JP5561094B2 - 圧縮応力下での鉄損劣化の小さいモータコア - Google Patents

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Description

本発明は、家庭用エアコンのコンプレッサーモータや、ハイブリッド電気自動車(EV;Electric Vehicle)の駆動モータや発電機(以降、単に「モータ」という。)などに用いられるモータコアに関し、具体的には、圧縮応力の存在下においても鉄損劣化が小さい(鉄損増加が小さい)モータコアに関するものである。
家庭用エアコンのコンプレッサーモータは、一般に最高周波数が200〜400Hz程度での可変速運転が行われており、さらに、PWM(Pulse Width Modulation)方式のインバータ制御がなされているものでは、数kHzのキャリア周波数が重畳されて使用されている。また、最近、急速に普及しているハイブリッド電気自動車の駆動モータや発電機も、高出力化や小型化を図る観点から、数kHz程度の周波数で駆動されている。
上記のようなモータのステータ(固定子)やロータ(回転子)等のコアに用いられる素材(コア材)には、エネルギー効率を向上する観点から、鉄損が低いことが求められる。そこで、上記モータコア材には、使用される高周波域における鉄損を低減するため、一般に、SiとAlを合計で3〜4mass%程度添加したハイグレードの無方向性電磁鋼板が使用されている。
ところで、エアコンのコンプレッサーモータやハイブリッド電気自動車のモータでは、ステータをハウジング(モータケース)に固定する方法として、焼き嵌め法や圧入法が採用されており、これに起因して、ステータの円周方向には数10〜100MPa程度の圧縮応力が発生する。また、ハイブリッド電気自動車の駆動モータには、一般に樹脂モールドが施されるため、やはりモータコアには圧縮応力が加わることとなる。このような圧縮応力の存在下では、コアを構成する電磁鋼板の磁気特性が大きく劣化する(鉄損が増加する)ことが知られている。
そのため、圧縮応力による鉄損劣化が小さい電磁鋼板の開発が望まれており、斯かる材料としては、例えば、特許文献1には、Si:2.6〜4mass%を添加して比抵抗を50〜75×10−8Ωmとし、さらに、平均結晶粒径を60μm超165μm以下とした無方向性電磁鋼板が開示されている。
特許第4023183号公報
しかしながら、特許文献1の無方向性電磁鋼板は、現在市販されているハイグレード電磁鋼板と同等レベルの固有抵抗、結晶粒径でしかない。そのため、この材料を用いてモータコアを製造したとしても、圧縮応力による鉄損劣化の程度は従来材と大きく異なるものではない。そのため、鉄損の応力依存性をさらに小さくできる技術の開発が求められている。
そこで、本発明の目的は、圧縮応力の存在下においても高周波での鉄損特性の劣化が小さいモータコアを提供することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意検討した。その結果、ステータを構成する、ガラス質の絶縁被膜を塗布した電磁鋼板(以降、「ステータコア材」とも称する。)のバックヨーク部にレーザー照射することにより、圧縮応力による鉄損特性の劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ガラス質の絶縁被膜を塗布した電磁鋼板を積層し、周方向に10MPa以上の圧縮応力が付与されるモータコアにおいて、上記モータコアを構成する電磁鋼板のバックヨーク部に0.3〜5mmの間隔でレーザー照射されてなることを特徴とするモータコアである。
本発明のモータコアにおける上記電磁鋼板は、Si:4mass%以下、Al:3mass%以下、Mn:0.05〜3mass%、S:0.005mass%以下、N:0.005mass%以下、O:0.010mass%以下、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする。
