JP5578756B2 - 超音波ドプラ診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波のドプラ効果を利用して、血液等、体内の運動体の運動状態を診断する超音波ドプラ診断装置に関するものである。
従来、超音波パルスドプラ法と超音波パルス反射法とを併用し、1つの超音波プローブで断層像(白黒Bモード像)と血流情報とを得ると共に、少なくともその血流情報をリアルタイムで表示するようにした超音波ドプラ診断装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
こうした超音波ドプラ診断装置の一例を、図12を参照して説明する。この診断装置は血流情報として血流速度を計測するものである。
図12に示される診断装置は、超音波振動子1に接続された送信用のパルサ2及び受信用の前置増幅器3を有する。前置増幅器3の出力側は、ミキサ4、ローパルスフィルタ5、サンプルホールド回路6、バンドパスフィルタ7及び周波数分析器(FFT)8を介して表示器9に接続されている。
この超音波ドプラ診断装置は、また、送信制御及び受信制御のためのパルス発生回路11と、レンジゲート制御用のレンジゲート回路12とを備えている。パルス発生回路11は分周回路、ゲート回路等を備えており、所定周波数のクロックパルスa(図13参照)を発生させ、そのクロックパルスaをレンジゲート回路12及びミキサ4に供給すると共に、そのクロックパルスaに基づいて超音波繰返し周波数に相当するレートパルスb(図13参照)を生成し、そのレートパルスbをパルサ2及びレンジゲート回路12に供給する。
上記パルサ2は、供給されたレートパルスbに基づいて高電圧の駆動電圧パルスを生成し、その駆動電圧パルスにより超音波振動子1を励振する。この励振に伴って、超音波振動子1は超音波パルス信号を生体P内に送波する。送波された超音波パルス信号の一部は、生体P内の血管壁BW及び血管内の血流B(主に赤血球)で反射して超音波エコー信号となる。この超音波エコー信号は再び同一の超音波振動子1により受信され、電圧エコー信号d(図13参照)に変換される。
この電圧エコー信号dは、超音波のドプラ効果を反映した受信信号となる。つまり、生体P内を流れている血流に対して超音波パルスを送波すると、流動する血球によって散乱され、ドプラ偏移を受ける。このため、超音波ビームの中心周波数fcがfdだけ変化し、受信周波数fはf=fc+fdとなる。このドプラ偏移周波数fdは、血流速度v、超音波ビームと血管のなす角度θ、音速cとして、およそ以下のように表される。
fd={(2・v・cosθ・fc)/c}・fc
このため、受信電圧信号fdからドプラ偏移周波数fdを検出することにより血流速度vを知ることができるから、この検知に向けて前述した受信経路が動作する。
すなわち、前置増幅器3は電圧エコー信号dを増幅し、その増幅信号をミキサ4に出力する。ミキサ4は、増幅されたエコー信号dとクロックパルスaとを混合し、その混合信号を次段のローパスフィルタ5に出力する。ローパスフィルタ5は、入力する混合信号の内、超音波搬送周波数等の高周波成分を除去し、ドプラ偏移周波数fdを中心とする低周波分のみをサンプルホールド回路6に出力する。
このサンプルホールド回路6は、血流Bの速度の観測位置、すなわちサンプリング・ラスタ上の血流Bに対するレンジゲート(サンプリングポイント、サンプリングボリュームともいう)の位置のみのドプラ偏移信号を抽出するための回路である。この信号抽出を行うために、サンプルホールド回路6には、レンジゲート回路12からサンプリングパルスcが供給される。
レンジゲート回路12は遅延時間を任意に設定できる回路で、超音波パルスを振動子1とレンジゲート位置Oとの間を往復伝搬するに等しい時間だけレートパルスbよりも遅延させ、且つ、設定されたパルス幅のサンプリングパルスc(図13参照)を形成し、このパルスcをサンプルホールド回路6に供給する。尚、レンジゲート位置Oは、オペレータにより、Bモード断層上の血流速度を得たい血管の位置に、トラックボールやジョイスティックで任意に設定される。
