JP5583467B2 - 金属張積層板、光電複合配線板、金属張積層板の製造方法、及び光電複合配線板の製造方法 - Google Patents

金属張積層板、光電複合配線板、金属張積層板の製造方法、及び光電複合配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光回路と電気回路とを備えた光電複合配線板の技術分野に属する。
昨今の各種情報処理機器内における信号高速化に付随する高周波ノイズや伝送帯域不足の問題を解決するものとして、光導波路を内蔵したプリント基板である光電複合配線板が注目されている。このような光電複合配線板における光導波路は、一端のミラー面に入力された導波光を屈折率の異なるコアとクラッドとの界面で全反射させることにより伝搬して他端のミラー面から出力するものであり、この光導波路によって光回路が提供されている。
従来、光導波路と電気回路とを複合化して光電複合配線板を製造する方法として、光導波路の上に直接金属メッキを施して電気回路を形成する方法が知られている。しかし、次のような理由により、光導波路のクラッドを構成する透明樹脂に対する金属メッキの密着性が低いため電気回路が剥がれ易いという問題がある。
すなわち、光導波路の上に金属メッキを密着性よく形成するためには、アンカー効果が得られるように、光導波路のクラッドの外表面に微細な凹凸を形成することが提案される。このような凹凸は、例えば、金属メッキの前処理であるエッチング処理によって形成することができる。ところが、光導波路のクラッドは、高い透明性が得られるように、組織が均一な透明樹脂で構成されている。このような透明樹脂は、組織が均一なため、エッチングレートが全体的に等しい。したがって、エッチング処理をしても、クラッドの厚みが全体的に均一に減少するだけで凹凸は形成され難い。そこで、透明樹脂の組織を不均一にして、エッチング処理によってクラッドの外表面に凹凸が形成されるようにすることが考えられる。しかし、透明樹脂の組織を不均一にすると、クラッドの透明性が低下し、電気回路上の受発光素子と光導波路との光の結合が困難となる可能性がある。つまり、クラッドの高い透明性と金属メッキの良好な密着性とが両立せず、結果として、クラッドの高い透明性を維持するために、アンカー効果が犠牲にされて、クラッドを構成する透明樹脂に対する金属メッキの密着性が低くなり、そのため電気回路が剥がれ易いという問題がある。
特許文献1には、エポキシ樹脂とゴム粒子とを含有するエポキシ樹脂組成物が開示されている。しかし、このエポキシ樹脂組成物は、通常の多層プリント配線板の絶縁層用のものであって光電複合配線板用のものではない。したがって、特許文献1に開示されているエポキシ樹脂組成物を用いて通常の多層プリント配線板の絶縁層を作製しても、光電複合配線板においてクラッドの高い透明性と電気回路の良好な密着性とが両立しないという前記問題の解決にはつながらない。
特開2007−254709号公報(段落0011、0012)
本発明は、電気回路の密着性が高められ、かつ、受発光素子と光導波路との結合損失が抑制された光電複合配線板の提供を課題とする。
本発明の一局面は、コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路と、この光導波路の上に積層された樹脂層と、この樹脂層の上に積層された金属層とを有し、前記樹脂層は、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有し、前記樹脂層と前記金属層との境界面が、エポキシ樹脂による凸部及び/又はゴム粒子による凸部が形成された粗面である金属張積層板である。
本発明の他の一局面は、コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路と、この光導波路の上に積層された樹脂層と、この樹脂層の上に形成された電気回路とを有し、前記樹脂層は、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有し、前記樹脂層と前記電気回路との境界面が、エポキシ樹脂による凸部及び/又はゴム粒子による凸部が形成された粗面である光電複合配線板である。
本発明においては、ゴム粒子を構成する透明樹脂は、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマー、ジエン系モノマーの重合体又はこれらの共重合体のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
本発明においては、樹脂層中のゴム粒子の含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対し、3〜30質量部であることが好ましい。
本発明においては、ゴム粒子の粒径が、30〜3000nmであることが好ましい。
本発明においては、樹脂層は、エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを含有することが好ましい。
本発明においては、樹脂層は、カチオン硬化剤をさらに含有することが好ましい。
本発明のさらに他の一局面は、コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路の上に、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、形成した樹脂層をエッチング処理するエッチング処理工程と、エッチング処理した樹脂層の上に、金属メッキにより金属層を形成する金属層形成工程と、を備える金属張積層板の製造方法である。
本発明のさらに他の一局面は、コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路の上に、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、形成した樹脂層をエッチング処理するエッチング処理工程と、エッチング処理した樹脂層の上に、金属メッキにより金属層を形成する金属層形成工程と、形成した金属層を電気回路に形成する電気回路形成工程と、を備える光電複合配線板の製造方法である。
本発明においては、樹脂層形成工程では、エポキシ樹脂とゴム粒子とを含有する樹脂組成物のフィルムを積層して硬化させることにより樹脂層を形成することが好ましい。
本発明によれば、電気回路の密着性が高められ、かつ、受発光素子と光導波路との結合損失が抑制された光電複合配線板が提供される。
図1は、本発明の実施形態における金属張積層板及び光電複合配線板の製造方法を説明するための模式断面図である。 図2は、実施例における金属張積層板及び光電複合配線板の製造方法を説明するための模式断面図である。
従来、例えばFTTH(Fiber To The Home)や車載分野での長距離通信や中距離通信では、伝送媒体として光ファイバーが主流であった。近年、携帯電話等の小型端末機器を典型例とする1メートル以内の短距離通信においても、光を用いた高速伝送が必要となってきている。この分野では、光ファイバーでは実現が困難な高密度配線(狭ピッチ、分岐、交差、多層化等)、表面実装、電気基板との一体化、小さい曲率半径での折り曲げ等が可能な光導波路型の光配線板が好適である。そのような光配線板は、大別すると、次の2つの種類のものが要求される。1つは、プリント配線板に用いられているPWB(Printed Wiring Board)の置き換えとして使用可能なものと、他の1つは、小型端末機器のヒンジに用いられているFPC(Flexible Printed Circuits)の置き換えとして使用可能なものとである。いずれも、受発光素子であるVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)やPD(Photo Diode)あるいはIC等を動作させるための電気配線が不可欠であり、また低速信号の伝送も必要であることから、光導波路によって提供される光回路と電気回路とが混載された光電複合配線板の形態をとることが好ましい。
従来、光導波路と電気回路とを複合化して光電複合配線板を製造する方法として、(i)光導波路の上に直接金属メッキを施して電気回路を形成する方法、(ii)光導波路の上に接着層を介してプリント配線板を貼り付ける方法、(iii)片面にクラッド用樹脂が塗布された銅箔(クラッド樹脂付き銅箔)の上にコア及びクラッドを順次形成して光導波路を作製し、これを基板に貼り付ける方法が知られている。しかし、それぞれ次のような問題がある。
(i)の方法では、光導波路の上に金属メッキを密着性よく形成するためには、アンカー効果が得られるように、光導波路のクラッドの外表面に微細な凹凸を形成することが提案される。このような凹凸は、例えば、金属メッキの前処理であるエッチング処理によって形成することができる。ところが、光導波路のクラッドは、高い透明性が得られるように、組織が均一な透明樹脂で構成されている。このような透明樹脂は、組織が均一なため、エッチングレートが全体的に等しい。したがって、エッチング処理をしても、クラッドの厚みが全体的に均一に減少するだけで凹凸は形成され難い。そこで、透明樹脂の組織を不均一にして、エッチング処理によってクラッドの外表面に凹凸が形成されるようにすることが考えられる。しかし、透明樹脂の組織を不均一にすると、クラッドの透明性が低下し、電気回路上の受発光素子と光導波路との光の結合が困難となる可能性がある。つまり、クラッドの高い透明性と金属メッキの良好な密着性とが両立せず、結果として、クラッドの高い透明性を維持するために、アンカー効果が犠牲にされて、クラッドを構成する透明樹脂に対する金属メッキの密着性が低くなり、そのため電気回路が剥がれ易いという問題がある。
