JP5584970B2 - リチウム電池用外装材 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム電池用外装材に関する。
近年、パソコン、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなどに用いられる民生用途の二次電池として、高エネルギーでかつ超薄型化、小型化が可能なリチウムイオン二次電池(以下、「リチウム電池」と記載する。)が盛んに開発されている。このリチウム電池に用いる外装材として、従来の電池用外装材として用いられていた金属製の缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、多層フィルム(例えば耐熱性基材層/アルミニウム箔層/熱融着性フィルム層のような構成)を袋状にしたものが用いられるようになってきた。
リチウム電池は、電池内容物として正極材、負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの浸透力を有する非プロトン性の溶媒に、電解質としてリチウム塩を溶解した電解液、もしくはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層を含んでいる。このような浸透力を有する溶媒がシーラントとなる熱融着性フィルム層を通過すると、アルミニウム箔層と熱融着性フィルム層間のラミネート強度が低下し、最終的には電解液が漏れ出すといった問題があった。
また、電池の電解質であるリチウム塩としてはLiPF、LiBF等の塩が用いられるが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ酸を発生し、金属面の腐食や、多層フィルムの各層間のラミネート強度の低下を引き起こすことがあった。アルミニウム箔を用いることで、外装材の表面からの水分侵入はほぼ遮断されるが、リチウム電池用外装材は多層フィルムをヒートシールによって貼り合わせた構造をしていることから、シーラントとなる熱融着性フィルム層のシール部端面から浸入する水分によってリチウム塩の加水分解が懸念されている。そのため、アルミニウム箔と熱融着性フィルム層との層間密着強度を強め、内容物耐性(耐電解液性や耐フッ酸性)を持たせることが必須であった。
さらに、リチウム電池は携帯型のモバイルに使用されることが多く、その使用環境が、例えば真夏の車内等では60〜70℃という高温下になる場合もあり、このような高温環境においても、リチウム電池用外装材には電解液に対する耐性を付与する必要があった。
また、近年、電気自動車(EV)やハイブリッド型電気自動車(HEV)のように、二次電池のみ、あるいはガソリンと二次電池の併用による自動車の開発を行っている自動車業界;太陽電池や風力発電などで発電した電力を蓄電するための電気二重層キャパシター(EDLC)や、二次電池とキャパシターの双方の特性を有するリチウムイオンキャパシター(LIC)などの開発を行っている蓄電業界など、大型用途の二次電池/キャパシター市場においては、電池の性能はもちろんのこと、より優れた安全性や長期(10〜30年)にわたる安定性が求められている。
一般に、民生用途で用いられるリチウム電池に求められる機能としては、電解液あるいは電解質であるリチウム塩の加水分解により発生するフッ酸の影響で、アルミニウム箔層と熱融着性フィルム層間におけるディラミネーションを抑制することが挙げられる。
そこで、例えば特許文献1〜3には、電解液やフッ酸に対してディラミネーションが起こりにくいリチウム電池用の外装材が開示されている。
また、リチウム電池用の外装材は、ドライラミネート法で作製すると、作製の際に使用するウレタン系接着剤が電解液により膨潤し、ディラミネーションを引き起こすことがあるため、通常、押出ラミネートや熱ラミネートなどの手法で作製される。
そこで、例えば特許文献4には、ドライラミネート法で用いるウレタン系接着剤を改良する手法が開示されており、これにより、電解液耐性を有するウレタン系接着剤が得られ、ドライラミネート法でも、ディラミネーションを抑制した外装材が作製できる。
一方、大型用途で用いられるリチウム電池の場合は、上述したように安全性や長期安定性に関する要求が高まっており、特にリチウム電池を包装するリチウム電池用外装材の要求機能が高まっている。要求機能の一つとして、耐水性や耐フッ酸性が挙げられるが、上述したように、従来は電解質であるリチウム塩の加水分解によりフッ酸が発生するということから、リチウム電池用外装材の評価方法として水を用いる評価はほとんど行われていなかった。しかし、大型用途のリチウム電池の場合、使用される環境が民生用途に比べてより過酷である。そのため、過度な吸湿によるフッ酸発生量の増加によりアルミニウム箔が腐蝕し、ディラミネーションを引き起こすことを想定した評価も検討する必要性がでてきた。そのような観点から、リチウム電池用外装材の評価方法として耐水性および耐フッ酸性を評価する場合が増えつつある。リチウム電池用外装材を電解液評価する際は、通常、短冊状にした外装材サンプル(例えば、耐熱性基材層/アルミニウム箔層/熱融着性フィルム層)を電解液に85℃で浸漬処理を施して、ディラミネーションの有無を確認する。さらに、その評価のハンドリングおよび耐水性評価を兼ねて、電解液に浸漬処理した後に水洗し、かつ水浸漬処理を行うといった方法も提案されている。さらには予め数千ppmに相当する水を滴下した電解液に85℃で浸漬処理を行い、過剰のフッ酸が発生している状況下で評価する促進試験も行われるようになってきた。
これらの耐性(耐電解液性、耐水性、耐フッ酸性)を付与させるもっとも効果的な方法として、アルミニウム箔に化成処理を施す方法が知られており、化成処理の一例としてクロメート処理が挙げられる。
例えば特許文献5には、塗布型クロメート処理や、浸漬法によるクロメート処理など、多くのクロメート処理が開示されている。
このようなクロメート処理に代表される化成処理は、民生用途や大型用途に関係なく検討されている。また、近年では、クロム化合物の環境面への影響を考慮して、クロム化合物を用いずにアルミニウム箔層の腐食防止処理を行う方法が検討されている。
例えば特許文献6には、クロム化合物を用いることなく、耐電解性、耐フッ酸性、耐水性を付与したリチウム電子用外装材が開示されている。
ところで、民生用途と大型用途では、リチウム電池用外装材の製造方法が異なり、通常、民生用途の場合は、例えば特許文献4に記載されているようなドライラミネート法によりリチウム電池用外装材を製造する。一方、大型用途の場合は、ドライラミネート法で製造すると接着剤が膨潤したり溶解したりするため、ドライラミネート法は不向きである。そこで、信頼性や長期安定性の観点から、例えば特許文献5に記載されているような熱ラミネート法により製造される場合が多い。
特開2001−243928号公報 特開2004−42477号公報 特開2004−142302号公報 特開2002−187233号公報 特開2002−144479号公報 特開2007−280923号公報
しかしながら、特許文献5に記載のように熱ラミネート法により製造されるリチウム電池用外装材は、大型用途において必要とされる耐電解液性を満足する一方で、冷間成形性が課題視されることがある。一般的に、多層フィルムからなるリチウム電池用外装材は、冷間成形を行うことで成形絞り部に電池本体部を装着し、最終的にヒートシールして封止する。熱ラミネート法は、熱圧着によりアルミニウム箔層と熱融着性フィルム層との密着性を向上させる点で優れるが、熱融着性フィルム層に過度な熱が加わることで結晶化が進行しやすかった。さらに、冷間成形時に発生する歪みにより微細なクラックが熱融着性フィルム層中に発生しやすく、特に成形側面部や角部といった絞り部分においてフィルムの白化現象が生じやすかった。クラックが発生すると、微細なクラック同士が密集しあい、熱融着性フィルム自体が破断したり、さらにはアルミニウム箔層や耐熱性基材層が破断したりする原因となる。
このような熱融着性フィルム等の破断は、電解液を封入し、封止することが要求されるリチウム電池用外装材としては大きな問題となる。従って、冷間成形における白化現象は、リチウム電池用外装材自体の破断を引き起こす予兆とも考えられるため、破断はもちろんのこと、白化現象をも抑制することが求められる。
このような白化現象の発生の問題は、製造の際に過度な熱量を伴わないドライラミネート法の場合は起こりにくいが、上述したように信頼性や長期安定性の観点から大型用途には不向きである。
一方、熱ラミネート法の場合は、耐電解液性に優れたリチウム電池用外装材を製造できるため、大型用途に好適であるものの、白化現象の発生の問題があった。
本発明は上記事情を考慮したものであり、耐電解液性に優れると共に、白化現象を抑制できるリチウム電池用外装材の提供を目的とする。
本発明のリチウム電池用外装材は、少なくともアルミニウム箔層(AL)、接着性樹脂層(AR)、シーラント層(SL)が順次積層された積層体からなるリチウム電池用外装材において、前記接着性樹脂層(AR)は、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を含む樹脂組成物(A)を50〜99質量%と、熱可塑性エラストマー(B)を1〜50質量%含有し(ただし、樹脂組成物(A)と熱可塑性エラストマー(B)との合計を100質量%とする。)、前記熱可塑性エラストマー(B)が、前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)に対し、分散相サイズが1〜200nmの範囲でミクロ相分離構造を形成し、かつ、前記接着性樹脂層(AR)の融点(Tm(AR))と、前記シーラント層(SL)の融点(Tm(SL))が、下記式(1)を満たす(ただし、接着性樹脂層(AR)および/またはシーラント層(SL)が複数の融点を有する場合は、最も高い温度を融点とする。)ことを特徴とする。
Tm(SL)−Tm(AR)≧10 ・・・(1)
また、前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸のエステルのいずれかから導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分が、ポリオレフィン樹脂にグラフト変性された樹脂であることが好ましい。
さらに、前記樹脂組成物(A)が、前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)に対し、分散相サイズが200nmを超え、50μm以下の範囲でマクロ相分離構造を形成する熱可塑性エラストマー(A−2)を含有することが好ましい。
また、前記熱可塑性エラストマー(B)が、スチレン単量体を1〜20質量%含む単量体成分を重合したスチレン系エラストマーまたは水添スチレン系エラストマーであることが好ましい。
さらに、前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を構成する前記不飽和カルボン酸誘導体成分と反応する官能基を有するポリマーを含有する腐食防止処理層(CL)が、前記アルミニウム箔層(AL)と前記接着性樹脂層(AR)の間に積層されたことが好ましい。
