JP5578631B2 - 研ぎ工具 - Google Patents
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Description
片刃庖丁の裏面はおよそ平面であるが、和庖丁には裏スキ18という凹みが作られている。表は刀身11に切刃12が付いて、その境界にしのぎ筋13という段差が生じ、先端が刃先14となる。
両刃庖丁は、表と裏に切刃が付いている。表と裏では断面形状が異なるように作られるものもある。
図2に代表的な刀身の構造を示した。分かりやすくするために誇張して作図した。
(a)は段付形状で、安価な庖丁にみられるものである。
(b)はハマグリ形状で、食い込みと強度とさばき性の良さで、理想的な構造と言える。
(c)は本刃付け構造で、鋭い刃先で切れ味に優れるが、刃欠けや刃割れを起こしやすい。
図3の(b)は直線形状の小刃、(c)はハマグリ形状の小刃を示す。
研ぎ直しで、切刃の直線形状を保つための道具として、特許文献3〜8の大半が商品化されている。
切刃の直線形状に加えて、刃先からあごまでの切刃の角度を一定に保つ道具として、特許文献9が出願されている。
ハマグリ刃には更にさばき性の向上という効果も付加される。平面の刃では、食材などが平面に吸い付いて食い込み抵抗が増し、切りはなした食材なども吸い付いて剥がれにくい。この吸着力は水分が介在するので想像する以上に大きい。さばき性とは、食い込みと剥離が容易なことであり、ハマグリ刃の僅かの曲面が空気の流入を助けて、真空吸着現象を軽減する。真空吸着したものを、真直ぐ引き剥がすのではなく、端からむくように剥がすのが楽であることを想像すれば分かりやすい。
薄刃庖丁の場合、刀身本体は最大厚み部分で1〜2mmである。40mm巾の楔形状と仮定すると、楔の角度は3度程度である。表面に僅かの曲率を持たせたものでも、部分的な曲率半径は略200mm以上で、刃先での接線角度は6度程度である。このまま研ぎ澄ましたとすると相当に鋭い刃先になる。大きめの6度でも刃先から略1mmの位置で0.1mmの薄さである。
まとめると、一番角は薄刃庖丁では5度程度、二番角は18〜25度程度、三番角は30〜35度程度である。
そして、各角度の付け方、寸法、形状、表裏の差異などは、切る対象物や目的に応じて調節するのがベストと言われ、プロ仕様の庖丁の種類は多岐にわたっている。
一方、家庭用の庖丁は多目的用途に程ほど適するように、妥協線で製作されている。
切刃は巾が狭いために、慣れないと角度を一定に保つのが難しい。角度を一定に保つための工夫は古くから数多く考案されてきた。(特許文献9)
簡易シャープナーは小回転砥石やダイスプレートなどで切刃のみを鋭くする道具である。
刃先の欠けを修復する場合も研ぎ卸しが必用である。
研ぎ卸しの目安をつける為に、鈍い角度の小刃をつけて、小刃が均一に消えるまで研ぐと良い。刃欠けがある場合、刃先の曲線を矯正する場合、刃先の曲線を滑らかにする場合には特に有効である。
研ぎ傷の付き具合と目安の小刃の減り具合を観察しながら、圧力をかける位置や柄の握り加減で角度と力を調整して、切っ先からあごまで均等になるように研ぐ。
良好なな研ぎ卸しと研ぎ直しを継続してきた場合は、研ぎ卸しも大した作業ではないが、刃欠けの修復や刀身を自分流に修正するような研ぎ卸しは、相当な労力が必要である。大きな修正研ぎの場合は、荒砥から中砥へと段階を踏んだ方が早い。
この研ぎ卸しは基本的に平面に研ぐので、段刃となる。本刃付けの場合はこのまま仕上げ砥で研ぎ上げて微少の小刃止めをする場合もある。
ハマグリ形状にする時は徐々に研ぎ進める。中砥から仕上げ砥を使用する。「研ぎ卸し部分は切刃の上部にあるのだから問題なかろう」と、荒い研ぎ傷を残すと、切刃と小刃の研ぎが微少な場合はその傷が刃先に大きな欠けを作るので、注意が必要である。従って、中砥から仕上げ砥で良く仕上げるのが良い。
切刃の巾は切れ味重視の場合は略0.2mmなど狭くて良い。この時のしのぎ筋の位置での厚さは略0.07mmである。
