JP5563379B2 - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
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Description
熱性、耐加水分解性、力学物性の改善され、製造または成型工程において、悪臭のする遊離のイソシアネート化合物発生による作業環境の悪化を伴わない樹脂組成物を提供することにある。
カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている下記式(1)で表される環状構造を含み、環状構造を形成する原子数が8〜50である環状カルボジイミド化合物、トリメチレンテレフタレート骨格を主たる構成単位とする芳香族ポリエステルおよびポリ乳酸を含有する、樹脂組成物によって達成することができる。
本発明におけるポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、またはその混合物の何れを用いてもよい。
ポリ−L−乳酸は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに高融点を実現するためには99〜100モル%、くわえてステレオコンプレックス結晶化度を優先するならば95〜99モル%のL−乳酸単位から構成されることがさらに好ましい。他の単位としては、D−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位が挙げられる。D−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
ことが好ましい。
混合は、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸が溶解するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、フェノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ブチロラクトン、トリオキサン、ヘキサフルオロイソプロパノール等の単独あるいは2種以上混合したものが好ましい。
あるいは、ポリ−L−乳酸セグメントとポリ−D−乳酸セグメントが結合している、ステレオブロックポリ乳酸も本発明のポリ乳酸成分に好適に用いることが出来る。
このようなブロック重合体は、たとえば、逐次開環重合によって製造する方法や、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を重合しておいてあとで鎖交換反応や鎖延長剤で結合する方法、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を重合しておいてブレンド後固相重合して鎖延長する方法、立体選択開環重合触媒を用いてラセミラクチドから製造する方法、など上記の基本的構成を持つ、ブロック共重合体であれば製造法によらず、用いることができる。
しかしながら、逐次開環重合によって得られる高融点のステレオブロック重合体、固相重合法によって得られる重合体を用いることが製造の容易さからより好ましい。
ステレオコンプレックス結晶化度
=[(ΔHms/ΔHms0)/(ΔHmh/ΔHmh0+ΔHms/ΔHms0)] (2)
(ただし、ΔHms0=203.4J/g、ΔHmh0=142J/g、ΔHms=ステレオコンプレックス融点の融解エンタルピー、ΔHmh=ホモ結晶の融解エンタルピー)
これらの金属塩は、ポリ乳酸成分に対して、好ましくは10ppmから2wt%、より好ましくは50ppmから0.5wt%、さらに好ましくは100ppmから0.3wt%用いることが好ましい。少なすぎる場合には、ステレオコンプレックス結晶化度を向上する効果が小さく、多すぎると樹脂自体を劣化させるので好ましくない。
環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有するが、例えば、スピロ環など、分子中に複数の環状構造を有する場合にはスピロ原子に結合するそれぞれの環状構造中に1個のカルボジイミド基を有していれば、化合物として複数のカルボジイミド基を有していてよいことはいうまでもない。環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜15である。
結合基(Q)は、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基であることが好ましい。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基(2価)として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
かかる環状カルボジイミド化合物(2)としては、以下の化合物が挙げられる。
Yは、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。Yは結合部であり、複数の環状構造がYを介して結合し、式(3)で表される構造を形成している。かかる環状カルボジイミド化合物(3)としては、下記化合物が挙げられる。
脂肪族基、脂環族基、芳香族基は、式(1)で説明したものと同じである。但し、式(4)の化合物において、Qcは4価である。従って、これらの基の内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。Qcは、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であることが好ましい。
Z1およびZ2は各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。Z1およびZ2は結合部であり、複数の環状構造がZ1およびZ2を介して結合し、式(4)で表される構造を形成している。
