JP5578356B2 - 難燃性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Description

本発明は難燃性樹脂組成物及び難燃性樹脂組成物を成形して得られる成形品に関する。
ポリカーボネート樹脂は耐熱性、耐衝撃性等の特性に優れることから、家電分野、電気・電子機器分野、プリンタ等のOA機器分野をはじめとする種々の分野においてポリカーボネート樹脂を用いた成形品が広く用いられている。
また、これらの分野においては近年、コスト低減を目的とした成形品の薄肉化及び軽量化が進められていることから、使用する樹脂の成形時における流動性の向上が求められている。すなわち、軽量・薄肉化を実現するのに充分な流動性を有し、且つ実用的な耐衝撃性及び難燃性をバランスよく得る必要がある。
成形品の難燃性と耐衝撃性の改良を行なう方法としては、例えば特許文献1には、(A−1)ポリカーボネート樹脂及び/又は特定のコポリエステルカーボネート系樹脂、(A−2)芳香族ビニル単量体成分及びシアン化ビニル単量体成分を共重合体の構成成分として含む共重合体、(B)芳香族ビニル単量体成分、シアン化ビニル単量体成分及びゴム質重合体を共重合体の構成成分として含む共重合体、(C)特定の複合ゴム系グラフト共重合体並びに(D)リン酸エステル系化合物を含む難燃性樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の難燃性樹脂組成物では成形品の難燃性と低温における耐衝撃性とを同時に満足することができていない。
また、低温における耐衝撃性と難燃性に優れた成形品を得るために、例えば特許文献2には、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂に、(A)ポリオルガノシロキサン粒子の存在下に(B)多官能性単量体(b−1)及びその他の共重合可能な単量体(b−2)からなるビニル単量体を重合し、更に(C)ビニル単量体を重合して得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体と難燃剤を配合して得られる難燃性樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献2の難燃性樹脂組成物では薄肉化した成形品で良好な難燃性が得られるものの、難燃性樹脂組成物の成形時の流動性は充分ではない。
特開平6−240127号公報 特開2003−238639号公報
本発明は、通常の肉厚成形品だけでなく薄肉成形品を製造する際においても優れた流動性を有し、且つ低温における優れた耐衝撃性と充分な難燃性を有する難燃性樹脂組成物、並びに難燃性樹脂組成物を成形して得られる成形品を提供することを目的とする。
本発明の要旨とするところは、ポリカーボネート樹脂(A)50〜90質量%、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含有する単量体混合物(b)を重合して得られる共重合体(B)5〜30質量%並びにゴム質重合体の存在下で、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を重合して得られるゴム含有共重合体(C)5〜20質量%を有するゴム含有ポリカーボネート樹脂組成物100質量部に対して、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)75〜93質量%の存在下、多官能ビニル単量体(d2)0.2〜10質量%を含むビニル単量体(d3)7〜25質量%を重合して得られるポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)1〜20質量部、リン系難燃剤(E)10〜30質量部及び滴下防止剤(F)0.01〜5質量部を含有する難燃性樹脂組成物を第1の発明とする。
また、本発明の要旨とするところは、上記の難燃性樹脂組成物を成形して得られる成形品を第2の発明とする。
本発明の難燃性樹脂組成物は通常の肉厚成形品だけでなく薄肉成形品を製造する際においても優れた流動性を有し、且つ低温における優れた耐衝撃性と充分な難燃性を有することから、建材、自動車、玩具や文房具等の雑貨、OA機器、家電機器等の各種分野に幅広く使用することができる。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂(A)(以下、「PC樹脂(A)」という。)としては、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる重合体が挙げられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール及び4,4−ジヒドロキシジフェニルが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
PC樹脂(A)としては、耐熱性や柔軟性の点で、ビスフェノールAを含む芳香族ジヒドロキシ化合物から得られるポリカーボネート樹脂が好ましい。また、PC樹脂(A)として、ポリカーボネートとシロキサン構造を有する重合体又はオリゴマーとの共重合体等のポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体を使用することができる。
PC樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
PC樹脂(A)の分子量としては、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で16,000〜30,000が好ましく、18,000〜28,000がより好ましい。粘度平均分子量を30,000以下とすることにより、難燃性樹脂組成物の溶融流動性が良好になり、16,000以上とすることにより、成形品の耐衝撃性が良好になる。
PC樹脂(A)の分子量を調節するには、例えば、前述した芳香族ジヒドロキシ化合物の一部をm−メチルフェノール、p−t−ブチルフェノール等の一価の芳香族ヒドロキシ化合物で置換すればよい。
PC樹脂(A)は、公知のホスゲン法や溶融法により製造することができる。
本発明で用いる共重合体(B)は、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含有する単量体混合物(b)を重合して得られる。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、モノブロモスチレン、p−t−ブチルスチレン及びビニルナフタレンが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中では、価格面や汎用性の点でスチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
単量体混合物(b)中の芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体の組成比は、共重合性の点で、芳香族ビニル単量体50〜95質量%及びシアン化ビニル単量体5〜50質量%が好ましく、芳香族ビニル単量体65〜92質量%及びシアン化ビニル単量体8〜35質量%がより好ましい。
共重合体(B)としては、例えば、SAN樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合体)が挙げられる。
共重合体(B)の製造法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合法が挙げられる。
共重合体(B)は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるゴム含有共重合体(C)は、ゴム質重合体の存在下で、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を重合して得られる。
