図1乃至図8においては、便宜上、多数枚のウェハが積層された状態の積層ウェハ群7及び積層ウェハ群7から分離した単独のウェハ70も表している。
ウェハ分離移載装置Aは、角パイプで組まれたフレーム1を有している。フレーム1には、水槽2、水槽2の水面位置に配されている吐出ノズル3、3a、積層ウェハ群7を保持し水面側の吐出ノズル3、3aによる水の入水部へ積層ウェハ群7を移動させるウェハ供給機4、積層ウェハ群7から分離したウェハ70を保持して移載するウェハ移載機5及びウェハ移載機5からウェハ70を受け取る移載受機6が組み込まれている。
なお、吐出ノズル3、3aの位置(高さ)及び傾斜角度は前記に限定されないが、少なくとも吐出ノズル3、3aから吐出された水が水面で空気を取り込んで、水中において水と多数の気泡を含む混合流が生じる位置及び傾斜角度に設定される。
移載受機6は、アクチュエータ60と、アクチュエータ60により昇降する昇降体61を有しており、昇降体61の下側先端には受台板62が片持ち構造で設けられている。受台板62は前記支持板40と平行、すなわち真空吸着部54で吸着されて送られてくるウェハ70と平行になるように傾斜している。
また、本実施の形態では移載受機6を設けているが、これを設けずに、例えば公知構造の搬送機等、分離したウェハ70を後工程へ送るための装置にウェハ移載機5からウェハ70を直接移載する構造とすることもできる。
図1乃至図14を参照して、ウェハ分離移載装置Aの作用及びウェハ分離移載装置Aにより、多数枚のウェハが積層された積層ウェハ群からウェハを分離し、分離したウェハを一枚ずつ所定の箇所に移載する工程を説明する。
(2)ウェハ供給機4のリフト部材43の上に積層ウェハ群7を載置し、各ガイドピン41の内側に収容する(図9(b)、図12(a)、(b)参照)。
これにより、複数のウェハ70が混合流によって各ガイドピン41の内側で積層ウェハ群7から浮き上がるように分離し、最上部のウェハ70がストッパー42の下側で止められる(図14(a)参照)。そして、ウェハ移載機5の移行体51が後方のウェハ吸着位置へ移動する(図9(d)参照)。
なお、ウェハ70が分離する際には、各ウェハ70の間に水と気泡Bが入り込み、分離するウェハ70に摩擦や変形等による大きなストレスをかけることなく、無理なく分離させることができる。また、各ウェハ70間に入った気泡Bがいわばクッションの機能を果たすことにより、各々が分離し水中で浮遊している状態の各ウェハ70同士が接触又は衝突しにくく、これによりウェハが損傷することを防止できる。さらには、多数の気泡Bによって、分離する各ウェハ70に大きな浮力が付与され、これによりウェハ70がより短い時間で分離される。
なお、前記混合流は継続して積層ウェハ群7及び分離している各ウェハ70に当たっており、最上部のウェハ70が移動した後、その次のウェハ70がストッパー42の下側で止められる。また、積層ウェハ群7は、積層ウェハ群7全体がウェハ70に分離するようにリフト部材43によって徐々に上昇するようになっている。
(8)受台板62が下降し、元の位置に戻る。また、昇降アーム53が上昇する(図10(h)参照)。
具体的には、水槽内の水中にある積層ウェハ群の積層面へ向けて各流体を吐出し、最上段のウェハを分離させる際の分離時間を測定し、最上段のウェハが分離した後に昇降アームにてウェハを移載するまでのNG確率(不良率)を検証した。
まず、ウェハ分離時間に関しては、吐出方法を水のみとした(2)の場合よりも、本実施の形態の水と空気の混合流を吐出した(1)の場合の方が、より短時間でウェハを分離させることができた。これは、積層されたウェハ間に水と共に多数の気泡が入り込み、最上段のウェハに大きな浮力を付与することによりウェハの分離を促進しているためと考えられる。
このように、前記3つのケースでは、(1)の水と空気(気泡)の混合流を吐出する方法でウェハの分離を行うのが最も有効であることが分かった。
1 フレーム
2 水槽
3、3a 吐出ノズル
30 吐出口
4 ウェハ供給機
40 支持板
41 ガイドピン
42 ストッパー
43 リフト部材
44 駆動装置
45 移行体
46 基枠
5 ウェハ移載機
50 ガイド体
51 移行体
52 アクチュエータ
52 駆動装置
53 昇降アーム
54 真空吸着部
6 移載受機
60 アクチュエータ
61 昇降体
62 受台板
63 載置凹部
7 積層ウェハ群
70 ウェハ
B 気泡
Claims (4)
- 多数枚のウェハが積層された状態の積層ウェハ群からウェハを分離するウェハの分離方法であって、
先端の吐出口の中心が水面の高さとなるように先側が下り傾斜している吐出ノズルから水を吐出して、水中に水と多数の気泡を含む混合流を生じさせる工程と、
前記積層ウェハ群が水面近傍まで上昇した時に、前記積層ウェハ群の左右両角部へ向けて混合流を流して積層面の両側面と前面に当てることにより積層ウェハ群からウェハを分離させる工程とを備える
ウェハの分離方法。 - 前記吐出ノズルの水面に対する角度が15°〜40°である
請求項1のウェハの分離方法。 - 多数枚のウェハが積層された状態の積層ウェハ群からウェハを分離して所定の箇所に移載するウェハ分離移載装置であって、
先端の吐出口の中心が水面の高さとなるように先側が下り傾斜している吐出ノズルから水を吐出して水中に水と多数の気泡を含む混合流を生じさせ、前記積層ウェハ群が水面近傍まで上昇した時に、前記積層ウェハ群の左右両角部へ向けて前記混合流を流して積層面の両側面と前面に当てる吐出ノズルと、
前記積層ウェハ群を保持し、前記混合流が積層面に当たる位置に前記積層ウェハ群を移動させるウェハ供給機と、
前記混合流により積層ウェハ群から分離したウェハを保持して所定の箇所に移載するウェハ移載機とを備える
ウェハ分離移載装置。 - 前記吐出ノズルの水面に対する角度が15°〜40°である
請求項3のウェハ分離移載装置。
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