JP5576585B2 - リン酸化タンパク質免疫測定用試薬 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を利用したリン酸化タンパク質免疫測定用試薬に関する。
タンパク質の翻訳後修飾として、リン酸化、糖鎖付加、脂質付加などが知られ、これらの修飾によって、タンパク質の機能、細胞内での局在、細胞外への分泌などが制御されている。タンパク質の翻訳後修飾反応の中で、最も代表的なものがタンパク質のリン酸化である。リン酸化は細胞***や細胞内のシグナル伝達、酵素の活性調節、高次構造の維持など様々な生命現象に関係することが明らかとなっている。タンパク質の可逆的リン酸化は、細胞内外間のシグナル伝達において重要な役割を果たし、細胞シグナル伝達経路に関わる多くのタンパク質は、キナーゼによってリン酸化され、ホスファターゼによって脱リン酸化される。また、多くの疾病が特定タンパク質の異常なリン酸化/脱リン酸化と関連していることが証明されている。従って、タンパク質のリン酸化状態における異常を迅速かつ正確に検出することは、細胞内または細胞間のシグナル伝達事象を理解するのに大いに役立ち、様々な疾病状態を効果的に診断できる方法の開発にも寄与すると考えられる。
リン酸化タンパク質の分析は、従来から32P標識や、抗リン酸化チロシン抗体を利用するELISA法やウェスタンブロット法によって行われてきた。しかしながら、リン酸化タンパク質は微量でしかも不安定なため、その定量は非常に困難であり、また、これらの免疫化学的方法では、抗体の結合及びその後の洗浄などの煩雑な作業が必要である。
一方、「蛍光エネルギー転移」(FRET:Fluorescence resonance energy transfer)という現象を用いてタンパク間相互作用や構造変化を解析する技術がある。FRETは、2種類の蛍光物質(ドナーとアクセプター)間に見られる現象であり、ドナーの蛍光スペクトルとアクセプターの吸収スペクトルがオーバーラップし、かつ、両者が100オングストローム程度以内の距離に存在していると、ドナー色素の励起エネルギーがアクセプターに移動し、直接は励起していないアクセプター色素の方から蛍光が発せられる現象をいう(非特許文献1参照)。これまでFRETを免疫化学的方法に利用した測定系について種々の検討が行われている。例えば、免疫測定に用いる抗体と、測定対象である抗原のそれぞれに、互いにFRETを起こす蛍光物質を結合させて共存させたものを免疫測定用試薬として用い、被験物質を測定する手法が報告されている(特許文献1参照)。この方法では、前記免疫試薬を構成する抗体と抗原の間に抗原抗体反応による結合が生じている状態では、それぞれに結合した蛍光物質間でFRETが生じ、一方、該抗原と競合する物質(被験物質)が存在する状態では、前記抗体と被験物質との間で抗原抗体反応が生じることによってFRETが減少するので、そのFRETシグナルの変化を指標に被験物質の有無や量を分析することができる。しかしながら、この方法では、例えば、被験物質が微量である場合、免疫測定用試薬と被験物質を接触する前後において、FRETシグナルの変化が小さく、精度よく検出できない。また、FRETを起こすドナー発色団とアクセプター発色団との間に、リン酸化される部位を有する基質ドメインとリン酸化認識ドメインがリンカー配列を介して結合している直列融合ユニットからなるプローブを用いて、タンパク質のリン酸化・脱リン酸化を検出する方法が提案されているが(特許文献2)、この方法は細胞内のリン酸化酵素の活性をモニタリングしているだけであって、細胞内に内在するするリン酸化タンパク質を検出するものではない。
特開2007-40834号 WO2002/077623 Stryer L., Annu Rev Biochem 47, 819-846, 1978
