JP5569739B2 - 耐チッピング性にすぐれた表面被覆切削工具 - Google Patents

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本発明は、例えば、鋼や鋳鉄などの被削材を、高熱発生を伴う高速断続切削条件下で切削加工した場合でも、硬質被覆層がすぐれた層間密着強度を有するため、切刃にチッピング(微小欠け)の発生なく、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
従来、炭化タングステン基超硬合金製基体(以下、超硬基体という)あるいはTiCN基サーメット基体(以下、サーメット基体という。また、超硬基体とサーメット基体とを総称して、工具基体という)の表面に、
(a)下部層が、3〜20μmの全体平均層厚を有するTiC層、TiN層、TiCN層、TiCO層およびTiCNO層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層、
(b)上部層が、1〜15μmの平均層厚を有し、化学蒸着形成された状態でα型の結晶構造を有する酸化アルミニウム(以下、Alで示す)層、
上記(a)、(b)からなる硬質被覆層を蒸着形成した被覆工具が広く知られており(例えば、特許文献1)、この被覆工具は、鋼や鋳鉄などの切削加工において、すぐれた耐摩耗性を発揮することが知られている。
また、被覆工具の耐欠損性、耐衝撃性、耐摩耗性等を向上させるため、硬質被覆層の下部層を構成するTiCN層の粒子幅を0.01〜0.5μmとした被覆工具も知られている(例えば、特許文献2)。
特公昭50−14237号公報 特開2007−260851号公報
近年の切削加工の省力化および省エネ化に対する要求は強く、これに伴い、切削加工はますます高速化、高効率化の傾向にあり、その反面、工具寿命の延命化を図るという点から硬質被覆層の厚膜化も求められているが、下部層としてTi化合物層、上部層としてAl層からなる硬質被覆層を形成した従来被覆工具を用いて鋼や鋳鉄の高速断続切削加工を行うと、硬質被覆層に微小チッピング、層間剥離等を生じ、これを原因として、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者らは、被覆工具の耐チッピング性、耐剥離性を改善すべく、硬質被覆層の層構造について鋭意研究を行った結果、次のような知見を得た。
被覆工具の硬質被覆層のうち、TiC層、TiN層、TiCN層、TiCO層およびTiCNO層のうちの1層または2層以上から形成されるTi化合物層からなる下部層は、それ自身の具備するすぐれた高温強度によって硬質被覆層の高温強度向上に寄与し、また、Al層からなる上部層は、耐酸化性と熱的安定性にすぐれ、さらに高硬度を有するが、高熱発生を伴い、切刃に高負荷が作用する高速断続切削では、下部層−上部層間の密着強度が十分でないため、これが微小チッピング、層間剥離発生の要因となる。
そこで、下部層−上部層の界面密着強度を高めるため、両層の密着界面領域の改質について、数多くの実験を重ねた結果、下部層と上部層とが隣接する界面の結晶粒構造を改善することにより、下部層と上部層の界面密着強度が高められることを見出したのである。
具体的には、Al層直下のTi化合物層の結晶粒の平均粒子径を0.5μm以下にすると共に、下部層と上部層とが隣接する界面に存在する下部層側の結晶粒(Ti化合物)の数aと上部層側の結晶粒(Al)の数bとの比率b/aが、4≦b/a≦20を満足するように下部層および上部層を蒸着形成すると、下部層と上部層との界面に発生する歪みが緩和されることにより、下部層−上部層界面の層間密着性が高められる。
そして、その結果として、高熱発生を伴い、切刃に高負荷が作用する高速断続切削加工においても、チッピング、剥離の発生なく、長期の使用に亘って優れた耐摩耗性を発揮することができることを見出したのである。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、3〜20μmの合計平均層厚を有する下部層と1〜15μmの平均層厚を有する上部層からなる硬質被覆層が蒸着形成された表面被覆切削工具において、
下部層は、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、また、上部層は、酸化アルミニウム層からなり、上記下部層と上記上部層とが隣接する界面に存在する上記Ti化合物層側の結晶粒の数aと上記酸化アルミニウム層側の結晶粒の数bとの比率b/aが4≦b/a≦20を満足し、さらに、上記酸化アルミニウム層直下のTi化合物層の結晶粒の平均粒子径が0.5μm以下であることを特徴とする表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
