JP5583467B2 - 金属張積層板、光電複合配線板、金属張積層板の製造方法、及び光電複合配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態では、樹脂組成物は、光電複合配線板用の樹脂組成物である。樹脂組成物は、エポキシ樹脂とゴム粒子とを含有する。エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを含有することが好ましい。ゴム粒子は、エポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される。樹脂組成物は、カチオン硬化剤をさらに含有することが好ましい。
固体状エポキシ樹脂は、常温(室温)で固体状のエポキシ樹脂であり、例えば、(ア)固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂、(イ)固体状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、(ウ)フェノキシ樹脂、(エ)2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(便宜上この化合物を「固体状エポキシ付加物」と記す場合がある)等が好ましく使用できる。
固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することにより、硬化物等の脆さを抑えて、硬化物等の強靭性を高めることができる。また、硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が低くなるように調整することができる。
固体状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が低くなるように調整することができる。
フェノキシ樹脂は、例えば、エポキシ化合物とエピクロルヒドリンとから合成されるポリヒドロキシポリエーテルであり、これを含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の脆さを抑えて、硬化物等の強靭性を高めることができる。また、硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が低くなるように調整することができる。また、樹脂組成物のフィルムを作製する際に調製するワニス(溶剤溶液)の粘度が高くなるように調整することができる。そのため、樹脂組成物のフィルムの作製が容易となる。
固体状エポキシ付加物は、常温(室温)で固体状の透明な脂環式エポキシ樹脂であり、これを含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高くなるように調整することができる。
液状エポキシ樹脂は、常温(室温)で液状のエポキシ樹脂であり、例えば、(カ)液状のビスフェノール型エポキシ樹脂、(キ)液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、(ク)液状の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂、(ケ)液状の脂肪族エポキシ樹脂等が好ましく使用できる。
液状のビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の脆さを抑えて、硬化物等の強靭性を高めることができる。また、硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が高くなるように調整することができる。
液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が高くなるように調整することができる。
液状の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が高くなるように調整することができる。また、樹脂組成物のフィルムの光硬化速度を高めることができる。また、分子構造に応じて樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)を高くしたり低くしたり調整することができる。
液状の脂肪族エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が高くなるように調整することができる。
カチオン硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基を開環自重合させるための重合開始剤であり、光によってのみ硬化を開始できる光カチオン硬化剤、熱によってのみ硬化を開始できる熱カチオン硬化剤、光によっても熱によっても硬化を開始できる光・熱カチオン硬化剤がある。本実施形態で使用可能なカチオン硬化剤は特に限定されず、いずれのカチオン硬化剤も使用でき、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。カチオン硬化剤を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。
ゴム粒子は、エポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される。このようなゴム粒子を含有することにより、樹脂層の組織が不均一となり、樹脂層をエッチング処理することによって、樹脂層の外表面に凹凸が形成され、アンカー効果が得られて、樹脂層の上に金属メッキを密着性よく形成することができる。その結果、電気回路の密着性が高められる。しかも、ゴム粒子が透明樹脂で構成されているから、樹脂層の組織が不均一となっても、樹脂層の透明性が低下しない。その結果、電気回路上の受発光素子と光導波路との光の結合が確保される。また、エッチング処理後に樹脂層に残留するゴム粒子が伸びることにより剥離面積が増加するので、この点からも樹脂層に対する金属メッキの密着性が向上する。