本発明の目的は、FRETを利用した測定系において、測定対象となるリン酸化タンパク質が微量であっても、大きなFRETシグナル変化を生じ、リン酸化タンパク質を迅速かつ高感度に検出できる手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、FRETを生じさせる2種の蛍光物質(ドナー蛍光タンパク質とアクセタプター蛍光タンパク質)のそれぞれにロイシンジッパーモチーフを付加すると、それらのロイシンジッパー相互作用によってFRETがオン状態におけるFRETシグナルが増強され、その結果、競合反応によりFRETがオフ状態になったときに大きなFRETシグナルの変化が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1) ドナー蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフをリン酸化ペプチドにフレキシブルリンカーを介して結合させた第1複合体と、アクセプター蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフを抗リン酸化タンパク質抗体にフレキシブルリンカーを介して結合させた第2複合体とから構成される、リン酸化タンパク質免疫測定用試薬。
(2) アクセプター蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフをリン酸化ペプチドにフレキシブルリンカーを介して結合させた第1複合体と、ドナー蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフを抗リン酸化タンパク質抗体にフレキシブルリンカーを介して結合させた第2複合体とから構成される、リン酸化タンパク質免疫測定用試薬。
(3) 前記リン酸化ペプチドが、測定対象のリン酸化タンパク質のリン酸化モチーフを含むものである、(1)または(2)に記載のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬。
(4) 前記抗リン酸化タンパク質抗体が、測定対象のリン酸化タンパク質のリン酸化モチーフを特異的に認識するものである、(1)または(2)に記載のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬。
(5) 前記ドナー蛍光タンパク質とアクセタプター蛍光タンパク質との間に、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET: Fluorescence resonance energy transfer)が生じる、(1)〜(4)のいずれかに記載のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬。
(6) 前記リン酸化タンパク質がMAPキナーゼであって、リン酸化ペプチドがDHTGFL(pT)E(pY)であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬。
(7) 前記リン酸化タンパク質がMAPキナーゼであって、リン酸化ペプチドがDHTGFL(pT)E(pY)Vであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬。
(8) (1)〜(7)のいずれかに記載のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬を試料と接触させ、接触前後のFRETシグナルの変化を指標として、当該試料中のリン酸化タンパク質を測定する方法。
本発明のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬は、試料中の微量なリン酸化タンパク質を、FRETの原理に基づいて迅速かつ高感度に測定できる。MAPキナーゼ(MAPK)をはじめとするリン酸化タンパク質は、様々な転写因子を活性化することにより細胞内の情報伝達に重要な役割を果たし、細胞の増殖・分化にも関わっている。また、タンパク質のリン酸化の異常は、ガン、糖尿病、免疫疾患などに関わっていることが知られており、組織・細胞中のリン酸化タンパク質を解析することは、上記の疾病状態を効果的に診断する上でも役立つ。従って、本発明のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬は、細胞内外間のシグナル伝達機構に関する基礎研究のみならず、様々な疾患に対する診断・創薬などの臨床応用に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.リン酸化タンパク質免疫測定用試薬
