JP5563551B2 - ホモゲンチジン酸の生産方法、抗酸化剤の製造方法、および抗酸化飲料の製造方法 - Google Patents

ホモゲンチジン酸の生産方法、抗酸化剤の製造方法、および抗酸化飲料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗酸化剤、食品褐変防止剤、抗酸化飲料、およびホモゲンチジン酸の生産方法に関する。
現在、抗酸化剤は各種の分野で使用され、たとえば、アスコルビン酸、トコフェロール、クロロゲン酸、カテキンなどの植物由来成分のほか、ドライフルーツの退色を防ぎ肉類を保存するための防腐剤として亜硫酸ナトリウムが、主に肉や家禽の桃色の維持のためにエリソルビン酸ナトリウムが、バターなどの油脂類の酸化防止に没食子酸プロピルなどが使用されている。食品、化粧品、飼料その他に使用される場合には、最終的にヒトが摂取しまたは接触するため安全性に優れることが求められる。
一方、微生物の中で人間や動物、農作物や自然環境に対して無害で有益な働きを持つ微生物は有用微生物と称され、光合成細菌、乳酸菌、酵母、放線菌、糸状菌、担子菌、枯草菌などが知られている。光合成細菌は、光をエネルギー源として抗酸化物質、アミノ酸、糖類、各種生理活性物質を生成し、乳酸菌が生成する乳酸や酢酸は、抗菌力が強いため有害菌の増殖を抑制することができる。また、酵母は、糖をアルコールに変えるほか他の有用菌の活性を増進させることができる。更に、放線菌は、抗菌物質を生成し、糸状菌は、繊維質など難分解性の炭水化物を分解し、糖化させることができる。
このような微生物を発酵して生成される発酵物に抗酸化性物質が含有される場合がある。たとえば、複数種の植物種子および植物種子の胚芽または糠をそれぞれ独立に焙煎し、粉砕し、蒸煮し、製麹し、乾燥し、これらを混合した発酵粉砕原料に、油糧種子の粉砕物にビタミンC含有植物体の粉砕物を添加して混合し、これを造粒してなる植物抗酸化物組成物がある(特許文献1)。経口摂取できる摂取効果の優れた生体抗酸化組成物だという。実施例では、大豆、小麦胚芽、鳩麦、糠を別個に80℃で5時間焙煎し、110〜120℃で30分間蒸煮し、麹カビを種付けして35〜36℃で2週間発酵させた後に100℃で乾燥して発酵を停止させ、乾燥後の麹原料を粉砕し、ゴマスラリー、茶葉粉末、ダイコン若葉および柚子汁との混合液に投入して抗酸化性組成物を得ている。この抗酸化性組成物には、フラボノイド類、タンニン、トコフェロール類、アスコルビン酸が含まれ、α−トコフェロールよりも強い抗酸化力を有するという。
また、麦芽と米糠、海藻類からの抽出物と精製ブドウ糖との混合物に酵母抽出物を添加し、加熱滅菌した培地に乳酸菌、酵母、光合成細菌、放線菌、カビのいずれかの有用微生物を植菌して天然抗酸化物質とオクタコサノルとβ−グルカンとを含有させた発酵飲料が開示されている(特許文献2)。従来の生菌性発酵飲料は抗酸化物質の含有量が少ないため生菌が生きた状態で腸管に到達する確率が低いが、麦芽と米糠、海藻類を浸漬した上層水に精製ブドウ糖と酵母抽出物とを配合し、高熱滅菌し、後に有用微生物を植菌して得た発酵飲料は天然抗酸化物質を含むため、腸管到達性に優れるという。なお、実施例で調製した発酵飲料に含まれる天然抗酸化物質はアスコルビン酸である。
さらに、ヤーコン搾汁にアスペルギルス・アワモリを添加して旋回培養により発酵してなる、抗酸化飲料として用いられるヤーコン発酵飲料もある(特許文献3)。ヤーコンは抗酸化物質を含有することが知られているが、ヤーコン搾汁は特有の臭いと濁りを有しており飲料とするには適しない。ヤーコン搾汁に黒麹カビを用いて発酵すると甘味、苦味、酸味、爽快感および飲みやすさのバランスが改良され、抗酸化力は発酵前の2倍以上に上昇するという。
一方、光合成細菌を用いた抗酸化物質の製造方法もある(特許文献4)。紫外線による皮脂の酸化やその過程で発生する活性酸素による皮膚の老化などを抑制するための抗酸化物質を提供するものである。実施例では、光合成細菌としてJCM2524とATCC17023とを培養し、抗酸化物質としてビタミンB12を得ている。
特開平5−146272号公報 特開第3497148号公報 特開第4783924号公報 特開2002−306193号公報
抗酸化活性は、生体組織に有害な作用を発現し、老化や発ガン性などとも関連する様々な疾患を引き起こすとされるフリーラジカルや活性酸素を消去する作用や、これらの生成を抑制する作用を有し、生活習慣病予防に有効とされる。発酵による抗酸化性物質としては、特許文献1に示すようなフラボノイド類、タンニン、トコフェロール類、アスコルビン酸、特許文献2に示すアスコルビン酸、特許文献3に示すようにヤーコン搾汁発酵物に含まれる抗酸化性物質がある。更に、安全性に優れる抗酸化剤やその製造方法の開発が望まれる。