また、本発明のモータコアにおける上記電磁鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、SnおよびSbから選ばれる1種または2種を合計で0.20mass%以下含有することを特徴とする。
本発明によれば、圧縮応力の存在下においても高周波での鉄損増加が小さいモータコアを提供することができる。したがって、本発明のモータコアは、焼き嵌めや圧入あるいは樹脂モールド等によって圧縮応力が付与された状態で使用されるエアコンのコンプレッサ用モータや、ハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)の駆動モータや発電機、燃料電池自動車(FCEV)の駆動モータ、高速発電機の高周波回転機等に好適に用いることができる。
本発明のモータコアを説明する模式図である。 ステータコアの高周波鉄損を測定する方法を説明する図である。 圧縮応力がモータコアの鉄損に及ぼす影響を示すグラフである。 本発明のモータコアの他の例を説明する模式図である。
先ず、本発明の基本的な技術思想について説明する。
家電用エアコンのコンプレッサ用モータやハイブリッド電気自動車用等の駆動モータでは、コアをモータケースに固定する手段として、一般に焼き嵌め法や圧入法が採用されている。この焼き嵌め法や圧入法によってモータコアの周方向に付与される圧縮応力は、20〜150MPa程度であると言われている。この圧縮応力は、モータコアを構成する電磁鋼板の鉄損特性を劣化させ、ひいては、モータ効率を大きく低下させる。そのため、圧縮応力下においても鉄損特性の劣化が小さいモータコアが望まれている。
そこで、発明者らは、モータのステータを構成する電磁鋼板の圧縮応力下における高周波鉄損特性について調査したところ、圧縮応力の存在下では、ヒステリシス損だけでなく、渦電流損も増加していることが明らかとなった。なお、エアコンのコンプレッサ用モータやハイブリッド自動車等のモータは、基本周波数が高周波であることに加えて、インバータ制御するために数kHzの高調波も重畳されて駆動されているのが一般的である。したがって、高周波鉄損特性を改善するには、渦電流損の増加を抑制することが重要な課題となる。
そこで、圧縮応力の存在下で渦電流損が増加する原因について調査したところ、材料に圧縮応力が付与されると、鋼板内の磁化ベクトルは、圧縮応力を緩和するため、鋼板の板面内で圧縮応力と直角方向に向くよう変化する。そのため、この鋼板を磁化しようとすると、圧縮応力がない場合と比べて磁化ベクトルの向きを大きく変化させることが必要となり、そのための渦電流が鋼板板面内に流れるため、無応力のときに比べて渦電流損が増加することが明らかとなった。
そこで、発明者らは、圧縮応力が付与されても、渦電流損が増大しないモータコア(ステータ)について検討を重ねた。その結果、ステータを構成する積層された電磁鋼板(ステータコア材)のバックヨーク部にレーザー照射してやれば、鋼板板面内に流れる渦電流の経路を小さくすることができ、ひいては、渦電流による鉄損の増加を効果的に抑制できるのではないかと考えた。ところが、発明者らの調査の結果、無方向性電磁鋼板の絶縁被膜として通常使われている有機樹脂−無機混合被膜や、有機樹脂被膜あるいは無機(りん酸塩)被膜が被成された電磁鋼板では、レーザー照射された部分の被膜が消失し、これを積層してコアとした場合には、被膜が焼失した個所で短絡を起こして鉄損特性が低下してしまうこと、これに対して、ガラス質の絶縁被膜を被成した電磁鋼板では、レーザー照射されても被膜が消失することなく残存するため、レーザー照射の効果を得ることができることを見出した。以下、上記知見を見出す根拠となった実験について説明する。
Si:3.5mass%、Al:0.5mass%、Mn:0.3mass%、S:0.003mass%、N:0.0010mass%、Sb:0.03mass%、O:0.0012mass%の成分組成からなる板厚:0.30mmの鋼板表面に、絶縁被膜として有機樹脂−無機混合被膜(重クロム酸アルミニウム−アクリル樹脂エマルジョン−エチレングリコール)とガラス質の絶縁被膜(SiO-B−ZnO系)を被成した2種類の無方向性電磁鋼板を用いて、外径:100mmφ、バックヨーク幅:16mmで、12スロットのステータコア材を打抜加工し、次いで、上記ステータコア材のバックヨーク部に、図1に示したように、周方向に、同心円状に1mm間隔でレーザー照射した。なお、レーザービーム照射は、波長が1.06μmのYAGレーザーを、ビーム径0.2mmとして鋼板表面に照射した。
