JP5558757B2 - クライミングクレーンの盛り替え機構およびフロアクライミング工法 - Google Patents

クライミングクレーンの盛り替え機構およびフロアクライミング工法 Download PDF

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Description

この発明は、建物のフロアを反力としてクライミングクレーン全体を上層階へ盛り替えていくフロアクライミング方式のクライミング工法の技術分野に属し、さらに云えば、下端にベース架台を設けたマストと、同マストをせり上げる昇降装置を備えたクライミングクレーンを鉄骨建方の進捗にしたがって盛り替えるための盛り替え機構およびフロアクライミング工法に関する。
クライミングクレーンのクライミング方式は、建物の床を反力としてクライミングクレーン全体を上層階に盛り替えていくフロアクライミング方式と、マストを順次継ぎ足しながらクレーン本体部分をせり上げていくマストクライミング方式とに大別される。
前記フロアクライミング方式は、マストを建物の内側に設置して実施するので、建物の外側に設置して実施するマストクライミング方式と比して、旋回半径が小さい小型のクライミングクレーンで済み、クレーン設置のための地上ヤードや水平ステーも不要となり、マストの高さは建物の高さに拘わらず必要最低限で済むなど種々の利点があり、大型の高層建物を構築する場合は、特に好適に実施されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
ところで、本出願人は、従来、前記フロアクライミング方式のフロアクライミング工法において、門形状の盛り替え用架台を用いることにより、マストの下端の基礎架台(ベース架台)が、クライミングの反力を受けるフロアまでせり上がる構成で鉄骨建方を進めるフロアクライミング工法を発明した(特許文献3を参照)。
この特許文献3に係るフロアクライミング工法の一例を図10A〜Eに示す。
ちなみに、特許文献3の明細書中の実施例は、基礎架台2の脚部のスパンが3600mm程度と短いため、仮設支持梁を介して本設梁に荷重をあずける構成で実施しているが、図10A〜Eに係るフロアクライミング工法は、前記スパンが5200〜8000mm程度と長いため、仮設支持梁を無用とし、クレーン荷重を本設梁に直接あずける構成で実施している。以下、具体的に説明する。
この図10A〜Eに係るフロアクライミング工法は、前節の鉄骨建方における最上位階のフロア(床)Zに基礎架台2を固定したマスト3を利用して当節の鉄骨建方を5階分進めた後、鉄骨建方の最上位階のフロアFへ本設梁10を設け、同本設梁10の上面に束部材9を取付ける(図10A)。
門形状の盛り替え用架台(門形架台)11を、前記本設梁10の上に(束部材等を介して)仮固定した後、当該門形架台11上に、クライミングの反力を受ける昇降装置4を下降させて仮固定する(図10B)。
前記昇降装置4を駆動して前記マスト3及びその上部のクレーン本体5をせり上げ(図10C)、前記マスト3の下端の基礎架台2を前記最上位階のフロアFまでせり上げて、同基礎架台2の脚部を前記束部材9の上面に固定する(図10D)。
前記昇降装置4をマスト3の上端まで上昇させて次節の鉄骨建方作業を行う(図10E)。なお、前記門形架台11は適宜解体し、クレーンで吊り上げて次節の盛り替え時の使用に備える。また、前記門形架台11は予め昇降装置4と固定しておき、昇降装置4とともに上下動する構成で実施することもできる。
かくして、前記フロアクライミング工法は、前記門形架台11を用いることにより、マスト3の下端の基礎架台2が、盛り替えるフロアFまでせり上がる構成で鉄骨建方を進めることができる。
よって、前記門形架台11を用いることなく、マスト3の下端の基礎架台2をクライミングの反力を受ける階より2階程度低い階へせり上げることしかできなかった従来のフロアクライミング工法(例えば、特許文献3の図5A〜D参照)と比して、マスト3の自立高さを有効利用できて経済的であるほか、駄目開口を早期に塞ぐことができて雨仕舞いが可能となるので、仕上げ工事の工期短縮が可能となる等々の利点があった。
特公平5−55438号公報 特開2005−212936号公報 特開2000−327265号公報
図7〜図9は、上記特許文献3のフロアクライミング工法において、上記した図10Eの作業工程に相当する門形架台11の取付状態を示した詳細図である。
