JP5556642B2 - リトラクタ取付装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リトラクタ取付装置に関し、シートベルトリトラクタをリトラクタブラケットを介して車両パネル部材に取り付けるリトラクタ取付装置に関する。
特許文献1は、車両後席用シートベルトリトラクタをリトラクタブラケットを介して周辺の車両パネル部材に取り付けるリトラクタ取付装置を開示している。ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタがシートベルトによって上方に引かれた時にリトラクタブラケットおよび車両パネル部材の変形によって上方に移動するリトラクタが上部ボデーパネルと干渉しないように、かつ製造および組み付け誤差を吸収できるように、リトラクタと上部ボデーパネルとの間には十分な隙間が設けられている。そのため、ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタは上部ボデーパネルと当たらず、リトラクタを上方に引く荷重はリトラクタブラケット自身とリトラクタブラケット溶接打点ですべて負担される。
特開2006−160016号公報
従来のリトラクタ取付装置では、ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタを上方に引く荷重がすべてリトラクタブラケット自体およびリトラクタブラケットの溶接打点で負担されるため、耐荷重上リトラクタブラケットの周辺パネル部材への取り付けの溶接打点数が多くなる、また変形抑制上リトラクタブラケットの板厚が厚くなるなどの課題が生じていた。
本発明の目的は、ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタブラケットがリトラクタより受ける荷重を一部リトラクタブラケット以外のボデーパネルに分担させることができるリトラクタ取付装置を提供することにある。
上記課題を解決する本発明はつぎのとおりである。
(1) 本発明のリトラクタ取付装置は、下部後端部に上下方向に延びる側縁と前後方向に延びる上縁とをもつ切欠を有する上部ボデーパネルと、上部ボデーパネルの下端部と連結された下部ボデーパネルと、上部ボデーパネルの後端部と連結されたリアピラーと、切欠の上縁と側縁およびリアピラーとで上方および側方を囲まれた空間に配置された後席用シートベルトのリトラクタと、上部ボデーパネルおよび下部ボデーパネルおよびリアピラーの少なくとも1つの部材と連結されリトラクタと連結されたリトラクタブラケットと、を有する。
内側パネルが上部ボデーパネルと下部ボデーパネルとを含み、車体の側部が外側パネルと内側パネルとを含み、上部ボデーパネルの一部が切り欠かれてリトラクタが配置される上記空間が設けられる。リトラクタが上部ボデーパネルに設けられた上記切欠の上縁部と車両幅方向でラップした位置でリトラクタブラケットを介して内側パネルに取り付けられる
リトラクタと上部ボデーパネル切欠の上縁とは互いに離間されて、リトラクタと上部ボデーパネル切欠の上縁との間に隙間が設けられている。
リトラクタと上部ボデーパネル切欠の上縁との間の隙間寸法Dは、製造誤差を吸収するのに必要な寸法D1以上でかつベルトアンカ評価時または車両衝突時におけるリトラクタの上方への移動量D2より小に設定されている。
上記()は、本発明の全実施例に適用される。
上記(1)のリトラクタ取付装置で、上部ボデーパネルはたとえばルーフサイドインナパネルであり、下部ボデーパネルはたとえばホイールハウスパネルであり、リアピラーはたとえばDピラーである。
また、上部ボデーパネルの下端部と下部ボデーパネルとの連結、および上部ボデーパネルの後端部とリアピラーとの連結、および上部ボデーパネルおよび下部ボデーパネルおよびリアピラーの少なくとも1つの部材とリトラクタブラケットとの連結は、たとえばスポット溶接による連結である。リトラクタとリトラクタブラケットとの連結はたとえばボルトによる連結である。
上記()でベルトアンカ評価時または車両衝突時におけるリトラクタの上方への移動量はたとえば約10mmである。
上記()で寸法D1はたとえば約5mmで移動量D2はたとえば約10mmである。
) 上記()のリトラクタ取付装置において、リトラクタの上部ボデーパネル切欠の上縁と対向する部分に、ベルトアンカ評価時または車両衝突時においてリトラクタが上方へ移動した時に上部ボデーパネル切欠の上縁を受け入れる凹部が形成されている。
上記()は、本発明の実施例2に適用される。
