JP5561016B2 - クロマトグラフ質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)の検出器として質量分析装置を用いたクロマトグラフ質量分析装置に関し、さらに詳しくは、クロマトグラフ質量分析装置において分析データを取得する分析の動作や取得された分析データに対する解析処理を行う際の解析の動作を制御する制御装置に関する。
近年、ガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)と質量分析装置(MS)とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置は、複雑で多様な成分を含む試料の分析に威力を発揮している。クロマトグラフ質量分析では、測定対象の化合物が全く未知である場合もあるが、測定対象の化合物の保持時間や質量電荷比(m/z)といったパラメータが既知であると、分析やデータ解析の精度が向上する。例えば試料に対する分析を行う際には、目的とする化合物の保持時間及び質量電荷比が既知であると、その化合物がクロマトグラフから溶出する時間付近において目的の質量電荷比を持つイオンに絞ってデータを収集することができ、目的化合物由来のイオンを高い感度で検出することができる。一方、分析により収集されたデータを解析して定性や定量などを行う際には、目的化合物の保持時間及び質量電荷比が既知であると、その質量電荷比に対するクロマトグラム(抽出イオンクロマトグラム)においてその保持時間付近のみでピーク検出を行って目的化合物由来のピークを見つけることができ、信頼性の高い解析結果を得ることができる。
上述のように分析に際して測定対象である化合物の保持時間や質量電荷比が分かっている場合や化合物自体は未知であっても測定対象の時間範囲や質量電荷比を絞ることができる場合には、通常、質量分析装置の測定モードとしてSIM(Selected Ion Monitoring:選択イオンモニタリング)測定モードが利用される。例えば特許文献1に記載のクロマトグラフ質量分析装置では、SIM測定を行う際に、測定時間範囲と測定対象の質量電荷比とを対応付けて記述するためのSIM測定条件テーブルを表示画面上に表示し、分析者が、測定しようとする時間範囲と質量電荷比とを予め入力するようにしている。一方、目的化合物についてのデータ解析を実行する場合には、各化合物に対応付けて保持時間や質量電荷比などの情報を記述するための化合物情報テーブルを表示画面上に表示し、分析者が、解析対象の化合物名や化合物情報を予め入力するようにしている(特許文献1の図3参照)。
試料に対するデータを収集する分析作業と収集されたデータに対する解析処理を行うデータ解析作業とは基本的には別々の作業であり、分析者は、分析用のパラメータとデータ解析用のパラメータとを独立に設定する必要がある。しかしながら、実際には、或る1つの試料について、既知の化合物を測定対象として質量分析データを収集し、その収集したデータに対して解析を行う場合、分析用のパラメータと解析用のパラメータとを同一にしたい場合も多い。上記のようにSIM測定条件テーブルと化合物情報テーブルという別々のテーブル上でパラメータを設定する構成の場合、分析時とデータ解析時のパラメータを同一にしたいときにも2つのテーブル上で同じようなパラメータの入力作業を行う必要があり、面倒で手間が掛かる。
こうした手間を減らすために、特許文献1に記載の装置は、化合物情報テーブルからSIM条件設定テーブルを自動的に作成する機能を有している。これによれば、初期的には分析用パラメータと解析用パラメータとは一致する。しかしながら、例えば、分析者がSIM測定条件テーブル上でパラメータを変更する等、条件に何らかの変更を加えた場合に、化合物情報テーブル上での解析用のパラメータにはそうした変更が反映されないため、分析者は化合物情報テーブル上で同じ変更を加える必要があり手間が掛かる。また、そうした作業を忘れると、実際には分析用パラメータと解析用パラメータとが一致していないにも拘わらず、一致しているものと分析者が誤った理解をして不適切な結果を導き出すおそれがある。
特開2003−172726号公報
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、クロマトグラフ質量分析装置において、保持時間や質量電荷比といった分析時及びデータ解析時にともに必要なパラメータについて、分析条件の設定時とデータ解析条件の設定時とで独立に値の設定や変更などを行うことができるとともに、必要に応じて、簡便な操作でもって分析用のパラメータと解析用のパラメータとを共通化する、つまり一方を他方に合わせることができるようにすることを目的としている。
