JP5570833B2 - 大口径中望遠レンズ - Google Patents

大口径中望遠レンズ Download PDF

Info

Publication number
JP5570833B2
JP5570833B2 JP2010020942A JP2010020942A JP5570833B2 JP 5570833 B2 JP5570833 B2 JP 5570833B2 JP 2010020942 A JP2010020942 A JP 2010020942A JP 2010020942 A JP2010020942 A JP 2010020942A JP 5570833 B2 JP5570833 B2 JP 5570833B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lens unit
unit
object side
positive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010020942A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011158739A (ja
Inventor
幸広 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sigma Inc
Original Assignee
Sigma Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sigma Inc filed Critical Sigma Inc
Priority to JP2010020942A priority Critical patent/JP5570833B2/ja
Publication of JP2011158739A publication Critical patent/JP2011158739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5570833B2 publication Critical patent/JP5570833B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)

Description

本発明は、リアフォーカスを採用した、特にデジタルカメラ、銀塩カメラ及びビデオカメラ等に適した大口径中望遠レンズに関するものである。
オートフォーカスが可能な大口径中望遠レンズでは、レンズ径が大きく重量が重いことを考えると、レンズ系の一部を動かすリアフォーカスまたはインナーフォーカスを採用することが求められる。
しかし、比較的レンズ径が大きく重い前方付近のレンズ群を、インナーフォーカス群としてAF駆動させると駆動デバイス等が大型化するため、レンズ全系も大型化してしまうおそれがある。
また、レンズ全系の後方付近においてインナーフォーカスを採用した場合、インナーフォーカス群よりもさらに像側にあるレンズ群は、それを保持する鏡筒も含めて、一般的にレンズ鏡筒後方に設置されるC形若しくはドーナッツ形の電装パーツ等により配置の制約を受けるため、径を小さくすることにより、電装パーツ等を避けて配置される必要がある。
さらに、インナーフォーカスを採用すると、固定レンズ群がボディと可動レンズ群の間にある場合、駆動力伝達機構が複雑になる問題がある。
上記理由により、大口径中望遠レンズのオートフォーカス方式としてはリアフォーカスを採用することが望ましい。
リアフォーカスを採用した大口径中望遠レンズとして以下の文献が知られている。
特開昭63−316815号公報
特開昭64−078208号公報
特開2000−338396号公報
特開平03−200909号公報
特許文献1及び特許文献2におけるレンズでは、ガウスタイプの後群をフォーカシングに用いている。ガウスタイプは、前群後群で対称的な形状にすることで収差を打ち消しあうことを特徴としているために、後群のフォーカシングによりその対称性が崩れ、収差変動が大きくなる。
ガウスタイプでは、特に無限遠から近距離にフォーカス群を移動させたときに、フォーカス群最前の物体側に強い凹面を向けた面における軸外のタンジェンシャル光線の入射光線高が上がる。そのため、軸外下光線は入射角がきつくなり、アンダーのコマフレアを大きく発生させる。したがって、フォーカシングに伴うコマフレアの補正が困難になり、性能の高い大口径中望遠レンズを得ることが難しい。