また、特許文献4では、抗酸化物質として光合成細菌からビタミンB12を得ているが、使用する光合成細菌が異なれば生産物も異なる。よって、より抗酸化力に優れ、かつ生産性に優れる抗酸化物質の生産方法が望まれる。
上記現状に鑑み、本発明は、新たな抗酸化剤や食品褐変防止剤、抗酸化飲料を提供することを目的とする。
また、本発明は、抗酸化力を有するホモゲンチジン酸を生産する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、各種抗酸化物について詳細に検討した結果、生体成分であるホモゲンチジン酸が抗酸化力を有すること、光合成細菌が発酵エキス中にホモゲンチジン酸を高濃度に蓄積すること、ホモゲンチジン酸は生体成分であり安全性に優れるため、この発酵エキスを抗酸化剤や抗酸化飲料、食品褐変防止剤として使用しうること、および光合成細菌を培養することで効率的にホモゲンチジン酸を生産しうることを見出し、本発明を完成させた。光合成細菌がホモゲンチジン酸を菌体外に分泌することは知られていない。
すなわち本発明は、光合成細菌の発酵エキスを有効成分とする抗酸化剤を提供するものである。
また本発明は、光合成細菌の発酵エキスを有効成分とする食品褐変防止剤を提供するものである。
また本発明は、光合成細菌の発酵エキスを有効成分とする抗酸化飲料を提供するものである。
また本発明は、光合成細菌が、ロドシュードモナス・パルストリスであることを特徴とする、上記抗酸化剤、食品褐変防止剤または抗酸化飲料を提供するものである。
また本発明は、光合成細菌の発酵エキスからホモゲンチジン酸を抽出することを特徴とする、ホモゲンチジン酸の生産方法を提供するものである。
本発明によれば、光合成細菌の発酵エキスを有効成分とする抗酸化剤、食品褐変防止剤および抗酸化飲料が提供される。上記抗酸化剤の有効成分は、ホモゲンチジン酸であり、光合成細菌を培養してホモゲンチジン酸を生産することができる。
実施例1で得た発酵エキスのHPLCのチャートである。 実施例1で使用した発酵前の培地のHPLCのチャートである。 実施例1で分取したピーク物質(ホモゲンチジン酸)のUVスペクトルの結果を示すチャートである。 実施例1で分取したピーク物質(ホモゲンチジン酸)のFT−NMRの結果を示すチャートである。 実施例1で分取したピーク物質(ホモゲンチジン酸)のLC−MS/MSの分析結果を示すチャートである。 実施例3の結果を示す図であり、実施例1で得た発酵エキス、発酵前培地およびコントロールの培地のβ−カロテン退色法の結果を示す図である。 実施例4の結果を示す図であり、実施例1で得た発酵エキスおよび発酵前培地の還元力の結果を示す図である。 参考例1の結果を示す図であり、各種抗酸化物質のDPPHラジカル消去活性の結果を示す図である。
本発明の第一は、光合成細菌の発酵エキスを有効成分とする抗酸化剤である。前記特許文献4に示すように、光合成細菌から抗酸化性のあるビタミンB12が生産されることは公知であるが、光合成細菌や培養方法が異なれば異なる物質が生成されうる。本発明者は、光合成細菌を培養して抗酸化力に優れるホモゲンチジン酸を高濃度に発酵エキス中に蓄積させ、この発酵エキスを抗酸化剤等として使用するものである。
本発明で使用する光合成細菌とは、広くは光合成を行う真正細菌の総称であり、紅色細菌や紅色非硫黄細菌などを含む。光合成を行うのはシアノバクテリア、紅色細菌、緑色硫黄細菌、緑色非硫黄細菌、ヘリオバクテリアであり、紅色細菌は栄養的分類から紅色硫黄細菌と紅色非硫黄細菌に分けられる。紅色細菌は、光合成細菌のうち酸素を発生せず、カロテノイドの蓄積により赤色ないし褐色を呈する。本発明では、紅色非硫黄細菌を好適に使用することができる。通性嫌気性であり、酸素の有無に係わらず増殖しうるからである。特に好ましくはロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)である。嫌気条件、好気条件、光照射条件、暗条件のいずれでも増殖しうるからである。
ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)は、グラム陰性の短桿菌であり、菌体内に蓄積したカロテノイドにより紅色〜淡紅色を示す。本発明で使用する光合成細菌としては、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターの受託証(通知年月日2011年12月5日、通知番号11−309)に記載の通り、2011年11月24日付で寄託した受領番号NITE AP−1166に基づく受託番号NITE P−1166として寄託されたRhodopseudomonas palustris TPR001株(以下、単にNITE P−1166と称する。)を好適に使用しうる。後記する実施例に示すように、ホモゲンチジン酸の生産性に優れるからである。
