JP5574745B2 - リン酸カルシウム系水質浄化材およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、不純物として例えば重金属類やフッ化物イオン類を含有した排水などを浄化するためのリン酸カルシウム系水質浄化材およびその製造方法に関する。
従来、排水などに含まれる鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、銅(Cu)および鉄(Fe)などの重金属類やフッ化物イオン類を除去するには、ヒドロキシアパタイト(HAP)などのリン酸カルシウム化合物を含有した水質浄化材が用いられている。このようなリン酸カルシウム系水質浄化材は、HAPなどのイオン交換能を利用して排水からの有害物質除去を行うものである。
この種のリン酸カルシウム系水質浄化材としては、Ca/P(モル比)=1.4〜1.8の低結晶性ヒドロキシアパタイトの粉末または顆粒であるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−126687号公報(第3,4頁)
しかしながら、上述したようなリン酸カルシウム系水質浄化材は非常に高価であり、このようなリン酸カルシウム系水質浄化材を用いるとコストが高騰してしまう。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、廉価に製造できるリン酸カルシウム系水質浄化材およびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載されたリン酸カルシウム系水質浄化材は、コンクリートスラッジと、下水、食品工場排水、および、これら下水や排水を活性汚泥法で処理した際に発生する汚泥を脱水した余剰水の少なくともいずれかであるリン含有水溶液とを混合し、前記コンクリートスラッジに由来するカルシウムイオンおよび水酸化物イオンと、前記リン含有水溶液に由来するリン酸イオンとが反応して晶出されたリン酸カルシウムを主成分とするものである。
請求項2に記載されたリン酸カルシウム系水質浄化材の製造方法は、コンクリートスラッジと、下水、食品工場排水、および、これら下水や排水を活性汚泥法で処理した際に発生する汚泥を脱水した余剰水の少なくともいずれかであるリン含有水溶液とを混合し、前記コンクリートスラッジに含まれるCaと前記リン含有水溶液に含まれるPとの比率が、Ca/P比にて0.1以上200以下となるように調整して、前記コンクリートスラッジに由来するカルシウムイオンおよび水酸化物イオンと、前記リン含有水溶液に由来するリン酸イオンとを反応させてリン酸カルシウムを晶出させるものである。
請求項1に記載された発明によれば、コンクリートスラッジを用いており、このコンクリートスラッジに由来するカルシウムイオンおよび水酸化物イオンと、リン含有水溶液に由来するリン酸イオンとが反応して晶出されたリン酸カルシウムを主成分とするので、廉価に製造できる。
請求項2に記載された発明によれば、コンクリートスラッジと、リン含有水溶液とを混合することによりリン酸カルシウムが晶出されるので、リン酸カルシウム系水質浄化材を廉価に製造できる。
各供試材添加後のCd濃度の推移を示すグラフである。 各供試材添加後のCa濃度の推移を示すグラフである。 各供試材添加後のCd除去量の推移を示すグラフである。 各供試材添加後のCa溶出量の推移を示すグラフである。 スラッジHAP添加後のCd除去量およびCa溶出量の推移を示すグラフである。 各供試材添加後のCu濃度の推移を示すグラフである。 各供試材添加後のCa濃度の推移を示すグラフである。 各供試材添加後のCu除去量の推移を示すグラフである。 各供試材添加後のCa溶出量の推移を示すグラフである。 スラッジHAP添加後のCu除去量およびCa溶出量の推移を示すグラフである。 スラッジHAPおよびセメント粉末添加後のそれぞれのF濃度の推移を示すグラフである。 スラッジHAPおよびセメント粉末添加後のそれぞれのF除去量の推移を示すグラフである。 スラッジHAPおよびセメント粉末添加後のそれぞれの溶液のpHの推移を示すグラフである。