このように、本出願人による従来のフロアクライミング工法は、門形架台11の前後左右の4箇所の脚部11aをそれぞれ、本設梁10上に設置した束部材12の上面にボルト接合して設置していた。また、基礎架台2の前後左右の4箇所の脚部2aをそれぞれ、本設梁10上に設置した束部材9の上面にボルト接合して設置していた。
そのため、以下の問題があり、改良の余地が残されている。
1)盛り替えるフロア毎に計8箇所ものボルト接合作業と、次節の盛り替えのためのボルト取り外し作業をそれぞれ現場で行わなければならず、現場作業に手間がかかり、煩わしいという問題があった。
2)盛り替えるフロア毎に計8個もの束部材9、12を使用するので鋼材量が嵩むという問題もあった。
特に、基礎架台2の脚部2aを支持する束部材9は、同脚部2aを支持するのに必要な広大な設置面を有する束部材9を使用しなければならない点、および基礎架台2と本設梁10との間隔H(図7参照)をスラブの打設作業を支障ない程度に確保する必要があり、せいの高い(600mm程度)束部材9、12で実施する必要がある点、を考慮すると個々の束部材9、12の鋼材量も増大せざるをえないという問題もあった。
3)せいの高い束部材9、12は、スラブの打設作業を終えた後に埋められるが、スラブから突き出た上方部分はすべて切断(ガス切断)する必要がある。前記束部材9、12は、大掛かりな上に計8個もあるので、現場での切断作業に手間がかかる点も指摘されていた。
4)束部材9、12を支持する本設梁10にスチフナーを多数(図示例ではH形鋼梁のウエブの両側面に14×2=28本)設けて補強する必要があり、やはり鋼材量が嵩むという問題があった。
5)門形架台11の前後左右の4箇所の脚部11aを支持する束部材12は、基礎架台2の脚部2aを支持する束部材9と比して、柱梁接合部から離れている分、曲げモーメントが大きく作用する。よって、門形架台11を支持する束部材12の直下位置に、本設梁10を介して間柱部材やブレース材をさらに仮設して補強する場合があった。
6)これらの問題は、建物が高層になればなるほど盛り替え回数が増えて顕著化するという問題があった。
本発明の目的は、平行に配置された受け梁の上面に、受け梁より幅狭の門形状のフレーム枠体の下端を設けてなるクライミング反力構台を用いることにより、現場作業の高効率化、及び盛り替え時に使用する束部材等の鋼材量の大幅な削減化を実現することができる、
クライミングクレーンの盛り替え機構およびフロアクライミング工法を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るクライミングクレーンの盛り替え機構は、下端にベース架台を設けたマストと、同マストをせり上げる昇降装置を備えたクライミングクレーンを鉄骨建方の進捗にしたがって盛り替えるための盛り替え機構において、
盛り替えるフロア上にベース架台支持部材が設けられ、同ベース架台支持部材には、隣接する柱間の内法長さよりも短く、且つ平行に配置された受け梁の上面に、受け梁と直角方向に配置した門形状のフレーム枠体の下端を設けてなるクライミング反力構台が設けられていること、
前記クライミング反力構台の門形状のフレーム枠体は、前記マストと干渉を起こさず、ベース架台を受け入れる高さとされ、前記受け梁は、前記門形状のフレーム枠体にあずけた前記昇降装置の荷重が、当該クライミング反力構台を介して、前記ベース架台支持部材へ伝達されるように当該ベース架台支持部材に着脱可能に設けられていること、
前記マストの下端のベース架台は、前記門形状のフレーム枠体にあずけた前記昇降装置により前記盛り替えるフロアまでせり上げられて、前記ベース架台支持部材へ設置される構成であることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載したクライミングクレーンの盛り替え機構において、前記ベース架台支持部材は、構築する構造物が鉄骨造、又は鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は、束部材であり、構築する構造物が鉄筋コンクリート造の場合は、モルタル等で形成したレベル調整部材であることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したクライミングクレーンの盛り替え機