本発明で使用する発酵エキスは、光合成細菌を培養して菌体分泌物を含む培地から固形物や微生物を除去して調製することができる。菌体を含まないため保存性に優れる。前培養した光合成細菌を本培養用の培地に植菌し、所定期間の本培養によって抗酸化物質を培地中に分泌させ、培養液を遠心分離、ろ過などにより光合成細菌や固形物を除去する。以下に各工程を具体的に説明する。
前培養に使用する培地は、光合成細菌が資化しうる炭素源として、グルタミン酸、リンゴ酸、酢酸、ピルビン酸、乳酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、グルコン酸、エタノール、グリセロール、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、酵母エキス等がある。また、窒素源として、アンモニア、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素等の無機窒素化合物や、酵母エキス、乾燥酵母、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、カザミノ酸等の有機窒素源がある。これら炭素源や窒素源を蒸留水に溶解して前培養培地として使用することができる。上記炭素源および窒素源の濃度は、培地中に0.1〜50質量%である。なお、前培養用培地には、無機塩類として、例えばカリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウム、マンガン、銅、カルシウム、コバルト等の各塩類等を添加することができる。このような無機塩類としては、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マンガンなどの硫酸塩、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化アンモニウムなどの塩化物、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸アンモニウムなどのリン酸塩がある。無機塩の配合総量は、培地中に0.0001〜10質量%、好ましくは0.0001〜8質量%、より好ましくは0.001〜5質量%である。その他、ニコチン酸、ビオチン、チアミンその他を添加してもよい。
培養前の培地のpHは、3〜9であることが好ましく、より好ましくは6〜8である。pHは、塩酸や水酸化ナトリウム溶液などで調整することができる。なお、pH調整のために、上記した塩類の1種以上を使用してもよい。
前培養用培地に光合成細菌を植菌する。培養条件は、二酸化炭素を供給して酸素を供給しない嫌気条件でも、酸素の存在下に培養する好気条件でも増殖することができ、そのいずれにおいても光を照射する明条件でも、光を照射しない暗条件でもよい。なお、培養温度は、15〜37℃、より好ましくは25〜35℃である。
本発明において、嫌気条件とは、酸素を供給しない条件であり、好気条件とは酸素を1〜20%の濃度で供給する条件である。また、明条件とは、100〜10000ルクスの照明下での培養を意味し、暗条件とは30ルクス以下の条件での培養を意味する。本発明では、上記したように、嫌気・明条件、嫌気・暗条件、好気・明条件、好気・暗条件のいずれでも増殖しうるが、同じ光合成細菌でも菌株によって培養条件の相違による増殖率に相違がある。このため、使用する光合成細菌の菌株の特性や培養設備の種類などに対応して適宜好適な培養条件を選択することができる。
前培養体は、光合成細菌が10〜1010/mL含まれる光合成細菌培養液となるまで培養する。なお、上記菌数も含めて、本明細書中、菌数に関しては、コロニー計数法に従って測定した菌数を記載している。