また、前記ポリマーが、カチオン性ポリマーであることが好ましい。
さらに、前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のリチウム電池用外装材によれば、耐電解液性に優れると共に、白化現象を抑制できる。
また、本発明によれば、冷間成形性を向上できるので、特に熱ラミネート法を採用する大型用途のリチウム電池用外装材を製造するのに好適である。さらに、本発明は環境面的に負荷を与えにくい。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のリチウム電池用外装材(以下、「外装材」と略す。)は、少なくともアルミニウム箔層(AL)、接着性樹脂層(AR)、シーラント層(SL)が順次積層された積層体からなる。
図1に本発明の外装材の一例を示す。この例の外装材10は、基材層(SB)11の一方の面に、粘着剤層(AD)12、アルミニウム箔層(AL)13、腐食防止処理層(CL)14、接着性樹脂層(AR)15、シーラント層(SL)16が順次積層している。
<接着性樹脂層(AR)>
接着性樹脂層(AR)は、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を含む樹脂組成物(A)と、熱可塑性エラストマー(B)を含有する。
変性ポリオレフィン樹脂(A−1)は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸のエステルのいずれかから導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分が、ポリオレフィン樹脂にグラフト変性された樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロック、あるいはランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
これらのポリオレフィン樹脂をグラフト変性する際に用いる化合物としては、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸のエステルのいずれかから導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分が挙げられる。
具体的には、不飽和カルボン酸として、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などが挙げられる。
不飽和カルボン酸の酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物などの不飽和カルボン酸の酸無水物などが挙げられる。
不飽和カルボン酸のエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマール酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチルなどの不飽和カルボン酸のエステルなどが挙げられる。
変性ポリオレフィン樹脂(A−1)は、ベースとなるポリオレフィン樹脂100質量部に対し、上述した不飽和カルボン酸誘導体成分0.2〜100質量部をラジカル開始剤の存在下、グラフト重合(グラフト変性)することで製造できる。
反応温度は、50〜250℃が好ましく、60〜200℃がより好ましい。
反応時間は、製造方法に応じて適宜設定されるが、例えば二軸押出機による溶融グラフト重合の場合、押出機の滞留時間内、具体的には2〜30分が好ましく、5〜10分がより好ましい。
なお、グラフト変性は、常圧、加圧のいずれの条件下においても実施できる。
グラフト変性に用いられるラジカル開始剤としては、アルキルパーオキサイド、アリールパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。
これらの有機過酸化物は、上述した反応温度や反応時間の条件によって適宜選択して用いることができる。例えば、二軸押出機による溶融グラフト重合の場合、アルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステルが好ましく、具体的にはジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシ−ヘキシン−3、ジクミルペルオキシドなどが好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂(A−1)としては、無水マレイン酸により変性されたポリオレフィン樹脂が好ましく、例えば三井化学社製の「アドマー」、三菱化学社製の「モディック」、日本ポリエチレン社製の「アドテックス」などが適している。
このような変性ポリオレフィン樹脂(A−1)は、各種金属や各種官能基を有するポリマーとの反応性に優れるため、該反応性を利用して接着性樹脂層(AR)に密着性を付与でき、耐電解液性を向上できる。
樹脂組成物(A)は、上述した変性ポリオレフィン樹脂(A−1)の他に、熱可塑性エラストマー(A−2)を含有することが好ましい。
なお、熱可塑性エラストマー(A−2)とは、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)に対し、分散相サイズが200nmを超え、50μm以下の範囲でマクロ相分離構造を形成するものであり、例えばポリオレフィン系の熱可塑性エラストマーが挙げられる。以下、本明細書において熱可塑性エラストマー(A−2)を「マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)」と称する。
樹脂組成物(A)がマクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)を含有することで、接着性樹脂層(AR)を構成する変性ポリオレフィン樹脂(A−1)等をラミネートする際に発生する残留応力を開放でき、熱弾性的な接着性を接着性樹脂層(AR)付与できる。従って、接着性樹脂層(AR)の密着性がより向上し、耐電解液性により優れた外装材が得られる。
マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)は、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)上で海島状に存在するが、分散相サイズが200nm以下であると、粘弾性的な接着性の改善を付与させることが困難になる。一方、分散相サイズが50μmを超えると、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)とマクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)は本質的に非相溶性であるため、ラミネート適正(加工性)が著しく低下すると共に、接着性樹脂層(AR)の物理的強度が低下しやすくなる。分散相サイズは、500nm〜10μmが好ましい。
このようなマクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)としては、例えばエチレンおよび/またはプロピレンに、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンから選ばれるα−オレフィンを共重合させたポリオレフィン系の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
また、マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)としては、市販品を使用することができ、例えば三井化学社製の「タフマー」、三菱化学社製の「ゼラス」、モンテル社製の「キャタロイ」などが適している。
樹脂組成物(A)がマクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)を含有する場合、その含有量は、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)100質量部に対して、1〜40質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)の含有量が1質量部未満であると、接着性樹脂層(AR)の密着性の向上が期待できない。一方、マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)の含有量が40質量部を越えると、本来、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)と、マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)は相溶性が低いため加工性が著しく低下しやすくなる。また、マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)は接着性を示す樹脂ではないので、シーラント層(SL)や腐食防止処理層(CL)などの他の層に対する接着性樹脂層(AR)の密着性が低下しやすくなる。
本発明者らは、外装材を冷間成形する際に発生する白化現象について鋭意検討した結果、以下に示す機構に行き着いた。なお、ここでは白化現象の機構を解明するために、図2(a)に示すような、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)15aに、マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)15aが配合した接着性樹脂層(AR)15を例にとり、説明する。
(i)熱ラミネート時の熱処理により、接着性樹脂層(AR)15中の変性ポリオレフィン樹脂(A−1)15aが結晶化する。
(ii)変性ポリオレフィン樹脂(A−1)15aと、マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)15aは非相溶性であるため、(i)の結晶化の挙動により、両者の界面で歪が生じる。
(iii)成形時に応力が加わることで、両者の界面に亀裂が生じ、ボイド−クレイズ15aが形成される(図2(b))。
(iv)ボイド−クレイズ15aにより光が散乱し、光学的な光の乱反射による白化現象が起こる。
以上より、本発明者らは、白化現象を抑制するためには、「熱ラミネート時の熱量で変性ポリオレフィン樹脂(A−1)の結晶化が進行しない(すなわち、結晶化しにくくさせる)こと」と、「変性ポリオレフィン樹脂(A−1)とマクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)との密着性を改善すること」が、重要であることを見出した。そして、これらを達成できる材料について鋭意検討した結果、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)に対し、分散相サイズが1〜200nmの範囲でミクロ相分離構造を形成する熱可塑性エラストマー(B)が最適であることを見出した。以下、本明細書において熱可塑性エラストマー(B)を「ミクロ系熱可塑性エラストマー(B)」と称する。