構において、前記ベース架台は、伸張した状態で前記平行に配置された受け梁と井桁状をなす構成の伸縮可能な脚部を備え、伸張した脚部を支持した前記受け梁が、前記ベース架台支持部材の上面に着脱可能に設置されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1又は2に記載したクライミングクレーンの盛り替え機構において、前記受け梁は、その両端部が、盛り替えるフロア上の左右に設けたベース架台支持部材の対向する側面に着脱可能に接合されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したクライミングクレーンの盛り替え機構において、前記昇降装置は、前記クライミング反力構台の門形状のフレーム枠体に着脱可能に接合されており、前記門形状のフレーム枠体は、受け梁に着脱可能に接合されていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明に係るクライミングクレーンのフロアクライミング工法は、下端にベース架台を設けたマストと、同マストをせり上げる昇降装置を備えたクライミングクレーンを鉄骨建方の進捗にしたがって盛り替えるフロアクライミング工法において、
鉄骨建方を当節の階数分進めた後、盛り替えるフロア上にベース架台支持部材を設け、同ベース架台支持部材に、隣接する柱間の内法長さよりも短く、且つ平行に配置された受け梁を着脱可能に設置し、同受け梁の上面に、受け梁と直角方向に配置した門形状のフレーム枠体の下端を接合して前記請求項1〜5のいずれか一に記載したクライミング反力構台を組み立て、
前記門形状のフレーム枠体の上部に昇降装置をあずけた後、前記昇降装置を駆動して前記マスト及び同マストの下端のベース架台を前記盛り替えるフロアまでせり上げ、当該ベース架台を前記ベース架台支持部材へ設置し、
前記昇降装置を上昇させて鉄骨建方を次節の階数分進める工程を繰り返して鉄骨建方を進め、クライミングクレーンを建物の最上階までクライミングさせることを特徴とする。
本発明に係るクライミングクレーンの盛り替え機構およびフロアクライミング工法によれば、以下の効果を奏する。
I)門形状のフレーム枠体の脚部は、クライミング反力構台を構成する受け梁が支持するので、必要な束部材は、前記ベース架台の前後左右に設けた脚部の鉛直下方向に設けた4箇所のみとなる。よって、上記特許文献3に係る従来工法と比して、束部材に対するボルト接合作業が半減化し、その分、現場作業を大幅に省力化できるので施工性に優れている。また、束部材の使用量も大幅に低減できるので、鋼材費を大幅に削減できる。
II)ベース架台の脚部は、クライミング反力構台を構成する受け梁を介して束部材へ支持される構成なので、広大な設置面を有する束部材は不要となり、また、束部材のせいを高くしなくても十分な間隔Hを確保することができる(図2参照)。よって、前記従来工法と比して、小型化した束部材でも十分に実施できるので、鋼材費をさらに低減化できる。
ちなみに、従来工法では600mm程度のせいの束部材を使用しているのに対し、本発明に係る束部材は300mm程度のせいで十分に実施できる。
III)束部材は、スラブの打設作業を終えた後に埋められるが、スラブから突き出た上方部分の切断(ガス切断)作業は、束部材の個数も4個と半減化され、その規模も小さいので、従来工法と比して現場での切断作業に要する手間も非常に省力化できる。よって、施工性、及び経済性に優れている。
また、接合に用いるボルトの径を小さくしたり、ナットを薄型にするなど工夫を施すことにより、束部材の高さをさらに低くすることもでき、場合によっては切断する作業自体を無用化でき、その分の手間をそっくり省くことも可能である。
IV)束部材を支持する本設梁は、束部材の個数が半減した分だけスチフナーの数も省力化できる。よって、鋼材費をさらに低減化できる。
V)門形状のフレーム枠体の前後左右の4箇所の脚部は受け梁で支持され、当該脚部用の束部材は用いないので、門形状のフレーム枠体の脚部の鉛直下方向の本設梁の補強は無用となる。よって、鋼材費をさらに低減化できる。
以上説明したように、上記した種々の効果は、建物が高層になればなるほど盛り替え回数が増えるので顕著となり、前記従来工法と比して、作業の高効率化、及び鋼材費の大幅な低減化を図ることができ、非常に経済的である。
