JP5573609B2 - バルブタイミング調整装置の異常復帰装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置の異常復帰装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5573609B2
JP5573609B2 JP2010248109A JP2010248109A JP5573609B2 JP 5573609 B2 JP5573609 B2 JP 5573609B2 JP 2010248109 A JP2010248109 A JP 2010248109A JP 2010248109 A JP2010248109 A JP 2010248109A JP 5573609 B2 JP5573609 B2 JP 5573609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
lock
control
lock pin
mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010248109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012097702A (ja
Inventor
晴行 漆畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010248109A priority Critical patent/JP5573609B2/ja
Publication of JP2012097702A publication Critical patent/JP2012097702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5573609B2 publication Critical patent/JP5573609B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

本発明は、エンジンのバルブタイミング調整装置に備えられたロックピン又はロック用制御弁の固着異常解消を図った、バルブタイミング調整装置の異常復帰装置に関する。
この種のバルブタイミング調整装置は、吸気バルブ又は排気バルブを開閉駆動させるカム軸、及びエンジン出力軸のいずれか一方とともに回転するハウジング(第1回転体)と、カム軸及び出力軸の他方とともに回転するベーンロータ(第2回転体)と、を備えて構成されている。また、ハウジング内には、ベーンロータのベーンで仕切られた進角油圧室及び遅角油圧室が形成されている。そして、両油圧室へ供給される作動油の圧力を調整することで、ハウジングに対するベーンロータの相対回転位置(回転位相)を調整し、これにより、バルブの開閉タイミングを調整する。
ところが、作動油を供給する油圧ポンプの駆動源がエンジン出力軸である場合、エンジンの始動開始直後の期間には作動油を十分に供給することができない。すると、吸気バルブ又は排気バルブのバルブスプリングからカム軸が受ける変動トルクによりベーンロータが変動し、前記回転位相が大きく変動してしまう。
そこで、特許文献1等に記載の従来装置では、ベーンロータにロックピンを設けるとともにハウジングにロック孔を設けている。ロックピンは、ベーンロータの収容位置から突出位置へ作動可能に構成されており、突出位置にあるロックピンがロック孔に嵌合することで、ベーンロータを相対回転不能にロックする。したがって、エンジンを停止させる時に、ロックピンをロック孔に嵌合させるよう回転位相を制御(ロック制御)しておけば、次回のエンジン始動時にはロックした状態となっているので、回転位相が大きく変動することを回避できる。
特開2002−357105号公報
しかしながら、ロックピンとロック孔との間に異物が噛み込むことが原因で、ロックピンが収容位置で固着して突出できなくなる異常や、突出位置で固着して収容できなくなる場合がある。また、ロックピンへ付与される油圧をロック用制御弁で制御することによりロックピンの作動位置を制御するよう構成されている場合において、ロック用制御弁の弁体が固着して移動できなくなり、ロックピンの作動位置を制御できなくなる場合もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ロックピンの作動不良の解消を図ったバルブタイミング調整装置の異常解消制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
第1の発明では、エンジンの吸気バルブ又は排気バルブを開閉駆動させるカム軸、及び前記エンジンの出力軸のいずれか一方とともに回転する第1回転体と、前記カム軸及び前記出力軸の他方とともに回転し、前記第1回転体との間に進角室及び遅角室を形成する第2回転体と、前記第2回転体に設けられ、前記第2回転体の収容位置から突出位置へ作動可能なロックピンと、前記第1回転体に形成され、突出位置にある前記ロックピンと嵌合することで前記両回転体を相対回転不能にロックさせるロック孔と、前記進角室及び前記遅角室内の油圧を制御することで、前記第1回転体及び前記第2回転体の相対的な回転位相を制御する位相用制御弁と、前記ロックピンへ付与される油圧を制御することで、前記ロックピンの作動位置を制御するロック用制御弁と、を備えるバルブタイミング調整装置に適用されることを前提とする。
そして、前記突出位置及び前記収容位置のいずれか一方へ前記ロックピンを作動させた後、他方へ作動させるよう前記ロック用制御弁へ指令信号を出力するロック・アンロック作動指令手段と、前記ロック・アンロック作動指令手段により指令信号を出力した後、回転位相が所定の位相範囲を振れるよう前記位相用制御弁へ指令信号を出力する位相振り指令手段と、前記位相振り指令手段による指令信号を出力した時の実際の回転位相の挙動に基づき、固着によるロックピンの作動不良が解消されているか否かを判定する固着解消判定手段と、を備えることを特徴とする。
上記発明によれば、ロックピンとロック孔との間に異物が噛み込む等によりロックピンが固着していたとしても、ロック・アンロック作動指令手段によりロックピンをロック・アンロック作動させるよう指令するので、このロック・アンロック作動により異物が外れ落ちて固着解消されることが期待できる。また、ロック用制御弁が固着していたとしても、ロック・アンロック作動指令手段によりロックピンをロック・アンロック作動させるようロック用制御弁へ指令するので、ロック・アンロック作動させるようロック用制御弁が作動することにより異物が外れ落ちて固着解消されることが期待できる。したがって、ロック・アンロック作動指令手段を備える上記発明によれば、ロックピンやロック用制御弁の固着を解消してロックピンの作動不良解消を図ることができる。
また、ロック・アンロック作動を指令しただけでは実際に固着解消されたか否かを判別できないが、上記発明によれば、ロック用制御弁へロック・アンロック作動を指令した後に、位相振り指令手段により所定位相範囲を振れるよう位相用制御弁へ指令(位相振り指令)し、その時の実際の回転位相(実位相)の挙動に基づき固着によるロックピンの作動不良が解消されているか否かを判定する。
例えば、ロックピンを収容位置へ作動させるよう指令している状態で位相振りを指令した場合に、ロックピンが正常に収容位置へ作動していれば、実位相がロック位相(ロックピンがロック孔に嵌合してロックしている時の回転位相)から外れた位相に変位可能な筈である。換言すれば、実位相がロック位相から外れた位相に変位できない挙動を示した場合には、ロックピンが収容位置へ作動できずに突出位置に留まっている作動不良の状態であると判定できる。