(ii)の方法では、光回路と電気回路とをそれぞれ別々に作製し、あとでこれらを貼り合わせるため、光回路と電気回路との位置精度が低下して製造の歩留りが低下するという問題がある。また、プリント配線板には光を通すための開口が予め形成されているので、この開口に接着剤が回りこんで不均一にはみ出し、ここを光が通るため光が乱反射して結合効率が減少するという問題がある。また、プリント配線板の厚みと接着層の厚みの分だけ電気回路上の受発光素子と光導波路との間の距離が長くなるため結合損失が大きくなるという問題がある。
(iii)の方法では、コアをフォトリソグラフィーで作製する場合に、コア用樹脂を光硬化させるために照射された紫外光が銅箔の片面に設けられたクラッドを通過して凹凸のある銅箔に当たって乱反射するので、この乱反射した紫外光によりコアの側壁に荒れが生じ、このため導波損失が大きくなるという問題がある。
このように、従来の光電複合配線板の製造方法においては、電気回路の密着性が高められ、受発光素子と光導波路との結合損失が抑制され、光導波路の導波損失が抑制された光電複合配線板を歩留りよく得ることができないのが現状である。
本発明者等は、このような現状に鑑みて、光電複合配線板の製造方法の改良に鋭意研究検討を重ねた結果、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有する樹脂組成物を用いて光電複合配線板を製造すると、電気回路の密着性が高められ、受発光素子と光導波路との結合損失が抑制され、光導波路の導波損失が抑制された光電複合配線板を歩留りよく得ることができることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本実施形態においては、コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路と、この光導波路の上に積層された樹脂層と、この樹脂層の上に積層された金属層とを有し、前記樹脂層は、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有し、前記樹脂層と前記金属層との境界面が、エポキシ樹脂による凸部及び/又はゴム粒子による凸部が形成された粗面である金属張積層板が提供される。
また、本実施形態においては、コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路と、この光導波路の上に積層された樹脂層と、この樹脂層の上に形成された電気回路とを有し、前記樹脂層は、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有し、前記樹脂層と前記電気回路との境界面が、エポキシ樹脂による凸部及び/又はゴム粒子による凸部が形成された粗面である光電複合配線板が提供される。
本実施形態においては、ゴム粒子を構成する透明樹脂は、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマー、ジエン系モノマーの重合体又はこれらの共重合体のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
本実施形態においては、樹脂層中のゴム粒子の含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対し、3〜30質量部であることが好ましい。
本実施形態においては、ゴム粒子の粒径が、30〜3000nmであることが好ましい。
本実施形態においては、樹脂層は、エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを含有することが好ましい。
本実施形態においては、樹脂層は、カチオン硬化剤をさらに含有することが好ましい。
また、本実施形態においては、コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路の上に、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、形成した樹脂層をエッチング処理するエッチング処理工程と、エッチング処理した樹脂層の上に、金属メッキにより金属層を形成する金属層形成工程と、を備える金属張積層板の製造方法が提供される。
また、本実施形態においては、コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路の上に、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、形成した樹脂層をエッチング処理するエッチング処理工程と、エッチング処理した樹脂層の上に、金属メッキにより金属層を形成する金属層形成工程と、形成した金属層を電気回路に形成する電気回路形成工程と、を備える光電複合配線板の製造方法が提供される。
本実施形態においては、樹脂層形成工程では、エポキシ樹脂とゴム粒子とを含有する樹脂組成物のフィルムを積層して硬化させることにより樹脂層を形成することが好ましい。
<樹脂組成物>
本実施形態では、樹脂組成物は、光電複合配線板用の樹脂組成物である。樹脂組成物は、エポキシ樹脂とゴム粒子とを含有する。エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを含有することが好ましい。ゴム粒子は、エポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される。樹脂組成物は、カチオン硬化剤をさらに含有することが好ましい。
[固体状エポキシ樹脂]
固体状エポキシ樹脂は、常温(室温)で固体状のエポキシ樹脂であり、例えば、(ア)固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂、(イ)固体状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、(ウ)フェノキシ樹脂、(エ)2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(便宜上この化合物を「固体状エポキシ付加物」と記す場合がある)等が好ましく使用できる。
固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを合わせたエポキシ樹脂全量中における固体状エポキシ樹脂の含有量は、例えば、0〜90質量%、好ましくは、75〜85質量%である。90質量%以下の場合、樹脂組成物のフィルムや、樹脂組成物の硬化物(すなわち樹脂層)の強靭性、透明性をより一層バランスよく高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性がより一層調整し易くなる。また、樹脂組成物のフィルムや硬化物(これらをあわせて「硬化物等」という場合がある)が脆くなって粉落ちする可能性がより一層少なくなる。
(ア:固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂)
固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することにより、硬化物等の脆さを抑えて、硬化物等の強靭性を高めることができる。また、硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が低くなるように調整することができる。
本実施形態で使用可能な固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂は特に限定されない。例えば、固体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、固体状のビスフェノールF型エポキシ樹脂、固体状のビスフェノールE型エポキシ樹脂、固体状のビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
固体状エポキシ樹脂中におけるこの固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、例えば、0〜85質量%である。85質量%以下の場合、硬化物等の強靭性、透明性をより一層バランスよく高めることができる。また、硬化物等からの粉落ちの可能性がより一層少なくなる。
固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート1006FS」(固体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート4007」(固体状のビスフェノールF型エポキシ樹脂)等がある。
