JP5564333B2 - 逆阻止型サイリスタ - Google Patents

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Description

本発明は、逆阻止型サイリスタに関する。
従来、2端子サイリスタ素子(以下、THYという)は、電源回路などのスイッチ素子として用いられる。図5(a)に示される高電圧パルス発生装置では、入力抵抗Rを介してTHYのブレークオーバ電圧より高い直流電源電圧をTHYに印加して、THYをターンオンさせる。一度導通状態になったTHYをターンオフさせるためには、THYの保持電流値IH以下の入力電流にする必要がある。つまり、式(1)を満足する場合に、ターンオフ動作する。
(「電源電圧V」/「入力抵抗R」)<「THYのIH」 ・・・ (1)
ところで、図5(a)に示される高電圧パルス発生装置では、高い周波数に対応するためには、入力抵抗を小さくする必要がある。入力抵抗を小さくすると、より低い電源電圧まで低下しないと、式(1)に示される条件を満足しない場合が生じる。その結果、THYは、一度ターンオンした後、導通状態を維持する(図6(a))。
高い周波数に対応するために、スイッチ素子と直列にファストリカバリダイオード(以下、FRDという)を追加する技術は周知の事実である。また、効果は異なるがスイッチ素子と直列にFRDを追加する技術が開示されている(例えば、特許文献1から特許文献3を参照)。図5(b)に示される高電圧パルス発生装置は、図5(a)の高電圧パルス発生装置にTHYと直列に接続されるFRDを追加した場合を示す。
図5(b)に示される高電圧パルス発生装置では、トランスのインダクタンスによる逆起電圧が発生した場合に、FRDによって逆方向に流れようとする電流を強制的にカットする。FRDが逆方向に流れる電流をカットしている間に、THY内の残留キャリアが消滅する。これにより、THYは、ターンオフされるため、図5(b)に示される高電圧パルス発生装置は、高い周波数に対応できる(図6(b))。
一方、従来のTHYでは、THYに順方向の電圧を印加した際に導通状態にするブレークオーバ電圧と、THYに逆方向の電圧を印加した際に導通を阻止する限界電圧を示すブレークダウン電圧とは、ほぼ等しいことが一般的である(例えば、特許文献4及び特許文献5を参照)。
特開2003−164140号公報 特開平7−211970号公報 特開2007−174734号公報 特開平3−233973号公報 特開平3−62571号公報
しかしながら、図5(b)に示される高電圧パルス発生装置では、FRDの順方向電圧VF分の損失が生じる。このため、電力損失が大きくなるという問題がある。
また、図5(a)に示される高電圧パルス発生装置では、従来のTHYを用いた場合、THYのブレークオーバ電圧とブレークダウン電圧とがほぼ等しいために、逆方向に流れる電流をカットできない。また、逆方向のブレークダウン電圧を超えると、流れる電流経路がn型半導体→p型半導体→n型半導体の順になるため、2次降伏破壊を引き起こす場合がある。このため、図5(a)に示される高電圧パルス発生装置では、高い周波数のスイッチング動作に対応できないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、電源装置などにスイッチ素子として使用するサイリスタにおいて、高い周波数のスイッチング動作に対応でき、且つ、電力損失を低減できる逆阻止型サイリスタを提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、p型半導体の第1領域とn型半導体の第2領域とp型半導体の第3領域とn型半導体の第4領域とが順に接合された逆阻止型サイリスタであって、前記第3領域は、前記第1領域から前記第4領域に順方向電圧が印加された場合に前記第1領域と前記第4領域の間が導通する前の最大電圧値を示すブレークオーバ電圧が、前記第4領域から前記第1領域に逆方向電圧が印加された場合に前記第4領域と前記第1領域の間の導通を阻止する限界の電圧値を示すブレークダウン電圧より低くなるように電圧差を生じさせる電圧差生成領域を有し、前記電圧差生成領域は、前記第2領域と前記第3領域の接合部のうちの一部分に形成され、前記第3領域より不純物濃度が高いp型半導体の第5領域と、前記第3領域と前記第4領域の接合部を覆うように形成され、前記第3領域より不純物濃度が低いp型半導体の第6領域とを有することを特徴とする逆阻止型サイリスタである。
