JP5569175B2 - 車両のエンジンカバー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のエンジンカバー構造に関し、特にエンジンカバーの車両後方位置に配置された燃料系部品とエンジンカバーとの干渉を抑制可能な車両のエンジンカバー構造に関する。
従来より、車両に搭載されるエンジンのシリンダヘッドカバーの上部を覆うエンジンカバーを設け、このエンジンカバーによりエンジンからの放射音の低減やエンジンルーム内の見栄え向上を図るものが知られている。このエンジンカバーは、エンジンカバーの裏面に設けられた取付部を介してエンジン側に固定されている。
特許文献1のエンジンカバー装置は、ダッシュパネルに燃料フィルタが配置され、出力軸が車幅方向に延びるように横置き搭載されたエンジンと、ダッシュパネルに対向するエンジンの側面に燃料フィルタと同じ高さ位置に配置されたEGRバルブ等の補機類とを備え、エンジンカバーを支持する取付ブラケットをエンジンの車両後方位置に取付け、この取付ブラケットに補機類の車両後方を覆うプロテクタを装着している。
このエンジンカバー装置では、車両に対しての斜め前方や車幅方向中心から何れか一側に偏った前方から衝撃荷重がエンジンに作用したとき、エンジンを支持する左右のエンジンマウント位置が相対的に変位し、エンジンが車両後方へ移動しても、取付ブラケットに装着されたプロテクタによりEGRバルブ等の補機類が同じ高さ位置の燃料フィルタに直接干渉することを防止している。
特開2007−177713号公報
特許文献1のエンジンカバー装置では、エンジンカバーをエンジンに固定する取付ブラケットを利用して補機類と燃料系部品としての燃料フィルタとの干渉を防止でき、燃料フィルタの破損に起因する燃料漏れ等を防止できる。しかし、このエンジンカバー装置では、衝突時の衝撃荷重により車体に対してエンジンが移動したとき、補機類と燃料系部品の間にプロテクタを介在させて補機類と燃料系部品との干渉を防止しているものの、エンジンカバーと燃料系部品との干渉を防止することについて一切検討されていない。
車両の衝突状況は衝撃荷重の程度、衝撃荷重の作用位置、衝撃荷重の作用方向等により異なり、衝撃荷重がエンジンに直接作用しない場合や作用してもエンジンが車体に対して移動しない場合も存在する。エンジンカバーは取付ブラケット等の取付部によりエンジンに設置されているため、エンジンカバーに対して車両後方への衝撃荷重が作用した場合、エンジンは移動せずにエンジンカバーのみがエンジンに対して車両後方へ相対的に移動する虞が有る。エンジンの車両後方位置には燃料フィルタ以外にも車体側燃料配管とエンジン側燃料配管とを接続する燃料コネクタ等の比較的小型の燃料系部品が配置され、エンジンカバーとの干渉によりこれら燃料系部品の破損や嵌合外れを招く虞も有る。しかも、遮音効果を高めるためにエンジンカバーを大型化した場合やエンジンレイアウト上の要求からエンジンカバーをエンジン本体以外、例えば吸気マニホールド等に固定した場合には、エンジンカバー単独による車両後方への移動可能性が増加し、後方への移動可能性の増加に伴いエンジンカバーと燃料系部品とが干渉する可能性も増加する。
本発明の目的は、エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、エンジンカバーの車両後方への移動を規制して燃料系部品とエンジンカバーとの干渉を抑制可能な車両のエンジンカバー構造等を提供することである。
請求項1の車両のエンジンカバー構造は、車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、前記突出部材と係止部材は前記エンジンの車幅方向略中央部分に夫々設置されたことを特徴としている。
この車両のエンジンカバー構造においては、エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備えているため、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、エンジンに固定された前記係止部材が突出部材を係止することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記エンジンは出力軸が車幅方向に延びるようエンジンルーム内に横置き搭載されると共に後傾状にスラント配置されたことを特徴としている
請求項の発明は、車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、前記エンジン上部に上方へ突出すると共にエンジンへオイルを注入可能なオイル注入部を備え、前記係止部材は、前記オイル注入部の車両前側壁部と、この前側壁部から車両前方へ突出した突出部とを有することを特徴としている。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記オイル注入部の上端開口を閉塞するフィラーキャツプと、前記エンジンカバーの前記フィラーキャツプと対向する位置にフィラーキャツプを挿入可能な開口部とを備え、前記突出部材が前記開口部の車両前方位置に形成されたことを特徴としている。
請求項の発明は、車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、前記エンジンカバーは前記突出部材より車両前方位置に他の部分に比べて強度の低い脆弱部を有することを特徴としている。
