JP4638159B2 - 灰溶融設備 - Google Patents
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Description
この直流電気抵抗式の灰溶融炉は、灰投入口から灰が投入される炉体と、炉体内に配設された主電極と、炉底に設けられた炉底電極とを有している。そして、この灰溶融炉では、主電極と炉底電極との間に流した電流により、炉体内の灰がジュール熱により順次溶融されて溶融スラグとされる。そして、炉体内の溶融スラグを炉体側部の溶融スラグ排出口から取り出し、炉体内で発生した溶融排ガスを炉体上部の排ガス口から排気する。
しかしながら、塩素化合物は、排ガス口から排出される際に温度が低下し、この温度低下に従い液体、固体と変化し、排ガス口に接続された水平煙道の内面に付着し、煙道の閉塞を引き起こすおそれがあった。
このため、水平煙道の内面に付着した塩素化合物を機械的に掻き取る装置や気体によって吹き飛ばす装置を使用することも考えられるが、この場合、水平煙道の内面から除去した塩素化合物からなる閉塞物が炉体内へ戻されてしまい、系内にて塩素化合物の循環、濃縮の促進を引き起こしてしまう。
これにより、溶融スラグ上の溶融塩層への電流ショートパスなどにより主電極及び炉底電極による灰溶融に不具合を生じさせたり、溶融スラグの品質劣化を引き起こしたり、更には炉体内の耐熱材の劣化により設備の短命化を招いてしまう。
本発明は、灰投入口から炉体内に投入された灰を溶融して溶融スラグとする灰溶融炉と、前記灰溶融炉に一端が接続されて前記炉体内にて発生した排ガスを導く煙道と、前記煙道の他端に接続されて前記排ガス中の塩素化合物を沈降させるダスト沈降塔と、前記ダスト沈降塔の上部に設けられて前記ダスト沈降塔へ送り込まれた排気ガスを排出する排気ガス排出部と、を有する灰溶融設備であって、前記煙道は、前記灰溶融炉との接続箇所近傍に前記煙道内に気体を吹き込んで前記炉体から送り込まれる排ガスを冷却して排ガス中の塩素化合物を粉状化させる気体吹き込み部を有すると共に、前記一端から前記他端へ向かって下方へ傾斜されて前記粉状化した塩素化合物が前記ダスト沈降塔に移動するように設置されることを特徴とする。
したがって、塩素化合物が液化してさらに流動性が悪く付着性のある軟化状態となって煙道の内面に付着し、その後固化するような付着生成がなくなり、煙道の流路閉塞が確実に防止されて安定運転への寄与が可能とされる。
また、塩素化合物の炉体内への逆流が確実に防止され、系内における塩素化合物の循環、濃縮の促進が回避される。これにより、塩素化合物の濃縮による耐熱材の劣化促進が回避されて延命化が図られる。さらには、円滑かつ安定した灰溶融が可能となり、投入電力が灰溶融に有効に用いられ、また、溶融スラグの品質向上が図られる。
また、前記煙道の他端が排ガス中の塩素化合物を沈降させるダスト沈降塔に接続されているので、排ガスに含まれるパウダー状の塩素化合物が確実に収集される。
このように、排ガスを300°以下とすることにより、塩素化合物が確実にパウダー状に固化される。
これにより、パウダー状に固化させた塩素化合物が確実に下流側へ送り出されて炉体内への逆流が防止される。
これにより、収集したパウダー状の塩素化合物がダスト沈降塔から確実に排出されて回収される。
したがって、塩素化合物が液化してさらに流動性が悪く付着性のある軟化状態となって煙道の内面に付着し、その後固化するような付着生成がなくされ、煙道の流路閉塞を確実に防止して安定運転に寄与することができる。
また、塩素化合物の炉体内への逆流を確実に防止することができ、系内における塩素化合物の循環、濃縮の促進が回避される。これにより、塩素化合物の濃縮による耐熱材の劣化促進を回避することができ、延命化を図ることができる。さらには、投入電力を灰溶融に有効に用いて、円滑かつ安定した灰溶融を可能とすることができ、また、溶融スラグの品質向上を図ることができる。
図1は、本実施形態に係る灰溶融設備1の構成を示す概略構成図である。
図1に示すように、灰溶融設備1を構成する灰溶融炉10は、炉底11を有する筒状の炉体12と、この炉体12の上部を覆う炉蓋13とを有している。炉体12は、その内部に、黒鉛電極からなる主電極14を有しており、この主電極14は、炉蓋13に昇降可能に支持されている。