また、例えば、ロックピンを突出位置へ作動させるよう指令している状態で位相振りを指令した場合に、ロックピンが正常に突出位置へ作動していれば、実位相がロック位相から外れた位相に変位できない筈である。換言すれば、実位相がロック位相から外れた位相に変位する挙動を示した場合には、ロックピンが突出位置へ作動できずに収容位置に留まっている作動不良の状態であると判定できる。
以上により、上記発明によれば、ロック・アンロック作動指令手段を備えることによりロックピンの作動不良解消を図ることができ、しかも、位相振り指令手段及び固着解消判定手段を備えることにより、実際に固着解消されたか否かを判別するので、例えば固着解消されていなかった場合には、その旨を運転者へ報知したり、ロック・アンロック作動指令手段によるロック・アンロック作動指令を再度実施したり、といった処置を取ることができる。
第2の発明では、前記ロック孔から進角側及び遅角側の少なくとも一方に延びる溝形状に形成され、突出状態にある前記ロックピンの移動範囲を所定範囲に制限することで、回転位相を所定の制限範囲内に制限しつつ前記ロックピンを前記ロック孔へ案内するガイド溝を、前記第1回転体は備えており、位相振り制御手段は、前記制限範囲の外へ回転位相を変化させるように前記所定の位相範囲を設定し、前記固着解消判定手段は、実際の回転位相が前記制限範囲の外へ変化したか否かに基づき、固着が解消されているか否かを判定することを特徴とする。
先ず、上記「ガイド溝」についての作用効果について説明する。先述したロック制御(エンジンを停止させる時に回転位相をロック位相に合わせる制御)によりロックピンはロック孔に向けて移動するが、実際には、先述した変動トルクを受けていることに起因して進角側と遅角側とに揺れ動きながら移動していく。そのため、ロック孔(ロック位相)が最遅角位相及び最進角位相の間に位置する場合には、エンジンが完全に停止してオイルポンプの作動が停止するまでの間に、ロックピンがロック孔に嵌合できなくなることが懸念される。
この懸念に対し、ロック孔から延びるガイド溝を第1回転体に形成した上記発明によれば、ロックピンをロック孔へ嵌合させるにあたり、ロックピンは突出作動しながら先ずガイド溝に嵌まり込み、その後ガイド溝により移動範囲を制限されながらロック孔に向けて移動する。よって、ガイド溝により揺動を制限させながらロックピンをロック孔へ移動させるので、ロック孔に嵌合できなくなるといった上記懸念を解消できる。
そして、このように機能する「ガイド溝」を備える場合には、上記発明の如く、制限範囲の外へ回転位相を変化させるように所定の位相範囲を設定し、実位相が制限範囲の外へ変化したか否かに基づき、固着が解消されているか否かを判定すれば、ロックピンの作動不良が解消されたか否かを精度良く判定できる。
例えば、ロックピンを収容位置へ作動させるよう指令している状態で位相振りを指令した場合に、ロックピンが正常に収容位置へ作動していれば、ロック位相を含む制限範囲から外れた位相に実位相が変位可能な筈である。換言すれば、実位相が制限範囲から外れた位相に変位できない挙動を示した場合には、ロックピンが収容位置へ作動できない作動不良の状態であると判定できる。
また、例えば、ロックピンを突出位置へ作動させるよう指令している状態で位相振りを指令した場合に、ロックピンが正常に突出作動していれば、実位相が制限範囲から外れた位相に変位できない筈である。換言すれば、実位相が制限範囲から外れた位相に変位する挙動を示した場合には、ロックピンが突出作動できずに収容位置に留まっている作動不良の状態であると判定できる。
第3の発明では、前記ロック用制御弁を構成するスプール及び前記位相用制御弁を構成するスプールは一体に形成されており、前記スプールを一方向に移動させると、前記ロックピンを前記突出位置へ作動させるロックモード、及び前記ロックピンを前記収容位置へ作動させつつ回転位相を制御可能な位相制御モードへ順次切り替わるよう構成されていることを特徴とする。
これによれば、1つのスプールを一方向に移動させるだけで、ロックモードから位相制御モードへ切り替えることができ、ロックモードから位相制御モードへの切り替えによりロックピンが突出位置から収容位置へ移動するようロック・アンロック作動が実施され、その後、位相制御モードにおいて回転位相が所定の位相範囲を振れるようにできる。つまり、1つのスプールを一方向に移動させるだけでロック・アンロック作動及び位相振りを連続して実施できる。よって、ロック用制御弁及び位相用制御弁が別々のスプールで構成されている場合に比べて、ロック・アンロック作動を実施した後に位相振りを実施するよう指令信号を出力する処理を簡素にできる。
第4の発明では、作動油温度又はエンジン回転速度に応じて、前記位相振り指令手段による指令信号出力の許可を決定することを特徴とする。
ここで、作動油が低温であるほど作動油の粘性が高くなり、その結果、進角室及び遅角室の油圧を十分に上昇できなくなり所望する回転位相に制御できなくなる場合がある。すると、ロックピンを収容位置へ作動させるよう指令している状態で位相振りを指令した時に、ロックピンは正常に収容位置へ作動しているにも拘わらず、ロック位相又は制限範囲から外れた位相に実位相が変位できなくなり、ロックピンの作動不良が解消されていないと誤判定することが懸念される。
この点を鑑みた上記発明では、作動油温度に応じて位相振り指令手段による指令信号出力の許可を決定するので、作動油温度が所定温度未満の低温である場合には位相振り指令手段による位相振り制御を禁止して上記誤判定の回避を図ることができる。
また、エンジン回転速度が低速であるほどエンジンの燃焼状態は不安定になる。そして、このような燃焼不安定の時に位相振りを実施すると、燃焼状態がさらに悪化してノッキングや失火が懸念されるようになる。この点を鑑みた上記発明では、エンジン回転速度に応じて位相振り指令手段による指令信号出力の許可を決定するので、エンジン回転速度が所定速度未満の低速である場合には位相振り指令手段による位相振り制御を禁止して、エンジンのノッキングや失火の回避を図ることができる。
第5の発明では、前記位相振り制御手段による制御を実施している時には、エンジンの燃焼状態を安定化させるようにエンジン制御内容を変更させることを特徴とする。
位相振り指令手段による位相振りを実施すると、エンジンの燃焼状態が悪化して失火等が懸念されるようになる。この点を鑑みた上記発明によれば、位相振り実施時には燃焼状態を安定化させるようにエンジン制御内容を変更させるので、上記懸念を解消できる。ちなみに、燃焼状態を安定化させる制御の具体例としては、アイドル運転時におけるエンジン回転速度を上昇(アイドル回転数アップ)させることが挙げられる。
第6の発明では、前記固着解消判定手段により固着が解消されていないと判定した場合には、前記ロック・アンロック作動指令手段による指令信号出力を再実施することを特徴とする。これによれば、1回のロック・アンロック作動では固着解消できなかった場合であってもロック・アンロック作動が再実施されるので、固着解消の確実性を向上できる。また、1回のロック・アンロック作動では固着解消できた場合には、以降のロック・アンロック作動及び位相振りを実施しないので、不必要なロック・アンロック作動及び位相振りの実施を回避できる。
