JP5561235B2 - 自熔製錬炉の操業方法及び自熔製錬炉 - Google Patents

自熔製錬炉の操業方法及び自熔製錬炉 Download PDF

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Description

本発明は、反応塔側壁から反応塔内に反応用気体の一部を吹込むようにした自熔製錬炉の操業方法及び自熔製錬炉に関する。
硫化精鉱を原料とする製錬炉の一つに自熔炉と呼ばれる自熔製錬炉がある。自熔製錬炉は、例えば、頂部に精鉱バーナーが設けられた反応塔と、反応塔の下部に一端が接続され、側面にスラグホール及びマットホールが設けられたセトラーと、セトラーの他端に接続された排煙道とを備える。
自熔製錬炉を用いて製錬原料を製錬する操業方法では、製錬精鉱、フラックス、補助燃料等からなる製錬原料が、予熱された反応用気体とともに、精鉱バーナーから反応塔内に吹き込まれる。反応塔内において、製錬原料の可燃成分である硫黄と鉄とが高温の反応用気体と反応し、熔体となってセトラーに溜められる。セトラーでは、熔体が比重差によってCuSとFeSとの混合物であるカワと、2FeO・SiOを主成分とするカラミとに分けられる。カラミは、カラミ抜き口から排出されて錬カン炉に導入される。カワは、次工程である転炉からの要求に応じて、マットホールから適量が抜き出される。
反応塔内で発生する高温排ガスは、セトラー及び排煙道を通って排熱ボイラーで冷却される。電気錬カン炉に入ったカラミは、電極によって通電された電熱によって加熱保持され、必要に応じて電気錬カン炉に挿入された塊状鉱石や塊状フラックス等と混合され、銅分がさらに炉底に沈降し、残った銅分を含んだカラミのみが抜き口から炉外に排出される。
このような自熔製錬炉では、製錬原料が反応塔内を落下する間に反応を完結させることが重要である。反応が完結しない場合には、製錬原料の未反応物の一部が高温排ガスとともに飛散して煙灰となって排熱ボイラー内に堆積固着してしまう。また、製錬原料の未反応物の一部が未熔解物として反応塔の下部の熔体表面上に堆積してしまう。
煙灰発生率が増加すると、煙灰溶解用の補助燃料を増加させる必要があり、コストが増加してしまう。また、排熱ボイラー内に固着した煙灰は、次第に成長してボイラーの電熱効率を低下させてしまうとともに、剥離、落下して排熱ボイラーを破壊してしまうおそれがある。また、熔体表面に堆積した製錬原料の未熔解物は、カラミの生成を妨げ、カラミの温度やカラミの品質を変動させてしまう原因となってしまう。
このような事態を回避し、反応塔内で製錬原料と反応用気体とを均一に混合し、製錬原料を完全に反応させるため、種々の改良を施した自熔製錬炉の操業方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、頂部に精鉱バーナーを有する自熔製錬炉において、反応塔の側壁部に反応塔内に反応用気体を吹込む方法が記載されている。特許文献1に記載された方法では、操業性の低下や炉体各部の損傷を招くことなく、反応塔内での製錬原料と反応用気体との均一な混合を確保し、かつ、製錬原料の塔内滞留時間の延長を図り、精鉱反応(製錬原料の可燃成分である硫黄と鉄とが反応用気体と反応して熔体となる反応)を促進させている。
ところで、自熔製錬炉の反応塔の側壁内側には、例えば、反応塔側壁を構成する煉瓦を保護するためのコーチング層が形成されている(例えば、特許文献2を参照)。コーチング層は、例えば、製錬原料中の精鉱と反応用気体との反応によって生じる酸化物が反応塔側壁に付着することで形成される。
しかしながら、コーチング層が成長しすぎると、自熔製錬炉内の容積が減少してしまい、精鉱の熔解量が減少してしまう。一方、コーチング層が減少しすぎてしまうと、例えば、反応塔の側壁を構成する煉瓦が熔損してしまい、その結果、自熔製錬炉が操業できない状態になってしまうおそれがある。
したがって、安定した自熔製錬炉の長期連続操業を可能とするためには、反応塔の側壁内側に形成されるコーチング層を適正な厚さに維持することが重要である。
特開平01−252734号公報 特開平07−54058号公報
そこで、本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、反応塔の側壁内側に形成されるコーチング層を適正な厚さに制御することができる自熔製錬炉の操業方法及び自熔製錬炉を提供することを目的とする。
本発明に係る自熔製錬炉の操業方法は、頂部に設けられ製錬原料を燃料及び反応用気体とともに供給する精鉱バーナーと、側壁に取付けられ反応用気体を送風するための送風ノズルとを備える反応塔を少なくとも有する自熔製錬炉を用いた自熔製錬炉の操業方法において、上記反応塔のコーチング層が形成される側壁からの放散熱量を検出し、該検出した放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、上記精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と上記送風ノズルから吹込む反応用気体量との合計量を一定としたまま、該送風ノズルから吹込む反応用気体量を、該精鉱バーナーから吹込む反応用気体量よりも少なくし、上記反応塔からの放散熱量が前記所定の閾値より小さくなった場合には、上記反応用気体量の合計量を一定としたまま、該送風ノズルから吹込む反応用気体量と、該精鉱バーナーから吹込む反応用気体量とを同じにすることを特徴とするものである。