ここで、ミクロ相分離構造とは、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)にミクロ系熱可塑性エラストマー(B)が分散相として存在する場合に、(1)分散相を楕円として近似した際の最大直径(d)が1〜200nmであるか、(2)分散相ドメインの最大径(d)と、該最大径と直交する径の最大値(d)との比(d/d)が20以上の棒状の分散相となっており、かつ前記最大値(d)が1〜200nmであるか、または(3)変性ポリオレフィン樹脂(A−1)とミクロ系熱可塑性エラストマー(B)のいずれが分散相であるかを判別できない層状のラメラ構造となっており、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)の相、またはミクロ系熱可塑性エラストマー(B)の相の少なくとも一方の層の厚みが、1〜200nmである構造のことである。
なお、上述したマクロ相分離構造とは、ミクロ相分離構造のような相分離構造が確認できないほどの分散レベルではなく、分散相サイズが200nmを超え、50μm以下の範囲内において形成される海島構造のことである。
なお、ミクロ相分離構造の確認の方法としては、例えば以下に示す方法が挙げられる。
まず、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)と、ミクロ系熱可塑性エラストマー(B)の混合物をプレスシート成形し、0.5mm角の小片とし、ルテニウム酸(RuO)にり染色する。これを、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトーム(REICHERT ULTRACUT S、REICHERT FCSなど)を用いて膜厚が約100nmの超薄切片を作製する。
ついで、超薄切片にカーボンを蒸着させて、透過型電子顕微鏡で観察する。観察箇所は、少なくとも5箇所をランダムに選択し、1万倍、5万倍、15万倍の倍率で観察する。その際、上述した(1)の楕円としての近似を行う場合は、透過型電子顕微鏡にて、1万倍ないし15万倍にて観察される視野の中で、Image−Pro Plusのソフトを用い、Axis−majorを選択することにより、分散相を同面積で、かつ一次および2次モーメントが等しい楕円に近似し、その長軸を最大径(d)とする。
ミクロ系熱可塑性エラストマー(B)は、結晶性を有する変性ポリオレフィン樹脂(A−1)とナノメーターオーダーで微細分散することで、結晶性高分子の折りたたみ構造(ラメラ構造)を阻害でき、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)の結晶性を低下させることができる。また、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)の結晶化を抑制することで、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)と、マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)の界面における歪みの発生を抑制できるので、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)とマクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)との密着性を向上できる。
このようなミクロ系熱可塑性エラストマー(B)としては、三井化学社製の「ノティオ」や、スチレン系エラストマー、水添スチレン系エラストマーなどが挙げられる。中でもスチレン系エラストマー、水添スチレン系エラストマーが好ましい。特に、白化現象の抑制といった成形性の特性のみならず、耐電解液性を向上させる点で水添スチレン系エラストマーが特に好ましい。
スチレン系エラストマー、水添スチレン系エラストマーとしては、例えばスチレンと、エチレンやプロピレンやブチレンなどから選択される構造単位を有するAB型、ABA型などのブロック共重合体が挙げられ、具体的にはスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体などが挙げられる。
このようなスチレン系エラストマー、水添スチレン系エラストマーとしては、スチレン単量体を1〜20質量%含む単量体成分を重合したものが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。スチレン単量体の含有量が1質量%未満であっても、白化現象の抑制という点では問題はない。しかしながら、本発明者らは、スチレン単量体は耐溶剤性に劣る成分ではあるものの、スチレン単量体を含む単量体成分を接着性樹脂層(AR)に配合することで、外装材としての耐電解液性がより向上する傾向にあることを見出した。耐電解液性を付与させるということは、すなわち、アルミニウム箔層(AL)と接着性樹脂層(AR)との界面に極力、電解液を近づけなくさせることが必要となるが、溶剤を取り込みやすいスチレン単量体を配合することで、電解液がスチレン単量体にトラップされやすくなり、接着性樹脂層(AR)中を透過する電解液の拡散が抑制されると考えられる。このような観点から、スチレン単量体を1質量%以上含有する単量体成分を重合したスチレン系エラストマー、または水添スチレン系エラストマーがミクロ系熱可塑性エラストマー(B)として好適である。
一方、スチレン単量体の含有量が20質量%を超えると、スチレンユニットが多いエラストマーとなるため、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)との相溶性の観点からミクロ相分離構造を形成することが困難となり、白化現象を抑制することが困難となる。
なお、水添スチレン系エラストマーとしては、市販品を使用することができ、例えばAKエラストマー社製の「タフテック」、クラレ社製の「セプトン」や「ハイブラー」、JSR社製の「ダイナロン」、住友化学社製の「エスポレックス」、クレイトンポリマー社製の「クレイトンG」などが適している。
接着性樹脂層(AR)は、上述した樹脂組成物(A)を50〜99質量%と、熱可塑性エラストマー(B)を1〜50質量%含有する。好ましくは、樹脂組成物(A)が75〜95質量%であり、熱可塑性エラストマー(B)が5〜25質量%である。ただし、樹脂組成物(A)と熱可塑性エラストマー(B)との合計を100質量%とする。
樹脂組成物(A)の含有量が50質量%未満であると、接着性樹脂層(AR)のアルミニウム箔層(AL)への密着性が低下しやすくなる。一方、樹脂組成物(A)の含有量が99質量%を越えると、白化現象を抑制しにくくなる。
接着性樹脂層(AR)は、樹脂組成物(A)および熱可塑性エラストマー(B)の他に、必要に応じて各種添加剤、例えば難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤などを含有してもよい。
接着性樹脂層(AR)の厚さは、1〜50μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
<シーラント層(SL)>
シーラント層(SL)には、外装材のヒートシールによる封止性が求められ、一般的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロック、あるいはランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体あるいはそのエステル化物あるいはイオン架橋物などが挙げられる。シーラント層(SL)は、上述した1種あるいは2種以上のブレンドからなる材料の単層から構成されていてもよく、シーラントとして求められる他の要求性能に応じて多層構造を形成していてもよい。該多層構造には、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全ケン化物や、ポリ酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全ケン化物といった、ガスバリア性を有する樹脂を介在させるということも含まれる。
上述したように、白化抑制の観点からは、熱ラミネート時の熱量による結晶化を防止することが重要である。その一方で、外装材を製造する際に熱ラミネートを行う理由は、アルミニウム箔層(AL)または腐食防止処理層(CL)と、接着性樹脂層(AR)とを熱により強密着させるためである。これらの層を強密着させることで、耐電解液性に優れた外装材が得られる。
そこで、本発明者らは、これらの層を強密着させるべく鋭意検討した結果、アルミニウム箔層(AL)または腐食防止処理層(CL)と、接着性樹脂層(AR)との密着に関しては、熱ラミネート時の熱量で接着性樹脂層(AR)を溶融させる必要があることを見出した。さらに、シーラント層(SL)は、熱ラミネート時ではアルミニウム箔層(AL)または腐食防止処理層(CL)への密着に寄与しないばかりか、ポリオレフィン系樹脂などより構成されるため、過剰の熱はシーラント層(SL)を結晶化させ、白化現象の原因となることを見出した。
すなわち、本発明者らは、密着という観点では熱をかけるほど密着性を向上できるが、結晶化抑制の観点では極力熱をかけない方が好ましい、という考えに行き着いた。そして、接着性樹脂層(AR)の融点(Tm(AR))と、前記シーラント層(SL)の融点(Tm(SL))が、下記式(1)を満たすことで、シーラント層(SL)の結晶化を抑制しつつ、アルミニウム箔層(AL)または腐食防止処理層(CL)と、接着性樹脂層(AR)との密着性を確保できることを見出した。
Tm(SL)−Tm(AR)≧10 ・・・(1)
接着性樹脂層(AR)の融点(Tm(AR))と、シーラント層(SL)の融点(Tm(SL))が上記式(1)を満たさない場合は、接着性樹脂層(AR)を密着させる熱量でシーラント層(SL)が結晶化しやすくなる。上記式(1)を満たすことで、熱ラミネート時の熱量でもシーラント層(SL)は溶融しにくく、かつ接着性樹脂層(AR)のみを溶融させてアルミニウム箔層(AL)または腐食防止処理層(CL)との密着性を向上できる。
なお、完全に溶融した接着性樹脂層(AR)の結晶化を抑制するためには、上述したミクロ系熱可塑性エラストマー(B)を接着性樹脂層(AR)に含有させることが重要となる。
接着性樹脂層(AR)の融点およびシーラント層(SL)の融点とは、これらの層を構成する材料について、示差走査熱量計により昇温速度10℃/分の条件で測定した際に、融解熱がピークとなるときの温度のことである。
なお、接着性樹脂層(AR)および/またはシーラント層(SL)が複数の融点を有する場合は、最も高い温度を融点とする。