かかる環状カルボジイミド化合物(4)としては、下記化合物を挙げることができる。
本発明で用いる芳香族ポリエステルは、トリメチレンテレフタレート骨格を主たる構成単位とする。ここで主たるとは、芳香族ポリエステル中で、トリメチレンテレフタレート骨格がモル分率50モル%以上を占めることを意味する。トリメチレンテレフタレート骨格がモル分率において70%以上含まれていることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらには95%以上であることが成形性向上の観点から好ましい。
なお、本発明において芳香族ポリエステルは環状ダイマー含有量がエステル結合1モル当り0.05〜2.5モル%であることが好ましい。該ダイマー含有量が上記範囲内にあるときには、本発明組成物の成形品表面に環状ダイマーが析出して表面欠陥となる問題、また本発明の両構成成分の相互作用が低下し物性の発揮が低下する問題、が生じることが無い。
さらに好ましい範囲として0.2〜2.5wt%、より好ましい範囲として0.3〜2wt%、とりわけ好ましい範囲として0.5〜2wt%の範囲が選択される。
本発明では、樹脂組成物のポリマー成分に占める芳香族ポリエステルの割合は、20wt%から50wt%の範囲であることが好ましい。本発明が目的とする耐薬品性等の改善効果と、バイオベースポリマーを使用するという観点から、さらに好ましくは、20wt%から45wt%、特に好ましくは30wt%から40wt%である。
(1)ハイサイクル性:
ハイサイクル性とは、射出成形サイクルの短さを意味する。ハイサイクル性を向上させるにあたっては、例えば、安定剤、タルク、離型剤を組み合わせて用いればよい。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt%、安定剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、タルクの添加割合は1〜10wt%であればよい。
靭性は、粘り強さを意味し、破壊に対する抵抗の指標で、一般にシャルピー衝撃試験により評価されるものである。靭性および耐低温衝撃性を向上させるにあたっては、離型剤、安定剤およびエラストマーを組み合わせて用いるか、あるいは、離型剤、安定剤、エラストマーおよびポリカーボネートを組み合わせて用いればよい。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt%、安定剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、エラストマーの添加割合は1〜10wt%、ポリカーボネートの添加割合は1〜10wt%であればよい。
靭性・耐低温衝撃性を有するポリ乳酸樹脂組成物は、特に自動車部品のハーネスコネクタ、バンパー部品に好適に用いることができる。
難燃性を向上させるにあたっては難燃剤を添加するだけでもよいが、離型剤、安定剤、難燃剤及びフィラーを組み合わせて用いることが好ましい。
難燃剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜5.0wt%、離型剤の添加割合は、0.05〜3.0wt%、安定剤の添加割合は0.05〜5.0wt%、フィラーの添加割合は1〜10wt%であればよい。
低そり性を向上させるにあたっては、離型剤、安定剤、フレーク及びフィラーを組み合わせて用いるか、あるいは、離型剤、安定剤、フィラー及びポリカーボネートを組み合わせて用いればよい。また、離型剤、安定剤、フィラー及びポリカーボネートに更に、ポリエチレンテレフタレートを添加物として加えてもよい。
更に、離型剤、安定剤、フィラー及びゴム強化スチレン系樹脂を組み合わせて用いてもよい。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt%、安定剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、フィラーの添加割合は1〜10wt%、ポリカーボネートの添加割合は1〜10wt%、ポリエチレンテレフタレートの添加割合は1〜10wt%、ゴム強化スチレン系樹脂の添加割合は1〜10wt%であればよい。
低そり性が良好なポリ乳酸樹脂組成物は、家電用途に好適に用いることができる。
表面外観性は、樹脂組成物を成形したときの表面平滑性と光沢性とからなり、一般的に、触感および目視により判断されるものである。
表面外観性を向上させるにあたっては、離型剤、安定剤、フィラー及びポリエチレンテレフタレートを組み合わせて用いればよい。また離型剤、安定剤、フィラー及びポリエチレンテレフタレートに更に、ポリカーボネートを添加物として加えてもよい。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt、安定剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、フィラーの添加割合は1〜10wt%、ポリカーボネートの添加割合は1〜10wt%、ポリブチレンテレフタレートの添加割合は1〜10wt%であればよい。
表面外観性が高いポリ乳酸樹脂組成物は、家電用途に好適に用いることができる。
耐加水分解性を向上させるには、耐湿熱性改善剤を添加するだけでもよいが、離型剤、安定剤、フィラー及び耐湿熱性改善剤を組み合わせて用いることが好ましい。
更に、ポリ乳酸樹脂成分のカルボキシル末端基濃度、芳香族ポリエステルのカルボキシル末端基濃度を低下させておくことが好ましく、カルボキシル末端基濃度は例えば、固相重合反応等により低下させることができる。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt、安定剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、フィラーの添加割合は1〜10wt%、耐湿熱性改善剤の添加割合は0.05〜5.0wt%、であればよい。
