JP5582137B2 - 高電圧装置、およびそれを備えた放射線源、放射線透視撮影装置 - Google Patents

高電圧装置、およびそれを備えた放射線源、放射線透視撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5582137B2
JP5582137B2 JP2011510091A JP2011510091A JP5582137B2 JP 5582137 B2 JP5582137 B2 JP 5582137B2 JP 2011510091 A JP2011510091 A JP 2011510091A JP 2011510091 A JP2011510091 A JP 2011510091A JP 5582137 B2 JP5582137 B2 JP 5582137B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
anode
rotating
rotating anode
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011510091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010122602A1 (ja
Inventor
祐 齊藤
英樹 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2010122602A1 publication Critical patent/JPWO2010122602A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5582137B2 publication Critical patent/JP5582137B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05GX-RAY TECHNIQUE
    • H05G1/00X-ray apparatus involving X-ray tubes; Circuits therefor
    • H05G1/08Electrical details
    • H05G1/10Power supply arrangements for feeding the X-ray tube
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J35/00X-ray tubes
    • H01J35/24Tubes wherein the point of impact of the cathode ray on the anode or anticathode is movable relative to the surface thereof
    • H01J35/26Tubes wherein the point of impact of the cathode ray on the anode or anticathode is movable relative to the surface thereof by rotation of the anode or anticathode
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05GX-RAY TECHNIQUE
    • H05G1/00X-ray apparatus involving X-ray tubes; Circuits therefor
    • H05G1/08Electrical details
    • H05G1/26Measuring, controlling or protecting
    • H05G1/30Controlling
    • H05G1/32Supply voltage of the X-ray apparatus or tube
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05GX-RAY TECHNIQUE
    • H05G1/00X-ray apparatus involving X-ray tubes; Circuits therefor
    • H05G1/08Electrical details
    • H05G1/26Measuring, controlling or protecting
    • H05G1/30Controlling
    • H05G1/38Exposure time
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05GX-RAY TECHNIQUE
    • H05G1/00X-ray apparatus involving X-ray tubes; Circuits therefor
    • H05G1/08Electrical details
    • H05G1/26Measuring, controlling or protecting
    • H05G1/30Controlling
    • H05G1/46Combined control of different quantities, e.g. exposure time as well as voltage or current

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • X-Ray Techniques (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

本発明は、放射線強度の変更が可能な放射線源に電力を供給する高電圧装置、およびそれを備えた放射線源、放射線透視撮影装置に関する。
医療機関には、被検体の透視像を取得する放射線透視撮影装置が配備されている。この様な放射線透視撮影装置における従来の構成について説明する。従来の放射線透視撮影装置は、被検体を載置する天板と、天板の上部に設けられた放射線源と、天板の下部に設けられた放射線検出手段(FPD)とを備えている。放射線源、およびFPDは、被検体Mの体軸方向に沿って移動可能となっている。
放射線源53の構成について、具体的に説明する。図7に示すように、放射線源53は、周縁がテーパ状となっている円板状の回転陽極61を有している。回転陽極61は、真空容器62の中空部に位置しており、そこは、真空に保たれている。支持軸63は、回転陽極61を回転自在に支持する。陰極64は、回転陽極61の周縁に対向する位置に設置されており、ここから電子Eを回転陽極61の周縁部に向けて照射する。このときに、回転陽極61,陰極64の間に高電圧が印加される。陰極64から発射される電子Eは、回転陽極61の周縁部に当たり、そこからX線ビームBが真空容器62の外部に向けて照射される構成となっている。この様な構成の放射線源は、例えば、特許文献1に記載されている。