(イ:固体状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂)
固体状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が低くなるように調整することができる。
本実施形態で使用可能な固体状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂は特に限定されない。例えば、固体状の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固体状の水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、固体状の水添ビスフェノールE型エポキシ樹脂、固体状の水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
固体状エポキシ樹脂中におけるこの固体状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、例えば、0〜85質量%である。85質量%以下の場合、硬化物等の強靭性、透明性をより一層バランスよく高めることができる。
固体状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「YL7170」(固体状の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)等がある。
(ウ:フェノキシ樹脂)
フェノキシ樹脂は、例えば、エポキシ化合物とエピクロルヒドリンとから合成されるポリヒドロキシポリエーテルであり、これを含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の脆さを抑えて、硬化物等の強靭性を高めることができる。また、硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が低くなるように調整することができる。また、樹脂組成物のフィルムを作製する際に調製するワニス(溶剤溶液)の粘度が高くなるように調整することができる。そのため、樹脂組成物のフィルムの作製が容易となる。
固体状エポキシ樹脂中におけるこのフェノキシ樹脂の含有量は、例えば、0〜30質量%である。30質量%以下の場合、ワニスの粘度がより一層適切となり、ワニスをより一層取り扱い易くなる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、東都化成社製の「YP50」等がある。フェノキシ樹脂は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(エ:固体状エポキシ付加物)
固体状エポキシ付加物は、常温(室温)で固体状の透明な脂環式エポキシ樹脂であり、これを含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高くなるように調整することができる。
固体状エポキシ樹脂中におけるこの固体状エポキシ付加物の含有量は、例えば、0〜85質量%である。85質量%以下の場合、硬化物等の強靭性、透明性をより一層バランスよく高めることができる。
固体状エポキシ付加物としては、例えば、ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」等がある。固体状エポキシ付加物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[液状エポキシ樹脂]
液状エポキシ樹脂は、常温(室温)で液状のエポキシ樹脂であり、例えば、(カ)液状のビスフェノール型エポキシ樹脂、(キ)液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、(ク)液状の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂、(ケ)液状の脂肪族エポキシ樹脂等が好ましく使用できる。
固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを合わせたエポキシ樹脂全量中における液状エポキシ樹脂の含有量は、例えば、10〜100質量%、好ましくは、15〜25質量%である。10質量%以上の場合、硬化物等の強靭性、透明性をより一層バランスよく高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性がより一層調整し易くなる。また、硬化物等からの粉落ちの可能性がより一層少なくなる。
(カ:液状のビスフェノール型エポキシ樹脂)
液状のビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の脆さを抑えて、硬化物等の強靭性を高めることができる。また、硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が高くなるように調整することができる。
本実施形態で使用可能な液状のビスフェノール型エポキシ樹脂は特に限定されない。例えば、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状のビスフェノールE型エポキシ樹脂、液状のビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
液状エポキシ樹脂中におけるこの液状のビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、例えば、0〜25質量%である。25質量%以下の場合、樹脂組成物のフィルムのタック性がより一層調整し易くなる。
液状のビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、DIC社製の「エピクロン850S」(液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂)、DIC社製の「エピクロン830S」(液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂)等がある。
(キ:液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂)
液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が高くなるように調整することができる。
本実施形態で使用可能な液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂は特に限定されない。例えば、液状の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状の水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状の水添ビスフェノールE型エポキシ樹脂、液状の水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
液状エポキシ樹脂中におけるこの液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の含有量は、例えば、0〜25質量%である。25質量%以下の場合、樹脂組成物のフィルムのタック性がより一層調整し易くなる。
液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「YX8000」(液状の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)等がある。
(ク:液状の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂)
液状の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が高くなるように調整することができる。また、樹脂組成物のフィルムの光硬化速度を高めることができる。また、分子構造に応じて樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)を高くしたり低くしたり調整することができる。
本実施形態で使用可能な液状の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂は特に限定されない。例えば、液状の3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、液状のε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
液状エポキシ樹脂中におけるこの液状の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂の含有量は、例えば、0〜20質量%である。20質量%以下の場合、樹脂組成物のフィルムのタック性がより一層調整し易くなる。