また、本発明に係る自熔製錬炉は、頂部に設けられ製錬原料を燃料及び反応用気体とともに供給する精鉱バーナーと、側壁に取付けられ反応用気体を送風するための送風ノズルとを備える反応塔を少なくとも有する自熔製錬炉において、上記反応塔のコーチング層が形成される側壁からの放散熱量を検出し、該検出した放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、上記精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と上記送風ノズルから吹込む反応用気体量との合計量を一定としたまま、該送風ノズルから吹込む反応用気体量を、該精鉱バーナーから吹込む反応用気体量よりも少なくし、上記反応塔からの放散熱量が前記所定の閾値より小さくなった場合には、上記反応用気体量の合計量を一定としたまま、該送風ノズルから吹込む反応用気体量と、該精鉱バーナーから吹込む反応用気体量とが同じになるように制御する制御装置を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、反応塔の側壁内側に形成されたコーチング層を適正な厚さに制御することができる。
自熔製錬炉の操業方法で用いられる自熔製錬炉の構成例を示す断面図である。 自熔製錬炉における反応塔の構成例を示す断面図である。 自熔製錬炉における精鉱バーナーの構成例を示す断面図である。 反応塔、反応塔内に反応用気体を供給する反応用気体供給部及び反応用気体供給部を制御する制御装置の構成例を示すブロック図である。 自熔製錬炉の操業方法の一例を説明するためのフローチャートである。 精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を変化させたときの自熔製錬炉における放散熱の変化を示すグラフである。
以下、本発明を適用した実施の形態(以下、「本実施の形態」と呼ぶ)の一例について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.自熔製錬炉
2.自熔製錬炉の操業方法
3.実施例
<1.自熔製錬炉>
図1は、本実施の形態に係る自熔製錬炉の操業方法で用いられる自熔製錬炉の構成例を示す断面図である。図1に示すように、自熔製錬炉1は、例えば、反応塔2と、反応塔2の下部に一端が接続され、側面にスラグホール5及びマットホール7が設けられたセトラー3と、セトラー3の他端に接続された排煙道8とを備える。自熔製錬炉1では、例えば、2300〜3500t/日の製錬原料(銅精鉱、コークス、フラックス等)を処理することができる。
図2は、自熔製錬炉1における反応塔2の構成例を示す断面図である。反応塔2は、例えば、図2に示すように、頂部に設けられた精鉱バーナー10と、側壁に取付けられ反応用気体11を送風するための送風ノズル12とを備える。反応塔2では、例えば、製錬原料と、燃料と、反応用気体11,11’とが供給され、反応用気体11によってジェット流を形成して、製錬原料の可燃成分である硫黄と鉄とが反応用気体11と反応して熔体となる反応(精鉱反応)が起こる。
図3は、自熔製錬炉1における精鉱バーナー10の構成例を示す断面図である。また、図4は、反応塔2、反応塔2内に反応用気体11,11’を供給する反応用気体供給部15及び反応用気体供給部15を制御する制御装置16の構成例を示すブロック図である。精鉱バーナー10は、精鉱シュート20と、送風管21と、バーナーコーン22と、風速調整器23とを備える。
精鉱シュート20は、製錬原料24を反応塔2内に送り込むための管状部材であり、反応塔2に向って鉛直方向に延びている。精鉱シュート20の中心部には、反応用気体11を昇温させるための補助燃料を送り込む補助燃料バーナー25が反応塔2に向けて延びている。また、補助燃料バーナー25の先端には、精鉱シュート20から送り出された製錬原料24が衝突する位置に、分散コーン26が設けられている。この分散コーン26は、製錬原料24を分散させて反応用ガスと接触し易くし、いわゆるヒープ(未熔解物の塊)の発生を防止する。
送風管21は、精鉱シュート20を包囲する、すなわち、精鉱シュート20を内包する状態で設けられる管状構造体である。送風管21は、管内の所定位置より下方に向かって縮径している。送風管21は、反応用気体供給部15から供給された反応用気体11を、反応塔2内に導入する。
バーナーコーン22は、例えば、管状構造体をなし、その上端が送風管21の下端に接続されており、反応塔2内に製錬原料24と反応用気体11とを送り込むことができるようになっている。
風速調整器23は、精鉱シュート20と送風管21との間、例えば精鉱シュート20の外周に設けられており、精鉱シュート20と送風管21とで形成される反応用気体11の流路幅を所定の大きさに狭めるような形状、例えば、略円筒形状に成形されている。このように形成された風速調整器23は、反応用気体11の流速を所定速度に調整可能とする。また、風速調整器23は、精鉱シュート20の軸に沿った方向に動く可動式となっており、精鉱シュート20の軸に沿った方向に可動することにより、反応用気体11の流速を調整することができる。