ついで、本培養を行う。本培養用の培地は、上記した前培養用培地と同じものを使用することができる。更に、炭素源や窒素源として、天然物を使用することもできる。このような天然物としては、パパイヤ、青パパイヤ、サポラジ、グァバ、ストロベリーグァバ、マンゴ、リンゴ、ナシ、柿、ブドウ、バナナ、オレンジ、ブルーベリーなどの果物の他、トマト、ネギ、ニンジン、カブ、ダイコンなどの野菜類を例示することができる。光合成細菌が資化しうる糖分濃度が高いからである。これらの中でも青パパイヤ、ブドウ、リンゴ、ブルーベリー、柿、バナナなどは、抗酸化力を有するポリフェノールを含有するため、発酵エキスに培地由来のポリフェノールが含有され、抗酸化飲料として使用する場合に好適である。本発明では、これらを蒸留水に混合して本培養用培地とすることができる。本培養用培地におけるこれら炭素源や窒素源の濃度は、湿重量で1〜60質量%である。なお、上記本培養用培地には、前培養用培地に記載した炭素源や窒素源、並びに無機塩類その他を添加してもよい。無機塩の配合総量は、培地中に0.0001〜10質量%、好ましくは0.0001〜8質量%、より好ましくは0.001〜5質量%である。その他、ニコチン酸、ビオチン、チアミンその他を添加してもよい。
培地の組成に係わらず、本培養前の培地のpHは3〜9であることが好ましく、より好ましくは6〜8である。一方、培養時間の経過に伴いホモゲンチジン酸が生成され、培地のpHが酸性に低下し、光合成細菌によるホモゲンチジン酸の生成率が低下する場合がある。このような場合には、培地に緩衝液を添加してもよい。
本培養は、上記した本培養培地に、前培養して得た光合成細菌を、10〜10個/mLの濃度で植菌し、培養温度15〜37℃、より好ましくは25〜35℃で培養する。なお、本培養も前培養と同様に、嫌気条件、好気条件、明条件、暗条件のいずれでもよい。使用する培地の組成や使用する光合成細菌の特性に合わせて適宜選択することができる。好ましくは、嫌気・明条件である。ホモゲンチジン酸の生成率に優れるからである。
培養時間は0.5〜6ヶ月、より好ましくは1〜3ヶ月である。培養の終了は、培養上清のホモゲンチジン酸濃度を測定することによって判断することができる。
培養後、ろ過、遠心などにより光合成細菌や固形物を除去して発酵エキスとする。発酵エキスのpHは、一般に3〜7である。
本発明で使用する発酵エキスには、ホモゲンチジン酸が含有される。ここにホモゲンチジン酸の一般名は2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸である。生体内で、チロシンがチロシントランスアミナーゼによって4−ヒドロキシフェニルピルビン酸を生成し、これに4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼが作用して生成される。しかしながら、生体内では、次いでホモゲンチジン酸−1,2−ジオキシゲナーゼにより4−マレイルアセト酢酸に変換され、最終的にフマル酸やアセト酢酸となりTCA回路に導入される。このため生体内でホモゲンチジン酸が蓄積されるのは、分解酵素ホモゲンチジン酸−1,2−ジオキシゲナーゼが欠乏した疾患に限定される。本発明で使用する光合成細菌は、菌体内でホモゲンチジン酸を生成し、かつ菌体外にホモゲンチジン酸を分泌する点に特徴がある。これにより培養後の培養液から菌体を除去して調製された発酵エキスに高濃度にホモゲンチジン酸が蓄積され、菌体を含まないため保存性にも優れるのである。
なお、発酵エキスは、後記する実施例に示すように、DPPHラジカル消去活性、還元力を有する。ホモゲンチジン酸からカルボキシメチル基を取り除いたハイドロキノンは還元力が強く写真の現像において還元剤として使用されており、ホモゲンチジン酸もハイドロキノン誘導体であるためそれ自体酸化されやすく抗酸化剤として使用することができる。
なお、発酵エキスには、培地に由来する成分も含有される。ホモゲンチジン酸以外のポリフェノールを含有する植物を培地に使用する場合と、光合成細菌によって生成されたホモゲンチジン酸と植物由来のポリフェノールとを含有する発酵エキスを得ることができる。ポリフェノールも抗酸化力を有するため、発酵エキスを抗酸化剤として使用することができる。この抗酸化剤は、食品、化粧品、飼料などに好適に使用することができる。
前記発酵エキスを有効成分とする抗酸化剤は、溶媒に溶解または懸濁し、必要に応じて配合物を添加してもよい。このような溶媒としては、水のほか、メタノールやエタノールなどの炭素数1〜5のアルコール類、エーテル類、ケトン類などがある。また、界面活性剤を添加して乳剤としてもよい。
本発明の抗酸化剤は水溶性に優れる。このため、化粧水や乳液などに配合して美白化粧料や皮膚外用剤とすることができる。また、軟膏基材に添加してクリームやペーストに、粉末状に加工して粉剤とすることもできる。具体的には、美白化粧料や皮膚外用剤として、軟膏、ローション、クリーム、乳液、美容液、化粧水、マッサージ剤、パック、ファンデーション等がある。本発明のチロシナーゼ活性阻害剤の配合量は、公知の化粧料基剤に、0.0001〜10質量%である。常法に従って、化粧液、乳液、クリーム、ペーストなどとすればよい。