特許文献3におけるレンズでは、フォーカシングの際に絞りを前群と後群の間で固定としている。これはフォーカス群の軽量化、及びフォーカシング機構の簡略化に有利であるが、フォーカス群の移動量だけ空間を空けると絞り面上でのFナンバー光線高が高くなるため、F1.4程度にまで大口径化を行った場合、絞り径の増大に伴って製品外径が肥大してしまい望ましくない。
また、近距離にフォーカシングさせた場合にタンジェンシャルのコマフレアが多く発生している。そのためF1.4程度に大口径化を行った場合にはコマフレアの補正が困難なため、性能の高い大口径中望遠レンズを得ることが難しい。
特許文献4におけるレンズは、リアフォーカスタイプの大口径中望遠レンズとして最小構成で成っている。しかし、昨今必要性が増している、個々のレンズに適したフォーカス用モーターを、オートフォーカス高精度化のためにレンズ鏡筒内に配置する構成には対応していない。
さらに、高性能な使用感が要求される大口径中望遠レンズにおいては、静粛性、高い応答性、フルタイムマニュアルフォーカスなどの付加価値を得るためにリング型の超音波モーター等を用いることが望ましい。特許文献4におけるレンズでは、これに対応するためリング型の超音波モーター等をレンズ全系における像側に配置することが、絞りや電装パーツ等様々なパーツの干渉から非常に困難である。
また、絞りや電装パーツ等様々なパーツとの干渉を回避しながらリング型の超音波モーター等を配置すると、製品外径の大型化が避けられない。
また、超音波モーター等を、レンズ全系における物体側に配置すれば、フォーカス群が移動することで絞りと干渉し、この干渉を避けようとすれば更に製品外径が大きくなってしまい、望ましくない。
本発明は、上記付加価値を得るために必要とされる部品がレンズ鏡筒内に配置可能であり、フォーカシングにおいても高性能で、かつ、諸収差が良好に補正された大口径中望遠レンズを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の大口径中望遠レンズは、物体側より順に、全体で正の屈折力を有する第1レンズ群L1と全体で正の屈折力を有する第2レンズ群L2とで構成され、該第1レンズ群L1は、正の屈折力を有する第1aレンズ群L1aと、第1bレンズ群L1bとからなり、該第1aレンズ群L1aは、物体側より順に、少なくとも2枚の正レンズと、最も像側のレンズ面が像側に凹であるレンズ面をレンズ面SFaとした負の屈折力のレンズとからなり、該第1bレンズ群L1bは、空気面に隣接する物体側のレンズ面が物体側に凹であるレンズを有し、該第1bレンズ群L1b中のレンズの空気面に隣接する物体側のレンズ面のうち、物体側に最も強い凹を向けているレンズ面をレンズ面SFbとし、該第1aレンズ群L1aは少なくとも1枚の低分散の媒質GLを用いた正の屈折力のレンズ群を含み、該第2レンズ群L2は、無限遠物体から近距離物体への合焦の際、物体側に向かって光軸方向に移動し、該第2レンズ群L2は、物体側から順に、正のレンズと、負のレンズと、絞りと、少なくとも1枚の正レンズに高屈折率の媒質GHを用いた正のレンズを含むレンズ群とから成り、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1)0.15<|RFa/RFb|<0.8
(2)70.00<νGL
(3)1.80000<nGH
RFa:レンズ面SFaの曲率半径
RFb:レンズ面SFbの曲率半径
νGL:前記低分散の媒質GLのアッベ数(波長λ=587.56nm)
nGH:前記高屈折率の媒質GHの屈折率(波長λ=587.56nm)
また、本発明の大口径中望遠レンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(4)0.6<fL2/f<1.1
fL2:第2レンズ群L2の焦点距離
f:レンズ全系の焦点距離
また、本発明の大口径中望遠レンズは、第1aレンズ群L1aと第2レンズ群L2との間にフォーカシングを行うためのアクチュエータが搭載され、アクチュエータよりも像側に絞りが配置されることを特徴とする。
本発明は、上記条件を満足することで、付加価値を得るために必要とされる部品がレンズ鏡筒内に配置可能であり、フォーカシングにおいても高性能で、かつ、諸収差が良好に補正された、大口径中望遠レンズを提供することが可能となる。