また、本発明は、上記発明において、前記第4領域は、少数キャリアの寿命を短縮するライフタイム制御領域を含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記第4領域は、少数キャリアの寿命を短縮し、前記第2領域に対向する前記第4領域の面のうちの一部の範囲に形成されたライフタイム制御領域を含み、前記第5領域は、前記ライフタイム制御領域に対向した位置に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、p型半導体の第1領域とn型半導体の第2領域とp型半導体の第3領域とn型半導体の第4領域とが順に接合された逆阻止型サイリスタは、第3領域に電圧差生成領域を有する。電圧差生成領域は、順方向電圧が導通する前の最大電圧値を示すブレークオーバ電圧が、逆方向電圧の導通を阻止する限界の電圧値を示すブレークダウン電圧より低くなるように電圧差を生じさせる。ブレークダウン電圧をブレークオーバ電圧より高い電圧にすることで、本発明の逆阻止型サイリスタは、逆方向電圧が印加された際にFRDと同等に機能する。このため、本発明の逆阻止型サイリスタは、高い周波数のスイッチング動作に対応できる。また、FRDを直列に挿入する必要がないため、電力損失を低減できる。
第1の実施形態による逆阻止型サイリスタを示す断面構成図である。 同実施形態における逆阻止型サイリスタの等価回路を示す図である。 同実施形態における動作を示すグラフである。 第2の実施形態による逆阻止型サイリスタを示す断面構成図である。 従来のサイリスタを用いた高電圧パルス発生装置を示すブロック図である。 従来のサイリスタを用いた高電圧パルス発生装置の動作を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態による逆阻止型サイリスタについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による逆阻止型サイリスタ100を示す断面構成図である。
図1において、逆阻止型サイリスタ100は、P領域(1a、1b、3)、N領域(2a、2b、4)、チャネルストッパ(5〜8)、電極(11、12)、及び絶縁層(21〜25)を備える。
P領域3は、p型半導体の領域であり、逆阻止型サイリスタ100のバルク層となる半導体基板を構成する。ここで、図1における半導体基板の上側の面を第1の表面F1とし、半導体基板の下側の面を第2の表面F2とする。また、P領域3は、ブレークオーバ電圧がブレークダウン電圧より低くなるように電圧差を生じさせる電圧差生成領域30を有する。ここで、ブレークオーバ電圧は、電極11から電極12(P領域(1a、1b)からN領域4)に順方向電圧が印加された場合に、電極11と電極12(P領域(1a、1b)とN領域4)の間が導通する前の最大電圧である。また、ブレークダウン電圧は、電極12から電極11(N領域4からP領域(1a、1b))に逆方向電圧が印加された場合に、電極12と電極11(N領域4とP領域(1a、1b))の間の導通を阻止する限界の電圧である。また、ここで、順方向電圧は、電極12より電極11が高い電位を示す。また、逆方向電圧は、電極12より電極11が低い電位を示す。
N領域(2a、2b)は、n型半導体の領域である。N領域2aは、P領域1aとP領域3の間に形成され、その一部分が、第1の表面F1に接する。また、N領域2bは、P領域1bとP領域3の間に形成され、その一部分が、第1の表面F1に接する。なお、N領域2aと2bをまとめて表す場合は、N領域2という。
P領域(1a、1b)は、p型半導体の領域である。P領域1aは、N領域2aと接して形成され、第1の表面F1に露呈させて形成される。また、P領域1bは、N領域2bと接して形成され、第1の表面F1に露呈させて形成される。なお、P領域1aと1bをまとめて表す場合は、P領域1という。
N領域4は、n型半導体の領域である。N領域4は、P領域3に接して形成され、第2の表面F2に露呈させて形成される。また、N領域4は、少数キャリアの寿命を短縮するライフタイム制御領域40を含む。
チャネルストッパ(5〜8)は、第1の表面F1又は第2の表面F2と逆阻止型サイリスタ100の側面に接して形成され、P領域3よりも不純物濃度が高いp型半導体の領域である。チャネルストッパ(5〜8)は、逆阻止型サイリスタ100の機能として望ましくない漏れ電流(チャネル電流)を抑制する。
絶縁層21は、第1の表面F1に接して設けられ、第1の表面F1に面している。絶縁層21は、チャネルストッパ5の一部分からN領域2aの一部分までを覆うように形成される。絶縁層22は、第1の表面F1に接して設けられ、第1の表面F1に面している。絶縁層22は、チャネルストッパ6の一部分からN領域2bの一部分までを覆うように形成される。また、絶縁層23は、第1の表面F1に接して設けられ、第1の表面F1に面している。絶縁層23は、P領域1aの一部分からP領域1bの一部分までを覆うように形成される。
絶縁層24は、第2の表面F2に接して設けられ、第2の表面F2に面している。絶縁層24は、チャネルストッパ7の一部分からN領域4の一部分までを覆うように形成される。絶縁層25は、第2の表面F2に接して設けられ、第2の表面F2に面している。絶縁層25は、チャネルストッパ8の一部分からN領域4の一部分までを覆うように形成される。