以下に、本発明の被覆工具の硬質被覆層について、詳細に説明する。
(a)下部層(Ti化合物層)
Tiの炭化物(TiC)層、窒化物(TiN)層、炭窒化物(TiCN)層、炭酸化物(TiCO)層および炭窒酸化物(TiCNO)層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層は、硬質被覆層の下部層として存在し、自身の具備するすぐれた高温強度によって硬質被覆層の高温強度向上に寄与するが、その合計平均層厚が3μm未満では、前記作用を十分に発揮させることができず、一方、その合計平均層厚が20μmを越えると、特に高熱発生を伴う高速断続切削では熱塑性変形を起し易くなり、これが偏摩耗の原因となることから、その平均層厚を3〜20μmと定めた。
また、上部層(Al層)直下のTi化合物層の結晶粒の平均粒子径が0.5μmを超えると、上部層(Al層)と上部層Al層直下のTi化合物層と層間密着性が低下し、耐チッピング性が劣化するため、上部層(Al層)直下のTi化合物層の結晶粒の平均粒子径は0.5μm以下と定めた。
ここで、平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡の断面観察により超硬基体表面と平行な方向に50μmに渡って線を引き、Al層直下のTi化合物層の結晶粒の結晶粒界との交点を数え、それら線分長さの平均から粒径を求めた。
(b)上部層(Al層)
上部層を構成するAl層は、高温硬さおよび耐熱性にすぐれ、高熱発生を伴う高速断続切削加工において、基本的な役割として耐摩耗性を維持する。
Ti化合物層からなる下部層表面に、例えば、以下の手順でAl2蒸着前処理を行い、ついで、通常条件でAl2層を成膜することにより、本発明で規定する条件を満足するAl2層を形成することができる。
Al2蒸着前処理は以下の4段階からなり、
まず、
《第1段階》
反応ガス(容量%): AlCl 0.5〜2%, 残部Ar、
雰囲気圧力: 30〜100Torr、
処理温度: 750〜1000℃、
処理時間: 1〜3min.、
の条件で下部層の表面改質を行った後、
《第2段階》
雰囲気圧力: 30〜100Torr、
雰囲気温度: 750〜1000℃、
に維持した状態で、1〜3分間、Arガスで炉内ガスをパージし、
《第3段階》
反応ガス(容量%): CO 1〜10%, 残部Ar、
雰囲気圧力: 30〜100Torr、
処理温度: 750〜1000℃、
処理時間: 5〜20min.、
の条件(但し、時間の経過とともに、反応ガス中のCOの含有割合を徐々に減少させる)で酸化処理を行い、
《第4段階》
雰囲気圧力: 30〜100Torr、
雰囲気温度: 750〜1000℃、
に維持した状態で、1〜3分間、Arガスで炉内ガスをパージする。
上記4段階のAl蒸着前処理を行った後、通常の成膜法でAl層を成膜することにより、本発明で規定する条件を満足するAl層、即ち、工具基体表面に垂直方向な断面における下部層(Ti化合物層)と上部層(Al層)とが隣接する界面に存在する下部層側のTi化合物結晶粒の数aと上部層側のAl結晶粒の数bとの比率b/aを求めた場合に、b/aが4以上で20以下となる界面形態を備えた上部層を蒸着形成することができる。
ここで、下部層(Ti化合物層)と上部層(Al層)とが隣接する界面に存在する下部層側のTi化合物結晶粒の数aと上部層側のAl結晶粒の数bの測定は、下部層−上部層との界面10箇所について、透過型電子顕微鏡を用い、50000倍の暗視野観察による断面測定を行い、超硬基体表面に平行な直線距離を測定幅25μmとし、その範囲に存在するAl粒子と界面を有しているTi化合物粒子の数およびTi化合物粒子と界面を有しているAl粒子の数のそれぞれをカウントすることにより、求めることができる。
上記a,bの比の値b/aについて、b/aが4未満である場合には、下部層−上部層界面におけるミスフィットを十分に緩和することができなくなり、一方、b/aが20を超えると、Al内の粒子間歪みが増大し、すぐれた層間密着性を発揮し得なくなるため、b/aは、4≦b/a≦20と定めた。
この様な界面形態を備えた上部層と下部層からなる本発明の硬質被覆層は、界面歪みが緩和されることによって、すぐれた層間密着性を有するようになり、高速断続切削加工における微小チッピングの発生、剥離の発生を抑制するようになる。
上部層の平均層厚が1μm未満では、長期の使用に亘って耐摩耗性を十分に発揮することができず、工具寿命の短命化を招き、一方、上部層の平均層厚が15μmを超えるようになると、切刃部にチッピング、欠損、剥離等が発生し易くなることから、上部層の平均層厚は、1〜15μmと定めた。