送風ノズル12は、例えば、反応塔2の側壁の相互に反応塔中心点を通る鉛直線上に線対称になる位置に、鉛直線方向に相対するように少なくとも一組以上が取付けられており、反応用気体11’を反応塔2内に送風する。送風ノズル12から送り込まれる反応用気体11’は、精鉱バーナー10から送り込まれる反応用気体11と同一の反応用気体供給部15から供給される。このように、精鉱バーナー10のみからではなく、反応用気体11’を反応塔2の側壁から反応塔2内に送風することにより、精鉱バーナー10から吹き込まれた反応用気体11によって形成されたジェット流を攪拌して乱流化させて、製錬原料24の粒子と反応用気体11との反応効率を高めることができる。また、製錬原料24の反応塔2内での滞留時間を延長させることができる。このように滞留時間を延長させることにより、製錬原料24が反応塔2内を落下する間に反応を完結させて、製錬原料24の未反応物の一部が高温排ガス13とともに飛散して煙灰となって排熱ボイラー14内に堆積固着してしまうことを防止することができる。また、製錬原料24の粒子と反応用気体11とが反応し得る滞留時間を延長させることにより、製錬原料24の未反応物の一部が未熔解物として反応塔2の下部の熔体表面上に堆積してしまうことを防止することができる。
送風ノズル12は、その取付け位置を固定式としてもよく可動式としてもよいが、反応塔2の側壁中央部に設けられていることが好ましい。送風ノズル12を反応塔2の天井部に設けた場合には、精鉱バーナー10から吹き込まれた反応用気体11によって形成されたジェット流を十分に攪拌して、反応塔2内部全体に広がる乱流とすることができない。また、送風ノズル12を反応塔2の下方部に設けた場合には、ジェット流の低い位置に反応用気体11’が吹き当てられるため、乱流の一部分或いは大部分がセトラー3内に形成され、粒子間の衝突の機会が減少し、粒子と酸素との接触も不十分となってしまう。その結果、製錬原料24が熔解する熔解反応が完結しないままセトラー3から炉外に煙灰として排出されてしまう。また、セトラー3の熔体表面上に落下する粒子が増加してしまう。
反応用気体供給部15は、反応用気体11,11’を貯蔵し、送風管21を介して反応塔2内に反応用気体11を供給するとともに、送風ノズル12を介して反応塔2内に反応用気体11’を供給する。このように、反応塔2内には、反応用気体供給部15から供給された反応用気体11と反応用気体11’との合計量が送り込まれる。反応用気体11,11’としては、空気、又は空気と酸素とを混合させた酸素富化空気を用いることができる。
制御装置16には、例えば、反応塔2に設置された放散熱検出用のセンサ(図示せず)で検出された放散熱量のデータが供給される。制御装置16は、後に詳述するように、放散熱検出用のセンサで検出された放散熱量のデータに基づいて、精鉱バーナー10の送風管21から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を変化させるように、反応用気体供給部15を制御する。
セトラー3は、保持容器として機能し、熔解された製錬原料24を、比重差によってスラグ(カラミ)4と、マット(カワ)6とに分離し、スラグ4の層と、マット6の層を形成する。セトラー3は、スラグホール5が設けられており、スラグホール5を介して、セトラー3で分離したスラグ4を排出して錬カン炉30に導入する。また、セトラー3は、マットホール7が設けられており、マットホール7を介して、セトラー3で分離したマット6を排出する。マット6は、マットホール7から次工程である転炉のバッチプロセスでの要求に応じて適宜抜き出される。
錬カン炉30には、樋31及び流入口32を介してスラグホール5から抜き出されたスラグ4が流入される。錬カン炉30では、自熔製錬炉1から流入したスラグ4を加熱しながら、スラグ4中に懸垂するマット6をセットリングすることにより、比重差によってスラグ4とマット6とに分離する。マット6は、炉底に沈澱した後、マットホールから錬カン炉30の外、例えば、マット6を受け入れるためのレードルを介して転炉に導出される。
<2.自熔製錬炉の操業方法>
次に、自熔製錬炉1の操業方法の一例について説明する。自熔製錬炉1において、例えば銅精鉱とフラックス(硅石)との混合物である製錬原料24が、反応用気体11とともに、反応塔2の頂部に設けられた精鉱バーナー10から反応塔2内に吹き込まれる。また、反応塔2内には、送風ノズル12からも反応用気体11が吹き込まれる。
反応塔2内に吹き込まれた精鉱等は、反応塔2の炉壁内の輻射熱、補助燃料の熱などにより昇温され、反応用気体11,11’と反応して熔体となり、セトラー3内に溜められる。
ここで、反応塔2の側壁に形成されるコーチング層が厚くなるのに伴って、すなわち、コーチング層が成長するにつれて、反応塔2内部の熱が反応塔2の外部に伝わりにくくなるため、反応塔2からの放散熱量が小さくなる。一方、反応塔2の側壁に形成されるコーチング層が薄くなるのに伴って、すなわち、コーチング層が減少するにつれて、反応塔2内部の熱が反応塔2の外部に伝わりやすくなるため、反応塔2からの放散熱量が大きくなる。