回転陽極61,および陰極64の間に印加される電圧は、電圧印加部67より供給される。そして、支持軸63を回転させる回転機構65は、回転陽極61を陰極64に対して回転させる目的で設けられている。
入力部80は、術者の指示を入力させるもので、これを通じて、術者は、放射線源53を自在に操作することができる。主制御部81は、X線管の各部を統括的に制御する。
この様な放射線源53の動作について説明する。図8に示すように、放射線の照射が停止されている当初においては、両極61,64の間の電圧Vは、0である。
術者が入力部80を通じ、放射線の照射の指示を行うと、その時点TAにおいて、回転陽極61の回転が開始され、当初0だった回転陽極61の回転数Rが増加する。と同時に、電圧印加部67は、両極61,64の間にまず、回転陽極61が静止していても損傷することがない程度に低い最低電圧VLが印加される。
回転陽極61の回転が開始されると、回転陽極61は、やがて所定の回転数RAとされる。しかし、時点TAにおいては、回転陽極は静止しており、所定の回転数RAに達するまでいくらかの時間を要する。この所要時間をt1とする。
回転陽極61の回転速度が十分でないうちに、高電圧を両極61,64の間に印加すると、回転陽極61の周縁部における電子が当たっている部分が過度に熱せられ、回転陽極61が損傷する危険性がある。従来の構成によれば、これを防ぐため、回転陽極が静止した状態から透視を開始する場合、時点TAにおいて両極61,64には、まずは最低電圧VL(例えば50kV)が印加される。そして、回転陽極61のスピードが増加すると同時に、徐々に両極61,64に印加される電圧が上げられ、両極61,64に印加される電圧は、最終的には診断に適した電圧VA(例えば80kV)となる。両極61,64に印加される電圧がVLから診断に適した電圧VAに達する期間をEとする。この電圧制御は、自動的に放射線強度を変化させることで透視画像の輝度を調節するABC(automatic brightness controller)70が行う。
この様に、従来の構成によれば、放射線の照射開始の時点TAにおいて、回転陽極が静止した状態から透視を開始する場合、両極61,64には、常に最低電圧VLが印加される構成となっている。
特開平9−213494号公報
しかしながら、従来構成の放射線源には次のような問題点がある。
すなわち、従来構成の放射線源において、回転陽極が静止した状態から透視を開始する場合、放射線の照射が開始されるとき、両極61,64に印加される電圧は、まず最低電圧VLから開始され、それから診断に適した電圧VAに上げられる。放射線の強さが術者の所望のものとなるのは、診断に適した電圧VAが両極61,64に印加されたときからである。すなわち、両極61,64に印加される電圧が診断に適した電圧VAとなるまでの間、放射線源から放出される放射線の強度は、弱いものとなっている。すなわち、診断に適した電圧VAよりも低い電圧で以って照射された放射線は、診断に用いることができない。結局、両極61,64に印加される電圧が診断に適した電圧VAとなるまで、待つ必要がある。
図8におけるPの期間となって初めて診断に適した透視画像が得られる。つまり、図8におけるEの期間中においては、被検体Mに対して不必要な放射線が進行する。被検体Mの被曝量を抑制する観点に立てば、診断に適した透視画像を得る間だけ放射線源から放射線が照射される構成となっていることが望ましく、期間Eにおける不必要な被曝は、抑制されるべきである。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、被検体に対する放射線被曝を抑制することができる高電圧装置、およびそれを備えた放射線源、放射線透視撮影装置を提供することにある。
発明を解決するための手段
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る高電圧装置は、回転陽極と、回転陽極を包含する容器と、回転陽極の回転数が目標の回転数となるまで増加するように回転陽極を回転させる回転手段と、回転陽極を制御する回転制御手段とを備えた放射線源に電圧を供給させる高電圧装置において、回転陽極に電圧を印加する電圧印加手段と、回転制御手段が行う回転陽極の回転開始動作に伴い、回転陽極の電圧の印加を中止させている電圧印加手段に放射線透視撮影が可能な所定の電圧を印加するよう指示することで放射線の照射を開始させる電圧印加指示手段とを備え、電圧印加支持手段は、回転陽極の回転数が目標の回転数に達する前でありかつ、損傷限界負荷に対応した回転陽極が損傷しない程度に高い回転数となった時を放射線の照射開始時点とすることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明に係る高電圧装置は、回転陽極が損傷しない程度に高い回転数となるまで待ってから回転陽極に所定の電圧が印加される。つまり、回転陽極が静止した状態から透視を開始する場合であっても、回転陽極に電圧が印加された時点から既に術者の所望の強度の放射線が出力される。したがって、回転陽極に電圧が印加された直後から診断に適した透視画像を得ることができる。つまり、従来のように、放射線照射が開始された後、放射線強度が増加して診断に適した強度となるまで待つ必要がなく、被検体に対して診断に利用できない放射線を照射させる必要もない。したがって、被検体に不必要な放射線が照射されるのを抑制することができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の高電圧装置において、電圧印加指示手段は、回転陽極の回転が開始されてから回転陽極が電圧を印加しても損傷しない程度に高い回転数となった時点で電圧を印加するよう指示を行い、電圧印加指示手段は、(A)回転陽極に印加される電流、電圧を基に回転陽極の回転が開始されてから回転陽極が電圧を印加しても損傷しない程度に高い回転数となるまでの期間を決定することを特徴とするものである。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の高電圧装置において、電圧印加指示手段は、回転陽極に電圧の印加が終了した時点から回転陽極が電圧を印加しても損傷しない程度に高い回転数となる期間を示すディレイ時間だけ経過した時点で電圧を印加するよう指示を行い、電圧印加指示手段は、(A)回転陽極に印加される電流、電圧、および(B)回転陽極に電圧の印加が終了してから回転陽極の回転の制動が開始されるまでのズレ時間とを基にディレイ時間を決定することを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成は、電圧印加指示手段がどのように回転陽極の回転数が十分に高まったことを判断するかという具体例である。すなわち、電圧印加指示手段は、停止状態の回転陽極の回転が開始されてからある期間だけ経過したとき、回転陽極が損傷しない回転数に達したと判断する。また、電圧印加支持手段は、回転陽極に電圧の印加が終了した時点からディレイ時間だけ経過したとき、回転陽極が損傷しない回転数に達したと判断する。この様に構成すれば、回転陽極の回転数は十分に高まった時点で電圧が印加されるので、回転陽極、陰極間に所定の電圧を印加しても、回転陽極が損傷することがない。このディレイ時間は印加する負荷に応じて可変であっても良い。