本発明に係るクライミングクレーンの盛り替え機構およびフロアクライミング工法の枢要部を示した正面図である。 図1の側面図である。 図1の斜視図である。 図1の平面図である。 A〜Eはそれぞれ、本発明に係るクライミングクレーンのフロアクライミング工法を段階的に示した立面図である。 異なる実施例を示した正面図である。 従来工法の枢要部を示した側面図である。 図7の正面図である。 図7の斜視図である。 A〜Eはそれぞれ、従来工法に係る門形架台を用いたフロアクライミング工法の一例を段階的に示した立面図である。
次に、本発明に係るクライミングクレーンの盛り替え機構およびフロアクライミング工法を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、下端にベース架台2を設けたマスト3と、同マスト3をせり上げる昇降装置(アウトマスト)4を備えたクライミングクレーンを鉄骨建方の進捗にしたがって盛り替えるための盛り替え機構を示している。
この盛り替え機構は、盛り替えるフロアF上にベース架台支持部材(図示例では束部材)6が設けられ、同ベース架台支持部材6には、隣接する柱間の内法長さよりも短く、且つ平行に配置された2本の受け梁1aの上面に、受け梁1aと直角方向に配置した門形状のフレーム枠体1bの下端を設けてなるクライミング反力構台1が設けられている。
前記クライミング反力構台1の門形状のフレーム枠体1bは、前記マスト3と干渉を起こさず、ベース架台2を受け入れる高さとされ、前記受け梁1aは、前記門形状のフレーム枠体1bにあずけた前記昇降装置4の荷重が、当該クライミング反力構台1を介して、前記ベース架台支持部材6へ伝達されるように当該ベース架台支持部材6に着脱可能に設けられている。
前記マスト3の下端のベース架台2は、前記門形状のフレーム枠体1bにあずけた前記昇降装置4を駆動させることにより、前記盛り替えるフロア(図示例では当節の鉄骨建方の最上位階)Fまでせり上げられて、前記ベース架台支持部材6へ設置されている。
また、前記ベース架台2は、伸張した状態で前記平行に配置されたクライミング反力構台1の受け梁1aと井桁状をなす構成の伸縮可能な脚部2aを備え、伸張した脚部2aを支持した前記受け梁1aが、前記ベース架台支持部材6の上面にボルトで着脱可能に設置されている。
なお、図示例では、高層建物を鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)で構築する場合を示している。また、図示例に係る前記ベース架台2は、その脚部2aのスパンが5200〜8000mm程度の長いタイプを採用しており、本設梁(大梁)10と本設梁(大梁)10とのスパン間に、仮設支持梁なしで直接載置する構成で実施している。
前記クライミング反力構台1は、クライミングの反力を受けるクライミングクレーンの昇降装置4をバランスよく支持し、当該昇降装置4を駆動して前記マスト及びその下端部のベース架台2をせり上げる作業を安全かつ確実に行い得るように、十分な剛性を有する強固な構造で組み立てる。
ちなみに本実施例では、前記クライミング反力構台1を構成する受け梁1aは、スチフナーを必要な部位に複数設けたH形鋼で実施され、門形状のフレーム枠体1bは、H形鋼等の形鋼と鋼製板とを溶接等の接合手段で組み合わせた構造で実施されている。前記門形状のフレーム枠体1bは、門形を基本構成とし、斜材等で適宜補強して組み立てる構成で実施することも勿論できる。
本実施例では、駄目開口を早期に塞ぐべく、当節の鉄骨建方の最上位階のフロアFで盛り替えているがこれに限定されない。前記フロアFの1フロア下の階等で盛り替えることも勿論できる。ただし、この場合には、クライミング反力構台1を構成する門形状のフレーム枠体1bの天端が、直上階に届かない高さで実施することに留意する。この鉄骨建方の最上位階のフロアFより下の階での盛り替えは、高層建物を鉄筋コンクリート造(RC造)で構築する場合等に好適である。
本実施例では、本設梁10の上面に束部材6を溶接等の接合手段で固着して実施している。前記束部材6は、前記クライミング反力構台1の受け梁1aをバランスよく支持できる間隔で、且つ前記ベース架台2の脚部2aの鉛直下方向の位置に、計4箇所設けて実施している。なお、高層建物をRC造で構築する場合は、束部材6の代わりに、モルタル、コンクリート、鋼製の駒材、ライナープレート等のレベル調整部材が用いられる。