切刃のしのぎ筋が刃先から1mmになるほど研ぎ直しを重ねると、しのぎ筋の位置での厚さは略0.35mmにもなる。こうなる前に次の研ぎ卸しを行うのが良い。下手な研ぎ直しをすると、どうしても一回の研ぎ量が増え、庖丁は早く消耗する。毎回の角度の再現性で研ぎ直しの量を最低限にするという意味で、角度を一定にする道具は有効である。角度に再現性があると、砥粒も細かいもので良く、いきなり仕上げ砥石で鏡面に仕上げただけでも済むことが多い。
小刃は糸引き刃ともいうように、極めて微少な刃であるが、長切れ(切れ味を長く保つこと)には大変有効である。
ステンレス庖丁などで図4のような長い薄いバリが充分取れない場合は、先に研ぎの傾斜角度を小刃の半角15度よりも大きく立てて極めて軽く研ぎ落としてから、小刃止めするのが良い場合もある。この作業は研ぎ卸しの直後に入れた方が良い場合もある。
バリは、砥石の木台や木製台座、固く丸めた新聞紙や、固い厚紙などを切ったり擦ったりすることでも除去できる。
バリは刃先だけではなく、切刃のしのぎ筋に残っている場合もあるので、庖丁全体を木台や木製台座で磨くような作業も有効である。
荒砥は120〜400番くらいの砥粒で作られる。略150〜40μmの径に相当する。
中砥は600〜1500番くらいの砥粒で作られる。略31〜9μmの径に相当する。
仕上げ砥は4000〜12000番くらいの砥粒で作られる。略3〜1μm以下の径に相当する。
滑らすように、無理な力は入れないで研ぐ。
長く使った砥石は平面ではなくなる。曲がった砥石で研ぐと良好な刃付けはできない。そのために、砥石は平面に矯正することも必要である。専用の工具もあるが、平らなセメントブロックにこすりつけて削り落とす方法もある。
研ぎ直しさえうまく出来ないために、簡易シャープナーで済ませたり、有料の研ぎサービスに頼んだり、新品に買い換えたりする人が大半である。ある簡易シャープナーは300万個売り上げたということであるから、臨時処置で済まして、本格的な切れ味を体験出来ないでいる人が大変多いということである。
研ぎ卸しは、研ぎ傷の様子と目安の小刃の減り具合を頻繁に確認をしながら、角度や力の入れ方や押す位置を微調整しながら行う作業で、慣れない人には負担が多い。
研ぎ卸しの段刃を丸めてハマグリ形状にするローリング研ぎは、刃先ローリングとなると致命傷となることもあり、注意が必要である。
本格的な正しい研ぎを行うための便利な道具はまだ提供されていない。特に刀身と小刃の2つのハマグリ形状を綺麗に均一に正しく簡便に作る道具は実用化されていない。
砥石は使用する前に30分位水に浸して充分に水を吸わせる必用がある。使用後は充分に乾す必要がある。数日は乾さないと、図6のように、保管の間に本体や木台や箱にカビが発生することがある。
砥石は重く脆いものなので、落とすと危ないし、欠けることもあり、乾燥や保管は負担である。荒砥、中砥、仕上げ砥の3つを揃えると、乾燥と保管にはさらに場所が必用である。
鏡面加工や精密加工や難加工材のラッピング加工は、軟質の研磨プレートやラップ定盤を用いる。硬い研磨剤の一部は軟質の研磨プレートやラップ定盤に食い込んで固定され、硬い被加工物の方がラッピングされる。軟質の研磨プレートやラップ定盤の磨耗は微少であるからこそ、精密な加工が可能である。研磨プレートやラップ定盤の材料は、鋳鉄、金属銅、樹脂混合鉄、樹脂混合銅、金属錫、樹脂混合錫、樹脂混合セラミックなどである。天体望遠鏡の反射鏡を磨く時は、石油ピッチで型取りして碁盤のような溝を入れ、ベンガラなどの研磨剤を塗布してガラスを磨く。これらのことから、柔らかい材料のベースが固い材料の精密研磨にいかに有効であるかが分かる。
ラッピングと同様に柔らかいもので固いものを磨く方法にバフ仕上げがある。庖丁の製作でバフ仕上げは使われているが、あくまでも見かけの美しさを作る鏡面化の為に行われており、刃先の研磨には使われることはない。
A.刀身の大きなハマグリ形状を均一に綺麗に仕上げることのできる研ぎ工具を提供する。
B.細いハマグリ形状の小刃を均一に綺麗に正しく付けることのできる研ぎ工具を提供する。
C.予め水を吸わせる必用の無い研ぎ工具を提供する。
D.乾燥の手間が不要な研ぎ工具を提供する。
E.研ぎ面を平面に矯正する作業の必要がない研ぎ工具を提供する。