シーラント層(SL)の厚さは、10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
<腐食防止処理層(CL)>
腐食防止処理層(CL)は、電解液やフッ酸によるアルミニウム箔層(AL)の腐食を防止するために設けられる層である。腐食防止処理層(CL)を設ける場合は、接着性樹脂層(AR)との密着性に優れることが求められる。従って、接着性樹脂層(AR)と腐食防止処理層(CL)との密着性をより低熱量で確保できれば、熱ラミネート時の熱量をより下げることが可能になり、白化現象の抑制という点で有効となる。
接着性樹脂層(AR)との密着性を高めるためには、該接着性樹脂層(AR)に含まれる変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を構成する、不飽和カルボン酸誘導体成分と反応する官能基を有するポリマーを、腐食防止処理層(CL)に含有させればよい。
特に、上述した官能基を有するポリマーがカチオン性ポリマーであれば、酸・塩基相互作用による反応性を付与できるため、低熱量で不飽和カルボン酸誘導体成分と容易に反応することが可能となり、接着性樹脂層(AR)と腐食防止処理層(CL)との密着性を低熱量で確保できるので好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
上述したように、腐食防止処理層(CL)はアルミニウム箔層(AL)の腐食を防止する目的で設けられるものであるため、カチオン性ポリマーによって接着性樹脂層(AR)との密着性を高めつつ、アルミニウム箔層(AL)の腐食防止機能を付与することが必要である。
腐食防止処理層(CL)は単層であってもよく、多層であってもよい。単層の場合は、腐食防止処理層(CL)自体に上記カチオン性ポリマーを配合して単層化すればよい。一方、多層の場合は、図1に示すように、アルミニウム箔層(AL)13の腐食防止を目的とする第一の腐食防止処理層(CL−1)14−1と、密着性向上を目的とする、上記カチオン性ポリマーを含む第二の腐食防止処理層(CL−2)14−2を積層すればよく、それぞれの目的を分離させている。
ここで、多層の腐食防止処理層(CL)の一例について詳しく説明する。
(第一の腐食防止処理層(CL−1))
第一の腐食防止処理層(CL−1)は、アルミニウム箔層(AL)に脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理などを施すことで形成される。また、これら処理を組み合わせて施してもよい。
脱脂処理としては、酸脱脂、アルカリ脱脂が挙げられ、酸脱脂としては硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸などの無機酸を単独あるいはこれらを混合して得られたものを用いる方法などが挙げられる。また、一ナトリウム二フッ化アンモニウムなどのフッ素含有化合物を上述した無機酸で溶解させた酸脱脂剤を用いれば、アルミニウムの脱脂効果だけでなく不動態であるアルミニウムのフッ化物を形成させることが可能であり、耐フッ酸性という点で有効である。一方、アルカリ脱脂としては、水酸化ナトリウム等を用いる方法が挙げられる。
熱水変成処理としては、トリエタノールアミンを添加した沸騰水中にアルミニウム箔を浸漬処理することで得られるベーマイト処理が挙げられる。
陽極酸化処理としては、アルマイト処理が挙げられる。
化成処理としては、クロメート処理やジルコニウム処理やチタニウム処理、バナジウム処理、モリブデン処理、リン酸カルシウム処理、水酸化ストロンチウム処理、セリウム処理、ルテニウム処理、またはこれらの混合相からなる各種化成処理が挙げられる。
これらの熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理は、事前に上述した脱脂処理を施すことが好ましい。
なお、上述した処理のうち、特に熱水変性処理や陽極酸化処理は、処理剤によってアルミニウム箔表面を溶解させ、さらには耐腐食性に優れるアルミニウム化合物(ベーマイト、アルマイト等)を形成しやすい。従って、アルミニウム箔層(AL)から第一の腐食防止処理層(CL−1)まで共連続構造を形成するようになるために、化成処理の定義に包含される場合もあるが、化成処理の定義に含まれずに、以下に示すような純粋なコーティング手法のみで第一の腐食防止処理層(CL−1)を形成させることも可能である。
すなわち、純粋なコーティング手法とは、アルミニウムの腐食防止効果(インヒビター効果)を有し、かつ、環境側面的にも好適な材料として、平均粒径100nm以下の酸化セリウムなどの希土類元素系酸化物のゾルを用いる方法のことである。この方法を用いることで、一般的なコーティング方法であっても、アルミニウム箔などの金属箔の腐食を防止できる第一の腐食防止処理層(CL−1)を形成することが可能となる。
希土類元素系酸化物のゾルとしては、例えば水系、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系などの各種溶媒を用いることが可能であるが、後述する理由から水系のゾルを用いることが好ましい。
希土類元素系酸化物のゾルは、通常、その分散を安定化させるために、硝酸、塩酸、リン酸などの無機酸またはその塩、あるいは酢酸、りんご酸、アスコルビン酸、乳酸などの有機酸またはその塩を分散安定化剤として用いる。これらの分散安定化剤のうち、特にリン酸またはその塩は「ゾルの分散安定化」に優れるだけでなく、本発明の外装材を製造する上で、リン酸のアルミキレート能力を利用した「アルミニウム箔層(AL)との密着性向上」、フッ酸の影響で溶出したアルミニウムイオンを捕獲(不動態形成)することよる「耐電解液性の付与」、低温でもリン酸の脱水縮合が起こりやすいことによる「酸化物層の凝集力の向上」などが期待される。
このようなリン酸またはその塩としては、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、またはこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。また、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、ウルトラメタリン酸などの縮合リン酸、またはこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が、外装材としての機能発現の点で好ましい。
特に、希土類元素系酸化物のゾルを用いて、各種コーティング法により希土類元素系酸化物からなる層を形成させる際の乾燥造膜性(乾燥能力、熱量)を考慮すると、低温での反応性に優れる剤が好ましいことから、アルカリ金属塩として、低温での脱水縮合性に優れるNaイオン塩などが好適に用いられる。
また、リン酸塩を形成する塩としては、特に制約は受けないが、より好ましくは水溶性の塩であることが好ましい。
希土類元素系酸化物として酸化セリウムを用い、分散安定化剤としてリン酸またはその塩を用いる場合、これらの配合量は、酸化セリウム100質量部に対し、リン酸またはその塩は1〜100質量部が好ましい。リン酸またはその塩の配合量が1質量部未満であると、酸化セリウムのゾルの安定化が低下すると共に、外装材としての機能を満足することが困難となる。一方、リン酸またはその塩の配合量が100質量部を超えると、酸化セリウムの機能が低下しやすくなる。
リン酸またはその塩の配合量の下限値は5質量部以上がより好ましい。一方、上限値は50質量部以下がより好ましく、20質量部以下が特に好ましい。
ところで、上述した希土類元素系酸化物のゾルを用いて形成される酸化物層(第一の腐食防止処理層(CL−1))は無機粒子の集合体であるため、乾燥キュアの工程を経ても、形成される酸化物層自身の凝集力は低い。そこで、この酸化物層の凝集力を補うために、下記に示すアニオン性ポリマーで複合化させることが好適である。
アニオン性ポリマーとしては、具体的にはカルボキシル基を有するポリマーが挙げられ、ポリ(メタ)アクリル酸(またはその塩)、あるいはポリ(メタ)アクリル酸を主成分とする共重合体が挙げられる。
共重合体として用いられる成分としては、アルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシランなどのシラン含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー等を共重合させたものが挙げられる。
これらのアニオン性ポリマーは、上述したように希土類元素系酸化物のゾルを用いて得られた酸化物層の安定性を向上させるために用いる材料である。その効果としては、硬くて脆い酸化物層をアクリル系樹脂成分で保護するという目的、さらには、希土類元素系酸化物のゾルに含まれるリン酸塩由来のイオンコンタミ(特にナトリウムイオン)をトラップする(カチオンキャッチャー)効果が挙げられる。
ところで、本発明に限らず、例えば腐食性化合物を用いてアルミニウム箔の腐食を防止するために設ける保護層中に、イオンコンタミ、特にナトリウムなどのアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンが含まれると、このイオンコンタミを起点にして保護層が侵されてしまうという問題点がある。
しかし、アニオン性ポリマーを用いれば、後述する希土類元素系酸化物のゾル中に含まれるナトリウムイオンなどのイオンコンタミを固定化できるので、第一の腐食防止処理層(CL−1)の耐性を向上させることができる。
このようにアニオン性ポリマーは、外装材における第一の腐食防止処理層(CL−1)を構成する成分として希土類元素系酸化物のゾルと組み合わせて用いることで、クロメート処理と同等の腐食防止性能を付与することが可能なる。
アニオン性ポリマーの形態としては、水溶性であるアニオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた構造が好ましい。
架橋剤としては、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはその水素添加物、ヘキサメチレンジイソシアネート、4−4’ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその水素添加物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネート類、あるいはこれらのイソシアネート類を、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールと反応させたアダクト体、水と反応させることで得られたビューレット体、または三量体であるイソシアヌレート体などのポリイソシアネート類、あるいはこれらのポリイソシアネート類をアルコール類、ラクタム類、オキシム類などでブロック化させたブロックポリイソシアネートなどが挙げられる。