電極11は、第1の表面F1にそって、絶縁層21に覆われていないN領域2aの一部分と、絶縁層22に覆われていないN領域2bの一部分と、絶縁層23に覆われていないP領域(1a、1b)の一部分とに接して形成される。電極11の材質は、金属であり、例えば、アルミニウムである。電極11は、P領域1aとN領域2a及びP領域1bとN領域2bをそれぞれ短絡させると共に、P領域(1a、1b)及びN領域(2a、2b)とオーミック接触する。
また、電極12は、第2の表面F2にそって、絶縁層24に覆われていないN領域4の一部分と絶縁層25に覆われていないN領域4の一部分に接して形成される。電極12の材質は、金属であり、例えば、アルミニウムである。電極12は、N領域4とオーミック接触する。
電圧差生成領域30は、N領域(2a、2b)に接して絶縁層23直下のP領域3に形成され、P領域3より不純物濃度が高いp型半導体のP++領域である。すなわち、電圧差生成領域30は、N領域(2a、2b)とP領域3の接合部に形成され、P領域3よりより不純物濃度が高い領域である。また、電圧差生成領域30は、例えば、イオン注入法などにより第1の表面F1に露呈させて形成される。
ライフタイム制御領域40は、例えば、白金などの不純物(重金属)を含む領域であり、重金属拡散法によってN領域4に形成される。また、ライフタイム制御領域40は、N領域4における電圧差生成領域30に対向した位置に形成される。例えば、ライフタイム制御領域40は、逆阻止型サイリスタ100が導通状態である場合に、電流が流れる経路におけるN領域4の部分に形成される。ライフタイム制御領域40は、N領域4の少数キャリアの寿命を短縮する制御を行い、ライフタイムキラーと呼ばれる。
逆阻止型サイリスタ100は、電極11に接続された端子T1と、電極12に接続された端子T2との間にバイアス電圧が印加され、端子T2の端子電圧より端子T1の端子電圧が高い第1の場合には、PNPNサイリスタとして動作する。ここで、第1の場合は、P領域1及びN領域2からN領域4に順方向電圧が印加された場合である。この第1の場合に、逆阻止型サイリスタ100は、P領域1a(第1領域)、N領域2a(第2領域)、P領域3(第3領域)、N領域4(第4領域)及びP領域1b(第1領域)、N領域2b(第2領域)、P領域3(第3領域)、N領域4(第4領域)がPNPNの順に接合されたサイリスタとして機能する。ここで、電圧差生成領域30は、第5領域とする。
また、逆阻止型サイリスタ100は、端子T2と端子T1との間にバイアス電圧が印加され、端子T1の端子電圧より端子T2の端子電圧が高い第2の場合には、逆バイアスとなり導通しない。ここで、第2の場合は、N領域4からP領域1及びN領域2に逆方向電圧が印加された場合である。この第2の場合には、P領域3(第3領域)とN領域4(第4領域)とがファストリカバリダイオード(以下、FRDという)として機能する。
また、接合部J2aは、N領域2a(第2領域)とP領域3(第3領域)との接合部であり、接合部J2bは、N領域2b(第2領域)とP領域3(第3領域)との接合部である。また、接合部J4aは、N領域2a(第2領域)と電圧差生成領域30(第5領域)との接合部であり、接合部J2bは、N領域2b(第2領域)と電圧差生成領域30(第5領域)との接合部である。また、接合部J3は、N領域4(第4領域)とP領域3(第3領域)との接合部である。
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、図1に示される逆阻止型サイリスタ100において、端子T1と端子T2との間にバイアス電圧が印加された上記第1の場合の動作を説明する。
図1において、上記第1の場合、接合部(J2a、J2b)と接合部(J4a、J4b)にそれぞれ逆方向電圧(逆バイアス)が印加される。
また、電圧差生成領域30の不純物濃度は、P領域3の不純物濃度より高い。このため、接合部J4a及びJ4bの接合耐圧は、接合部J2a及びJ2bの接合耐圧より低くなる。これにより、接合部J4a及びJ4bが、接合部J2a及びJ2bより先にブレークダウンする。その結果、N領域2aと電圧差生成領域30が接合する部分(J4a)に電流が集中して流れる。この電流が増大すると、N領域2aにおける横方向の抵抗成分、すなわち、電極11とN領域2aとの接触面からP領域1aの下方を通って電圧差生成領域30に到達する領域の抵抗成分により、P領域1a直下のN領域2aに電圧降下が生じる。この電圧降下により、P領域1aとN領域2aとの接合部J1aが順バイアスされ、電圧差生成領域30において、バイアス値が最大となる。このバイアスが、接合部J1aの拡散電位を超えるとP領域1aから正孔の注入が起こると共に、N領域4から電子の注入が起こり、端子T1と端子T2間がターンターンオン状態に移行する。