) 上記()または()のリトラクタ取付装置において、リトラクタの上端から上方にD1以上でかつD2より小さい寸法だけ離れた位置にリインフォースメントが配置されている。リインフォースメントは、上部ボデーパネル、リアピラー、上部ボデーパネルおよびリアピラーの両方、の何れかに取り付けられている。
上記()は、本発明の実施例3に適用される。
上記(1)のリトラクタ取付装置によれば、リトラクタと上部ボデーパネル切欠の上縁との間の隙間寸法がベルトアンカ評価時または車両衝突時におけるリトラクタの上方への移動量より小に設定されているので、ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタがシートベルトに引かれて上方に移動すると、リトラクタが上部ボデーパネル切欠の上縁に当接する。それによって、リトラクタが上方に引かれる荷重は上部ボデーパネルで分担される。その結果、リトラクタブラケットの荷重分担を軽減することができ、リトラクタブラケットの厚さを低減してリトラクタブラケットの軽量化や溶接打点数の削減が可能になる。
上記()のリトラクタ取付装置によれば、リトラクタの、上部ボデーパネル切欠の上縁と対向する部分に、ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタが上方へ移動した時に上部ボデーパネル切欠の上縁を受け入れる凹部が形成されているので、車両衝突時などリトラクタが上方に移動し上部ボデーパネル切欠の上縁がリトラクタの凹部に入った時に、リトラクタと上部ボデーパネルとの滑りや回転が防止または抑制される。
上記()のリトラクタ取付装置によれば、リインフォースメントが配置されており、リインフォースメントは、上部ボデーパネルと、リアピラーと、上部ボデーパネルおよびリアピラーの両方と、の何れかに取り付けられているので、上部ボデーパネルやリアピラーの板厚を増加することなく、リインフォースメントによりリトラクタの移動を抑制することができる。
本発明の実施例1に係るリトラクタ取付装置の車室側から見た側面図である。 図1のA−A線断面図であり、(イ)はリトラクタの移動前、(ロ)はリトラクタの上方への移動後を示す。 本発明の実施例1の変形例の概略側面図で、(イ)はリトラクタブラケットが上部ボデーパネルに取り付けられた場合、(ロ)はリトラクタブラケットが下部ボデーパネルに取り付けられた場合、(ハ)はリトラクタブラケットが下部ボデーパネルとリアピラーに橋渡し取り付けされた場合をそれぞれ示す。 本発明の実施例2に係るリトラクタ取付装置の図2に対応する断面図で、(イ)はリトラクタの移動前、(ロ)はリトラクタの上方への移動後を示す。 本発明の実施例3に係るリトラクタ取付装置の図2に対応する断面図で、(イ)はリトラクタの移動前、(ロ)はリトラクタの上方への移動後を示す。
本発明のリトラクタ取付装置を図1〜図5を参照して説明する。
図1および図2は本発明の実施例1を示し、図3は本発明の実施例1の変形例を示し、図4は本発明の実施例2を示し、図5は本発明の実施例3を示す。
本発明の実施例1とその変形例および実施例2、3にわたって共通する構成部には全実施例またはその変形例にわたって同じ符号を付してある。
図中、FRは車両前後方向前側を示し、OUTは車両左右方向外側を示し、UPは車両上下方向上側を示す。また、以下の説明において前方、後方、前部、後部および上方、下方、上部、下部は、その部材の車両前後方向における前方、後方、前部、後部および車両上下方向の上方、下方、上部、下部にそれぞれ対応する。
〔実施例1〕
本発明の実施例1に係るリトラクタ取付装置10は、車両の後席用または中間席用シートベルト70のリトラクタ取付装置である。
リトラクタ取付装置10は、図1および図2に示すように、外側パネル12と内側パネル13とから車体の側部を構成し、内側パネル13の一部を切り欠いて外側パネル12との間にシートベルト70のリトラクタ60を収容する収容部を設けると共に、リトラクタ60を内側パネル13に設けられた切欠21の上縁22と車両幅方向でラップした位置でリトラクタブラケット50を介し内側パネル13に取り付ける車両のリトタクタ取付構造からなる。
リトタクタ取付装置10において、リトラクタ60と切欠21の上縁22とを互いに離間させてある。
リトラクタ60の上端部と切欠21の上縁22との離間量または隙間Dは、ベルトアンカ評価時または車両衝突時におけるリトラクタの上方への移動量D2より小である。従来は、隙間DはD2より大である。
リトラクタ取付装置10が、車両の後席用シートベルト70のリトラクタ取付装置である場合、つぎの構造をとる。