請求項の発明は、車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、前記突出部材の車両前方側に補強部材を装着したことを特徴としている。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記補強部材の車両前方側端部に、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーに下方から当接して変形起点を形成可能な変形促進部を設けたことを特徴としている。
請求項の発明は、車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、前記燃料系部品は、前記エンジンカバーの上面とボンネットの下面との間に設けられたことを特徴としている。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記エンジンカバーは、前記燃料系部品と平面視にて重複する部分の後端部がそれ以外の部分の後端部よりも車両前方位置になるよう形成されたことを特徴としている。
請求項10の発明は、請求項の発明において、前記エンジンカバーは、前記燃料系部品と平面視にて重複する部分が後方下がり傾斜状に形成されたことを特徴としている。
請求項11の発明は、請求項1〜10の何れか1項の発明において、前記燃料系部品は合成樹脂製の燃料コネクタであることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、エンジンに固定され突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備えているため、エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、係止部材が突出部材を係止することができ、エンジンカバーのエンジンに対する車両後方への相対移動を規制できる。それ故、エンジンカバーの車両後方位置に配置された燃料系部品をエンジンカバーとの干渉から保護し、燃料系部品の破損や嵌合外れを防止することができる。
また、エンジンカバーに正面から車両後方への衝撃荷重が作用したとき、1組の係止部材と突出部材とによりエンジンカバーの係止部材を回転中心とした回転移動を抑制し、エンジンカバーの車幅方向一側の後端部と燃料系部品との干渉を抑制できる。
請求項2の発明によれば、車両の低ボンネット化を図りつつ、燃料系部品とエンジンカバーとの干渉を抑制できる
請求項の発明によれば、剛性の高いオイル注入部の前側壁部により衝撃荷重を支持でき、突出部によりエンジンカバーの車両後方への移動を確実に規制できる。
請求項の発明によれば、フィラーキャツプのサービスホールとしての挿入用開口部を利用して係止部材に対応した位置に突出部材を配置でき、突出部材のエンジンカバーへの取付強度を増すことができる。
請求項の発明によれば、エンジンカバーに作用した衝撃荷重を突出部材の車両前方位置に設けた脆弱部の潰れ変形により吸収し、脆弱部後方に配置された突出部材に伝達される衝撃荷重の集中を防止できる。
請求項の発明によれば、突出部材の剛性を増加でき、エンジンカバーに作用した衝撃荷重による突出部材の破損を防止できる。
請求項の発明によれば、突出部材の剛性を増加しつつ、突出部材の車両前方位置の変形により衝撃荷重を吸収し、突出部材に伝達される衝撃荷重の集中を防止できる。
請求項の発明によれば、エンジンカバーに作用した衝撃荷重によりエンジンカバーが車両後方へ移動したとき、燃料系部品とエンジンカバーとの干渉を抑制できる。
請求項の発明によれば、ボンネットが下方に谷折状に折れる衝突形態の場合、燃料系部品がボンネットから下方に押されても、ボンネットとエンジンカバーに挟まれることなく、燃料系部品の破損を防止できる。
請求項10の発明によれば、エンジンカバーに作用した衝撃荷重によりエンジンカバーが車両後方上側へ移動したとき、燃料系部品とエンジンカバーとの干渉を抑制できる。
請求項11の発明によれば、車両の前突時に、合成樹脂製の燃料コネクタが破損若しくは嵌合外れによる燃料漏れの発生を抑制できる。
本発明のエンジンカバー構造を備えた車体前部の斜視図である。 エンジンカバーを取付けたエンジンの平面図である。 エンジンカバーを取付けたエンジンの縦断面図である。 エンジンカバーを取付けたエンジンの要部断面図である。 エンジンの斜視図である。 エンジンカバーを裏面から見た斜視図である。 エンジンカバーを裏面から見た平面図である。 衝突前の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。 衝突初期の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。 衝突後期の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。 実施例2に係るエンジンカバーを裏面から見た斜視図である。 図11のXII−XII線断面図である。 実施例3に係るエンジンカバーを裏面から見た斜視図である。 衝突前の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。 衝突初期の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。 衝突後期の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。 実施例4に係るエンジンカバーを裏面から見た斜視図である。 衝突前の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。 衝突初期の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。 衝突後期の突起部材とオイル注入部との位置関係を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