ゴム含有共重合体(C)の製造に用いる芳香族ビニル単量体としては、単量体混合物(b)中の芳香族ビニル単量体と同様のものが例示される。
ゴム含有共重合体(C)の製造に用いるシアン化ビニル単量体としては、単量体混合物(b)中のシアン化ビニル単量体と同様のものが例示される。
ゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体又はブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のジエン系ゴム;エチレン−プロピレンのランダム共重合体又はブロック共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−ブチルアクリレート共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体及びブチルアクリレート−ブタジエン共重合体等のアクリル酸エステル−ブタジエン共重合体等のアクリル系弾性重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−脂肪酸ビニル共重合体;エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体等のエチレン−プロピレン非共役ジエンターポリマー;ブチレン−イソプレン共重合体;並びに塩素化ポリエチレンが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中では、汎用性の点で、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン非共役ジエンターポリマー、ジエン系ゴム及びアクリル系弾性重合体が好ましく、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエンランダム共重合体がより好ましい。また、スチレン−ブタジエンランダム共重合体中のスチレン単位の含有率としては50質量%以下が好ましい。
ゴム含有共重合体(C)の製造に用いる、ゴム質重合体、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体の比率は、用途に応じて設定することができる。
ゴム含有共重合体(C)の製造には、必要に応じて、他の単量体を用いてもよい。
他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸エステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物;及びマレイミド、N−メチルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
尚、本発明において、「(メタ)アクリ」は「アクリ」又は「メタクリ」を示す。
ゴム含有共重合体(C)の具体例としては、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、AES(アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体)樹脂及びAAS(アクリロニトリル−アクリル系弾性重合体−スチレン共重合体)樹脂が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ゴム含有共重合体(C)の製造法としては、前述の共重合体(B)と同様の方法が挙げられる。
本発明のゴム含有ポリカーボネート樹脂組成物は、PC樹脂(A)50〜90質量%、共重合体(B)5〜30質量%及びゴム含有共重合体(C)5〜20質量%を含有する。ゴム含有ポリカーボネート樹脂組成物中のPC樹脂(A)、共重合体(B)及びゴム含有共重合体(C)の含有率を上記の比率とすることにより、難燃性樹脂組成物の溶融流動性、並びに成形品の耐衝撃性及び難燃性を良好とすることができる。
本発明で用いるポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)は、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の存在下、多官能ビニル単量体(d2)を含むビニル単量体(d3)を重合して得られる。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)としては、例えば、ビニル重合性官能基を有するシロキサン系ゴムが挙げられる。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の具体例としては、ジメチルシロキサン(d1−α)、ビニル重合性官能基を有するシロキサン(d1−β)及びシロキサン系架橋剤(d1−γ)の共重合体が挙げられる。
ジメチルシロキサン(d1−α)としては、例えば、3員環以上のジメチルシロキサン系環状体が挙げられ、重合性の点で3〜7員環のものが好ましい。
ジメチルシロキサン(d1−α)の具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中では、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の粒子径分布の制御が容易である点で、オクタメチルシクロテトラシロキサンを主成分とするものが好ましい。
ビニル重合性官能基を有するシロキサン(d1−β)は、ビニル重合性官能基を有し、ジメチルシロキサン(d1−α)とシロキサン結合を介して結合し得るシロキサン化合物である。
ビニル重合性官能基を有するシロキサン(d1−β)は、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の側鎖又は末端にビニル重合性官能基を導入するための成分であり、ビニル単量体(d3)をグラフト重合させるための、グラフト活性点として作用させることを目的としている。
ビニル重合性官能基を有するシロキサン(d1−β)としては、ジメチルシロキサン(d1−α)との反応性が良好である点で、ビニル重合性官能基を有するアルコキシシランが好ましい。
ビニル重合性官能基を有するアルコキシシランとしては、例えば、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシシラン;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン;p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン等のビニルフェニルシラン;及びγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサンが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
シロキサン系架橋剤(d1−γ)としては、例えば、3官能性又は4官能性のシラン系架橋剤が挙げられる。
