JP5566510B2 - エピスルフィド化合物用硬化剤、硬化性組成物、エピスルフィド化合物の硬化物、及びエピスルフィド化合物の硬化方法 - Google Patents

エピスルフィド化合物用硬化剤、硬化性組成物、エピスルフィド化合物の硬化物、及びエピスルフィド化合物の硬化方法 Download PDF

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Description

本発明は、エピスルフィド化合物用硬化剤、硬化性組成物及びエピスルフィド化合物の硬化物に関し、特には、光塩基発生型のエピスルフィド化合物用硬化剤、かかる硬化剤とエピスルフィド化合物とを含有する硬化性組成物、かかる硬化剤により硬化されてなるエピスルフィド化合物の硬化物に関する。更には、エピスルフィド化合物をかかる硬化剤により硬化する硬化方法に関する。
エピスルフィド化合物を硬化剤で硬化させた樹脂硬化物は、耐熱性が高く、耐湿性も良好であり、更に、透明性や屈折率も高いなど、優れた樹脂硬化物となるため、広範な用途に応用展開が可能である。特に、半導体封止材及び電気絶縁材等の電気・電子分野、レンズ用樹脂等の光学材料等の用途において有利に使用できる。
エピスルフィド化合物用硬化剤としては、例えば、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンや1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのような、アニオン硬化性化合物用硬化剤として一般的な塩基化合物が用いられる。
しかし、その反応性は非常に高いため、エピスルフィド化合物と硬化剤を含有する硬化性組成物の貯蔵安定性が悪く、ポットライフが非常に短いという問題があった。そこで、硬化性組成物の貯蔵安定性が良く、かつ外部刺激によって迅速に硬化反応を行わせる手段として、塩基発生剤の使用が提案されている。
塩基発生剤としては、例えば、特許文献1に記載の光塩基発生剤が挙げられる。
しかし、特許文献1の光塩基発生剤は、発生できる塩基に制限があり、塩基強度を調整することが困難である。また、光の作用による塩基発生効率が低く、塩基を発生する反応が迅速に行われ難いという欠点もある。
これに対して、塩基発生効率の高い塩基発生剤が、例えば、特許文献2に開示されている。しかし、この塩基発生剤は、光の照射により塩基を発生する際に、脱炭酸反応を伴うためアウトガスも同時に発生する。そのため、発生したアウトガスが気泡として硬化膜中に残存することもあり、その場合には、硬化膜強度の低下を招くおそれがある。
そこで、アウトガスを発生させない光塩基発生剤が、例えば、特許文献3に開示されている。しかし、この光塩基発生剤においても、塩基発生効率が近年の高い要求性能に対してまだまだ満足の行くものではなく、光塩基発生剤の更なる改善が求められている。
特開2005−264156号公報 特開2009−280785号公報 特開2009−80452号公報
本発明では、このような背景下において、塩基発生効率に優れ、アウトガスの発生が起こらず、更に硬化性組成物とした場合の貯蔵安定性に優れた光塩基発生型のエピスルフィド化合物用硬化剤、この硬化剤とエピスルフィド化合物とを含有する硬化性組成物、この硬化剤により硬化されてなるエピスルフィド化合物の硬化物、更には硬化方法を提供することを目的とする。
しかるに本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で示される化合物を用いることにより、従来の光塩基発生剤よりも効率的に塩基を発生させることができ、またエピスルフィド化合物を硬化させる際にアウトガスを伴わないこと、更には、この硬化剤とエピスルフィド化合物を含有する硬化性組成物は貯蔵安定性が良いことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、下記一般式(1)で示される化合物からなることを特徴とするエピスルフィド化合物用硬化剤である。
Figure 0005566510
一般式(1)中、
,X,及びXは、それぞれ独立に、水素原子、酸素原子、炭素数1〜3のアルキレン基、硫黄原子、スルホニル基、及びシラノール基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。
R1,R2,及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの基である。R1,R2,及びR3からなる群から選択される2つ以上の基が結合して環状構造を形成していてもよく、この環状構造は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1又は2以上のヘテロ原子を環内に有していてもよい。但し、X,X,及びXが水素原子又はシラノール基の場合は、R1,R2,及びR3は存在しない。
R4,R5,R6,R7,R8,及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シラノール基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。R4とR6又はR6とR9が一緒になって、存在する炭素−炭素結合と共に、不飽和結合を形成していてもよい。
R10は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。
Bは、塩基である。
また、本発明の要旨は、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤と、エピスルフィド化合物とを含有することを特徴とする硬化性組成物である。
さらに、本発明の要旨は、エピスルフィド化合物が本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤により硬化されてなることを特徴とするエピスルフィド化合物の硬化物である。
また、本発明の要旨は、エピスルフィド化合物を上記一般式(1)で示される化合物により硬化する硬化方法である。
本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤によれば、塩基発生効率に優れ、エピスルフィド化合物を硬化させる際にアウトガスの発生が起こらないので、エピスルフィド化合物の硬化を迅速に行うことができるとともに、硬化物中に気泡が残存しないという効果が得られる。また、本発明の硬化剤とエピスルフィド化合物とを含有する硬化性組成物は、貯蔵安定性に優れた効果を有するものであり、十分な作業時間を確保することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、エピスルフィド化合物用硬化剤とは、硬化剤として働くもののみならず硬化促進剤(硬化助剤)として働くものも概念として含めるものである。
〔エピスルフィド化合物用硬化剤〕
本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤は、下記一般式(1)で示される化合物からなることを特徴とする。
Figure 0005566510
上記一般式(1)で示される化学構造のうち塩基(B)の発生に寄与する基本構造部位は、下記の構造部位であり、その中でもカルボキシレート基(−COO−)とエチレン性二重結合(C=CH)が直接的に環化型の塩基発生メカニズムに寄与する基である。
Figure 0005566510