耐加水分解が高いポリ乳酸樹脂組成物は、自動車部品用途に好適に用いることができる。
ヒートショック性は、低温保持(−40℃前後30分間程度)と高温保持(100℃前後30分間程度)とを交互に繰り返した場合の樹脂の耐久性の度合いを意味するものである。
耐ヒートショック性を向上するにあたっては、離型剤、安定剤、フィラー、エラストマー及び耐質熱性改善剤を組み合わせて用いることが好ましい。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt、安定剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、フィラーの添加割合は1〜10wt%、エラストマーの添加割合は、1〜10wt%、耐質熱性改善剤の添加割合は0.05〜5.0wt%、であればよい。
耐ヒートショック性の良好なポリ乳酸樹脂組成物は、自動車部品用途に好適に用いることができる。
耐トラッキング性とは、材料に永久的な炭化導電路を生じさせる電圧の程度を評価するものであって、高いほど好ましいものである。
耐トラッキング性を向上させるにあたっては、離型剤、安定剤、難燃剤、タルク及びフィラーを組み合わせて用いることが好ましい。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt、安定剤の添加割合は0.05〜5.0wt%、難燃剤の添加割合は0.05〜5.0wt%、タルクの添加割合は1〜10wt%、フィラーの添加割合は1〜10wt%であればよい。トラッキング性の良好なポリ乳酸樹脂組成物は、電気部品、特にリレー、スイッチ等に好適に用いることができる。
耐光性を向上させるにあたっては、安定剤を添加するだけでもよいが、離型剤、安定剤、フィラー及び難燃剤を組み合わせて用いることが好ましい。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt、安定剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、難燃剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、フィラーの添加割合は1〜10wt%であればよい。
耐光性の良好なポリ乳酸樹脂組成物は、照明部品等に好適に用いることができる。
静音性とは、騒音源を有する構造材料やハウジング類またはリレー部品等の電気電子部品、モーターケース等に使用した場合の、静音性、振動減衰特性を意味する。
静音性を向上させるにあたっては、離型剤、安定剤、エラストマー、タルク及びフィラーを組み合わせて用いることが好ましい。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt、安定剤の添加割合は0.05〜5.0wt%、エラストマーの添加割合は、1〜10wt%、タルクの添加割合は、1〜10wt%、フィラーの添加割合は1〜10wt%であればよい。静音性の良好なポリ乳酸樹脂組成物は、上記の通りに騒音源を有する構造材料やハウジング類またはリレー部品等の電気電子部品、モーターケース等に好適に用いることができる。
低ガス性とは、ポリ乳酸樹脂組成物を高温または長期間使用した際のガス発生量が少なく且つ溶融加工時の昇華物量の少ないことを意味する。
低ガス性を向上させるにあたっては、離型剤、安定剤、難燃剤及びフィラーを組み合わせて用いればよく、更に、エステル交換反応抑制剤を加えると好ましい。なお、エステル交換反応抑制剤としては、リン酸2水素ナトリウム、酢酸カリウム、トリメチルホスフェート、フェニルホスホン酸などが挙げられる。
離型剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.05〜3.0wt、安定剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、難燃剤の添加割合は、0.05〜5.0wt%、wt%、フィラーの添加割合は、1〜10wt%、エステル交換反応抑制剤の添加割合は0.01〜5.0wt%であればよい。
低ガス性の良好なポリ乳酸樹脂組成物は、電気部品、特にリレー等に好適に用いることができる。
制電性を向上させるに当たっては、帯電防止剤を添加すればよい。
帯電防止剤の添加割合は、ポリ乳酸樹脂組成物を基準として0.1〜10wt%であればよい。
制電性の良好なポリ乳酸樹脂組成物は、例えば、半導体製造時に用いられるウェハーキャリアー用途として好適に用いることができる。
本発明によって得られるポリ乳酸樹脂組成物は、成形することによってさまざまな成型品、シートとして用いることが可能である。成形の方法としては溶融した後に成形する方法や、圧縮して溶着する方法など通常知られている溶融成形樹脂の成形法をとることができるが、たとえば射出成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形、プレス成形などを好適に用いることができる。
本発明によって得られる樹脂は、成形性に優れており、特にその成型品の結晶化度が高い場合には、成形収縮率が低く、耐熱性に優れたものとなる。特に、結晶化度が40%を超える成型品は耐熱性に優れるので好ましい。
粉砕した試料、約2gを精秤し、2N水酸化カリウムのメタノール溶液25ミリリットルに加え、還流下4時間かけて、加溶媒分解し、ガスクロマトグラフ分析により、標品を使用した検量線に従いBPEを定量した。
カラム;DURABOND DB−WAX;0.25mm*30m(コート厚み;0.25μm)
キャリヤー;Heガス、100ml/min.