第7の発明では、前記ロック・アンロック作動指令手段による指令信号出力を複数回実施した後に、前記位相振り制御手段による制御及び前記固着解消判定手段による判定を実施することを特徴とする。これによれば、ロック・アンロック作動を複数回実施するので、ロック・アンロック作動を1回だけ実施する場合に比べて、固着解消の確実性を向上できる。
本発明の第1実施形態にかかるエンジン制御システム全体の概略構成図。 図1に示すバルブタイミング調整装置と油圧制御回路の構成を説明する縦断側面図。 図1に示すバルブタイミング調整装置の構成を説明する縦断正面図。 図1に示すバルブタイミング調整装置のロック機構を説明する断面図。 ロックモード、進角モード、保持モード、遅角モードの4つの制御領域と位相変化速度との関係を説明する油圧制御弁の制御特性図。 第1実施形態において、ロック・アンロック制御及び位相振り制御の手順を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態において、バルブタイミング調整装置のロック機構を説明する断面図。 本発明の第2実施形態において、位相振り制御を実施した時の制限ピンの挙動を説明する図。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
図1に示すように、内燃機関であるエンジン11は、クランク軸12(出力軸)からの動力がタイミングチェーン13により各スプロケット14,15を介して吸気側カム軸16と排気側カム軸17とに伝達されるようになっている。但し、吸気側カム軸16には、クランク軸12に対する吸気側カム軸16の相対的な回転位相を調整するバルブタイミング調整装置18(VVT)が設けられている。
また、吸気側カム軸16の外周側には、所定カム角毎にカム角信号のパルスを出力するカム角センサ19が設置され、一方、クランク軸12の外周側には、所定クランク角毎にクランク角信号のパルスを出力するクランク角センサ20が設置されている。これらカム角センサ19及びクランク角センサ20の出力信号は、エンジン制御回路21に入力される。このエンジン制御回路21は、カム角センサ19とクランク角センサ20の出力信号パルスの位相差に基づいて吸気バルブの実バルブタイミング(実位相)を演算すると共に、クランク角センサ20の出力パルスの周波数(パルス間隔)に基づいてエンジン回転速度NEを演算する。その他、エンジン運転状態を検出する各種センサ(吸気圧センサ22、冷却水温センサ23、スロットルセンサ24等)の出力信号が、エンジン制御回路21に入力される。
このエンジン制御回路21は、上記各種センサで検出したエンジン運転状態に応じて燃料噴射制御や点火制御を行うと共に、可変バルブタイミング制御(回転位相フィードバック制御)を行い、吸気バルブの実バルブタイミング(実位相)を、エンジン運転状態に応じて設定した目標バルブタイミング(目標位相)に一致させるようにバルブタイミング調整装置18を駆動する油圧をフィードバック制御する。
次に、図2〜図4に基づいてバルブタイミング調整装置18の構成を説明する。
図2に示すように、バルブタイミング調整装置18のハウジング31(第1回転体)は、吸気側カム軸16の外周に回動自在に支持されたスプロケット14にボルト32で締め付け固定されている。これにより、クランク軸12の回転がタイミングチェーン13を介してスプロケット14とハウジング31に伝達され、スプロケット14とハウジング31がクランク軸12と同期して回転する。
一方、吸気側カム軸16の一端部には、ロータ35(第2回転体)がボルト37で締め付け固定されている。このロータ35は、ハウジング31内に相対回動自在に収納されている。
図3に示すように、ハウジング31の内部には、複数のベーン収容室40が形成され、各ベーン収容室40が、ロータ35の外周部に形成されたベーン41によって進角室42と遅角室43とに区画されている。少なくとも1つのベーン41の両側部には、ハウジング31に対するロータ35(ベーン41)の相対回動範囲を規制するストッパ部56が形成され、このストッパ部56によって実位相の調整可能範囲の最遅角位相と最進角位相が規制されている。
バルブタイミング調整装置18には、回転位相をその調整可能範囲の最遅角位相と最進角位相との間(例えば略中間)に位置する中間ロック位相でロックする中間ロック機構50が設けられている。この中間ロック機構50の構成を説明すると、いずれか1つ(又は複数)のベーン41にロックピン収容孔57(図2参照)が設けられ、このロックピン収容孔57に、ハウジング31とロータ35(ベーン41)との相対回動をロックするためのロックピン58が突出可能に収容され、このロックピン58がスプロケット14側(図2の右側)に突出してスプロケット14のロック孔59(図2参照)に嵌り込むことで、回転位相がその調整可能範囲の略中間に位置する中間ロック位相でロックされる。この中間ロック位相は、エンジン11の始動に適した位相に設定されている。尚、ロック孔59をハウジング31に設けた構成としても良い。
図2に示すように、ロックピン58は、スプリング62によってロック方向(突出方向)に付勢されている。また、ロックピン58の外周部とロックピン収容孔57との間には、ロックピン58をロック解除方向に駆動する油圧を制御するためのロック解除用の油圧室57aが形成されている。
油圧室57aへ作動油を供給すれば、油圧室57a内の油圧によりスプリング62の弾性力に抗してロックピン58は収容孔57へ収容されるよう作動する。一方、油圧室57aから作動油を排出させれば、スプリング62の弾性力によりロックピン58は突出してロック孔59と嵌合可能な状態となる。
図4に示すように、ハウジング31には、ロック孔59から遅角位相側へ延びる溝形状に形成されたガイド溝63が形成されている。ガイド溝63は、ロック孔59と連続して形成されているとともに、該ロック孔59よりも浅底に形成されている。これにより、収容位置から突出したロックピン58がガイド溝63に嵌り込むと、ロックピン58の移動範囲はガイド溝63内の範囲(つまりロック位相から遅角側への所定範囲(制限範囲))に制限されるようになる。図4中の二点鎖線に示すロックピン58は、ガイド溝63により遅角側への変位が制限されている状態を示す。したがって、ロックピン58を突出作動させると、ロックピン58はガイド溝63によりロック孔59へ案内される。
また、ハウジング31には、進角制御時にロータ35を進角方向に相対回動させる油圧をばね力で補助(アシスト)する付勢手段としてねじりコイルばね等のばね55が設けられている。吸気バルブのバルブタイミング調整装置18では、吸気側カム軸16のトルクが回転位相を遅角させる方向に作用することから、上記ばね55は、回転位相を吸気側カム軸16のトルク方向と反対方向である進角方向に付勢することになる。
本実施形態では、ばね55の付勢力が作用する範囲は、最遅角位相からほぼ中間ロック位相までの範囲に設定され、エンジンストール等の異常停止後の再始動時のフェールセーフを想定して、ロックピン58がロック孔59から外れた状態で中間ロック位相より遅角側の実位相で始動した場合に、スタータ(図示せず)によるクランキング中に、ばね55のばね力により実位相を遅角側から中間ロック位相へ進角させる進角動作を補助してロックピン58をロック孔59に嵌まり込ませてロックできるように構成されている。
一方、中間ロック位相より進角側の実位相で始動した場合は、クランキング中に吸気側カム軸16のトルクが遅角方向に作用するため、吸気側カム軸16のトルクにより実位相を進角側から中間ロック位相へ遅角させてロックピン58をロック孔59に嵌まり込ませてロックさせることができる。