尚、以下の実施例において、図における左右方向を左右方向とし、上下方向を上下方向として説明する。
以下、本発明の実施例について図1〜図10に基づいて説明する。
図1に示すように、車両1の車体前部にエンジンルーム2が形成され、このエンジンルーム2の左右両側部分に前後方向に延びる左右1対のフロントサイドフレーム3が配設されている。エンジンルーム2の後端部はダッシュパネル4により車室5と仕切られ、ダッシュパネル4に1対のフロントサイドフレーム3の後端部が結合されている。フロントサイドフレーム3の上側部分には、前後方向に延びる左右1対のエプロン部材6が配設され、エプロン部材6の内側に左右1対のサスペンションタワー7が形成されている。フロントサイドフレーム3には先端部に形成されたクラッシュカン(図示略)や途中部に形成された折れ起点となるビード部(図示略)等の衝撃吸収機構が設けられ、車両の衝突時に、フロントサイドフレーム3の変形により車室5へ伝達される衝撃荷重を低減するように形成されている。
エンジンルーム2の上部は、前方下がり傾斜状且つ車幅方向外側程下方へ移行するように形成された傾斜状のボンネット8(図3,図4参照)により開閉可能に覆われている。このエンジンルーム2の内部には、直列4気筒エンジン9と、エンジン9に連結されたトランスミッション(図示略)と、エンジン9や各種制御系装置を制御する電子ユニット10と、バッテリ11と、エアクリーナ12と、種々の機構及び部品等が収容配置されている。
エンジン9は、吸気カムシャフト(図示略)と排気カムシャフト(図示略)とを備えたDOHC型の動弁機構を有する多気筒ガソリンエンジンである。
エンジン9は、出力軸が車幅方向に延びるようエンジンルーム2内に横置き搭載され、複数箇所でエンジンマウント(図示略)を介して1対のフロントサイドフレーム3に対して支持されている。図3,図4に示すように、エンジン9は、上側程車両後方に位置するよう後傾状にスラント配置されている。これにより、ボンネット8を車両1の下方位置に配置でき、低ボンネット化を図っている。
図3〜図5に示すように、エンジン9は、車幅方向に4つの気筒(図示略)を有するシリンダブロック13と、シリンダブロック13の上部に組付けられたシリンダヘッド14と、シリンダヘッド14の上部に組付けられたポリアミド系合成樹脂(例えば、PA66)製のシリンダヘッドカバー15と、シリンダブロック13の下部に組付けられたオイルパン(図示略)等を備えている。エンジン9には、エンジン9の上部を覆うエンジンカバー40が取付けられている。
シリンダヘッド14には、合成樹脂製の吸気マニホールド16と、鋳鉄製の排気マニホールド17と、バキュームポンプ18と、燃料を各気筒に対応したインジェクタ(図示略)に供給可能な燃料ポンプ19と、パワステアリングポンプ(図示略)及びカムアングルセンサ(図示略)等が取付けられている。
吸気マニホールド16の各吸気通路は、側面視にてシリンダヘッド14から前方下側に湾曲した略湾曲形状に形成され、下流端部がシリンダヘッド14の車両前側壁部に形成された各気筒に対応する吸気ポートに夫々接続され、上流端部がシリンダブロック13の車両前側壁部に設置されたサージタンク20に夫々接続されている。エアクリーナ12(図1参照)とサージタンク20に装着されたスロットルボディ21とが吸気通路22により接続されている。
図5に示すように、吸気マニホールド16には、エンジンカバー40をエンジン9に固定するための左右2つの係合部23,23が一体形成されている。各係合部23,23は、左側に位置する2つの吸気通路の間で且つシリンダヘッド14の車両前側壁部の近傍位置と、右側に位置する2つの吸気通路の間で且つシリンダヘッド14の車両前側壁部の近傍位置とに夫々上方へ向けて立設されている。係合部23は、上側先端に球状の嵌合部23aと、嵌合部23aを下側から支持する支持部23bとから構成されている。
排気マニホールド17の各排気通路は、上流端部が各気筒に対応してシリンダヘッド14の車両後側壁部に形成された排気ポートに夫々接続されている。各排気通路は、下流側位置で一旦集合され、この集合部がエンジン9の車両後方位置に配置された触媒24に接続されている。
バキュームポンプ18と燃料ポンプ19は、シリンダヘッド14の右側壁部に保持されている。バキュームポンプ18は、車両後側に回転自在に配置された排気カムシャフトの右側端部をシリンダヘッド14の右側外方まで延長したシャフト部分先端側に形成されたカム部(図示略)により負圧を発生可能に構成されている。
燃料ポンプ19は、バキュームポンプ18とシリンダヘッド14の右側壁部との間に設けられ、バキュームポンプ18と同様に、排気カムシャフトの延長シャフト部分に形成されたカム部(図示略)により燃料を導入・排出可能に構成されている。燃料ポンプ19は、燃料を導入するための導入パイプ19aと、燃料を各インジェクタに供給するための排出パイプ19b等を備えている。
燃料タンクに貯留された燃料は、ダッシュパネル4に配置された燃料フィルタ(図示略)に一端部が接続された金属製の燃料供給パイプ25と、燃料供給パイプ25の他端部に一端部が接続され且つ他端部が導入パイプ19aに接続された合成樹脂製のエンジン側ホース26を通過して燃料ポンプ19へ供給される。
燃料供給パイプ25は、エンジンルーム2の下側位置から前側程上方へ立ち上がるよう配置されている。図2,図3に示すように、燃料供給パイプ25の他端部は、平面視にてエンジン9の車幅方向右側の中央部近傍位置で且つ側面視にてエンジンカバー40の車両後方側端部の上方位置に位置している。