次いで、上記ステータコア材を積み厚30mmに積層してステータコアを作製し、モータケースを模した非磁性のステンレス製リングに、焼き嵌め代を0〜100μmの範囲で変化させて焼き嵌めて固定した。この際、焼き嵌めにより発生する周方向の圧縮応力を、バックヨーク中央部に歪みゲージを貼り付けて測定した。ここで、焼き嵌め代が0μmとは、ステータコアがリングにまったく固定されていないフリーな状態を意味している。
次いで、上記ステンレス製リングに固定したステータコアに、図2のように、ステンレス製リングも含めてバックヨーク部の周囲に励磁コイルおよびピックアップコイルを巻き線し、モータコア円周方向の高周波鉄損(W10/1k)を測定した。図3は、上記測定の結果を、焼き嵌めによって発生したステータ周方向の圧縮応力と高周波鉄損との関係として示したものである。
図3から、焼き嵌めを行わない圧縮応力が0PMaのモータコアでは、レーザー照射により鉄損は増加すること、レーザー照射をしないモータコアでは、圧縮応力が大きくなるのにともなって鉄損は急激に上昇するが、レーザー照射したモータコアでは、圧縮応力による鉄損の上昇が小さいこと、また、絶縁被膜が有機樹脂−無機混合被膜とガラス質の絶縁被膜では、後者の方が鉄損の上昇量が小さいこと、その結果、焼き嵌めによる圧縮応力が10MPa以上発生しているモーコアでは、バックヨーク部にレーザー照射することによって、照射しない場合よりも圧縮応力による鉄損の増大を抑制できていることがわかる。
そこで、レーザー照射により鉄損が低下する原因を調査するため、焼き嵌めしたコアの鉄損分離を行ったところ、ヒステリシス損はレーザー照射により若干増加するが、渦電流損は、レーザー照射によって大きく低下していることが明らかとなった。レーザー照射により渦電流損が低下する原因は、まだ明確となっていないが、レーザー照射による熱歪により鋼板に引張応力が付与され、その結果、焼き嵌めによる圧縮応力の影響が緩和されたものと考えられる。
また、有機樹脂−無機混合被膜の絶縁被膜を塗布した鋼板を用いたモータコアでレーザー照射の効果が十分でない理由は、レーザー照射により絶縁被膜が破壊されて消失したことによって鋼板間で短絡が生じて、レーザー照射による渦電流損の低減効果が相殺されたためであると考えられる。
なお、ガラス質の張力付加性絶縁被膜が、方向性電磁鋼板の磁気特性の向上に有効であることはよく知られていることである。また、りん酸−コロイダルシリカ系のガラス質の張力付加性絶縁被膜を無方向性電磁鋼板に適用することも知られている(例えば、特開平06−188115号公報)。しかし、本発明におけるガラス質の絶縁被膜は、上記絶縁被膜のように張力付加性絶縁被膜である必要はなく、ガラス質でありさえすればよい。すなわち、本発明の特徴は、無方向性電磁鋼板の絶縁被膜として通常用いられている有機樹脂−無機混合被膜では、レーザー照射によって、鋼板間に短絡が生じてレーザー照射による鉄損低減効果が相殺されてしまうが、ガラス質の絶縁被膜を用いることによってレーザー照射による絶縁被膜の破壊を防止し、鉄損低減効果を享受しようとするところにある。これは、ガラス質の絶縁被膜は、レーザーを透過しやすいので、エネルギーを効果的に鋼板に付与することができるという知見に基づくものである。
また、焼き嵌めしないコアで、レーザー照射により鉄損が増加した理由は、レーザー照射による熱歪によってヒステリシス損が増加したためと考えられる。したがって、焼き嵌め応力が発生していないティース部にレーザー照射することは、却って鉄損の上昇を招くことになるので、本発明では、レーザー照射は、圧縮応力が付与されるコアバック部のみに行うこととした。
なお、レーザー照射する方向は、バックヨーク部の周方向、径方向のいずれでもよく、また、図4のように、不連続に照射してもよい。