炉底11は、炉底電極17を備えており、直流電源20によって主電極14と炉底電極17との間に電流を流すことにより、炉体12内に投入された灰Xがジュール熱により順次溶融されて溶融スラグSとされる。
また、炉体12の上部における側部には、排ガス口19が形成されている。そして、この排ガス口19には、下方へ傾斜された煙道21の一端21aが接続されている。この煙道21には、炉体12内にて発生した排ガスGが、排ガス口19を介して送り込まれる。
ダスト沈降塔23には、その上端部に管路29が接続されており、ダスト沈降塔23へ送り込まれた排気ガスが、管路29を介して排出され、例えば、バグフィルタやガス処理装置などへ送り込まれる。
そして、炉体12の側壁の溶融スラグ排出口18を適宜開放することにより、炉体12内の溶融スラグSが取り出される。
また、溶融スラグSとともに発生した溶融塩Yは、溶融スラグSよりも軽いため、溶融スラグSの上部に層状に形成される。
ここで、煙道21には、排ガス口19との接続部分に、気体吹き込み口22から冷却用の空気が吹き込まれる。これにより、煙道21に送り込まれた排ガスGが煙道21の入り口で急冷され、排ガスGに含まれていた塩素化合物Zが固化されてパウダー状にされる。
その後、ダスト沈降塔23では、排ガスG中のパウダー状にされた塩素化合物Zが底部に沈降する。そして、このダスト沈降塔23の底部に沈降された塩素化合物Zは、排出装置24の回転スクレーパ25によって削り取られ、ロータリー弁27を有する排出口26へ送り込まれ、ロータリー弁27によって排出口26が開放されることにより、排出口26から落とされ、下方に設置された密閉型コンベア装置28によって搬送される。
また、ダスト沈降塔23へ送り込まれた排ガスGは、上端部の管路29を介して下流側のバグフィルタやガス処理装置などへ送り込まれる。
したがって、塩素化合物Zが液化してさらに流動性が悪く付着性のある軟化状態となって煙道21の内面に付着し、その後固化するような付着生成がなくされ、煙道21の流路閉塞を確実に防止して安定運転に寄与することができる。
また、煙道21を45°以上に下方へ傾斜させたので、パウダー状に固化させた塩素化合物Zを確実に下流側へ送り出して炉体12内への逆流を防止することができる。
さらには、煙道21の他端21bをダスト沈降塔23に接続したので、排ガスGに含まれるパウダー状の塩素化合物Zを確実に収集することができる。
また、ダスト沈降塔23の排出部によって、収集したパウダー状の塩素化合物Zをダスト沈降塔23から確実に排出して回収することができる。
10 灰溶融炉
12 炉体
15 灰投入口
18 溶融スラグ排出口
21 煙道
21a 一端
22b 他端
22 気体吹き込み口(気体吹き込み部)
23 ダスト沈降塔
24 排出装置(排出部)
S 溶融スラグ
X 灰
Z 塩素化合物
G 排ガス
Claims (4)
- 灰投入口から炉体内に投入された灰を溶融して溶融スラグとする灰溶融炉と、
前記灰溶融炉に一端が接続されて前記炉体内にて発生した排ガスを導く煙道と、
前記煙道の他端に接続されて前記排ガス中の塩素化合物を沈降させるダスト沈降塔と、
前記ダスト沈降塔の上部に設けられて前記ダスト沈降塔へ送り込まれた排気ガスを排出する排気ガス排出部と、
を有する灰溶融設備であって、
前記煙道は、前記灰溶融炉との接続箇所近傍に前記煙道内に気体を吹き込んで前記炉体から送り込まれる排ガスを冷却して排ガス中の塩素化合物を粉状化させる気体吹き込み部を有すると共に、前記一端から前記他端へ向かって下方へ傾斜されて前記粉状化した塩素化合物が前記ダスト沈降塔に移動するように設置される
ことを特徴とする灰溶融設備。 - 前記気体吹き込み部は、吹き込んだ気体により前記排ガスを300℃以下に冷却することを特徴とする請求項1に記載の灰溶融設備。
- 前記煙道は、傾斜角度が水平に対して45°以上とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の灰溶融設備。
- 前記ダスト沈降塔は、沈降した塩素化合物を排出する排出部を有することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の灰溶融設備。
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