また、製錬原料24中の精鉱の粒子は、上述したように、反応用気体11と反応し、その反応熱で精鉱の粒子が熔融して高温の熔融粒子となる。この熔融粒子がコーチング層と衝突すると、熔融粒子とコーチング層との間で製錬反応が進行して、コーチング層が溶解することとなる。
このように、製錬原料24中の精鉱の熔融粒子がコーチング層に衝突する量が多くなると、コーチング層が減少して、反応塔2内部の熱が反応塔2の外部に伝わりやすくなり、反応塔2からの放散熱量が大きくなる。また、精鉱の熔融粒子がコーチング層に衝突する量が少なくなると、コーチング層が成長して、反応塔2内部の熱が反応塔2の外部に伝わりにくくなるため、反応塔2からの放散熱量が小さくなる。
そこで、本実施の形態に係る自熔製錬炉1の操業方法では、反応塔2からの放散熱量を検出し、検出した放散熱量に応じて、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を変化させる。
具体的には、制御装置16は、放散熱検出用のセンサで検出した反応塔2からの放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との合計量を一定としたまま、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量を、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量よりも少なくするように制御する。すなわち、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合が2:1となるように制御する。
このように、反応塔2からの放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合、すなわち、コーチング層が減少しすぎた場合には、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量を、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量よりも少なくする。これにより、製錬原料24中の精鉱の熔融粒子がコーチング層に衝突する量が少なくなるため、コーチング層を成長させることができる。
また、制御装置16は、反応塔2からの放散熱量が所定の閾値より小さくなった場合には、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との合計量を一定としたまま、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量と、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量とが同じになるように制御する。すなわち、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合が1:1となるように制御する。
このように、反応塔2からの放散熱量が所定の閾値より小さくなった場合、すなわち、コーチング層が成長しすぎた場合には、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量とを同じにする。これにより、製錬原料24中の精鉱の熔融粒子がコーチング層に衝突する量が多くなるため、コーチング層を減少させることができる。
図5は、自熔製錬炉1の操業方法の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS1において、制御装置16は、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合が2:1となるように制御する。これにより、コーチング層を成長させて、コーチング層が減少しすぎてしまうことを防止する。
ステップS2において、制御装置16は、反応塔2からの放散熱量を検出し、検出した放散熱量が所定の閾値より大きくなったかどうかを判断する。反応塔2からの放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、制御装置16は、ステップS1の処理を実行する。すなわち、制御装置16は、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との合計量を一定としたまま、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合が2:1となるように制御する。一方、反応塔2からの放散熱量が所定の閾値より小さくなった場合には、制御装置16は、ステップS3の処理を実行する。
ステップS3において、制御装置16は、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との合計量を一定としたまま、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合が1:1となるように制御する。このように精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合を制御することにより、コーチング層を熔解してコーチング層を減少させて、コーチング層の厚さを適正な厚さに制御することができる。