本発明の被覆工具は、硬質被覆層として、Ti化合物層からなる下部層とAl層からなる上部層を蒸着形成したものにおいて、下部層と上部層との隣接界面に存在する下部層側のTi化合物結晶粒の数aと上部層側のAl結晶粒の数bとの比率b/aが4≦b/a≦20を満足する界面構造を構成し、さらに、上部層(Al層)直下のTi化合物層の結晶粒の平均粒子径を0.5μm以下としていることから、特に、下部層と上部層間の層間密着性が高められ、その結果、例えば鋼や鋳鉄などの、高熱発生を伴い、切刃に高負荷が作用する高速断続切削加工に用いた場合でも、硬質被覆層がすぐれた層間密着強度を有するため、切刃に微小チッピング、剥離等の発生なく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することができる。
本発明被覆工具6の下部層と上部層との界面の透過型電子顕微鏡写真より作成した界面構造模式図とa,b,b/aの値を示す。 従来被覆工具8の下部層と上部層との界面の透過型電子顕微鏡写真より作成した界面構造模式図とa,b,b/aの値を示す。
つぎに、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも2〜4μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、TiN粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO・CNMG160412に規定するスローアウエイチップ形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A〜Fをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG160412のチップ形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体a〜fを形成した。
ついで、これらの工具基体A〜Fおよび工具基体a〜fのそれぞれを、通常の化学蒸着装置に装入し、まず、表3(表3中のl−TiCNは特開平6−8010号公報に記載される縦長成長結晶組織をもつTiCN層の形成条件を示すものであり、これ以外は通常の粒状結晶組織の形成条件を示すものである)に示される条件にて、表6に示される組み合わせおよび目標層厚でTi化合物層を硬質被覆層の下部層として蒸着形成し、
ついで、表4に示される条件にて、下部層の表面にAl2蒸着前処理を施し、
ついで、表3に示される条件にて、表5に示される組み合わせおよび目標層厚で、Al23 層を上部層として蒸着形成する、
ことにより本発明被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、下部層の表面にAl2蒸着前処理を施さない以外は、本発明被覆工具1〜13と全く同様にして、下部層(Ti化合物層)および上部層(Al23 層)を蒸着形成することにより、表6に示される従来被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
次に、上記の本発明被覆工具1〜13と従来被覆工具1〜13の硬質被覆層の下部層と上部層との界面近傍10箇所について、透過型電子顕微鏡(50000倍)による暗視野観察による断面測定を行い、超硬基体表面に平行な直線距離を測定幅25μmとし、その範囲に存在するAl2粒子と界面を有しているTi化合物粒子の数aおよびTi化合物粒子と界面を有しているAl2粒子の数bをカウントし、b/aの値を求めた。
表5に、上記で求めたa,b,b/aの値を示す。
図1には、本発明被覆工具6の下部層と上部層との界面の透過型電子顕微鏡写真より作成した界面構造模式図とa,b,b/aの値を示す。
図2には、従来被覆工具8の下部層と上部層との界面の透過型電子顕微鏡写真より作成した界面構造模式図とa,b,b/aの値を示す。
また、本発明被覆工具1〜13および従来被覆工具1〜13の硬質被覆層の下部層のTi化合物について、透過型電子顕微鏡の断面観察により超硬基体表面と平行な方向に50μmにわたって線を引き、上部層(Al23 層)直下のTi化合物層の結晶粒の結晶粒界との交点を数え、それら線分長さの平均から平均粒子径を求めた。
表5に、測定した平均粒子径を示す。
さらに、本発明被覆工具1〜13および従来被覆工具1〜13の硬質被覆層の各構成層の厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定(縦断面測定)したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示した。