本実施形態では、樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、例えば、表面調整剤、カップリング剤、流動改質剤、滑剤、着色剤等のその他の添加剤を必要に応じてさらに含有することができる。
本実施形態では、樹脂層形成工程において、樹脂組成物を光導波路の上に積層して硬化させることにより樹脂層を形成する。この場合の樹脂組成物の積層方法としては、樹脂組成物のワニス(溶剤溶液)を調製し、このワニスを光導波路の上に塗布した後、溶剤を除去して乾燥させる方法(直接塗布法)がある。
本実施形態では、樹脂層形成工程における樹脂組成物の積層方法として、前記直接塗布法に代えて、予め樹脂組成物をフィルム化した樹脂組成物のフィルムを作製しておき、このフィルムを光導波路の上に積層する方法(フィルム法)を採用することもできる。このフィルム法では、樹脂層形成工程においてワニスの塗布作業及び乾燥作業を行う必要がなくなるので、光電複合配線板の生産性が向上する。また、フィルムの厚みひいては樹脂層の厚みを容易に精度よく均一化することができる。フィルムの厚みは特に限定されない。例えば、10〜100μm程度である。
次に、前記樹脂組成物を用いて金属張積層板及び光電複合配線板を製造する方法を図1を参照しながら詳しく説明する。
まず、図1(a)に示すように、光導波路6を準備する。光導波路6は、矢印線で示すように、一端のミラー面4に入力された導波光を屈折率の異なるコア3とクラッド25との界面で全反射させることにより伝搬して他端のミラー面4から出力するものであり、この光導波路6によって光回路が提供される。
樹脂層形成工程は、図1(b)に示すように、光導波路6の上に、エポキシ樹脂8aと、このエポキシ樹脂8aと異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子8bとを含有する樹脂組成物8を積層して硬化させることにより、樹脂層8dを形成する工程である。ここで、樹脂組成物8として、前述した本実施形態に係る樹脂組成物を用いる。樹脂組成物8の積層方法としては、前述したように、直接塗布法でもよいし、樹脂層用硬化性フィルムを用いるフィルム法でもよい。フィルム法の場合、例えば、真空ラミネータ等を用いて樹脂層用硬化性フィルムを光導波路6の上に積層する。樹脂組成物8の硬化は、光及び/又は熱により行う。樹脂層8dの厚みは特に限定されない。例えば、10〜100μm程度である。
エッチング処理工程は、図1(c)に示すように、形成した樹脂層8dをエッチング処理する工程である。このエッチング処理により、樹脂層8dの外表面に凹凸(粗面)8cが形成される。なお、図例は、ゴム粒子8bのエッチングレートがエポキシ樹脂8aのエッチングレートよりも大きいために、ゴム粒子8bの部分で凹部が形成され、エポキシ樹脂8aによる凸部が形成される場合を示したが、これに限らず、エポキシ樹脂8aのエッチングレートがゴム粒子8bのエッチングレートよりも大きいために、エポキシ樹脂8aの部分で凹部が形成され、ゴム粒子8bによる凸部が形成されるものでもよい。前者の場合は、ゴム粒子8bの粒径に依存して凹部の微細さが決まり、後者の場合は、ゴム粒子8bの含有量に依存して凹部の微細さが決まる。また、エポキシ樹脂8aのエッチングレートよりも大きいエッチングレートのゴム粒子8bと小さいエッチングレートのゴム粒子8bとを併用して、エポキシ樹脂8aによる凸部とゴム粒子8bによる凸部とを混在させてもよい。エッチング処理は、金属メッキの前処理である過マンガン酸溶液を用いる過マンガン酸処理(デスミア処理)により行われる。
金属層形成工程は、図1(d)に示すように、エッチング処理した樹脂層8dの上に、金属メッキ9を施して金属層9dを形成する工程である。ここで、樹脂層8dと金属層9dとの境界面が粗面となり、樹脂層8dの外表面に形成された凹凸(粗面)8cによりアンカー効果が得られるため、金属メッキ9は樹脂層8dの上に密着性よく形成される。金属メッキ9は、例えば、銅等の金属の無電解メッキ処理、又は銅等の金属の無電解メッキ処理及び引き続き行う電解メッキ処理により形成される。金属メッキ9の厚みは特に限定されない。例えば、10〜50μm程度である。この金属層形成工程によって、金属張積層板が得られる。
電気回路形成工程は、図1(e)に示すように、形成した金属層9dを電気回路10に形成する工程である。電気回路10の形成は、例えば、周知の回路形成のためのエッチング技術により行うことができる。ここで、樹脂層8dと電気回路10との境界面が粗面となり、樹脂層8dの外表面に形成された凹凸(粗面)8cによりアンカー効果が得られるため、電気回路10は樹脂層8dの上に密着性よく形成される。以上により、この電気回路形成工程によって、光回路(光導波路6)と電気回路10とを備えた光電複合配線板20が得られる。
[フィルム1]
表1(配合の数値は質量部)に示すように、固体状エポキシ樹脂として(A)固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)62質量部と(B)フェノキシ樹脂(東都化成社製の「YP50」)18質量部、液状エポキシ樹脂として(C)トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(東都化成社製の「エポトートYH300」)8質量部と(D)液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)12質量部、ゴム粒子として(J)ナノサイズのスチレンブタジエンゴムをメチルエチルケトンに分散した分散体(JSR社製の「XSK−500」)5質量部(ゴム粒子として)、(E)光カチオン硬化剤としてアデカ社製の「SP−170」0.5質量部、(F)熱カチオン硬化剤として三新化学工業社製の「SI−150L」0.5質量部、及び、(G)表面調整剤としてDIC社製の「F470」0.1質量部を、(H)トルエン30質量部と(I)メチルエチルケトン(MEK)70質量部との混合溶媒に、還流下、60℃で、溶解させることにより、樹脂組成物のワニスを調製した。このワニスを、PETフィルム(東洋紡績社製の「A4100」)の上に、ヒラノテクシード社製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いて塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより、厚みが50μmの樹脂組成物のフィルム(樹脂層用硬化性フィルム)1を作製した。作製したフィルムの上に保護フィルムとして王子特殊紙社製の「OPP−MA420」を熱ラミネートした。