上記課題を解決するためになされた本発明は、試料中の各種成分を時間的に分離するクロマトグラフ部と、該クロマトグラフ部で分離された成分に対する質量分析を実行する質量分析部と、該質量分析部により収集されたデータに対する解析処理を実施するデータ処理部と、特定の時間範囲に特定の質量電荷比をもつイオンを選択的に質量分析する測定モードで前記質量分析部を動作させる制御部と、を具備したクロマトグラフ質量分析装置において、
a)前記測定モードにおける1つの測定時間範囲、該時間範囲内での1乃至複数の測定対象質量電荷比、及び識別番号を情報として含むイベントを単位として、1乃至複数のイベントを表形式で記載した分析条件設定用の第1テーブルと、
前記データ処理部による解析対象の化合物毎に、保持時間、質量電荷比、及び分析時に使用されるイベントを指定するための前記識別番号、を表形式で記載した解析条件設定用の第2テーブルと、
を同時に又は別々に表示部の画面上に表示する表示制御手段と、
b)前記第1テーブルに登録された各イベントに対し該テーブル中で連番となるように前記識別番号を生成し、該第1テーブル中の識別番号記載欄に挿入する識別番号管理手段と、
c)少なくとも、前記第1テーブル上の質量電荷比と前記第2テーブル上の質量電荷比とを連携させる旨を分析者が指示するための連携指示手段と、
d)前記連携指示手段により連携が指示されたときに、前記識別番号を用いて第1テーブル上のイベントと第2テーブル上の化合物とを対応付け、少なくとも、第1テーブル上の質量電荷比に応じて第2テーブル上の質量電荷比を変更する連携制御手段と、
を備えることを特徴としている。
「特定の時間範囲に特定の質量電荷比をもつイオンを選択的に質量分析する測定モード」とは、典型的にはSIM測定モードであるが、質量分析部が三連四重極型質量分析計のようにMS/MS型の構成である場合には、MRM(Multiple Reaction Monitoring)測定モードであってもよい。
分析者は、表示画面上に第1テーブルを表示させた状態で分析条件、つまり分析時のパラメータを入力設定し、表示画面上に第2テーブルを表示させた状態で解析条件、つまりデータ解析時のパラメータを入力設定する。第1テーブルには、測定時間範囲及びその時間範囲内で測定対象となる質量電荷比を情報として含むイベントと、イベントに対応した識別番号を示す識別番号記載欄があるが、この識別番号は分析者が付与するものでなく、識別番号管理手段により自動的に、第1テーブルに登録されているイベントに対する識別番号が常に連番となるように付与される。他方、第2テーブルにも各化合物に対応した識別番号を示す記載欄があるが、この欄には分析者がその化合物を分析する際に用いたいイベントを手動で記入すればよい。
例えば第2テーブル上の各化合物の保持時間に対応するように第1テーブル上の各イベントの測定時間範囲を設定したい場合には、分析者は第2テーブル上の保持時間と第1テーブル上の測定時間範囲とを連携させる旨を連携指示手段により指示する。このとき、連携制御手段は、識別番号を用いて第1テーブル上のイベントと第2テーブル上の化合物とを対応付け、或るイベントの測定時間範囲が、同じ識別番号が割り当てられている化合物(1つとは限らない)の保持時間を包含するように、その測定時間範囲を適宜変更するようにしてもよいこれにより、イベントを登録する際に測定時間範囲を適切に入力設定していなくても、該イベントを用いて分析したい化合物の側から、該化合物の保持時間に合わせて該イベントの測定時間範囲を自動的に設定することができる。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置によれば、分析用パラメータとデータ解析用パラメータとを独立に設定可能としながら、分析者が必要とする場合には任意のタイミングで、化合物の保持時間をイベントの測定時間範囲に反映させたり、或いは、逆にイベントの質量電荷比を化合物の質量電荷比に反映させたりすることができる。また、このように分析用パラメータとデータ解析用パラメータとを連携させる場合の操作は非常に簡便であり、分析用、データ解析用のパラメータをそれぞれ変更する場合に比べて分析者の負担は大幅に軽減されるし、誤入力等の作業ミスも回避することができる。もちろん、そうした分析用パラメータとデータ解析用パラメータとの連携が不要であれば、連携させないという選択も可能である。