また、請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高電圧装置において、回転陽極の回転数を計測する回転数計測手段を更に備え、電圧印加指示手段は、計測された回転数が電圧を印加しても回転陽極が損傷しない程度に高い回転数以上となった時点で電圧を印加するよう指示を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成は、電圧印加指示手段がどのように回転陽極の回転数が十分に高まったことを判断するかという具体例の一つである。すなわち、電圧印加指示手段は、回転数計測手段により実測された回転陽極の回転数が所定の回転数以上となったとき回転陽極が損傷しない回転数に達したと判断する。回転数が所定の回転数(許容回転数)以上となっていれば、回転陽極の回転数は十分に高まったといえるので、回転陽極、陰極間に所定の電圧を印加しても、回転陽極が損傷することがない。この許容回転数は印加する負荷に応じて可変であっても良い。
また、請求項5に係る発明は、請求項3に記載の高電圧装置において、術者の指示を入力させる入力手段を更に備え、電圧印加指示手段は、術者による前回の回転陽極に対する電圧の印加の終了の指示があった以降であって、回転陽極が損傷しない程度に高い回転数を維持した状態にあるとき、電圧を印加するよう指示を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成は、電圧印加指示手段がどのように回転陽極の回転数が十分に高まったことを判断するかという具体例の一つである。放射線の照射が終了後、一定時間経過すると回転陽極に制動が掛けられて減速し、数分後に回転陽極は完全に停止するが、制動後も一定時間は回転陽極の回転は未だ停止していない。回転陽極の回転数が十分に高く保たれている場合、回転の開始からディレイ時間を待たなくても、回転陽極、陰極間に対する電圧の印加が即座に可能である。上述の構成において、前回の回転陽極に対する電圧の印加が終了した時点から入力手段に放射線の照射を開始する指示が入力された時点までの時間が所定の許容時間よりも短いとき、回転陽極の回転数は、損傷を来たさない程度に十分に高いのである。したがって、上述の構成における電圧印加指示手段は、この場合において、回転陽極の回転の開始からディレイ時間だけ経過する前であっても回転陽極が損傷しない回転数に達したと判断する。これにより、術者の入力に対する放射線源のレスポンスが改善される。この許容時間は印加する負荷に応じて可変であっても良い。
また、請求項6に係る発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の高電圧装置において、電圧印加指示手段が参照する設定値を記憶する設定値記憶手段を備え、設定値は、変更可能となっていることを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成によれば、検査の方法等の変更により自由に対応できる放射線源が提供できる。すなわち、術者は、設定電圧値を思い通りに変更できるので、回転陽極、陰極間に印加される電圧は、印加された時点から、確実に術者が所望したものとなっているのである。
また、請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の高電圧装置を搭載した放射線源において、回転陽極と、回転陽極を包含する容器と、回転陽極を回転させる回転手段と、回転陽極を制御する回転制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成によれば、照射開始から所望の強度の放射線が出力できる放射線源が提供できる。
また、請求項8に係る発明は、請求項7に記載の放射線源を備えた放射線透視撮影装置において、放射線源から照射された放射線を検出する放射線検出手段を備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の構成によれば、照射開始から所望の強度の放射線が出力できる放射線源を備えた放射線透視撮影装置が提供できる。被検体に対して、診断に用いることができない放射線被曝を与えないので、被検体に対する放射線被曝が抑制された放射線透視撮影装置が提供できる。
実施例1に係るX線管の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る回転陽極の構成を説明する斜視図である。 実施例1に係るX線管の動作を説明するフローチャートである。 実施例1に係るX線管の動作を説明するタイミングチャートである。 実施例1に係るX線管の動作を説明するタイミングチャートである。 実施例2に係るX線管の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例2に係るX線管の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例2に係る放射線源の構成を説明するタイミングチャートである。
1 回転陽極
2 真空容器(容器)
3 支持軸
4 陰極
5 回転機構(回転手段)
6 回転制御部(回転制御手段)
7 電圧印加部(電圧印加手段)
8 電圧印加指示部(電圧印加指示手段)
9 回転数計測部(回転数計測手段)
10 X線管(放射線源)
22 設定値記憶部(設定値記憶手段)
34 FPD(放射線検出手段)
以下、本発明に係る放射線源、および放射線透視撮影装置の最良の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明におけるX線は、本発明の放射線の一例である。
本発明に係るX線管10の構成について説明する。X線管10は、図1に示すように、回転陽極1を有している。回転陽極1は、真空容器2の中空部2aに位置しており、そこは、真空に保たれている。図2は、実施例1に係る回転陽極の構成を説明する斜視図である。回転陽極1は、支持軸3によって回転自在に支持されている。この回転陽極1は、円盤状であるとともに、支持軸3から遠ざかる方向に沿って先細りのテーパ状となっている。すなわち、回転陽極1は、傘型となっており、その周縁部1a(図2参照)は、支持軸3に対して傾斜している。なお、周縁部1aは、電子ビームのターゲットとも呼ばれる。真空容器は、本発明の容器に相当し、X線管は、本発明の放射線源に相当する。