また、接合部J4bが、接合部J2bより先にブレークダウンすると、N領域2bと電圧差生成領域30が接合する部分(J4b)に電流が集中して流れる。この電流が増大すると、N領域2bにおける横方向の抵抗成分、すなわち、電極11とN領域2bとの接触面からP領域1bの下方を通って電圧差生成領域30に到達する領域の抵抗成分により、P領域1b直下のN領域2bに電圧降下が生じる。この電圧降下により、P領域1bとN領域2bとの接合部J1bが順バイアスされ、電圧差生成領域30において、バイアス値が最大となる。このバイアスが、接合部J1bの拡散電位を超えるとP領域1bから正孔の注入が起こると共に、N領域4から電子の注入が起こり、端子T1と端子T2間がターンオン状態に移行する。
なお、逆阻止型サイリスタ100において、上記第1の場合に端子T1と端子T2間がターンオン状態に移行する前の最大電圧をブレークオーバ電圧という。ブレークオーバ電圧は、接合部J4a及びJ4bがブレークダウンする電圧と等しくなる。接合部J4aがブレークダウンする電圧は、電圧差生成領域30の不純物濃度とN領域2aの不純物濃度とによって設定される。接合部J4bがブレークダウンする電圧は、電圧差生成領域30の不純物濃度とN領域2bの不純物濃度とによって設定される。つまり、上記第1の場合のブレークオーバ電圧は、電圧差生成領域30の不純物濃度とN領域2(2a及び2b)の不純物濃度とによって設定される。
次に、図1に示される逆阻止型サイリスタ100において、端子T2と端子T1との間にバイアス電圧が印加された上記第2の場合の動作を説明する。
図1において、上記第2の場合、接合部J3に逆方向電圧(逆バイアス)が印加される。この上記第2の場合、P領域3とN領域4は、FRDとして機能し、接合部J3に逆方向電圧(逆バイアス)が印加されるため、端子T2と端子T1との間の導通は阻止される。
一般にダイオードに順バイアスを印加した後、急激に逆バイアスを印加した場合、少数キャリアの蓄積効果によって大きな逆方向の電流が短い時間に流れる。ここでは、この際に流れる逆方向の電流を逆方向電流という。また、この逆方向電流が流れる時間を逆回復時間という。
図1に示される逆阻止型サイリスタ100では、上記第1の場合から上記第2の場合に移行する場合、ライフタイム制御領域40によって少数キャリア(電子)の寿命を短縮するため、逆方向電流を低減できる。また、この逆方向電流が流れる時間(逆回復時間)を短縮できる。
なお、接合部J3の接合耐圧は、N領域4の不純物濃度とP領域3の不純物濃度とによって設定される。P領域3の不純物濃度は、電圧差生成領域30の不純物濃度よりも低い。そのため、接合部J3の接合耐圧は、接合部J4a及びJ4bの接合耐圧(接合部J4a及びJ4bの接合がブレークダウンする電圧)より高い。従って、上記第2の場合に端子T2と端子T1との間の導通を阻止する限界の電圧値を示すブレークダウン電圧は、上記第1の場合におけるブレークオーバ電圧より高い。すなわち、電圧差生成領域30は、上記第1の場合にP領域1とN領域4の間が導通する前の最大電圧値を示すブレークオーバ電圧が、上記第2の場合にN領域4とP領域1の間の導通を阻止する限界の電圧値を示すブレークダウン電圧より低くなるように電圧差を生じさせる。
図2は、同実施形態における逆阻止型サイリスタ100の等価回路を示す図である。
図2(a)は、同実施形態における逆阻止型サイリスタ100の等価回路を示す。
また、図2(b)は、図5(b)に示される従来のサイリスタとFRDとを合わせた等価回路を比較のために示す。
図2(b)に示される従来のサイリスタとFRDを直列に接続した場合に比べて、図2(a)に示される逆阻止型サイリスタ100は、接合部が1つ少ないことを示す。つまり、逆阻止型サイリスタ100は、従来のサイリスタとFRDとを1つの素子に取り込み、両方の機能を備える。これにより、逆阻止型サイリスタ100では、順方向バイアス時におけるFRDの順方向電圧VF分による電力損失を低減できる。
図3は、同実施形態における動作を示すグラフである。
この図において、グラフは、逆阻止型サイリスタ100に印加する電圧と流れる電流の関係を示す。このグラフにおいて、横軸は、逆阻止型サイリスタ100に印加する電圧を示し、縦軸は、端子T1から端子T2に流れる電流を示す。
波形301は、逆阻止型サイリスタ100の動作を示す。波形301において、P領域1(第1領域)からN領域4(第4領域)に順方向電圧が印加された上記第1の場合、順方向電圧がブレークオーバ電圧(A1[V(ボルト)])に達すると、P領域1(第1領域)とN領域4(第4領域)の間が導通する。一方、N領域4(第4領域)からP領域1(第1領域)に逆方向電圧が印加された上記第2の場合、N領域4(第4領域)とP領域1(第1領域)の間における導通が阻止される。しかし、逆方向電圧がブレークダウン電圧(B[V])に達すると、接合部J3にブレークダウンが生じて、N領域4(第4領域)とP領域1(第1領域)の間が導通する。ここで、ブレークダウン電圧(B[V])は、ブレークオーバ電圧(A1[V])に比べて、はるかに大きい値となる。
波形302は、従来のサイリスタの動作を示す。波形302において、ブレークオーバ電圧(A2[V])は、ブレークダウン電圧(B[V])とほぼ等しい値となる。