サンプルホールド回路6は、体表面からレンジゲート位置Oに対応したサンプリングパルスcでローパルスフィルタ5の出力信号をサンプルホールドし、そのホールド結果をバンドパスフィルタ7に出力する。バンドパスフィルタ7では、サンプルホールド回路6のサンプリングで生じた高調波成分や血管等の固定反射信号及び比較的遅い生体内の動きに拠るドプラ偏移周波数が除去され、血流Bのドプラ偏移周波数のみが抽出される。この抽出信号が次段の周波数分析器8に送られ、高速フーリエ変換等の周波数分析によってドプラ偏移周波数の周波数スペクトルパターン(ドプラスペクトラム)が演算される。この周波数スペクトルパターンは、時間(横軸)の経過に伴うドプラ偏移周波数(血流速度に対応:縦軸、各周波数成分の強度は輝度で表される)の変化を示すもので、表示器9にて、例えば図14に示される如くリアルタイムに表示される。
特開平8−308843号公報
しかしながら、前述した超音波ドプラ診断装置では、検出された周波数が繰り返し周波数(±1/2fr)を越えた場合、図15に示されるように折り返されたような波形になる。これを図14に示される如く、折り返されていないものにするためには、血流速度に応じて、パルス繰り返し周波数(レート周波数)や0Hz表示位置をオペレータが適切に設定しなければならず、操作時間がかかり、オペレータの大きな負担になっていた。また、同時に診断に非常に多くの時間がかかっていた。
したがって本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出可能周波数範囲に対する信号非存在領域の重心/中心とその範囲を検出することにより、レート周波数、0Hz表示位置を自動的に設定し、オペレータの負担を軽減し、診断時間を著しく短縮することができる超音波ドプラ診断装置を提供することである。
本発明の超音波ドプラ診断装置は、被検体内の運動体を含む診断部位との間で超音波ビームを送受信する送受信手段と、前記送受信手段により得られた受信信号から所望のレンジゲートの位置の運動体に起因したドプラ信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出されたドプラ信号に基づいて瞬時毎のスペクトラムから成るドプラスペクトラムを演算するスペクトラム演算手段と、前記ドプラスペクトラムを表示する表示手段と、前記ドプラスペクトラムに基づいて所定時間範囲内の複数の時刻に関する複数のsMAPを作成する手段であって、前記sMAP各々は、閾値以上のパワー値を有する周波数領域に対応する第1領域と前記閾値以下のパワー値を有する周波数領域に対応する第2領域とを有し、前記第1領域は前記sMAP各々において値0を有し、前記第2領域は前記sMAP各々において値1を有するsMAP作成手段と、前記複数のsMAPのOR演算により前記所定時間範囲に関するSMAPを作成する手段であって、前記SMAPは、値1を有する第1の信号非存在領域と値0を有する信号存在領域とを有するSMAP作成手段と、前記SMAPに含まれる前記第1の信号非存在領域の重心を求め、前記SMAPにおいて前記重心から周波数の上下方向に関して値が最初に0になる周波数間の領域を第2の信号非存在領域とする決定手段と、前記重心が前記ドプラスペクトラムの表示領域の上下端に位置するように0Hz位置を調整する調整手段と、を備える超音波ドプラ診断装置であって、検出可能周波数範囲に対する前記第2の信号非存在領域の占める割合が一定範囲内にあるか否かを判定し、前記割合が前記一定範囲内にないと判定した場合、PRFを変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、検出可能周波数範囲に対する信号非存在領域の重心/中心とその範囲を検出することにより、レート周波数、0Hz表示位置を自動的に設定し、オペレータの負担を軽減し、診断時間を著しく短縮することができる超音波ドプラ診断装置を提供することができる。
本発明の超音波ドプラ診断装置によれば、ドプラスペクトラムの折り返りを検出して自動的にPRF及び0Hz位置という2つのパラメータを変化させ、折り返りを持たないドプラスペクトラムにすることによって、オペレータの負担を軽減し、診断時間を著しく短縮できる。加えて、煩わしい操作はなく、折り返りのないスペクトラムを観察することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波ドプラ診断装置の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る超音波ドプラ診断装置20は、電子走査型の超音波プローブ(以下、単にプローブと記す)25と、このプローブ25に接続された電子走査部30とを備えている。