すなわち、リトラクタ取付装置10は、図1および図2に示すように、切欠21を有する上部ボデーパネル20および該上部ボデーパネル20の下端部と連結された下部ボデーパネル30を有する内側パネル13と、上部ボデーパネル20の後端部と連結されたリアピラー40と、切欠21の縁部とリアピラー40とで囲まれた空間に配置された後席用シートベルト70のリトラクタ60と、上部ボデーパネル20および下部ボデーパネル30およびリアピラー40の少なくとも1つの部材と連結されリトラクタ60とボルトで連結されたリトラクタブラケット50と、を有する。
リトラクタ60と上部ボデーパネル切欠21の上縁との間に隙間Dが設けられている。
隙間Dは、ベルトアンカ評価時または車両衝突時におけるリトラクタ60の上方への移動量より小である。
さらに詳細には、リトラクタ取付装置10は、図1および図2に示すように、下部後端部に切欠21を有する上部ボデーパネル20と、上部ボデーパネル20の下端部と連結された下部ボデーパネル30と、上部ボデーパネル20の後端部および下部ボデーパネル30の後端部と連結されたリアピラー40と、を有する。上部ボデーパネル20と下部ボデーパネル30とは車両上下方向の中間位置で互いに連結されている。リアピラー40は上部ボデーパネル20と下部ボデーパネル30の後方で車両上下方向に延びる。
上部ボデーパネル20および下部ボデーパネル30およびリアピラー40と、リトラクタブラケット50は、たとえば金属製である。上部ボデーパネル20はたとえばルーフサイドインナパネルであり、下部ボデーパネル30はたとえばホイールハウスパネルであり、リアピラーはたとえば3列シート車両のDピラー、または2列シート車両のCピラーである。
上部ボデーパネル20の下部後端部および下部ボデーパネル30の上部後端部とリアピラー40との間には空間11が形成されている。空間11は、上部ボデーパネル20の切欠21の上縁22と側縁23およびリアピラー40とで上方および側方を囲まれた空間11aと、下部ボデーパネル30とリアピラー40との間の空間11bを含む。
リトラクタ取付装置10は、さらに空間11aに配置された後席用シートベルト70のリトラクタ60と、上部ボデーパネル20および下部ボデーパネル30およびリアピラー40の少なくとも1つの部材と連結されかつリトラクタ60と連結されたリトラクタブラケット50と、を有する。
上部ボデーパネル20の下端部と下部ボデーパネル30との連結、および上部ボデーパネル20の後端部とリアピラー40との連結、および上部ボデーパネル20および下部ボデーパネル30およびリアピラー40の少なくとも1つの部材とリトラクタブラケット50との連結は、たとえばスポット溶接による連結である。80はスポット溶接打点を示す。溶接打点80は、リトラクタブラケット50と周辺パネル20、30、40との溶接打点80a、80b、80cと、周辺パネル20、30、40間の溶接打点80dとを含む。溶接打点80bは上下ボデーパネル20、30に共通の打点である。
リトラクタブラケット50の前端部は上部ボデーパネル20と下部ボデーパネル30との少なくとも一方の部材にスポット溶接で連結され、後方に空間11内に延びる。リトラクタ60は空間11aに配置され、かつ上下方向に上部ボデーパネル20の切欠21の上縁22とリトラクタブラケット50の上端部との間に配置される。リトラクタ60はリトラクタブラケット50の上端部に連結される。
リトラクタ60とリトラクタブラケット50との連結はたとえばボルト90による連結である。ボルト連結ではあるが、リトラクタ60とリトラクタブラケット50との一方に爪を設け他方に孔を設けて爪を孔に挿入したので、リトラクタ60とリトラクタブラケット50とはボルト90の軸芯まわりに相対回動しない。
シートベルト70は一端をリトラクタ60に連結され、リトラクタ60から上方に延び、スリップジョイント91を摺動可能に挿通しかつスリップジョイント91で下方に折れ曲がり、他端でアンカ92に連結される。スリップジョイント91はボデーに固定されたボルト93まわりに回動可能である。シートベルト70はスリップジョイント91とアンカ92の間で後席に着座している乗員の胸部を拘束する。シートベルト70は、車両衝突時に後席乗員の前方への荷重を受けてリトラクタ60を上方に引く。ベルトアンカ評価時には、車両衝突時にシートベルト70にかかる荷重を試験荷重としてシートベルト70にかけてリトラクタ60およびアンカ92を評価する。ベルトアンカ評価時にリトラクタ60にかかる荷重は車両衝突時にリトラクタ60にかかる荷重と一致する。