グリシジル基を有する化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とエピクロルヒドリンを作用させたエポキシ化合物;グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンを作用させたエポキシ化合物;フタル酸テレフタル酸、シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸とエピクロルヒドリンとを作用させたエポキシ化合物などが挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、各種脂肪族あるいは芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにはポリ(メタ)アクリル酸やポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ(土類)金属塩を用いることも可能である。
オキサゾリン基を有する化合物としては、オキサゾリンユニットを2つ以上有する低分子化合物、あるいはイソプロペニルオキサゾリンのように重合性モノマーを用いる場合には、アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルなどと共重合させたものを用いることが可能である。
また、架橋剤としてシランカップリング剤を用い、アミンと官能基を選択的に反応させ、架橋点をシロキサン結合にさせることも可能である。この場合、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。特に、カチオン性ポリマーまたはその共重合物との反応性を考慮すると、シランカップリング剤としてエポキシシラン、アミノシラン、イソシアネートシランが好適である。
これらの架橋剤は、カチオン性ポリマー100質量部に対し、1〜50質量部配合されるのが好ましく、より好ましくは10〜20質量部である。架橋剤の配合量が1質量部未満であると、架橋構造が不十分となる。一方、架橋剤の配合量が50質量部を超えると、塗液ポットライフの低下を伴う恐れがある。
水溶性ポリマーを架橋させる方法としては、上述した架橋剤を用いる方法に限らず、例えばチタニウムやジルコニウム化合物を用い、イオン架橋などの架橋構造を形成させる方法でもよい。
ところで、従来は、外装材に耐電解液性、耐水性、耐フッ酸性などの耐性を付与させるために、アルミニウム箔にクロメート処理などの化成処理を施していた。化成処理は、アルミニウム箔層(AL)と化成処理層との間で傾斜構造を形成させるため、特にフッ酸、塩酸、硝酸、硫酸またはこれらの塩を配合した化成処理剤を用いてアルミニウム箔に処理を施し、クロムやノンクロム系の化合物と作用させて化成処理層をアルミニウム箔に形成させることは上述してきたとおりである。これらの化成処理剤は酸を用いていることから、作業環境やコーティング装置の腐食を伴うものであった。
しかし、上述したように、第一の腐食防止処理層(CL−1)をコーティング手法により形成する方法は、クロメート処理に代表される化成処理とは異なるため、アルミニウム箔層(AL)と第一の腐食防止処理層(CL−1)との間で傾斜構造を形成させる必要がなく、このような点でクロメート処理などの化成処理とは定義が異なる。
また、コーティング剤の性状として、酸性、アルカリ性、中性の制約を受けることがないことから作業環境的にも適した処理方法である。さらには、クロメート処理に用いるクロム化合物の環境衛生性を考慮すると、その代替案を望まれている腐食防止技術分野の点からも興味深い内容であるといえる。
(第二の腐食防止処理層(CL−2))
第二の腐食防止処理層(CL−2)は、上述したカチオン性ポリマーを含み、第一の腐食防止処理層(CL−1)と接着性樹脂層(AR)との密着性を向上させるものである。
カチオン性ポリマーとしては、アミンを含有するポリマーが挙げられ、具体的には上述したように、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはこれらの誘導体、アミノフェノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリエチレンイミンとイオン高分子錯体を形成するカルボン酸を有するポリマーとしては、例えばポリアクリル酸またはそのイオン塩などのポリカルボン酸(塩)、あるいはこれにコモノマーを導入させた共重合体、カルボキシメチルセルロースまたはそのイオン塩などのカルボキシル基を有する多糖類が挙げられる。
ポリアリルアミンとしては、例えばアリルアミン、アリルアミンアミド硫酸塩、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミンなどの単独重合体、または共重合体が挙げられる。さらに、これらのアミンはフリーのアミンとして用いてもよく、酢酸または塩酸による安定化物の状態で用いてもよい。また共重合体成分としては、マレイン酸、二酸化イオウなどを用いることが可能である。さらには1級アミンを部分メトキシ化させることで熱架橋性を付与させたタイプも用いることが可能である。また、アミノフェノールを利用することも可能である。
これらカチオン性ポリマーとしては、アリルアミンまたはその誘導体が特に好ましい。
本発明においては、カチオン性ポリマーについて腐食防止処理層(CL)を構成する一構成要素として説明したが、これは、カチオン性ポリマーがリチウム電池用外装材に要求される耐電解液性、耐フッ酸性を付与できる化合物だからである。その根拠としては、カチオン性ポリマーのカチオン性基がフッ素イオンをトラップすることで(アニオンキャッチャー)、アルミニウム箔のダメージを抑制しているためと推測される。
また、カチオン性ポリマーは、第一の腐食防止処理層(CL−1)と、接着性樹脂層(AR)との接着性を向上させる点でも非常に好ましい化合物であるため、腐食防止処理層(CL)を構成する一構成要素として好適である。
カチオン性ポリマーは水溶性であることから、上述したアニオン性ポリマーと同様に、架橋剤により架橋構造を形成させて用いるのが好ましく、これにより、カチオン性ポリマーに耐水性を付与することが可能になる。架橋剤としては、アニオン性ポリマーの説明において先に例示した架橋剤が挙げられる。
従って、カチオン性ポリマーが架橋構造を形成していれば、上述した腐食防止処理層(CL−1)を構成する要素として希土類元素系酸化物のゾルを用いた場合に、その保護層としてアニオン性ポリマーを用いる変わりに、カチオン性ポリマーを用いることが可能である。
以上、腐食防止処理層(CL)が多層の場合について説明したが、腐食防止処理層(CL)が単層の場合は、例えば公知技術である塗布型クロメートのように、アミノフェノールなどの樹脂バインダーにリン酸とクロム化合物を配合した剤を用いることで、腐食防止機能と密着性の双方兼ね備えた単層の腐食防止処理層(CL)を形成することが可能になる。
また、上述した希土類元素系酸化物のゾルとカチオン性ポリマーとを事前に一液化して得られたコーティング剤(すなわち、腐食防止機能を有する材料とカチオン性ポリマーとを混合した塗液)を用いて、腐食防止処理層(CL)を形成することも可能である。ただし、この場合は塗液の安定性を考慮する必要がある。
以上説明した腐食防止処理層(CL)は、単層および多層のいずれであっても、0.005〜0.200g/mの範囲で設けることが好ましく、より好ましくは0.010〜0.100g/mの範囲である。0.005g/mより薄い場合は、アルミニウム箔層(AL)の腐食防止機能が低下することがある。一方、0.200g/mより厚い場合は、腐食防止機能の性能が頭打ちになると共に、希土類元素系酸化物のゾルを用いた場合には、塗膜が厚いと乾燥時の熱によるキュア(硬化)が不十分となり、凝集力の低下を伴う恐れがある。
本発明においては、腐食防止処理層(CL)の厚さを単位面積あたりの質量で記載しているが、比重が分かる場合は比重より厚さを換算することもできる。
なお、図1に示す外装材10では、腐食防止処理層(CL)14は、アルミニウム箔層(AL)13上の接着性樹脂層(AR)15側に設けられているが、本発明はこれに限定されず、例えば、アルミニウム箔層(AL)13の粘着剤層(AD)12側にも同様な処理を施して腐食防止処理層(CL)14を設けてもよい。
<アルミニウム箔層(AL)>
アルミニウム箔層(AL)の材質としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができるが、さらなる耐ピンホール性、及び成形時の延展性を付与させる目的で、鉄を含むアルミニウム箔を用いるのが好ましい。鉄の含有量はアルミニウム箔100質量%中、0.1〜9.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。鉄の含有量が0.1質量%未満であると、耐ピンホール性、延展性を十分に付与させることが困難となる。一方、鉄の含有量が9.0質量%を超えると、柔軟性が損なわれやすくなる。
アルミニウム箔層(AL)の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性を考慮して9〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
アルミニウム箔としては、未処理のアルミニウム箔も用いてもよいが、耐電解液性を付与する点で脱脂処理を施したアルミニウム箔を用いるのが好ましい。脱脂処理としては、大きく区分するとウェットタイプとドライタイプが挙げられる。
ウェットタイプとしては、第一の腐食防止処理層(CL−1)の説明において先に例示した酸脱脂やアルカリ脱脂などが挙げられる。酸脱脂に使用する酸としては、例えば硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸などの無機酸が挙げられ、これら無機酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、アルミニウム箔のエッチング効果を向上させるという観点から、必要に応じてFeイオンやCeイオンなどの供給源となる各種金属塩を配合しても構わない。アルカリ脱脂に使用するアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウムなどの強エッチングタイプが挙げられる。また、弱アルカリ系や界面活性剤を配合したものを用いてもよい。これらの脱脂は浸漬法やスプレー法で行われる。
ドライタイプとしては、アルミニウムを焼鈍処理する工程で、脱脂処理を行う方法が挙げられる。また、脱脂処理の他にも、フレーム処理やコロナ処理などを行ってもよい。さらには特定波長の紫外線を照射して発生する活性酸素により、汚染物質を酸化分解・除去するような脱脂処理も挙げられる。
なお、アルミニウム箔に脱脂処理する場合は、アルミニウム箔の片面のみに脱脂処理を施してもよく、両面に脱脂処理を施してもよい。
<粘着剤層(AD)>