すなわち、一般式(1)中の上記の構造部位は、下記に示すように、光照射(hν)によって、活性種である塩基(B)が発生し、効率的にエピスルフィド化合物を硬化させる特徴部位である。
Figure 0005566510
一方、式(1)中のR1〜R10、及びX〜Xは、特徴部位である基本骨格に付随する任意の置換基であり、本発明による塩基発生メカニズムを阻害したり、あるいは硬化対象であるエピスルフィド化合物の硬化を阻害したりする可能性が低い置換基であれば、本来、どのような置換基であってもよい。しかしながら、本発明においてはR1〜R10、及びX〜Xを敢えて下記に特定するものである。
上記一般式(1)中のアニオン構造部分において、X,X,及びXは、それぞれ独立に、水素原子、酸素原子、炭素数1〜3のアルキレン基、硫黄原子、スルホニル基、及びシラノール基からなる群から選択される1つの原子若しくは基である。
,X,及びXが水素原子又はシラノール基でない場合、言い換えれば酸素原子、炭素数1〜3のアルキレン基、硫黄原子、及びスルホニル基のいずれかである場合、X,X,及びXのそれぞれに対応するR1,R2,及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの基である。なお、X,X,及びXが水素原子又はシラノール基の場合は、R1,R2,及びR3は存在しない。
R1,R2,及びR3からなる群より選択される2つ以上の基が結合して環状構造を形成していてもよく、この環状構造は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1又は2以上のヘテロ原子を環内に有していてもよい。
なお、本発明において、アリール基は環式不飽和化合物を意味し、例えば不飽和の三員環や五員環なども含むものとする。
R4,R5,R6,R7,R8,及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シラノール基 、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの原子もしくは基である。R4とR6又はR6とR9が一緒になって、存在する炭素−炭素結合と共に、不飽和結合を形成していてもよい。
R10は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの直鎖又は分枝のアルキル基が挙げられ、炭素数は1〜18が好ましく、1〜15がさらに好ましい。
炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラセニル基などが挙げられ、炭素数は〜18が好ましく、6〜15がさらに好ましい。
酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基としては、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオキサンテニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリジニル、イソインドリル、プリニル、ナフチリジニル、カルバゾリルなどが挙げられ、炭素数は3〜14が好ましく、3〜13がさらに好ましい。ヘテロ原子の数は1〜4が好ましく、また異種のヘテロ原子を含んでいてもよい。
炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基としては、シクロプロパン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどが挙げられ、炭素数は3〜14が好ましく、3〜13がさらに好ましい。
酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、1−メチルピロリジニルなどが挙げられ、炭素数は3〜14が好ましく、3〜13がさらに好ましい。ヘテロ原子の数は1〜4が好ましく、また異種のヘテロ原子を含んでいてもよい。
ハロゲン原子としては、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、フッ素原子が挙げられる。
上記一般式(1)中のカチオン構造部分において、Bは塩基であり、例えば、下記のアミン化合物が挙げられる。
メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、等の脂肪族第1級アミン化合物;
シクロヘキシルアミン、1,3−(ビスアミノエチル)シクロヘキサン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、等の脂環式第1級アミン化合物;
ベンジルアミン、アニリン、メタフェニレンジアミン、メタキシレンジアミン等の芳香族第1級アミン化合物;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、エチルメチルアミン等の脂肪族第2級アミン化合物;
アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ノルボルナンジメチルアミン、1,3−ビス(4−ピペリジル)プロパン等の脂環式第2級アミン化合物;
ベンジルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン等の芳香族第2級アミン化合物;
トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.0]オクタン、フォスファゼン塩基等の脂肪族第3級アミン化合物;
ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2,6−ジ(t−ブチル)ピリジン等のピリジン系化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、トリフェニルアミン、メチルジフェニルアミン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン等の芳香族第3級アミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、脂肪族第3級アミン化合物又は芳香族第3級アミン化合物が硬化剤として使用する場合の配合量が少なくて済む点で好ましく、中でも、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、フォスファゼン塩基、イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどが好ましい。
一般式(1)において、R4,R5,R6,R7,R8及びR9がいずれも水素原子であり、R10がメチル基である化合物、すなわち下記一般式(2)で示される化合物が好ましい。
Figure 0005566510
上記一般式(2)中のX,X,X,R1,R2,及びR3は、上記一般式(1)中のそれぞれと同様である。
一般式(2)で示される化合物のうちアニオン構造部分においては、Xが酸素原子、X,及びXがいずれも水素原子、R1が炭素数1〜20のアルキル基であるもの、また、X,及びXがいずれも水素原子、Xが酸素原子、R3が炭素数1〜20のアルキル基であるものが好ましく、Xが酸素原子、X,及びXがいずれも水素原子、R1がメチル基であるもの、また、X,及びXがいずれも水素原子、Xが酸素原子、R3がメチル基であるものがより好ましい。