実施例1のレンズ構成図 実施例1のレンズの無限遠合焦状態における縦収差図 実施例1のレンズの至近距離合焦状態における縦収差図 実施例1のレンズの無限遠合焦状態における横収差図 実施例1のレンズの至近距離合焦状態における横収差図 実施例2のレンズ構成図 実施例2のレンズの無限遠合焦状態における縦収差図 実施例2のレンズの至近距離合焦状態における縦収差図 実施例2のレンズの無限遠合焦状態における横収差図 実施例2のレンズの至近距離合焦状態における横収差図 実施例3のレンズ構成図 実施例3のレンズの無限遠合焦状態における縦収差図 実施例3のレンズの至近距離合焦状態における縦収差図 実施例3のレンズの無限遠合焦状態における横収差図 実施例3のレンズの至近距離合焦状態における横収差図 実施例4のレンズ構成図 実施例4のレンズの無限遠合焦状態における縦収差図 実施例4のレンズの至近距離合焦状態における縦収差図 実施例4のレンズの無限遠合焦状態における横収差図 実施例4のレンズの至近距離合焦状態における横収差図 実施例5のレンズ構成図 実施例5のレンズの無限遠合焦状態における縦収差図 実施例5のレンズの至近距離合焦状態における縦収差図 実施例5のレンズの無限遠合焦状態における横収差図 実施例5のレンズの至近距離合焦状態における横収差図 実施例6のレンズ構成図 実施例6のレンズの無限遠合焦状態における縦収差図 実施例6のレンズの至近距離合焦状態における縦収差図 実施例6のレンズの無限遠合焦状態における横収差図 実施例6のレンズの至近距離合焦状態における横収差図 実施例7のレンズ構成図 実施例7のレンズの無限遠合焦状態における縦収差図 実施例7のレンズの至近距離合焦状態における縦収差図 実施例7のレンズの無限遠合焦状態における横収差図 実施例7のレンズの至近距離合焦状態における横収差図 実施例8のレンズ構成図 実施例8のレンズの無限遠合焦状態における縦収差図 実施例8のレンズの至近距離合焦状態における縦収差図 実施例8のレンズの無限遠合焦状態における横収差図 実施例8のレンズの至近距離合焦状態における横収差図
以下、本発明の大口径中望遠レンズに係る実施形態について説明する。
本実施例に係る大口径中望遠レンズは、物体側より順に、全体で正の屈折力を有する第1レンズ群L1と全体で正の屈折力を有する第2レンズ群L2とで構成され、第1レンズ群L1は、正の屈折力を有する第1aレンズ群L1aと、第1bレンズ群L1bとからなり、第1aレンズ群L1aは、物体側より順に、少なくとも2枚の正レンズと、最も像側のレンズ面が像側に凹であるレンズ面をレンズ面SFaとした負の屈折力のレンズとからなり、第1bレンズ群L1bは、空気面に隣接するする物体側のレンズ面が物体側に凹であるレンズを有し、第1bレンズ群L1b中の空気面に隣接するレンズの物体側のレンズ面のうち、物体側に最も強い凹を向けているレンズ面をレンズ面SFbとし、第2レンズ群L2は、無限遠物体から近距離物体への合焦の際、物体側に向かって光軸方向に移動するように構成される。
フォーカシングを行うためのアクチュエータをレンズ鏡筒内に搭載するには、前記第1aレンズ群L1aと第2レンズ群L2との間に当該アクチュエータをレンズ鏡筒内に配置するための間隔を空けることが望ましい。
しかしながら、第1aレンズ群L1aと第2レンズ群L2との間隔をただ単に空けただけでは、第1aレンズ群L1aを像面から遠ざけることにより、Fナンバー光線を十分確保しようとすると第1aレンズ群L1aのレンズ径が増大してしまう。
また、第1aレンズ群L1aのレンズ径が増大することにより、第1aレンズ群L1aの最も像側における面での光線高は、絞り径に対して更に高くなり、第2レンズ群L2に含まれる絞りより物体側のレンズ群における球面収差が増大し、製造誤差による性能低下のおそれが著しく増大する。
本発明における実施例では、特に第2レンズ群L2は絞りにより前後のレンズ群に分割され、構造がより複雑であるため、分割されたそれぞれの群を、第1aレンズ群L1aに対する相対偏芯の精度が確保されるように調整することは困難である。
そこで、本発明では、第1bレンズ群L1bを第1aレンズ群L1aと第2レンズ群L2との間に設けることで上記問題を解決した。
第1bレンズ群L1bを第1aレンズ群L1aと第2レンズ群L2の間に設けることによって、第1aレンズ群L1aを出た光線は第2レンズ群L2の最も物体側の面に、最適な光線高の位置で入射することが可能となる。
これにより、第1レンズ群L1の屈折力と第2レンズ群L2の屈折力との関係を最適な状態に保つことができ、レンズ全系におけるレンズ径の増大と諸収差の発生を抑えながら、レンズ以外の駆動部品をレンズ鏡筒内に配置するスペースを確保することができる。