陰極4の先端は、真空容器2の中空部2aに位置しているとともに、回転陽極1の周縁部1aに対向している。回転陽極1,陰極4に電圧が印加されると、この陰極4の先端から電子Eが回転陽極1の周縁部1aに向けて照射される。陰極4から発射される電子Eは、回転陽極1の周縁部1aに当たり、そこからX線ビームBが真空容器2の外部に向けて照射される。なお、陰極4の先端は、電子を放出させるフィラメントとなっている。
回転陽極1,真空容器2,支持軸3,および陰極4は、合わせて管球11と呼ばれる。
回転陽極1,および陰極4に印加される高い電圧は、電圧印加部7より供給される。電圧印加部7から供給される電圧は可変となっている。電圧印加指示部8は、電圧印加部7に指示信号を送出し、電圧印加部7は、この指示信号にしたがって回転陽極1,陰極4間の電圧の印加を中止したり、電圧の印加を再開したりする。電圧印加部は、本発明の電圧印加手段に相当し、電圧印加指示部は、本発明の電圧印加指示手段に相当する。
陰極加熱電流供給部17は、低電圧の電流を陰極4に対して供給するものである。この電流は、コイル状となっている陰極4を通過し、陰極4を加熱させる。すなわち、X線管10においては、X線を発生させる前に、陰極4を加熱しておくのである。加熱された陰極4は、熱電子放出を起こしやすく、この状態で電圧印加部7より高電圧が両極1,4に印加されると、電子Eが陰極4から回転陽極1に向けて次々に飛び出すことになる。この陰極加熱電流供給部17は、陰極加熱電流制御部12によって制御される。
支持軸3を回転させる回転機構5は、回転陽極1を陰極4に対して回転させる目的で設けられている。なお、回転機構5は、回転制御部6により制御される。また、入力部21は、術者の指示を入力させるもので、これを通じて、術者は、透視開始の指示やX線条件の変更を行うことができる。絶縁リング3aは、支持軸3の軸受けである。この絶縁リング3aは、支持軸3と真空容器2とを絶縁するとともに、真空容器2の外部から真空となっている中空部2aに向けて空気が流れるのを防止する。回転制御部は、本発明の回転制御手段に相当し、回転機構は、本発明の回転手段に相当する。
回転数計測部9は、回転陽極1の回転数を逐次監視している。回転数計測部9は、回転数データを後述の主制御部29に送出する。回転数計測部は、本発明の回転数計測手段に相当する。
設定電圧値記憶部22,ディレイ時間記憶部23,および許容値記憶部24のそれぞれは、後述の設定電圧値Va,ディレイ時間D,および許容時間ATの各々を記憶する記憶部である。また、X線管10には、時間差取得部18が設けられている。これらを設けた意義については、後述のものとする。なお、術者は、入力部21を通じて設定電圧値記憶部22に記憶されている設定電圧Vaを更新することができる。
X線管10には、回転制御部6,電圧印加指示部8,および陰極加熱電流制御部12の各々を統括的に制御する主制御部29が設けられている。主制御部29は、CPUによって構成され、種々のプログラムを実行することにより、各部を実現している。また、上述の各部は、それらを担当する演算装置に分割されて実行されてもよい。
次に、実施例1に係るX線管10の動作について説明する。図3は、実施例1に係るX線管の動作を説明するフローチャートである。実施例1に係るX線管10の動作の特徴を盛り込んだ一連の動作を示す。すなわち、下記に説明するX線管10の動作例は、入力部21に照射開始の指示が入力される照射開始指示ステップS1と、回転陽極1の回転を開始する回転開始ステップS2と、電圧印加部7の電圧を制御する電圧制御ステップS3と、電圧の印加を開始する電圧印加開始ステップS4と、入力部21に照射終了の指示が入力される照射終了指示ステップS5と、回転陽極1の回転の制動を開始する回転制動開始ステップS6と、電圧の印加を中止する電圧印加中止ステップS7と、入力部21に照射再開の指示が入力される照射再開指示ステップS8と、回転陽極1の回転を再開する回転再開ステップS9と、電圧印加部7の電圧を制御する電圧再制御ステップS10と、電圧の印加を再開する電圧印加再開ステップS11との各ステップを備えている。以降、これらの各ステップの詳細を順を追って説明する。
<照射開始指示ステップS1,回転開始ステップS2>
まず、術者は、入力部21を通じ、X線管10に対しX線の照射を指示する。すると、回転制御部6は直ちに、回転陽極1の回転の開始を指示し、回転が停止していた回転陽極1の回転が開始される。
<電圧制御ステップS3>
続いて、電圧印加部7の電圧が電圧制御部8により調節される。すなわち、電圧制御部8は、設定電圧値記憶部22に記憶される設定電圧値Vaを読み出して、電圧印加部7の電圧をVaとする。なお、この時点において電圧印加指示部8は、電圧の印加を電圧印加部7に指示していないので、電圧印加部7による両極1,4に対する電圧の印加は、中止されたままである。
なお、照射開始指示ステップS1において、術者は、X線照射を指示する前に設定電圧値Vaの変更を指示する場合がある。このときは、入力部21において取得された新たな設定電圧値Vbが設定電圧値記憶部22に記憶された後、電圧制御部8は、この新たな設定電圧値Vbに基づいて電圧印加部7を制御することになる。なお、照射開始指示ステップS1の時点で、陰極加熱電流供給部17は、陰極加熱電流制御部12に制御され、陰極4の加熱が開始される。
<電圧印加開始ステップS4>
次に、電圧印加指示部8は、ディレイ時間記憶部23に記憶されている期間Nを読み出す。この期間Nは、例えば、0.5秒である。あるいは、期間Nとして、設定電圧値VaまたはVbによる負荷に応じて主制御部29が算出した値を用いても良い。この期間Nの算出方法については後述する。電圧印加指示部8は、図4(a)に示すように、X線照射の指示がされた時点Stからある期間Nだけ経過した後、電圧印加部7に電圧印加開始の指示を与える。こうして、両極1,4に設定電圧Vaが印加され、X線管10からX線が放出される。この様に、電圧印加指示部8は、期間Nを基に電圧の印加の指示を行う構成となっている。なお、期間Nは、回転が停止している回転陽極1の回転が開始されてから回転陽極1が電圧を印加しても損傷しない程度に高い回転数となるまでの期間を示している。
図4(a)を参照して電圧印加開始ステップS4について更に詳細に説明する。X線照射の指示がされた時点Stにおいて、回転陽極1の回転が直ちに開始される。しかし、時点Stにおいては、回転陽極1の回転が十分に高まっておらず、この時点より両極1,4に高電圧を印加してしまうと、回転陽極1が損傷してしまう可能性がある。そこで、実施例1の構成によれば、時点Stより期間Nだけ経過した時点Dtにおいて両極1,4に高電圧を印加する構成となっている。時点Dtにおいて回転陽極1の回転数は、十分に高まっているので、回転陽極1は、損傷することがない。
従来構成によれば、X線照射の開始時点では、X線強度は弱いものとなっていたが、実施例1の構成によれば、X線照射の開始時点Dtにおいて、X線強度は、術者が所望のものとなっている。時点Dtにおいて両極1,4に設定電圧Vaが印加されているからである。つまり、図4(a)における時点Dtより診断に適した強度のX線が照射される期間Pが開始することになる。すなわち、X線照射が開始されるのと同時に診断を開始することができる。