本発明の第二は、光合成細菌の発酵エキスを有効成分とする食品褐変防止剤である。前記したように、本発明で使用する発酵エキスには抗酸化力に優れるホモゲンチジン酸が含まれるため、これを抗酸化剤として使用しうる。このことは前記発酵エキスを抗酸化によって食品の褐変を防止する食品褐変防止剤として使用することができることを意味する。しかも、前記したように発酵エキスに含まれるホモゲンチジン酸は生体成分である。ホモゲンチジン酸は、生体内でホモゲンチジン酸−1,2−ジオキシゲナーゼによって代謝され、最終的にTCA回路に導入される。このことからも、ホモゲンチジン酸は経口摂取可能な安全な食品褐変防止剤といえる。
本発明の食品褐変防止剤で褐変を防止しうる好ましい食品は、酸化によって褐変する食品に広く適用でき、たとえば、リンゴ、ナシ、ジャガイモなどの果実や野菜製品、カニ、テナガエビなどの甲殻類を例示することができる。このような食品には、食品褐変防止剤を食品に0.0001〜5質量%の範囲で投与することが好ましい。たとえば、褐変を防止するために本発明の食品褐変防止剤の水溶液を調製し、この溶液に食品を浸漬することで褐変を防止することができる。また、加工食品に本発明の食品褐変防止剤を上記範囲で添加し、加工食品の褐変を防止してもよい。
本発明の第三は、光合成細菌の発酵エキスを有効成分とする抗酸化飲料である。前記したように、上記発酵エキスには抗酸化力に優れるホモゲンチジン酸が高濃度に含有され、しかもホモゲンチジン酸は可食可能な生体成分である。この発酵エキスは、抗酸化飲料として飲食することができる。なお、本発明で使用する発酵エキスには、本培養に使用する培地由来の成分が含有される。本培養の培地にポリフェノールを含む植物を使用した場合には、このような植物由来のポリフェノールが発酵エキスに含有される場合がある。ポリフェノールも抗酸化力を有するため、発酵エキスを抗酸化飲料として使用することができる。なお、抗酸化活性は、生体組織に有害な作用を発現し、老化や発ガン性などとも関連する様々な疾患を引き起こすとされるフリーラジカルや活性酸素を消去する作用や、これらの生成を抑制する作用を有し、生活習慣病予防に有効とされる。従って、生活習慣病の予防にも有効と考えられる。本発明の抗酸化飲料は、必要に応じて希釈して、アスコルビン酸含有飲料などの清涼飲料水と同様に飲食することができる。
本発明の発酵エキスを有効成分とする抗酸化飲料には、必要に応じて、矯味・矯臭剤、安定剤、保存剤を添加してもよい。
本発明の第四は、光合成細菌の発酵エキスからホモゲンチジン酸を抽出することを特徴とする、ホモゲンチジン酸の生産方法である。光合成細菌を培養してなる発酵エキスにはホモゲンチジン酸が高濃度に含まれることが判明した。発酵エキスからホモゲンチジン酸を単離することが容易であり、効率的にホモゲンチジン酸を製造することができる。
ホモゲンチジン酸を効率的に生産するには、光合成細菌の前培養に続いて本培養を行う際に、発酵エキスに移行する培地成分の影響を避けることが好ましい。培地成分に制限はないが、たとえば本培養用培地として、窒素源や炭素源としてポリペプトンを使用し、更に酵母エキスや塩類として硫酸マグネシウムを添加したものなど、上記3種の成分で構成した培地を使用することできる。この際、ポリペプトンの濃度は培地中に0.1〜10質量%であり、MgSO・7HOは0.001〜1質量%、酵母エキスは0.001〜2質量%である。この本培養培地に濃度1×10細胞/mlから1×10細胞/mlとなるように光合成細菌を植菌し、温度15〜37℃、より好ましくは25〜35℃で培養する。培養条件は、嫌気・明条件が好ましい。ホモゲンチジン酸の生成量に優れるからである。本発明の製造方法では、光合成細菌が菌体外にホモゲンチジン酸を分泌するため、培養の進行につれて培地のpHが低下する場合がある。このためpHの低下やホモゲンチジン酸の濃度をモニターして本培養用培地を添加し、または菌体を分取して新たな本培養培地で培養してもよい。培地の注ぎ足しや培地交換がない場合には、光合成細菌の植菌後、0.5〜6ヶ月の培養が好ましい。
培養終了後に培養液から遠心分離、ろ過などにより光合成細菌や固形物を除去して発酵エキスを調製する。遠心分離は、7000〜12000rpmで5〜20分間、ろ過は、0.1〜0.6μmのメンブレンフィルターなどを使用して行うことができる。