また、レーザー照射に用いるレーザービームは、波長が1〜2μmのYAGレーザー、VOレーザー、ディスクレーザー、ファイバーレーザーおよびこれらの第2、第3高調波レーザー、波長が10.6μmのCOレーザー等を用いることができる。また、レーザーの出力形態には、連続発振とパルス発振がある。さらに、パルス発振には、ノーマルパルス発振とQスイッチパルス発振があるが、校舎のQスイッチパルス発振は、瞬間的に高い出力で照射されるため、絶縁被膜へのダメージが大きくなるおそれがある。したがって、連続発振あるいはノーマルパルス発振レーザーが好ましい。また、照射する際のビーム径は、0.02〜1mmの範囲とするのが好ましい。0.02mm未満では、エネルギー密度が高すぎて、鋼板が部分溶融を起こすおそれがあり、一方、1mm超えでは、歪領域が広いため、鋼板の変形が大きくなるおそれがあるからである。
また、レーザー照射は、図1や図4のように線状、あるいは、破線状に、間隔をおいて行うのがよく、その場合の線間隔は、0.3〜5mm程度とするのが好ましい。0.3mm未満では、レーザー照射による熱歪によって鋼板に大きな歪が導入され、鉄損が上昇したり、コア材が変形したりする。一方、5mmを超えると、レーザー照射による鉄損低減効果が充分に得られなくなるためである。なお、径方向に照射する場合、内径側、外径側のいずれも0.3〜5mmの間隔とするのが好ましい。
また、本発明において、モータコアに発生した圧縮応力の値を10MPa以上に制限する理由は、10MPa未満ではモータコアを充分に固定することができないことのほか、図3に示したように、レーザー照射による鉄損低減効果が得られないからである。
次に、本発明のモータコアの素材となる電磁鋼板の成分組成について説明する。
Si:4mass%以下
Siは、鋼の固有抵抗を高めるのに有効な元素であるが、4mass%を超えて添加すると、飽和磁束密度の低下に伴い、モータコアの磁束密度も低下するようになる。また、最終板厚に圧延する際、たとえ温間圧延しても板破断を起こすおそれがあるため、上限は4mass%とするのが好ましい。なお、下限は特に制限しないが、固有抵抗を高める観点からは、0.1mass%以上であることが好ましい。より好ましくは1〜4mass%の範囲である。
Al:3mass%以下
Alは固有抵抗を高めるのに有効な元素であるが、3mass%を超えると飽和磁束密度が低下するのに伴い、モータコアの磁束密度も低下するため、上限は3mass%とするのが好ましい。より好ましくは2mass%以下である。
Mn:0.05〜3mass%
Mnは、Sによる赤熱脆性を防止するために必要な元素であり、0.05mass%以上添加するのが好ましい。一方、3mass%を超えて添加すると、飽和磁束密度が低下するため、上限は3mass%とするのが好ましい。より好ましくは、0.1〜2mass%の範囲である。
S:0.005mass%以下
Sは、不可避的に混入してくる不純物であり、その含有量が多くなると、硫化物系介在物が多量に形成されて、鉄損が増加する原因となる。よって、本発明では、上限を0.005mass%とするのが好ましい。より好ましくは0.002mass%以下である。
N:0.005mass%以下
Nは、Sと同様、不可避的に混入してくる不純物であり、含有量が多いと窒化物が多量に形成されて、鉄損が増加する原因となるため、上限は0.005mass%とするのが好ましい。
O:0.010mass%以下
Oは、SやNと同様、不可避的に混入してくる不純物であり、含有量が多いと酸化物系介在物が多量に形成されて、鉄損が増加する原因となるため、上限は0.010mass%とするのが好ましい。
本発明のモータコアに用いる電磁鋼板は、上記成分のほか、SnおよびSbを下記の範囲で含有してもよい。
SnおよびSbのうちから選ばれる1種または2種:合計で0.20mass%以下
SnおよびSbは、集合組織を改善して磁気特性を向上させるだけでなく、鋼板表層の酸窒化やそれに伴う表層微細粒の生成を抑制することによって、磁気特性の劣化を防止する作用を有する元素である。ただし、上記元素の合計含有量が0.20mass%を超えると、結晶粒の成長を阻害し、磁気特性の劣化を招くようになるので、添加する場合は、0.20mass%以下とするのが好ましい。