また、本実施形態では、油圧制御弁25(位相用制御弁、ロック用制御弁)の作動を制御することにより、バルブタイミング調整装置18の回転位相、及びロックピン58を駆動する油圧を制御している。この油圧制御弁25は、回転位相を駆動する油圧を制御する位相用制御弁の機能と、ロックピン58を駆動する油圧を制御するロック用制御弁の機能とを一体化して構成されている。
そして、エンジン11の動力によって駆動されるオイルポンプ28により、オイルパン27内のオイル(作動油)が汲み上げられて油圧制御弁25に供給される。この油圧制御弁25は、ハウジング25a内にスプール25bを摺動可能に収容して構成されており、エンジン制御回路21からソレノイド25cへ通電して生じる電磁力によりスプール25bはハウジング25a内を摺動する。
進角室42に通じる進角油路42a、遅角室43に通じる遅角油路43a、ロック解除用油圧室57aに通じるロック油路57bは、油圧制御弁25を介してオイルポンプ28と連通している。そして、エンジン制御回路21からソレノイド25cへ出力される制御デューティ(制御量)に応じて、スプール25bの摺動位置が制御され、これにより、それぞれの油路42a,43a,57bの連通開度が制御される。
本実施形態では、8ポート・4ポジション型のスプール弁を油圧制御弁25として採用しており、各々の油路42a,43a,57bの連通開度の組み合わせを決定する制御デューティ(制御量)は、図5を用いて以下に説明するようにロックモードL1,L2、進角モードA、保持モードH、遅角モードRの4つの制御領域に区分される。
ロックモードL1,L2の制御領域では、ロックピン収容孔57内のロック解除用油圧室57aへのオイル供給油路28aを遮断してロックピン収容孔57内のロック解除用油圧室57aの油圧を抜いて、スプリング62によってロックピン58をロック方向に突出させる。
更に、ロックモードL1,L2の制御領域は、ロックピン58を突出させながら進角室42へのオイル供給油路28aを開放して進角室42にオイルを供給するオイル充填モードL1の制御領域と、ロックピン58を突出させながら進角室42と遅角室43の両方のオイル供給油路28aを遮断して両室42,43の油圧を保持するロック保持モードL2の制御領域とに区分されている。
進角モードAの制御領域では、遅角室43へのオイル供給油路28aを遮断して、油圧制御弁25の遅角ポートをドレンポートに連通させて遅角室43の油圧を抜いた状態で、油圧制御弁25の制御デューティに応じて、進角室42へのオイル供給油路28aを開放して、進角室42にオイルを供給して進角室42の油圧を変化させて実位相を進角させる。
保持モードHの制御領域では、進角室42と遅角室43の両方のオイル供給油路28aを遮断して両室42,43の油圧を保持して、実位相が動かないように保持する。
遅角モードRの制御領域では、進角室42へのオイル供給油路28aを遮断して、油圧制御弁25の進角ポートをドレンポートに連通させて進角室42の油圧を抜いた状態で、油圧制御弁25の制御デューティに応じて、遅角室43へのオイル供給油路28aを開放して、遅角室43にオイルを供給して遅角室43の油圧を変化させて実位相を遅角させる。
ロックモードL1,L2以外の制御領域(進角モードA、保持モードH、遅角モードR)では、ロックピン収容孔57内のロック解除用油圧室57aへのオイル供給油路28aを開放してロック解除用油圧室57aにオイルを充填してロック解除用油圧室57aの油圧を上昇させ、その油圧によりロックピン58をロック孔59から抜き出してロックピン58のロックを解除する。
尚、本実施形態では、油圧制御弁25の制御デューティが大きくなるに従って、ロックモードL1,L2、進角モードA、保持モードH、遅角モードRの順に制御モードが切り替わるように構成されているが、例えば、油圧制御弁25の制御デューティが大きくなるに従って、遅角モードR、保持モードH、進角モードA、ロックモードL1,L2の順に制御モードが切り替わるように構成したり、或は、遅角モードRと進角モードAの順序を入れ替えて、ロックモードL1,L2、遅角モードR、保持モードH、進角モードAの順に制御モードが切り替わるように構成しても良い。
エンジン制御回路21は、所定の位相制御実行条件が成立しているときに、吸気側カム軸16の実位相(吸気バルブの実バルブタイミング)を、エンジン運転条件に応じて設定した目標位相(目標バルブタイミング)に一致させるように、油圧制御弁25へF/B指令信号を出力する。F/B指令信号は、油圧制御弁25の作動制御デューティ(制御量)を指令する信号であり、少なくとも比例項を含む例えばPD制御等により、フィードバック制御(F/B制御)してバルブタイミング調整装置18の進角室42と遅角室43に供給する油圧をF/B制御する。
次に、エンジン停止要求発生等に伴いロックピン58をロック孔59へ嵌め込んでロックさせる場合の、エンジン制御回路21による制御手順について説明する。なお、以下の説明は、エンジン停止に伴いエンジン回転速度NEが低下してゼロになるまでの間に、ロックを完了させるよう制御することを想定したものである。
先ずエンジン制御回路21は、ロック要求が発生したか否かを判定する。例えば、アイドルストップ車両においてエンジンの自動停止要求が発生した場合や、イグニッションスイッチをオフ操作した場合に、ロック要求は発生する。ロック要求が発生したと判定された場合には、図4中の一点鎖線に示すように、ロックピン58がガイド溝63の外に位置し、かつ、ガイド溝63よりも遅角側(ロック孔59の反対側)に位置させるよう制御(ロック準備制御)する。
具体的には、前記一点鎖線の位置にロックピン58を位置させる位相(以下、この位相をロック準備位相と呼ぶ)を、目標位相に設定してF/B制御する。例えば、ロック準備制御開始時点での実位相がロック準備位相よりも進角側であれば、実位相がロック準備位相となるまで進角モードAでF/B制御する。一方、ロック準備制御開始時点での実位相がロック準備位相よりも進角側であれば、実位相がロック準備位相となるまで遅角モードRでF/B制御する。なお、ロック準備制御時のF/Bゲインを、ロック準備制御以外のF/B制御を実施している時に比べて高くして、位相変化速度を速くすることが望ましい。
次に、実位相がロック準備位相に一致したか否かを判定し、一致するまではロック準備制御を継続させる。実位相がロック準備位相に一致したと判定されれば、ロックピン58を突出作動させながら実位相が進角するロック制御を実施する。この場合の進角制御はオープン制御である。
具体的には、制御デューティを低下させていくことで、図5に示す回転位相制御領域(進角モードA又は遅角モードR)からロックモードL1,L2に移行させる。ここで、図2を用いて先述したように、油圧制御弁25は、位相制御用の油圧制御弁機能とロック制御用の油圧制御弁機能とを一体化して構成されている。そのため、進角モードAからロック保持モードL2に連続的に移行することはできず、制御デューティが図5中のDtからDaの範囲にある時には進角油路42aを連通させて進角させる状態となる。また、ロック保持モードであっても、制御デューティがDaからDbの範囲にある時には進角油路42aを連通させて進角させる状態となる。
したがって、制御デューティを低下させて進角モードAからロック保持モードL2に移行させる時には、実位相が進角しつつ、ロックピン58が突出作動することとなる。つまり、制御デューティをDtからDbにまで低下させることにより、上記ロック制御は実行される。