<照射終了指示ステップS5,回転制動開始ステップS6,電圧印加中止ステップS7>
術者が入力部21を通じて、X線照射の終了を指示すると[図4(a)における時点Etを参照]、電圧印加指示部8は、電圧印加部7に対して電圧の印加を中止する指示を与え、X線の照射が停止される。この後、一定時間(例えば60秒)経過すると[図4(a)における時点Ftを参照]回転制御部6は、回転陽極1の回転を減速させる制動を行うように回転機構5を制御する。制動後も回転陽極1は回転を続け、自然に減速し、やがて静止する。なお、この時点で電圧印加部7における電圧は、未だVaとなっている。
<照射再開指示ステップS8,回転再開ステップS9,電圧印加再開ステップS11>
次に、X線照射の終了後、再びX線を照射させる必要が生じたものとする。術者は、入力部21を通じて、X線照射の再開を指示する。すると、回転制御部6は、回転陽極1を再び回転させるように回転機構5を制御する。つまり、図4(b)に示すように、X線照射の再開が指示された時点Gtより回転陽極1の回転の加速が開始される。なお、図4(b)の矢印は、術者がX線照射の終了の指示を与えた時点(ステップS5の時点)を表している。被検体の放射線被曝を極力抑える目的で、X線照射の終了が指示されると直ちにX線の照射が中止される。一方、回転陽極1の回転は余裕を持って、X線の照射中止から所定のズレ時間Qが経過してから回転の制動がかかる様になっている。回転陽極1の制動がかかり始める時点を時点Ftとする。
時点Ftから時点Gtまでの間の時間(以降、指示間時間FGと呼ぶ)が時間差取得部18によって算出される。そして、電圧印加指示部8は、許容値記憶部24に記憶されている許容時間ATを読み出して、指示間時間FGと許容時間ATとを比較する。そして、図4(b)に示すように、電圧印加指示部8は、指示間時間FGが許容時間ATよりも短い場合、電圧印加指示部8が電圧印加の指示を行う。この様にして、X線照射の再開が指示された時点で直ちにX線が再照射される。許容時間ATは、例えば5分である。この様に、電圧印加指示部8は、許容時間ATを基に電圧の印加の指示を行う構成となっている。X線照射終了から、X線照射が再開されるまでの時間がディレイ時間Dである。図4(b)のように指示間時間FGが許容時間ATがよりも短い場合、ディレイ時間Dは、ズレ時間Qと許容時間ATとの和よりも短くなる。
許容時間ATについて説明する。許容時間ATとは次の様なものである。すなわち、前回の回転陽極1に対する電圧の印加が終了した時点から入力手段に放射線の照射を開始する指示が入力された時点までの時間がこの許容時間ATよりも短いとき、回転陽極1は、電圧を印加しても損傷しない程度に高い回転数を維持した状態にある。
指示間時間FGが許容時間ATよりも小さいとき、回転陽極1の回転速度は十分に速いものであり、両極1,4に高電圧を印加させたとしても、回転陽極1は、損傷することがない。しかも、電圧印加部7の電圧は、Vaとなっているので、術者がX線照射の再開を指示した時点Gtにおいて、両極1,4にはVaの電圧が印加される。つまり、時点Gtより診断に適した強度のX線が照射される期間Pが再開することになる。すなわち、術者は、X線照射が再開されるのと同時に診断に適したX線透視画像を得ることができる。
次に、指示間時間FGが許容時間AT以上となっている場合について説明する。指示間時間FGが許容時間AT以上となっているとき、回転陽極1の回転速度は遅いものであり、このまま両極1,4に高電圧を印加させると、回転陽極1は、損傷してしまう可能性がある。したがって、電圧印加指示部8は、指示間時間FGが許容時間AT以上である場合、直ちに両極1,4に高電圧を印加させない。図5(a)にあるように、X線照射終了の時点Etからディレイ時間Dが経過してから電圧印加指示部8が電圧印加の指示を行う。時点Gtからディレイ時間Dが経過していれば、両極1,4に高電圧を印加しても、回転陽極1の回転速度は十分に高まっているので、回転陽極1は、損傷することがない。X線照射終了から、X線照射が再開されるまでの時間がディレイ時間Dである。図5(a)のように指示間時間FGが許容時間AT以上となっている場合、ディレイ時間Dは、ズレ時間Qと許容時間ATとの和と等しいか、それよりも長くなっている。
つまり、指示間時間FGがいかなる値であろうとも、X線が再照射される時点においては、回転陽極1の回転速度は十分に高まっており、回転陽極1は、損傷してしまうことがない。しかも、両極1,4にはVaの電圧がX線が再照射される時点から印加される。したがって、術者は、X線照射が再開されるのと同時に診断に適したX線透視像を得ることができる。
<電圧再制御ステップS10>
なお、X線を再照射するときに、設定電圧値Vaを変更させることもできる。すなわち、術者が入力部21を通じて、X線照射の再開を指示する前に、設定電圧値をVaからVbに変更する指示を行ったものとすると、図5(b)に示すように、X線照射は、両極1,4にはVbの電圧が印加されることで再開される。この様な動作は、電圧印加指示部8が電圧印加部7に対して電圧の印加を再開する指示を与える前に、電圧印加部7が設定電圧値記憶部22から電圧の設定値を読み出すことでなされる。この様に、X線照射を再開するたびに、先程のX線照射における両極1,4の印加電圧を自由に変更することができる。このような場合にも適切なディレイ時間Dを設定することで、設定電圧値VbからX線照射開始することができる。
最後に、期間N,および指示間時間FGが許容時間AT以上となっている場合におけるディレイ時間Dの算出方法について例を挙げて説明する。まず、回転陽極1が停止した状態における損傷限界負荷(損傷が起こり始める最大の負荷)は、2kWである。そして、回転陽極1を60Hzで回転させたときの損傷限界負荷は、20kWである。
損傷限界負荷は、回転陽極1の回転数の平方根に比例するので、回転陽極1にかける負荷をa(kW)とし、このとき回転陽極が損傷し始める最高の回転数をrとすると、(60)1/2/(20−2)=r1/2/(a−2)という関係が成り立つ。これを、rについて解くと次の様になる。
r=60・(a−2)/18
この様にして回転陽極1が損傷し始める最高の回転数rを求める。例えば、a=8kWであると、r=約7Hzとなる。これよりも回転陽極1の回転数が遅い状態で回転陽極1に8kWの負荷を掛けると、回転陽極1が破壊される可能性ある。
回転陽極1は、停止状態から1秒当たり20Hzずつ増加するので、回転陽極1の回転数が回転開始から回転数rまで増加するのに、約0.3秒かかるのである。ここに安全係数1.3を考慮して約0.4秒とする。すなわち、回転陽極1の負荷が8kWであるとき、期間Nは、約0.4秒となっている。回転陽極1の回転数増加速度をv(Hz/sec)とすると期間N,およびディレイ時間Dは一般的に、次の様に求められる。