また本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置の一実施態様として、前記連携制御手段は、第1テーブル上の測定時間範囲及び第2テーブル上の保持時間を連携させる旨の指示がされたときに、第2テーブル上の各化合物に設定されている保持時間を基準として所定の時間幅を設定した時間範囲を定め、これを第1テーブル上の各イベントの測定時間範囲として設定する構成とするとよい。
なお、上記所定の時間幅は、装置の出荷時点で予め製造メーカーが固定値を設定しておくようにしてもよいし、ユーザーが任意の値をあとから設定できるようにしてもよい。いずれにしても、クロマトグラフ部での分離条件(例えば移動相の線速度など)のばらつきなどに起因する溶出時間のばらつきを考慮して適宜に時間幅を設定しておけば、目的とする化合物を確実に検出可能なように測定時間範囲を自動で定めることができる。
また本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置のより好ましい態様として、前記識別番号管理手段は、第1テーブルにイベントが新たに登録される際に非表示で不変の固有番号をイベントに付与し、第1テーブル上でイベントに対する識別番号に変化が生じたときに、該イベントに対応付けられている前記固有番号に基づいて、第2テーブル上の化合物に対する識別番号を更新する構成とするとよい。
上述したように識別番号は第1テーブル上で常に連番になるように割り当てられるため、例えば登録されているイベントの一部が削除されると残りのイベントの識別番号が振られ直される可能性がある。したがって、イベントと識別番号との対応は一対一ではあるが、不変ではない。これに対し、固有番号は一旦イベントに割り当てられると変わることはなく、或る固有番号に対するイベントは一義的に決まる。そこで、非表示(表示画面上には現れない)の固有番号を仲介して第1テーブル上のイベントと第2テーブル上の化合物とを対応付け、且つ固有番号と識別番号との関係を管理しておくことにより、或るイベントの識別番号が振り直しによって変化したときに、その変化に合わせて、そのイベントの固有番号に対応した化合物の識別番号を速やか且つ確実に変更することができる。それにより、第1テーブル上のイベントの識別番号と第2テーブル上の化合物の識別番号との表示上の対応関係を常に維持することができる。
本発明の一実施例であるLC−MSシステムの概略構成図。 本実施例のLC−MSシステムにおける分析条件設定テーブルの一例を示す概略図。 本実施例のLC−MSシステムにおけるデータ解析用の化合物情報テーブルの一例を示す概略図。 分析条件設定テーブルと化合物情報テーブルとにおける識別番号と固有番号との関係を説明するための概略図。 分析条件設定テーブル上の編集操作に対する該テーブル及び化合物情報テーブルの内容の変化を説明するための概略図。 分析条件設定テーブルと化合物情報テーブルとにおいて時間連携を行う際のテーブル内容の変化を示す概略図。 分析条件設定テーブルと化合物情報テーブルとにおいて質量電荷比連携を行う際のテーブル内容の変化を示す概略図。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析の一実施例であるLC−MSシステムについて、添付図面を参照して以下に説明する。図1は本実施例によるLC−MSシステムの概略構成図である。
このシステムは、液体試料に含まれる各種成分を時間的に分離する液体クロマトグラフ(LC)1と、分離された各成分を質量電荷比m/zに応じて分離して検出する質量分析計(MS)2と、MS2で収集されたデータを処理するとともにMS2の動作を制御するパーソナルコンピュータ(PC)3と、を備える。PC3にはキーボードやマウス等のポインティングデバイスである入力部7と、表示部8とが接続されている。PC3には専用のデータ処理/制御用ソフトウエアがインストールされており、このソフトウエアをPC3で実行することにより、データ処理部4、制御部5、記憶部6などの機能ブロックが具現化される。制御部5は後述する本発明に特徴的な制御動作を実行する分析/解析情報管理部51を含む。記憶部6は、1つの試料に対する各種データをまとめて記憶しておく領域として、測定データ記憶領域61、化合物情報記憶領域62、分析情報記憶領域63等の記憶領域を有する。
この実施例のシステムにおけるMS2は、質量分析器として四重極マスフィルタを用いた四重極型質量分析計であるが、指定された1乃至複数の質量電荷比を持つイオンに対する質量分析を可能な質量分析計であれば質量分析器の種類を問わない。
本実施例のLC−MSシステムにおいて目的試料のLC/MS分析を実行する際の基本的な動作は次の通りである。