3官能性又は4官能性のシラン系架橋剤の具体例としては、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びテトラブトキシシランが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)を構成するための原料中のシロキサン系架橋剤(d1−γ)の含有率は、成形品の強度及び難燃性が良好となることから、1〜5質量%が好ましい。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の体積平均粒子径(dv)は、50〜600nmが好ましく、200〜500nmがより好ましい。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)のdvが50nm以上であれば、成形品の低温における耐衝撃性が良好となる。また、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)のdvが600nm以下であれば、成形品の難燃性低下を抑制できる。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)は、成形品の耐衝撃性が良好となることから、トルエン不溶分が50質量%以上のものが好ましく、80質量%以上のものがより好ましい。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)のトルエン不溶分は、原料中のシロキサン系架橋剤(d1−γ)の含有率を調節することにより制御できる。シロキサン系架橋剤(d1−γ)の含有率が高いほど、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)のトルエン不溶分の値は高くなる。
本発明においては、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)にはアクリル系ゴム成分を含む複合ゴムは含まれない。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
まず、ジメチルシロキサン(d1−α)、ビニル重合性官能基を有するシロキサン(d1−β)及びシロキサン系架橋剤(d1−γ)を含むシロキサン混合物を乳化剤と水によって乳化させて、シロキサン系ゴム原料ラテックスとする。
次いで、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサー又は高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を用いて、シロキサン系ゴム原料ラテックスを微粒子化したものを、酸触媒を用いて高温下で重合し、次いでアルカリ性物質で酸触媒を中和してシロキサン系ゴムを得る。
上記の重合において、酸触媒の添加方法としては、例えば、シロキサン混合物、乳化剤及び水と共に酸触媒を混合する方法と、シロキサン混合物が微粒子化されたシロキサン系ゴム原料ラテックスを、高温の酸触媒含有水溶液中に一定速度で滴下する方法が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の製造方法としては、シロキサン系ゴムの粒子径を制御しやすい点から、シロキサン混合物、乳化剤及び水と、ミセル形成能のない酸水溶液とを混合させて重合を行なう方法が好ましい。
シロキサン系ゴムの製造に用いる乳化剤としては、例えば、アニオン系乳化剤が挙げられる。
アニオン系乳化剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中では、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが重合安定性の点で好ましい。
シロキサン系ゴムの製造に用いる酸触媒としては、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類及び硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中では、ミセル形成能のない硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類が好ましい。鉱酸類を用いることにより、シロキサン系ゴムの粒子径分布を狭くすることが容易になる。また、鉱酸類を用いることにより、成形品の外観や低温における耐衝撃性が良好となる。
シロキサン系ゴムを製造する際の重合温度は、シロキサン系ゴムの生産性が良好となることから、50〜95℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。
また、シロキサン系ゴムの重合時間は、シロキサン系ゴムの生産性が良好となることから、酸触媒をシロキサン混合物、乳化剤及び水と共に混合して微粒子化を行なった後に重合する場合、2〜15時間が好ましく、5〜10時間がより好ましい。
シロキサン系ゴムの重合は、反応液を冷却した後に得られたシロキサン系ゴムラテックスを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性物質で中和することにより停止できる。
多官能ビニル単量体(d2)は、ビニル単量体(d3)中に含まれる単量体である。多官能ビニル単量体(d2)は、分子内に重合性不飽和結合を2つ以上有する単量体である。
多官能ビニル単量体(d2)としては、例えば、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート及びジビニルベンゼンが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中では、成形品の耐衝撃性及び難燃性が良好となることから、アリルメタクリレートが好ましい。
ビニル単量体(d3)は、多官能ビニル単量体(d2)を含有する。
ビニル単量体(d3)中の多官能ビニル単量体(d2)以外のビニル単量体(d3−1)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;及びアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ビニル単量体(d3)は、必要に応じて、他のビニル単量体(d3−2)を含有することができる。
他のビニル単量体(d3−2)としては、例えば、不飽和カルボン酸系単量体及びマレイミド系単量体が挙げられる。
不飽和カルボン酸系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸が挙げられる。マレイミド系単量体としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)は、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)75〜93質量%の存在下、多官能ビニル単量体(d2)0.2〜10質量%を含むビニル単量体(d3)7〜25質量%を重合して得られる共重合体である。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を得るための原料中のポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の比率は、80〜90質量%が好ましい。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の比率が75質量%以上であれば、成形品の難燃性が良好となる。また、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の比率が93質量%以下であれば、成形品の耐衝撃性を良好とすることができる。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を得るための原料中のビニル単量体(d3)の比率は、7〜25質量%であり、10〜20質量%が好ましい。ビニル単量体(d3)の比率が7質量%以上であれば、成形品の低温における耐衝撃性が良好となる。また、ビニル単量体(d3)の比率が25質量%以下であれば、成形品の難燃性が良好となる。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を得るための原料中の多官能ビニル単量体(d2)の比率は、0.2〜10質量%であり、1〜5質量%が好ましい。