本実施例に係る大口径中望遠レンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1)0.15<|RFa/RFb|<0.8
RFa:レンズ面SFaの曲率半径
RFb:レンズ面SFbの曲率半径
条件式(1)は、第1bレンズ群L1bを配置するための最適な条件を規定したものである。
条件式(1)の上限値を上回る場合、第1bレンズ群L1bを構成するレンズの空気面に隣接する物体側の面のうち物体側に最も強い凹を向けているレンズ面SFbの曲率半径が小さくなり、第1bレンズ群L1bに入射した光線は、レンズ面SFbで光軸から離れる方向に強く跳ね上げられ、その結果、第1レンズ群L1bで発生する球面収差を始めとした諸収差が悪化し、特にメリジオナルのコマフレアが大きくなり、レンズ全系の高性能化が難しくなる。
条件式(1)の下限値を下回る場合、第1bレンズ群L1bを構成するレンズの空気面に隣接する物体側のレンズ面のうち、物体側に最も強い凹を向けているレンズ面SFbの曲率半径は大きくなり、レンズ面SFbでの光線の跳ね上げが小さくなる。その結果、第1bレンズ群L1bに入射した光線を光軸から離れる方向に曲げる力が弱くなるため、光路長を長くすることが難しくなるため望ましくない。また、第1aレンズ群L1aと第2レンズ群L2との間隔を保つには、レンズ面SFbの代わりに第1bレンズ群L1bの像側の面で光線を跳ね上げる必要性が生じるため、第1bレンズ群L1bの像側の面は像側に強い凹を向け、曲率半径が小さくなる。このとき第1bレンズ群L1bの像側の面の曲率半径は、第2レンズ群L2の最も物体側の凸面の曲率半径に近くなる。この場合、近接撮影時に第1bレンズ群L1bへ第2レンズ群L2が最も近づいた場合の軸上の空気間隔を十分に取ったとしても軸外光線の通る空気間隔は縮まってしまう。また、それぞれのレンズ鏡筒が干渉しない程度に間隔を空けた場合にはフォーカス移動距離が十分に取れず、最短撮影距離が短くなり、望ましくない。
さらに、本実施例に係る大口径中望遠レンズは、物体側より順に、全体で正の屈折力を有する第1レンズ群L1と全体で正の屈折力を有する第2レンズ群L2とで構成され、第1レンズ群L1は、正の屈折力を有する第1aレンズ群L1aと、第1bレンズ群L1bとからなり、第1aレンズ群L1aは少なくとも1枚の低分散の媒質GLを用いた正の屈折力のレンズ群を含み、前記第2レンズ群L2は、物体側から順に、正のレンズと、負のレンズと、絞りと、少なくとも1枚の正レンズに高屈折率の媒質GHを用いた正のレンズを含むレンズ群とから成り、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(2)70.00<νGL
(3)1.80000<nGH
νGL:前記低分散の媒質GLのアッベ数(波長λ=587.56nm)
nGH:前記高屈折率の媒質GHの屈折率(波長λ=587.56nm)
条件式(2)は、第1aレンズ群L1a内の正レンズの媒質のアッベ数について規定したものである。
条件式(2)の下限値を下回る場合、倍率色収差を良好に補正することができず、絞り径を開放絞り径と比較して半分以下に絞り込んだ場合の周辺像高の解像度を上げることができない。また、実施形態の効果を確実にするためには異常分散性を持った媒質を選ぶことが好ましい。
条件式(3)は、第2レンズ群L2内の正レンズの媒質の屈折率について規定したものである。
条件式(3)の下限値を下回る場合、曲率半径を一定とする場合、屈折力が弱くなるために第2レンズ群L2の後部のレンズ径が増大し、レンズ鏡筒外径が大きくなってしまう。特に、一眼レフカメラに装着することを考えた場合には、一眼レフカメラの内蔵フラッシュ収納部との干渉が起こるため、望ましくない。また、レンズ鏡筒外径を抑えた場合には、レンズ鏡筒内のスペースが狭くなり、部品配置が困難になる。
また、第2レンズ群L2の屈折力を一定にするため、屈折率が下がる分だけ曲率半径を小さくすると球面収差が増大し、高性能化が難しくなる。
また、nGHが大きすぎる場合には、第2レンズ群L2のアッベ数が小さくなり、軸上色収差の良好な補正が難しくなることに加え、400〜360nmの内部透過率が低くなり、レンズ全系のカラーバランスを崩す傾向にあるので、条件式(3)の上限を1.96000とすることがさらに望ましい。
さらに本実施例に係る大口径中望遠レンズは、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(4)0.6<fL2/f<1.1