得られた発酵エキスからホモゲンチジン酸を分取する。ホモゲンチジン酸は酸性物質であるため、発酵エキスに塩酸などを添加して酸性とした後にエーテルなどの有機溶媒を添加して、発酵エキスに含まれるホモゲンチジン酸を有機溶媒層に抽出する。本発明で使用する光合成細菌はホモゲンチジン酸を高濃度に分泌するため、この有機溶媒層を濃縮することで粗ホモゲンチジン酸を得ることができる。この粗ホモゲンチジン酸あるいは発酵エキスそのものは、たとえば大容量用のカラムクロマトなどで吸着および溶出を行い精製することができる。使用する樹脂としてはイオン交換樹脂、逆相系樹脂が使用される。イオン交換樹脂としては、ポリスチレン系樹脂のほか、強塩基イオン交換樹脂などを使用することができる。更に、HPLCなどで精製してもよい。逆相系樹脂としては、ポリスチレン系樹脂のほか、ODS系樹脂(オクタデシルシリル)などのシリカゲル系の樹脂(炭素数4〜30)などが使用される。
本発明で製造したホモゲンチジン酸は、そのまま抗酸化剤、食品褐変防止剤などとして、食品や化粧品に添加することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(1) 光合成細菌の培養
ロドシュードモナス・パルストリス(NITE P−1166)を、蒸留水1L、MgSO・7HO 1g、酵母エキス 2g、ポリペプトン 10gを含む前培養用培地にて、5000ルクスの蛍光灯照射下、27℃、2週間で静置条件で前培養した。
次に本培養を行った。本培養は、蒸留水1L、MgSO・7HO 1g、酵母エキス 2g、ポリペプトン 10gを含む本培養用培地に終濃度1×10細胞/mlとなるように前記NITE P−1166を植菌し、5000ルクスの蛍光灯照射下、27℃で静置条件で行った。
(2) 発酵エキスおよび発酵産物の確認
上記(1)で得た本培養後の培養液100mlを、10000rpm、10分間遠心分離を行った。上清を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過してろ液を得た。このろ液を「発酵エキス」と称する。下記条件にて、発酵エキスに含まれる成分をHPLCで分析した。HPLCでの分析結果を図1に示す。なお、本培養の培養液について、前記発酵エキスと同様に操作して対照試料を得た。これを「発酵前の培地」と称する。この発酵前の培地について、上記と同様に操作してHPLCによる分析を行った。結果を図2に示す。図1と図2とを比較して明らかなように、発酵エキスには保持時間9.7分にピークが存在した。
測定条件
HPLC装置:Agilent社製1100シリーズ、
カラム:ZIC−HILIC、
流速:500μL/min、
移動相:20mMギ酸アンモニウム:アセトニトリル=20:80、
検出器:UV、
測定波長:300nm
(3) ホモゲンチジン酸の抽出
上記(1)で得た本培養後の培養液100mlを、10000rpm、10分間遠心分離を行った。上清を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、ろ液を1M塩酸でpH2に調整した後、エーテル50mLで3回抽出した。各エーテル層を混合し、30℃でロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、水を加えて溶解後、再度0.45μmのメンブレンフィルターでろ過を行った。このろ液に含まれる成分を下記HPLC条件で分析し約37分付近のピークを分取した。この操作を繰り返して行い、ピーク物質の分取を行った。
装置:PerSeptive BioSystems BioCAD Vision Workstation、
カラム:COSMOSIL packed column、5C18−MS−II、10×250mm、
流量:2mL/min、
検出:300nm、UV検出器、
移動相:
A;0.01%トリフルオロ酢酸水溶液、B;メタノールとし、以下のグラジエント条件とした。
0分〜20分:A97%、B3%
20分〜60分:A97%、B3%→A50%、B50%のリニアグラジエント
60分〜90分:A50%、B50%
(4) 抽出物質のUV分析
上記(3)で分取したピーク物質について、日本分光製V−570を使用して290nm(λmax(HO))でUVスペクトルを測定した。結果を図3に示す。極大吸収波長λmax(HO)は290nmであった。
(5) 抽出物質のNMR分析
上記(3)で得たピーク物質について、下記条件にてNMRを測定した。結果を図4に示す。3.60(2H,s,CH)、6.73(2H,m,ArH)、6.81(1H,d,ArH)にピークが存在した。なお、重溶媒(DO)のピークは、4.8である。
NMR測定装置:JEOL JNM−ECAシリーズ、600MHz、FT−NMR、
溶媒:DO、
標準物質:TSP(Trimethylsilyl propanoic acid)
(6) 抽出物のLC/MS/MS分析