多官能ビニル単量体(d2)の比率が0.2質量%以上であれば、成形品の難燃性が良好となる。また、多官能ビニル単量体(d2)の比率が10質量%以下であれば、成形品の耐衝撃性が良好となる。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のdvは、50〜1,000nmが好ましく、200〜600nmがより好ましい。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のdvが50nm以上であれば、成形品の低温における耐衝撃性が良好となる。また、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のdvが1,000nm以下であれば、成形品の難燃性低下の抑制が良好となる。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のアセトン可溶分の質量平均分子量(Mw)は、50,000以下が好ましく、1,000〜30,000がより好ましい。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のアセトン可溶分のMwが50,000以下であれば、難燃性樹脂組成物中へのポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)の分散性の低下を防止でき、成形品の難燃性を良好とすることができる。また、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のアセトン可溶分のMwが1,000以上であれば、難燃性樹脂組成物中へのポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)の分散性を低下させることなく、成形品の難燃性及び耐衝撃性を良好とすることができる。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)は、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の存在下でビニル単量体(d3)を重合する方法により製造される。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)の具体的製造方法としては、例えば、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)のラテックスにビニル単量体(d3)を1段でグラフト重合させる方法、及びポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)のラテックスにビニル単量体(d3)を多段でグラフト重合させる方法が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)の製造の際に用いる重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、アゾ系開始剤及び、有機過酸化物又は無機過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びアセチルアセトンパーオキサイドが挙げられる。
無機過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルが挙げられる。
レドックス系開始剤としては、例えば、硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ロンガリット及びハイドロパーオキサイドを組み合わせたものが挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、反応性が高い点で、有機過酸化物、無機過酸化物及びレドックス系開始剤が好ましく、硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ロンガリット及びハイドロパーオキサイドを組み合わせたレドックス系開始剤がより好ましい。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)の製造に際しては、連鎖移動剤を併用してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン及びn−ヘキシルメルカプタンが挙げられる。
また、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)の製造に際しては、乳化剤を添加してもよい。乳化剤としては、例えば、カチオン系乳化剤、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤が挙げられる。
乳化剤の具体例としては、スルホン酸塩乳化剤、硫酸塩乳化剤及びカルボン酸塩乳化剤が挙げられる。これらの中では、PC樹脂(A)の加水分解の抑制の点でスルホン酸塩乳化剤が好ましい。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)の回収方法としては、例えば、得られたポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のラテックスを塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析及び固化した後にポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を分離及び乾燥して粉末状で回収する方法、並びにスプレードライ法による回収方法が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のラテックスを塩析させる場合には、PC樹脂(A)の加水分解を抑制する点で、カルシウム塩による塩析が好ましい。
本発明で用いるリン系難燃剤(E)としては、例えば、環状フェノキシホスファゼン化合物、鎖状フェノキシホスファゼン化合物、架橋フェノキシホスファゼン化合物等のホスファゼン化合物、下式(1)で表される化合物及び下式(2)で表される化合物が挙げられる。
(R、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又はアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、h、i及びjは、各々独立に、0又は1を示す。)
(R、R、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又はアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、p、q、r及びsは、各々独立に、0又は1であり、tは1〜5の整数であり、Xはアリーレン基を示す。tが2以上のとき、t個の繰り返し単位は各々同一であっても異なっていてもよい。)
式(1)で表される化合物の中で、R、R及びRとしては、各々独立に、アルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
式(1)で表されるリン系化合物の具体例としては、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニル−2−エチルクレジル、リン酸トリ(イソプロピルフェニル)、メチルホスホン酸ジフェニルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、リン酸ジフェニルクレジル及びリン酸トリブチルが挙げられる。
式(1)で表される化合物はオキシ塩化リン等から公知の方法で製造することができる。
式(2)で表される化合物はtが1〜5の縮合リン酸エステルである。異なる複数種の縮合リン酸エステルの混合物である場合には、tはそれらの混合物の平均値として算出されたものである。