F.大きなサイズにしても価格が跳ね上がらない、廉価な研ぎ工具を提供する。
G.軽くて収納にも場所を取らない研ぎ工具を提供する。
H.研ぎ卸しの巾を、刃先から一定とし、一番角を均一にする、簡便な補助具を提供する。
I.二番角が均一な研ぎ直しと、上記の研ぎ工具と連携してハマグリ形状の小刃止めに利用できる改良型の補助具を提供する。この補助具は、研ぎ卸しの回数を減らして研ぎ作業全体を楽にする物でもある。
J.これらの補助具を刃先から所定の距離に位置決めする簡便な方法とそのケージを提供する。
ガイド部は一箇所でも良いが、庖丁の表裏の研ぎを簡便にするためには二箇所に設けるのが好ましい。
刃先から一定距離に貼り付けるためには、テープは予め円弧状の形とすると作業が楽である。
この補助具をこの書類では「研ぎ卸しジグ」と表現する。
粘着性と吸着性を総称してこの書類では「面着性」と表現することもある。帯51の下面の面着性は貼り直し可能てあることが好ましい。
巾の狭いテープ52の固定方法を粘着などとした場合は、磨耗が進行したらテープ52だけを新しいものと交換する。固定方法を接着や一体成型など固着とした場合は、磨耗が進行したら全体50を新しいものと交換する。
「研ぎ卸しジグ」と「研ぎ直しジグ」を総称して「研ぎジグ」と表現する。
可撓性を大きくするために多数の切り込み64を入れても良い。
一般的な刃先曲線に近いカーブ65を予め持たせておくと使いやすい。
なお、図12は分かり易くするためにガイド部22の角度は大きく作図してある。図の左は庖丁の裏を研ぐ様子、右は庖丁の表を研ぐ様子を同時に示した。
庖丁を押す位置を調整することで、丸める位置と度合いは微妙に調整することができる。砥粒の細かいものを使用すると綺麗な仕上げとなる。
図13(a)のように、研ぎ直しジグ50を使って砥石または研ぎプレート31の平面部分23で研ぐと、切っ先からあごまで均一の角度を持った真直ぐの切刃を研ぐことが出来る。
望みの巾の切刃が出来た後、図13(b)のように、研ぎのストロークを砥石または研ぎプレート31のガイド部22まで広げることで、刃先には先端に所定の三番角を持ったハマグリ形状の小刃を作ることができる。この時、研ぎ直しジグ50は装着したままとする。
図13(c)に包丁の中心線19の角度変化を模式的に表した。刃先14がガイド部22と平面部分23の境界にある時は、二番角にガイド部の角度を加算した角度で刃先は平面部分23に当り、これが三番角となる。研ぎ直しジグ50が平面部分23に至った時は、切刃部分が平面部分に当る角度は二番角となる。すなわち、二番角から三番角に至る接線を持つ微少な曲線がハマグリ形状の小刃となる。
図8のように、砥石を研ぎプレート31に置き換えることで、製造は容易となり、軽量、安価、重ねて収納、などの利点が加わる。さらに大きいのが、水を吸わせる必要がなく、水を拭き取れば直ぐに収納できる手軽さである。磨耗が少なく長持ちし、一般の砥石に必然の平面矯正の手間は不要である。プレスで製造できるから安価となり、安価であるから消耗した場合の交換も容易で、大きなサイズの研ぎプレートを作ることで作業性を向上させることもできる。
図8(d)には重ねて収納した状態を例示した。重ねた上に研ぎジグや位置決めケージや砥粒コンパウンドの容器などを載せて収納すると便利である。
三隅の爪を固定とし、一隅の爪を調整式とすれば、木製台座の歪によるガタツキを無くすこともできる。
研ぎ卸し直後の研ぎ直しは微少なので研ぎ量が少なく、二度目以降の研ぎ直しは角度の再現性に優れるので研ぎ量が少なく、普通は仕上げ砥粒の研ぎで済み、極めて短時間の作業で簡便に鋭い切れ味を再現することができる。
研ぎ量が少ないので、研ぎ直し回数を増やして研ぎ卸しの回数を減らせるので、研ぎ作業全体が楽になる。
二度目以降の小刃止めでも研ぎ条件の再現性が良いので、最小限の小刃止めで済ませることができる。小刃のハマグリ形状化で、切れ味の持ちがさらに向上する。
特許文献9の研ぎ直しジグは、研ぎプレートの材質によっては、高硬度セラミックスのチップが研ぎプレートを擦るキーキー音が耳障りとなることがある。この音は砥石の場合には発生しないが、本発明の研ぎプレートとの相性としては今ひとつである。高硬度セラミックスのチップに代わり硬質プラスチックのテープ52とすると、この音の発生は防止できる。