前記電子走査部30は、基準クロックを発生させる基準信号発生器31と、その基準クロックを受けて遅延駆動信号を生成するディレイライン(後述する受信時の遅延も兼用)32と、このディレイライン32からの遅延駆動信号を受けてプローブ25のアレイ型の圧電振動子群を励振させるパルサ33とを備えている。また、この電子走査部30には、受信系の回路も内蔵されている。つまり、プローブ25に接続された前置増幅器34と、この前置増幅器34の出力信号を遅延させるディレイライン32と、このディレイライン32の遅延信号を加算する加算器35と、この加算器35の出力信号を対数増幅及び包絡線検波に付す検波器36とを備えている。ディレイライン32と加算器35とにより受信エコー信号の整相加算が行われ、これにより電子走査に付される。
前記検波器36の出力信号はBモード断層像の画像信号としてデジタルスキャンコンバータ(DSC)41に供給されて、このDSC41に於いて超音波走査から標準TV走査の信号に変換される。DSC41の変換信号は、D/A変換器42を介して表示器(CRT)43に送られる。
前記加算器35の出力は、また、位相検波用のミキサ51を介して、ローパスフィルタ53にも供給される。
前記基準信号発生器31の出力は、ミキサ51の一方のチャンネルに直接に供給され、90度移相器52を介してミキサ51の他方のチャンネルに接続されている。このため、電子走査部30に於ける整相加算された受信エコー信号がミキサ51に加えられる他、基準信号発生器31からの基準信号f0 及び90度の位相差をもった基準信号f0 が、ミキサ51の2チャンネルに各々加えられる。これにより、ミキサ51は、ドプラ偏移信号fd と「2f0 +fd 」の信号をローパスフィルタ53に出力する。このローパスフィルタ53では、ミキサ51からの混合信号の内の高周波成分が除去され、ドプラ偏移信号fd のみが得られる。このドプラ偏移信号fd は、血流情報に演算するための位相検波出力であり、次段のドプラスペクトラム演算部60に出力される。
このドプラスペクトラム演算部60は、サンプリングパルスを出力するレンジゲート回路61と、そのサンプリングパルスを入力するサンプルホールド(S/H)回路62と、このサンプルホールド回路62の出力をフィルタリングするバンドパスフィルタ63と、このバンドパスフィルタ63の出力をデジタル化するA/D変換器64と、このA/D変換器64の変換出力を周波数解析する周波数分析器(FFT)65とを備えている。尚、サンプルホールド回路62、バンドパスフィルタ63、及びA/D変換器64は、図示されていないが、何れも2チャンネルである。周波数分析器65の出力端は、図示されないスペクトラム平均回路を通して、DSC41に接続されていると共に、流速レンジ(PRF)/0Hz位置決定部71に接続されている。
前記サンプルホールド回路62は、生体内の所望深さ位置の血流だけのドプラ信号を抽出しようとするものであり、前記ローパルスフィルタ53の位相検波出力信号がサンプルホールド回路62の入力信号となっている。
レンジゲート回路61は、後述する操作パネル75から供給されるレンジゲート位置信号に基づいて遅延時間を任意に設定可能な回路構成になっている。そして、プローブ25と所望のレンジゲート(サンプリングポイント、サンプリングボリュームともいう)の位置との間を、超音波信号が往復するに相当する時間だけレートパルスよりも遅延させ、且つ、設定幅を有するサンプリングパルスをサンプルホールド回路62に供給する。これにより、サンプルホールド回路62は、ローパスフィルタ53からの位相検波出力信号をサンプリングパルスでサンプルホールドする。このサンプルホールドされた位相検波信号は、その後、バンドパスフィルタ63を通過し、該バンドパスフィルタ63によって、サンプルホールド回路62でのサンプリングにより生じた高調波成分、血管壁等からの固定反射信号、更には比較的遅い動きに拠るドプラ偏移周波数に相当した成分が除去され、血流に拠るドプラ信号のみが抽出される。
周波数分析器65は、高速フーリエ変換回路を有し、バンドパスフィルタ63から入力したドプラ偏移周波数の周波数解析を行い、その解析結果、すなわちドプラスペクトラム(周波数スペクトルパターン)を、スペクトラム平均回路(図示せず)を介してDSC41に出力する。これにより、表示器43には、Bモード断層像と並列にドプラスペクトルが分割表示されるようになっている。