燃料供給パイプ25の他端部は、エンジン側ホース26の一端部と合成樹脂製の着脱自在なコネクタ27(燃料系部品)を介して接続されている。コネクタ27は、側面視にてエンジンカバー40の上面とボンネット8の下面との間に位置するよう配置されている。
コネクタ27は、接続孔を備えたコネクタ本体と、コネクタ本体に嵌合可能なリテーナと、シール部材と、ストッパリングと、シールリップ等を備えている。それ故、サービス時の燃料供給パイプ25とエンジン側ホース26の着脱作業が容易であり、作業効率を増すことができる。
エンジン側ホース26は、前記コネクタ27により一端部が燃料供給パイプ25の他端部と接続された位置、所謂コネクタ配置位置から車幅方向左側へ延びると共にエンジン9の車幅方向左側の中央部近傍位置で折り返し導入パイプ19aに接続されている。エンジン側ホース26の折り返し部分は、シリンダヘッド14に固定されたクリップ29により支持されている。これにより、エンジン9と車体側部材である燃料供給パイプ25との間に相対移動が生じた場合でも、エンジン側ホース26の折り返し部分の変形により相対移動を吸収することができる。
次に、シリンダヘッドカバー15について説明する。
図3〜図5に示すように、シリンダヘッドカバー15は、シリンダヘッド14の上部を覆うようにシリンダヘッド14に装着されている。シリンダヘッドカバー15は、車両前側に配置された吸気カムシャフトに対応して形成され車幅方向に延びるカムカバーとしての第1膨出部15aと、車両後側に配置された排気カムシャフトに対応して形成され車幅方向に延びるカムカバーとしての第2膨出部15bと、シリンダヘッド14へオイルを注入可能な開口を備えたオイル注入部30と、オイルレベルゲージ33を装着可能なゲージ装着部32等が一体的に形成されている。
第1膨出部15aと第2膨出部15bとの間には、各気筒の燃焼室(図示略)に応じて車幅方向に4つのプラクホールが設けられ、夫々のプラクホールに点火プラグ(図示略)が装着されている。第2膨出部15b内の上部空間には、複数のバッフルプレートにより仕切られたオイルセパレータ空間が形成されている。
オイル注入部30は、第1膨出部15aの車幅方向略中央部分、所謂第2気筒と第3気筒との間に位置すると共に車両前方位置に形成されている。オイル注入部30は、第1膨出部15aの上面から上方へ突出した筒状部30aと、筒状部30aの車両前方部分に形成され上下方向に延びる前側壁部30bと、前側壁部30bの上端部分から車両前方へ突出した突出部30c等から構成されている。筒状部30aの上端部内周面にはねじ溝が刻設され、フィラーキャツプ31が上端開口を閉塞するよう螺合されている。
ゲージ装着部32は、第1膨出部15aの車幅方向左側部分、所謂第1気筒と第2気筒との間に位置すると共に車両前方位置に配置されている。ゲージ装着部32は、第1膨出部15aの上面から上方へ突出した筒状部32a等を備えている。筒状部32aの上端部には、オイルレベルゲージ33が上端開口を閉塞するよう装着される。
シリンダヘッドカバー15には、エンジンカバー40をエンジン9に固定するための2つの保持部34,35が一体的に形成されている。
保持部34は、シリンダヘッドカバー15の左側前端位置に配置され、エンジンカバー40に形成された嵌合部49aと嵌合可能な略テーパ状のマウントラバー部34aと、マウントラバー34aを支持すると共に第1膨出部15aの上面から上方へ突出した支持部34bを備えている。保持部35は、シリンダヘッドカバー15の右側後端位置に配置され、保持部34と同様に、エンジンカバー40に形成された嵌合部48aと嵌合可能なマウントラバー部と、このマウントラバー部を支持する支持部を備えている。
次に、エンジンカバー40について説明する。
図1,図2,図6,図7に示すように、ポリアミド系合成樹脂(例えば、PA6)製のエンジンカバー40は、エンジン9の中央部分上方を覆う本体部41と、エンジン9の左側部分上方を覆う第1側部42と、エンジン9の右側部分上方を覆う第2側部43とにより一体的に形成されている。
図2に示すように、エンジンカバー40は、平面視にて吸気マニホールド16の前端部分の近傍位置からシリンダヘッド14の車両後側壁部の上方位置に亙って形成され、車両前方程車幅方向の幅が狭くなる略左右対称の台形形状に構成されている。
図2〜図4に示すように、本体部41は、コネクタ27と平面視にて重複する後端部が第1,第2側部42,43の後端部よりも車両前方位置になるよう形成され、コネクタ27と平面視にて重複する後側部分が後方下がり傾斜状に形成されている。
本体部41は、下方に凹入した略楕円上の凹入部44と、この凹入部44に形成された円状の第1開口部45と、凹入部44に形成され第1開口部45に隣接した位置に形成された第2開口部46と、本体部41の前側位置に形成され車幅方向に隣接した2つの保持部47,47と、本体部41の後側位置に形成された係合部48と、本体部41の略中央位置に形成された突出部材50等を備えている。
図2に示すように、凹入部44は、オイル注入部30とゲージ装着部32の上方位置に対応して形成されている。サービスホールとしての第1開口部45は、オイル注入部30を閉塞するフィラーキャツプ31と対向する位置(エンジン9の車幅方向略中央位置)にフィラーキャツプ31を挿入可能に構成されている。第1開口部45は、凹入部44の底面から下方へ延びるテーパ面を備えて部分円錐状に形成されている。サービスホールとしての第2開口部46は、ゲージ装着部32を閉塞するオイルレベルゲージ33と対向する位置にオイルレベルゲージ33を挿入可能に構成されている。第2開口部46は、凹入部44の底面から下方へ延びるテーパ面を備えて部分円錐状に形成されている。
