JP5568873B2 - バイオチップの作製方法 - Google Patents
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また、SDSはイオン性界面活性剤であることから、電荷を帯びた不純物の非特異吸着を招くことになり、基板表面に接触させる物質として適さない。
(1) 基板担体表面に生理活性物質捕捉担体を固定化したバイオチップの作製方法であって、
(a)生理活性物質捕捉担体を基板担体表面に固定化する工程、
(b)非イオン性界面活性剤を含む溶液を基板担体表面に接触させる工程、
を含むことを特徴とするバイオチップの作製方法。
(2)前記非イオン性界面活性剤が、Tween20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)、TritonX−100(ポリエチレングリコール−p−イソオクチルフェニルエーテル)のいずれかを含むことを特徴とする(1)記載のバイオチップの作製方法。
(3)前記非イオン性界面活性剤を含む溶液中の非イオン性界面活性剤の濃度が、0.005〜2wt%である(1)又は(2)記載のバイオチップの作製方法。
(4)(1)〜(3)いずれか記載の基板担体が、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有することを特徴とするバイオチップの作製方法。
(5)(4)記載のバイオチップの作製方法において、
前記高分子物質の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかであることを特徴とするバイオチップの作製方法。
(6)(4)又は(5)記載のバイオチップの作製方法において、
前記生理活性物質捕捉担体が、前記電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位の部位で共有結合していることを特徴とするバイオチップの作製方法。
(7)(4)〜(6)いずれか記載のバイオチップの作製方法において、
前記高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有することを特徴とするバイオチップの作製方法。
(8)(4)〜(7)いずれか記載のバイオチップの作製方法において、
前記基板担体は、前記高分子物質に加えて、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と、ブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含むことを特徴とするバイオチップの作製方法。
(9)(1)〜(8)いずれか記載のバイオチップの作製方法において、
前記基板担体が、プラスチック材料からなることを特徴とするバイオチップの作製方法。
(10)(1)〜(9)いずれか記載のバイオチップの作製方法で作製されたバイオチップ。
従来では界面活性剤にSDSを用いており、親水性の程度が不十分で、イオン性界面活性剤のため基体表面が電荷を帯びてしまうなど問題があったが、非イオン性界面活性剤を用いることにより、基体の親水性及び非特異吸着が改善し、バラツキが小さく再現性が高く検出できるバイオチップの作製が可能となった。
2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン基および10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン基;
アリルホスホリルコリン基、ブテニルホスホリルコリン基、ヘキセニルホスホリルコリン基、オクテニルホスホリルコリン基、およびデセニルホスホリルコリン基等のアルケニルホスホリルコリン基;
等の基を有し、ホスホリルコリン基がこれらの基中に含まれている構成とすることができる。
―Cl、−F等のハロゲン;
等の基を有することができる。
下記式(t)に示される酸ハロゲン化物由来の基;
下記式(u)、式(w)に示される活性エステル由来の基;または
下記式(v)に示される活性化アミド由来の基とすることができる。
過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート等の油溶性の有機過酸化物;
などが用いられる。
例えば、(i)基体表面上の高分子物質に含まれる複数の活性エステル基のうち、少なくとも一部の活性エステル基と生理活性物質捕捉担体とを反応させて共有結合を形成させることにより、基体表面で生理活性物質捕捉担体を固定化し、続いて(ii)生理活性物質捕捉担体を固定化した以外の基体表面の活性エステル基を不活性化する、すなわち残りの活性エステル基を不活性化することにより、生理活性物質捕捉担体を基体の表面に固定することができ、(iii)非イオン性界面活性剤を含む純水や緩衝液に接触させる。
上記工程(ii)及び(iii)は同時に行うこともできる。
これらのうち、生化学実験等で一般的に使用されている、Tween20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)、又はTritonX−100(ポリエチレングリコール−p−イソオクチルフェニルエーテル)が好ましい。
以上により、生理活性物質捕捉担体が固定化されたバイオチップが得られる。
以下の手法にて、遺伝子に特異的な合成オリゴDNAを本実施形態に対応するプラスチック基体の表面に固定化、非イオン性界面活性剤を基板表面に接触させ、その後、遺伝子の検出能の評価を行った。本実施例では、遺伝子として黄色ブドウ球菌23SリボゾームDNAを使用した。
5’末端にアミノ基を有した鎖長25bpの合成オリゴDNA(シグマジェノシス社製)を、10μMとなるように所定の緩衝液で溶解した。合成オリゴDNAの配列を下記に示す。
agtaggataggcgaagcgtgcgatt(配列番号1)