前記PRF/0Hz位置決定部71は、血流非存在領域の重心と幅(大きさ)を検出して自動的に2つのパラメータ(PRF及び0Hz位置)を変化させるためのものである。このPRF/0Hz位置決定部71は、ある一定時間を検査域とし、先ず、検査域内で血流信号の周波数軸の存在しない領域が全周波数軸のX割となるように流速レンジ(PRF)を決める。そして、非存在領域の重心が表示領域の上下端となるように、0Hzの位置をシフトさせる。こうして、自動的にドプラスペクトラムを見やすいようにする。更に、このPRF/0Hz位置決定部71には、コントローラ73が接続されている。
コントローラ73は、操作パネル75からの操作に応じて電子走査部30を調整し、基準信号発生器31からのサンプリングパルス等のクロックパルスを変化させ、ドプラスペクトラムの範囲の調整等、装置各部の制御を行うものである。
操作パネル75は、オペレータが任意に操作可能なトラックボールやキーボードを備えており、この操作パネル75の操作を介して、前述したレンジゲート位置信号及びフリーズ指令信号を出力する。また、操作パネル75は、前述したPRF/0Hz位置決定のための機能をON/OFFするスイッチを有している。
次に、本実施形態に於ける超音波ドプラ診断装置20の全体の動作について説明する。
この超音波ドプラ診断装置20が起動すると、電子走査部30は、基準信号発生器31から出力されるレートパルスによって、プローブ25を励振し、超音波信号を被検体内に送波させる。この超音波信号は被検体の各部で反射し、再びプローブ25で受信される。プローブ25からは超音波エコー信号に対応する電気信号に変換された信号が出力され、電子走査部30の加算器35で受信フォーカスが掛けられる。そして、加算器35から出力された指定ラスタアドレスの受信信号のうち一方は、検波器36に供給され、対数増幅処理、包絡線検波処理がなされ、指定ラスタアドレスの画像信号に検波・変換される。このBモード断層像を形成する画像信号は、DSC41に供給される。
これに対し、電子走査部30の加算器35から出力された受信信号のうち他方は、ミキサ51で位相検波されて、ドプラ偏移信号fd と周波数(2f0 +fd )の成分を有する信号が得られる。更に、ローパルスフィルタ53によって高周波成分が除去されて、ドプラ偏移信号fd のみが得られる。この血流情報演算のための位相検波出力信号は、ドプラスペクトラム演算部60に出力され、サンプルホールド回路62によって生体内の血流が流れている深さの位置だけの信号を抽出し、A/D変換して高速フーリエ変換することによって、リアルタイムに周波数解析される。
このスペクトラム演算部60では、レンジゲート回路61の遅延時間が任意に設定可能である。これは、プローブ25からサンプリングポイント位置(レンジゲート位置)までの往復する時間を遅延し、設定された長さに対応する幅を有するサンプリングパルスをサンプルホールド回路62に与えることによってなされ、オペレータが指定したレンジゲートの位置のドプラ信号が得られるようになっている。
こうして、高速フーリエ変換することによって得られたドプラスペクトルは、DSC41に供給される。そして、Bモードの画像データと共に、ドプラスペクトラムのデータは、標準TV走査方式の画像に合成・変換され、D/A変換器42を介して表示器43に供給される。この結果、表示器43には、診断部位のBモード断層像とドプラスペクトラムとが、例えば分割表示される。
一方、周波数分析器65からのドプラスペクトルは、PRF/0Hz位置決定部71にも供給される。PRF/0Hz位置決定部71では、次の3つのステップに従って、自動的にドプラスペクトラムを見やすいように調整が行われる。
第1ステップでは、先ず、各周波数軸に於いて、ある閾値以上のパワーの周波数の値が“0”、閾値以下のパワーの周波数の値が“1”となるようなsMAPを作成する。
例えば、図2に示されるようなドプラスペクトラムが存在した場合、時刻t1 での周波数軸上のドプラスペクトラムは、図3のように示される。そして、閾値Thよりも大きければ“0”、小さければ“1”とすると、図4に示されるような、時刻t1 でのsMAPが作成される。同様にして、図2に示される時間t軸の全ての時刻について、このようなsMAPが作成される。
これを一定時間範囲の周波数軸に対して行い、それらの結果(sMAP)をOR演算して、SMAPを作成する。このSMAPの値が“1”の領域が、信号非存在領域である。