また、カチオン部分構造については、塩基Bが1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、フォスファゼン塩基、イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどであることが好ましい。
一般式(1)で示される化合物は公知の方法により製造することができる。例えば、特開2012−250969号公報に記載の方法により製造することができる。
本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤が対象とするエピスルフィド化合物は、単官能エピスルフィド化合物、又は一分子内に1個以上のエピスルフィド基を有するものであり、各種公知のエポキシ樹脂と、チオシアン酸塩類、チオ尿素等の硫化剤を適当な溶媒の存在下、反応させ、エポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換することにより、容易に得ることができる。なお、エポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されるに際しては、すべてのエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよいし、一部のエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよい。
中でも、代表的なエピスルフィド化合物としては、以下のものが例示される。
(1)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等をグリシジル化することにより得られるビスフェノール型エポキシ樹脂を更にチオグリシジル化したビスフェノール型エピスルフィド樹脂;
(2)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類の核水添化物をグリシジル化することにより得られる水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂を更にチオグリシジル化した水素化ビスフェノール型エピスルフィド樹脂;
(3)ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラセン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂を更にチオグリシジル化したエピスルフィド樹脂;
(4)1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂を更にチオグリシジル化したエピスルフィド樹脂;
(5)1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化することにより得られるエポキシ樹脂を更にチオグリシジル化したエピスルフィド樹脂;
(6)フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等をグリシジル化することにより得られるノボラック型エポキシ樹脂を更にチオグリシジル化したノボラック型エピスルフィド樹脂;
(7)グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化することにより得られる脂肪族エーテル型エポキシ樹脂を更にチオグリシジル化した脂肪族エーテル型エピスルフィド樹脂;
(8)p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をグリシジル化することにより得られるエーテルエステル型エポキシ樹脂を更にチオグリシジル化したエーテルエステル型エピスルフィド樹脂;
(9)フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸をグリシジル化することにより得られるエステル型エポキシ樹脂を更にチオグリシジル化したエステル型エピスルフィド樹脂;
(10)4,4−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物をグリシジル化することにより得られるアミン型エポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレート等を更にチオグリシジル化したアミン型エピスルフィド樹脂;
(11)ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンとアジピン酸等のジカルボン酸とのポリアミドポリアミンのチオグリシジル化物;
(12)3,4−エピチオシクロヘキシルメチル−3’,4’−エピチオシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エピチオシクロヘキシル)アジペート、1,2−エピチオ−4−ビニルシクロヘキサン等の脂環式エピスルフィド;
(13)オルガノポリシロキサンとエピスルフィド樹脂やフェノールノボラック型エピスルフィド樹脂との反応で得られるシリコーン変性エピスルフィド樹脂;
(14)チオグリシジルメタクリレートや3,4−エピチオシクロヘキシルメチルメタクリレート、プロピレンスルフィド、シクロヘキサンスルフィド等のエピスルフィド化合物及びその重合体;
(15)ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィドやビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス(5,6−エピチオ−3−チオヘキサン)スルフィド等のエピスルフィド化合物;
等が挙げられる。これらエピスルフィド化合物から選択される1種のエピスルフィド化合物又は2種以上を混合したエピスルフィド化合物の混合物を用いることができる。
また、これらエピスルフィド化合物は、硬化物の用途に応じて適宜選択される。例えば、偏光板接着剤では上記(2)、(10)、(11)、(12)のエピスルフィド化合物、半導体用レジストでは上記(2)、(10)、(12)、(14)、(15)のエピスルフィド化合物、有機EL素子封止剤では上記(3)、(13)のエピスルフィド化合物、LED封止剤では上記(2)、(10)、(12)、(13)のエピスルフィド化合物、プリント配線板用絶縁材料では上記(1)、(3)、(6)のエピスルフィド化合物がそれぞれ好ましく用いられる。
エピスルフィド化合物は、エピスルフィド当量(エピスルフィド基1個当りの平均分子量)が50〜2,000であることが好ましく、50〜1,800であることがさらに好ましい。エピスルフィド当量が小さすぎると、硬化時の反応を制御することが難しくなる傾向があり、一方でエピスルフィド当量が大きすぎると、エピスルフィド化合物用硬化剤や溶剤との相溶性が低下する傾向がある。
なお、エピスルフィド化合物のエピスルフィド当量は、ゲル浸透クロマトグラフィーと当該化合物のエピスルフィド官能基数から算出することができる。
〔硬化性組成物〕
本発明の硬化性組成物は、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤と、上記のエピスルフィド化合物とを含有することを特徴とする。