N>r/v
D>r/v+Q
なお、Qは、上述のズレ時間である。期間N,およびディレイ時間Dの算出は、電圧印加指示部8が行う。したがって、管電圧、管電流に関するデータおよび、各動作が行われた時刻に関するデータは、逐次、電圧印加指示部8に送出される。
以上のように、実施例1に係る高電圧装置は、回転陽極1が損傷しない程度に高い回転数となるまで待ってから両極1,4に所定の電圧が印加される。つまり、両極1,4に電圧が印加された時点から既に所望の強度のX線が出力される。したがって、両極1,4に電圧が印加された直後からX線透視画像の取得を行うことができる。つまり、従来のように、X線照射が開始された後、X線強度が診断に適した強度になるまで待つ必要がなく、被検体Mに診断に利用できないX線を照射させる必要もない。したがって、被検体Mに不必要なX線が照射されるのを抑制することができる。
電圧印加指示部8がどのように回転陽極1の回転数が十分に高まったことを判断するかという具体例の一つとして次の様なものがある。すなわち、電圧印加指示部8は、停止状態の回転陽極1の回転が開始から期間N,またはディレイ時間Dだけ経過したとき、回転陽極1が損傷しない回転数に達したと判断する。期間N,またはディレイ時間Dだけ経過すれば、回転陽極1の回転数は十分に高まったといえるので、両極1,4に所定の電圧を印加しても、回転陽極1が損傷することがない。
また、X線の照射が終了し、制動をかけた後もしばらくの間、回転陽極1は回転を続ける。この状態で回転陽極1の回転数が十分に高く保たれている場合、回転の開始からディレイ時間Dを待たなくても、両極1,4に対する電圧の印加が即座に可能である。上述の構成において、前回の両極1,4に対する電圧の印加が終了した時点から入力手段にX線の照射を開始する指示が入力された時点までの時間が所定の許容時間ATよりも短いとき、回転陽極1の回転数は、損傷を来たさない程度に十分に高いのである。したがって、上述の構成における電圧印加指示部8は、この場合において、回転陽極1の回転の開始からディレイ時間Dだけ経過する前であっても回転陽極1が損傷しない回転数に達したと判断する。これにより、術者の入力に対するX線源のレスポンスが改善される。
また、実施例1の構成によれば、検査の方法等の変更により自由に対応できるX線管10が提供できる。すなわち、術者は、設定電圧値Vaを思い通りに変更できるので、回転陽極1に印加される電圧は、印加された時点から、確実に術者が所望したものとなっているのである。
次に、実施例1で説明したX線管10を搭載した放射線透視撮影装置について説明する。また、実施例2の構成のX線は、本発明の放射線の一例である。
まず、実施例2に係るX線透視撮影装置30の構成について説明する。図6は、実施例2に係るX線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。図6に示すように、実施例2に係るX線透視撮影装置30には、被検体Mを載置する天板32と、その天板32の上部に設けられているパルス状のX線ビームを照射するX線管10と、X線管10から照射されるX線ビームをコリメートするコリメータ39と、被検体Mを透過したX線を検出するフラット・パネル・ディテクタ(FPD)34と、FPD34に入射する散乱X線を除去するX線グリッド35とが設けられている。また、実施例2の構成は、X線管10の管電圧、管電流やX線ビームの時間的なパルス幅を制御する管球制御部36と、X線管10を移動させる管球移動機構37と、これを制御する管球移動制御部38とを備えている。また、実施例2に係るX線透視撮影装置30は、FPD34を移動させるFPD移動機構31と、これを制御するFPD移動制御部32とを備えている。
そして、X線透視撮影装置30は、FPD34から出力された検出データを基にX線透視画像を生成する画像生成部42とを備えている。なお、X線管は、本発明の放射線源に相当し、FPDは、本発明の放射線検出手段に相当する。
また、X線透視撮影装置30は、術者の指示を受け付ける操作卓43と、X線透視画像、または動画が表示される表示部44とを備えている。
さらにまた、X線透視撮影装置30は、管球制御部36,管球移動制御部38,および画像生成部42を統括的に制御する主制御部45を備えている。この主制御部45は、CPUによって構成され、種々のプログラムを実行することにより、各部を実現している。また、上述の各部は、それらを担当する演算装置に分割されて実行されてもよい。なお、実施例1における主制御部29は、この実施例2における主制御部45に統合されている。
この様な構成のX線透視撮影装置30の動作について説明する。まず、被検体Mを天板32に載置する。術者は、管球制御部36を通じて、X線管10を制御し、X線を被検体Mに向けて照射させる。被検体Mを透過したX線は、FPD34によって検出され、検出データは、画像生成部42に送出され、被検体Mの透視像が写りこんでいるX線透視画像が生成される。このX線透視画像が表示部44で表示されて実施例2に係るX線透視撮影装置30によるX線透視画像の取得は終了となる。
実施例2に係るX線透視撮影装置30は、照射されるX線は、被検体MのX線被曝が抑制されたものとなっている。すなわち、X線照射の開始から直ちに術者が所望の強度のX線が被検体Mに向けて照射される。したがって、従来のように、X線の照射直後からX線強度が診断に適した強度になるまで待つ必要がなく、被検体Mに不必要な放射線が照射されるのを抑制することができる。
本発明は、上記構成に限られることなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例において、回転陽極1の回転数を実測して、これを基に電圧印加指示部8が電圧印加部7に指示を与えてもよい。回転数計測部9(図1参照)は、回転陽極1の現在の回転数を逐次計測している。電圧印加指示部8は、回転陽極1が損傷しない程度に十分に回転数が高まったと判断した時点を待って(回転陽極1の回転数が許容回転数に達した時点を待って)、この時点から電圧印加部7に電圧印加の指示を与えるようにしてもよい。すなわち、本変形例において、電圧印加指示部8は、期間N,またはディレイ時間Dの経過を待って電圧印加の指示を行うディレイ時間待機モードと、回転陽極1の回転数が十分に高まるのを待って電圧印加の指示を行う回転数到達待機モードの2つのモードを有する。どちらのモードを優先されるは、自由に選択できる。すなわち、回転数到達待機モードが優先されれば、回転陽極1の回転数によっては、期間N,またはディレイ時間Dの経過前であっても電圧の印加が行われる。また、ディレイ時間待機モードが優先されれば、期間N,またはディレイ時間Dが経過してしまえば回転陽極1の回転数によらず電圧の印加が行われる。なお、許容回転数は、許容値記憶部24に記憶される。許容回転数の実際の値としては、上述の回転数rが利用できる。この様に、本変形例に係る電圧印加指示部8は、回転数計測部9によって計測された回転数を基に電圧の印加の指示を行う構成となっている。