本発明のリン酸化タンパク質免疫測定用試薬(以下、「免疫測定用試薬」という)は、ドナー蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフをリン酸化ペプチドにフレキシブルリンカーを介して結合させた第1複合体と、アクセプター蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフを抗リン酸化タンパク質抗体にフレキシブルリンカーを介して結合させた第2複合体とから構成される。
また、本発明の免疫測定用試薬は、上記の第1複合体のドナー蛍光タンパク質と第2複合体中のアクセプター蛍光タンパク質を入れ換えてもよく、従って、本発明の別の態様の免疫測定用試薬は、アクセプター蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフをリン酸化ペプチドにフレキシブルリンカーを介して結合させた第1複合体と、ドナー蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフを抗リン酸化タンパク質抗体にフレキシブルリンカーを介して結合させた第2複合体とから構成される。
本発明において、測定対象とするリン酸化タンパク質の種類は、特に限定はされないが、セリン/スレオニンキナーゼの代表であるMAPキナーゼ系(MAPキナーゼカスケード)のMEK(MAPキナーゼ・キナーゼ)、MAPK(MAPキナーゼ)、extracellular signal-regulated kinases (ERK 1/2)、c-Jun N-terminal Kinases (JNK1-3)、p38(α/β/δ/γ)、RSK、Elk-1、MNKなど、あるいは、チロシンキナーゼの代表であるレセプターチロシンキナーゼのEGFレセプターファミリー(erbB1、 erbB2、 erbB3、 erbB4)、STATファミリー(STAT1,STAT3,STAT5)などが挙げられる。
本発明の免疫測定用試薬を構成する第1複合体(または第2複合体)におけるドナー蛍光タンパク質と第2複合体(または第1複合体)におけるアクセプター蛍光タンパク質は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET: Fluorescence resonance energy transfer)が起こるものであれば特に限定はされない。ここで、FRETは、励起波長が異なる2つの蛍光色素(ドナー及びアクセプター)間で励起エネルギーが移動する現象をいう。ドナーの励起波長の光を照射した場合、ドナーとアクセプターが近距離にあるときはFRETが起こり、ドナーの蛍光は減少してアクセプターの蛍光が増大するが、両者が離れるとFRETが起こらなくなり、ドナーの蛍光が増大してアクセプターの蛍光が減少する。ここで、FRETにおける「ドナー」とは、励起光を吸収しそのエネルギーの一部分は蛍光として発光し、他の一部分は近接するアクセプターに移動する蛍光物質をいい、FRETにおける「アクセプター」とは、直接励起光を受けなくても、ドナーからのエネルギーを吸収し蛍光を発する蛍光物質をいう。本発明においては、蛍光物質として、蛍光タンパク質を用いるが、蛍光強度を増強させることなどを目的として遺伝子工学的手法により改変された蛍光タンパク質であってもよい。好ましいドナー蛍光タンパク質とアクセプター蛍光タンパク質の組み合わせとしては、例えば、CFP(Cyan fluorescent protein)とYFP(yellow fluorescent proteinのペア、GFP(green fluorescent protein)とRFP(red fluorescent protein)のペアが挙げられる。
CFP、YFP、GFP、RFP、またはこれらの改変体は市販品から自由に入手できる。CFPとしてはECFP、YFPとしてはEYFP、Phi-Yellow、GFPとしてはEGFP、Cop-Green、RFPとしてはDsRed2、HcRed1、HcRed-Tandemなどが挙げられる。