ここで、上述したロック準備制御を実施することなく実位相をロック位相に一致させるようF/B制御しようとすると、ロックピン58はロック孔59に向けて移動するが、実際には、ロータ35が吸気側カム軸16からの変動トルクを受けていることに起因して、進角側と遅角側とに揺れ動きながら移動していく。そのため、揺動の具合によっては、エンジンが完全に停止してオイルポンプ28の作動が停止するまでの間に、ロックピン58がロック孔59に嵌合できなくなることが懸念される。
これに対し本実施形態では、ロックピン58をロック孔59へガイドするガイド溝63を形成するとともに、ロック準備制御を実施した後にロック制御を実施するので、ガイド溝63の外にあるロックピン58は、ロック制御によりロック孔59に近づくと先ずはガイド溝63に嵌まり込む。その後、ガイド溝63により移動範囲を制限されながらロック孔59に向けて移動する。よって、揺動が制限されながらロックピン58はロック孔59に向けて移動するので、上記懸念を解消できる。
ところが、ロックピン58とロック孔59との間に、作動油中に混入していた異物等が噛み込むことが原因で、ロックピン58が収容位置で固着して突出できなくなる異常や、突出位置で固着して収容できなくなる場合がある。また、油圧制御弁25のスプール25bとハウジング25aとの間に、作動油中に混入していた異物等が噛み込むことが原因で、ロックピン58を所望位置へ作動できなくなる場合もある。
そこで本実施形態では、収容位置及び突出位置の一方へロックピン58を作動させた後、連続して他方の位置へ作動(ロック・アンロック作動)させるようロック・アンロック制御を実施することで、ロックピン58や油圧制御弁25に噛み込んでいる異物が外れ落ちることを図る。また、ロック・アンロック制御を実施した後、回転位相が所定の位相範囲を振れるよう油圧制御弁25を制御(位相振り制御)する。これにより、ロックピン58を収容させるよう制御している時にガイド溝63による制限範囲を超えて回転位相が変位可能か否かを判定、或いは、ロックピン58を突出させるよう制御している時に制限範囲を超えて回転位相が変位するか否かを判定することで、異物除去が為されて固着が解消されたか否かを確認する。
図6は、これらのロック・アンロック制御及び位相振り制御を実施する手順を示すフローチャートであり、エンジン制御回路21が有するマイクロコンピュータにより所定周期で繰り返し実行される。
先ず、図6に示すステップS10において、ロックピン58の作動不良が生じているか否かを判定する。具体的には、先述したように実位相が目標位相となるようバルブタイミング調整装置18をフィードバック制御している時に、ロック孔59及びガイド溝63により制限される範囲(制限範囲)の外に実位相が変位できない場合には、ロックピン58が突出位置で固着して作動不良が生じていると判定する。また、ロック制御している時に、実位相が制限範囲の内側から外側へ変位した場合には、ロックピン58が収容位置で固着して作動不良が生じていると判定する。
続くステップS20では、エンジン11の暖機運転が完了しているか否かを判定する。ここで、暖機運転が完了していなければ作動油が低温で高粘性になっているため、固着が生じていなくても実位相を所望する位相へ正常に制御できない。そのため、暖機運転が完了していることを条件(S20:YES)として、後述するロック・アンロック制御(S50)及び位相振り制御(S60)の実施を許可する。なお、暖機完了の判定に替えて、作動油温度が所定温度以上であるかを判定し、作動油温度≧所定温度の場合にロック・アンロック制御(S50)及び位相振り制御(S60)の実施を許可するようにしてもよい。
続くステップS30では、エンジン回転速度NEが所定速度以上であるか否かを判定する。ここで、NE≧所定速度でなければエンジン11の燃焼状態は不安定になっている。そして、このような燃焼不安定の時に先述した位相振り制御を実施すると、燃焼状態がさらに悪化してノッキングや失火が懸念されるようになる。そのため、NE≧所定速度であることを条件(S30:YES)として、後述するロック・アンロック制御(S50)及び位相振り制御(S60)の実施を許可する。
続くステップS40では、エンジン回転速度NEが所定速度以上であるか否かを判定する。ここで、位相振り制御(S60)の実施回数が所定回数(例えば10回)未満であるか否かを判定する。ここで、位相振り制御を何度も繰り返し実施すると、バルブタイミング調整装置18の磨耗等による劣化進行が懸念されるようになる。そのため、NE≧所定速度であることを条件(S30:YES)として、後述するロック・アンロック制御(S50)及び位相振り制御(S60)の実施を許可する。
続くステップS50(ロック・アンロック作動指令手段)では、収容位置及び突出位置の一方へロックピン58を作動させた後、連続して他方の位置へ作動させるよう油圧制御弁25へ指令信号を出力する、といったロック・アンロック制御を実施する。図2に示す例では、位相用制御弁とロック用制御弁を一体に構成しているので、図5に示すロックモードL2から進角モードAに切り替えるよう制御デューティを上昇させる指令信号を油圧制御弁25へ出力する。これにより、ロックピン58が正常に作動すれば、突出位置から収容位置へ作動(ロック・アンロック作動)することとなる。
続くステップS60(位相振り指令手段)では、ガイド溝63により位相変位が制限される範囲(図4に示す制限範囲)の内側から外側へ目標位相を変化させるよう油圧制御弁25へ指令信号を出力する、といった位相振り制御を実施する。図2に示す例では、位相用制御弁とロック用制御弁を一体に構成しているので、図5に示す進角モードAから保持モードH、遅角モードRへと切り替えるよう制御デューティを上昇させる指令信号を油圧制御弁25へ出力する。これにより、ロックピン58が正常に作動して収容位置にあれば、位相振り制御により実位相を変位させるうちに、制限範囲の内側から外側へ実位相が変位することとなる。
要するに、本実施形態では、デューティ比を一方向に変化(図5の例では上昇)させていくだけで、ロック・アンロック制御が実施され、その後、位相振り制御が実施されることとなる。例えば、デューティ比を0%から100%に変化させてもよいし、少なくともロックモードL2及び遅角モードの一部を含む所定範囲だけデューティ比を変化させていくようにしてもよい。
なお、位相振り制御を実施している期間中は、位相変化させることにより燃焼状態が不安定になることが懸念される。そこで、位相振り制御の実施期間中は、アイドル運転時におけるエンジン回転速度を上昇(アイドル回転数アップ)させることにより、燃焼状態の安定化を図ることが望ましい。
続くステップS70(固着解消判定手段)では、位相振り制御により変位した実位相が正常な挙動を示しているか否かを判定する。本実施形態の場合、ロックピン58を収容位置へ指令しつつ位相振り制御を実施するので、ロックピン58が正常に作動して収容位置にあれば、実位相は制限範囲の内側から外側へ変位可能な筈である。したがって、実位相が制限範囲の内側から外側へ変位する挙動を示していれば、正常に挙動していると判定し(S70:YES)、続くステップS80において、固着が解消されてロックピン58が正常な状態に復帰したと判定する。
一方、実位相が制限範囲の内側に留まり、外側へ変位できない挙動を示していれば(S70:NO)、ロックピン58が突出したまま固着した異常状態であるとみなし、ステップS20の処理に戻る。その後、ステップS20,S30,S40による実施条件を満たしていれば、ロック・アンロック制御(S50)及び位相振り制御(S60)を再び実施する。