リトラクタ60の上部と上部ボデーパネル切欠21の上縁22との間には隙間空間が存在する。リトラクタ60の上部と上部ボデーパネル切欠21の上縁22との間の隙間寸法Dは、上部ボデーパネル20および下部ボデーパネル30およびリトラクタブラケット50の、組み付け誤差を含む製造誤差を吸収するのに必要なかつ当たって異音を発生させない上で必要な寸法D1以上とされ、かつベルトアンカ評価時または車両衝突時のリトラクタ60の上方への移動量D2より小に設定されている。
ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタ60がシートベルト70によって上方に引かれると、リトラクタブラケット50の変形およびリトラクタブラケット50が取り付けられたパネル20、30の変形によりリトラクタ60は初期位置から上方に移動する。ベルトアンカ評価時または車両衝突時のリトラクタ60の上方への移動量とは、ベルトアンカ評価時または車両衝突時にシートベルト70によりリトラクタ60が所定荷重で上方に引かれた時のリトラクタ60の上方への移動量のことである。
D1はたとえば約5mm(たとえば5mm±2.5mm)で、D2はたとえば約10mm(たとえば10mm±5mm)である。ただし、D1が約5mm、D2が約10mmに限定されるものではなく、車両の設計によって変化する値である。D≧D1とする理由はリトラクタ60の良好な組み付け性を維持するためであり、D≦D2とする理由はベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタ60を上部ボデーパネル20に底付かせて荷重分担するためである。
以上の構成は図1および図2に示した本発明の実施例1のみならず、図3に示した本発明の実施例1の変形例および図4または図5に示した本発明の他の実施例にも適用可能である。
本発明の実施例1は、図1および図2に示すように、さらにつぎの構成を有する。
リトラクタブラケット50は上部ボデーパネル20と下部ボデーパネル30とのスポット溶接で連結されている。リトラクタブラケット50はリアピラー40にはスポット溶接されていない。リトラクタブラケット50は上部ボデーパネル20と下部ボデーパネル30から後方に空間11に延びだしており、上部ボデーパネル20と下部ボデーパネル30とに片持ち梁の状態で固定されている。
ベルトアンカ評価時または車両衝突時に上方に移動するリトラクタ60を上部ボデーパネル20に底付かせて上部ボデーパネル20に荷重分担するため、リトラクタ60からリトラクタブラケット50にかかる上方への荷重が従来に比べて小さくなることにより、リトラクタブラケット50と周辺パネル20、30との溶接打点数が従来に比べて少なくなり、および/または、リトラクタブラケット50の厚さが従来に比べて薄くなる。
たとえば、リトラクタブラケット50と上部ボデーパネル20との溶接打点80の数と、リトラクタブラケット50と下部ボデーパネル80との溶接打点80の数の和は、従来のリトラクタブラケットと周辺パネルとの溶接打点数より小さい。従来の溶接打点数は約6点であるが、本発明では6点以下で、たとえば約3点80a、80b、80cで済む。図1において、溶接打点80bは、上部ボデーパネル20と下部ボデーパネル30とに共通の溶接打点である。
また、リトラクタブラケット50の板厚も従来に比べて薄くすることができる。荷重分担により、リトラクタブラケット50にかかる上方への荷重が従来の1/Nになる場合は、リトラクタブラケット50の板厚は従来に比べてほぼ1/Nにすることができる。リトラクタブラケット50の重量もそれに比例して小さくなる。ここで、Nは1以上の数であり、たとえば1以上で約3以下の数である。Nが1の場合は、リトラクタブラケット50の板厚を従来と同じにしたままとなる。
図2に示すように、上部ボデーパネル20の下端部には屈曲部24が形成されており、これにより上部ボデーパネル20の下端部の剛性と強度が屈曲部24を形成しない場合に比べて増加される。屈曲部24は、たとえば上部ボデーパネル20の一般部からシートベルト70から離れる方向に曲がり、その先端から下方に折れ曲がっている。上部ボデーパネル20の一般部とは屈曲部24以外の部分である。ベルトアンカ評価時または車両衝突時でない通常時における屈曲部24の下端24aとリトラクタ60の上端との間隔は、図2の(イ)に示すように寸法Dである。ベルトアンカ評価時または車両衝突時には、図2の(ロ)に示すようにDが0になり、リトラクタ60は屈曲部24の下端24aに底付く。
つぎに、実施例1の作用、効果を図1および図2を参照して説明する。