上記の第1複合体(または第2複合体)中のドナー蛍光タンパク質と第2複合体(または第1複合体)中のアクセプター蛍光タンパク質にそれぞれ結合させるロイシンジッパーモチーフとしては、互いに相補的な関係にあって、結合しうるロイシンジッパーモチーフであれば特に制限はされないが、Jun-LzipとJun-Lzip同士の組み合わせが好適に使用できる。
また、第1複合体、第2複合体中のフレキシブルリンカーは、第1複合体中のリン酸化ペプチドと第2複合体中の抗リン酸化抗体とが抗原抗体反応により結合した際にFRETが起きるように、蛍光タンパク質の位置を適宜調節し、また、各複合体に十分な柔軟性を付与するものである。フレキシブルリンカーは、通常、5〜20アミノ酸残基のポリペプチドが好ましく、15〜20アミノ酸残基のポリペプチドがさらに好ましい。
第1複合体を調製する場合は、まず、フレキシブルリンカー、ドナー蛍光タンパク質(またはアクセプター蛍光タンパク質)、ロイシンジッパーの融合タンパク質を調製し、この融合タンパク質にリン酸化ペプチドを結合させればよい。融合タンパク質とリン酸化ペプチドとの結合は、融合タンパク質中のS-S結合を還元してなるチオール基と反応しうるマレイミド基を結合させることによる両者のカップリング反応によって行うことができる。
第2複合体を調製する場合も同様に、まず、フレキシブルリンカー、アクセプター蛍光タンパク質(またはドナー蛍光タンパク質)、ロイシンジッパーの融合タンパク質を調製し、この融合タンパク質に前記リン酸化ペプチドに結合しうる抗リン酸化タンパク質抗体を結合させればよい。融合タンパク質と抗リン酸化タンパク質抗体との結合は、融合タンパク質中のS-S結合を還元してなるチオール基と反応しうるマレイミド基を結合させることによる両者のカップリング反応によって行うことができる。
融合タンパク質とリン酸化ペプチド(または抗リン酸化タンパク質抗体)とのカップリング反応は、上記のようなマレイミド法のほか、抗体とプロテインG、プロテインAなどの相互作用、ビオチン・アビジン相互作用などの結合反応を利用して行ってもよい。
融合タンパク質の調製は、例えば、リン酸化ペプチド(または抗リン酸化タンパク質抗体)とのカップリング反応をマレイミド法で行う場合、チオレドキシン、フレキシブルリンカー、蛍光タンパク質、ロイシンジッパーそれぞれのDNAフレームが一致するように連結してこれを発現ベクターに導入し、この発現ベクターで大腸菌等の適当な宿主を形質転換し、得られた形質転換体を培養し、その培養物から目的とする融合タンパク質を採取することにより行うことができる。培養後、融合タンパク質が菌体内又は細胞内に生産される場合には、菌体又は細胞を破砕することにより該タンパク質を抽出する。また、融合タンパク質が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から融合タンパク質を単離精製することができる。
第1複合体中のリン酸化ペプチドは、対応する第2複合体中の抗リン酸化タンパク質抗体への抗原抗体反応による結合性を保持したものであれば特に限定はされず、該抗体の産生を誘起する免疫原として用いることができる抗原分子そのもの、抗原決定基を保持した抗原断片、及び免疫原性を有しないハプテンを包含する。また、当該リン酸化ペプチドは必ずしも抗リン酸化タンパク質抗体の産生を誘起する免疫原やその断片に限定されるものではなく、当該抗体と交差反応するものであってもよい。このようなリン酸化ペプチドとしては、測定対象とするリン酸化タンパク質のリン酸化モチーフを含むものであれば特に限定はされず、測定対象とするリン酸化タンパク質の種類に応じて適宜設計できる。例えば、リン酸化モチーフ部分を含んでアミノ酸数が3〜15個のアミノ酸配列からなるものが好ましい。また、第1複合体中のリン酸化ペプチドは、被検物質と同一の物質であってもよいし、対応する抗リン酸化タンパク質抗体と抗原抗体反応するもの(すなわち、同一又は類似のエピトープを有するもの)であれば被検物質と異なる物質であってもよい。