表1に示すように、ゴム粒子(J)の配合量を10質量部とした他は、フィルム1と同様にしてフィルム2を作製した。
表1に示すように、ゴム粒子として(K)ミクロンサイズの架橋スチレン−アクリル系共重合体のゴム粒子(積水化成社製の「XX−1873−Z」)を用いた他は、フィルム1と同様にしてフィルム3を作製した。
表1に示すように、ゴム粒子(K)の配合量を10質量部とした他は、フィルム3と同様にしてフィルム4を作製した。
表1に示すように、ゴム粒子(J)、(K)を配合しなかった他は、フィルム1〜4と同様にしてフィルム5を作製した。
(A)固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)
(B)フェノキシ樹脂(東都化成社製の「YP50」)
(C)トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(東都化成社製の「エポトートYH300」)
(D)液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)
(E)光カチオン硬化剤(アデカ社製の「SP−170」)
(F)熱カチオン硬化剤(三新化学工業社製の「SI−150L」)
(G)表面調整剤(DIC社製の「F470」)
(H)トルエン
(I)メチルエチルケトン(MEK)
(J)ナノサイズのスチレンブタジエンゴムをメチルエチルケトンに分散した分散体(JSR社製の「XSK−500」)
(K)ミクロンサイズの架橋スチレン−アクリル系共重合体のゴム粒子(積水化成社製の「XX−1873−Z」)
[透明性]
作製した樹脂組成物のフィルムから保護フィルムを剥がし、これを、超高圧水銀灯を用いて、4J/cm2の条件で紫外光を照射して露光し、さらに150℃で1時間熱処理を行なうことにより、樹脂組成物の硬化物を得た。得られた硬化物を目視で観察し、硬化物の透明性を評価した。評価基準としては、透明なものを「○」、微白濁であるが実用レベルのものを「△」、白濁のものを「×」とした。結果を表1に示す。
樹脂組成物の硬化物に対する金属メッキの密着性を評価するため、金属メッキのピール強度を測定した。すなわち、作製した樹脂組成物のフィルムから保護フィルムを剥がし、これを、加圧式真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製の「V−130」)を用いて、60℃、0.2MPaの条件で、プリント配線板の上に積層した。超高圧水銀灯を用いて、4J/cm2の条件で紫外光を照射して露光し、さらに樹脂組成物のフィルムからPETフィルムを剥がした後に、150℃で1時間熱処理を行なうことにより、樹脂組成物の硬化物を形成した。形成した硬化物を、膨潤工程、過マンガン酸処理工程、還元処理工程を経ることにより、エッチング処理した。エッチング処理した硬化物を、クリーナーコンディショニング工程、ソフトエッチング工程、プリディップ工程、キャタリスト工程、アクセラレーター工程、無電解銅メッキ工程を経ることにより、硬化物の上に無電解銅メッキを施した。引き続き、脱脂工程、酸活性工程、電解銅メッキ工程、防錆工程を経ることにより、硬化物の上に厚みが30μmの銅メッキを施した。これを幅10mmの帯状に切断して試験片とし、島津製作所社製のピール試験機「EZ−Test」(50Nのロードセル)を用いて、試験片における銅メッキのピール強度を測定した。結果を表1に示す。
ゴム粒子を含有しない樹脂組成物のフィルム5は、硬化物の透明性に優れるが、硬化物に対する銅メッキのピール強度が0.01N/mm未満と極めて小さかった。これに対し、ゴム粒子を含有する樹脂組成物のフィルム1〜4は、いずれも、硬化物に対する銅メッキのピール強度が改善され、銅メッキから形成される電気回路の密着性が向上することがわかる。特に、ゴム粒子の1次粒子径がおよそ70nmとナノサイズであるフィルム1,2は、ゴム粒子の粒径がミクロンサイズであるフィルム3,4に比べて、硬化物の透明性に優れていた。このように、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有する樹脂組成物の硬化物は、透明性が実用上問題のないレベルであると共に、電気回路の密着性が高いため、光回路と電気回路とを備えた光電複合配線板において、光導波路と電気回路とを複合化するための樹脂層として好適に使用することが可能である。
光電複合配線板を製造するに先立ち、クラッド用硬化性フィルム、コア用硬化性フィルム及び樹脂層用硬化性フィルムを作製した。