まず、リトラクタ60と切欠21の上縁22との間の隙間寸法Dがベルトアンカ評価時または車両衝突時のリトラクタ60の上方への移動量D2より小に設定されているので、ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタ60がシートベルト70に引かれて上方に移動すると、リトラクタ60が切欠21の上縁22に当接する。それによって、リトラクタ60が上方に引かれる荷重はその一部が上部ボデーパネル20で分担され、残りがリトラクタブラケット50で受けられる。その結果、リトラクタブラケット50が受ける荷重を軽減することができ、リトラクタブラケットでリトラクタの全荷重を受けていた従来に比べて、リトラクタブラケット50の厚さを低減してリトラクタブラケット50の軽量化をはかることができ、かつリトラクタブラケット50の周辺パネルとの溶接打点80の数を削減できる。
以上の作用、効果は図3に示した本発明の実施例1の変形例および図4、図5に示した本発明の他の実施例にも適用される。
図1および図2の本発明の実施例1では、さらにつぎの作用、効果が得られる。
DをD2の約1/Nに設定した時にベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタブラケット50にかかる荷重が従来の約1/Nになる場合は、リトラクタブラケット50と周辺パネル20、30との溶接打点数を従来の溶接打点数の約1/Nにでき、リトラクタブラケット50の板厚を従来に比べて1/Nにすることができる。ここで、Nはたとえば2である。その結果、リトラクタブラケット50と周辺パネルとの溶接コストを1/Nにほぼ比例して減少でき、リトラクタブラケット50の重量、素材費も1/Nにほぼ比例して減少できる。
上部ボデーパネル20の下端部には屈曲部24が形成されているので、上部ボデーパネル20の切欠上縁22の剛性および強度が屈曲部24がない場合に比べて増大されており、ベルトアンカ評価時または車両衝突時におけるリトラクタ60の切欠上縁22への当接に耐えることができる。したがって、荷重の一部を上部ボデーパネル20で分担させても、上部ボデーパネル20の厚さを従来の厚さである約0.7mmに比べて増大させる必要はない。
〔実施例1の変形例〕
図1および図2に示した本発明の実施例1では、リトラクタブラケット50が上部ボデーパネル20と下部ボデーパネル30の両方にスポット溶接で連結された場合を示したが、リトラクタブラケット50の周辺パネル部材への取り付けを図3の(イ)、(ロ)、(ハ)に示す変形例に代えてもよい。
図3で、(イ)はリトラクタブラケット50が上部ボデーパネル20にスポット溶接で取り付けられた場合、(ロ)はリトラクタブラケット50が下部ボデーパネル30に取り付けられた場合、(ハ)はリトラクタブラケット50が下部ボデーパネル30とリアピラー40に橋渡し取り付けされた場合をそれぞれ示す。
図3の(イ)、(ロ)、(ハ)の変形例の作用、効果は、リトラクタブラケット50が採りうる設計および構造の自由度が向上することである。
〔実施例2〕
図1および図2に示した本発明の実施例1において本発明の他の実施例にも適用可能とした部分は、本発明の実施例2にも適用可能である。本発明の変形例2はさらにつぎの構成、作用、効果を有する。
図4の(イ)、(ロ)は本発明の実施例2を示す。ただし、外側パネルは省略して示してある。本発明の実施例2では、リトラクタ60の、上部ボデーパネル切欠21の上縁22と対向する部分に、ベルトアンカ評価時または車両衝突時、リトラクタ60が上方へ移動した時に上部ボデーパネル切欠21の上縁22を受け入れる凹部61が形成されている。凹部61はリトラクタ側壁62に形成されている。凹部61の深さはDより小である。凹部61の底と上部ボデーパネル切欠21の上縁22との間隔がDである。
ベルトアンカ評価時または車両衝突時にリトラクタ60が上方へ移動する。上部ボデーパネル切欠21の上縁22と凹部61の底とが当接した時にリトラクタ60が上方に引かれる荷重が上部ボデーパネル20で分担される。
また、車両衝突時などリトラクタ60が上方に移動し上部ボデーパネル切欠21の上縁22がリトラクタ60の凹部61に入った時には、リトラクタ60と上部ボデーパネル20との上部ボデーパネル20の面と直交する方向の滑りや回転が防止または抑制される。その結果、リトラクタ60からリトラクタブラケット50にリトラクタブラケット50の面直交方向にかかる荷重および/または捩じりの荷重が抑制され、リトラクタブラケット50の変形を抑制する効果がある。
〔実施例3〕
図1および図2に示した本発明の実施例1において本発明の他の実施例にも適用可能とした部分は、本発明の実施例3にも適用可能である。本発明の実施例3はさらにつぎの構成、作用、効果を有する。