本発明の硬化性組成物におけるエピスルフィド化合物用硬化剤の含有量は、エピスルフィド化合物100重量部に対して、0.1〜60重量部とすることが好ましく、0.5〜50重量部とすることがより好ましく、1〜40重量部とすることがさらに好ましい。硬化剤の含有量が少なすぎると、エピスルフィド化合物を迅速に反応させることが困難になる傾向がある。一方、含有量が多すぎると、硬化剤自体がエピスルフィド化合物の溶解性を低下させる傾向があり、また、コスト的に不利となる傾向がある。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、塩基の作用で増殖的に塩基を発生する塩基増殖剤を、エピスルフィド化合物100重量部に対して、通常、1〜40重量部、好ましくは5〜20重量部含有させることができる。また、増感剤を、エピスルフィド化合物100重量部に対して、通常、1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部含有させることができる。
また、本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、溶剤を含有させることができる。かかる溶剤としては、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素化合物;ヘキサンやヘプタン等の飽和又は不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類、クロロホルム等のハロゲン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤から選択される1種の溶剤又は2種以上を混合した混合溶剤を用いることができる。
本発明の硬化性組成物において、溶剤の含有量は、例えば、所定の基材上に硬化性組成物を塗布し、硬化性組成物による層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択することができる。
また、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤(以下、本発明の硬化剤ともいう。)は、硬化剤による硬化を促進させる硬化促進剤として使用することもでき、その場合には、硬化剤としては、例えば次に示すような公知の硬化剤が用いられる。
酸無水物類;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸等の環状脂肪族酸無水物類、及びこれらの酸素原子を硫黄原子に置換したもの。
多価フェノール類;カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビフェノール、フェノールノボラック類、クレゾールノボラック類、ビスフェノールA等の2価フェノールのノボラック化物類、トリスヒドロキシフェニルメタン類、アラルキルポリフェノール類、ジシクロペンタジエンポリフェノール類等、及びこれらの酸素原子を硫黄原子に置換したもの。
これらの硬化剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記した硬化剤の使用割合は、エピスルフィド化合物100重量部に対して、通常、0.01〜200重量部であり、好ましくは10〜100重量部である。
また、硬化促進剤としての本発明の硬化剤の含有量は、エピスルフィド化合物100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
更に、上記の公知の硬化剤100重量部に対しては、硬化促進剤としての本発明の硬化剤が0.1〜10重量部であることが好ましく、更には、1〜5重量部であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物には、さらに、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、各種添加剤を適宜含有させることができる。かかる添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤、硬化促進剤、光酸発生剤等が挙げられる。これらの添加剤から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の硬化性組成物には、さらに、最終的な塗膜、接着層、成形品などにおける硬化物の性質を改善する目的で、種々の硬化性モノマー、オリゴマー又は合成樹脂を配合することができる。例えば、モノエポキシ等のエポキシ樹脂用希釈剤、一般の芳香族及び脂環式エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂、ポリエステル樹脂等の1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。これらの配合割合は、本発明の硬化性組成物の本来の性質を損なわない範囲の量であればよく、通常、エピスルフィド化合物100重量部に対して、100重量部以下、特には50重量部以下が好ましい。
本発明の硬化性組成物は、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤、エピスルフィド化合物、及び任意成分を公知の手段、条件で物理的に混合することにより製造される。本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤とエピスルフィド化合物とを混合する方法としては、例えば、所定量の硬化剤とエピスルフィド化合物、及び任意成分を、ロール混練機、ニーダー、または押出機等を用いて混練する方法が挙げられる。
〔エピスルフィド化合物の硬化方法〕
本発明において、エピスルフィド化合物は、上記一般式(1)で示される化合物により硬化させることができる。例えば、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤と上記エピスルフィド化合物とを含有する硬化性組成物に光照射又は加熱することにより硬化させることができる。
光又は熱の作用により、本発明の硬化性組成物中で塩基が発生し、エピスルフィド化合物が重合により硬化されることとなり、エピスルフィド化合物の硬化物が形成される。
本発明の硬化性組成物を紫外線照射により硬化させる場合には、通常、積算照射量10〜10,000mJ/cm、好ましくは10〜8000mJ/cmの紫外線を照射することにより硬化させることができる。出力波長は、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましい。
紫外線照射に使用する紫外線源としては、256〜365nm付近の波長を出力できるものであれば特に限定されず、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、LED等、各種公知のものを使用できる。なかでも、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプが好ましく用いられる。