液状の3,4−エポキシシクロヘキセニル骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」(液状の3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート)、ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2081」(液状のε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)等がある。
(ケ:液状の脂肪族エポキシ樹脂)
液状の脂肪族エポキシ樹脂を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。また、樹脂組成物のフィルムのタック性が高くなるように調整することができる。
本実施形態で使用可能な液状の脂肪族エポキシ樹脂は特に限定されない。例えば、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
液状エポキシ樹脂中におけるこの液状の脂肪族エポキシ樹脂の含有量は、例えば、0〜20質量%である。20質量%以下の場合、樹脂組成物のフィルムのタック性がより一層調整し易くなる。
液状の脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、東都化成社製の「エポトートYH300」(トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂)、日本油脂社製の「エピオールE−1000」(ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂)等がある。
[カチオン硬化剤]
カチオン硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基を開環自重合させるための重合開始剤であり、光によってのみ硬化を開始できる光カチオン硬化剤、熱によってのみ硬化を開始できる熱カチオン硬化剤、光によっても熱によっても硬化を開始できる光・熱カチオン硬化剤がある。本実施形態で使用可能なカチオン硬化剤は特に限定されず、いずれのカチオン硬化剤も使用でき、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。カチオン硬化剤を含有することにより、樹脂組成物の硬化物等の透明性を高めることができる。
樹脂組成物中のカチオン硬化剤の含有量は、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.5〜2質量部である。0.5質量部以上の場合、カチオン硬化剤の効果がより一層確実である。2質量部以下の場合、硬化反応がより一層好ましい速度で進行する。
光カチオン硬化剤としては、例えば、アデカ社製の「SL−170」(SbF6−系スルホニウム塩)等がある。熱カチオン硬化剤としては、例えば、三新化学工業社製の「SI−150L」(SbF6−系スルホニウム塩)等がある。
[ゴム粒子]
ゴム粒子は、エポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される。このようなゴム粒子を含有することにより、樹脂層の組織が不均一となり、樹脂層をエッチング処理することによって、樹脂層の外表面に凹凸が形成され、アンカー効果が得られて、樹脂層の上に金属メッキを密着性よく形成することができる。その結果、電気回路の密着性が高められる。しかも、ゴム粒子が透明樹脂で構成されているから、樹脂層の組織が不均一となっても、樹脂層の透明性が低下しない。その結果、電気回路上の受発光素子と光導波路との光の結合が確保される。また、エッチング処理後に樹脂層に残留するゴム粒子が伸びることにより剥離面積が増加するので、この点からも樹脂層に対する金属メッキの密着性が向上する。
本実施形態で使用可能なゴム粒子は特に限定されない。例えば、アクリル系(アクリレート、メタクリレート)モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマー、ジエン系モノマー等の重合体又はこれらの共重合体のうちの少なくも1種で構成される透明粒子が挙げられる。これらはエポキシ樹脂とエッチングレートが異なり、かつ透明性が相対的に高い樹脂である。この他、エポキシ樹脂とエッチングレートの異なる透明樹脂で構成されるゴム粒子であれば使用可能である。これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ゴム粒子のエッチングレートがエポキシ樹脂のエッチングレートよりも大きいときは、エッチング処理により、樹脂層の外表面は、エポキシ樹脂による凸部が形成された粗面となる。逆に、エポキシ樹脂のエッチングレートがゴム粒子のエッチングレートよりも大きいときは、エッチング処理により、樹脂層の外表面は、ゴム粒子による凸部が形成された粗面となる。エポキシ樹脂のエッチングレートよりも大きいエッチングレートのゴム粒子と小さいエッチングレートのゴム粒子とを併用したときは、エポキシ樹脂による凸部とゴム粒子による凸部とが混在した粗面となる。
樹脂組成物中のゴム粒子の含有量は、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対し、3〜30質量部、好ましくは、5〜10質量部である。ゴム粒子の含有量が過度に少ないと、電気回路の密着性向上効果が不足する傾向となる。ゴム粒子の含有量が過度に多いと、樹脂層の透明性が低下する傾向となる。また、樹脂層全体がゴム状の性質を帯び、変形し易い傾向となる。
樹脂組成物中のゴム粒子の粒径は、例えば、30〜3000nm、好ましくは、50〜500nmである。ゴム粒子の粒径が過度に小さいと、樹脂層の外表面に形成される凹凸が過度に微細となり、アンカー効果が低下し、電気回路の密着性向上効果が不足する傾向となる。また、ゴム粒子が凝集を起こし易くなり、樹脂層の透明性が低下する傾向となる。ゴム粒子の粒径が過度に大きいと、樹脂層の厚みを薄くし難い傾向となる。また、樹脂組成物のフィルムの厚みを薄くし難い傾向となる。また、樹脂層の透明性が低下する傾向となる。
本実施形態では、ゴム粒子を、例えば、液状のエポキシ樹脂やメチルエチルケトン(MEK)等の溶剤に予め分散させておき、この分散体をエポキシ樹脂と混合することによって、ゴム粒子の分散性が向上し、樹脂組成物の調製が容易となるので好ましい。
本実施形態で使用可能なゴム粒子の具体例としては、例えば、JSR社製の「XSK−500」(スチレンブタジエンゴム)がある。これは、ナノサイズのスチレンブタジエンゴムをメチルエチルケトンに分散した分散体である。このゴム粒子は、1次粒子径がおよそ70nmであり、粒子表面に水酸基やカルボキシル基を有するため、エポキシ樹脂との相溶性に優れている。
本実施形態で使用可能なゴム粒子の他の具体例としては、例えば、ガンツ化成社製の「EA−1135」(アクリル−スチレン系共重合体のゴム粒子)、総研化学社製の「MS−300K」(アクリル系ゴム粒子)、積水化成社製の「XX−1873−Z」(ミクロンサイズの架橋スチレン−アクリル系共重合体のゴム粒子)等がある。
ゴム粒子の屈折率と硬化後のエポキシ樹脂の屈折率とを略同じに揃えることにより、樹脂層内における屈折率の差がなくなって、樹脂層の透明性がより一層向上する。例えば、ガンツ化成社製の「EA−1135」のゴム粒子の屈折率が1.53であるから、硬化後のエポキシ樹脂の屈折率が1.53となるように、エポキシ樹脂の組成(固体状エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂の種類、含有量)を決定すればよい。これにより、樹脂層の透明性がより一層向上し、樹脂層の高い透明性と樹脂層に対する金属メッキの良好な密着性とがより一層両立することとなる。
[その他の添加剤]
本実施形態では、樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、例えば、表面調整剤、カップリング剤、流動改質剤、滑剤、着色剤等のその他の添加剤を必要に応じてさらに含有することができる。
[樹脂層の形成方法]
本実施形態では、樹脂層形成工程において、樹脂組成物を光導波路の上に積層して硬化させることにより樹脂層を形成する。この場合の樹脂組成物の積層方法としては、樹脂組成物のワニス(溶剤溶液)を調製し、このワニスを光導波路の上に塗布した後、溶剤を除去して乾燥させる方法(直接塗布法)がある。
ワニスの調製に使用可能な溶剤としては、前述のエポキシ樹脂やカチオン硬化剤やその他の添加剤を溶解させるものであれば、特に限定されない。例えば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等が挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ワニス中におけるエポキシ樹脂及びゴム粒子等と溶剤との混合割合は特に限定されない。例えば、ワニスの粘度がワニスを光導波路の上に塗布するのに好ましい粘度となるように適宜調整すればよい。