制御部5による制御の下に目的試料がLC1に導入されると、目的試料に含まれる各種成分(化合物)はLC1を通過する間に分離され、時間差を有してLC1から溶出しMS2に導入される。四重極型質量分析計であるMS2では、1乃至複数の特定の質量電荷比を持つイオンに対する質量分析のみを行うSIM測定、又は、所定の質量電荷比範囲に亘る質量走査を行いつつその間の全てのイオンに対する質量分析を行うスキャン測定と、を適宜選択的に繰り返し行うことが可能である。
目的試料に含まれる化合物の種類が既知である場合や目的試料中の測定対象の化合物が予め決まっている場合には、その測定対象の化合物の質量電荷比を設定したSIM測定を行うのが適当である。その場合、測定対象の化合物がLC1から溶出してMS2に導入されると、該化合物由来のイオンが選択的に四重極マスフィルタを通り抜けて検出器に到達する。これにより、その化合物の含有量に応じた強度をもつ検出データがMS2から出力され、PC3に取り込まれて測定データ記憶領域61に格納される。
目的試料に含まれる化合物が未知である場合や特定の化合物に絞らずに網羅的に化合物を調べたい場合には、MS2においてSIM測定ではなくスキャン測定が実施される。スキャン測定では質量走査を繰り返す過程で、該当する質量電荷比をもつイオンがあった時点で検出データがMS2から出力される。データ処理部4では1回の質量走査に対応してその質量電荷比範囲に亘るマススペクトルを作成することができるから、時間経過に伴ってマススペクトルが繰り返し得られ、このマススペクトルを構成するデータが測定データ記憶領域61に格納される。
上述のように或る目的試料に対するデータが収集されたあと、該試料中の或る化合物の定量を行いたい場合には、分析者が入力部7から所定の指示を行うと、データ処理部4は測定データ記憶領域61から目的化合物に対する質量電荷比における信号強度の時間的変化を示すデータを読み出して抽出イオンクロマトグラム(マスクロマトグラム)を作成する。そして、そのクロマトグラムにおいて目的化合物の保持時間近傍でピークを検出し、例えばピーク面積を算出して該面積値から定量値を計算する。
本実施例のLC−MSシステムにおいて、上述のように或る試料に対してLC/MS分析を実行してデータの収集する際には、例えばSIM測定であれば測定時間範囲や質量電荷比等の条件を、またスキャン測定であれば測定時間範囲や質量電荷比範囲、走査速度(或いは1回の走査時間や単位時間内の走査繰り返し回数など)といった条件を、分析に先立って設定しておく必要がある。また、上述したように分析で得られたデータを用いた定量又は定性などのデータ解析を行う場合には、解析対象の化合物に関する保持時間や質量電荷比などの化合物情報をデータ解析に先立って設定しておく必要がある。本実施例のLC−MSシステムでは、分析者が分析条件を設定するために分析条件設定テーブルが、化合物情報を設定するために化合物情報テーブルがそれぞれ用意されており、分析者が入力部7でそれぞれ所定の操作を行うと、分析/解析情報管理部51は分析条件設定テーブル及び化合物情報テーブルを表示部8の画面上に表示する。両テーブルは同時に画面上に表示されるようにしてもよいが、同時ではなく別画面でもよい。
図2は分析情報記憶領域63に格納される分析条件設定テーブルの一例を示す図、図3は化合物情報記憶領域62に格納される化合物情報テーブルの一例を示す図である。分析条件設定テーブル100においては、イベントを単位として分析条件が設定される。図2はSIM測定のためのイベントを示したものであり、各イベントに対し測定時間範囲、測定対象の質量電荷比などが設定される。ここでは、分析条件設定テーブル100に2つのイベント(イベント1及びイベント2)が登録されているが、さらに多くのイベントを登録することも可能である。また、SIM測定のためのイベント以外に、スキャン測定のためのイベントも分析条件設定テーブル100に混在させることができる。
各イベントにおいて、測定時間範囲及び質量電荷比の欄は分析者が入力部7により任意に数値を入力したり変更したりすることが可能な欄であるが、識別番号記載欄は手動での入力が不可である欄であり、後述するように、イベントの新規登録や削除などの編集操作を受けて分析/解析情報管理部5により自動的に割り当てられる連番の識別番号が設定される欄である。なお、図2では1つのイベントに対して1種類の質量電荷比しか設定されていないが、最大32種類の質量電荷比を設定することが可能である。つまり、本実施例のシステムにおけるMS2は、32の異なる質量電荷比に対するSIM測定を同時に(厳密には同時ではなく時分割で)実行することが可能である。