以下、本発明の一実施の形態の構成について詳細に説明する。
リン酸カルシウム系水質浄化材は、コンクリート系廃棄物とリン含有水溶液とを混合することにより、コンクリート系廃棄物に由来するカルシウムイオンおよび水酸化物イオンとリン含有水溶液に由来するリン酸イオンとが反応して晶出されたリン酸カルシウムとしてのヒドロキシアパタイト(HAP)を主成分とする。
コンクリート系廃棄物は、コンクリートスラッジであり、セメントに由来する水酸化カルシウム等の塩基性のカルシウム化合物を含有しているものである。コンクリートスラッジは、例えばコンクリート製品の遠心成形、コンクリートの製造、生コンクリート使用現場、コンクリート製造設備の清掃およびコンクリート輸送車両の清掃などにて発生するもので、水中にセメント粒子や骨材由来の微粒子分が懸濁したコンクリート材料の残渣である。コンクリートスラッジを用いる場合は、余剰水を除いてそのまま利用することが可能である。
また、リン含有水溶液と混合する際のコンクリート系廃棄物は、コンクリートスラッジであるため、コンクリート系廃棄物における骨材の含有量が抑制され、カルシウムイオンおよび水酸化物イオンがリン酸イオンと反応しやすくなる
リン含有水溶液は、リン酸イオンを含有しているものであり、下水および食品工場排水や、これら下水および排水を活性汚泥法で処理して汚泥としこの汚泥を脱水する際に発生する余剰水である汚泥返送水である。なお、汚泥返送水はリンがリン酸として溶け込んでおり、リン濃度が約50mgPL−1と高く、コンクリートスラッジとの反応効率が良好である。
コンクリートスラッジとリン含有水溶液とは、コンクリートスラッジに含まれるCaとリン含有水溶液に含まれるPとの比率が、Ca/P比にて0.1以上200以下となるように調整すると、カルシウムイオンおよび水酸化物イオンとリン酸イオンとが反応しやすい状態になるので好ましく、より好ましくはCa/P比が1.0以上100以下である。
なお、リン酸カルシウム系水質浄化材は、上記のように晶出されたリン酸カルシウムを主成分としていればよく、不純物などが含まれていてもよい。
次に、上記リン酸カルシウム系水質浄化材の製造方法について説明する。
リン酸カルシウム系水質浄化材を製造する際には、反応槽内に、コンクリートスラッジとリン含有水溶液とを投入し、コンクリートスラッジとリン含有水溶液とを攪拌機などにて攪拌して混合する。
コンクリートスラッジとリン含有水溶液とを混合すると、水酸化カルシウムなどの塩基性カルシウム化合物を多く含有するコンクリート中のセメント水和部分が、水溶液中にて、Ca(OH)→Ca2++2OHの反応式にて示す水酸化カルシウムの溶解反応を起こし、カルシウムイオンおよび水酸化物イオンとして作用する。
すなわち、コンクリートスラッジとリン含有水溶液とを混合するだけで、10Ca2++6PO 3−+2OH→Ca10(PO(OH)の反応式にて示すように、コンクリートスラッジに由来するカルシウムイオンおよび水酸化物イオンと、リン含有水溶液に由来するリン酸イオンとが反応してリン酸カルシウムであるヒドロキシアパタイトが晶出する。
上記反応では、コンクリートスラッジの不溶分が種結晶として作用し、このコンクリートスラッジの不溶分の表面のカルシウム分とリン含有水溶液のリン酸とが直接反応するので、コンクリートスラッジを用いることにより、ヒドロキシアパタイトを晶出させやすい。
そして、この晶出物を例えば固液分離装置や遠心分離装置などの回収手段にて回収して、リン酸カルシウム系水質浄化材が得られる。
なお、リン酸カルシウム系水質浄化材は、コンクリートスラッジとリン含有水溶液と攪拌機などにて攪拌して混合する方法には限定されず、反応槽内にて混合できればよい。
また、反応槽は特殊な構造のものである必要はなく、例えば開放型の反応槽などのように一般的に用いられるものを用いることが可能である。