[樹脂組成物のフィルム]
本実施形態では、樹脂層形成工程における樹脂組成物の積層方法として、前記直接塗布法に代えて、予め樹脂組成物をフィルム化した樹脂組成物のフィルムを作製しておき、このフィルムを光導波路の上に積層する方法(フィルム法)を採用することもできる。このフィルム法では、樹脂層形成工程においてワニスの塗布作業及び乾燥作業を行う必要がなくなるので、光電複合配線板の生産性が向上する。また、フィルムの厚みひいては樹脂層の厚みを容易に精度よく均一化することができる。フィルムの厚みは特に限定されない。例えば、10〜100μm程度である。
樹脂組成物のフィルムは、例えば、PETフィルム等の上にコンマコータヘッドのマルチコータ等を用いて樹脂組成物のワニスを塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより作製される。作製されたフィルムの上には通常保護フィルムが熱ラミネートされる。そして、樹脂組成物のフィルムは、保護フィルムが剥がされた後、例えば、真空ラミネータ等を用いて光導波路の上に積層される。なお、後述する光電複合配線板の製造方法及び実施例において、この樹脂組成物のフィルムを「樹脂層用硬化性フィルム」と記す場合がある。
このフィルム法で用いられるワニスは、前記直接塗布法で用いられるワニスと同様のものを用いることができる。
<光電複合配線板の製造方法>
次に、前記樹脂組成物を用いて金属張積層板及び光電複合配線板を製造する方法を図1を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本実施形態における金属張積層板及び光電複合配線板の製造方法を説明するための模式断面図である。図1中、符号3はコア、符号4はミラー面、符号6は光導波路、符号8は樹脂組成物、符号8aはエポキシ樹脂、符号8bはゴム粒子、符号8cは凹凸(粗面)、符号8dは樹脂層、符号9は金属メッキ、符号9dは金属層、符号10は電気回路、符号20は光電複合配線板、符号25はクラッドである。
[光導波路]
まず、図1(a)に示すように、光導波路6を準備する。光導波路6は、矢印線で示すように、一端のミラー面4に入力された導波光を屈折率の異なるコア3とクラッド25との界面で全反射させることにより伝搬して他端のミラー面4から出力するものであり、この光導波路6によって光回路が提供される。
光導波路6の製造方法は特に限定されない。光導波路6の製造方法は様々知られている。1例を説明する(より詳しくは後述する実施例を参照)。例えばポリカーボネート樹脂からなる仮基板の上に、予め作製しておいたクラッド用硬化性フィルムを積層し、このフィルムを光及び/又は熱で硬化させて第1のクラッドを形成する。この第1のクラッドの上に、予め作製しておいたコア用硬化性フィルムを積層する。ここで、コア用硬化性フィルムの屈折率はクラッド用硬化性フィルムの屈折率よりも高く調整されている。コア用硬化性フィルムの上に、コアパターンのスリットが形成されたネガマスクを置き、紫外線等で露光する。なお、露光方法としては、ネガマスクを用いる方法の他、コアパターンに沿ってレーザ光を照射する直接描画方法でもよい。露光の後、水系フラックス洗浄剤等の現像液を用いて現像処理することにより、コア用硬化性フィルムの未露光・未硬化部分を除去する。これにより、第1のクラッドの上にコア3が形成される。次に、コア3の両端に導波光を90°偏向させるためのミラー面4,4を形成する。第1のクラッド及びコア3を被覆するようにクラッド用硬化性フィルムを積層し、このフィルムを光及び/又は熱で硬化させて第2のクラッドを形成する。このようにして、コア3とコア3を包むクラッド25とを有する光導波路6が得られる。
[樹脂層形成工程]
樹脂層形成工程は、図1(b)に示すように、光導波路6の上に、エポキシ樹脂8aと、このエポキシ樹脂8aと異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子8bとを含有する樹脂組成物8を積層して硬化させることにより、樹脂層8dを形成する工程である。ここで、樹脂組成物8として、前述した本実施形態に係る樹脂組成物を用いる。樹脂組成物8の積層方法としては、前述したように、直接塗布法でもよいし、樹脂層用硬化性フィルムを用いるフィルム法でもよい。フィルム法の場合、例えば、真空ラミネータ等を用いて樹脂層用硬化性フィルムを光導波路6の上に積層する。樹脂組成物8の硬化は、光及び/又は熱により行う。樹脂層8dの厚みは特に限定されない。例えば、10〜100μm程度である。
[エッチング処理工程]
エッチング処理工程は、図1(c)に示すように、形成した樹脂層8dをエッチング処理する工程である。このエッチング処理により、樹脂層8dの外表面に凹凸(粗面)8cが形成される。なお、図例は、ゴム粒子8bのエッチングレートがエポキシ樹脂8aのエッチングレートよりも大きいために、ゴム粒子8bの部分で凹部が形成され、エポキシ樹脂8aによる凸部が形成される場合を示したが、これに限らず、エポキシ樹脂8aのエッチングレートがゴム粒子8bのエッチングレートよりも大きいために、エポキシ樹脂8aの部分で凹部が形成され、ゴム粒子8bによる凸部が形成されるものでもよい。前者の場合は、ゴム粒子8bの粒径に依存して凹部の微細さが決まり、後者の場合は、ゴム粒子8bの含有量に依存して凹部の微細さが決まる。また、エポキシ樹脂8aのエッチングレートよりも大きいエッチングレートのゴム粒子8bと小さいエッチングレートのゴム粒子8bとを併用して、エポキシ樹脂8aによる凸部とゴム粒子8bによる凸部とを混在させてもよい。エッチング処理は、金属メッキの前処理である過マンガン酸溶液を用いる過マンガン酸処理(デスミア処理)により行われる。
[金属層形成工程]
金属層形成工程は、図1(d)に示すように、エッチング処理した樹脂層8dの上に、金属メッキ9を施して金属層9dを形成する工程である。ここで、樹脂層8dと金属層9dとの境界面が粗面となり、樹脂層8dの外表面に形成された凹凸(粗面)8cによりアンカー効果が得られるため、金属メッキ9は樹脂層8dの上に密着性よく形成される。金属メッキ9は、例えば、銅等の金属の無電解メッキ処理、又は銅等の金属の無電解メッキ処理及び引き続き行う電解メッキ処理により形成される。金属メッキ9の厚みは特に限定されない。例えば、10〜50μm程度である。この金属層形成工程によって、金属張積層板が得られる。
[電気回路形成工程]
電気回路形成工程は、図1(e)に示すように、形成した金属層9dを電気回路10に形成する工程である。電気回路10の形成は、例えば、周知の回路形成のためのエッチング技術により行うことができる。ここで、樹脂層8dと電気回路10との境界面が粗面となり、樹脂層8dの外表面に形成された凹凸(粗面)8cによりアンカー効果が得られるため、電気回路10は樹脂層8dの上に密着性よく形成される。以上により、この電気回路形成工程によって、光回路(光導波路6)と電気回路10とを備えた光電複合配線板20が得られる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は実施例により何ら限定されるものではない。
<樹脂組成物のフィルムの作製>
[フィルム1]
表1(配合の数値は質量部)に示すように、固体状エポキシ樹脂として(A)固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)62質量部と(B)フェノキシ樹脂(東都化成社製の「YP50」)18質量部、液状エポキシ樹脂として(C)トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(東都化成社製の「エポトートYH300」)8質量部と(D)液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)12質量部、ゴム粒子として(J)ナノサイズのスチレンブタジエンゴムをメチルエチルケトンに分散した分散体(JSR社製の「XSK−500」)5質量部(ゴム粒子として)、(E)光カチオン硬化剤としてアデカ社製の「SP−170」0.5質量部、(F)熱カチオン硬化剤として三新化学工業社製の「SI−150L」0.5質量部、及び、(G)表面調整剤としてDIC社製の「F470」0.1質量部を、(H)トルエン30質量部と(I)メチルエチルケトン(MEK)70質量部との混合溶媒に、還流下、60℃で、溶解させることにより、樹脂組成物のワニスを調製した。このワニスを、PETフィルム(東洋紡績社製の「A4100」)の上に、ヒラノテクシード社製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いて塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより、厚みが50μmの樹脂組成物のフィルム(樹脂層用硬化性フィルム)1を作製した。作製したフィルムの上に保護フィルムとして王子特殊紙社製の「OPP−MA420」を熱ラミネートした。
[フィルム2]
表1に示すように、ゴム粒子(J)の配合量を10質量部とした他は、フィルム1と同様にしてフィルム2を作製した。