前記束部材6の上面に設置される受け梁1aは、スチフナーを所要の部位に設けたH形鋼が用いられ、その上面に設置する前記ベース架台2の脚部2aをバランスよく支持できる長さで実施されている。
前記ベース架台2の脚部2aは、前記本設梁10を通過する前は収縮させておき、前記受け梁1aを通過した後に伸張して前記受け梁1aの上面に安定した状態で設置される。
前記ベース架台2の4つの脚部2aはそれぞれ、前記脚部2aの上面に載置した同脚部2aより幅広のプレート部材7、7と、同脚部2aの下面の受け梁1aとを、同脚部2aを取り囲むように鉛直に設けた4本のアンカー8でボルト止めして拘束されている。
なお、本実施例に係る前記ベース架台2の脚部2aは、伸縮可能な脚部2aをベース架台2の本体に内蔵した構成で実施しているがこれに限定されず、当該脚部2aを水平方向に回動させる構成で実施することもできるし、ベース架台2の本体と着脱可能に取り付けた構成で実施することもできる。
また、前記アンカー8の本数はもとより、前記脚部2aを拘束する手段はこれに限定されず、前記脚部2aのずり動きを確実に防止する手段であれば、公知の拘束手段で実施できる。
図5A〜Eは、上述したクライミング反力構台1を用いて行うフロアクライミング工法を段階的に示している。
このフロアクライミング工法は、昇降装置4をクレーン本体の直下位置まで上昇させて鉄骨建方を当節の階数分進めた後、盛り替えるフロアF(図示例では鉄骨建方の最上位階の本設梁10)に束部材(ベース架台支持部材)6を計4箇所設け、同束部材6に、平行に配置された2本の受け梁1aを着脱可能に設置し、同受け梁1aの上面に、受け梁1aより幅狭の門形状のフレーム枠体1bの下端を接合して前記したクライミング反力構台1を組み立てる。
しかる後、前記昇降装置4を下降させて前記クライミング反力構台1の門形状のフレーム枠体1bの上部にあずけた後、前記昇降装置4を駆動して前記マスト3及び同マスト3の下端のベース架台2をせり上げる(図5A参照)。
なお、昇降装置4の下端部に前記門形状のフレーム枠体1bを固定した構成で実施する場合は、前記束部材6に受け梁1aを設置した後、昇降装置4を下降させて同昇降装置4の下端部の門形状のフレーム枠体1bを前記受け梁1aにボルト接合してクライミング反力構台1を組み立てる。
前記ベース架台2は、その脚部2aを前記本設梁10を通過する前は収縮させておき、前記受け梁1aを通過した後に伸張することにより、クライミングの反力を受けるフロア(図示例では、当節の鉄骨建方の最上位階のフロア)Fまでせり上げて、クライミング反力構台1の受け梁1aの上面に安定した状態で設置する。その後、前記したプレート部材7、及びアンカー8を用いて前記ベース架台2の脚部2aを拘束する(図5B参照)。
前記昇降装置4をクレーン本体(図示省略)の直下位置まで上昇させて鉄骨建方を次節の階数分進める。なお、前記クライミング反力構台1を構成する門形状のフレーム枠体1bは、前記昇降装置4を上昇させた後は受け梁1aとの接合状態を解除でき、次節の盛り替え時の使用に備えることができる。昇降装置4の下端部に門形状のフレーム枠体1bを固定した構成で実施する場合は、門形状のフレーム枠体1bを、受け梁1aとの接合状態を解除して前記昇降装置4と共に上昇させる(図5C、D参照)。
鉄骨建方を次節の階数分進めた後、次節の盛り替えるフロア(図示省略)に束部材6を設け、同束部材6に、前記受け梁1aとは別異の受け梁1aを着脱可能に設置し、前記受け梁1aの上面に、前記門形状のフレーム枠体1bの下端をボルト接合して当該クライミング反力構台1を組み立てる。しかる後、前記昇降装置4を前記クライミング反力構台1の門形状のフレーム枠体1bの上部にあずけた後、前記昇降装置4を駆動して前記マスト3及びマスト3の下端のベース架台2をせり上げる。前記ベース架台2をせり上げた後は受け梁1aを撤去して、次々節の盛り替え時の使用に備えることができる(図5E参照)。
前記受け梁1aを支持する束部材6は、受け梁1aを撤去した後は適宜埋められる。
以上説明したように、本実施例に係るクライミング工法によれば、少なくとも2つの受け梁1aと1つの門形状のフレーム枠体1bを用いてクライミング反力構台1を組み立てて、前記ベース架台2を盛り替えるフロアFまでせり上げる構成で、クライミングクレーンを順次盛り替えて建物の最上階までクライミングすることができるのである。