式(2)で表される化合物の中で、Xとしてはレゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等のジヒドロキシ化合物から誘導される2価の基が好ましい。
また、式(2)で表される化合物の中で、R、R、R及びRは、各々独立に、フェノール、クレゾール又はキシレノールから誘導されるものが好ましい。
リン系難燃剤(E)の中で、リン系難燃剤(E)を扱う際の作業性や、難燃性樹脂組成物の熱安定性に優れ、成形時の発生ガス量が少ないという点で、式(2)で表される化合物が好ましく、式(2)中のXがレゾルシノール又はビスフェノールAから誘導されるものであり、p、q、r及びsが各々1であり、R、R、R及びRが夫々クレゾール又はキシレノールから誘導されるものがより好ましい。
上記の式(2)で表される化合物のより好ましいものの具体例としては、クレジル・レゾルシンポリホスフェート及びキシリル・レゾルシンポリホスフェートが挙げられる。
リン系難燃剤(E)は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本発明で用いる滴下防止剤(F)は、フィブリル形成能を有する。
滴下防止剤(F)は、難燃性樹脂組成物中に容易に分散し、樹脂同士を結合してフィブリルを形成するのに役立つ。
滴下防止剤(F)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び有機系重合体で変性されたPTFE(以下、「変性PTFE」という)から選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの中では、難燃性樹脂組成物を溶融成形して得られる薄肉成形品の外観を良好とする点で変性PTFEが好ましい。
変性PTFEとしては、難燃性樹脂組成物中での分散性の点で、PC樹脂(A)や共重合体(B)との親和性が高いものが好ましく、PTFEと有機系重合体の混合物がより好ましい。
有機系重合体を得るための有機系重合体用単量体としては、例えば、スチレン等の芳香族ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;アクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機系重合体用単量体としては、PC樹脂(A)や共重合体(B)との親和性の点で、芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリレート及びシアン化ビニル単量体から選ばれる1種以上の単量体が好ましく、少なくとも(メタ)アクリレートを含む単量体がより好ましい。
PTFEの具体例としては三井・デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(登録商標)30J(商品名)が挙げられる。変性PTFEの具体例としては三菱レイヨン(株)製メタブレンA−3800(商品名)が挙げられる。
変性PTFEの製造方法としては、例えば、(1)PTFE粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した後に、凝固又はスプレードライにより粉体化して製造する方法、(2)PTFE粒子水性分散液存在下で、有機系重合体用単量体を重合した後に、凝固又はスプレードライにより粉体化して製造する方法及び(3)PTFE粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、有機系重合体用単量体を重合した後に、凝固又はスプレードライにより粉体化して製造する方法が挙げられる。
滴下防止剤(F)は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、ゴム含有ポリカーボネート樹脂組成物100質量部に対して、ポリオルガノポリシロキサン系グラフト共重合体(D)1〜20質量部、リン系難燃剤(E)10〜30質量部及び滴下防止剤(F)0.01〜5質量部を含有する。
ポリオルガノポリシロキサン系グラフト共重合体(D)の配合量は、ゴム含有ポリカーボネート樹脂組成物100質量部に対して1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部である。ポリオルガノポリシロキサン系グラフト共重合体(D)の配合量が1質量部以上であれば、成形品の耐衝撃性及び難燃性が良好となる。また、ポリオルガノポリシロキサン系グラフト共重合体(D)の添加量が20質量部以下であれば、PC樹脂(A)の耐熱性が損なわれることを防止できる。
リン系難燃剤(E)の配合量は、ゴム含有ポリカーボネート樹脂組成物100質量部に対して10〜30質量部、好ましくは10〜20質量部である。リン系難燃剤(E)の添加量が30質量部以下であれば、成形品の機械的物性の低下を抑制でき、10質量部以上であれば、成形品の難燃性が良好となる。
滴下防止剤(F)の配合量は、ゴム含有ポリカーボネート樹脂組成物100質量部に対して0.01〜5質量部、好ましくは0.05〜2質量部である。滴下防止剤(F)の添加量が0.01質量部以上であれば、成形品の難燃性の低下を抑制でき、5質量部以下であれば、成形品の外観の低下を抑制できる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。
添加剤としては、例えば、顔料・染料;ガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、炭素繊維等の補強剤又は充填剤;2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(ミックスド、モノ及びジニルフェニル)ホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト等のホスファイト系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートジアステリアルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤等の酸化防止剤;2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;ビス(2,2,6,6)−テトラメチル−4−ピペリジニル)等の光安定剤;ヒドロキシルアルキルアミン、スルホン酸塩等の帯電防止剤;及びエチレンビスステアリルアミド、金属石鹸等の滑剤が挙げられる。
本発明の難燃性樹脂組成物を製造する方法としては、溶融混合法を用いることが好ましい。また、本発明の難燃性樹脂組成物を製造する際には、必要に応じて、少量の溶剤を用いてもよい。
具体的には、PC樹脂(A)、共重合体(B)、ゴム含有共重合体(C)、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)、リン系難燃剤(E)、滴下防止剤(F)、及び必要に応じて添加剤、を所定量配合し、ロール、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機等の通常の混練機で混練することにより調製する方法が挙げられる。上記の混練は回分的又は連続的に運転することができ、各成分の混合順序は特に限定されない。
本発明の成形品は、上述の難燃性樹脂組成物を成形して得られる。
本発明の成形品は、例えば、建材、自動車、玩具、文房具等の雑貨、更にはOA機器、家電機器等の低温における耐衝撃性と難燃性とが必要とされる用途に広く利用できる。
本発明の成形品の製造方法としては公知の製造方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。尚、以下において、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。また、本発明における各種評価は以下の方法により実施した。