[フィルム3]
表1に示すように、ゴム粒子として(K)ミクロンサイズの架橋スチレン−アクリル系共重合体のゴム粒子(積水化成社製の「XX−1873−Z」)を用いた他は、フィルム1と同様にしてフィルム3を作製した。
[フィルム4]
表1に示すように、ゴム粒子(K)の配合量を10質量部とした他は、フィルム3と同様にしてフィルム4を作製した。
[フィルム5]
表1に示すように、ゴム粒子(J)、(K)を配合しなかった他は、フィルム1〜4と同様にしてフィルム5を作製した。
表1中、用いた原材料をまとめて示す。
(A)固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)
(B)フェノキシ樹脂(東都化成社製の「YP50」)
(C)トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(東都化成社製の「エポトートYH300」)
(D)液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)
(E)光カチオン硬化剤(アデカ社製の「SP−170」)
(F)熱カチオン硬化剤(三新化学工業社製の「SI−150L」)
(G)表面調整剤(DIC社製の「F470」)
(H)トルエン
(I)メチルエチルケトン(MEK)
(J)ナノサイズのスチレンブタジエンゴムをメチルエチルケトンに分散した分散体(JSR社製の「XSK−500」)
(K)ミクロンサイズの架橋スチレン−アクリル系共重合体のゴム粒子(積水化成社製の「XX−1873−Z」)
<樹脂組成物の硬化物の物性評価>
[透明性]
作製した樹脂組成物のフィルムから保護フィルムを剥がし、これを、超高圧水銀灯を用いて、4J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、さらに150℃で1時間熱処理を行なうことにより、樹脂組成物の硬化物を得た。得られた硬化物を目視で観察し、硬化物の透明性を評価した。評価基準としては、透明なものを「○」、微白濁であるが実用レベルのものを「△」、白濁のものを「×」とした。結果を表1に示す。
[金属メッキのピール強度]
樹脂組成物の硬化物に対する金属メッキの密着性を評価するため、金属メッキのピール強度を測定した。すなわち、作製した樹脂組成物のフィルムから保護フィルムを剥がし、これを、加圧式真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製の「V−130」)を用いて、60℃、0.2MPaの条件で、プリント配線板の上に積層した。超高圧水銀灯を用いて、4J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、さらに樹脂組成物のフィルムからPETフィルムを剥がした後に、150℃で1時間熱処理を行なうことにより、樹脂組成物の硬化物を形成した。形成した硬化物を、膨潤工程、過マンガン酸処理工程、還元処理工程を経ることにより、エッチング処理した。エッチング処理した硬化物を、クリーナーコンディショニング工程、ソフトエッチング工程、プリディップ工程、キャタリスト工程、アクセラレーター工程、無電解銅メッキ工程を経ることにより、硬化物の上に無電解銅メッキを施した。引き続き、脱脂工程、酸活性工程、電解銅メッキ工程、防錆工程を経ることにより、硬化物の上に厚みが30μmの銅メッキを施した。これを幅10mmの帯状に切断して試験片とし、島津製作所社製のピール試験機「EZ−Test」(50Nのロードセル)を用いて、試験片における銅メッキのピール強度を測定した。結果を表1に示す。
[結果考察]
ゴム粒子を含有しない樹脂組成物のフィルム5は、硬化物の透明性に優れるが、硬化物に対する銅メッキのピール強度が0.01N/mm未満と極めて小さかった。これに対し、ゴム粒子を含有する樹脂組成物のフィルム1〜4は、いずれも、硬化物に対する銅メッキのピール強度が改善され、銅メッキから形成される電気回路の密着性が向上することがわかる。特に、ゴム粒子の1次粒子径がおよそ70nmとナノサイズであるフィルム1,2は、ゴム粒子の粒径がミクロンサイズであるフィルム3,4に比べて、硬化物の透明性に優れていた。このように、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子とを含有する樹脂組成物の硬化物は、透明性が実用上問題のないレベルであると共に、電気回路の密着性が高いため、光回路と電気回路とを備えた光電複合配線板において、光導波路と電気回路とを複合化するための樹脂層として好適に使用することが可能である。
<光電複合配線板の製造>
光電複合配線板を製造するに先立ち、クラッド用硬化性フィルム、コア用硬化性フィルム及び樹脂層用硬化性フィルムを作製した。
[クラッド用硬化性フィルム]
固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)62質量部、フェノキシ樹脂(東都化成社製の「YP50」)18質量部、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(東都化成社製の「エポトートYH300」)8質量部、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)12質量部、光カチオン硬化剤(アデカ社製の「SP−170」)0.5質量部、熱カチオン硬化剤(三新化学工業社製の「SI−150L」)0.5質量部、及び、表面調整剤(DIC社製の「F470」)0.1質量部を、トルエン30質量部とメチルエチルケトン70質量部との混合溶媒に溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過した後、減圧脱泡することにより、クラッド用エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。このワニスを、PETフィルム(東洋紡績社製の「A4100」)の上に、ヒラノテクシード社製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いて塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより、厚みが10μmのクラッド用硬化性フィルムを作製した。また、PETフィルム上のワニスの塗布厚みを変えることにより、厚みが50μmのクラッド用硬化性フィルムを作製した。作製したフィルムの上に保護フィルムとして王子特殊紙社製の「OPP−MA420」を熱ラミネートした。
[コア用硬化性フィルム]
液状の3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」)8質量部、固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)12質量部、固体状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート1006FS」)37質量部、3官能エポキシ樹脂(三井化学社製の「VG−3101」)15質量部、固形ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製の「EPPN201」)18質量部、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)10質量部、光カチオン硬化剤(アデカ社製の「SP−170」)0.5質量部、熱カチオン硬化剤(三新化学工業社製の「SI−150L」)0.5質量部、及び、表面調整剤(DIC社製の「F470」)0.1質量部を、トルエン30質量部とメチルエチルケトン70質量部との混合溶媒に溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過した後、減圧脱泡することにより、コア用エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。このワニスを、PETフィルム(東洋紡績社製の「A4100」)の上に、ヒラノテクシード社製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いて塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより、厚みが40μmのコア用硬化性フィルムを作製した。作製したフィルムの上に保護フィルムとして王子特殊紙社製の「OPP−MA420」を熱ラミネートした。
[樹脂層用硬化性フィルム]