第2複合体中の抗リン酸化タンパク質抗体は、第1複合体中のリン酸化ペプチドのリン酸化モチーフを特異的に認識し、当該ペプチドと抗原抗体反応による結合性を保持するものであればいかなるものでもよく、必ずしも該抗原を免疫原として得られる抗体に限定されない。また、当該抗体には、Fab、Fab'、F(ab')2、scFvなどの抗原結合性断片も含まれる。なお、本発明の免疫測定用試薬は、試料中の被検物質を競合法により免疫測定を行うものであるから、用いる抗体は、被検物質とも抗原抗体反応するものである。
2.リン酸化タンパク質の測定
本発明の免疫測定用試薬を用いてリン酸化タンパク質を測定する原理を、リン酸化MAPKを例として図1に基づいて説明する。
本発明の免疫測定用試薬は、競合物質(リン酸化MAPK)が存在しない状態では、第1複合体中のリン酸化ペプチド(DHTGFL(pT)E(pY)またはDHTGFL(pT)E(pY)V)と、第2複合体中の抗リン酸化タンパク質抗体(抗MAPK抗体)との間に抗原抗体反応による結合が生じ、かつ、ドナー蛍光タンパク質とアクセプター蛍光タンパク質にそれぞれに付加しているロイシンジッパーモチーフの相互作用が働いている(図1の左図)。この状態では、ドナー蛍光タンパク質の励起波長を照射すると、ドナー蛍光タンパク質とアクセプター蛍光タンパク質の間が近接しているため蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)が生じ(FRETオン)、アクセプター蛍光タンパク質の蛍光が観察される。この反応系に、競合物質(リン酸化MAPK)が存在すると、その競合物質は第1複合体のリン酸化ペプチドと競合的に第2複合体の抗体部位に結合する(図1の右図)。そのため、被検試料中の競合物質の量に応じて第1複合体と第2複合体の抗原抗体反応が解消され、その結果、FRETが解消し(FRETオフ)、アクセプターの蛍光は減少してドナーの蛍光が増大する。従って、本発明の免疫測定用試薬を試料と接触させた際に、FRETシグナルの変化を観察することにより、試料中の被検物質(すなわち、測定対象とするリン酸化タンパク質)の有無やその存在量を測定することができる。なお、「測定」には検出と定量の両者が包含される。
本発明の免疫測定用試薬を用いた測定は、該免疫測定用試薬を試料と接触させた後、ドナー蛍光タンパク質の励起波長の光を照射し、それにより生じる蛍光の波長を測定することにより行う。免疫測定用試薬と試料との接触時間は、特に限定されないが、通常、
0分〜60分程度が例示できる。また、使用する試薬の濃度は、予想される被検物質濃度等に応じて適宜設定することができるが、通常、1nM〜10μM程度である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) 免疫測定用試薬の調製
(1) 蛍光融合タンパク質発現ベクターの作製
N末端から、チオレドキシン(Trx)、フレキシブルリンカー(FL4)、蛍光タンパク質(ECFPまたはEYFP)、ロイシンジッパー(LzipJun)からなる融合タンパク質の発現ベクターは、既報(Analytical Chemistry 2002年74号p5786-5792)に記載の抗ヒトアルブミン抗体-蛍光タンパク質-ロイシンジッパー融合タンパク質発現ベクターから抗体遺伝子を除去することにより作製した。
具体的には、発現ベクターpET32からなるpET32/Trx-ScFv(No.13)-FL4-EYFP-Lzip(Jun)およびpET32/Trx-ScFv(No.11)-FL4-ECFP-Lzip(Jun)を制限酵素EcoRV(TAKARA)およびHindIII(TAKARA)で処理し、1%アガロースゲル電気泳動にかけ、抗アルブミン抗体ScFv断片以外のベクター部分を切り出し精製した。なお、上記FL4は、フレキシブルリンカー(GGGGS)4を示す。次に、チオレドキシン、フレキシブルリンカー、蛍光タンパク質、ロイシンジッパーが正確に翻訳されるようにHind IIIリンカー(TAKARA)を導入し、ライゲーションすることによって2種類の発現ベクター、発現ベクターA:pET32/Trx-FL4-ECFP-Lzip(Jun)および発現ベクターB:pET32/Trx-FL4-EYFP-Lzip(Jun)を構築した。
(2) 蛍光融合タンパク質Trx-FL4-ECFP-Lzip(Jun)およびTrx-FL4-EYFP-Lzip(Jun)の発現及び精製