上記(3)で得たピーク物質について、下記条件にてLC/MS/MS分析を行った。MS/MSスペクトルを図5に表示。質量分析の結果、ESIMS m/z 167[M−H]、ESIMS/MS m/z 123、122、108であった。
測定条件
HPLC装置:Agilent社製1100シリーズ
質量分析装置:エービーサイエックス社製API2000
カラム:ZIC−HILIC
流速:500μL/min
移動相:20mMギ酸アンモニウム:アセトニトリル=20:80、
質量分析条件:ESI、陰イオンモード、DP=−30、CE=−30
(7) 抽出物質の同定
抽出物質のUV分析結果を示す図3、NMR結果を示す図4、およびLC/MS/MS分析結果を示す図5から、上記ピーク物質をホモゲンチジン酸と同定した。
(実施例2)
実施例1の(2)で得た「発酵エキス」と「発酵前の培地」とについて、下記方法に基づいてホモゲンチジン酸量、ポリフェノール量、DPPHラジカル消去活性、pH、色、臭気とを測定した。結果を表1に示す。
(1)ホモゲンチジン酸量の測定
実施例1で使用したHPLC装置を使用し、HPLC−UV検出器を用いて絶対検量線法によって定量を行った。
(2) ポリフェノール含量の測定
分析試料100μLに蒸留水1.6mL、Folin−Denis試薬100μLを加えた後、攪拌し、10%NaCO溶液200μLを添加した。室温・暗室で30分放置後760nmにおける吸光度を測定した。また、没食子酸を標準物質として用い、結果は没食子酸相当量として表示した。
(3)DPPHラジカル消去活性の測定
96穴プレートに、分析試料50μL、エタノール50μL、0.2M、MES緩衝液(pH6.0)50μL、0.75mMのDPPH溶液50μLを加え、室温かつ暗室条件で20分放置した後、515nmにおける吸光度(A)を測定した。なお、エタノールの終濃度は50%になるようにした。
DPPH溶液に代えて同量のエタノール溶液50μLを使用し、上記と同様に操作して吸光度(B)を測定した。また、分析試料に代えて同量の蒸留水を使用し、上記と同様に操作して吸光度(C)を測定した。
各濃度のトロロックスのエタノール溶液を調製してトロロックス検量線を作成した。試料の抗酸化力は、DPPHラジカル消去活性(%)=(C−(A−B))/C×100、に従って算出した。各試料の濃度は、トロロックス相当量(μM)に換算した。
(4)pH、色および臭気
各分析試料について、pHを測定し、色および臭気を官能試験により観察した。
Figure 0005563551
(実施例3)
下記方法によりβ−カロテンの酸化抑制効果を測定した。
β−カロテン2mgを10mLのクロロホルムに溶解し、リノール酸20μL、界面活性剤(東京化成工業株式会社製、商品名「Tween−40」)200mgを1mLの上記クロロホルム溶液に溶解した。クロロホルムをエバポレーターにて45℃で乾固し、飽和酸素45mL、0.2Mリン酸緩衝液(pH6.8)5mLを加え、強く攪拌してβ−カロテン含有エマルジョンを調製した。
96穴マイクロプレートに上記で調製したエマルジョンを250μLと実施例1の(2)で得た「発酵エキス」30μLとを加え攪拌し、50℃に保ち、30分間隔で測定波長492nmの吸光度を測定した。また、前記発酵エキスに代えて、実施例1の(2)で得た「発酵前の培地」についても同様に操作して吸光度を測定した。更に、対照として、発酵エキスに代えて、同量の蒸留水を使用し、上記と同様に操作して吸光度を測定した。結果を図6に示す。
(結果)
分子状酸素によりリノール酸が自動酸化されて生じるリノール酸過酸化物によってβ−カロテンが退色する程度をβ−カロテンの490nmの吸光度で測定するものである。図6に示すように、培地は、β−カロテンの酸化抑制効果が低いが、実施例1の発酵エキスは、200分の経過後も吸光度の低下が少なく酸化抑制効果に優れた。
(実施例4)
下記方法により発酵エキスの還元力を測定した。
0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.6)500μL、実施例1の(2)で得た「発酵エキス」250μL、2%ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム250μLを添加し、50℃で20分間加温した。冷却後、10%トリクロロ酢酸を500μL添加し、6000rpm、5分遠心分離した。上清500μLに蒸留水500μLを添加した後、0.1%塩化鉄(III)100μLを加えた。分光光度計にて700nmを測定した。前記発酵エキスに代えて、発酵エキスを蒸留水にて10%に希釈した試料についても同様に測定した。結果を図7に示す。更に、実施例1の(2)で得た「発酵前の培地」について上記と同様に操作し、分光光度計にて測定した。結果を併せて図7に示す。