図5の(イ)、(ロ)は本発明の実施例3を示す。ただし、外側パネルは省略して示してある。本発明の実施例3では、補強部材であるリインフォースメント25が配置されており、リインフォースメント25は、上部ボデーパネル20、リアピラー40、上部ボデーパネル20およびリアピラー40の両方、の何れかに取り付けられている。図5はリインフォースメント25が上部ボデーパネル20に取り付けられる場合を示したが、上部ボデーパネル20に取り付けられることなくリアピラー40に取り付けられてもよいし、上部ボデーパネル20およびリアピラー40の両方に取り付けられてもよい。
リインフォースメント25は上部ボデーパネル20より厚い板材かまたは上部ボデーパネル20より高強度材からなることが望ましい。リインフォースメント25の上部ボデーパネル20またはリアピラー40との連結はスポット溶接によることが望ましい。リインフォースメント25の下端部には屈曲部26が形成されてもよい。リインフォースメント25の下端部とリトラクタ60との間隔が寸法Dとなる。
本発明の実施例3の作用、効果はつぎのとおりである。本発明の実施例3では、リインフォースメント25が配置されているので、上部ボデーパネル20やリアピラー40の板厚を増加することなく、リインフォースメント25によりリトラクタ60の上方への移動を抑制することができる。
また、リインフォースメント25に屈曲部26が形成される場合やリインフォースメント25に上部ボデーパネル20より厚い板材かまたは上部ボデーパネル20より高強度材を使用した場合には、上部ボデーパネル20の切欠上縁22の剛性および強度がリインフォースメント25がない場合に比べて増大されており、ベルトアンカ評価時または車両衝突時におけるリトラクタ60の切欠上縁22への当接に耐えることができる。したがって、上部ボデーパネル20の厚さを増大させる必要はない。
10 リトラクタ取付装置
11 空間
12 外側パネル
13 内側パネル
20 上部ボデーパネル
21 切欠
22 上縁
23 側縁
25 リインフォースメント
30 下部ボデーパネル
40 リアピラー
50 リトラクタブラケット
60 リトラクタ
61 凹部
62 リトラクタ側壁
70 シートベルト
80 スポット溶接打点

Claims (3)

  1. 下部後端部に上下方向に延びる側縁と前後方向に延びる上縁とをもつ切欠を有する上部ボデーパネルと、該上部ボデーパネルの下端部と連結された下部ボデーパネルと、前記上部ボデーパネルの後端部と連結されたリアピラーと、前記切欠の上縁と側縁および前記リアピラーとで上方および側方を囲まれた空間に配置された後席用シートベルトのリトラクタと、前記上部ボデーパネルおよび前記下部ボデーパネルおよび前記リアピラーの少なくとも1つの部材と連結され前記リトラクタとボルトで連結されたリトラクタブラケットと、を有し、
    内側パネルが前記上部ボデーパネルと前記下部ボデーパネルとを含み、外側パネルと前記内側パネルとから車体の側部構成され、前記上部ボデーパネルの一部切り欠かれて前記リトラクタが配置される前記空間が設けられ、
    前記リトラクタが前記上部ボデーパネルに設けられた前記切欠の上縁部と車両幅方向でラップした位置で前記リトラクタブラケットを介し前記内側パネルに取り付けられる車両のリトタクタ取付装置であって、
    前記リトラクタと前記上部ボデーパネル切欠の上縁とは互いに離間されて、前記リトラクタと前記上部ボデーパネル切欠の上縁との間に隙間が設けられており、前記リトラクタと前記上部ボデーパネル切欠の上縁との間の隙間寸法Dが、製造誤差を吸収するのに必要な寸法D1以上でかつベルトアンカ評価時または車両衝突時における前記リトラクタの上方への移動量D2より小に設定されているリトラクタ取付装置。
  2. 前記リトラクタの、前記上部ボデーパネル切欠の上縁と対向する部分に、ベルトアンカ評価時または車両衝突時において前記リトラクタが上方へ移動した時に前記上部ボデーパネル切欠の上縁を受け入れる凹部が形成されている請求項記載のリトラクタ取付装置。
  3. 前記リトラクタの上端から上方に前記D1以上でかつ前記D2より小さい寸法だけ離れた位置に下端をもつリインフォースメントが配置されており、該リインフォースメントは、前記上部ボデーパネル、前記リアピラー、前記上部ボデーパネルおよび前記リアピラーの両方、の何れかに取り付けられている請求項または請求項記載のリトラクタ取付装置。
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