fL2:前記第2レンズ群L2の焦点距離
f:レンズ全系の焦点距離
条件式(4)は、レンズ全系の焦点距離に対して、第2レンズ群L2の焦点距離が最適になる条件を規定したものである。レンズ鏡筒内の部品配置を考慮したフォーカス移動量の確保、バックフォーカスの確保、収差補正に特に関係あるものである。
条件式(4)の上限を上回る場合、フォーカス群としての第2レンズ群L2の焦点距離が長くなることで球面収差の補正に有利となり、フォーカシング時の性能を上げることができる。このため、バックフォーカスの確保については有利になるが、最短撮影距離を短くするためにフォーカス群の移動量を多くとらなければならない。このとき、第1レンズ群L1との間隔を長くとるとすると、レンズ全系の全長が伸びてしまい、レンズ径を抑えるとすると周辺光量を確保することが難しくなる。
また、周辺光量を確保するためにレンズ径を広げた場合は、レンズ鏡筒外径の増大、レンズ厚の増大による重量増加となるので、製品サイズ、重量を考えた場合に望ましくない。
条件式(4)の下限を下回る場合、フォーカス群としての第2レンズ群L2の焦点距離が短くなることでフォーカス移動量の確保が容易になり、レンズ系の小型化に有利にはなるが、バックフォーカスの確保が困難になる。また、フォーカシングでの球面収差の変動が大きくなり、高性能化が難しくなる。
さらに本実施例に係る大口径中望遠レンズは、第1aレンズ群L1aと第2レンズ群L2との間にフォーカシングを行うためのアクチュエータが搭載されるスペースが確保され、アクチュエータよりも像側に絞りが配置されることを特徴とする。このような構成をとることでアクチュエータの外径と絞り径の増大を抑えることができる。
大口径レンズのフォーカス用アクチュエータは比較的重量の重いフォーカスレンズを移動させるため、ある程度の大きさが必要である。アクチュエータを絞りよりも像側に配置すると、アクチュエータが大きいため、レンズ鏡筒内にある電装パーツ等と干渉するおそれがある。
この干渉を避けようとすると、第2レンズ群内の絞りとレンズ鏡筒にある電装パーツ等の間隔を空ける必要があり、そのためには絞りを物体側に寄せなければならない。そうすると、絞りをFno光線の高い箇所に配置することとなり、絞り径の増大を招くため、望ましくない。
また、絞り径増大を避けるため、Fno光線を低く抑えようとすると、第2レンズ群L2中の絞りより物体側の正レンズの屈折力を上げる必要がある。そうすると、第2レンズ群L2内の絞りより物体側のレンズ群の球面収差が増加することとなり、収差バランスが悪化し、第2レンズ群L2内の絞りより物体側のレンズ群の第1レンズ群L1に対する相対偏芯の精度を確保することが困難になり、望ましくない。
また、本実施例における中望遠レンズは大口径比であるため、アクチュエータを絞りの外側に配置する場合には、径の大きい絞りよりも更に外側にアクチュエータを配置することになり、例えリング型のアクチュエータを用いない場合でも、径方向の一部が大きくなり、製品外径が肥大化してしまうため、望ましくない。
さらに本実施例に係る大口径中望遠レンズは、フォーカシング機構の簡略化を行うため、重量の重い第1aレンズ群L1aを像面に対し固定にすることが望ましい。さらにフォーカシング機構の簡略化を行うため、第2レンズ群L2に対して比較的弱い屈折力を有する第1bレンズ群L1bも像面に対し固定とすることが望ましい。
以下、本発明の数値実施例についての説明を行う。
[全体諸元]中において、fは焦点距離、FnoはFナンバー、Yは光軸からの最大像高を示す。[レンズ諸元]中において、第1列の番号は物体側からのレンズ面の番号、第2列Rはレンズ面の曲率半径、第3列Dはレンズ面間隔、第4列ndはd線(波長λ=587.56nm)に対する屈折率、第5列νdはd線に対するアッベ数であり、*のある面は非球面である。また、第2列で示される「絞り」は絞り面を表し、第3列で示されるB.F.はバックフォーカスを表す。そして、[可変間隔]において、各撮影距離での可変間隔の値を示す。
なお、以下の全ての諸元の値において、記載している焦点距離f、曲率半径R、レンズ面間隔D、その他の長さの単位は特記のない場合「mm」を使用するが、光学系では比例拡大と比例縮小とにおいても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。これらの符号は以降の他の実施例においても同様であり説明は省略する。
[非球面データ]には、面番号、非球面の形状を次式で表した場合の非球面係数、円錐係数を表す。