図3に示した化合物情報テーブル101には、化合物名毎に、保持時間、質量電荷比、イベント識別番号などが設定される。図3の例では、3つの化合物(化合物a、b、c)が登録されている。各化合物において、保持時間及び質量電荷比の欄は分析者が入力部7により任意に数値を入力したり変更したりすることが可能な欄である。また、化合物情報テーブル101では分析条件設定テーブル100とは異なり、識別番号記載欄にも入力部7を用いた任意の数値入力が可能である。基本的には、分析者がこの化合物情報テーブル101に新たに化合物を登録する際には、イベント識別番号も手動で入力する。この際に、複数の化合物に対して同じイベント識別番号を割り当てることができる。これは、複数の化合物を1つのイベントで分析することが考えられるためである。図3の例では、化合物aと化合物bには同じイベント識別番号「1」が設定されている。これは、化合物aと化合物bとが、イベント識別番号「1」が割り当てられているイベントの条件の下で分析されるという意味である。
分析条件設定テーブル100に登録された各イベントには、表示上現れる識別番号のほかに、表示には現れない固有番号が付与される。即ち、分析情報記憶領域63には分析条件設定テーブル100のほかに、これと一対で図2右部に示した固有番号の一覧が記憶される。同様に、化合物情報記憶領域62には化合物情報テーブル101のほかに、これと一対で図3右部に示した固有番号の一覧が記憶される。次に、分析/解析情報管理部51で設定されるとともに管理される識別番号及び固有番号について、図4を用いて詳しく説明する。図4(a)及び(b)は分析条件設定テーブル100及び化合物情報テーブル101の別の例である。
例えば分析条件設定テーブル100が全くの空欄である状態から分析者が図4(a)に示すように新たにイベントを登録すると、分析/解析情報管理部51は分析条件設定テーブル100に登録されている全てのイベントに対し「1」を先頭とする連番である識別番号を自動的に割り振る。図4(a)の例では、3つのイベントに対し識別番号「1」〜「3」が割り振られ、これが図示するように識別番号記載欄に表示される。上述したようにこの番号は手動で変更することはできず、新たなイベントの追加や削除などに応じて自動的に更新される。即ち、分析条件設定テーブル100において識別番号は常に「1」を先頭とする連番であることが保証される。分析/解析情報管理部51は分析条件設定テーブル100に新たに登録された全てのイベントに対し識別番号とは別の、非重複の固有番号を自動的に割り振る。図4(a)の例では3つのイベントに対し固有番号「A」、「B」、「C」が割り振られ、その時点での識別番号と固有番号との対応関係を示す情報102が記録される。上述したように識別番号は自動的に更新されるためイベントに固有のものでないのに対し、固有番号は一旦付与されると変更されることがなく、文字通りイベントに固有の不変の番号である。
一方、分析者は図4(b)に示すように化合物情報テーブル101において化合物、保持時間、質量電荷比を入力設定し、さらに化合物毎にイベント識別番号を入力設定する。図4(b)の例では、3つの化合物a、b、cに対し同一のイベント識別番号「1」が設定されている。化合物情報テーブル101に入力されたイベント識別番号が確定すると、分析/解析情報管理部51は識別番号と固有番号との対応関係を示す情報102を用いて、各化合物について識別番号に対応する固有番号を求め、図4(b)右部に示したイベント固有番号の一覧を作成し、化合物情報テーブル101とともに化合物情報記憶領域62に保存する。
次に、分析条件を変更するために図4(a)に示した化合物情報テーブル101の内容を変更する際の処理動作を説明する。図5(a)に示すように、分析者が入力部7により分析条件設定テーブル100中のイベント2を削除する旨の指示を行うものとする。この指示を受けて分析/解析情報管理部51は分析条件設定テーブル100中の2行目(イベント2の行)を削除し、3行目を繰り上げる。上述のように分析条件設定テーブル100中では識別番号は連番を維持する必要があるため、分析/解析情報管理部51は識別番号の自動振り直しを実行し、削除前にイベント3に付与されていた識別番号「3」を「2」に更新する。一方、固有番号は振り直されることはないから、イベント3に対応する固有番号は「C」のままである。したがって、識別番号が振り直されたことにより、識別番号と固有番号との対応関係を示す情報102も変更される。