上述の変形例において、電圧印加指示部8は、回転数計測部9により実測された回転陽極1の回転数が所定の回転数以上となったとき回転陽極1が損傷しない回転数に達したと判断する。回転数が所定の回転数(許容回転数)以上となっていれば、回転陽極1の回転数は十分に高まったといえるので、回転陽極1に所定の電圧を印加しても、回転陽極1が損傷することがない。
(2)上述した各実施例において、放射線検出手段の具体例としてFPDを挙げて説明したが、本発明は、これに限らない。放射線検出手段として、放射線を可視光線に変換して表示するイメージインテンシファイアで構成してもよい。
(3)上述した各実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
(4)上述した各実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線にも適応できる。
以上のように、本発明は、医用の放射線透視撮影装置に適している。

Claims (8)

  1. 回転陽極と、前記回転陽極を包含する容器と、前記回転陽極の回転数が目標の回転数となるまで増加するように前記回転陽極を回転させる回転手段と、前記回転陽極を制御する回転制御手段とを備えた放射線源に電圧を供給させる高電圧装置において、
    前記回転陽極に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記回転制御手段が行う前記回転陽極の回転開始動作に伴い、前記回転陽極の電圧の印加を中止させている前記電圧印加手段に放射線透視撮影が可能な所定の電圧を印加するよう指示することで放射線の照射を開始させる電圧印加指示手段とを備え
    前記電圧印加支持手段は、前記回転陽極の回転数が目標の回転数に達する前でありかつ、損傷限界負荷に対応した前記回転陽極が損傷しない程度に高い回転数となった時を放射線の照射開始時点とすることを特徴とする高電圧装置。
  2. 請求項1に記載の高電圧装置において、
    前記電圧印加指示手段は、前記回転陽極の回転が開始されてから前記回転陽極が前記電圧を印加しても損傷しない程度に高い回転数となった時点で前記電圧を印加するよう指示を行い、
    前記電圧印加指示手段は、(A)前記回転陽極に印加される電流、電圧を基に
    前記回転陽極の回転が開始されてから前記回転陽極が前記電圧を印加しても損傷しない程度に高い回転数となるまでの期間を決定することを特徴とする高電圧装置。
  3. 請求項1に記載の高電圧装置において、
    前記電圧印加指示手段は、前記回転陽極に電圧の印加が終了した時点から前記回転陽極が前記電圧を印加しても損傷しない程度に高い回転数となる期間を示すディレイ時間だけ経過した時点で前記電圧を印加するよう指示を行い、
    前記電圧印加指示手段は、(A)前記回転陽極に印加される電流、電圧、および(B)前記回転陽極に電圧の印加が終了してから前記回転陽極の回転の制動が開始されるまでのズレ時間とを基に
    前記ディレイ時間を決定することを特徴とする高電圧装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高電圧装置において、
    前記回転陽極の回転数を計測する回転数計測手段を更に備え、
    前記電圧印加指示手段は、計測された回転数が前記電圧を印加しても前記回転陽極が損傷しない程度に高い回転数以上となった時点で前記電圧を印加するよう指示を行うことを特徴とする高電圧装置。
  5. 請求項3に記載の高電圧装置において、
    術者の指示を入力させる入力手段を更に備え、
    前記電圧印加指示手段は、術者による前回の前記回転陽極に対する電圧の印加の終了の指示があった以降であって、前記回転陽極が損傷しない程度に高い回転数を維持した状態にあるとき、前記電圧を印加するよう指示を行うことを特徴とする高電圧装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の高電圧装置において、
    前記電圧印加指示手段が参照する設定値を記憶する設定値記憶手段を備え、
    前記設定値は、変更可能となっていることを特徴とする高電圧装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の高電圧装置を搭載した放射線源において、
    回転陽極と、
    前記回転陽極を包含する容器と、
    前記回転陽極を回転させる回転手段と、
    前記回転陽極を制御する回転制御手段とを備えていることを特徴とする放射線源。
  8. 請求項7に記載の放射線源を備えた放射線透視撮影装置において、
    前記放射線源から照射された放射線を検出する放射線検出手段を備えることを特徴とする放射線透視撮影装置。
JP2011510091A 2009-04-22 2009-04-22 高電圧装置、およびそれを備えた放射線源、放射線透視撮影装置 Active JP5582137B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2009/001836 WO2010122602A1 (ja) 2009-04-22 2009-04-22 高電圧装置、およびそれを備えた放射線源、放射線透視撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010122602A1 JPWO2010122602A1 (ja) 2012-10-22
JP5582137B2 true JP5582137B2 (ja) 2014-09-03

Family

ID=43010743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011510091A Active JP5582137B2 (ja) 2009-04-22 2009-04-22 高電圧装置、およびそれを備えた放射線源、放射線透視撮影装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9036785B2 (ja)
JP (1) JP5582137B2 (ja)
CN (1) CN102415219B (ja)
WO (1) WO2010122602A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5815626B2 (ja) * 2013-09-27 2015-11-17 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 放射線断層撮影装置の制御方法及び放射線断層撮影装置並びにプログラム
JP6441015B2 (ja) * 2014-10-06 2018-12-19 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線診断装置及びx線管制御方法