(1)にて作製した発現ベクターAおよび発現ベクターBを用いて、大腸菌Origami(DE3)(Novagen社)の形質転換を行った。形質転換した大腸菌を5ml LB(50μg/mlアンピシリン、15μg/mlカナマイシン、12.5μg/mlテトラサイクリン)培地にて30℃で一晩振とう培養した。翌日、培養細胞を1.5l LB培地に植え継ぎ、30℃で培養を続けた。培養液の濁度がO.D.600が約0.5に達したところ(約6時間培養)で、0.1M IPTGを1.5ml添加し、温度を16℃に下げ、一晩培養を続けた。翌日、遠心分離により菌体を回収し、菌体破砕液(50mM NaH2PO4-NaOH、300mM NaCl、10mM imidazole, pH8.0)を各サンプルに40ml加え、菌体を縣濁させた。その後、この菌体液を遮光した状態で-80℃と室温に交互に置き、凍結融解を2回おこなった。凍結融解後のサンプルは、超音波処理により菌体を破砕し、破砕後のサンプルを遠心分離することにより菌体破砕上清を回収した。
目的タンパク質は、Hisタグ精製および陰イオン交換カラム精製により回収した。ニッケル-NTAアガロースカラム(キアゲン)2mlに菌体破砕上清を10ml添加した。次に、カラムを40mlの洗浄液(50mM NaH2PO4-NaOH、300mM NaCl、20mM imidazole、pH8.0)にて洗浄し、5mlの溶出液(50mM NaH2PO4-NaOH、300mM NaCl、250mM imidazole、pH8.0)を添加することにより目的タンパク質を溶出させた。回収したサンプルは、陰イオン交換カラムの吸着液(20mM Tris-HCl、pH8.0)に対して一晩透析した。翌日、サンプルをMonoQカラム(ファルマシア)に吸着させ、洗浄液(20mM Tris-HCl、pH8.0)をカラムのベッドボリュームの20倍量流した後、NaClの濃度勾配によりカラムに吸着したサンプルを溶出させた。回収した各フラクションの蛍光活性を測定し、十分な蛍光活性を有するフラクションを集め、目的タンパク質溶液とした。さらに、このタンパク質溶液をリン酸緩衝液に対して透析した。透析後のサンプルは使用するまで-80℃で保存した。
(3) 抗リン酸化MAPK抗体-蛍光融合タンパク質複合体の作製
抗リン酸化MAPK抗体IgG(Sigma)3mgを1.5mlの酢酸ナトリウム緩衝液に溶解後、60μgのペプシン(Sigma)を添加し、37℃で16時間ペプシン消化した。ペプシン消化したサンプルは1N NaOHで直ちに中和し、Superdex200(16/60)カラムでF(ab')2断片を精製した。精製したF(ab')2溶液に20mMの2-メルカプトエタノール(2ME)を添加し、37℃、1.5時間処理することにより、Fab'を調製した。さらに、Sephadex-G25カラムで2MEを除去した後に、1,11-maleimidotetraethyleneglycol(BM(PEO)4)(ピアス)をFab'の100倍量(モル比)添加し、30℃で1時間保温した。反応溶液をSephadex-G25カラムで精製し、未反応の1,11-bismaleimidotetraethyleneglycolを除去することによりマレイミド-Fab'を調製した。
一方、上記(2)で調製したTrx-FL4-EYFP-Lzip(Jun)タンパク質溶液に20mMのdithiothreitol(DTT)を添加し、室温で一晩処理後、Sephadex-G25カラムにより還元Trx-FL4-EYFP-Lzip (Jun)タンパク質を精製した。次に、上記マレイミド-Fab'溶液と還元Trx-FL4-EYFP-Lzip(Jun)タンパク質溶液を等量(モル比)混合し、30℃で1時間保温することにより、抗リン酸化MAPK抗体-蛍光融合タンパク質複合体を作製した。さらに、カップリングしたサンプルに、蛍光タンパク質の5倍量(モル比)のN-ethylmaleimide(NEM)を添加することにより、カップリング反応を停止した。反応後のサンプルは、Superdex200(16/60)カラムを用いて、未反応のマレイミド-Fab'、Trx-FL4-EYFP-Lzip(Jun)、NEMを除去し、抗リン酸化MAPK抗体-蛍光融合タンパク質複合体を精製した。