紫外線照射による硬化反応では酸素により阻害を受け易いので、紫外線照射時の雰囲気としては酸素濃度3%以下が好ましく、0.5%以下がさらに好ましく、0.3%以下が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、紫外線照射後、室温でも重合反応は進行するが、効率よく硬化させるために、加熱処理することが好ましい。加熱処理の条件は、照度、積算照射量、使用する光塩基発生剤から発生する塩基の種類、塩基硬化性化合物の種類など、種々の条件によって適宜決定すればよいが、加熱温度は、通常、30〜200℃であり、40〜150℃とすることが好ましく、50〜130℃であることが特に好ましい。また、加熱時間は、通常、10秒〜1日であり、60秒〜360分とすることが好ましく、5分〜120分とすることが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤と、エピスルフィド化合物とを含有するので、発生効率良く硬化剤から発生する塩基とエピスルフィド化合物等との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れたものとなり、硬化が速やかに行われる。また、エピスルフィド化合物を硬化させる際にアウトガスを発生しないので、硬化物中に気泡が残存しないという効果が得られる。かかる効果を奏する本発明の硬化性組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。また本発明の硬化性組成物は貯蔵安定性に優れている。
本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤により硬化されてなるエピスルフィド化合物の硬化物は、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が有効とされる分野の部材等として広く用いられ、例えば、塗料又は印刷インキ、有機ELやLEDの封止用シール剤及び接着剤、偏光板接着剤、カラーフィルター、有機EL等の光取出し層及び光取出しフィルム、ディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料の構成部材として広く用いられ、これにより、印刷物、透明封止剤、カラーフィルター、ディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築部材等が提供される。また、硬化物として形成されたパターン等は、耐熱性や絶縁性を備え、例えば、透明封止剤、カラーフィルター、ディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ用フィルム、電子部品、半導体装置、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材又は電子部材として有利に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中「%」、「部」とあるのは、重量基準を意味する。
〔合成例1〕
『8−ブロモ−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(i)の合成』
500ml反応器に、7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン20.00g(0.11mol)、N‐ブロモスクシンイミド23.14g(0.13mol)、アセトニトリル200mlを加えた。反応器全体を遮光し、室温にて30時間反応を行った。反応終了後、反応液を水300mlで3回洗浄し、続いて濃縮することで粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/7(体積比))により精製することで、8−ブロモ−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(i)を23.28g取得した。収率は83%であった。
〔合成例2〕
『8−ブロモ−1−エチリデン−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(ii)の合成』
窒素雰囲気下、500ml反応器に、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド37.28g(0.10mol)、t−ブトキシカリウム8.64g(0.08mol)、テトラヒドロフラン90mlを加え、室温にて1時間攪拌した。次いで、合成例1で得られた8−ブロモ−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(i)20.15g(0.08mol)のテトラヒドロフラン40ml溶液を反応混合液に滴下し、滴下終了後室温にて16時間反応させた。反応終了後、反応液に希塩酸を加え、ジクロロメタン200mlで3回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、濃縮液にヘキサン700mlを加えて30分撹拌した。次いで、析出してきた結晶をろ過で除去し、得られたろ液を濃縮することで粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/5(体積比))により精製することで、8−ブロモ−1−エチリデン−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(ii)を16.36g取得した。収率は79%であった。
〔合成例3〕
『8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(iii)の合成』
窒素雰囲気下、500ml反応器に、マグネシウム1.46g(0.06mol)、テトラヒドロフラン80mlを加え、室温にて10分間攪拌した。次いで、合成例2で得られた8−ブロモ−1−エチリデン−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(ii)8.55g(0.03mol)のテトラヒドロフラン40ml溶液を反応混合液に滴下し、滴下終了後1時間加熱還流させた。加熱還流終了後、反応液を大過剰のドライアイス(およそ500g)に注ぎ込み、ドライアイスが昇華するまで放置した。その後、反応液に希塩酸を加え、ジクロロメタン200mlで3回洗浄した。得られた有機層を濃縮することで粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/5(体積比))により精製することで8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(iii)を4.53g取得した。収率は61%であった。
〔製造例1〕
『8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸ジアザビシクロウンデセン塩の合成』
500ml反応器に、合成例3で得られた8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(iii)1.00g(4.3mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.66g(4.3mmol)、ジエチルエーテル250mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下溜去することで、下記に示す8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸ジアザビシクロウンデセン塩を1.38g取得した。収率は83%であった。
Figure 0005566510
〔製造例2〕
『8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸トリアザビシクロデカエン塩の合成』