固体状エポキシ樹脂として(A)固体状エポキシ付加物(ダイセル化学工業社製の「EHPE3150」)62質量部と(B)フェノキシ樹脂(東都化成社製の「YP50」)18質量部、液状エポキシ樹脂として(C)トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂(東都化成社製の「エポトートYH300」)8質量部と(D)液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製の「エピクロン850S」)12質量部、ゴム粒子として(J)ナノサイズのスチレンブタジエンゴムをメチルエチルケトンに分散した分散体(JSR社製の「XSK−500」)5質量部(ゴム粒子として)、(E)光カチオン硬化剤としてアデカ社製の「SP−170」0.5質量部、(F)熱カチオン硬化剤として三新化学工業社製の「SI−150L」0.5質量部、及び、(G)表面調整剤としてDIC社製の「F470」0.1質量部を、(H)トルエン30質量部と(I)メチルエチルケトン(MEK)70質量部との混合溶媒に、還流下、60℃で、溶解させることにより、樹脂層用エポキシ樹脂組成物のワニスを調製した。このワニスを、PETフィルム(東洋紡績社製の「A4100」)の上に、ヒラノテクシード社製のコンマコータヘッドのマルチコータを用いて塗布した後、溶剤を除去して乾燥させることにより、厚みが20μmの樹脂層用硬化性フィルムを作製した。作製したフィルムの上に保護フィルムとして王子特殊紙社製の「OPP−MA420」を熱ラミネートした。
[光導波路の作製]
図2は、実施例における金属張積層板及び光電複合配線板の製造方法を説明するための模式断面図である。図2中、符号1は仮基板、符号2は第1のクラッド、符号3はコア、符号4はミラー面(金薄膜)、符号5は第2のクラッド、符号6は光導波路、符号7は基板、符号8は樹脂組成物、符号8aはエポキシ樹脂、符号8bはゴム粒子、符号8cは凹凸(粗面)、符号8dは樹脂層、符号8fは樹脂層用硬化性フィルム、符号9は金属(銅)メッキ、符号9dは金属(銅)層、符号10は電気回路、符号20は光電複合配線板である。
厚みが10μmのクラッド用硬化性フィルムから保護フィルムを剥がし、これを、加圧式真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製の「V−130」)を用いて、60℃、0.2MPaの条件で、紫外線透過性のポリカーボネート樹脂からなる140mm×120mmの仮基板1の上に積層した。超高圧水銀灯を用いて、2J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、さらにクラッド用硬化性フィルムからPETフィルムを剥がした後に、150℃で30分間熱処理を行ない、さらに酸素プラズマ処理を施すことにより、クラッド用硬化性フィルムが硬化した第1のクラッド2を形成した。
次に、厚みが40μmのコア用硬化性フィルムから保護フィルムを剥がし、これを、加圧式真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製の「V−130」)を用いて、60℃、0.2MPaの条件で、第1のクラッド2の上に積層した。コアパターンのスリット(スリット幅40μm、スリット長さ120mmの複数の直線パターン)が形成されたネガマスクをコア用硬化性フィルムの上に置き、超高圧水銀灯を用いて、4J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、さらにネガマスクを取り除き、コア用硬化性フィルムからPETフィルムを剥がした後に、140℃で2分間熱処理を行ない、さらに現像液として55℃に調整した水系フラックス洗浄剤(荒川化学工業社製の「パインアルファST−100SX」)を用いて現像処理することにより、コア用硬化性フィルムの未露光・未硬化部分を溶解除去し、さらに水で仕上げ洗浄してエアブローした後、100℃で10分間乾燥させることにより、コア用硬化性フィルムの露光部分がコアパターンに従って硬化したコア3を第1のクラッド2の上に形成した(図2(a)参照)。
ここで、第1のクラッド2の表面状態を目視で観察したところ、第1のクラッド2の表面に荒れは観察されなかった。また、コア3の外観を実体顕微鏡で観察したところ、コア3の側壁に荒れは観察されなかった。
次に、コア3の両端から10mmの位置に、導波光を90°偏向させるためのマイクロミラーを形成した。すなわち、まず、切削刃の頂角が90°の回転ブレード(ディスコ社製の「♯5000」ブレード)を、回転数10,000rpm、移動速度0.1mm/sの条件で、コア3の両端からそれぞれ10mmの位置を横切るように移動させることにより、深さ50μmのV溝を形成した。次に、クラッド用硬化性フィルムを作製するために調製したクラッド用エポキシ樹脂組成物のワニスをトルエン30質量部とメチルエチルケトン70質量部との混合溶媒で50倍に希釈した希釈液を、V溝にブラシで薄く塗布し、100℃で30分間乾燥させた後、超高圧水銀灯を用いて、1J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、さらに120℃で10分間熱処理を行なうことにより、V溝の平滑化を行なった。次に、V溝の部分のみが開口されたメタルマスクを被せて金を真空蒸着させることにより、V溝の表面に1000Å厚の金薄膜を形成し、これによりマイクロミラーのミラー面4を形成した(図2(b)参照)。
次に、厚みが50μmのクラッド用硬化性フィルムから保護フィルムを剥がし、これを、加圧式真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製の「V−130」)を用いて、80℃、0.3MPaの条件で、第1のクラッド2及びコア3を被覆するように第1のクラッド2及びコア3の上に積層した(図2(c)参照)。クラッド用硬化性フィルムからPETフィルムを剥がし、この剥がした面の上に、加圧式真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製の「V−130」)を用いて、80℃、0.2MPaの条件で、基板7(パナソニック電工社製の「FR4」)を積層した(図2(d)参照)。仮基板1の側から、超高圧水銀灯を用いて、2J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、さらに140℃で1時間熱処理を行なうことにより、クラッド用硬化性フィルムが硬化した第2のクラッド5を形成した。仮基板1を取り除くことにより、コア3とコア3を包むクラッド2,5とを有する光導波路6が基板7に接着された状態で得られた(図2(e)参照)。
[樹脂層形成工程]
次に、厚みが20μmの樹脂層用硬化性フィルム8fから保護フィルムを剥がし、これを、加圧式真空ラミネータ(ニチゴー・モートン社製の「V−130」)を用いて、60℃、0.2MPaの条件で、作製した光導波路6の上に積層した。超高圧水銀灯を用いて、4J/cmの条件で紫外光を照射して露光し、さらに樹脂層用硬化性フィルム8fからPETフィルムを剥がした後に、150℃で30分間熱処理を行なうことにより、樹脂層用硬化性フィルム8fが硬化した樹脂層8dを形成した(図2(f)参照)。
[エッチング処理工程]
形成した樹脂層8dを、膨潤工程、過マンガン酸処理工程、還元処理工程を経ることにより、エッチング処理した(図2(g)参照)。
[金属層形成工程]
エッチング処理した樹脂層8dを、クリーナーコンディショニング工程、ソフトエッチング工程、プリディップ工程、キャタリスト工程、アクセラレーター工程、無電解銅メッキ工程を経ることにより、樹脂層8dの上に無電解銅メッキを施した。引き続き、脱脂工程、酸活性工程、電解銅メッキ工程、防錆工程を経ることにより、樹脂層8dの上に厚みが30μmの金属(銅)メッキ9を施して金属(銅)層9dを形成した(図2(h)参照)。ここにおいて、金属張積層板が作製された。
[電気回路形成工程]
形成した金属層9dをエッチング技術により所定のパターンの電気回路10に形成し、さらにソルダーレジストを形成した後、金メッキ処理、シルク印刷を行うことにより、光回路(光導波路6)と電気回路10とを備えた光電複合配線板20を得た(図2(i)参照)。
<光電複合配線板の損失評価>
得られた光電複合配線板20の損失評価を行った。すなわち、受発光素子であるVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)からの光(850nm波長)を、コア径10μm、NA0.21の光ファイバーを通して、光電複合配線板20の光導波路6(光回路)の一方のミラー面4に、マッチングオイル(シリコーンオイル)を介して入射し、他方のミラー面4から、同じマッチングオイルを介して、コア径200μm、NA0.4の光ファイバーを通して出射される光のパワー(P1)をパワーメータで測定した。また、前記2つの光ファイバーの端部同士を直接突き当てて、光電複合配線板20の樹脂層8d及び光導波路6を挿入しない状態で出射される光のパワー(P0)をパワーメータで測定した。そして、「(−10)log(P1/P0)」の計算式から、光電複合配線板20の挿入損失を求めたところ、2.5dBと小さく、十分実用レベルであった。