保持部47,47は、吸気マニホールド16に形成された左右2つの係合部23,23と係合可能に形成されている。保持部47,47は、夫々、嵌合部23aと嵌合可能な略テーパ状のマウントラバー部47aと、マウントラバー47aを支持すると共に本体部41の下面から下方へ突出した支持部47bを備えている。
係合部48は、シリンダヘッドカバー15の右側後端位置に形成された保持部35と係合可能に形成されている。係合部48は、保持部35のマウントラバー部と嵌合可能な球状の嵌合部48aと、嵌合部48aを支持すると共に本体部41の下面から下方へ突出した支持部48bとから構成されている。
突出部材50は、第1開口部45の車両前方位置、つまり筒状部30aの車両前方位置において本体部41の下面から下方(エンジン9側)へ延び、前側壁部30bに設けられた突出部30cより下方位置にて車両後方側へ屈曲するよう形成されている。突出部材50の下側先端部は、筒状部30aの外周面に沿うように部分円環状に構成されている。突出部材50の下側先端部と筒状部30aの外周面との離隔距離は、突出部30cが筒状部30aの外周面から前方へ突出した距離よりも大きく設定されている。これにより、エンジンカバー40に車両後方への衝撃荷重が作用したとき、突出部材50の車両後方への移動は前側壁部30bとの当接により規制され、突出部材50の下側先端部と突出部30cとの係合により突出部材50の車両後方への移動を阻止することができる。しかも、エンジンカバー40の着脱作業を行う場合、突出部材50と突出部30cとが干渉することなく作業効率を増すことができる。
突出部材50の基端部は、本体部41と凹入部44との下面及び第1開口部45のテーパ部分の裏面と連結されている。突出部材50は、第1開口部45の車両前側部分の円弧に対応して形成され、突出部材50の車幅方向の幅は、前側壁部30bの車幅方向の幅よりも大きく形成されている。突出部材50は、車両前側壁部に上下方向に延びる複数の縦リブ51と、車両前側壁部に縦リブ51と交差する車幅方向に延びる複数の横リブ52とを有している。それ故、突出部材50の本体部41への取付け強度を高くできると共に、衝撃荷重による突出部材50の破損を防止することができる。尚、縦リブ51と横リブ52の交差部分には、ねじ穴55が設けられている。
第1側部42と第2側部43の後端部は、本体部41の後端部よりも車両後方位置に形成されている。第1側部42の車両前後方向中間部には、係合部49が形成されている。係合部49は、シリンダヘッドカバー15の左側前端位置に形成された保持部34と係合可能に形成されている。係合部49は、保持部34のマウントラバー部34aと嵌合可能な球状の嵌合部49aと、嵌合部49aを支持すると共に第1側部42の下面から下方へ突出した支持部49bとから構成されている。
次に、図8〜図10に基づき、衝突時の突起部材50とオイル注入部30との挙動について説明する。
図8に示すように、衝突前の突部材50は、オイル注入部30の筒状部30aと所定距離離隔して車両前方位置に配置されている。突起部材50の下側先端部は、突出部30cより下方位置に配置され、突出部30cの前端部分よりも車両前方位置に配置されている。
図9に示すように、車両1の衝突によりフロントサイドフレーム3に設けられたクラッシュカン等の衝撃吸収機構が作動し、吸気マニホールド16の前端部分の潰れ変形が生じたとき、エンジンカバー40に車両後方への衝撃荷重が作用する。
このとき、エンジンカバー40への直接的な押動作用又は保持部23の後方移動等により、エンジンカバー40が車両後方へ移動を開始する。エンジンカバー40の移動に伴い突出部材50が後退し、突出部材50の下側先端部とオイル注入部30の前側壁部30bとが当接して、エンジンカバー40の車両後方への移動を規制する。尚、前側壁部30bはエンジン9の車幅方向略中央位置に配置されているため、エンジンカバー40はオイル注入部30を回転中心とした回転動作規制される。
図10に示すように、衝突による更に衝撃荷重が増大したとき、エンジンカバー40へ作用する車両後方への衝撃荷重が増加する。エンジン9が後斜状のスラント配置されているため、エンジンカバー40は車両後方への移動と同期して前側壁部30bに沿って上方へ移動する。その後、突出部材50の下側先端部と突出部30cとが係合すると、エンジンカバー40の車両後方への移動はオイル注入部30、更にはオイル注入部30を保持するエンジン9等により規制され、エンジンカバー40の車両後方への移動は阻止される。これにより、エンジンカバー40とコネクタ27との干渉を防止することができる。
このとき、突出部材50の基端部は本体部41と凹入部44との下面及び第1開口部45のテーパ部分の裏面と連結されているため、リブ効果等により取付強度を高くでき、突出部材50のエンジンカバー40からの剥離等を防止できる。また、コネクタ27がエンジンカバー40の上面とボンネット8の下面との間に配置されているため、突出部材50の下側先端部と突出部30cとが係合するまでの間、エンジンカバー40が車両後方へ移動しても、エンジンカバー40とコネクタ27との干渉を回避することができる。衝撃によりボンネット8が下方に谷折れした際、コネクタ27と平面視にて重複する本体部41の後端部が第1,第2側部42,43の後端部よりも車両前方位置になるよう形成され後方下がり傾斜状に形成されているため、エンジンカバー40とボンネット8の下面との間にコネクタ27が挟み込まれることを防止できる。
次に、実施例1に係る車両のエンジンカバー構造の作用・効果について説明する。