200ml反応器に、合成例3で得られた8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(iii)1.00g(4.3mmol)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン0.60g(4.3mmol)、ジエチルエーテル100mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、析出した結晶を濾過することで分取し、下記に示す8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸トリアザビシクロデカエン塩を1.47g取得した。収率は92%であった。
Figure 0005566510
〔製造例3〕
『8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸フォスファゼン塩基塩の合成』
200ml反応器に、合成例3で得られた8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(iii)0.80g(3.4mmol)、フォスファゼン塩基0.61g(3.4mmol)、ジエチルエーテル100mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下溜去することで、下記に示す8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸フォスファゼン塩基塩を1.41g取得した。収率は100%であった。
Figure 0005566510
〔製造例4〕
『8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸イミダゾール塩の合成』
1L反応器に、合成例3で得られた8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(iii)1.96g(8.4mmol)、イミダゾール0.57g(8.4mmol)、ジエチルエーテル500mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、析出した結晶を濾過することで分取し、下記に示す8−エチリデン−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸
イミダゾール塩を1.72g取得した。収率は68%であった。
Figure 0005566510
〔合成例4〕
『8−ブロモ−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(iv)の合成』
500ml反応器に、5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン20.00g(0.11mol)、N‐ブロモスクシンイミド23.14g(0.13mol)、アセトニトリル200mlを加えた。反応器全体を遮光し、室温にて48時間反応を行った。反応終了後、反応液を水300mlで3回洗浄し、続いて濃縮することで粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/7(体積比))により精製することで、8−ブロモ−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(iv)を25.98g取得した。収率は89%であった。
〔合成例5〕
『8−ブロモ−1−エチリデン−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(v)の合成』
窒素雰囲気下、500ml反応器に、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド37.28g(0.10mol)、t−ブトキシカリウム8.64g(0.08mol)、テトラヒドロフラン90mlを加え、室温にて1時間攪拌した。次いで、合成例4で得られた8−ブロモ−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(iv)20.15g(0.08mol)のテトラヒドロフラン40ml溶液を反応混合液に滴下し、滴下終了後室温にて16時間反応させた。反応終了後、反応液に希塩酸を加え、ジクロロメタン200mlで3回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、濃縮液にヘキサン700mlを加えて30分撹拌した。次いで、析出してきた結晶をろ過で除去し、得られたろ液を濃縮することで粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/5(体積比))により精製することで、8−ブロモ−1−エチリデン−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(v)を13.78g取得した。収率は65%であった。
〔合成例6〕
『8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(vi)の合成』
窒素雰囲気下、500ml反応器に、マグネシウム1.46g(0.06mol)、テトラヒドロフラン80mlを加え、室温にて10分間攪拌した。次いで、合成例5で得られた8−ブロモ−1−エチリデン−5−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(v)8.55g(0.03mol)のテトラヒドロフラン40ml溶液を反応混合液に滴下し、滴下終了後1時間加熱還流させた。加熱還流終了後、反応液を大過剰のドライアイス(およそ500g)に注ぎ込み、ドライアイスが昇華するまで放置した。その後、反応液に希塩酸を加え、ジクロロメタン200mlで3回洗浄した。得られた有機層を濃縮することで粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/5(体積比))により精製することで8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(vi)を4.00g取得した。収率は54%であった。
〔製造例5〕
『8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸ジアザビシクロウンデセン塩の合成』
500ml反応器に、合成例6で得られた8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(vi)1.00g(4.3mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.66g(4.3mmol)、ジエチルエーテル250mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下溜去することで、下記に示す8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸ジアザビシクロウンデセン塩を1.67g取得した。収率は100%であった。
Figure 0005566510
〔製造例6〕
『8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸トリアザビシクロデカエン塩の合成』
200ml反応器に、合成例6で得られた8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(vi)0.31g(1.3mmol)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン0.19g(1.3mmol)、ジエチルエーテル120mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、析出し結晶を濾過することで分取し、下記に示す8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸トリアザビシクロデカエン塩を0.34g取得した。収率は69%であった。