かくして、本実施例に係るクライミング反力構台1は、門形状のフレーム枠体1bの下端(脚部)を水平方向に長い長尺の受け梁1aで支持してなり、前記門形状のフレーム枠体1bにあずけた前記昇降装置4の荷重が、当該クライミング反力構台1を介して、盛り替えるフロアF上にバランスよく設けた前記束部材6へ伝達される構成であるが故に、下記する効果を奏する。
門形状のフレーム枠体1bの脚部は、クライミング反力構台1を構成する受け梁1aが支持するので、必要な束部材6は、前記ベース架台2の前後左右に設けた脚部2aの鉛直下方向に設けた4箇所のみとなる。
よって、本実施例に係るフロアクライミング工法(以下、本工法という。)は、従来の図7〜図9に係るフロアクライミング工法(以下、従来工法という。)と比して、束部材に対するボルト接合作業を半減化でき、その分、現場作業を大幅に省力化できるので施工性に優れている。また、束部材6の使用量も大幅に低減できるので、従来工法と比して鋼材費を大幅に削減できる。
従来工法によると、基礎架台(ベース架台)2の脚部2aを支持する束部材9は、同脚部2aを支持するのに必要な広大な設置面を有する束部材9を使用する必要があった。また、基礎架台2と本設梁10との間隔H(図7参照)を、スラブの打設作業を支障ない程度に確保する必要があり、せいの高い束部材9、12で実施する必要があった。
これに対し、本工法では、ベース架台2の脚部2aを直接支持するのはクライミング反力構台1の受け梁1aであり、当該脚部2aは受け梁1aを介して束部材6へ支持される構成なので、広大な設置面を有する束部材9は無用となり、また、束部材のせいを高くしなくても十分な間隔Hを確保できる(図2参照)。よって、従来工法と比して小型化した束部材6でも十分に実施することができる。したがって、鋼材費をさらに低減化できる。
束部材6は、スラブの打設作業を終えた後に埋められるが、スラブから突き出た上方部分の切断(ガス切断)作業は、従来工法に係る計8個もの束部材を使用する場合と比して、使用個数も4個と半減化され、その規模も小さいので、現場作業に要する手間も非常に省力化できる。また、接合に用いるボルトの径を小さくしたり、ナットを薄型にするなど工夫を施すことにより、束部材の高さをさらに低くすることもでき、場合によっては切断する作業自体を無用化でき、その分の手間をそっくり省くことも可能である。
束部材を支持する本設梁10を対比してみても、従来工法は、1本の本設梁10あたり4つの束部材9、12を支持する必要があるため、H形鋼梁のウエブの両側面に14×2=28本のスチフナーを設けて補強しているのに対し、本工法は、1本の本設梁10あたり2つの束部材6のみ支持する構成なので、H形鋼梁のウエブの両側面に6×2=12本のスチフナーを設けて補強すれば足りる。よって、鋼材費をさらに低減化できる。
従来工法は、門形架台11の前後左右の4箇所の脚部11aを支持する束部材12は、基礎架台2の脚部2aを支持する束部材9と比して、柱梁接合部から離れている分、曲げモーメントが大きく作用する。よって、門形架台11を支持する束部材12の直下位置に、本設梁10を介して間柱部材やブレース材等をさらに仮設して補強する場合があった。
これに対し、本工法は、門形状のフレーム枠体1の前後左右の4箇所の脚部を支持するのは受け梁1aであり、当該脚部用の束部材は無用なので必然的に間柱部材等の補強部材は無用となる。よって、鋼材費をさらに低減化できる。ちなみに、図4中の符号13は、柱梁接合部を示している。
このように、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、本実施例では、クライミング反力構台1を構成する受け梁1aを、束部材6の上面に設置する構成で実施しているがこれに限定されない。
要するに、前記受け梁1aは、前記門形状のフレーム枠体1bの上部にあずけた前記昇降装置4の荷重が、当該クライミング反力構台1を介して束部材6へ伝達される構成で実施すれば足りるので、図6に示したように、前記受け梁1aを短尺化し、同受け梁1aの両端部が、前記束部材6の対向する側面にボルト止め等の手段で着脱自在に接合して実施することもできる。
この場合には、前記束部材6の上面にベース架台2の脚部2aが直接支持される構成となる。よって、ベース架台2の脚部2aの存在に拘わらず、前記受け梁1aを門形状のフレーム枠体1bと共に撤去できるので、クライミング作業の合理化を図ることができる。