以上のように、本実施形態における逆阻止型サイリスタ100は、P領域3(第3領域)におけるN領域2(第2領域)との接合部(J2a、J2b)に形成され、P領域3(第3領域)より不純物濃度が高い電圧差生成領域30(第5領域)を有する。電圧差生成領域30は、P領域3より不純物濃度が高いため、上記第1の場合におけるブレークオーバ電圧を低減させるように作用する。そのため、電圧差生成領域30は、上記第1の場合におけるブレークオーバ電圧(A1[V])が上記第2の場合におけるブレークダウン電圧(B[V])より低くなるように電圧差を生じさせる。ブレークダウン電圧(B[V])をブレークオーバ電圧(A1[V])より高い電圧にすることで、逆阻止型サイリスタ100は、逆方向電圧が印加された際(上記第2の場合)にFRDと同等に機能する。そのため、逆阻止型サイリスタ100は、図5(a)に示される高電圧パルス発生装置に適用した場合に、高い周波数のスイッチング動作に対応できる。
また、FRDを直列に挿入する必要がないため、順方向バイアス時におけるFRDの順方向電圧VF分による電力損失を低減できる。これにより、逆阻止型サイリスタ100は、図5(a)に示される高電圧パルス発生装置に適用した場合に、従来のサイリスタとFRDを使用した場合に比べてトランスの2次側に出力される出力電圧を大きくすることができる。
また、逆阻止型サイリスタ100は、N領域4(第4領域)に少数キャリアの寿命を短縮し、電圧差生成領域30(第5領域)に対向した位置に形成されたライフタイム制御領域40を含む。これにより、逆方向電圧が印加された際(上記第2の場合)に、ライフタイム制御領域40によって少数キャリア(電子)の寿命を短縮することができる。すなわち、ライフタイム制御領域40は、少数キャリア(残留キャリア)を消滅させ易くする。そのため、逆阻止型サイリスタ100は、逆方向電流を低減できる。また、逆阻止型サイリスタ100は、この逆方向電流が流れる時間(逆回復時間)を短縮できる。
また、ライフタイム制御領域40は、逆阻止型サイリスタ100が導通状態である場合に電流が流れる経路に部分的に形成される。これにより、電力損失の増大や温度特性の劣化など、逆阻止型サイリスタ100の特性に、ライフタイム制御領域40が与える影響を低減できる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態による逆阻止型サイリスタについて図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態による逆阻止型サイリスタ100aを示す断面構成図である。
図4において、逆阻止型サイリスタ100aは、P領域(1c、3)、N領域(2c、4)、チャネルストッパ(5〜8)、電極(11a、12)、及び絶縁層(21a、22a、24、25)を備える。この図において、図1と同じ構成には同一の符号を付す。
P領域3は、p型半導体の領域(P+領域)であり、逆阻止型サイリスタ100aのバルク層となる半導体基板を構成する。ここで、図4における半導体基板の上側の面を第1の表面F1とし、半導体基板の下側の面を第2の表面F2とする。また、P領域3は、ブレークオーバ電圧がブレークダウン電圧より低くなるように電圧差を生じさせる電圧差生成領域30aを有する。ここで、ブレークオーバ電圧は、電極11aから電極12(P領域1cからN領域4)に順方向電圧が印加された場合に、電極11aと電極12(P領域1cとN領域4)の間が導通する前の最大電圧である。また、ブレークダウン電圧は、電極12から電極11a(N領域4からP領域1c)に逆方向電圧が印加された場合に、電極12と電極11a(N領域4とP領域1c)の間の導通を阻止する限界の電圧値である。また、ここで、順方向電圧は、電極12より電極11aが高い電位を示す。また、逆方向電圧は、電極12より電極11aが低い電位を示す。
N領域2cは、n型半導体の領域である。N領域2cは、P領域1cとP領域3の間に形成され、その一部分が、第1の表面F1に接する。
P領域1cは、p型半導体の領域(P++領域)である。P領域1cは、P領域3よりも不純物濃度が高いP++領域である。P領域1cは、N領域2cと接して形成され、第1の表面F1に露呈させて形成される。
N領域4は、n型半導体の領域である。N領域4は、P領域3の電圧差生成領域30aに接して形成され、第2の表面F2に露呈させて形成される。また、N領域4は、少数キャリアの寿命を短縮するライフタイム制御領域40aを含む。
絶縁層21aは、第1の表面F1に接して設けられ、第1の表面F1に面している。絶縁層21aは、チャネルストッパ5の一部分からN領域2cの一部分までを覆うように形成される。絶縁層22aは、第1の表面F1に接して設けられ、第1の表面F1に面している。絶縁層22aは、チャネルストッパ6の一部分からN領域2cの一部分までを覆うように形成される。