Figure 0005566510
〔製造例7〕
『8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸フォスファゼン塩基塩の合成』
200ml反応器に、合成例6で得られた8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(vi)0.23g(1.0mmol)、フォスファゼン塩基0.18g(1.0mmol)、ジエチルエーテル50mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下溜去することで、下記に示す8−エチリデン−4−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸トリアザビシクロデカエン塩を0.40g取得した。収率は97%であった。
Figure 0005566510
〔比較製造例1〕
『2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸ジアザビシクロウンデセン塩の合成』
100ml反応器に、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸3.0g(11.8mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン1.80g(11.8mmol)、ジエチルエーテル30mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下溜去することで、下記に示す2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸ジアザビシクロウンデセン塩を4.96g取得した。収率は100%であった。
Figure 0005566510
〔比較製造例2〕
『2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸トリアザビシクロデカエン塩の合成』
100ml反応器に、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸1.00g(3.9mmol)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン0.55g(3.9mmol)、ジエチルエーテル150mlを加え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下溜去することで、下記に示す2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸トリアザビシクロデカエン塩を1.73g取得した。収率は100%であった。
Figure 0005566510
〔実施例1〜7、比較例1〜2〕
製造例1〜7で製造した化合物を実施例1〜7の硬化剤として使用し、比較製造例1〜2で製造した化合物を比較例1〜2の硬化剤として使用し、以下の評価をおこなった。
〔評価項目〕
(1)不溶化率測定(塩基発生効率)
核水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂(三菱化学株式会社製、YL−7007)100部に対して、硬化剤8部、クロロホルム100部を混合し、均一溶液を調製した。この調製した液を無アルカリガラス上にバーコーター(No.20)を用いて塗膜し、50℃で5分間プリベイクした。メタルハライドランプを用い、365nm換算で露光量928mJ/cmの紫外線を照射した後、表1記載の温度で40分間加熱処理し硬化膜を得た。得られた硬化膜をクロロホルムに30秒間浸漬した後、クロロホルムから取り出し、乾燥させた。クロロホルム浸漬前後の硬化膜重量差から不溶化率を求めた。結果を表1に示す。
(2)気泡発生有無の確認
核水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂(三菱化学株式会社製、YL−7007)100部に対して、硬化剤8部を混合した。混合した液を脱泡機にかけて脱泡してサンプルを調製した。調製したサンプルを厚さ2mmのシリコンスペーサーで作成した型に入れ、離型フィルムを介して、2枚の無アルカリガラスで挟み込み、メタルハライドランプを用い、365nm換算で露光量2145mJ/cmの紫外線を照射した。次いで、表1記載の温度で1時間加熱処理した後、型枠から取り外し、約2mmの板状の硬化物を得た。得られた硬化物について、気泡の有無について目視確認をした。結果を表1に示す。
Figure 0005566510
〔比較例3〕
実施例6において、核水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂をビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER828)に変更した以外は同様に評価を試みたものの、硬化膜を得ることができなかった。
〔比較例4〕
実施例6において、核水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂を核水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX8000)に変更した以外は同様に評価を試みたものの、硬化膜を得ることができなかった。
表1に示す結果から、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤によれば、塩基発生効率が比較例1、2に示す従来の硬化剤と同等であり、エピスルフィド化合物の硬化を迅速に行うことができることが分かる。また、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤では、比較例1、2に示す従来の硬化剤と異なり、エピスルフィド化合物を硬化させる際にアウトガスの発生が起こらないので、硬化膜中に気泡が残存しないという効果が得られることも分かる。更に、比較例3、4の結果より、本発明の硬化剤は特に、エピスルフィド化合物に対する硬化性に優れることが分かる。
また、下記のようにして、貯蔵安定性試験を行った。
〔貯蔵安定性試験〕
下記の実施例8、9及び比較例5、6に示す硬化性組成物をそれぞれ調製し、25℃においてB型粘度計(BROOKFIELD社製、DV−II+Pro)を用いて初期粘度の2倍の粘度に達するまでの時間を測定し、その時間を貯蔵安定性として評価した。
〔実施例8〕
核水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂100部に対して、製造例5の硬化剤を8部、クロロホルムを16部混合し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物の粘度が25℃において初期粘度の2倍になるまでの時間を測定し、貯蔵安定性を評価した。結果を表2に示す。
〔実施例9〕