Figure 0005570833

なお、z は、面の頂点を基準としたときの光軸からの高さy の位置での光軸方向の変位であり、κは円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12は非球面係数であり、rは基準球面の曲率半径( 近軸曲率半径) である。なお、「E―n」は「x10―n」を示し、例えば、「1.234E― 」は「1.234x10―」を示す。
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
Figure 0005570833
条件式対応値表
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8
(1)SFa/SFb 0.51 0.25 0.21 0.25 0.31 0.21 0.71 0.51
(2)νGL 81.60 81.60 81.60 94.95 81.60 81.60 81.60 81.60
(3)nGH 1.88 1.88 1.88 1.91 1.88 1.88 1.88 1.88
(4)L2/f 0.88 0.79 0.75 0.88 0.75 0.80 0.96 0.89
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L1a 第1レンズ群L1a
L1b 第1レンズ群L1b
SFa 第1レンズ群L1aの最も像側の凹のレンズ面SFa
SFb 第1bレンズ群L1b中の空気面に隣接するレンズの物体側のレンズ面のうち、物体側に最も強い凹を向けているレンズ面SFb
S 開口絞り
d d線
g g線
C C線
ΔS サジタル像面
ΔM メリジオナル像面
I 像面
さらに本実施例において、フォーカスシングの際に第2レンズ群L2以外のレンズ、またはレンズ群を光軸方向に別移動するとしてもよい。特に第1aレンズ群L1aの一部または全部、第1bレンズ群L1bの一部または全部が光軸方向にそれぞれ別移動するとしてもよい。
また、フォーカシングの際に第2レンズ群L2内のそれぞれのレンズが光軸方向に別移動するとしてもよい。特に第2レンズ群の先頭の正のレンズを持つレンズ群、後部の正の ンズを持つレンズ群が光軸方向に別移動するとしてもよい。
さらに本実施例において、フォーカスシングの際に第2レンズ群L2内の一部のレンズが光軸方向に固定するとしてもよい。特に第2レンズ群の最後部のレンズまたはレンズ群を分割して光軸方向に固定するとしてもよい。この場合は周辺光量の低下が考えられるがインナーフォーカスとなるため、防塵性を向上させることができる。
さらに本実施例をコントラスト検出方式のオートフォーカスに適用する場合、一部のレンズまたはレンズ群を光軸方向に微少移動させることで、コントラスト検知による合焦方向を迅速に判断することができる。微少移動させるレンズ群は第1レンズ群L1の一部又は第2レンズ群L2の一部若しくは全体が好ましい。この場合、特に第2レンズ群の先頭の正のレンズが、フォーカシングのためのスペースが確保でき、重量も軽量であり、強い屈折力を有しているためより望ましい。
さらに本実施例において、レンズ群の一部を光軸に対して略垂直方向に移動させ、像を移動させることで、撮影者による手ぶれを補正する防振機能を持たせることができる。この場合、光軸に対して略垂直方向に移動させるレンズ群は、特に第1レンズ群L1の一部又は第2レンズ群L2の一部若しくは全体が好ましい。

Claims (2)