耐磨耗チップの複数の出っ張りに代わり連続したテープ52が付いているので、斜めに動かした時も研ぎ直しジグが研ぎプレートの角に引っ掛かることも無い。
テープ52の磨耗は発生するが、研ぎ卸しの後の研ぎプレートによる軽い研ぎ直しでは一回の磨耗量は僅かなので相当回数の使用に耐える。テープ52を粘着とした場合は簡単に貼り直しができて安価である。テープが一体型の場合でも、全体50が安価の分、交換も負担ではない。
図15(a)のように、基台32は厚さ2mm、巾65mmのアルミニウム押出し材を高さ12mmのチャンネル状に切断して作成した。長さは350mmとした。
片側の端から50mmの位置で直角の方向に5度曲げた。反対側の端は50mmと115mmの位置で45度の方向に5度曲げた。曲げるための切り込みはエポキシ接着剤で埋めた。図15(a)の(a1)は平面図、(a2)はAA断面図を表す。
3隅には爪33を作り、1隅には支点で支えた爪34をバネ35で押すようにし、調整用の長穴に固定用のねじで締める構造とした。可動の爪34の固定ねじを緩めた後、固定の3箇所の爪33が木製台座に密着するように押し付け、バネ35で押されて台座に密着した可動の爪34を固定した。基台32は台座に4点でガタ無く密着し、外向きの爪33、34が木製台座にひっかかり滑り止めとなる。
中粒度の砥粒コンパウンドは、800番の中砥石を削った砥粒と歯磨きペーストと水を混ぜて作成した。体積比で1:10:3程度である。
仕上げの砥粒コンパウンドは、車体鏡面磨き用9800番液体コンパウンドに歯磨きペーストと水を混ぜた後、石油系溶剤を揮発除去して作成した。体積比で3:10:3程度である。
荒い砥粒コンパウンドと中粒度の砥粒コンパウンドは、研ぎ卸しに使用した。仕上げの砥粒コンパウンドは、研ぎ直しと小刃止めに使用した。
アルミニウムの研ぎプレートは、研ぎの強さは大変大きい。しかし荒い砥粒の場合は、庖丁の鋼をあんこにしている軟鉄部分にも少量の砥粒が食い込み、アルミニウムの研ぎプレートとの間に大きな摩擦抵抗が発生する場合がある。アルミニウムの研ぎプレートは荒砥ぎには不向きで、中〜仕上げに使う必要がある。アルミニウムを一般のグラインダーで研磨するのはうまく行かないことは体験上明らかなことであるが、このアルミニウムの粘い性格が摩擦抵抗を生む原因ではないかと推測する。
研ぎを進めると、鉄の粕で黒くなる。粘りが増してきたら、指先にちょっとつけた水を塗る。水の補給量は微少が良い。
工具や庖丁についた真っ黒の研ぎ汁は、水で簡単に洗い流すことができる。手指の汚れも水で簡単に洗い流すことができる。砥粒を水だけで溶いた場合は、爪や指紋に汚れが残る。従って砥粒コンパウンドには水性の乳化材が混じっていることが好ましい。
位置決めケージは、切り込みを入れた側を庖丁の刃先側にして使用する。
位置決めケージの背面に沿わせるように研ぎ卸しジグ40を貼り付けた。
使用後に取外すと、加工歪などで丸まるので、1回毎の使い捨てである。
テープの材質が軟質塩ビのように柔らかくても耐久性は充分であるが、位置決めケージの背に沿わせて貼り付けるのに苦労する。位置決めケージに沿ってカッターナイフで切る方法もあるが、庖丁にカッターの傷がついて好ましくない。したがって、研ぎ卸しジグは固い材質のものが好ましい。
こうして研ぎ卸した結果が図14である。
ガイド部22の角度が1度の研ぎプレート31Bを使用し、しのぎ筋の辺りを指で押して、中砥粒で刀身のハマグリ形状を研ぎ上げた。
位置決めケージの背面に沿わせるように研ぎ直しジグ50を貼り付けた。
ガイド部の曲げの方向が45度の側で、庖丁の表の小刃止めを行った。この時、図5(a)のように、庖丁も45度の方向とした。ガイド部の曲げの方向が直角の側で、庖丁の裏の小刃止めを行った。この時、図5(b)のように、庖丁も直角の方向とした。表裏の小刃止めの方向が45度交差することで、小刃には微少な鋸目が作られ、引き切りの切れ味が格段に向上する。
新聞紙で試し切りを行った。新聞紙で押し切りが出来る程に鋭い切れ味に仕上がった。