核水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂100部に対して、製造例6の硬化剤を8部、クロロホルムを16部混合し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物の粘度が25℃において初期粘度の2倍になるまでの時間を測定し、貯蔵安定性を評価した。結果を表2に示す。
〔比較例5〕
核水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂100部に対して、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンを3部、クロロホルムを16部混合し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物の粘度が25℃において初期粘度の2倍になるまでの時間を測定し、貯蔵安定性を評価した。結果を表2に示す。
〔比較例6〕
核水添ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂100部に対して、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンを3部、クロロホルムを16部混合し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物の粘度が25℃において初期粘度の2倍になるまでの時間を測定し、貯蔵安定性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005566510
表2に示す結果から、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤を用いた硬化性組成物の貯蔵安定性は、従来硬化剤として一般的に使用されている塩基性化合物を硬化剤として用いた場合に比べて、はるかに優れていることが分かる。
本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤は、塩基発生効率に優れ、アウトガスの発生が起こらず、更に硬化性組成物とした場合の貯蔵安定性に優れるため、特に、電子材料分野における硬化剤として有用である。また、本発明のエピスルフィド化合物用硬化剤により硬化されてなるエピスルフィド化合物は、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が要求される分野の部材、例えば、例えば光学部材や電子部材として有用である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物からなることを特徴とするエピスルフィド化合物用硬化剤。
    Figure 0005566510
    一般式(1)中、
    ,X,及びXは、それぞれ独立に、水素原子、酸素原子、炭素数1〜3のアルキレン基、硫黄原子、スルホニル基、及びシラノール基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。
    R1,R2,及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの基である。R1,R2,及びR3からなる群から選択される2つ以上の基が結合して環状構造を形成していてもよく、この環状構造は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1又は2以上のヘテロ原子を環内に有していてもよい。但し、X,X,及びXが水素原子又はシラノール基の場合は、R1,R2,R3は存在しない。
    R4,R5,R6,R7,R8,及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シラノール基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。R4とR6又はR6とR9が一緒になって、存在する炭素−炭素結合と共に、不飽和結合を形成していてもよい。
    R10は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。
    Bは、塩基である。
  2. 一般式(1)において、R4,R5,R6,R7,R8,及びR9がいずれも水素原子であり、R10がメチル基であることを特徴とする請求項1に記載のエピスルフィド化合物用硬化剤。
  3. エピスルフィド化合物がエピスルフィド当量50〜2,000のエピスルフィド化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエピスルフィド化合物用硬化剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエピスルフィド化合物用硬化剤と、エピスルフィド化合物とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
  5. エピスルフィド化合物が請求項1〜3のいずれかに記載のエピスルフィド化合物用硬化剤により硬化されてなることを特徴とするエピスルフィド化合物の硬化物。
  6. エピスルフィド化合物を下記一般式(1)で示される化合物により硬化することを特徴とするエピスルフィド化合物の硬化方法。
    Figure 0005566510
    一般式(1)中、
    ,X,及びXは、それぞれ独立に、水素原子、酸素原子、炭素数1〜3のアルキレン基、硫黄原子、スルホニル基、及びシラノール基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。
    R1,R2,及びR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの基である。R1,R2,及びR3からなる群から選択される2つ以上の基が結合して環状構造を形成していてもよく、この環状構造は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1又は2以上のヘテロ原子を環内に有していてもよい。但し、X,X,及びXが水素原子又はシラノール基の場合は、R1,R2,及びR3は存在しない。
    R4,R5,R6,R7,R8,及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、シラノール基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。R4とR6又はR6とR9が一緒になって、存在する炭素−炭素結合と共に、不飽和結合を形成していてもよい。
    R10は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数〜20の単環、二環又は三環式アリール基、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロアリール基、炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のシクロアルキル基、並びに酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む炭素数3〜15の単環、二環又は三環式のヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つの原子若しくは基である。
    Bは、塩基である。
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