(1)dv
dvを測定するためのラテックスを蒸留水で希釈して濃度約3%の希釈ラテックス0.1mLの試料を作製し、キャピラリー式粒度分布測定器(MATEC社(米国)製CHDF2000型(商品名))を用いてdvを測定した。
測定条件は流速1.4mL/分、圧力約2.76MPa(約4,000psi)及び温度35℃とした。また、測定には粒子分離用キャピラリー式カートリッジ及びキャリア液を用い、液性をほぼ中性にした。
尚、dv測定には標準粒子径物質として粒子径既知の単分散ポリスチレン(DUKE社製(米国))を用いて、dvが20〜800nmの範囲における12点のサンプルのdvを測定して検量線を作成し、この検量線を用いてラテックスのdvを求めた。
(2)トルエン不溶分
トルエン不溶分は以下の方法により測定した。
2−プロパノールを用いてポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)のラテックスからポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)を抽出した後に室温で乾燥させ、更に真空乾燥機で乾燥させて2−プロパノールを完全に除去する。
2−プロパノールが完全に除去されたポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)0.5gを精秤し、室温にてトルエン80mLに24時間浸漬し、12,000rpmにて60分間遠心分離した後にポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)を再度精秤することによりポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)中のトルエンに不溶な成分の質量分率(%)を求め、トルエン不溶分とする。
(3)グラフト率及びアセトン可溶分のMw
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体の粉体1gをアセトン50gに溶解させ、70℃で6時間還流及び抽出操作を行なって得られた分散液を、遠心分離装置((株)日立製作所製CRG SERIES(商品名))を用いて、4℃にて14,000rpmで30分間遠心分離した。
次いで、遠心分離後の分散液の液体部分をデカンテーションにより取り除き、固形分を単離して真空乾燥機にて50℃で24時間乾燥させた後に固形分の質量を測定した。グラフト率(%)は以下の式にて算出した。
グラフト率(%)={(乾燥後セル質量(g)−セル質量(g))/(サンプル質量(g))}×100
次いで、上記分散液の遠心分離後の、液体部分中のポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体のアセトン可溶分のMwをゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。
尚、GPCの測定条件は下記の通りであり、標準ポリスチレンによる検量線からMwを求めた。
装置 :HLC8220(東ソー(株)製、商品名)
カラム:TSKgel SuperHZM−M(東ソー(株)製、商品名)
(内径4.6mm×長さ15cm×4本、排除限界4×10
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
溶離液流量:0.35mL/分
測定温度 :40℃
試料注入量:10μL(試料濃度0.1%)
(4)耐衝撃性
ASTM D−256に準じて、ノッチ付き4mm厚の試験片を用いた23℃及び−30℃でのシャルピー衝撃試験を実施して、シャルピー衝撃強度を測定し、耐衝撃性を評価した。
(5)難燃性
1/16インチの燃焼棒を用い、UL94V試験により総燃焼時間を測定して難燃性のレベルを判定し、難燃性を評価した。
(6)流動性
JIS K7210に準拠して賦型して得られたペレットのメルトフローレート(MFR)を、測定温度260℃及び荷重2.16kgfの条件で測定し、流動性を評価した。
[製造例1]ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−1)ラテックスの製造
下記原料をホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合ラテックスを得た。
原料;
ジメチルシロキサン(d1−α):「TSF404」 96部
シロキサン(d1−β) :「KBM502」 2部
シロキサン系架橋剤(d1−γ):「AY43−101」 2部
アニオン系乳化剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
脱イオン水 150部
次いで、冷却管を備えたセパラブルフラスコに予備混合ラテックス250部を投入し、硫酸0.20部と脱イオン水49.8部との混合物を3分間に亘り滴下し、予備混合ラテックス混合液を得た。
その後、予備混合ラテックス混合液を80℃で7時間保持して重合を完了させた後に得られた反応液を冷却した。
次いで、得られた反応液を室温で6時間保持した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和してポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−1)ラテックスを得た。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−1)ラテックスを180℃で30分間乾燥して固形分を求めた(以下、固形分の測定方法は同様の方法を用いた。)。
固形分は29.8%であった。また、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−1)のdvは420nmであり、トルエン不溶分は87%であった。得られた結果を表1に示す。
表中の略号は以下の化合物を示す。
POSi系ゴム:ポリオルガノシロキサン系ゴム
TSF404:オクタメチルシクロテトラシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(株)製、商品名)
YF393 :オクタメチルシクロテトラシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(株)製、商品名)
KBM502:γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン(信越化学(株)製、商品名)
AY43−101:テトラエトキシシラン(東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製、商品名)
DBS−Na:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
DBS−H :ドデシルベンゼンスルホン酸
[製造例2]ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−2)ラテックスの製造
表1に示す原料をホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合ラテックスを得た。
冷却管を備えたセパラブルフラスコに予備混合ラテックス300部を投入し、80℃で7時間保持して重合を完了させた後に得られた反応液を冷却した。次いで、得られた反応液を室温で6時間保持した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和してポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−2)ラテックスを得た。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−2)ラテックスの固形分は29.3%であった。ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−2)のdv及びトルエン不溶分を表1に示す。