以上説明したように、自熔製錬炉1においては、反応塔2からの放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、製錬原料24中の精鉱の熔融粒子がコーチング層に衝突する量を多くさせて、成長しすぎたコーチング層を減少させることができる。このように、自熔製錬炉1においては、コーチング層が成長しすぎてしまうことを防止できるため、例えば、反応塔2内での製錬原料24の熔解量が減少してしまうことを防止することができる。
また、自熔製錬炉1においては、反応塔2放散熱量が所定の閾値より小さくなった場合には、精鉱の熔融粒子がコーチング層に衝突する量を少なくさせて、減少しすぎたコーチング層を成長させることができる。このように、自熔製錬炉1においては、コーチング層が減少しすぎることを防止することができるため、例えば、反応塔2の側壁を構成する煉瓦が熔損してしまい、自熔製錬炉1が操業できない状態になってしまうことを防止することができる。
なお、反応塔2内に吹込む反応用気体11,11’の量は、使用する自熔製錬炉1の大きさや、処理する精鉱量によって変化させることができる。また、精鉱バーナー10及び送風ノズル12から反応用気体11,11’を吹込む速度は、使用する自熔製錬炉1の大きさや、処理する精鉱量によって適宜変更することができる。
また、上述した図5に示すフローチャートでは、ステップS1において、制御装置16が、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合が2:1となるように制御する例について説明したが、この例に限定されるものではない。例えば、ステップS1において、制御装置16は、精鉱バーナー10から吹込む反応用気体11の量と、送風ノズル12から吹込む反応用気体11’の量との割合が1:1となるように制御するようにしてもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、下記のいずれかの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
実施例では、頂部に精鉱バーナーと、側壁中央部付近に取付けられた4本の送風ノズルとを有する反応塔と、反応塔の下部に一端を接続して設けられたセトラーと、セトラーの他端に接続して設けられた排煙道とを備える自熔製錬炉を用いて操業を行った。
また、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合は、反応塔からの放散熱量に応じて、制御装置を用いて反応用気体供給部から送風管及び送風ノズルに供給する反応用気体量の供給量を変化させることにより制御した。
具体的には、反応塔からの放散熱量が所定の閾値より小さくなった場合には、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との合計量を一定としたまま、送風ノズルから吹込む反応用気体量と、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量との割合を1:1とした。
また、反応塔からの放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との合計量を一定としたまま、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1とした。
反応用気体量については、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1とする場合には、精鉱バーナーからの反応用気体量を20000Nm/hとし、送風ノズルからの反応用気体量を10000Nm/hとした。また、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を1:1とする場合には、精鉱バーナーからの反応用気体量を15000Nm/hとし、送風ノズルからの反応用気体量を15000Nm/hとした。
自熔製錬炉の操業は、11日間行った。精鉱処理量については、1日目〜2日目は2500t/日、3日目〜9日目は3000t/日、10日目〜11日目は3500t/日とした。
(コーチング層の厚さの制御結果について)
図6は、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を変化させたときの自熔製錬炉における放散熱の変化を示すグラフである。
制御装置では、反応塔からの放散熱量が所定の閾値(6000Mcal/h)より大きくなった7日目と10日目には、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と送風ノズルから吹込む反応用気体量との合計量(30000Nm3/h)を一定としたまま、送風ノズルから吹込む反応用気体量が、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量よりも少なくなるように制御した。すなわち、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を1:1から2:1となるように制御した。