固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)62質量部、フェノキシ樹脂(東都化成社製の「YP50」)18質量部、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(東都化成社製の「エポトートYH300」)8質量部、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)12質量部、光カチオン硬化剤(アデカ社製の「SP−170」)0.5質量部、熱カチオン硬化剤(三新化学工業社製の「SI−150L」)0.5質量部、及び、表面調整剤(DIC社製の「F470」)0.1質量部を、トルエン30質量部とメチルエチルケトン70質量部との混合溶媒に溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過した後、減圧脱泡することにより、クラッド用エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。このワニスを、PETフィルム(東洋紡績社製の「A4100」)の上に、ヒラノテクシード社製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いて塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより、厚みが10μmのクラッド用硬化性フィルムを作製した。また、PETフィルム上のワニスの塗布厚みを変えることにより、厚みが50μmのクラッド用硬化性フィルムを作製した。作製したフィルムの上に保護フィルムとして王子特殊紙社製の「OPP−MA420」を熱ラミネートした。
液状の3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」)8質量部、固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)12質量部、固体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート1006FS」)37質量部、3官能エポキシ樹脂(三井化学社製の「VG−3101」)15質量部、固形ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製の「EPPN201」)18質量部、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)10質量部、光カチオン硬化剤(アデカ社製の「SP−170」)0.5質量部、熱カチオン硬化剤(三新化学工業社製の「SI−150L」)0.5質量部、及び、表面調整剤(DIC社製の「F470」)0.1質量部を、トルエン30質量部とメチルエチルケトン70質量部との混合溶媒に溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過した後、減圧脱泡することにより、コア用エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。このワニスを、PETフィルム(東洋紡績社製の「A4100」)の上に、ヒラノテクシード社製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いて塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより、厚みが40μmのコア用硬化性フィルムを作製した。作製したフィルムの上に保護フィルムとして王子特殊紙社製の「OPP−MA420」を熱ラミネートした。
固体状エポキシ樹脂として(A)固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)62質量部と(B)フェノキシ樹脂(東都化成社製の「YP50」)18質量部、液状エポキシ樹脂として(C)トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(東都化成社製の「エポトートYH300」)8質量部と(D)液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)12質量部、ゴム粒子として(J)ナノサイズのスチレンブタジエンゴムをメチルエチルケトンに分散した分散体(JSR社製の「XSK−500」)5質量部(ゴム粒子として)、(E)光カチオン硬化剤としてアデカ社製の「SP−170」0.5質量部、(F)熱カチオン硬化剤として三新化学工業社製の「SI−150L」0.5質量部、及び、(G)表面調整剤としてDIC社製の「F470」0.1質量部を、(H)トルエン30質量部と(I)メチルエチルケトン(MEK)70質量部との混合溶媒に、還流下、60℃で、溶解させることにより、樹脂層用エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。このワニスを、PETフィルム(東洋紡績社製の「A4100」)の上に、ヒラノテクシード社製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いて塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより、厚みが20μmの樹脂層用硬化性フィルムを作製した。作製したフィルムの上に保護フィルムとして王子特殊紙社製の「OPP−MA420」を熱ラミネートした。
図2は、実施例における金属張積層板及び光電複合配線板の製造方法を説明するための模式断面図である。図2中、符号1は仮基板、符号2は第1のクラッド、符号3はコア、符号4はミラー面(金薄膜)、符号5は第2のクラッド、符号6は光導波路、符号7は基板、符号8は樹脂組成物、符号8aはエポキシ樹脂、符号8bはゴム粒子、符号8cは凹凸(粗面)、符号8dは樹脂層、符号8fは樹脂層用硬化性フィルム、符号9は金属(銅)メッキ、符号9dは金属(銅)層、符号10は電気回路、符号20は光電複合配線板である。
次に、厚みが20μmの樹脂層用硬化性フィルム8fから保護フィルムを剥がし、これを、加圧式真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製の「V−130」)を用いて、60℃、0.2MPaの条件で、作製した光導波路6の上に積層した。超高圧水銀灯を用いて、4J/cm2の条件で紫外光を照射して露光し、さらに樹脂層用硬化性フィルム8fからPETフィルムを剥がした後に、150℃で30分間熱処理を行なうことにより、樹脂層用硬化性フィルム8fが硬化した樹脂層8dを形成した(図2(f)参照)。