最初はガリガリと激しい研ぎが進み、徐々に音も静かになり、研ぎも滑らかとなった。時々コンパウンドを指で集めると残った大きい金剛砂でジージーと音がするが、そのうち全く滑らかになった。時々少量の水を補給して研ぎ進めた結果、なまくらになっていた鑿の切れ味は完全に回復した。ルーペで見ると、傷はあるが、中砥石なみの仕上がりとなっていた。極めて荒い砥粒コンパウンドで研ぎ始めても、そのまま中仕上げまでは研ぎ進めることが可能である。傷は研磨プレートに食い込んで残留している砥粒によるものであるが、もっと研ぎ進めればいずれはそれも小さくなり、より綺麗な仕上がり面となるはずである。
図17に構成部品を示す。
60−1は研ぎ卸しジグ40の位置決め用で、巾を20mmとする。切り込み64の深さは15mmとする。個数は表用と裏用の2個とする。
60−2は研ぎ直しジグ50の庖丁表の位置決め用で、巾を10mmとする。切り込み64の深さは5mmとする。個数は1個とする。
60−3は研ぎ直しジグ50の庖丁裏の位置決め用で、巾を12mmとする。切り込み64の深さは7mmとする。個数は1個とする。
研ぎプレートは、ガイド部を持つことでより機能が高くなるが、ハマグリ形状の研ぎをしない場合は、ガイド部が付いていないものでもメンテナンス面での価値がある。
研ぎプレートのガイド部境界線の方向は、この実施例のように直角と45度に限るものではない。
研ぎプレートのガイド部の曲げ角度は、この実施例のように1度と5度に限るものではない。
この実施例では、研ぎプレートに鍔をつけたが、絞り加工の後の打ち抜きを容易にするためのもので、必ずしも必用なものではない。
滑り止めの爪は、この実施例の外向きに限らず、内向きや下向きなどにしても良い。
研ぎ卸しジグの材料は、この実施例のPETに限らない。ポリカーポネートなど、各種の材料が考えられる。
研ぎ卸しジグの形は、この実施例の円弧状には限らない。
研ぎ卸しジグの厚さは、この実施例の厚さには限らない。
研ぎ直しジグのテープの材料は、この実施例のPETに限らない。また、この実施例のような研ぎ卸しジグとの共通化は発明の条件ではない。
研ぎ直しジグの形は、この実施例の円弧状には限らない。
研ぎ直しジグの厚さは、この実施例の厚さには限らない。
研磨コンパウンドの組成は、この実施例のものに限らない。
位置決めゲージや一体型研ぎ直しジグの切り込みは、|字形、V字形に限らず、U字形などの他の形でも良い。
12 切刃
13 しのぎ筋
14 刃先
15 小刃
16 鋸目
17 小刃先
18 裏スキ
19 中心線
21 砥石
22 ガイド部
23 平面部分
31、31B 研ぎプレート
32 基台
33 爪
34 可動の爪
35 バネ
36 引っ掛かり
37 コの字形のゴム
40 研ぎ卸しジグ
50 研ぎ直しジグ
51 帯
52 テープ
60 位置決めゲージ
61 ゴムなどの帯
62 磁石チップ
63 ゴム磁石や樹脂磁石などの帯
64 切り込み
65 カーブ
66 背面
71 基台の縁
72 上面
73 研ぎプレートBの縁
74 研ぎプレートBの鍔
75 研ぎプレートの縁
76 研ぎプレートの鍔
77 剥離紙
78 保管プレート
91 まな板
92 ローリング
93 木製台座
Claims (4)
- 一面を粘着性または吸着性とした幅方向に可撓性の帯であり、帯の反対面の少なくとも一辺は磨耗の少ない材料である、刃先から一定距離に幅方向に撓ませて貼り付ける、研ぎ直しと小刃止めに用いるジグ。
- 小刃のハマグリ形状の研ぎに供する、請求項1に記載のジグをつけた庖丁の刃先が平面部分との境界で平面部分に対して三番角を成す長さと角度を持つガイド部を持つ砥石または研ぎプレート。
- 磁性で吸着する一定巾の可撓性の帯を、刃先に突出するように吸着させ、刃先をローリングすることで、帯を刃先曲線に倣わせ、その背面を位置決めの基準位置とする、研ぎジグの装着方法。
- 磁性で吸着する一定巾の帯に複数の切り込みを入れて可撓性を大きくした、請求項3の方法に用いる位置決めゲージ。
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