接着剤層(AD)を構成する材料としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオールなどの主剤に対し、2官能以上のイソシアネート化合物を作用させたポリウレタン樹脂が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系;イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系の二塩基酸の一種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなど脂肪族系;シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリーコルなどの脂環式系;キシリレングリーコルなどの芳香族系のジオールの一種以上とを用いて得られる。
また、ポリエステルポリオールとしては、上述した二塩基酸とジオールとを用いて得られるポリエステルポリオールの両末端の水酸基を、例えば2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどから選ばれるイソシアネート化合物の単体、あるいは少なくとも一種以上から選択される上記イソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテル系のポリオールや、鎖長伸長剤として上述したイソシアネート化合物を作用させたポリエーテルウレタンポリオールを用いることが可能である。
アクリルポリオールとしては、上述したアクリル系モノマーを用いて重合したアクリル樹脂を用いることが可能である。
カーボネートポリオールとしては、カーボネート化合物とジオールとを反応させて得る事ができる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネートなどを用いることができる。一方、ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリールなどの脂環式ジオール;キシリレングリールなどの芳香族ジオール等の1種以上の混合物を用いたカーボネートポリオール、あるいは上述したイソシアネート化合物により鎖伸長を施したポリカーボネートウレタンポリオールが挙げられる。
上述した各種ポリオールは、外装材に求められる機能や性能に応じて、単独または2種以上を併用して用いることができる。また、これらの主剤に、上述したイソシアネート系化合物を硬化剤として用いることでポリウレタン系接着剤として用いることも可能である。
さらに、接着促進を目的として、上述したポリウレタン樹脂に、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物、シランカップリング剤などを配合してもよい。
カルボジイミド化合物としては、例えばN,N’−ジ−o−トルイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,2−ジ−t−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミドなどが挙げられる。
オキサゾリン化合物としては、例えば2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,5−ジメチル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニル−2−オキサゾリンなどのモノオキサゾリン化合物、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,2−エチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−ブチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)などのジオキサゾリン化合物が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールのような脂肪族のジオールのジグリシジルエーテル、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、グリセロール、トリメチロールプロパンなどの脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族、芳香族の多価カルボン酸のジグリシジルエステルまたはポリグリシジルエステル、レゾルシノール、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンなどの多価フェノールのジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテル、N,N’−ジグリシジルアニリン、N,N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタンのようにアミンのN−グリシジル誘導体、アミノフェールのトリグリシジル誘導体、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、オルソクレゾール型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシが挙げられる。
リン系化合物としては、例えばトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン-ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなど各種シランカップリング剤を使用することが可能である。
また、接着剤に求められる性能に応じて、上述したポリウレタン樹脂に、その他の各種添加剤や安定剤を配合してもよい。
接着剤層(AD)の厚さは、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。
<基材層(SB)>
基材層(SB)は、リチウム電池製造時のシール工程における耐熱性付与、加工や流通の際に起こりうるピンホール対策という目的で設けるものであり、絶縁性を有する樹脂層を用いるのが好ましい。そのような樹脂層としては、例えばポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の延伸または未延伸フィルムを、単層または2層以上積層した多層フィルムとして使用することができる。
基材層(SB)の厚さは、6〜40μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。基材層(SB)の厚さが6μm未満であると、耐ピンホール性、絶縁性が低下する。一方、基材層(SB)の厚さが40μmを超えると、外装材を成形しにくくなる。
<リチウム電池用外装材の製造方法>
次に、図1に示すリチウム電池用外装材10の製造方法の一例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
本例においては、アルミニウム箔層(AL)13に腐食防止処理層(CL)14を積層する工程と、基材層(SB)11とアルミニウム箔層(AL)13を貼り合わせる工程と、接着性樹脂層(AR)15およびシーラント層(SL)16をさらに積層して積層体を作製する工程と、得られた積層体を熱処理する工程とを有する。
(アルミニウム箔層(AL)への腐食防止処理層(CL)の積層工程)
本工程は、アルミニウム箔層(AL)に対して、腐食防止処理層(CL)を形成する工程である。その方法としては、上述したように、アルミニウム箔層(AL)に脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理を施したり、腐食防止性能を有するコーティング剤を塗工したりする方法などが挙げられる。
また、図1に示すように腐食防止処理層(CL)が多層の場合は、例えば第一の腐食防止処理層(CL−1)を構成する塗工液(コーティング剤)をアルミニウム箔層(AL)に塗工し、焼き付けて第一の腐食防止処理層(CL−1)を形成した後、第二の腐食防止処理層(CL−2)を構成する塗工液(コーティング剤)を第一の腐食防止処理層(CL−1)に塗工し、焼き付けて第二の腐食防止処理層(CL−2)を形成すればよい。また第二の腐食防止処理層(CL−2)は、後述する接着性樹脂層(AR)およびシーラント層(SL)の積層工程において形成することもできる。
脱脂処理についてはスプレー法または浸漬法にて、熱水変成処理や陽極酸化処理については浸漬法にて、化成処理については化成処理のタイプに応じ浸漬法、スプレー法、コート法などを適宜選択して行えばよい。
腐食防止性能を有するコーティング剤のコート法については、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコートなど各種方法を用いることが可能である。
上述したように、各種処理はアルミニウム箔の両面または片面のどちらでも構わないが、片面処理の場合、その処理面は接着性樹脂層(AR)層が積層する側に施すものとする。
また、コーティング剤の塗布量は、0.005〜0.200g/mが好ましく、0.010〜0.100g/mがより好ましい。
また、乾燥キュアが必要な場合は、用いる腐食防止処理層(CL)の乾燥条件に応じて、母材温度として60〜300℃の範囲で行うことができる。
(基材層(SB)とアルミニウム箔層(AL)の貼り合わせ工程)
本工程は、腐食防止処理層(CL)を設けたアルミニウム箔層(AL)と、基材層(SB)とを、接着剤層(AD)を介して貼り合わせる工程である。貼り合わせの方法としては、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウエットラミネーションなどの手法を用い、上述した接着剤層(AD)を構成する材料にて両者を貼り合わせる。接着剤層(AD)は、ドライ塗布量として1〜10g/mの範囲、より好ましくは3〜7g/mの範囲で設ける。
(接着性樹脂層(AR)およびシーラント層(SL)の積層工程)
本工程は、先の工程により形成された腐食防止処理層(CL)上に、接着性樹脂層(AR)およびシーラント層(SL)を形成する工程である。その方法としては、押出ラミネート機を用いて接着性樹脂層(AR)をシーラント層(SL)と共にサンドラミネーションする方法が挙げられる。
本工程により、図1に示すような、基材層(SB)/接着剤(AD)/アルミニウム箔層(AL) /腐食防止処理層(CL)/接着性樹脂層(AR)/シーラント層(SL)の順で各層が積層された積層体が得られる。
なお、接着性樹脂層(AR)は、上述した材料配合組成になるように、ドライブレンドした材料を直接、押出ラミネート機により積層させてもよいし、あるいは事前に単軸押出機、二軸押出機、ブラベンダーミキサーなどの溶融混練装置を用いてメルトブレンドを施した後の造粒した接着性樹脂層(AR)を押出ラミネート機を用いて積層させてもよい。
また、多層の腐食防止処理層(CL)を形成する場合、押出ラミネート機にアンカーコート層を塗工することが可能なユニットを備えていれば、該ユニットにて第二の腐食防止処理層(CL−2)を塗工してもよい。