溶解した合成オリゴDNAを、マイクロアレイ作製装置(日立ソフトウェアエンジニアリング社製MARKS-I)を用い、300μm径スポットピンでプラスチック基板の表面上に96箇所スポットした。合成オリゴDNAをスポットした基板を、80℃で一時間加熱して、合成オリゴDNAを固定化させた。
合成オリゴDNAを固定化させた基板を、水酸化ナトリウムおよびTween20を含むリン酸緩衝液に室温で5分間浸漬させることにより、活性エステルを不活性化させると同時に基板表面を親水化処理した。
リン酸緩衝液中のそれぞれ成分の濃度は、0.1N水酸化ナトリウム、0.1wt% Tween20とした。
浸漬後は遠心乾燥を行い、基板を完成させた。
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 25923)を寒天培地で培養し、37℃、一昼夜(14-18時間)行った。培地はインスタント培地である"普通ブイヨン栄研"を用い、液体培地は" 普通ブイヨン栄研"の指示量を脱塩水に溶かし、寒天培地はそれに1.6%の寒天を加え、それぞれオートクレーブ後、使用した。
上記菌培養における1つのコロニーを、200μlのPBS(−)中に分散させ、DNA抽出キット(Invitrogen)を用い、3μlのDNA抽出液を得た。
23SリボゾームDNAのユニバーサルプライマーを用い、PCR反応により23SリボゾームDNAの増幅をおこなった。
PCRによる増幅に使用プライマーの配列を下記に示す。
プライマー配列:
センス :5‘−gacagccaggatgttggcttagaagcagc(配列番号2)
アンチセンス:下記を同量混合したものを用いた。
5‘−ggaatttcgctaccttaggaccgttatagttacg(配列番号3)
5‘−ggaatttcgctaccttaggatggttatagttacc(配列番号4)
25μL中に上記プライマー各々を12.5pmol、200μMのdATP、dCTP、dGTP、Cy3標識dUTP、0.5UのDNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製Ex Taq)をPCRバッファー中に溶解させ、サーマルサイクラーにより、熱変性95℃1分、アニーリング70℃2分、DNA鎖の伸長反応72℃5分のヒートサイクルで、30サイクル行い、Cy3標識化PCR産物を得た。
ハイブリダイゼーションは、自動ハイブリ装置(Hyb4 Genomic Solutions社製)を使用して行った。
基板をチャンバーにセットし、所定の緩衝液に溶解させたCy3標識化PCR産物を注入させた後、65℃で3時間反応させた。
ハイブリダイゼーション後、基板を0.1%のTween20水溶液を用いて洗浄して終了した。
マイクロアレイ用蛍光スキャナー(ScanArray Lite パーキンエルマー社製)によりスポットの蛍光強度を測定し、蛍光強度のバラツキ(CV値)について評価を行った。
非イオン性界面活性剤処理を行う際のTween20濃度を0.01wt%とした以外は実施例1と同様に実施した。
非イオン性界面活性剤処理を行う際のTween20濃度を1wt%とした以外は実施例1と同様に実施した。
として実施した。
非イオン性界面活性剤をTween80とした以外は実施例1と同様に実施した。
として実施した。
非イオン性界面活性剤をTritonX−100とした以外は実施例1と同様に実施した。
非イオン性界面活性剤を除いた以外は実施例1と同様に実施した。
非イオン性界面活性剤処理を行う際のTween20濃度を5wt%とした以外は実施例1と同様に実施した。
非イオン性界面活性剤処理しない場合は、蛍光強度のバラツキが大きくなった。
また、非イオン性界面活性剤濃度が2wt%を超えた場合は、蛍光強度が低くなり、バラツキも大きくなった。
Claims (7)
- 基板担体表面に生理活性物質捕捉担体を固定化したバイオチップの作製方法であって、
前記基板担体が、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と活性エステル基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有するものであり、
(a) 生理活性物質捕捉担体を基板担体表面に固定化する工程、
(b) 非イオン性界面活性剤を含む溶液を基板担体表面に接触させ、前記生理活性物質捕捉担体を固定化した以外の基板担体表面上の活性エステル基を不活性化する工程、
を、工程(a)、工程(b)の順で含み、
前記非イオン性界面活性剤を含む溶液中の非イオン性界面活性剤の濃度が、0.005〜 2wt%であることを特徴とするバイオチップの作製方法。 - 前記非イオン性界面活性剤が、Tween 20、Tween 80、Triton X−
100のいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載のバイオチップの作製方法。
- 請求項1または2記載のバイオチップの作製方法において、
前記高分子物質の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかであることを特徴とするバイオチップの作製方法。 - 請求項1ないし3いずれかに記載のバイオチップの作製方法において、
前記生理活性物質捕捉担体が、前記活性エステル基を有する第二単位の部位で共有結合していることを特徴とするバイオチップの作製方法。 - 請求項1ないし4いずれか記載のバイオチップの作製方法において、
前記高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有することを特徴とするバイオチップの作製方法。 - 請求項1ないし5いずれか記載のバイオチップの作製方法において、
前記基板担体が、プラスチック材料からなることを特徴とするバイオチップの作製方法。 - 請求項1ないし6いずれか記載のバイオチップの作製方法で作製されたバイオチップ。
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