一方、上記のような分析条件の変更に伴う識別番号の振り直しとの整合性を確保するべく、分析/解析情報管理部51は化合物情報テーブル101中のイベント識別番号も自動的に変更する。即ち、上述のように識別番号の振り直しにより識別番号と固有番号との対応関係を示す情報102が変更されるから、分析/解析情報管理部51は該情報102を参照し、固有番号から対応する識別番号を探し、イベント識別番号を変更する。図5(b)の例では、化合物eに対するイベント固有番号は「C」であり、識別番号と固有番号との対応関係を示す情報102から固有番号「C」に対応する識別番号は「2」に変わっていることが分かるから、化合物eに対するイベント識別番号「3」は「2」に変更される。なお、分析条件設定テーブル100においてイベント2が削除されることで該イベントに対応付けられていた固有番号「B」の対応関係は消滅するから、化合物dに対しては予め決まったアルゴリズムに従って暫定的なイベント識別番号を付与する。例えば、この例では、消滅前のイベント識別番号よりも若く且つ最大の番号を暫定の番号とするものとし、イベント識別番号「2」よりも若く最大の番号である「1」を暫定番号とする。ただし、暫定番号であることを視覚上分かり易く示すために、例えば確定したイベント番号とは別の表示色で示したり点滅表示させたりするとよい。それ以外にも、一旦空欄として分析者が手動で設定し直すようにしてもよい。
以上のように、本実施例のLC−MSでは、分析条件設定テーブル100中に登録されているイベントに対して連番となる識別番号とは別に、イベントの追加や削除に拘わらず不変である固有番号を割り当て、その固有番号を利用して化合物情報テーブル101中のイベント番号を分析条件設定テーブル100中の識別番号と一致させるべく変更するようにしている。これにより、分析者が分析条件設定テーブル100においてイベントの追加、削除などを行ったことによる識別番号の自動的な変更が化合物情報テーブル101に迅速に反映され、両テーブル100、101における識別番号のずれ(不一致)を回避することができる。
前述のように、分析条件設定テーブル100は分析条件を設定するために用いられ、化合物情報テーブル101は主として定性・定量の際のデータ解析のパラメータを設定するために用いられるものであるが、SIM測定により特定の化合物に対するデータを収集し、そのデータの解析により該化合物の定量を行うには両テーブル100、101中の時間情報や質量電荷比情報が一致していることが重要である。そのためには、一方のテーブル中の時間情報や質量電荷比情報を簡単な操作によって他方のテーブルに反映させることができることが望ましい。そこで、本実施例のLC−MSシステムにおいて、分析/解析情報管理部51は両テーブル100、101の時間情報や質量電荷比情報を連携させる機能を有している。
まず時間情報の連携について図6を参照して説明する。図6の例では、化合物情報テーブル101中の各化合物の保持時間情報を、分析条件設定テーブル100上で、各化合物に対応付けられたイベント識別番号が付与されているイベントの測定時間範囲に反映させるようにしている。具体的には、分析者が図示しない別のメニュー画面上で入力部7により時間情報の連携を指示すると、分析/解析情報管理部51は、その時点で確定している化合物情報テーブル101中の各化合物の保持時間を基準に、事前に設定された時間マージンを加えて測定時間範囲とし、識別番号で指定されたイベントの測定時間範囲を書き換える。ここでは、基準時間を中心に±2分の時間マージンが予め決められている。したがって、図6の例では、例えば化合物cの保持時間は「30分」であるから時間マージンを加えた測定時間範囲は「28−32分」となり、識別番号が「2」であるイベント2の測定時間範囲が「28−32分」に設定されている。
なお、化合物情報テーブル101において複数の化合物に対し同じイベント識別番号が設定されている場合には、その複数の化合物の保持時間が全て含まれるように測定範囲時間を設定すればよい。以上のようにして、解析対象の化合物に対するデータ解析が確実に行えるようなデータを収集することができる。
次に、質量電荷比の連携について図7を参照して説明する。図7の例では、分析条件設定テーブル100中の各イベントの質量電荷比情報を、化合物情報テーブル101上で、各イベントに対応した識別番号が設定されている化合物の質量電荷比に反映させるようにしている。具体的には、分析者が図示しない別のメニュー画面上で入力部7により質量電荷比情報の連携を指示すると、分析/解析情報管理部51は、その時点で確定している分析条件設定テーブル100中の各イベントの質量電荷比を抽出し、イベント識別番号で指定された化合物の質量電荷比を書き換える。図6の例では、例えば識別番号が「2」であるイベント2の質量電荷比は「200」であるから、イベント識別番号が「2」である化合物cの質量電荷比が「300」から「200」に変更されている。