(熱処理工程)
本工程は、積層体を熱処理する工程である。積層体を熱処理することで、アルミニウム箔層(AL)/腐食防止処理層(CL)/接着性樹脂層(AR)/シーラント層(SL)間での密着性を向上させ、より優れた耐電解液性や耐フッ酸性を付与することができる。ただし、シーラント層(SL)に、必要以上に熱が加わるとシーラント層(SL)の結晶化が進行し、成形時の歪みで白化現象が発生することがある。
従って本工程では、シーラント層(SL)の結晶化が促進されない程度に熱処理するのが好ましい。熱処理の温度は、接着性樹脂層(AR)やシーラント層(SL)を構成する材料の種類などに依存するが、目安としては、積層体の最高到達温度が30〜{Tm(SL)+20}℃になるように熱処理するのが好ましく、より好ましくは、60〜{Tm(SL)}℃であり、特に好ましくはTm(AR)〜Tm(SL)℃である。積層体の最高到達温度が30℃未満であると、各層間での密着性が十分に得られず、耐電解液性が低下する場合がある。一方、積層体の最高到達温度が{Tm(SL)+20}℃を超えると、シーラント層(SL)にて結晶化が生じ、シーラント層(SL)で白化現象が起こりやすくなる。
熱処理の処理時間は処理温度に依存するが、処理温度が低くなるほど長時間の熱処理を施すのが好ましく、処理温度が高くなるほど短時間で熱処理を施すのが好ましい。
例えば、処理温度が70℃以下の場合であれば、70℃以下の所定の温度に調整した熟成(エージング)室にて1日以上積層体を保管して熱処理を行うのが好ましい。
一方、処理温度が70℃よりも高い場合であれば、乾燥炉やベーキング炉といった炉内で30秒以上の時間をかけて熱処理を行うのが好ましい。ただし、生産性やハンドリングを考慮すると、高温(例えば100℃以上)に設定した乾燥炉やベーキング炉に加え、熱ラミネーションやヤンキードラムといった熱処理方法を併用して、短時間(例えば30秒未満)で熱処理するのが好ましい。
上述したように、本発明のリチウム電池用外装材は、結晶化を抑制することが可能な接着性樹脂層(AR)を備える。そして、接着性樹脂層(AR)を完全に溶融させることで腐食防止処理層(CL)との密着性を向上させると共に、特定のミクロ系エラストマー(B)を接着性樹脂層(AR)に配合することで、接着性樹脂層(AR)の白化現象を抑制できる。このような観点からも、積層体の最高到達温度が上記範囲内になるように、熱処理するのが好ましい。
また、接着性樹脂層(AR)とシーラント層(SL)の融点間で熱ラミネーションを行うことで、シーラント層(SL)の結晶化を抑制しつつ、アルミニウム箔層(AL)または腐食防止処理層(CL)と、接着性樹脂層(AR)との密着性を確保できることから、上記式(1)の条件は、熱ラミネーションのプロセスウィンドウを広げるという観点において重要な要件であるといえる。
以下に本発明の実施例を示すが、これに限定されるわけではない。
[使用材料]
以下の実施例および比較例に用いた共通材料は下記の通りである。
<基材層(SB)>
SB−1:25μm−2軸延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ社製)を用いた。
<接着剤層(AD)>
AD−1:ポリエステルポリオール系主剤に対して、トリレンジイソシアネートのアダクト体系硬化剤を配合したポリウレタン系接着剤(東洋インキ社製)を用いた。
<アルミニウム箔層(AL)>
AL−1:焼鈍脱脂処理した40μm−軟質アルミニウム箔 (東洋アルミニウム社製、「8079材」) を用いた。
<腐食防止処理層(CL)>
(CL−1)−1:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度10wt%に調整した「ポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾル」を用いた。なお、酸化セリウム100質量部に対して、リン酸のNa塩を10質量部配合し、酸化セリウムゾルを得た。
(CL−1)−2:溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5wt%に調整した「ポリアクリル酸アンモニウム塩(東亞合成社製)」90wt%と、「アクリル−イソプロペニルオキサゾリン共重合体(日本触媒社製)」10wt%からなる組成物を用いた。
(CL−1)−3:溶媒として1質量%濃度のリン酸水溶液を用い、固形分濃度1wt%に調整した水溶フェノール樹脂(住友ベークライト社製)に対し、フッ化クロム(CrF)を最終乾燥皮膜中に存在するCr量として10mg/mとなるように濃度を調整した化成処理剤を用いた。
(CL−2)−1:溶媒として蒸留水を用い固形分濃度5wt%に調整した「ポリアリルアミン(日東紡社製)」90wt%と、「ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製)」10wt%からなる組成物を用いた。
(CL−2)−2:溶媒として蒸留水を用い固形分濃度5wt%に調整した「ポリエチレンイミン(日本触媒社製)」と90wt%と、「ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製)」10wt%からなる組成物を用いた。
<接着性樹脂層(AR)>
AR−A−1:ランダムポリプロピレン(PP)ベース(Tm(AR)=約135℃)に、無水マレイン酸をグラフト変性させた変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、エチレン−αオレフィン共重合体からなるマクロ相分離型エラストマー(分散相サイズ0.5〜5μm)を15質量部配合した樹脂組成物(三井化学社製)を用いた。
AR−A−2:ホモポリプロピレン(PP)ベース(Tm(AR)=約165℃)に、無水マレイン酸をグラフト変性させた変性ポリオレフィン100質量部に対して、エチレン−αオレフィン共重合体からなるマクロ相分離型エラストマー(分散相サイズ0.5〜5μm)を15質量部配合した樹脂組成物(三井化学社製)を用いた。
AR−B−1:ポリオレフィン系エラストマー(三井化学社製、「ノティオ」)を用いた。
AR−B−2:スチレンコンテントが12wt%のスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(AKエラストマー社製)を用いた。
AR−B−3:スチレンコンテントが30wt%のスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(AKエラストマー社製)を用いた。
<シーラント層(SL)>
SL−1:トータル厚みが30μmのランダムPP/ブロックPP/ランダムPPからなる2種3層構造の多層フィルム(オカモト社製)を用いた(Tm(SL)=ブロックPPの高温側融点:約160℃)。
[リチウム電池用外装材の製造と評価方法]
<外装材の製造>
まず、アルミニウム箔層(AL)に、第一の腐食防止処理層(CL−1)をマイクログラビコートにより設けた。コーティング量はコーティング剤のドライ塗布量として70〜100mg/mとなるようにし、乾燥ユニットにおいてコーティング剤のタイプに応じて150〜250℃で焼き付け処理を施した。
なお、(CL−1)−1と(CL−1)−2を用いた構成については、これらの剤を複合化させることで腐食防止性能を発現させており、最初に、アルミニウム箔層(AL)に(CL−1)−1を塗工・焼付けした後、さらにその層上に(CL−1)−2をコーティングすることで、(CL−1)−1と(CL−1)−2からなる複合層を形成させた。(CL−1)−3については、この層を単独で第一の腐食防止処理層(CL−1)として用いた。
つぎに、第一の腐食防止処理層(CL−1)を設けたアルミニウム箔層(AL)をドライラミネート手法により、ポリウレタン系接着剤(AD−1)を用いて基材層(SB)に貼りつけた。これをアンカーコート塗工ユニット付き押出ラミネート機の巻出部にセットし、サンド基材部にシーラント層(SL)を、アンカーコート塗工ユニットに第二の腐食防止処理層(CL−2)をそれぞれセットし、さらには押出機からは接着性樹脂層(AR)を290℃で押出すことで、80m/分の加工速度によるサンドラミネート法により積層体を作製した。なお、接着性樹脂層(AR)については、事前に二軸押出機を用いて各種材料のコンパウンドを作成しておき、水冷・ペレタイズの工程を経て、上記押出ラミネートに使用した。
このようにして得られた積層体を、該積層体の最高到達温度が160、170、180℃のいずれかになるように、熱ラミネーションにより熱処理を施して、リチウム電池用外装材を製造し、以下に記載の評価を行った。
<評価>
(初期強度の測定)
リチウム電池用外装材のラミネート強度を、万能試験機(オリエンテック社製、「テンシロン」)を用いて、クロスヘッドスピード300mm/分の条件で測定した。
(電解液評価1:外観評価)
エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート/ジメチルカーボネート=1/1/1の溶液を、LiPFが1.5Mになるように調整した後に、さらに水の濃度が1500ppmになるように水を配合した電解液を調製した。この電解液を内容量250mLのテフロン(登録商標)容器に充填し、その中にサンプルを入れ、密栓後85℃、24時間の保管条件で保管した。保管後のサンプルの外観を、以下の基準にて評価した。なお、サンプルは、リチウム電池用外装材を100×15mmサイズの短冊状に切り取り取ったものを用いた。
○:ディラミネーションによる浮きがない。
×:ディラミネーションによる浮きが発生した。
(電解液評価1:強度の測定)
初期強度の測定と同様にして、耐電解液性評価1の後のサンプルのラミネート強度を測定した。
(電解液評価2:外観評価)
保管条件を、85℃、4週間に変更した以外は、耐電解液性評価1と同様にして行った。保管後のサンプルの外観を、以下の基準にて評価した。
○:ディラミネーションによる浮きがない。
×:ディラミネーションによる浮きが発生した。
(電解液評価2:強度の測定)
初期強度の測定と同様にして、耐電解液性評価2の後のサンプルのラミネート強度を測定した。
(耐電解液性の評価)
電解液評価2の強度の測定結果から、以下の基準にて評価した。
◎:ラミネート強度が5N/15mm以上。
○:ラミネート強度が3N/15mm以上、5N/15mm未満。
△:ラミネート強度が1N/15mm以上、3N/15mm未満。
×:ラミネート強度が1N/15mm未満。
(白化の評価)
50×30mmサイズの絞り深さ5.5mmからなる冷間成形用金型内に、リチウム電池用外装材を配置し、冷間成形後の歪みに伴う接着性樹脂層(AR)とシーラント層(SL)の白化の有無について目視で評価した。白化の指標は、冷間成形サンプルの歪み部分(絞り部)と未成形部を比較し、以下の基準にて評価した。なお、白化した部分については、歪み部で白化しているサンプルの端面を光学顕微鏡で観察することで特定を行った。
○:歪み部分(絞り部)は未成形部と同レベルである。