次に、上記一実施の形態の効果を説明する。
リン酸カルシウム系水質浄化材は、コンクリートスラッジに由来するカルシウムイオンおよび水酸化物イオンと、リン含有水溶液に由来するリン酸イオンとが反応して晶出されたリン酸カルシウムを主成分とするので、本来廃棄されるコンクリートスラッジを用いることにより、原料費を抑えることができ、廉価に製造できる。
また、リン酸カルシウム系水質浄化材は、コンクリートスラッジとリン含有水溶液とを混合し、リン酸カルシウムを晶出させて、晶出物を回収するだけで製造できるので、特殊な設備や工程などを必要とせず容易に製造できる。
このようなリン酸カルシウム系水質浄化材によれば、リン酸カルシウムを主成分とするので、リン酸カルシウム系水質浄化材を処理対象の排水に投入するだけで、主成分であるリン酸カルシウムのイオン交換能を利用して、重金属類やフッ化物イオン類を排水から除去でき、排水を水質浄化できる。
ここで、コンクリートスラッジは、今後も廃棄量の増加が見込まれているものの、現在有効利用されることなく廃棄されるものが多く、その処理について問題視されている。そこで、リン酸カルシウム系水質浄化材の製造にコンクリートスラッジを用いることにより、コンクリートスラッジを再利用できるので、原料費を抑えてリン酸カルシウム系水質浄化材を廉価に製造できるだけでなく、廃棄物量を低減でき、環境問題対策としても有効である。
また、コンクリートスラッジを用いることにより、粉砕などの工程が必要なくコンクリートスラッジとリン含有水溶液とを攪拌して混合するだけで、リン酸カルシウム系水質浄化材を生成できるので、容易に製造できる。
また、リン含有水溶液として、下水や食品工場排水などのリン含有廃水を用いることにより、コンクリートスラッジとともに本来廃棄されるもののみからリン酸カルシウム系水質浄化材を製造できるので、より廉価に製造できるとともに、廃棄物量を低減でき、環境問題対策としても非常に有効である。
次に、本発明の実施例について説明する。
リン酸カルシウム系水質浄化材における重金属およびフッ化物イオンの水質浄化性能を確認するため、バッチ式の反応で重金属であるカドミウム(Cd)イオン、銅(Cu)イオン、およびフッ化物イオンを除去する実験を行った。
コンクリートスラッジ相当試料を用いて実施例であるリン酸カルシウム水質浄化材を生成した。
具体的には、純水100mlにセメント1gを加え、水和時間2時間で攪拌したものをコンクリートスラッジ相当試料とし、このコンクリートスラッジ相当試料にリン溶液100mlを加え、リン酸濃度がCa/P比にて1.67となるように調整し、三角形の磁気攪拌子(マグネチック・スターラ)にて400rpmで攪拌して混合した。
反応開始後1時間、4時間、24時間および72時間にて、混合した液体のサンプルを採取し、各サンプルにてCa、SiおよびPの濃度分析とpHの測定とを行い、晶出したヒドロキシアパタイトを回収し、その後乾燥させたスラッジHAPをリン酸カルシウム水質浄化材の実施例とした。
そして、このように生成したスラッジHAP、市販されているHAPを用いた比較例としての試薬HAP、比較例としての試薬炭酸カルシウム(CaCO)、および比較例としてのセメント粉末のそれぞれを供試材として用い、各供試材により重金属またはフッ化物を除去する除去試験を行った。
除去試験では、Cd濃度が5.0×10−3mol/l(562ppm)である重金属含有溶液としてのCd含有溶液、Cu濃度が5.0×10−3mol/l(317ppm)である重金属含有溶液としてのCu含有溶液、F濃度が8.2×10−4mol/l(147ppm)であるフッ化物含有溶液としてのF含有溶液を除去対象溶液として用いた。
これら各除去対象溶液100mlを三角形の攪拌子にて400rpmで攪拌しながら、粉末粒径150μm以下に粉砕した各供試材を0.2g加えて、そのまま攪拌を続けて反応させた。
そして、重金属含有溶液を用いたものは、供試材添加後の反応時間が0分、5分、10分、30分、60分および120分において、フィルタ(フィルタ径0.20μm)を用いて各液体のサンプルを2ml採取した。