この車両のエンジンカバー構造は、車体前部に形成されたエンジンルーム2内にエンジン9を搭載し、このエンジン9に固定されエンジン9の上部を覆うエンジンカバー40を備えた車両のエンジンカバー構造において、エンジンカバー40の車両後方位置に配置された燃料系部品(コネクタ27)と、エンジンカバー40からエンジン9側へ突出した突出部材50と、エンジン9に固定され突出部材50より車両後方位置に配置された係止部材(前側壁部30b及び突出部30c)とを備え、係止部材は、エンジンカバー40に車両後方への衝撃荷重が作用したとき、突出部材40を係止してエンジンカバー40の車両後方への移動を規制可能に構成している。
この車両のエンジンカバー構造によれば、エンジンカバー40からエンジン9側へ突出した突出部材40と、エンジン9に固定され突出部材50より車両後方位置に配置された係止部材とを備えているため、エンジンカバー40に車両後方への衝撃荷重が作用したとき、係止部材が突出部材50を係止することができ、エンジンカバー40のエンジン9に対する車両後方への相対移動を規制できる。それ故、エンジンカバー40の車両後方位置に配置された燃料系部品をエンジンカバー40との干渉から保護し、燃料系部品の破損や嵌合外れを防止することができる。
エンジン9は出力軸が車幅方向に延びるようエンジンルーム2内に横置き搭載されると共に後傾状にスラント配置されたため、車両1の低ボンネット化を図りつつ、燃料系部品とエンジンカバー40との干渉を抑制できる。
突出部材50と係止部材はエンジン9の車幅方向略中央部分に夫々設置されたため、エンジンカバー40に正面から車両後方への衝撃荷重が作用したとき、1組の係止部材と突出部材50によりエンジンカバー40の係止部材を回転中心とした回転移動を抑制し、エンジンカバー40の車幅方向一側の後端部と燃料系部品との干渉を抑制できる。
エンジン9上部に上方へ突出すると共にエンジン9へオイルを注入可能なオイル注入部30を備え、係止部材は、オイル注入部30の車両前側壁部30bと、この前側壁部30bから車両前方へ突出した突出部30cとを有しているため、剛性の高いオイル注入部30の前側壁部30bにより衝撃荷重を支持でき、突出部30cによりエンジンカバー40の車両後方への移動を確実に規制できる。
オイル注入部30の上端開口を閉塞するフィラーキャツプ31と、エンジンカバー40のフィラーキャツプ31と対向する位置にフィラーキャツプ31を挿入可能な第1開口部45とを備え、突出部材50が第1開口部45の車両前方位置に形成されたため、フィラーキャツプ31のサービスホールとしての第1開口部45を利用して前側壁部30bと突出部30cとに対応した位置に突出部材50を配置でき、突出部材50のエンジンカバー40への取付強度を増すことができる。
燃料系部品は、エンジンカバー40の上面とボンネット8の下面との間に設けられたため、エンジンカバー40に作用した衝撃荷重によりエンジンカバーが車両後方へ移動したとき、燃料系部品とエンジンカバーとの干渉を抑制できる。
エンジンカバー40は、燃料系部品と平面視にて重複する本体部41の後端部が第1,第2側部42,43の後端部よりも車両前方位置になるよう形成されたため、ボンネット8が下方に谷折状に折れる衝突形態の場合、燃料系部品がボンネット8から下方に押されても、ボンネット8とエンジンカバー40に挟まれることなく、燃料系部品の破損を防止できる。
エンジンカバー40は、燃料系部品と平面視にて重複する本体部41の後端部が後方下がり傾斜状に形成されたため、エンジンカバー40に作用した衝撃荷重によりエンジンカバー40が車両後方上側へ移動したとき、燃料系部品とエンジンカバー40との干渉を抑制できる。
燃料系部品は合成樹脂製の燃料コネクタ27であるため、車両1の前突時に、合成樹脂製の燃料コネクタ27が破損若しくは嵌合外れによる燃料漏れの発生を抑制できる。
次に、図11,図12に基づき、実施例2を説明する。尚、実施例1と同様の構成は同じ符号を付している。
図11に示すように、エンジンカバー40Aの下面には、突出部材50の車両前方位置に他の部分に比べて強度の低い脆弱部53が形成されている。
図12に示すように、脆弱部53は、車幅方向に延びる複数の溝部53aにより形成されている。溝部53aは、他の部分に比べて板厚が薄く構成されている。
溝部53aの車幅方向の幅は、突出部材50の車幅方向の幅より大きくなるよう形成されている。それ故、衝突時、エンジンカバー40Aに作用した衝撃荷重を脆弱部53の潰れ変形により吸収し、突出部材50の基端部に伝達される衝撃荷重の集中を防止でき、突出部材50の破損を防止できる。
次に、図13〜図16に基づき、実施例3を説明する。尚、実施例1と同様の構成は同じ符号を付している。
図13,図14に示すように、エンジンカバー40Bに設けられた突出部材50Aは、車両前側壁部に上下方向に延びる複数の縦リブ51と、車両前側壁部に縦リブ51と交差する車幅方向に延びる複数の横リブ52と、突出部材50Aの車両前側壁面に設けられた板状の金属製の補強部材54等を備えている。突出部材50Aの車両前側壁面には、縦リブ51と横リブ52との交点位置にねじ穴55が形成されている。
補強部材54は、突出部材50Aの基端部位置から下側先端部に亙って車両前側を覆うように、本体部41の下面近傍位置からから下方へ延び、前側壁部30bに設けられた突出部30cより下方位置にて車両後方側へ屈曲するよう形成されている。補強部材54の下側先端部から屈曲部に亙る領域には、縦リブ51が嵌合可能なスリット部54aが車体前後方向に延びるように設けられている。補強部材54は、縦リブ51とスリット部54aを嵌合して位置決めした後、ビス56を介して突出部材50Aに取付けられる。