昇温;150℃から230℃まで20℃/minで昇温
試料約0.3gを精秤、ヘキサフルオロイソプロパノール5ミリリットルとクロロホルム5ミリリットルの混合溶媒に溶解、溶解後クロロホルム5ミリリットルを加え、さらにアセトニトリル、80ミリリットルを加えた。析出する不溶物を濾別しその濾液を300ミリリットルフラスコに受け、不溶物をさらにアセトニトリル約80ミリリットルで洗浄するとともに、さらに濾液にアセトニトリルを追加し総量を200mlとした。この溶液を高速液体クロマトグラフィーで分析し、環状ダイマーを定量した。
カラム; μ Bondasphere 15μ C−18−100A、3.9*190mm(ウォーターズ社製)、温度45℃
溶離液; 水/アセトニトリル(70/30)容量比、流量1.5ミリリットル/min検出; 紫外線242nm
試料約1gを精秤、精製ベンジルアルコール100mlに溶解、窒素気流下、200℃で速やかに溶解、室温に冷却、精製クロロホルム100mlを加え、フェノールレッドを指示薬とし、0.1N水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で滴定する。
常法に従って、オルトクロルフェノールを溶媒として35℃で測定して求めた。
ポリマーの重量平均分子量はGPC(カラム温度40℃、クロロホルム)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。
TAインストルメンツ製 TA−2920示差走査熱量測定計DSCを用いた。
測定は、試料10mgを窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で室温から260℃まで昇温した。第一スキャンで、ホモ結晶融解ピーク、ホモ結晶融解(開始)温度、ホモ結晶融解エンタルピーおよびステレオコンプレックス結晶融解ピーク、ステレオコンプレックス結晶融解(開始)温度およびステレオコンプレックス結晶融解エンタルピーを求めた。
本発明において、ステレオコンプレックス結晶化度はDSC(TAインストルメント社製TA−2920)を用いて融解エンタルピーを測定し、そのエンタルピーから下記式(2)に従って求めた。
ステレオコンプレックス結晶化度
= [(ΔHms/ΔHms0)/(ΔHmh/ΔHmh0+ΔHms/ΔHms0)] (2)
(ただし、ΔHms0=203.4J/g、ΔHmh0=142J/g、ΔHms=ステレオコンプレックス融点の融解エンタルピー、ΔHmh=ホモ結晶の融解エンタルピー)
合成した環状カルボジイミド化合物は1H−NMR、13C−NMRによって確認した。NMRは日本電子(株)製JNR−EX270を使用した。溶媒は重クロロホルムを用いた。
合成した環状カルボジイミド化合物のカルボジイミド骨格の有無は、FT−IRによりカルボジイミドに特徴的な2100〜2200cm−1の確認を行った。FT−IRはサーモニコレー(株)製Magna−750を使用した。
試料を恒温恒湿機にて、80℃、95%RHにて100時間処理したときの還元粘度保持率を評価した。
耐加水分解安定性は、還元粘度保持率が80から90%未満であるとき「合格」、90%から95%未満であるとき「優秀合格」、95%から100%のとき「とりわけ優秀合格」と判断される。
260℃、5分間、試料を溶融したとき、官能評価により測定者がイソシアネート臭を感じるかどうかで判定した。イソシアネート臭を感じないとき、合格と判断した。
樹脂組成物製造時、作業環境がイソシアネート臭により悪化するかどうかにより判定した。悪化しない場合には良と評価した。
環状カルボジイミド化合物として以下の剤を製造、使用した。
[製造例1]環状カルボジイミドCC2(MW=516)
[製造例2]PTT樹脂:(PTT−1)の製造:
PTT−1は以下の方法により製造した。すなわちエステル化反応槽に1,3−プロパンジオール30.4重量部及びテレフタル酸33.2重量部を仕込み3039hPaの圧力下240℃で4時間エステル化反応を行ない、エステル化反応率95.6%のエステル化反応物を得た。
得られたエステル化反応物40重量部を重縮合反応槽に移送しテレフタル酸1モルに対しテトラブチルチタエート2×10−4モルを加え0.3hPa減圧下245℃で2時間溶融重合を行ない、固有粘度0.65のプレポリマーを得た。得られたプレポリマーを130℃、1時間予備乾燥後、2hPaの圧力下200℃、4hr固相重合を行った後、PTTを2軸押出し機にてシリンダー温度260度で溶融チップ化し、固有粘度1.2、BPE含有量0.5wt%、環状ダイマー0.2モル%、カルボキシル末端基濃度35eq/tonのPTTを得た。
Lラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下攪拌翼のついた反応機中にて、180℃で2時間反応し、その後、減圧して残存するラクチドを除去し、チップ化し、ポリ−L−乳酸を得た。
得られたポリ−L−乳酸の重量平均分子量は13万、ガラス転移点(Tg)63℃、融点は180℃であった。
Dラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下攪拌翼のついた反応機中にて、180℃で2時間反応し、その後、減圧して残存するラクチドを除去し、チップ化し、ポリ−L−乳酸を得た。
得られたポリ−D−乳酸の重量平均分子量は13万、ガラス転移点(Tg)63℃、融点は180℃であった。
製造例2および3で得られたポリ−L−乳酸ならびにポリ−D−乳酸を各50重量部ずつ量り取り、また、リン酸金属塩(株式会社ADEKA製「アデカスタブ」NA−11)0.5重量部とともにチップを良く混合した後、ラボプラストミルS−15、225℃のスクリュー温度で混練押出して、水槽中にストランドを取り、チップカッターにてチップ化してステレオコンプレックス樹脂を得た。得られたステレオコンプレックス樹脂は、Mwが12.5万、Tmが180℃と220℃に観測され、ステレオコンプレックス結晶化度は95%であった。
製造例5で得られたステレオコンプレックスポリ乳酸50重量部、製造例1で得られたCC2を1重量部、製造例2で得られたPTT樹脂(PTT−1)50重量部を、ラボプラストミルを使い、250℃、送り速度1kg/hrにて混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂のステレオコンプレックス結晶化度は92%であった。
得られた樹脂組成物を、金型温度110℃、型締め時間2分にて射出成形し、成形片を得た。得られた成型品は白色で、結晶化度は33%、ステレオコンプレックス結晶化度は82%、外観は良好であった。組成物製造時イソシアネート臭の発生は感じられなかった。また、260℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は合格であった。また、カルボキシル基濃度は、加水分解に対する安定性試験後も増加することなく、さらに耐加水分解安定性も「とりわけ優秀合格」の範囲であった。
製造例5で得られたステレオコンプレックスポリ乳酸80重量部、製造例1で得られたCC2を1重量部、製造例2で得られたPTT樹脂(PTT−1)20重量部を、ラボプラストミルを使い、250℃、送り速度1kg/hrにて混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂のステレオコンプレックス結晶化度は100%であった。
得られた樹脂組成物を、金型温度110℃、型締め時間1分にて射出成形し、成形片を得た。得られた成型品は白色で、結晶化度は45%、ステレオコンプレックス結晶化度は100%、外観は良好であった。組成物製造時イソシアネート臭の発生は感じられなかった。また、260℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は合格であった。また、カルボキシル基濃度は、加水分解に対する安定性試験後も増加することなく、さらに耐加水分解安定性も「とりわけ優秀合格」の範囲であった。
実施例1において、カルボジイミド化合物を線状カルボジイミドLA−1(日清紡績(株)製、「カルボジライト」LA−1)に変更したこと以外は同様にして、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。組成物製造時イソシアネート臭を強く感じ、作業環境は不良と判断した。また260℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は不合格であった。
実施例1において、カルボジイミド化合物を線状カルボジイミドSb−I(ラインケミージャパン(株)製「スタバクゾール」I)に変更したこと以外は同様にして、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。本組成物は製造時、イソシアネート臭の発生が強く、排気装置の設置が必要であった。また260℃、5分間溶融したとき、イソシアネート臭評価は不合格であった。
Claims (8)
- カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている下記式(1)で表される環状構造を含み、環状構造を形成する原子数が8〜50である環状カルボジイミド化合物、トリメチレンテレフタレート骨格を主たる構成単位とする芳香族ポリエステルおよびポリ乳酸を含有する、樹脂組成物。
- Yは、原子、原子団またはポリマーである請求項3記載の樹脂組成物。
- Z 1 およびZ 2 は各々独立に、原子、原子団またはポリマーである請求項5記載の樹脂組成物。
- ポリ乳酸が、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸の混合物であり、ステレオコンプレックス結晶を含有している、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形体。
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