また、フッ化物含有溶液を用いたものは、供試材添加後の反応時間が0分、10分、30分、および90分において、フィルタ(フィルタ径0.20μm)を用いて各液体のサンプルを3ml採取した。
採取した各サンプルを液体分析し、液中のCd、CuおよびFのいずれかの濃度および除去量と、Caの濃度および溶出量とを確認した。
また、各サンプルの固体を吸引ろ過により固液分離し乾燥させ、XRDにて分析した。
除去対象溶液であるCd含有溶液について、各供試材添加後のCd濃度の推移を図1に示し、各供試材添加後のCa濃度の推移を図2に示す。また、図1の結果から求めたCd除去量の推移を図3に示し、図2の結果から求めたCa除去量の推移を図4に示す。
スラッジHAPを用いた場合、図1に示すように、Cd濃度は、初期濃度の約600ppmから反応開始後10分で約400ppmまで低下し、反応開始後120分で300ppmまで低下している。また、図3に示すように、10分程度で急速にCdイオンを除去している。
また、XRDや平衡計算の結果から、スラッジHAPはHAPおよびCaCOを含んでいると思われるが、試薬HAPおよび試薬CaCOを用いた場合は、いずれもCdイオンをほとんど除去していなかった。CaCOについてはあまり置換性能がないものと知られているが、イオン交換能が知られるHAPを用いた試薬HAPにおいてもCdイオンをほとんど除去できなかったのは、HAPの結晶性の違いによるものと考えられる。XRDで測定した試薬HAPは非常にはっきりしたピークを示し、結晶性が高いことが示唆されたが、スラッジHAPに付着したものは非常に結晶性に乏しかった。この結晶性の差がCd除去能の違いを顕著にしたと考えられる。
セメント粉末を用いたものは、Cd除去量について特有の挙動が見られた。すなわち、反応開始後、反応時間の短い際の除去量はスラッジHAPに比べて低いものの、反応時間とともに除去量が増加し、反応開始後2時間では、スラッジHAPと同等の除去量であった。しかしながら、図2および図4に示すように、セメント粉末を用いた場合のCa除去量は、反応開始後2時間で最も多く、水質浄化材としてはCa除去量が多いと好ましくない。したがって、Ca除去量という観点からは、単にセメント粉末よりスラッジHAPを用いた方が好ましいことが分かる。
図5には、スラッジHAPを用いた場合のCd除去量およびCa溶出量の推移を示す。HAPの吸着メカニズムはイオン交換が主であるため、スラッジHAPのイオン交換においても重金属イオンの除去量とCaイオンの溶出量は同程度になると思われたが、図5に示すように、Cd除去量はCa溶出量の約3倍程度となっており、イオン交換の量的関係とは異なる結果であった。これは、例えば、CaCOの溶解度積が3.8×10−9であり、CdCOの溶解度積が5.2×10−12であるように、Ca塩よりCd塩の方が溶解度が小さく、Cdの結晶種が、Caが溶出することなく単なる沈殿物として沈殿していた可能性や、Ca/P比の低い生成物からCa/P比の高い生成物に変化することによりイオン交換せずにCdイオンが取り込まれた可能性が考えられる。水質浄化材としてはCa除去量が少ない方が好ましいため、スラッジHAPを用いると、Cd除去量が多いだけでなく、Ca除去量が少ないので好ましい。
上記Cd含有溶液の場合と同様に、除去対象溶液であるCu含有溶液について、各供試材添加後のCu濃度の推移を図6に示し、各供試材添加後のCa濃度の推移を図7に示す。また、図6の結果から求めたCu除去量の推移を図8に示し、図7の結果から求めたCa除去量の推移を図9に示す。
スラッジHAPを用いた場合、図6に示すように、Cu濃度は、初期濃度の約320ppmから反応開始後10分で約200ppmまで低下し、反応開始後120分で約150ppmまで低下している。また、図8に示すように、10分程度で急速にCuイオンを除去している。