具体的には、前記図5A〜Eを援用すると、図5Dの段階で、前記受け梁1aを門形状のフレーム枠体1bと共に撤去することができ、これに伴い、1個のクライミング反力構台1でクライミングクレーンを順次盛り替えて建物の最上階までクライミングすることができるのである。
1 クライミング反力構台
1a 受け梁
1b 門形状のフレーム枠体
2 ベース架台
2a ベース架台の脚部
3 マスト
4 昇降装置(アウトマスト)
6 束部材
7 プレート部材
8 アンカー
9 束部材
10 本設梁
11 門形架台
12 束部材
13 柱梁接合部

Claims (6)

  1. 下端にベース架台を設けたマストと、同マストをせり上げる昇降装置を備えたクライミングクレーンを鉄骨建方の進捗にしたがって盛り替えるための盛り替え機構において、
    盛り替えるフロア上にベース架台支持部材が設けられ、同ベース架台支持部材には、隣接する柱間の内法長さよりも短く、且つ平行に配置された受け梁の上面に、受け梁と直角方向に配置した門形状のフレーム枠体の下端を設けてなるクライミング反力構台が設けられていること、
    前記クライミング反力構台の門形状のフレーム枠体は、前記マストと干渉を起こさず、ベース架台を受け入れる高さとされ、前記受け梁は、前記門形状のフレーム枠体にあずけた前記昇降装置の荷重が、当該クライミング反力構台を介して、前記ベース架台支持部材へ伝達されるように当該ベース架台支持部材に着脱可能に設けられていること、
    前記マストの下端のベース架台は、前記門形状のフレーム枠体にあずけた前記昇降装置により前記盛り替えるフロアまでせり上げられて、前記ベース架台支持部材へ設置される構成であることを特徴とする、クライミングクレーンの盛り替え機構。
  2. 前記ベース架台支持部材は、構築する構造物が鉄骨造、又は鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は、束部材であり、構築する構造物が鉄筋コンクリート造の場合は、モルタル等で形成したレベル調整部材であることを特徴とする、請求項1に記載したクライミングクレーンの盛り替え機構。
  3. 前記ベース架台は、伸張した状態で前記平行に配置された受け梁と井桁状をなす構成の伸縮可能な脚部を備え、伸張した脚部を支持した前記受け梁が、前記ベース架台支持部材の上面に着脱可能に設置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したクライミングクレーンの盛り替え機構。
  4. 前記受け梁は、その両端部が、盛り替えるフロア上の左右に設けたベース架台支持部材の対向する側面に着脱可能に接合されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したクライミングクレーンの盛り替え機構。
  5. 前記昇降装置は、前記クライミング反力構台の門形状のフレーム枠体に着脱可能に接合されており、前記門形状のフレーム枠体は、受け梁に着脱可能に接合されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載したクライミングクレーンの盛り替え機構。
  6. 下端にベース架台を設けたマストと、同マストをせり上げる昇降装置を備えたクライミングクレーンを鉄骨建方の進捗にしたがって盛り替えるフロアクライミング工法において、
    鉄骨建方を当節の階数分進めた後、盛り替えるフロア上にベース架台支持部材を設け、同ベース架台支持部材に、隣接する柱間の内法長さよりも短く、且つ平行に配置された受け梁を着脱可能に設置し、同受け梁の上面に、受け梁と直角方向に配置した門形状のフレーム枠体の下端を接合して前記請求項1〜5のいずれか一に記載したクライミング反力構台を組み立て、
    前記門形状のフレーム枠体の上部に昇降装置をあずけた後、前記昇降装置を駆動して前記マスト及び同マストの下端のベース架台を前記盛り替えるフロアまでせり上げ、当該ベース架台を前記ベース架台支持部材へ設置し、
    前記昇降装置を上昇させて鉄骨建方を次節の階数分進める工程を繰り返して鉄骨建方を進め、クライミングクレーンを建物の最上階までクライミングさせることを特徴とする、クライミングクレーンのフロアクライミング工法。
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