形成した樹脂層8dを、膨潤工程、過マンガン酸処理工程、還元処理工程を経ることにより、エッチング処理した(図2(g)参照)。
エッチング処理した樹脂層8dを、クリーナーコンディショニング工程、ソフトエッチング工程、プリディップ工程、キャタリスト工程、アクセラレーター工程、無電解銅メッキ工程を経ることにより、樹脂層8dの上に無電解銅メッキを施した。引き続き、脱脂工程、酸活性工程、電解銅メッキ工程、防錆工程を経ることにより、樹脂層8dの上に厚みが30μmの金属(銅)メッキ9を施して金属(銅)層9dを形成した(図2(h)参照)。ここにおいて、金属張積層板が作製された。
形成した金属層9dをエッチング技術により所定のパターンの電気回路10に形成し、さらにソルダーレジストを形成した後、金メッキ処理、シルク印刷を行うことにより、光回路(光導波路6)と電気回路10とを備えた光電複合配線板20を得た(図2(i)参照)。
得られた光電複合配線板20の損失評価を行った。すなわち、受発光素子であるVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)からの光(850nm波長)を、コア径10μm、NA0.21の光ファイバーを通して、光電複合配線板20の光導波路6(光回路)の一方のミラー面4に、マッチングオイル(シリコーンオイル)を介して入射し、他方のミラー面4から、同じマッチングオイルを介して、コア径200μm、NA0.4の光ファイバーを通して出射される光のパワー(P1)をパワーメータで測定した。また、前記2つの光ファイバーの端部同士を直接突き当てて、光電複合配線板20の樹脂層8d及び光導波路6を挿入しない状態で出射される光のパワー(P0)をパワーメータで測定した。そして、「(−10)log(P1/P0)」の計算式から、光電複合配線板20の挿入損失を求めたところ、2.5dBと小さく、十分実用レベルであった。
2 第1のクラッド
3 コア
4 ミラー面(金薄膜)
5 第2のクラッド
6 光導波路(光回路)
7 基板
8 樹脂組成物
8a エポキシ樹脂
8b ゴム粒子
8c 凹凸(粗面)
8d 樹脂層
8f 樹脂層用硬化性フィルム(樹脂組成物のフィルム)
9 金属メッキ
9d 金属層
10 電気回路
20 光電複合配線板
25 クラッド
Claims (9)
- コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路と、
この光導波路の上に積層された樹脂層と、
この樹脂層の上に積層された金属層とを有し、
前記樹脂層は、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される、一次粒子径50〜500nmのゴム粒子とを含有し、
前記樹脂層と前記金属層との境界面が、エポキシ樹脂による凸部及び/又はゴム粒子による凸部が形成された粗面である金属張積層板。 - コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路と、
この光導波路の上に積層された樹脂層と、
この樹脂層の上に形成された電気回路とを有し、
前記樹脂層は、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される、一次粒子径50〜500nmのゴム粒子とを含有し、
前記樹脂層と前記電気回路との境界面が、エポキシ樹脂による凸部及び/又はゴム粒子による凸部が形成された粗面である光電複合配線板。 - ゴム粒子を構成する透明樹脂は、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマー、ジエン系モノマーの重合体又はこれらの共重合体のうちの少なくとも1種である請求項2に記載の光電複合配線板。
- 樹脂層中のゴム粒子の含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対し、3〜30質量部である請求項2又は3に記載の光電複合配線板。
- 樹脂層は、エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを含有する請求項2から4のいずれか1項に記載の光電複合配線板。
- 樹脂層は、カチオン硬化剤をさらに含有する請求項2から5のいずれか1項に記載の光電複合配線板。
- コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路の上に、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される、一次粒子径50〜500nmのゴム粒子とを含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
形成した樹脂層をエッチング処理するエッチング処理工程と、
エッチング処理した樹脂層の上に、金属メッキにより金属層を形成する金属層形成工程と、
を備える金属張積層板の製造方法。 - コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路の上に、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される、一次粒子径50〜500nmのゴム粒子とを含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
形成した樹脂層をエッチング処理するエッチング処理工程と、
エッチング処理した樹脂層の上に、金属メッキにより金属層を形成する金属層形成工程と、
形成した金属層を電気回路に形成する電気回路形成工程と、
を備える光電複合配線板の製造方法。 - 樹脂層形成工程では、エポキシ樹脂とゴム粒子とを含有する樹脂組成物のフィルムを積層して硬化させることにより樹脂層を形成する請求項8に記載の光電複合配線板の製造方法。
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