図15に示すように、エンジンカバー40Bに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、突出部材50Aは図14に示す位置から車両後方へ移動し、突出部材50Aと補強部材54の下側先端部とオイル注入部30の前側壁部30bとが当接してエンジンカバー40Bの車両後方への移動を規制する。
図16に示すように、エンジンカバー40Bに対する車両後方への衝撃荷重が増大したとき、突出部材50Aと補強部材54の下側先端部と突出部30cとが係合して、エンジンカバー40Bの車両後方への移動を阻止する。このとき、突出部材50Aの車両前方側に補強部材54を装着したしたため、補強部材54を含む突出部材50Aの剛性を増加でき、エンジンカバー40Bに作用した衝撃荷重が突出部材50Aに集中したときでも突出部材50Aの破損を防止できる。
次に、図17〜図20に基づき、実施例4を説明する。尚、実施例1と同様の構成は同じ符号を付している。
図17〜図20に示すように、エンジンカバー40Cには、突出部材50Bの車両前方位置に本体部41の下面から下方へ延びる縦横夫々2列に配置された4つのボス部41aが形成されている。ボス部41aには、板状の金属製の補強部材57(変形促進部)をエンジンカバー40Cに固定するビス58用のねじ穴(図示略)が形成されている。
補強部材57は、突出部材50Bの車両前方且つ下側壁面を覆うように形成された補強部57aと、補強部57aの上端部に連なり車両前方へ延びる取付部57bと、取付部57bの前端部に連なり本体部41の下面近傍位置まで上方へ延びる変形促進部57c等を備えている。変形促進部57cの上端部には、クサビ状の刃が形成されている。
図19に示すように、エンジンカバー40Cに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、突出部材50Bは図18に示す位置から車両後方へ移動し、突出部材50Bと補強部57aの下側先端部とオイル注入部30の前側壁部30bとが当接する。
図20に示すように、エンジンカバー40Cに対する車両後方への衝撃荷重が増大したとき、突出部材50Bと補強部57aの下側先端部と突出部30cとが係合して、エンジンカバー40Cの車両後方への移動を阻止する。このとき、補強部材57は、補強部57aから入力される荷重によりビス58による固定部分を中心として右回りに回動する。この回動動作により、変形促進部57cの刃が本体部41の下面に当接し、本体部41の突出部材50Bより車両前方部分を変形させる。
これにより、補強部材57の車両前方側端部に、エンジンカバー40Cに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、エンジンカバー40Cに下方から当接して変形起点を形成可能な変形促進部57cを設けたため、突出部材50Bの剛性を増加しつつ、エンジンカバー40Cの突出部材50Bより車両前方位置の変形により衝撃荷重を吸収し、突出部材50Bに伝達される衝撃荷重の集中を防止でき、突出部材50Bの破損を防止できる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、燃料系部品としてのコネクタをエンジンカバーの上面とボンネットの下面との間に配置した例を説明したが、少なくとも車両後方へ移動したエンジンカバーと接触可能性のある位置に配置された燃料系部品に対して適用可能である。エンジンカバーの車両後方位置のように、エンジンカバーの上面よりも低い位置でも良く、この場合、ボンネットが下方に谷折状に折れる衝突形態であってもボンネットと燃料系部品の干渉を抑制できる。
2〕前記実施例においては、燃料系部品がコネクタである例を説明したが、コネクタ以外の燃料系部品に適用することも可能であり、燃料フィルタや燃料配管等の各種燃料系部品に適用した場合、本発明と同様の効果を奏することができる。
3〕前記実施例においては、オイル注入部を利用して係止部材としての前側壁部と突出部を形成した例を説明したが、係止部材の形成箇所はオイル注入部に限られず、カムカバーとしての膨出部であっても同様の効果を奏することができる。
4〕前記実施例においては、エンジンカバーの固定するエンジン側係合部を吸気マニホールドに形成した例を説明したが、吸気マニホールドに限ることなく、ヘッドカバーやエンジン本体等にエンジンカバーを固定可能な保持部を形成することも可能であり、本発明と同様の効果を奏することができる。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、エンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、エンジンカバーの車両後方への移動を規制することにより、車両後方位置に配置された燃料系部品とエンジンカバーとの干渉を抑制することができる。
1 車両
2 エンジンルーム
8 ボンネット
27 燃料コネクタ
30 オイル注入部
30b 車両前側壁部
30c 突出部
31 フィラーキャツプ
40,40A エンジンカバー
40B,40C
41 本体部
42 第1側部
43 第2側部
45 第1開口部
50,50A 突出部材
50B
53 脆弱部
53a 溝部
54,57 補強部材
57c 変形促進部

Claims (11)

  1. 車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、
    前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、
    前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、
    前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、