電極11aは、第1の表面F1にそって、絶縁層21a及び22aに覆われていないN領域2cの一部分とP領域1cとに接して形成される。電極11aの材質は、金属であり、例えば、アルミニウムである。電極11aは、P領域1cとN領域2cとを短絡させると共に、P領域1c及びN領域2cとオーミック接触する。
電圧差生成領域30aは、N領域4に接してP領域3に形成され、P領域3より不純物濃度が低いp型半導体のP−領域である。すなわち、電圧差生成領域30aは、P領域3とN領域4の接合部に形成され、P領域3より不純物濃度が低い領域である。また、電圧差生成領域30aは、例えば、エピタキシャル成長法などにより半導体基板に不純物濃度差を設けて、第1の表面F1に露呈させて形成される。
ライフタイム制御領域40aは、例えば、白金などの不純物(重金属)を含む領域であり、重金属拡散法によってN領域4に形成される。また、ライフタイム制御領域40aは、N領域4における電圧差生成領域30aに対向した位置に形成される。ライフタイム制御領域40aは、N領域4における第2の表面F2に接する面と平行な面全体に形成される。ライフタイム制御領域40aは、ライフタイム制御領域40aは、N領域4の少数キャリアの寿命を短縮する制御を行い、ライフタイムキラーと呼ばれる。
逆阻止型サイリスタ100aは、電極11aに接続された端子T1と、電極12に接続された端子T2との間にバイアス電圧が印加され、端子T2の端子電圧より端子T1の端子電圧が高い第1の場合には、PNPNサイリスタとして動作する。ここで、第1の場合は、P領域1c及びN領域2cからN領域4に順方向電圧が印加された場合である。この第1の場合に、逆阻止型サイリスタ100aは、P領域1c(第1領域)、N領域2c(第2領域)、P領域3(第3領域)、N領域4(第4領域)がPNPNの順に接合されたサイリスタとして機能する。ここで、電圧差生成領域30aは、第6領域とする。
また、逆阻止型サイリスタ100aは、端子T2と端子T1との間にバイアス電圧が印加され、端子T1の端子電圧より端子T2の端子電圧が高い第2の場合には、逆バイアスとなり導通しない。ここで、第2の場合は、N領域4からP領域1c及びN領域2cに逆方向電圧が印加された場合である。この第2の場合には、P領域3(第3領域)とN領域4(第4領域)とがFRDというとして機能する。
また、接合部J2は、N領域2c(第2領域)とP領域3(第3領域)との接合部である。また、接合部J3aは、N領域4(第4領域)と電圧差生成領域30a(第6領域)との接合部である。
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、図4に示される逆阻止型サイリスタ100aにおいて、端子T1と端子T2との間にバイアス電圧が印加された上記第1の場合の動作を説明する。
図4において、上記第1の場合、接合部J2に逆方向電圧(逆バイアス)が印加される。
逆方向電圧の値が大きくなると、接合部J2においてブレークダウンが発生する。その結果、ブレークダウンが発生した部分に電流が集中して流れる。この電流が増大すると、N領域2cにおける横方向の抵抗成分、すなわち、電極11aとN領域2cとの接触面からP領域1cの下方を通ってブレークダウンが発生した部分に到達する領域の抵抗成分により、P領域1c直下のN領域2cに電圧降下が生じる。この電圧降下により、P領域1cとN領域2cとの接合部J1が順バイアスされ、バイアス値が最大となる。このバイアスが、接合部J1の拡散電位を超えるとP領域1cから正孔の注入が起こると共に、N領域から電子の注入が起こり、端子T1と端子T2間がターンオン状態に移行する。
なお、逆阻止型サイリスタ100aにおいて、上記第1の場合に端子T1と端子T2間がターンオン状態に移行する前の最大電圧をブレークオーバ電圧という。ブレークオーバ電圧は、接合部J2がブレークダウンする電圧と等しくなる。接合部J2がブレークダウンする電圧は、P領域3の不純物濃度とN領域2cの不純物濃度とによって設定される。
次に、図4に示される逆阻止型サイリスタ100aにおいて、端子T2と端子T1との間にバイアス電圧が印加された上記第2の場合の動作を説明する。
図4において、上記第2の場合、接合部J3aに逆方向電圧(逆バイアス)が印加される。この上記第2の場合、P領域3とN領域4は、FRDとして機能し、接合部J3aに逆方向電圧(逆バイアス)が印加されるため、端子T2と端子T1との間の導通は阻止される。
なお、接合部J3aの接合耐圧は、N領域4の不純物濃度と電圧差生成領域30aの不純物濃度とによって設定される。電圧差生成領域30aの不純物濃度は、P領域3の不純物濃度よりも低い。そのため、接合部J3aの接合耐圧は、接合部J2の接合耐圧(ブレークダウンする電圧)より高い。従って、上記第2の場合に端子T2と端子T1との間の導通を阻止する限界の電圧値を示すブレークダウン電圧は、上記第1の場合におけるブレークオーバ電圧より高い。すなわち、電圧差生成領域30aは、上記第1の場合にP領域1cとN領域4の間が導通する前の最大電圧値を示すブレークオーバ電圧が、上記第2の場合にN領域4とP領域1cの間の導通を阻止する限界の電圧値を示すブレークダウン電圧より低くなるように電圧差を生じさせる。