(4)リン酸化MAPKペプチド-蛍光融合タンパク質複合体の作製
リン酸化MAPKペプチドとして、N末端に標識用のマレイミド基を導入したペプチド3種(マレイミド-DHTGFL(pT)E(pY)VA、マレイミド-DHTGFL(pT)E(pY)V、マレイミド-DHTGFL(pT)E(pY))を化学合成し、カップリング反応用のリン酸緩衝液に溶解した。一方、上記(2)で調製したTrx-FL4-ECFP-Lzip(Jun)タンパク質溶液に20mMのDTTを添加し、室温で一晩処理後、Sephadex-G25カラムにより還元Trx-FL4-ECFP-Lzip(Jun)を精製した。次に、大過剰のマレイミド-リン酸化MAPKペプチド溶液と還元Trx-FL4-ECFP-Lzip(Jun)タンパク質溶液を混合し、30℃で1時間保温することにより、リン酸化MAPKペプチド-蛍光融合タンパク質複合体を作製した。さらに、カップリングしたサンプルに、蛍光タンパク質の5倍量(モル比)のN-ethylmaleimide(NEM)を添加することにより、カップリング反応を停止した。反応後のサンプルは、Superdex200(16/60)カラムを用いて、未反応のマレイミド-ペプチド、NEMを除去し、リン酸化MAPKペプチド-蛍光融合タンパク質複合体を精製した。
(実施例2) 最適なリン酸化MAPKペプチドの選択
実施例1(3)および(4)で作製した抗リン酸化MAPK抗体-蛍光融合タンパク質複合体と3種のリン酸化MAPKペプチド-蛍光融合タンパク質複合体を40nMになるように、アッセイ用緩衝液(50mM Tris-HCl、50mM NaCl、0.1%ウシ血清アルブミン、pH8.0)に溶解し、37℃で10分間反応させた。次に、混合液を蛍光光度計のセルに注入し、ここにリン酸化MAPKペプチドDHTGFL(pT)E(pY)VATを終濃度で40nMになるように添加し、添加10分後の蛍光スペクトル変化を測定した。蛍光スペクトル測定は蛍光光度計Shimadzu RF-5300PC(島津)を用い、433nmで励起し、450〜600nmの蛍光スペクトルを測定した(室温)。その結果、DHTGFL(pT)E(pY)VAペプチド-蛍光融合タンパク質複合体(図2)では、リン酸化ペプチド添加による大きなFRETシグナル変化は確認できなかったが、DHTGFL(pT)E(pY)Vペプチド-蛍光融合タンパク質複合体(図3)およびDHTGFL(pT)E(pY)ペプチド-蛍光融合タンパク質複合体(図4)では、競合反応に伴う迅速なFRETシグナル変化が確認された。以上の結果から、リン酸化MAPKペプチドとしてDHTGFL(pT)E(pY)VペプチドまたはDHTGFL(pT)E(pY)ペプチドを用いることにより迅速なリン酸化MAPKペプチドの検出が可能であることが示された。
(実施例3)In vitroにおけるリン酸化MAPKタンパク質の検出
実施例1(3)および(4)で作製した抗リン酸化MAPK抗体-蛍光タンパク質複合体とDHTGFL(pT)E(pY)ペプチド-蛍光融合タンパク質複合体を40nMになるように、アッセイ用緩衝液(50mM Tris-HCl、50mM NaCl、0.1%ウシ血清アルブミン、pH8.0)に溶解し、37℃で10分間反応させた。次に、混合液を蛍光光度計のセルに注入し、ここにグルタチオンSトランスフェラーゼ融合リン酸化MAPK(GST-pERK2:Upstate)を終濃度で360nMになるように添加し、添加直後から60分間の蛍光スペクトルを測定した。蛍光スペクトル測定は蛍光光度計Shimadzu RF-5300PC(島津)を用い、433nmで励起し、450〜600nmの蛍光スペクトルを測定した(37℃)。
その結果、抗原であるGST-pERK2を添加した直後から、アクセプターであるEYFPの蛍光強度(525nm)が減少する蛍光スペクトル変化が観察された。ドナーであるECFPの蛍光強度(475nm)とアクセプターであるEYFPの蛍光強度(525nm)の比(Fluorescence ratio I(475nm)/(525nm))をFRETの指標とし、その経時変化を測定すると、競合反応に伴うFRET ratioは約10分程度で大きく変化し、迅速な抗原検出が可能であることが確認された(図5)。