    前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され
    前記突出部材と係止部材は前記エンジンの車幅方向略中央部分に夫々設置されたことを特徴とする車両のエンジンカバー構造。
  2. 前記エンジンは出力軸が車幅方向に延びるようエンジンルーム内に横置き搭載されると共に後傾状にスラント配置されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のエンジンカバー構造。
  3. 車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、
    前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、
    前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、
    前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、
    前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、
    前記エンジン上部に上方へ突出すると共にエンジンへオイルを注入可能なオイル注入部を備え、
    前記係止部材は、前記オイル注入部の車両前側壁部と、この前側壁部から車両前方へ突出した突出部とを有することを特徴とする車両のエンジンカバー構造。
  4. 前記オイル注入部の上端開口を閉塞するフィラーキャツプと、
    前記エンジンカバーの前記フィラーキャツプと対向する位置にフィラーキャツプを挿入可能な開口部とを備え、
    前記突出部材が前記開口部の車両前方位置に形成されたことを特徴とする請求項に記載の車両のエンジンカバー構造。
  5. 車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、
    前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、
    前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、
    前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、
    前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、
    前記エンジンカバーは前記突出部材より車両前方位置に他の部分に比べて強度の低い脆弱部を有することを特徴とする車両のエンジンカバー構造。
  6. 車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、
    前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、
    前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、
    前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、
    前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、
    前記突出部材の車両前方側に補強部材を装着したことを特徴とする車両のエンジンカバー構造。
  7. 前記補強部材の車両前方側端部に、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーに下方から当接して変形起点を形成可能な変形促進部を設けたことを特徴とする請求項に記載の車両のエンジンカバー構造。
  8. 車体前部に形成されたエンジンルーム内にエンジンを搭載し、このエンジンに固定されエンジンの上部を覆うエンジンカバーを備えた車両のエンジンカバー構造において、
    前記エンジンカバーにおける車両後方側部分に対する近傍位置に配置された燃料系部品であって、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用したとき、前記エンジンカバーが接触する可能性のある燃料系部品と、
    前記エンジンカバーからエンジン側へ突出した突出部材と、
    前記エンジンに固定され前記突出部材より車両後方位置に配置された係止部材とを備え、
    前記係止部材は、前記エンジンカバーに車両後方への衝撃荷重が作用してエンジンカバーが後方移動するとき、前記突出部材を係止して前記エンジンカバーの車両後方への移動を規制可能に構成され、
    前記燃料系部品は、前記エンジンカバーの上面とボンネットの下面との間に設けられたことを特徴とする車両のエンジンカバー構造。
  9. 前記エンジンカバーは、前記燃料系部品と平面視にて重複する部分の後端部がそれ以外の部分の後端部よりも車両前方位置になるよう形成されたことを特徴とする請求項に記載の車両のエンジンカバー構造。
  10. 前記エンジンカバーは、前記燃料系部品と平面視にて重複する部分が後方下がり傾斜状に形成されたことを特徴とする請求項に記載の車両のエンジンカバー構造。
  11. 前記燃料系部品は合成樹脂製の燃料コネクタであることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の車両のエンジンカバー構造。
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