  1. 物体側より順に、全体で正の屈折力を有する第1レンズ群L1と全体で正の屈折力を有する第2レンズ群L2とで構成され、
    該第1レンズ群L1は、正の屈折力を有する第1aレンズ群L1aと、第1bレンズ群L1bとからなり、
    該第1aレンズ群L1aは、物体側より順に、少なくとも2枚の正レンズと、最も像側のレンズ面が像側に凹であるレンズ面をレンズ面SFaとした負の屈折力のレンズとからなり、
    該第1bレンズ群L1bは、空気面に隣接する物体側のレンズ面が物体側に凹であるレンズを有し、該第1bレンズ群L1b中の空気面に隣接するレンズの物体側のレンズ面のうち、物体側に最も強い凹を向けているレンズ面をレンズ面SFbとし、
    該第1aレンズ群L1aは少なくとも1枚の低分散の媒質GLを用いた正の屈折力のレンズ群を含み、
    該第2レンズ群L2は、無限遠物体から近距離物体への合焦の際、物体側に向かって光軸方向に移動し、
    該第2レンズ群L2は、物体側から順に、正のレンズと、負のレンズと、絞りと、少なくとも1枚の正レンズに高屈折率の媒質GHを用いた正のレンズを含むレンズ群とから成り、
    以下の条件式を満足することを特徴とする大口径中望遠レンズ。
    (1)0.15<|RFa/RFb|<0.8
    (2)70.00<νGL
    (3)1.80000<nGH
    RFa:レンズ面SFaの曲率半径
    RFb:レンズ面SFbの曲率半径
    νGL:前記低分散の媒質GLのアッベ数(波長λ=587.56nm)
    nGH:前記高屈折率の媒質GHの屈折率(波長λ=587.56nm)
  2. 前記第2レンズ群L2は、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の大口径中望遠レンズ。
    (4)0.6<fL2/f<1.1
    fL2:前記第2レンズ群L2の焦点距離
    f:レンズ全系の焦点距離
JP2010020942A 2010-02-02 2010-02-02 大口径中望遠レンズ Active JP5570833B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010020942A JP5570833B2 (ja) 2010-02-02 2010-02-02 大口径中望遠レンズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010020942A JP5570833B2 (ja) 2010-02-02 2010-02-02 大口径中望遠レンズ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011158739A JP2011158739A (ja) 2011-08-18
JP5570833B2 true JP5570833B2 (ja) 2014-08-13

Family

ID=44590719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010020942A Active JP5570833B2 (ja) 2010-02-02 2010-02-02 大口径中望遠レンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5570833B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6219183B2 (ja) 2014-01-30 2017-10-25 富士フイルム株式会社 撮像レンズおよび撮像装置
JP6641880B2 (ja) * 2015-10-22 2020-02-05 株式会社ニコン 撮影レンズ、撮影レンズを備えた光学機器
JP6749632B2 (ja) * 2016-07-07 2020-09-02 株式会社シグマ 大口径レンズ
CN106443980B (zh) * 2016-12-16 2018-10-02 福建福光股份有限公司 紧凑型广角高分辨率空间目标探测镜头

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4198241B2 (ja) * 1998-09-14 2008-12-17 株式会社シグマ 望遠レンズ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011158739A (ja) 2011-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5402015B2 (ja) リアフォーカス光学系、撮像装置、リアフォーカス光学系の合焦方法
JP5395700B2 (ja) 大口径中望遠レンズ
JP5475401B2 (ja) 防振機能を有する大口径望遠ズームレンズ
JP5764510B2 (ja) ズームレンズ
JP5101878B2 (ja) 望遠レンズ
JP2013015712A (ja) 反射屈折型レンズ系および撮像装置
JP6105301B2 (ja) 結像光学系
JP2013097212A (ja) インナーフォーカス式望遠レンズ
JP5358227B2 (ja) インナーズームタイプ且つインナーフォーカスタイプのズームレンズ
JP5426353B2 (ja) 防振機能を有するズームレンズ
JP2018005099A (ja) 大口径レンズ
JP2011158599A (ja) 防振機能を有する大口径望遠ズームレンズ
JP5570833B2 (ja) 大口径中望遠レンズ
JP2011170086A (ja) 防振機能を有する大口径ズームレンズ
JP2016050947A (ja) ズームレンズおよび撮像装置
JP5562552B2 (ja) インナーフォーカスタイプの防振レンズ
JP5172247B2 (ja) ズームレンズ
JPH11352402A (ja) ズームレンズ
JP5078498B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP2016126277A (ja) 光学系及び撮像装置
WO2014069077A1 (ja) インナーフォーカス式レンズ
JP7241674B2 (ja) 撮像レンズおよび撮像装置
JP4796829B2 (ja) ズームレンズ系
JP2014092752A (ja) 反射望遠レンズ
JP4618463B2 (ja) フロントテレコンバーター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130917

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140624

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5570833

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250