つぎに、上記の本発明被覆工具1〜13および従来被覆工具1〜13について、いずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
[切削条件A]
被削材:JIS・SNCM420の長さ方向等間隔4本縦溝入の丸棒、
切削速度: 375m/min.、
切り込み: 2.4mm、
送り: 0.22mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件でのニッケルクロムモリブデン鋼の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は200m/min.)、
[切削条件B]
被削材:JIS・FCD500の長さ方向等間隔4本縦溝入の丸棒、
切削速度: 365m/min.、
切り込み: 2.45mm、
送り: 0.31mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件での鋳鉄の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は180m/min.)、
[切削条件C]
被削材:JIS・S30Cの長さ方向等間隔4本縦溝入の丸棒、
切削速度: 370m/min.、
切り込み: 1.55mm、
送り: 0.47mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件での炭素鋼の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は250m/min.)
を行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
この測定結果を表7に示した。
Figure 0005569739
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表5〜7に示される結果から、本発明被覆工具1〜13は、下部層と上部層との隣接界面に存在する下部層側のTi化合物結晶粒の数aと上部層側のAl結晶粒の数bとの比率b/aが4≦b/a≦20を満足する界面構造を構成し、さらに、上部層(Al層)直下のTi化合物層の結晶粒の平均粒子径を0.5μm以下としていることから、特に、下部層と上部層間の層間密着性が高められ、その結果、高熱発生を伴い、切刃に高負荷が作用する高速断続切削加工に用いた場合でも、硬質被覆層がすぐれた層間密着強度を有するため、切刃に微小チッピング、剥離等の発生なく、長期の使用に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮することができる。
しかるに、硬質被覆層の下部層と上部層との間に本発明のような界面構造が形成されていない従来被覆工具1〜13においては、高速断続切削条件下では、硬質被覆層の層間密着強度が不十分であるために、硬質被覆層に微小チッピング、欠損、剥離等が発生し、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、本発明の被覆工具は、特に高い発熱を伴い切刃に対して高負荷が作用する高速断続切削加工においてすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を示し、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化が十分期待できるものである。

Claims (1)

  1. 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、3〜20μmの合計平均層厚を有する下部層と1〜15μmの平均層厚を有する上部層からなる硬質被覆層が蒸着形成された表面被覆切削工具において、
    下部層は、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上のTi化合物層からなり、また、上部層は、酸化アルミニウム層からなり、上記下部層と上記上部層とが隣接する界面に存在する上記Ti化合物層側の結晶粒の数aと上記酸化アルミニウム層側の結晶粒の数bとの比率b/aが4≦b/a≦20を満足し、さらに、上記酸化アルミニウム層直下のTi化合物層の結晶粒の平均粒子径が0.5μm以下であることを特徴とする表面被覆切削工具。
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