また、図4に示される逆阻止型サイリスタ100aでは、上記第1の場合から上記第2の場合に移行する場合、ライフタイム制御領域40aによって少数キャリア(電子)の寿命を短縮するため、逆方向電流を低減できる。また、この逆方向電流が流れる時間(逆回復時間)を短縮できる。
また、同実施形態における動作を示すグラフは、図3における波形301と同様である。
以上のように、本実施形態における逆阻止型サイリスタ100aは、P領域3(第3領域)におけるN領域4(第4領域)との接合部J3aに形成され、P領域3(第3領域)より不純物濃度が低い電圧差生成領域30a(第6領域)を有する。電圧差生成領域30aは、P領域3より不純物濃度が低いため、上記第2の場合におけるブレークダウン電圧を高めるように作用する。そのため、電圧差生成領域30aは、上記第1の場合におけるブレークオーバ電圧(A1[V])が上記第2の場合におけるブレークダウン電圧(B[V])より低くなるように電圧差を生じさせる。ブレークダウン電圧(B[V])をブレークオーバ電圧(A1[V])より高い電圧にすることで、逆阻止型サイリスタ100aは、逆方向電圧が印加された際(上記第2の場合)にFRDと同等に機能する。このため、逆阻止型サイリスタ100aは、図5(a)に示される高電圧パルス発生装置に適用した場合に、高い周波数のスイッチング動作に対応できる。
また、FRDを直列に挿入する必要がないため、順方向バイアス時におけるFRDの順方向電圧VF分による電力損失を低減できる。これにより、逆阻止型サイリスタ100aは、図5(a)に示される高電圧パルス発生装置に適用した場合に、従来のサイリスタとFRDを使用した場合に比べてトランスの2次側に出力される出力電圧を大きくすることができる。
また、逆阻止型サイリスタ100aは、N領域4(第4領域)に少数キャリアの寿命を短縮するライフタイム制御領域40aを含む。これにより、逆方向電圧が印加された際(上記第2の場合)に、ライフタイム制御領域40aによって少数キャリア(電子)の寿命を短縮することができる。そのため、逆阻止型サイリスタ100aは、逆方向電流を低減できる。また、逆阻止型サイリスタ100aは、この逆方向電流が流れる時間(逆回復時間)を短縮できる。
また、ライフタイム制御領域40aは、N領域4における第2の表面F2に接する面と平行な面全体に形成される。このため、ライフタイム制御領域40aを形成し易いという効果が期待できる。
なお、本発明の実施形態によれば、p型半導体の第1領域(P領域1(又は1c))とn型半導体の第2領域(N領域2(又は2c))とp型半導体の第3領域(P領域3)とn型半導体の第4領域(N領域4)とが順に接合された逆阻止型サイリスタ100(又は100a)は、第3領域(P領域3)は、第1領域(P領域1(又は1c))から第4領域(N領域4)に順方向電圧が印加された場合に第1領域(P領域1(又は1c))と第4領域(N領域4)の間が導通する前の最大電圧値を示すブレークオーバ電圧(A1[V])が、第4領域(N領域4)から第1領域(P領域1(又は1c))に逆方向電圧が印加された場合に第4領域(N領域4)と第1領域(P領域1(又は1c))の間の導通を阻止する限界の電圧値を示すブレークダウン電圧(B[V])より低くなるように電圧差を生じさせる電圧差生成領域30(又は30a)を有する。
これにより、逆阻止型サイリスタ100(又は100a)は、図5(a)に示される高電圧パルス発生装置に適用した場合に、高い周波数のスイッチング動作に対応できる。また、FRDを直列に挿入する必要がないため、順方向バイアス時におけるFRDの順方向電圧VF分による電力損失を低減できる。
また、電圧差生成領域30は、第2領域(N領域2)と第3領域(P領域3)の接合部に形成され、第3領域(P領域3)より不純物濃度が高いp型半導体の第5領域を含む。
これにより、電圧差生成領域30は、第3領域(P領域3)より不純物濃度が高いため、ブレークオーバ電圧を低減させるように作用する。そのため、電圧差生成領域30は、ブレークオーバ電圧(A1[V])がブレークダウン電圧(B[V])より低くなるように電圧差を生じさせる。ブレークダウン電圧(B[V])をブレークオーバ電圧(A1[V])より高い電圧にすることで、逆阻止型サイリスタ100は、逆方向電圧が印加された際(上記第2の場合)にFRDと同等に機能させることができる。
また、電圧差生成領域30aは、第3領域(P領域3)と第4領域(N領域4)の接合部に形成され、第3領域(P領域3)より不純物濃度が低いp型半導体の第6領域を含む。
これにより、電圧差生成領域30aは、第3領域(P領域3)より不純物濃度が低いため、ブレークダウン電圧を高めるように作用する。そのため、電圧差生成領域30aは、ブレークオーバ電圧(A1[V])がブレークダウン電圧(B[V])より低くなるように電圧差を生じさせる。ブレークダウン電圧(B[V])をブレークオーバ電圧(A1[V])より高い電圧にすることで、逆阻止型サイリスタ100aは、逆方向電圧が印加された際(上記第2の場合)にFRDと同等に機能させることができる。