[製造例3]ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−3)ラテックスの製造
表1に示す原料をホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、安定な予備混合ラテックスを得た。
冷却管を備えたセパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸10部と脱イオン水90部とを投入し、10%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。
85℃に加熱した10%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液中に予備混合ラテックス300部を2時間に亘って滴下し、滴下終了後85℃で3時間保持した後に得られた反応液を冷却した。
次いで得られた反応液を室温で6時間保持した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和してポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−3)ラテックスを得た。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−3)ラテックスの固形分は17.7%であった。ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−3)のdv及びトルエン不溶分を表1に示す。
[製造例4及び5]ポリオルガノシロキサン系ゴム((d1−4)及び(d1−5))ラテックスの製造
表1に示す原料を用いること以外は製造例1と同様にして、ポリオルガノシロキサン系ゴム((d1−4)及び(d1−5))ラテックスを得た。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−4)ラテックスの固形分は29.1%であり、ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−5)ラテックスの固形分は29.4%であった。ポリオルガノシロキサン系ゴム((d1−4)及び(d1−5))のdv及びトルエン不溶分を表1に示す。
[実施例1]
(ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D−1)粉体の製造)
下記の第1原料をセパラブルフラスコに投入し、フラスコ内に窒素気流を通じて窒素置換を行ない、攪拌しながら昇温させた。液温が50℃に達した時点で下記の還元剤水溶液を投入して一段目の重合を開始し、液温を70℃に昇温後1時間保持し、アリルメタクリレートの重合を完結させた。
第1原料;
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−4)ラテックス 275部
(ポリマー換算で80部)
多官能ビニル単量体(d2):アリルメタクリレート 5部
重合開始剤:t−ブチルハイドロパーオキサイド 2.2部
脱イオン水 200部
還元剤水溶液;
硫酸第一鉄 0.001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部
ロンガリット 0.24部
脱イオン水 10部
次いで、下記の第2原料を上記の反応液中に10分間に亘って滴下し、液温を70℃以上に1時間保持して二段目の重合を行なった。その後冷却して、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D−1)ラテックスを得た。
第2原料;
ビニル単量体(d3−1):メチルメタクリレート 13部
ブチルアクリレート 2部
重合開始剤:tブチルハイドロパーオキサイド 2.2部
攪拌しながら、60℃に加熱した5%濃度の酢酸カルシウム水溶液500部中にポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D−1)ラテックスを添加して凝固させ、分離、水洗した後に乾燥して、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D−1)粉体を得た。
(難燃性樹脂組成物の製造)
30mmφ二軸押出機((株)池貝製、PCM−30(商品名))を用い、260℃で下記の配合成分を溶融混練した後に賦型してペレットを得た。
このペレットの流動性を評価したところ、MFRは17g/10分であった。次いで、100t射出成形機(住友重機械工業(株)製、SE−100DU(商品名))を用いて260℃の条件で、ペレットの成形品としてシャルピー衝撃試験片及び燃焼試験片を得た。得られた成形試験片の耐衝撃性及び難燃性の評価結果を表2に示す。
配合成分;
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D−1)粉体 5部
PC樹脂(A):「ユーピロンS2000F」 70部
共重合体(B):「AP−20」 20部
ゴム含有共重合体(C):「R−50」 10部
リン系難燃剤(E):「TPP」 15部
滴下防止剤(F):「メタブレンA−3800」 1部
フェノール系酸化防止剤:「イルガノックス245」 0.3部
リン系酸化防止剤:「アデカスタブPEP36」 0.3部
[実施例2〜16、比較例1〜6、12〜14]
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体((D−1)〜(D−8)及び(D’−1))粉体の種類並びに難燃性樹脂組成物の組成及び配合量を、表2及び表3に示すものとした。それ以外は実施例1と同様にして、評価を行なった。評価結果を表2及び表3に示す。
表中の略号は以下の化合物を示す。
PC:「ユーロピンS2000F」(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ビスフェノールAタイプポリカーボネート、商品名、粘度平均分子量;約22,000)
AS:「AP−20」(UMG−ABS(株)製AS樹脂、ηsp/c;0.61、商品名)
ABS:「R−50」(UMG−ABS(株)製ABS樹脂、ゴム含有量45%、商品名)
AMA:アリルメタクリレート
MMA:メチルメタクリリレート
BA :ブチルアクリレート
AN :アクリロニトリル
St :スチレン
TPP:トリフェニルフォスフェート(大八化学(株)製、商品名)
CR733S:1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)(大八化学(株)製、商品名)
CR741:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(大八化学(株)製、商品名)
PX200:1,3−フェニレンビス(ジ2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学(株)製、商品名)
A3800:「メタブレンA−3800」(三菱レイヨン(株)製変性PTFE、商品名)
Irg245:「イルガノックス245」(商品名、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)
PEP36:「アデカスタブPEP36」((株)ADEKA製、商品名)
[比較例7]
(ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D’−2)粉体の製造)
下記の第1原料をセパラブルフラスコに投入し、フラスコ内に窒素気流を通じて窒素置換を行ない、攪拌しながら昇温させた。液温が50℃に達した時点で下記の還元剤水溶液を投入して一段目の重合を開始し、液温を70℃に昇温後1時間保持し、ブチルアクリレート及びアリルメタクリレートの重合を完結させた。
第1原料;
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1−2)ラテックス 34.1部
(ポリマー換算で10部)
多官能ビニル単量体(d2):アリルメタクリレート 0.1部
ビニル単量体(d3−1) :ブチルアクリレート 79.9部
重合開始剤:t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.4部
脱イオン水 200部
還元剤水溶液;
硫酸第一鉄 0.001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部
ロンガリット 0.24部
脱イオン水 10部
次いで、下記の第2原料を上記の反応液中に10分間に亘って滴下し、液温を70℃以上に1時間保持して二段目の重合を行なった。その後冷却して、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D’−2)ラテックスを得た。
第2原料;
ビニル単量体(d3−1):メチルメタクリレート 10部
重合開始剤:t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.4部
攪拌しながら、60℃に加熱した5%濃度の酢酸カルシウム水溶液500部中にポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D’−2)ラテックスを添加して凝固させ、分離、水洗した後に乾燥して、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D’−2)粉体を得た。
(難燃性性樹脂組成物の製造)
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D’−2)粉体を使用する以外は実施例1と同様にして、評価を行なった。評価結果を表3に示す。
[比較例8〜11]
難燃性樹脂組成物の組成及び配合量を表3に示すものとした。それ以外は比較例7と同様にして、評価を行なった。評価結果を表3に示す。
表2に示すように、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を配合して得られる実施例1〜16の本発明の成形品は難燃性を維持し、且つ耐衝撃性にも優れることが確認された。
一方、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を用いていない比較例1及び2では、成形品の耐衝撃性が劣っていた。
共重合体(B)及びゴム含有共重合体(C)を用いていない比較例12及び13では、難燃性樹脂組成物の流動性が劣っていた。
共重合体(B)、ゴム含有共重合体(C)及びポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を用いていない比較例14では、難燃性樹脂組成物の流動性が劣っていた。
リン系難燃剤(E)の配合量が少ない比較例3〜5では、成形品の難燃性が劣っていた。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)の含有率が低いポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を用いた比較例6では、成形品の難燃性の低下レベルが大きかった。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)にブチルアクリレートゴムを複合させたポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)を用いた比較例7〜11では、成形品の難燃性の低下レベルが大きかった。
更に、本発明の特徴を以下に述べる。
ポリカーボネート樹脂(A)、リン系難燃剤(E)及び滴下防止剤(F)を配合した比較例14と、これにポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D−1)を5部配合した比較例12を比べると、成形品の耐衝撃性(23℃)は7kJ/m(34→41kJ/m)、耐衝撃性(−30℃)は5kJ/m(4→9kJ/m)向上することが確認された。また、燃焼時間は20→36秒となり、難燃性が低下する結果であった。
これに対して、ポリカーボネート系樹脂(A)、共重合体(B)、ゴム含有共重合体(C)、リン系難燃剤(E)及び滴下防止剤(F)を配合した比較例1と、これにポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D−1)を5部配合した実施例4を比べると、成形品の耐衝撃性(23℃)は36kJ/m(9→45kJ/m)、耐衝撃性(−30℃)は9kJ/m(2→11kJ/m)と、大幅に向上することが確認された。また、燃焼時間は188→120秒となり、難燃性も向上する結果であった。
この効果は、ポリカーボネート樹脂(A)のみをマトリクス樹脂とする比較例14/比較例12との間では確認されず、ポリカーボネート系樹脂(A)、共重合体(B)及びゴム含有共重合体(C)をマトリクス樹脂とする比較例1/実施例4の間でのみ確認された。これは、本発明の難燃性樹脂組成物でのみ確認された予想外の効果であり、本発明の特徴を示すものである。

Claims (5)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)50〜90質量%、
    芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含有する単量体混合物(b)を重合して得られる共重合体(B)5〜30質量%並びに
    ゴム質重合体の存在下で、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を重合して得られるゴム含有共重合体(C)5〜20質量%を有するゴム含有ポリカーボネート樹脂組成物100質量部に対して、
    ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)75〜93質量%の存在下、多官能ビニル単量体(d2)0.2〜10質量%を含むビニル単量体(d3)7〜25質量%を重合して得られるポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)1〜20質量部、
    リン系難燃剤(E)10〜30質量部及び
    滴下防止剤(F)0.01〜5質量部を含有する難燃性樹脂組成物。
  2. 滴下防止剤(F)がポリテトラフルオロエチレン及びポリテトラフルオロエチレンと有機系重合体との混合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. ポリオルガノシロキサン系ゴム(d1)のトルエン不溶分が50質量%以上である、請求項1又は2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(D)のアセトン可溶分の質量平均分子量が50,000以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物を成形して得られる成形品。
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