本発明のモータコアに用いる電磁鋼板は、上記成分以外の残部はFeおよび不可避不純物である。ただし、本発明の効果を害さない範囲内であれば、上記以外の成分の含有を拒むものではない。
なお、本発明のモータコアが適用できるモータは、モータコアに圧縮応力が付与されるものであれば、いずれの形式のものでもよく、例えば、集中巻形式の永久磁石モータ、分布巻き形式の永久磁石モータ、分割コアタイプの永久磁石モータ、誘導モータ、リラクタンスモータ等に適用することができる。
転炉−脱ガス処理等の通常公知の精錬プロセスで、表1に示す成分組成の鋼を溶製し、連続鋳造して鋼スラブとした。次いで、この鋼スラブを1120℃×1hrの再加熱後、仕上圧延終了温度を850℃とする熱間圧延で板厚2.0mmの熱延板とし、600℃で巻き取った後、この熱延板を1000℃×30secで熱延板焼鈍し、酸洗し、冷間圧延して、板厚が0.30mmおよび0.20mmの冷延板とし、1000℃×10secの仕上焼鈍を施した後、表1に示した絶縁被膜を被成して、無方向性電磁鋼板を製造した。
Figure 0005561094
上記電磁鋼板について、以下の評価を行った。
<磁束密度B50の測定>
上記電磁鋼板から、幅30mm、長さ280mmのエプスタイン試験片を圧延方向および圧延直角方向より採取し、JIS C2550に準拠して、5000A/mで磁化したときの磁束密度B50を測定した。
<モータコアの鉄損測定>
上記無方向性電磁鋼板を、図1と同じ12スロットで、外径:100mmφ、バックヨーク幅:16mmのステータコア材に打抜加工した後、波長が1.06μmの連続発振YAGレーザーを用いて、表1に示した各種条件でステータコア材のバックヨーク部にレーザーを照射した。
次いで、レーザー照射したコア材を積み厚:30mmに積層し、ステータコアを作製し、このステータコアを、内径が約100mmφの非磁性ステンレスリングに、焼き嵌め代を0〜100μmの範囲で変えて焼き嵌めし、ステータの周方向に圧縮応力を発生させた。なお、上記圧縮応力は、ステータのバックヨーク中央部に貼り付けた歪みゲージを用いて測定した。次いで、図2に示したように、ステンレス製リングも含めてバックヨーク部の周囲に励磁コイルおよびピックアップコイルを巻き線し、周波数1kHz、最大磁束密度1Tにおけるモータコア円周方向の鉄損W10/1kを測定した。
表1に、上記測定の結果を併記して示した。この結果から、本発明に適合する条件でレーザー照射したステータコアは、圧縮応力下における鉄損特性の劣化を抑制できることが確認された。
本発明のモータコア技術は、ハイブリッド電気自動車の駆動モータや発電機、エアコンのコンプレッサ用モータ、工作機械の主軸モータ等、焼き嵌めして固定される高速モータに適用することができる。
1:ステータコア
2:レーザー照射位置
3:ロータ
4:永久磁石
5:ステンレス製リング(非磁性)
6:巻き線

Claims (3)

  1. ガラス質の絶縁被膜を塗布した電磁鋼板を積層し、周方向に10MPa以上の圧縮応力が付与されるモータコアにおいて、上記モータコアを構成する電磁鋼板のバックヨーク部に0.3〜5mmの間隔でレーザー照射されてなることを特徴とするモータコア。
  2. 上記電磁鋼板は、Si:4mass%以下、Al:3mass%以下、Mn:0.05〜3mass%、S:0.005mass%以下、N:0.005mass%以下、O:0.010mass%以下、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする請求項1に記載のモータコア。
  3. 上記電磁鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、SnおよびSbから選ばれる1種または2種を合計で0.20mass%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載のモータコア。
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