また、第4領域(N領域4)は、少数キャリアの寿命を短縮するライフタイム制御領域40(又は40a)を含む。
これにより、逆方向電圧が印加された際に、ライフタイム制御領域40(又は40a)によって少数キャリア(電子)の寿命を短縮することができる。そのため、逆阻止型サイリスタ100(又は100a)は、逆方向電流を低減できる。また、逆阻止型サイリスタ100(又は100a)は、この逆方向電流が流れる時間(逆回復時間)を短縮できる。
また、第4領域(N領域4)は、少数キャリアの寿命を短縮し、第5領域(電圧差生成領域30)に対向した位置に形成されたライフタイム制御領域40を含む。
これにより、ライフタイム制御領域40は、逆阻止型サイリスタ100が導通状態である場合に電流が流れる経路に部分的に形成される。そのため、電力損失の増大や温度特性の劣化など、逆阻止型サイリスタ100の特性に、ライフタイム制御領域40が与える影響を低減できる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。上記の各実施形態において、チャネルストッパ(5〜8)を備える形態を説明したが、本発明は、チャネルストッパ(5〜8)を備えない形態に適用しても良い。
また、上記の各実施形態において、ライフタイム制御領域(40、40a)は、重金属拡散法によって白金などの不純物(重金属)を含む領域として形成される形態を説明したがこれに限定されない。重金属拡散法によって金などの他の重金属を含む領域を形成する形態で良いし、他の方法によってライフタイム制御領域(40、40a)を形成する形態でも良い。例えば、電子線照射やHe(ヘリウム)、プロトンなどのイオン照射によって、ライフタイム制御領域(40、40a)を形成する形態でも良い。
また、第1の実施形態において、電圧差生成領域30は、N領域2a及び2bの両方に接する1つの領域として形成される形態を説明したが、N領域2aに接する領域とN領域2bに接する複数の領域として形成される形態でも良い。また、電圧差生成領域30は、埋め込み拡散法などにより半導体基板(P領域3)の内部に埋め込まれて形成される形態でも良い。また、P領域3は、電圧差生成領域30と第2の実施形態における電圧差生成領域30aとの両方を備える形態でも良い。電圧差生成領域は、ブレークオーバ電圧が、ブレークダウン電圧より低くなるように電圧差を生じさせる領域であれば、他の形態でも良い。
また、第2の実施形態においても同様に、P領域3は、電圧差生成領域30aと第1の実施形態における電圧差生成領域30との両方を備える形態でも良い。
なお、上記の各実施形態において、逆阻止型サイリスタ(100、100a)は、p型半導体とn型半導体が逆の位置に形成される形態であって、逆にバイアスされる形態でも良い。
1、1a、1b、1c、3 P領域
2、2a、2b、2c、4 N領域
5、6、7、8 チャネルストッパ
11、11a、12 電極
21、21a、22、22a、23、24、25 絶縁層
30、30a 電圧差生成領域
40、40a ライフタイム制御領域
100、100a 逆阻止型サイリスタ

Claims (3)

  1. p型半導体の第1領域とn型半導体の第2領域とp型半導体の第3領域とn型半導体の第4領域とが順に接合された逆阻止型サイリスタであって、
    前記第3領域は、
    前記第1領域から前記第4領域に順方向電圧が印加された場合に前記第1領域と前記第4領域の間が導通する前の最大電圧値を示すブレークオーバ電圧が、前記第4領域から前記第1領域に逆方向電圧が印加された場合に前記第4領域と前記第1領域の間の導通を阻止する限界の電圧値を示すブレークダウン電圧より低くなるように電圧差を生じさせる電圧差生成領域を有し、
    前記電圧差生成領域は、
    前記第2領域と前記第3領域の接合部のうちの一部分に形成され、前記第3領域より不純物濃度が高いp型半導体の第5領域と、前記第3領域と前記第4領域の接合部を覆うように形成され、前記第3領域より不純物濃度が低いp型半導体の第6領域とを有する
    ことを特徴とする逆阻止型サイリスタ。
  2. 前記第4領域は、
    少数キャリアの寿命を短縮するライフタイム制御領域を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の逆阻止型サイリスタ。
  3. 前記第4領域は、
    少数キャリアの寿命を短縮し、前記第2領域に対向する前記第4領域の面のうちの一部の範囲に形成されたライフタイム制御領域を含み、
    前記第5領域は、
    前記ライフタイム制御領域に対向した位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の逆阻止型サイリスタ。
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