ここで、スラッジHAPは、試薬HAPおよび試薬CaCOを用いた場合に比べて、高いCu除去作用を示したが、セメント粉末によるCu除去量が最も多く、セメント粉末を用いた場合、反応開始後60分でCu含有溶液からCuが完全に除去された。
セメント粉末がCuに対してこのように高い除去性能を示したメカニズムについては解明できていないが、Ca除去量も著しく高いことから、水酸化銅(Cu(OH))など、別種の結晶として溶解再沈殿した可能性が考えられる。
Cuを除去させることにより、試薬HAPおよび試薬CaCOの外観上の変化は見られなかったが、スラッジHAPおよびセメント粉末は、緑色になった。このことから、結晶種が変化したと考えられる。しかしながら、XRDでは結晶構造の変化はあまり確認されなかった。したがって、結晶構造が変化したのは固体中の一部のみか、ほとんど結晶構造が変化しない結晶種に変化したものと推測される。
図10には、スラッジHAPを用いた場合のCu除去量およびCa溶出量の推移を示す。
Cdの場合と同様に、Ca溶出量以上のCuが除去されているが、その量の比は1.5倍程度であり、Cd除去量とCa溶出量との比に比べると1/2程度である。この違いは金属種の違いによるものと考えられる。
ここで、スラッジHAPによるCd除去量とCu除去量とを比較すると、Cuの方が25%程度多くなっている。また、Cdの場合は反応開始後10分ほどでほとんど反応が完了していたのに対し、Cuの除去にはやや時間がかかっている。
上記Cd含有溶液およびCu含有溶液と同様に、除去対象溶液であるF含有溶液について、スラッジHAPおよびセメント粉末添加後のそれぞれのF濃度の推移を図11に示す。また、スラッジHAPおよびセメント粉末添加後のそれぞれのF除去量の推移を図12に示す。
F濃度は、図11に示すように、90分の反応で初期濃度約147ppmから約140ppmまで低下した。
また、スラッジHAPによるCd除去量が反応開始後120分で約0.20mmol(1mmol/g)であり、スラッジHAPによるCu除去量が反応開始後120分で約0.26mmol(1.29mmol/g)であったのに対し、スラッジHAPによるF除去量は、図12に示すように、反応開始後90分で約0.08mmol(0.16mmol/g)であり、やや少なかった。しかし、Ca(POOHというHAPの組成を考えると、Fと置換するOHの数は重金属と置換するCaの数に対し1/5であり、その比率を考慮するとFに対する除去能力も良好である。
図13には、スラッジHAPおよびセメント粉末によりFの除去を行った際の溶液のpHの推移を示す。
スラッジHAPを投入してFの除去を行った場合は、溶液のpHは6程度のままでほとんど変化しなかった。一方、セメント粉末を投入してFの除去を行った場合は、溶液のpHは10以上に上昇した。

Claims (2)

  1. コンクリートスラッジと、下水、食品工場排水、および、これら下水や排水を活性汚泥法で処理した際に発生する汚泥を脱水した余剰水の少なくともいずれかであるリン含有水溶液とを混合し、前記コンクリートスラッジに由来するカルシウムイオンおよび水酸化物イオンと、前記リン含有水溶液に由来するリン酸イオンとが反応して晶出されたリン酸カルシウムを主成分とする
    ことを特徴とするリン酸カルシウム系水質浄化材。
  2. コンクリートスラッジと、下水、食品工場排水、および、これら下水や排水を活性汚泥法で処理した際に発生する汚泥を脱水した余剰水の少なくともいずれかであるリン含有水溶液とを混合し、
    前記コンクリートスラッジに含まれるCaと前記リン含有水溶液に含まれるPとの比率が、Ca/P比にて0.1以上200以下となるように調整して、前記コンクリートスラッジに由来するカルシウムイオンおよび水酸化物イオンと、前記リン含有水溶液に由来するリン酸イオンとを反応させてリン酸カルシウムを晶出させる
    ことを特徴とするリン酸カルシウム系水質浄化材の製造方法。
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