以上により、本実施形態によれば、ロックピン58が固着してロックピン58をスムーズに作動できない状態であったとしても、又は油圧制御弁25のスプール25bが固着してスプール25bをスムーズに作動できない状態であったとしても、ロック・アンロック制御を実施するので、異物が外れ落ちて固着解消されることが期待できる。
また、ロック・アンロック制御を実施した後に、位相振り制御を実施し、その時の実位相が正常に挙動しているか否かを確認するので、1回のロック・アンロック制御だけでは固着解消できなかった場合であっても、正常に挙動していないことから固着解消できていない旨を確認してロック・アンロック制御を再度実施するので、固着解消の確実性を向上できる。
また、位相用制御弁とロック用制御弁を一体に構成した油圧制御弁25を採用しているので、デューティ比を0%から100%まで上昇させるだけで、ロック・アンロック制御及び位相振り制御を実施できる。ここで、本実施形態に反して位相用制御弁とロック用制御弁が別体で構成されている場合には、ロック・アンロック制御を実施するよう位相用制御弁へ指令信号を出力し、その後で、位相振り制御を実施するようロック用制御弁へ指令信号を出力する制御がエンジン制御回路21に要求される。これに対し、デューティ比を0%から100%まで上昇させるだけで済む本実施形態によれば、エンジン制御回路21による処理手順を簡素にでき、処理負荷を軽減できる。
また、暖機運転が完了していることを条件として位相振り制御を実施するので、作動油温度が低温であることに起因して実位相が正常に挙動していないと誤判定してしまうことを回避できる。また、NE≧所定速度であることを条件として位相振り制御を実施するので、位相振り制御に伴いエンジン11の失火が生じてしまうことを回避できる。また、位相振り制御の実施回数を制限しているので、位相振り制御を繰り返し実施することによりバルブタイミング調整装置18が著しく劣化してしまうことを回避できる。
(第2実施形態)
上記実施形態では、1本のロックピン58をロック孔59に嵌合させてロックしているが、本実施形態では、図7に示すように、進角制限ピン58A(ロックピンに相当)を進角制限溝59A(ロック孔に相当)に嵌合させて、ロック位相よりも進角側へ位相変化しないように制限するとともに、遅角制限ピン58R(ロックピンに相当)を遅角制限溝59R(ロック孔に相当)に嵌合させて、ロック位相よりも遅角側へ位相変化しないように制限することにより、ロック位相で位相変化不能にロックさせている。換言すれば、進角制限溝59Aの壁面A1に進角制限ピン58Aを当接させ、かつ、遅角制限溝59Rの壁面R1に遅角制限ピン58Rを当接させることでロックさせる。
なお、本実施形態においても図4に示すガイド溝63と同様に機能するガイド溝63A,63Rが、進角制限溝59A及び遅角制限溝59Rから延びる形状で形成されている。ちなみに、ガイド溝63Aは、進角制限溝59Aから遅角側のみに延びる形状であり、進角制限ピン58Aの移動範囲を符号A2から符号A1の範囲に制限する。一方、ガイド溝63Rは、遅角制限溝59Rから進角側及び遅角側の両方に延びる形状であり、遅角制限ピン58Rの移動範囲を符号R2から符号R3の範囲に制限する。
本実施形態にかかる油圧制御弁25の構成は図2と同じであり、進角制限ピン58Aに対するロック解除用油圧室57aと、遅角制限ピン58Rに対するロック解除用油圧室57aとは、同一のロック油路57bに連通している。したがって、2つの油圧室57aの油圧は同一になっている。そのため、固着等の異常が生じていなければ、両制限ピン58A,58Rの突出位置への作動及び収容位置への作動は同じになる。
したがって、本実施形態において図6のステップS50によるロック・アンロック制御を実施するにあたり、異常が生じていなければ両制限ピン58A,58Rは同じように突出位置から収容位置へと作動することとなる。
また、このように2つの制限ピン58A,58Rでロックさせる構造の本実施形態においては、図6のステップS60による位相振り制御を次のように実施する。すなわち、ガイド溝63Aにより位相変位が制限される範囲(図8に示す制限範囲A1〜A2)の内側から外側へ目標位相を変化させるとともに、ガイド溝63Rにより位相変位が制限される範囲(図8に示す制限範囲R2〜R3)の内側から外側へ目標位相を変化させるよう油圧制御弁25へ指令信号を出力する。
また、本実施形態では図6のステップS70による挙動判定を次のように実施する。すなわち、2つの制限ピン58A,58Rを収容位置へ指令しつつ位相振り制御を実施するので、制限ピン58A,58Rが正常に作動して収容位置にあれば、実位相は制限範囲A1〜A2の内側から外側へ変位可能、かつ、制限範囲R2〜R3の内側から外側へ変位可能な筈である。したがって、実位相が各々の制限範囲A1〜A2,R2〜R3の内側から外側へ変位する挙動を示していれば、正常に挙動していると判定し(S70:YES)、続くステップS80において、固着が解消されて制限ピン58A,58Rが正常な状態に復帰したと判定する。
一方、実位相が制限範囲A1〜A2,R2〜R3の内側に留まり、外側へ変位できない挙動を示していれば(S70:NO)、制限ピン58A,58Rが突出したまま固着した異常状態であるとみなし、ステップS20の処理に戻る。その後、ステップS20,S30,S40による実施条件を満たしていれば、ロック・アンロック制御(S50)及び位相振り制御(S60)を再び実施する。
例えば、進角制限ピン58Aが突出状態で固着した場合には、実位相が制限範囲A1〜A2の内側に留まる(図8(a)参照)。換言すれば、制限範囲A1〜A2の外側に変位する挙動を示していれば、進角制限ピン58Aの固着が解消されて正常に作動していると判定できる(図8(a)参照)。
同様にして遅角制限ピン58Rが突出状態で固着した場合には、実位相が制限範囲R2〜R3の内側に留まる(図8(b)参照)。換言すれば、制限範囲R2〜R3の外側に変位する挙動を示していれば、遅角制限ピン58Rの固着が解消されて正常に作動していると判定できる(図8(b)参照)。
以上により、本実施形態によっても上記第1実施形態と同様にして、ロック・アンロック制御を実施することによる固着解消を図ることができる。また、ロック・アンロック制御を実施した後に位相振り制御を実施し、その時の実位相が正常に挙動しているか否かを確認するので、固着解消の確実性を向上できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記第1実施形態にかかるロック・アンロック制御では、ロックピン58を収容位置から突出位置へ作動させることを1回だけ実施した後に位相振り制御を実施している。これに対し、収容位置から突出位置への作動を複数回実施した後に位相振り制御を実施するようにしてもよい。これによれば、ロック・アンロック作動を1回だけ実施する場合に比べて、固着解消の確実性を向上できる。
・上記第1実施形態では、上記実施形態では、位相用制御弁及びロック用制御弁を一体化して構成された油圧制御弁25を用いているが、各々が別体に構成された位相用制御弁及びロック用制御弁を用いてもよい。