ここで、検出可能周波数範囲に対する信号非存在領域の占める割合を信号非存在比率と記すことにする。例えば、図2に示されるようなドプラスペクトラムでは、周波数fの全ての値が存在することから、全てのsMAPのOR演算を行うと、図5に示されるようなSMAPになる(もちろん、このように2段階の処理を経ず、一気にSMAPを作成しても良い)。この場合、信号非存在比率は“0”である。
この信号非存在領域の中心は、SMAPの重心位置を求めることで検出可能である。また、信号非存在領域の中心から周波数の上下方向に信号領域をサーチすることで、信号非存在領域(幅)を求めることができる。
信号非存在領域の重心から周波数の高い方向にSMAPの値が“0”になる周波数を探していき、最初に“0”になった周波数が信号の存在する周波数1、信号非存在領域の重心から周波数の低い方向にSMAPの値が“0”になる周波数を探していき、最初に“0”になった周波数が信号の存在する周波数2である。この周波数1から周波数2の間が信号非存在領域、その距離が信号非存在幅となる。
尚、ここでは最初に“0”になった周波数を検出するように説明したが、ノイズ等の影響を受けにくくするために、最初に数周波数分連続して“0”になった周波数を検出するようにしても良い。例えば、最初に連続した5周波数中3周波数が“0”になった周波数を検出するようにしても良い。
次いで、第2ステップでは、前記信号非存在比率が、設定された一定の範囲内の値になるように、コントローラ73を介してサンプリングパルスを変化させてPRFを変化させる。求められた信号非存在比率が、この範囲を越える場合にはPRFを変化させる。つまり、求められた信号非存在比率がこの範囲を越える場合にはPRFを小さくし、この範囲を下回る場合にはPRFを大きくする。例えば、この範囲は0.2〜0.3等に設定される。
図2に示されるように、信号非存在領域が存在しない場合は、例えばPRFを倍にして、図6に示されるドプラスペクトラムのように、信号が存在しない領域(信号非存在領域)ができるようしても良い。すると、図7に示されるようなSMAPを作成することができ、ここから最適なPRFを求めることができる。
第3ステップでは、信号非存在領域の中心が周波数軸の上下端となるように、0Hz位置の移動を行う。
この0Hz位置の移動は、コントローラ73を介してDSC41で表示を制御するか、周波数分析器65からの出力フォーマットを制御することによって行われる。例えば、図8に示されるように、ドプラスペクトラムが折り返すように表示されている場合、図9に示されるようなSMAPになる。そして、信号が存在しない領域の中心が両端にくるように0Hz位置の移動を行うことで、図10に示されるような折り返しのないドプラスペクトラムが表示される。
この際、もしPRGFの変更と0Hz位置の移動を同時に行う必要がある場合には、PRF変更後の信号非存在領域を計算によって求めた後に、0Hz位置の移動量を求める。この折り返しのないドプラスペクトラムの場合、図11に示されるようなSMAPが作成される。また、この0Hzの位置の移動は、信号存在領域の中心が周波数軸の上下端からある範囲以上ずれた場合に動作するようにしても良い。
このように、オペレータの煩わしい操作なく、検出可能周波数範囲に対する信号存在領域を検出することで、レート周波数、0Hz表示位置を自動的に設定することにより、オペレータの負担を軽減し、診断時間を著しく短縮できる。煩わしい操作はなく、折り返りのないスペクトラムが観察できる。
尚、前述した実施形態に於いて、第2ステップと第3ステップは同時に行うようにしても良い。
また、
信号存在比率=1.0−信号非存在比率
として、前記制御を、信号存在比率を用いて行っても良い。
尚、前述した本機能のON/OFFするスイッチを、著得音波ドプラ診断装置に設けても良い。更に、交互段数を変化させても良い。
また、本実施形態では、PRF/0Hz位置決定部71の入力信号を周波数分析器65の出力としたが、DSC41の出力を用いても良い。更に、第1ステップ前に、PRFを設定可能な最大に設定する手段を挿入しても良い。そして、PRFが変化した時に変化したことを示すマーカを表示させても良い。
更に、PRF/0Hz位置決定部71への入力信号全てを処理するのではなく、時間軸方向、または周波数軸方向に間引いたデータを用いて処理しても良い。