(実施例4)生細胞内におけるリン酸化MAPKタンパク質の検出
観察用のHela細胞は、10%のウシ血清を含むDMEM培地にて、37℃、5% 二酸化炭素濃度の培養条件下で培養し、アッセイ前日から無血清のDMEM培地にて培養した。実施例1(3)および(4)で作製した抗リン酸化MAPK抗体-蛍光融合タンパク質複合体とDHTGFL(pT)E(pY)ペプチド-蛍光融合タンパク質複合体を4μMになるように混合し、15,000rpm、15分間遠心分離した。遠心分離後、回収した上清をインジェクションニードルに分注し、ニードルをマイクロインジェクション装置に設置した。次に、蛍光顕微鏡IX81(オリンパス)の観察ステージにHela細胞をセットし、マイクロインジェクション(エッペンドルフ)により、蛍光プローブ(上記抗リン酸化MAPK抗体-蛍光融合タンパク質複合体とDHTGFL(pT)E(pY)ペプチド-蛍光融合タンパク質複合体)を生細胞内に導入した。
導入後、終濃度100ng/mlのEGF (Epidermal Ggrowth Factor)を添加し、添加後30分間のFRET現象を30秒間隔のコマ撮り撮影した。FRET ratioの変化は、解析ソフトMetaFluor(モレキュラーデバイス)により解析した。その結果、EGF添加後、約30分で顕著なFRET ratioの変化が確認された(図6)。この結果から、本測定系によれば、EGF添加によって起こる、EGFRのリン酸化、ひいては、EGFRのシグナル伝達系の下流メディエーターである細胞内MAPKのリン酸化の検出をFRET ratioの変化によって検出できるといえる。
本発明の免疫測定用試薬を用いたリン酸化タンパク質の測定の原理図を示す。 DHTGFL(pT)E(pY)VAペプチド-蛍光融合タンパク質複合体を使用した場合の蛍光スペクトルを示す。 DHTGFL(pT)E(pY)Vペプチド-蛍光融合タンパク質複合体を使用した場合の蛍光スペクトルを示す。 DHTGFL(pT)E(pY)ペプチド-蛍光融合タンパク質複合体を使用した場合の蛍光スペクトルを示す。 リン酸化MAPKタンパク質添加によるFRET ratioの経時的変化を示す。 細胞内におけるMAPKリン酸化によるFRET ratioの経時的変化を示す。

Claims (4)

  1. ドナー蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフをDHTGFL(pT)E(pY)またはDHTGFL(pT)E(pY)Vにフレキシブルリンカーを介して結合させた第1複合体と、アクセプター蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフを抗リン酸化MAPキナーゼ抗体にフレキシブルリンカーを介して結合させた第2複合体とから構成される、リン酸化MAPキナーゼの免疫測定用試薬。
  2. アクセプター蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフをDHTGFL(pT)E(pY)またはDHTGFL(pT)E(pY)Vにフレキシブルリンカーを介して結合させた第1複合体と、ドナー蛍光タンパク質-ロイシンジッパーモチーフを抗リン酸化MAPキナーゼ抗体にフレキシブルリンカーを介して結合させた第2複合体とから構成される、リン酸化MAPキナーゼの免疫測定用試薬。
  3. 前記ドナー蛍光タンパク質とアクセタプター蛍光タンパク質との間に、蛍光共鳴エネル
    ギー転移(FRET: Fluorescence resonance energy transfer)が生じる、請求項1または2に記載のリン酸化MAPキナーゼの免疫測定用試薬。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のリン酸化MAPキナーゼの免疫測定用試薬を試料と接触させ、接触前後のFRETシグナルの変化を指標として、当該試料中のリン酸化MAPキナーゼを測定する方法。
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