なお、複数の化合物に同じイベント識別番号が登録されている場合には、その複数の化合物に同じ質量電荷比を設定すればよい。また、図4(a)のように1つのイベントに複数の質量電荷比が設定されている場合には、いずれか1つ(任意の1つ又は最小の質量電荷比など予め決められたアルゴリズムに従って選択した1つ)を選択して設定すればよい。以上のようにして、分析条件として設定した質量電荷比をデータ解析の際にも用いるようにすることができる。
もちろん、以上のような分析条件設定テーブル100と化合物情報テーブル101との間における時間情報や質量電荷比情報の連携は分析者が必要である場合にのみ行えばよいから、そうした連携を実施しない状態では、両テーブル100、101の時間情報や質量電荷比情報は全く独立したものとなり、分析者がそれぞれ任意に設定することができる。
なお、上記説明では、MS2においてSIM測定を実施することを前提としてその分析条件をイベントとして設定する場合を例に挙げていたが、MS2が三連四重極型質量分析計であってMRM測定の条件をイベントとして設定する場合にも同様の技術を適用することができる。即ち、MRM測定では、プリカーサイオンの質量電荷比とプロダクトイオンの質量電荷比との組が分析条件の1つとなるから、この質量電荷比の組を図2や図4(a)における質量電荷比に置き換えて考えればよい。
また、上記実施例は本発明をLC−MSに適用したものであるが、クロマトグラフ部は特に液体クロマトグラフに限定されないから、本発明をGC−MSに適用できることは明らかである。また、それ以外の記載についても、本発明の趣旨に沿った範囲で適宜変形や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…液体クロマトグラフ(LC)
2…質量分析計(MS)
3…パーソナルコンピュータ(PC)
4…データ処理部
5…制御部
51…分析/解析情報管理部
6…記憶部
61…測定データ記憶領域
62…化合物情報記憶領域
63…分析情報記憶領域
7…入力部
8…表示部

Claims (3)

  1. 試料中の各種成分を時間的に分離するクロマトグラフ部と、該クロマトグラフ部で分離された成分に対する質量分析を実行する質量分析部と、該質量分析部により収集されたデータに対する解析処理を実施するデータ処理部と、特定の時間範囲に特定の質量電荷比をもつイオンを選択的に質量分析する測定モードで前記質量分析部を動作させる制御部と、を具備したクロマトグラフ質量分析装置において、
    a)前記測定モードにおける1つの測定時間範囲、該時間範囲内での1乃至複数の測定対象質量電荷比、及び識別番号を情報として含むイベントを単位として、1乃至複数のイベントを表形式で記載した分析条件設定用の第1テーブルと、
    前記データ処理部による解析対象の化合物毎に、保持時間、質量電荷比、及び分析時に使用されるイベントを指定するための前記識別番号、を表形式で記載した解析条件設定用の第2テーブルと、
    を同時に又は別々に表示部の画面上に表示する表示制御手段と、
    b)前記第1テーブルに登録された各イベントに対し該テーブル中で連番となるように前記識別番号を生成し、該第1テーブル中の識別番号記載欄に挿入する識別番号管理手段と、
    c)少なくとも、前記第1テーブル上の質量電荷比と前記第2テーブル上の質量電荷比を連携させる旨を分析者が指示するための連携指示手段と、
    d)前記連携指示手段により連携が指示されたときに、前記識別番号を用いて第1テーブル上のイベントと第2テーブル上の化合物とを対応付け、少なくとも、第1テーブル上の質量電荷比に応じて第2テーブル上の質量電荷比を変更する連携制御手段と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記連携制御手段は、第1テーブル上の測定時間範囲及び第2テーブル上の保持時間を連携させる旨の指示がされたときに、第2テーブル上の各化合物に設定されている保持時間を基準として所定の時間幅を設定した時間範囲を定め、これを第1テーブル上の各イベントの測定時間範囲として設定することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記識別番号管理手段は、第1テーブルにイベントが新たに登録される際に非表示で不変の固有番号をイベントに付与し、第1テーブル上でイベントに対する識別番号に変化が生じたときに、該イベントに対応付けられている前記固有番号に基づいて、第2テーブル上の化合物に対する識別番号を更新することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
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