△:歪み部分(絞り部)が未成形部よりわずかに白化し、かつ、白化部位がARおよび/またはSLである。
×:歪み部分(絞り部)が完全に白濁するほど白化し、かつ、白化部位がARおよび/またはSLである。
××:歪み部分(絞り部)の周辺部(未成形部)も白化し、かつ、白化部位がARおよび/またはSLである。
(総合評価)
上記評価結果を総合し、以下の基準にて総合評価した。
◎:耐電解液性評価が◎で、白化の評価が○である。
○:耐電解液性評価が◎で、白化の評価が△であるか、または、耐電解液性評価が○で、白化の評価が○である。
△:耐電解液性評価が○で、白化の評価が△であるか、または、耐電解液性評価が△で、白化の評価が○であるか、または、耐電解液性評価が△で、白化の評価が△である。
×:耐電解液性評価が△で、白化の評価が×あるいは××であるか、または、耐電解液性評価が×である。
[実施例1〜15、比較例1〜6]
表1に示す材料を用い、表1に示す最高到達温度にて積層体を熱処理して、リチウム電池用外装材を製造し、各々評価を行った。結果を表2に示す。なお、積層体の最高到達温度はサーモラベルにて検知した。
Figure 0005584970
Figure 0005584970
表2から明らかなように、実施例1〜3で得られた外装材は、耐電解液性に優れると共に、白化現象を抑制することができた。なお、積層体の最高到達温度が180℃になるように熱処理した実施例3の場合は、シーラント層(SL)を構成するポリプロピレン(PP)樹脂の結晶化が進行し、冷間成形時の歪みによってブロックPP部分において図2に示すようなボイド−クレイズが発生し、その結果、わずかではあるもののシーラント層(SL)にて白化現象が起きたが、実使用上では問題のない程度である。
実施例4〜6は、実施例1〜3においてミクロ系熱可塑性エラストマー(B)として用いたポリオレフィン系エラストマーを水添スチレン系エラストマーに変更した例である。
実施例4〜6で得られた外装材は白化現象を抑制できると共に、ミクロ系熱可塑性エラストマー(B)として水添スチレン系エラストマーを用いることで、特に耐電解液性により優れるものとなった。なお、積層体の最高到達温度が180℃になるように熱処理した実施例6の場合は、実施例3と同様にシーラント層(SL)にて白化現象が起きたが、実使用上では問題のない程度である。
実施例7〜9は、実施例4〜6で用いた水添スチレン系エラストマーのスチレン含有量を増やした例である。
実施例7〜9で得られた外装材は、実施例4〜6と同程度の耐電解液性を示したが、スチレンの割合が30wt%と多かったため、白化現象の抑制効果という点では、実施例4〜6に比べて劣るものであったが、実使用上では問題のない程度である。
実施例10〜12は、実施例4〜6において第二の腐食防止処理層(CL−2)を設けなかった例であり、この結果より、第二の腐食防止処理層(CL−2)を設けること(すなわち、特定のカチオン性ポリマーを腐食防止処理層(CL)に含有させること)が、積層体の熱処理による接着性樹脂層(AR)と腐食防止処理層(CL)との密着性向上に大きく寄与していることが確認できた。
実施例10〜12で得られた外装材は、第二の腐食防止処理層(CL−2)を設けていないので、実施例1〜9に比べて接着性樹脂層(AR)と腐食防止処理層(CL)との密着性が低下し、その結果、耐電解液性がわずかではあるものの低下したが、実使用上では問題のない程度である。なお、積層体の最高到達温度が180℃になるように熱処理した実施例12の場合は、実施例3と同様にシーラント層(SL)にて白化現象が起きたが、実使用上では問題のない程度である。
実施例13〜15は、実施例4〜6において腐食防止処理層(CL)の構成を変更した例である。
実施例13〜15で得られた外装材は、耐電解液性に優れると共に、白化現象を抑制できた。この結果は、実施例1〜12で用いた材料に限らず、他の材料でも本発明の課題を解決できることを示している。
一方、比較例1〜3は、実施例1〜9において接着性樹脂層(AR)にミクロ系熱可塑性エラストマー(B)を配合しなかった例である。
比較例1〜3で得られた外装材は、積層体の熱処理時の熱により接着性樹脂層(AR)が結晶化し、図2に示す白化現象が起きた。特に、比較例3の場合、積層体を熱処理する際の最高到達温度が高かったため、シーラント層(SL)においても白化現象が起き、白化がより顕著に現れた。
比較例4〜6は、実施例4〜6において接着性樹脂層(AR)の融点をシーラント層(SL)の融点よりも高くした例(すなわち、上記式(1)を満たしていない例)である。
比較例6で得られた外装材は、各実施例と同程度に白化現象を抑制することはできたが、耐電解液性が各実施例に比べて劣っていた。熱処理による耐電解液性の向上は、初期における接着性樹脂層(AR)とシーラント層(SL)との密着性の向上と相関があるが、熱処理条件は接着性樹脂層(AR)の融点を超える温度で設定した方が好ましい。従って、特に比較例4、5の場合は、積層体の最高到達温度が接着性樹脂層(AR)の融点近傍(160、170℃)であったため、初期密着性が低く、各実施例に比べて耐電解液性が著しく劣る結果となった。
また、積層体の最高到達温度が180℃になるように熱処理した比較例6は、実施例3と同様にシーラント層(SL)にて白化現象が起きた。
このように、本発明によれば、耐電解液性に優れ、白化現象を抑制できるリチウム電池用外装材が得られる。
本発明のリチウム電池用外装材の一例を示す断面図である。 白化現象の機構の一例を説明する模式図である。
符号の説明
10:リチウム電池用外装材
11:基材層
12:接着剤層
13:アルミニウム箔層
14:腐食防止処理層
14−1:第一の腐食防止処理層
14−2:第二の腐食防止処理層
15:接着性樹脂層
15a:変性ポリオレフィン樹脂(A−1)
15a:マクロ系熱可塑性エラストマー(A−2)
15a:ボイド−クレイズ
16:シーラント層

Claims (6)

  1. 少なくともアルミニウム箔層(AL)、接着性樹脂層(AR)、シーラント層(SL)が順次積層された積層体からなるリチウム電池用外装材において、
    前記接着性樹脂層(AR)は、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を含む樹脂組成物(A)を50〜99質量%と、熱可塑性エラストマー(B)を1〜50質量%含有し(ただし、樹脂組成物(A)と熱可塑性エラストマー(B)との合計を100質量%とする。)、前記熱可塑性エラストマー(B)が、前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)に対し、分散相サイズが1〜200nmの範囲でミクロ相分離構造を形成し、
    前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸のエステルのいずれかから導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分が、ポリオレフィン樹脂にグラフト変性された樹脂であり、
    前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を構成する前記不飽和カルボン酸誘導体成分と反応する官能基を有するポリマーを含有する腐食防止処理層(CL)が、前記アルミニウム箔層(AL)と前記接着性樹脂層(AR)の間に積層され、
    かつ、前記接着性樹脂層(AR)の融点(Tm(AR))と、前記シーラント層(SL)の融点(Tm(SL))が、下記式(1)を満たす(ただし、接着性樹脂層(AR)および/またはシーラント層(SL)が複数の融点を有する場合は、最も高い温度を融点とする。)ことを特徴とするリチウム電池用外装材。
    Tm(SL)−Tm(AR)≧10 ・・・(1)
  2. 前記ポリマーが、カチオン性ポリマーであることを特徴とする請求項に記載のリチウム電池用外装材。
  3. 前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載のリチウム電池用外装材。
  4. 少なくともアルミニウム箔層(AL)、接着性樹脂層(AR)、シーラント層(SL)が順次積層された積層体からなるリチウム電池用外装材において、
    前記接着性樹脂層(AR)は、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を含む樹脂組成物(A)を50〜99質量%と、熱可塑性エラストマー(B)を1〜50質量%含有し(ただし、樹脂組成物(A)と熱可塑性エラストマー(B)との合計を100質量%とする。)、前記熱可塑性エラストマー(B)が、前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)に対し、分散相サイズが1〜200nmの範囲でミクロ相分離構造を形成し、
    前記樹脂組成物(A)が、前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)に対し、分散相サイズが200nmを超え、50μm以下の範囲でマクロ相分離構造を形成する熱可塑性エラストマー(A−2)を含有し、
    かつ、前記接着性樹脂層(AR)の融点(Tm(AR))と、前記シーラント層(SL)の融点(Tm(SL))が、下記式(1)を満たす(ただし、接着性樹脂層(AR)および/またはシーラント層(SL)が複数の融点を有する場合は、最も高い温度を融点とする。)ことを特徴とするリチウム電池用外装材。
    Tm(SL)−Tm(AR)≧10 ・・・(1)
  5. 少なくともアルミニウム箔層(AL)、接着性樹脂層(AR)、シーラント層(SL)が順次積層された積層体からなるリチウム電池用外装材において、
    前記接着性樹脂層(AR)は、変性ポリオレフィン樹脂(A−1)を含む樹脂組成物(A)を50〜99質量%と、熱可塑性エラストマー(B)を1〜50質量%含有し(ただし、樹脂組成物(A)と熱可塑性エラストマー(B)との合計を100質量%とする。)、前記熱可塑性エラストマー(B)が、前記変性ポリオレフィン樹脂(A−1)に対し、分散相サイズが1〜200nmの範囲でミクロ相分離構造を形成し、
    前記熱可塑性エラストマー(B)が、スチレン系エラストマーまたは水添スチレン系エラストマーであり、
    かつ、前記接着性樹脂層(AR)の融点(Tm(AR))と、前記シーラント層(SL)の融点(Tm(SL))が、下記式(1)を満たす(ただし、接着性樹脂層(AR)および/またはシーラント層(SL)が複数の融点を有する場合は、最も高い温度を融点とする。)ことを特徴とするリチウム電池用外装材。
    Tm(SL)−Tm(AR)≧10 ・・・(1)
  6. 前記熱可塑性エラストマー(B)が、スチレン単量体を1〜20質量%含む単量体成分を重合したスチレン系エラストマーまたは水添スチレン系エラストマーであることを特徴とする請求項に記載のリチウム電池用外装材。
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