このように、本実施形態の超音波ドプラ診断装置によれば、ドプラスペクトラムの折り返りを検出して自動的にPRF及び0Hz位置という2つのパラメータを変化させ、折り返りを持たないドプラスペクトラムにすることによって、オペレータの負担を軽減し、診断時間を著しく短縮することができる。これにより、煩わしい操作はなく、折り返りのないスペクトラムを観察することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明の一実施形態に係る超音波ドプラ診断装置の構成を示すブロック図である。 ドプラスペクトラムの一例を示す図である。 図2の場合で、時刻t1 での周波数軸上のドプラスペクトラムの一例を示す図である。 時刻t1 でのsMAPを示す図である。 図2の場合のSMAPを示す図である。 図2のような場合で、PRFを大きくしたときのドプラスペクトラムを示す図である。 信号が存在しない領域がある場合のSMAPを示す図である。 ドプラスペクトラムが折り返すように表示されている場合を示す図である。 図8の場合のSMAPを示す図である。 0Hz位置を移動させて、折り返しのないドプラスペクトラムを示す図である。 折り返しのない場合のSMAPを示す図である。 従来の超音波ドプラ診断装置の構成の一例を示すブロック図である。 図12の超音波ドプラ診断装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 従来の周波数スペクトルパターンを示す図である。 従来の折り返りが生じた周波数スペクトルパターンを示す図である。
符号の説明
20…超音波ドプラ診断装置、25…超音波プローブ(プローブ)、30…電子走査部、31…基準信号発生器、35…加算器、36…検波器、41…デジタルスキャンコンバータ(DSC)、43…表示器、51…ミキサ、53…ローパスフィルタ、60…ドプラスペクトラム演算部、62…サンプルホールド(S/H)回路、63…バンドパスフィルタ、65…周波数分析器(FFT)、71…PRF/0Hz位置決定部、73…コントローラ、75…操作パネル。

Claims (3)

  1. 被検体内の運動体を含む診断部位との間で超音波ビームを送受信する送受信手段と、
    前記送受信手段により得られた受信信号から所望のレンジゲートの位置の運動体に起因したドプラ信号を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出されたドプラ信号に基づいて瞬時毎のスペクトラムから成るドプラスペクトラムを演算するスペクトラム演算手段と、
    前記ドプラスペクトラムを表示する表示手段と、
    前記ドプラスペクトラムに基づいて所定時間範囲内の複数の時刻に関する複数のsMAPを作成する手段であって、前記sMAP各々は、閾値以上のパワー値を有する周波数領域に対応する第1領域と前記閾値以下のパワー値を有する周波数領域に対応する第2領域とを有し、前記第1領域は前記sMAP各々において値0を有し、前記第2領域は前記sMAP各々において値1を有するsMAP作成手段と、
    前記複数のsMAPのOR演算により前記所定時間範囲に関するSMAPを作成する手段であって、前記SMAPは、値1を有する第1の信号非存在領域と値0を有する信号存在領域とを有するSMAP作成手段と、
    前記SMAPに含まれる前記第1の信号非存在領域の重心を求め、前記SMAPにおいて前記重心から周波数の上下方向に関して値が最初に0になる周波数間の領域を第2の信号非存在領域とする決定手段と、
    前記重心が前記ドプラスペクトラムの表示領域の上下端に位置するように0Hz位置を調整する調整手段と、
    を備える超音波ドプラ診断装置であって、
    検出可能周波数範囲に対する前記第2の信号非存在領域の占める割合が一定範囲内にあるか否かを判定し、前記割合が前記一定範囲内にないと判定した場合、PRFを変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする超音波ドプラ診断装置。
  2. 前記変更手段は、前記割合が前記一定範囲を超える場合、PRFを小さくし、前記割合が前記一定範囲に満たない場合、前記PRFを大きくする、請求項1に記載の超音波ドプラ診断装置。
  3. 前記sMAP作成手段は、前記ドプラスペクトラムを間引いて処理することを特徴とする請求項1に記載の超音波ドプラ診断装置。
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