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、光回路6と電気回路10とを備えた光電複合配線板20の製造方法において、コア3とコア3を包むクラッド25とを有する光導波路6の上に、エポキシ樹脂8aと、このエポキシ樹脂8aと異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子8bとを含有する樹脂層8dを形成する樹脂層形成工程と、形成した樹脂層8dをエッチング処理するエッチング処理工程と、エッチング処理した樹脂層8dの上に、金属メッキ9により金属層9dを形成する金属層形成工程と(ここまでで、金属張積層板が得られる。)、形成した金属層9dを電気回路10に形成する電気回路形成工程と(ここまでで、光電複合配線板20が得られる。)が備えられているので、エッチング処理工程で、樹脂層8dの外表面に凹凸(粗面)8cが形成され、金属メッキ9、金属層9dひいては電気回路10の密着性が高められる。また、樹脂層8dの透明性が実用上問題のないレベルなので、電気回路10上のVCSEL等の受発光素子と光導波路6との結合損失が抑制される。
また、すでに出来上がっている光導波路6の上に樹脂層8d及び金属層9dをビルドアップするので、コア3の側壁に荒れが生じず、光導波路6の導波損失が抑制される。また、光回路6と電気回路10とをそれぞれ別々に作製し、あとでこれらを貼り合わせるというような製造方法ではなく、仮基板1に対してビルドアップにより光導波路6を作製し、基板7に対してビルドアップにより光回路6と電気回路10とを複合化していく製造方法なので、金属張積層板及び光電複合配線板20を歩留りよく得ることができる。
また、ゴム粒子8bを構成する透明樹脂は、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマー、ジエン系モノマーの重合体又はこれらの共重合体のうちの少なくとも1種であるので、ゴム粒子8bはエポキシ樹脂8aとエッチングレートが異なり、かつゴム粒子8bの透明性が相対的に高くなる。
また、樹脂層形成工程で、エポキシ樹脂8aとゴム粒子8bとを含有する樹脂組成物8のフィルム8f(樹脂層用硬化性フィルム)を積層する場合は、従来、プリント配線板の製造、又は光導波路6の製造に使用される真空ラミネータのような量産実績のある設備に対応できるので、金属張積層板及び光電複合配線板20の生産性が向上する。
また、樹脂層8d中のゴム粒子8bの含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対し、3〜30質量部である場合は、電気回路10の密着性向上効果が確保される。また、樹脂層8dの良好な透明性が確保される。また、樹脂層8d全体がゴム状の性質を帯びて変形し易くなるという不具合が抑制される。
また、樹脂層8d中のゴム粒子8bの粒径が、30〜3000nmである場合は、樹脂層8dの外表面に形成される凹凸8cが過度に微細となり、アンカー効果が低下し、電気回路10の密着性向上効果が不足するという不具合が抑制される。また、ゴム粒子8bが凝集を起こし易くなり、樹脂層8dの透明性が低下するという不具合が抑制される。また、ゴム粒子8bの粒径が大き過ぎて、樹脂層8dの厚みを薄くし難くなるという不具合が抑制される。また、樹脂組成物8のフィルム8fの厚みを薄くし難くなるという不具合が抑制される。また、樹脂層8dの透明性が低下するという不具合が抑制される。
また、樹脂層8dは、エポキシ樹脂8aとして、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを含有するので、樹脂組成物8の性質が多様化し、エポキシ樹脂成分の組み合わせにより所望の性質(屈折率を含む)の樹脂組成物8を得ることができる。
また、樹脂層8dは、カチオン硬化剤をさらに含有するので、樹脂層8dの透明性を高めることができる。
そして、光電複合配線板20は、コア3とコア3を包むクラッド25とを有する光導波路6と、この光導波路6の上に積層された樹脂層8dと、この樹脂層8dの上に形成された電気回路10とを有し、前記樹脂層8dは、エポキシ樹脂8aと、このエポキシ樹脂8aと異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子8bとを含有し、前記樹脂層8dと前記電気回路10との境界面が、エポキシ樹脂8aによる凸部及び/又はゴム粒子8bによる凸部が形成された粗面(凹凸8c)であるから、電気回路10の密着性が高められ、受発光素子と光導波路6との結合損失が抑制され、光導波路6の導波損失が抑制される。
また、金属張積層板は、コア3とコア3を包むクラッド25とを有する光導波路6と、この光導波路6の上に積層された樹脂層8dと、この樹脂層8dの上に積層された金属層9dとを有し、前記樹脂層8dは、エポキシ樹脂8aと、このエポキシ樹脂8aと異なる種類の透明樹脂で構成されるゴム粒子8bとを含有し、前記樹脂層8dと前記金属層9dとの境界面が、エポキシ樹脂8aによる凸部及び/又はゴム粒子8bによる凸部が形成された粗面(凹凸8c)であるから、前記金属層9dを電気回路10に形成するだけで、電気回路10の密着性が高められ、受発光素子と光導波路6との結合損失が抑制され、光導波路6の導波損失が抑制された光電複合配線板20を得ることができる。
1 仮基板
2 第1のクラッド
3 コア
4 ミラー面(金薄膜)
5 第2のクラッド
6 光導波路(光回路)
7 基板
8 樹脂組成物
8a エポキシ樹脂
8b ゴム粒子
8c 凹凸(粗面)
8d 樹脂層
8f 樹脂層用硬化性フィルム(樹脂組成物のフィルム)
9 金属メッキ
9d 金属層
10 電気回路
20 光電複合配線板
25 クラッド

Claims (9)

  1. コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路と、
    この光導波路の上に積層された樹脂層と、
    この樹脂層の上に積層された金属層とを有し、
    前記樹脂層は、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される、一次粒子径50〜500nmのゴム粒子とを含有し、
    前記樹脂層と前記金属層との境界面が、エポキシ樹脂による凸部及び/又はゴム粒子による凸部が形成された粗面である金属張積層板。
  2. コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路と、
    この光導波路の上に積層された樹脂層と、
    この樹脂層の上に形成された電気回路とを有し、
    前記樹脂層は、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される、一次粒子径50〜500nmのゴム粒子とを含有し、
    前記樹脂層と前記電気回路との境界面が、エポキシ樹脂による凸部及び/又はゴム粒子による凸部が形成された粗面である光電複合配線板。
  3. ゴム粒子を構成する透明樹脂は、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマー、ジエン系モノマーの重合体又はこれらの共重合体のうちの少なくとも1種である請求項2に記載の光電複合配線板。
  4. 樹脂層中のゴム粒子の含有量が、エポキシ樹脂100質量部に対し、3〜30質量部である請求項2又は3に記載の光電複合配線板。
  5. 樹脂層は、エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを含有する請求項2からのいずれか1項に記載の光電複合配線板。
  6. 樹脂層は、カチオン硬化剤をさらに含有する請求項2からのいずれか1項に記載の光電複合配線板。
  7. コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路の上に、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される、一次粒子径50〜500nmのゴム粒子とを含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    形成した樹脂層をエッチング処理するエッチング処理工程と、
    エッチング処理した樹脂層の上に、金属メッキにより金属層を形成する金属層形成工程と、
    を備える金属張積層板の製造方法。
  8. コアとコアを包むクラッドとを有する光導波路の上に、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂と異なる種類の透明樹脂で構成される、一次粒子径50〜500nmのゴム粒子とを含有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    形成した樹脂層をエッチング処理するエッチング処理工程と、
    エッチング処理した樹脂層の上に、金属メッキにより金属層を形成する金属層形成工程と、
    形成した金属層を電気回路に形成する電気回路形成工程と、
    を備える光電複合配線板の製造方法。
  9. 樹脂層形成工程では、エポキシ樹脂とゴム粒子とを含有する樹脂組成物のフィルムを積層して硬化させることにより樹脂層を形成する請求項に記載の光電複合配線板の製造方法。
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