(結果)
試料の還元力により、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム中の鉄イオンが還元され、それが塩化鉄(III)との複合体を700nmの吸光度測定により検出するものである。図7に示すように、発酵エキスは発酵前の培地と比較して優れた還元力を有することが判明した。
(実施例5)
(1) ロドシュードモナス・パルストリス(NITE P−1166)を、蒸留水1L、MgSO・7HO 1g、酵母エキス 2g、ポリペプトン 10gを含む前培養用培地にて、5000ルクスの蛍光灯照射下、2週間で静置条件で前培養した。
次に本培養を行った。本培養は、蒸留水に粉砕青パパイヤを30重量%となるように加えた培地に、終濃度1×10細胞/mlとなるように前培養して得たNITE P−1166を植菌し、5000ルクスの蛍光灯照射下、2週間の静置条件で行った。
(2)上記(1)で得た本培養後の培養液100mlを、10000rpm、10分間遠心分離を行った。上清を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過してろ液を得た。このろ液を発酵エキス試料と称する。また、本培養前の培地を発酵前の培地試料とした。この2種の試料について実施例2と同様にしてホモゲンチジン酸、ポリフェノール含有量、pHおよび色について測定しまたは観察を行った。結果を表2に示す。
(結果)
(1) 実施例1では、2ヶ月間の本培養によって発酵エキスに濃度75.5ppmのホモゲンチジン酸を生成したが、粉砕青パパイヤを培地とした実施例5でも同様にホモゲンチジン酸を生成した。これにより、天然物を培地に使用する場合でも光合成細菌によりホモゲンチジン酸が生成されることが判明した。なお、実施例5での生成量は、わずか2週間の培養で24.4ppmである。青パパイヤを培地に使用することで効率的にホモゲンチジン酸を生産しうることが判明した。
(2) 表2に示すように、発酵エキスにはポリフェノールが142ppm含まれる。ホモゲンチジン酸やポリフェノールは抗酸化力を有するため、発酵エキスは抗酸化飲料、抗酸化食品などとして飲食可能である。
Figure 0005563551
(参考例1)
アスコルビン酸、ホモゲンチジン酸、没食子酸、クロロゲン酸、トロロックス、ケルセチン、カテキンのDPPHラジカル消去活性を評価した。
96穴プレートに、上記分析試料50μL、エタノール50μL、0.2M、MES緩衝液(pH6.0)50μL、0.75mMのDPPH溶液50μLを加え、室温かつ暗室条件で20分放置した後、515nmにおける吸光度(A)を測定した。なお、エタノールの終濃度は50%になるようにした。
DPPH溶液に代えて同量のエタノール溶液50μLを使用し、上記と同様に操作して吸光度(B)を測定した。また、分析試料に代えて同量の蒸留水を使用し、上記と同様に操作して吸光度(C)を測定した。
各濃度のトロロックスのエタノール溶液を調製してトロロックス検量線を作成した。試料の抗酸化力は、DPPHラジカル消去活性(%)=(C−(A−B))/C×100、に従って算出した。各試料の濃度は、トロロックス相当量(μM)に換算した。結果を図8に示す。
(結果)
本実験は、安定なラジカルであるDPPH(1,1―ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)の分析試料による消去を、515nmの吸光度測定により検出するものである。図8に示すように、ホモゲンチジン酸によるDPPHラジカル消去活性は、没食子酸についで高い結果となった。このDPPHラジカル消去活性は、従来から抗酸化剤として多用されるアスコルビン酸100μMで約35%であるが、ホモゲンチジン酸は同量で約70%の活性を示し、アスコルビン酸の2倍も高い。
本発明は、光合成細菌からなる発酵エキスを抗酸化剤、食品褐変防止剤、抗酸化飲料とすることができ、有用である。

Claims (3)

  1. ロドシュードモナス・パルストリスの発酵エキスからホモゲンチジン酸を抽出することを特徴とする、ホモゲンチジン酸の生産方法。
  2. ロドシュードモナス・パルストリスを培養してホモゲンチジン酸を含む発酵エキスを産生させ、前記発酵エキスを有効成分として使用することを特徴とする、抗酸化剤の製造方法。
  3. ロドシュードモナス・パルストリスを培養してホモゲンチジン酸を含む発酵エキスを産生させ、前記発酵エキスを有効成分として使用することを特徴とする、抗酸化飲料の製造方法。
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