このように、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を1:1から2:1となるように制御したことにより、反応塔からの放散熱量が減少したことが確認できた。これは、製錬原料中の精鉱の熔融粒子がコーチング層に衝突する量が少なくなり、コーチング層が成長したためと考えられる。
また、制御装置では、反応塔からの放散熱量が所定の閾値(6000Mcal/h)より小さくなった3日目と8日目には、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と送風ノズルから吹込む反応用気体量との合計量(30000Nm3/h)を一定としたまま、送風ノズルから吹込む反応用気体量と、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量とを同じとした。すなわち、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1から1:1となるように制御した。
このように、精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1から1:1となるように制御したことにより、反応塔からの放散熱量が増加したことが確認できた。これは、製錬原料中の精鉱の熔融粒子がコーチング層に衝突する量が多くなり、コーチング層が減少したためと考えられる。
以上のように、本発明によれば、反応塔の側壁内側に形成されたコーチング層を適正な厚さに制御することができることが確認できた。
1 自熔製錬炉、2 反応塔、3 セトラー、4 スラグ、5 スラグホール、6 マット、7 マットホール、8 排煙道、10 精鉱バーナー、11,11’ 反応用気体、12 送風ノズル、13 高温排ガス、14 排熱ボイラー、15 反応用気体供給部、16 制御装置、20 精鉱シュート、21 送風管、22 バーナーコーン、23 風速調整器、24 製錬原料、25 補助燃料バーナー、26 分散コーン、30 錬カン炉、31 樋、32 流入口、40 マッシュルーム

Claims (4)

  1. 頂部に設けられ製錬原料を燃料及び反応用気体とともに供給する精鉱バーナーと、側壁に取付けられ反応用気体を送風するための送風ノズルとを備える反応塔を少なくとも有する自熔製錬炉を用いた自熔製錬炉の操業方法において、
    上記反応塔のコーチング層が形成される側壁からの放散熱量を検出し、
    該検出した放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、上記精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と上記送風ノズルから吹込む反応用気体量との合計量を一定としたまま、該送風ノズルから吹込む反応用気体量を、該精鉱バーナーから吹込む反応用気体量よりも少なくし、
    上記反応塔からの放散熱量が前記所定の閾値より小さくなった場合には、上記反応用気体量の合計量を一定としたまま、該送風ノズルから吹込む反応用気体量と、該精鉱バーナーから吹込む反応用気体量とを同じにすることを特徴とする自熔製錬炉の操業方法。
  2. 上記反応塔からの放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、上記精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、上記送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合を2:1とすることを特徴とする請求項1記載の自熔製錬炉の操業方法。
  3. 頂部に設けられ製錬原料を燃料及び反応用気体とともに供給する精鉱バーナーと、側壁に取付けられ反応用気体を送風するための送風ノズルとを備える反応塔を少なくとも有する自熔製錬炉において、
    上記反応塔のコーチング層が形成される側壁からの放散熱量を検出し、
    該検出した放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、上記精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と上記送風ノズルから吹込む反応用気体量との合計量を一定としたまま、該送風ノズルから吹込む反応用気体量を、該精鉱バーナーから吹込む反応用気体量よりも少なくし、
    上記反応塔からの放散熱量が前記所定の閾値より小さくなった場合には、上記反応用気体量の合計量を一定としたまま、該送風ノズルから吹込む反応用気体量と、該精鉱バーナーから吹込む反応用気体量とが同じになるように制御する制御装置を備えることを特徴とする自熔製錬炉。
  4. 上記制御装置は、
    上記反応塔からの放散熱量が所定の閾値より大きくなった場合には、上記精鉱バーナーから吹込む反応用気体量と、上記送風ノズルから吹込む反応用気体量との割合が2:1となるように制御することを特徴とする請求項3記載の自熔製錬炉。
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