そして、上記第1実施形態では、ロックピン58を収容させるよう指令した状態でしか位相振り制御を実施できなかったが、位相用制御弁及びロック用制御弁を別体に構成した場合には、ロックピン58を突出させるよう指令した状態での位相振り制御を実施できる。具体的には、突出位置へ作動させるようロック用制御弁へ指令信号を出力するとともに、図4又は図8に示す制限範囲A1〜A2,R2〜R3の内側から外側に位相変化させるよう位相用制御弁へ指令信号を出力するといった位相振り制御を実施する。そして、この時の実位相の挙動が、指令信号に従って制限範囲A1〜A2,R2〜R3の内側から外側に変位した場合には、ロックピン58が収容位置で固着した異常状態であると判定できる。
・上記第1実施形態にかかるガイド溝63を廃止して、ロックピン58をガイドさせることなくロック孔59へ嵌合させる構成にしてもよい。或いは、上記第2実施形態にかかるガイド溝63A,63Rを廃止して、制限ピン58A,58Rをガイドさせることなく制限溝59A,59Rへ嵌合させる構成にしてもよい。これらの場合の位相振り制御では、ロック位相を含む位相範囲に実位相を振るよう油圧制御弁25へ指令信号を出力すればよい。そして、実位相がロック位相から変位する挙動を示していれば正常に挙動していると判定し(S70:YES)、実位相がロック位相から変位できない挙動を示していれば(S70:NO)、ロックピン58が突出したまま固着した異常状態であると判定すればよい。
・図6のステップS10によるロックピン58の作動不良判定を実施するにあたり、上記第1実施形態では、実位相が目標位相となるようフィードバック制御している時の実位相の挙動に基づき作動不良判定を実施しているが、ステップS60と同様の位相振り制御を定期的に実施して、その時の実位相の挙動に基づき、ステップS70と同様の判定手法により作動不良判定を実施してもよい。
・位相振り制御時の位相振り速度(制御デューティ)を、作動油温度又はエンジン回転速度に応じて可変設定してもよい。
・上記実施形態では、カム角センサ19とクランク角センサ20の出力信号パルスの位相差に基づいて実位相を演算しているが、次のように基準位相を学習し、学習した基準位相からの相対回転角度に基づき実位相を演算するようにしてもよい。すなわち、遅角制御を所定時間以上継続させて最遅角位相に制御した時の位相を基準位相として学習する。又は、進角制御を所定時間以上継続させて最進角位相に制御した時の位相を基準位相として学習する。又は、エンジン始動時やエンジン停止時等、ロック位相になっていると想定される時の位相を基準位相として学習する。
・上記実施形態では、ステップS20,S30において、作動油温度又はエンジン回転速度が所定条件を満たしていない場合にはロック・アンロック制御及び位相振り制御を禁止しているが、作動油温度又はエンジン回転速度に応じて、ロック・アンロック制御及び位相振り制御を実施する回数を可変設定するようにしてもよい。
12…クランク軸(出力軸)、16…吸気側カム軸、17…排気側カム軸、25…油圧制御弁(位相用制御弁、ロック用制御弁)、31…ハウジング(第1回転体)、35…ロータ(第2回転体)、58…ロックピン、58A…進角制限ピン(ロックピン)、58R…遅角制限ピン(ロックピン)、59…ロック孔、59A…進角制限溝(ロック孔)、59R…遅角制限溝(ロック孔)、63,63A,63R…ガイド溝、S50…ロック・アンロック作動指令手段、S60…位相振り指令手段、S70…固着解消判定手段。

Claims (6)

  1. エンジンの吸気バルブ又は排気バルブを開閉駆動させるカム軸、及び前記エンジンの出力軸のいずれか一方とともに回転する第1回転体と、
    前記カム軸及び前記出力軸の他方とともに回転し、前記第1回転体との間に進角室及び遅角室を形成する第2回転体と、
    前記第2回転体に設けられ、前記第2回転体の収容位置から突出位置へ作動可能なロックピンと、
    前記第1回転体に形成され、突出位置にある前記ロックピンと嵌合することで前記両回転体を相対回転不能にロックさせるロック孔と、
    前記進角室及び前記遅角室内の油圧を制御することで、前記第1回転体及び前記第2回転体の相対的な回転位相を制御する位相用制御弁と、
    前記ロックピンへ付与される油圧を制御することで、前記ロックピンの作動位置を制御するロック用制御弁と、
    を備えるバルブタイミング調整装置に適用され、
    前記ロック用制御弁を構成するスプール及び前記位相用制御弁を構成するスプールは一体に形成されており、
    前記ロック用制御弁及び前記位相用制御弁は、
    前記スプールを一方向に移動させると、前記ロックピンを前記突出位置へ作動させるロックモード、及び前記ロックピンを前記収容位置へ作動させつつ回転位相を制御可能な位相制御モードへ順次切り替わるよう構成されており、
    前記位相制御モードは、前記ロックピンを前記収容位置へ作動させながら、前記進角室へ油圧を供給する進角モード、前記ロックピンを前記収容位置に保持しながら前記進角室と前記遅角室との油圧を保持する保持モード、及び前記遅角室へ油圧を供給する遅角モードとを有しており、
    前記ロックモードに対応する前記突出位置へ前記ロックピンを作動させた後、前記位相制御モードの前記進角モードに対応する前記収容位置へ前記ロックピンを作動させるよう前記ロック用制御弁へ指令信号を出力するロック・アンロック作動指令手段と、
    前記ロック・アンロック作動指令手段により指令信号を出力した後、前記位相制御モードにおい前記位相用制御弁へ指令信号を出力することにより、前記ロックピンを前記収容位置に保持しながら前記進角モード、及び前記遅角モードへと移動して回転位相が所定の位相範囲を振れるようスプールを制御する位相振り指令手段と、
    前記位相振り指令手段による指令信号を出力した時の実際の回転位相の挙動に基づき、固着によるロックピンの作動不良が解消されているか否かを判定する固着解消判定手段と、を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置の異常復帰装置。
  2. 前記ロック孔から進角側及び遅角側の少なくとも一方に延びる溝形状に形成され、突出状態にある前記ロックピンの移動範囲を所定範囲に制限することで、回転位相を所定の制限範囲内に制限しつつ前記ロックピンを前記ロック孔へ案内するガイド溝を、前記第1回転体は備えており、
    位相振り制御手段は、前記制限範囲の外へ回転位相を変化させるように前記所定の位相範囲を設定し、
    前記固着解消判定手段は、実際の回転位相が前記制限範囲の外へ変化したか否かに基づき、固着が解消されているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置の異常復帰装置。
  3. 作動油温度又はエンジン回転速度に応じて、前記位相振り指令手段による指令信号出力の許可を決定することを特徴とする請求項1又は2記載のバルブタイミング調整装置の異常復帰装置。
  4. 前記位相振り制御手段による制御を実施している時には、エンジンの燃焼状態を安定化させるようにエンジン制御内容を変更させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のバルブタイミング調整装置の異常復帰装置。
  5. 前記固着解消判定手段により固着が解消されていないと判定した場合には、前記ロック・アンロック作動指令手段による指令信号出力を再実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のバルブタイミング調整装置の異常復帰装置。