JP7009089B2 (ja) * 2016-06-07 2022-01-25 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線診断装置及び医用情報処理装置
US11869742B2 (en) * 2019-04-26 2024-01-09 Isteq B.V. X-ray source with rotating liquid-metal target

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6438800U (ja) * 1987-08-31 1989-03-08
JPH05290773A (ja) * 1992-04-15 1993-11-05 Rigaku Corp 回転対陰極x線発生装置の制御方法
JPH09213494A (ja) * 1996-01-31 1997-08-15 Toshiba Corp X線装置
JPH09213495A (ja) * 1996-02-01 1997-08-15 Toshiba Corp X線装置
JP2003217896A (ja) * 2002-01-25 2003-07-31 Hitachi Medical Corp X線管装置及びこれを用いたx線発生装置並びにx線画像診断装置
JP2007179817A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Shimadzu Corp X線透視撮影装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2647075B2 (ja) * 1985-06-15 1997-08-27 株式会社東芝 デイジタル・フルオログラフイ装置
JP4585195B2 (ja) 2003-12-10 2010-11-24 株式会社東芝 X線ct装置
JP2007135658A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ct装置およびx線ct透視装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6438800U (ja) * 1987-08-31 1989-03-08
JPH05290773A (ja) * 1992-04-15 1993-11-05 Rigaku Corp 回転対陰極x線発生装置の制御方法
JPH09213494A (ja) * 1996-01-31 1997-08-15 Toshiba Corp X線装置
JPH09213495A (ja) * 1996-02-01 1997-08-15 Toshiba Corp X線装置
JP2003217896A (ja) * 2002-01-25 2003-07-31 Hitachi Medical Corp X線管装置及びこれを用いたx線発生装置並びにx線画像診断装置
JP2007179817A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Shimadzu Corp X線透視撮影装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN102415219A (zh) 2012-04-11
US9036785B2 (en) 2015-05-19
CN102415219B (zh) 2015-08-05
US20120039442A1 (en) 2012-02-16
JPWO2010122602A1 (ja) 2012-10-22
WO2010122602A1 (ja) 2010-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8958530B2 (en) Method and device for load dependent resizing of a focal spot of an X-ray generating device
JP5582137B2 (ja) 高電圧装置、およびそれを備えた放射線源、放射線透視撮影装置
US8903041B2 (en) X-ray diagnostic apparatus
JP5333164B2 (ja) 放射線撮影装置
WO2014109336A1 (ja) 医用画像撮影装置
JP6257948B2 (ja) X線撮影システム
US9900971B2 (en) X-ray CT apparatus, X-ray high-voltage device, and X-ray scanning device
JP2000126170A (ja) X線ct装置
JP7034722B2 (ja) X線管制御装置、x線画像診断装置及びx線管制御方法
US10638998B2 (en) X-ray diagnostic apparatus and medical-information processing apparatus configured to control a rotating speed of a rotary anode of an X-ray tube by deriving an acquiring condition from a fluoroscopic image
JP5604965B2 (ja) 放射線透視・撮影装置
JP5978060B2 (ja) X線撮影装置
JP6687036B2 (ja) X線撮影装置
US10820870B2 (en) X-ray diagnostic apparatus and X-ray high-voltage generator
JP2009289579A (ja) パルス透視モードを備えたx線装置
JPH08130098A (ja) X線装置の陽極回転制御方法およびその方法を用いたx線装置
JP2015062542A5 (ja)
US11545331B2 (en) X-ray imaging apparatus
JP5971688B2 (ja) X線ct装置
JP2011152199A (ja) X線透視撮影装置
JP5177926B2 (ja) 動作パラメータ値の入力中に実行可能レベルを動的に知らせる臨床用x線装置及び方法
US20210378612A1 (en) X-ray imaging system
JP2015062542A (ja) X線透視撮影装置
JP2014209965A (ja) X線診断装置およびx線診断方法
JPH08273891A (ja) X線装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140630

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5582137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151