  6. 前記ロック・アンロック作動指令手段による指令信号出力を複数回実施した後に、前記位相振り制御手段による制御及び前記固着解消判定手段による判定を実施することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のバルブタイミング調整装置の異常復帰装置。
JP2010248109A 2010-11-05 2010-11-05 バルブタイミング調整装置の異常復帰装置 Active JP5573609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010248109A JP5573609B2 (ja) 2010-11-05 2010-11-05 バルブタイミング調整装置の異常復帰装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010248109A JP5573609B2 (ja) 2010-11-05 2010-11-05 バルブタイミング調整装置の異常復帰装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012097702A JP2012097702A (ja) 2012-05-24
JP5573609B2 true JP5573609B2 (ja) 2014-08-20

Family

ID=46389888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010248109A Active JP5573609B2 (ja) 2010-11-05 2010-11-05 バルブタイミング調整装置の異常復帰装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5573609B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101620291B1 (ko) 2016-03-11 2016-05-13 현대자동차주식회사 Cvvt 록킹핀 고착 방지 방법 및 그 제어 시스템

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161766A (ja) * 2000-11-30 2002-06-07 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP3864802B2 (ja) * 2002-02-21 2007-01-10 アイシン精機株式会社 弁開閉時期制御装置
JP2009133263A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2009167989A (ja) * 2008-01-21 2009-07-30 Denso Corp バルブタイミング制御装置及びバルブタイミング制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012097702A (ja) 2012-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5013323B2 (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
US9777604B2 (en) Method and system for variable cam timing device
US9488112B2 (en) Variable valve timing control apparatus
US9988949B2 (en) Method and system for variable cam timing device
US10267187B2 (en) Method and system for variable cam timing device
US10337361B2 (en) Method and system for variable cam timing device
JP2004257313A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2010255499A (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
JP5030028B2 (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
JP2010138698A (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
CA2755884C (en) Control device for hydraulic variable valve timing mechanism
JP2011032906A (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
US20170107870A1 (en) Method and system for variable cam timing device
JP2010275970A (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
US10544714B2 (en) Variable camshaft timing device with two locking positions
JP5141649B2 (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
JP4531705B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
US20150033907A1 (en) Variable valve timing control apparatus
JP5408505B2 (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
JP5573609B2 (ja) バルブタイミング調整装置の異常復帰装置
JP2006170024A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP5267263B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP4478855B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP5827875B2 (ja) バルブタイミング調整システム
JP5717610B2 (ja) バルブタイミング調整システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130917

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140422

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140603

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140616

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5573609

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250