JP5556576B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン始動時に第1クラッチを接続しながらエンジンのクランキングを行うハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、エンジンとモータの間に第1クラッチを備え、モータと駆動輪の間に変速比を無限大まで変更可能な変速装置(または第2クラッチ)を備えたハイブリッド車両が知られている。このハイブリッド車両でエンジン始動制御を行う時、第1クラッチを接続しながらのクランキング中、変速装置の変速比を制御する、あるいは、第2クラッチを滑らせるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−69817号公報
しかしながら、従来のハイブリッド車両の制御装置のような1つのモータで走行とエンジン始動を同時に実施する場合、第1クラッチのCL1トルク容量を精度良く制御する必要があり、CL1トルク容量の制御精度が低下した場合には、次のような課題が生じる。第1クラッチのCL1トルク容量が不足する場合には、エンジン始動時間が遅延することによる運転性悪化を招くし、第1クラッチの摩耗が促進される。また、第1クラッチのCL1トルク容量が過多である場合には、エンジン始動ショックが発生する。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、エンジン始動時に接続される第1クラッチのトルク容量制御精度を向上させることにより、第1クラッチの耐久信頼性を確保しながら、エンジン始動時間やエンジン始動ショックのばらつき低減を達成することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、モータと、第1クラッチと、第2クラッチと、第1クラッチトルク指令値補正制御手段と、を備える手段とした。
前記第1クラッチは、前記エンジンと前記モータの間に介装され、前記モータをスタータモータとするエンジン始動時に接続される
記第1クラッチトルク指令値補正制御手段は、前記第1クラッチを接続するエンジン始動時、第1クラッチ伝達トルクをエンジン回転数から推定し、推定結果に基づいて、第1クラッチトルク指令値を補正する。
第1クラッチトルク指令値補正制御手段は、第1クラッチ補正トルクを、第1クラッチトルク指令値から算出した第1クラッチイナーシャトルクと、エンジン回転数から算出した推定第1クラッチトルクと、の差から算出し、前記第1クラッチ補正トルクにより出力される前記第1クラッチトルク指令値を補正する第1クラッチトルク指令値出力補正部を有する。
よって、第1クラッチを接続するエンジン始動時、第1クラッチトルク指令値補正制御手段において、第1クラッチ伝達トルクがエンジン回転数から推定され、この推定結果に基づいて、第1クラッチトルク指令値が補正される。
すなわち、エンジン始動時には、エンジンクランキングのために第1クラッチが接続されるが、第1クラッチのトルク容量制御精度が高い場合は、エンジン回転数(=クランキング回転数)の上昇特性が滑らかな勾配を描きながら立ち上がる。言い換えると、エンジン回転数を監視することで、第1クラッチの伝達トルク(トルク容量)を推定でき、この推定結果に基づいて、第1クラッチトルク指令値を補正することで、トルク容量制御精度を向上させることができる。そして、第1クラッチのトルク容量精度を向上させることで、第1クラッチのトルク容量が不足する場合の不具合(クラッチ摩耗促進、エンジン始動時間の遅延)と、第1クラッチのトルク容量が過多である場合の不具合(エンジン始動ショック)と、が解消される。
この結果、エンジン始動時に接続される第1クラッチのトルク容量制御精度を向上させることにより、第1クラッチの耐久信頼性を確保しながら、エンジン始動時間やエンジン始動ショックのばらつき低減を達成することができる。
加えて、エンジン始動時、第1クラッチトルク指令値出力補正部において、第1クラッチ補正トルクが、第1クラッチイナーシャトルクと、推定第1クラッチトルクと、の差から算出され、第1クラッチ補正トルクにより出力される第1クラッチトルク指令値が補正される。
このため、エンジン始動時、出力される第1クラッチトルク指令値を補正することで、第1クラッチのトルク容量制御精度の向上を図ることができる。
実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示すパワートレーン系構成図である。 実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す制御システム構成図である。 実施例1の統合コントローラを示す演算ブロック図である。 実施例1の制御装置で用いられる定常目標トルクマップ(a)とMGアシストトルクマップ(b)を示すマップ図である。 実施例1の制御装置で用いられるエンジン始動停止線マップを示すマップ図である。 実施例1の制御装置で用いられるバッテリSOCに対する走行中要求発電出力を示す特性図である。 実施例1の制御装置で用いられるエンジンの最良燃費線を示す特性図である。 実施例1の自動変速機における変速線の一例を示す変速マップ図である。 実施例1の統合コントローラにて実行されるCL1トルク指令値補正制御のうちCL1トルク指令値出力補正処理の構成および流れを示すフローチャートである。 実施例1の統合コントローラにて実行されるCL1トルク指令値補正制御のうちCL1トルク指令値学習補正処理の構成および流れを示すフローチャートである。 図9のステップS3のCL1イナーシャトルク算出処理にて用いられるストローク−トルクマップの一例を示す図である。 図9のステップS3のCL1イナーシャトルクの算出処理で用いられる油圧応答を考慮した第1クラッチトルク指令値の導き出し方を示すタイムチャートである。 図9のステップS6および図10のステップS15でのCL1トルク指令値や学習値を最終CL1トルク指令値に反映する方法を示す説明図である。 実施例1のCL1トルク指令値補正制御において(a)エンジン始動時の出力補正作用と(b)次回エンジン始動時の出力補正作用+学習補正作用をあらわすトルク(CL1トルク指令値、最終CL1トルク指令値)・回転数(モータ回転数、エンジン回転数)・補正トルク積算値の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1においてエンジン始動の繰り返しにより学習経験が積み重ねられた場合のCL1トルク容量の変化とトルク学習量の変化を示すタイムチャートである。 実施例1のCL1トルク指令値の補正に代えストローク−トルクマップを補正する他の補正例を示す図である。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両のパワートレーン系を示す。以下、図1に基づきパワートレーン系構成を説明する。
実施例1のハイブリッド車両のパワートレーン系は、図1に示すように、エンジン1と、モータジェネレータ2(モータ)と、自動変速機3と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5と、ディファレンシャルギア6と、タイヤ7、7(駆動輪)と、を備えている。
実施例1のハイブリッド車両は、エンジンと1モータ・2クラッチを備えたパワートレーン系構成であり、走行モードとして、第1クラッチ4の締結による「HEVモード」と、第1クラッチ4の開放による「EVモード」と、第2クラッチ5をスリップ締結状態にして走行する「WSCモード」と、を有する。
前記エンジン1は、その出力軸とモータジェネレータ2(略称MG)の入力軸とが、トルク容量可変の第1クラッチ4(略称CL1)を介して連結される。
前記モータジェネレータ2は、その出力軸と自動変速機3(略称AT)の入力軸とが連結される。
前記自動変速機3は、その出力軸にディファレンシャルギア6を介してタイヤ7、7が連結される。
前記第2クラッチ4(略称CL2)は、自動変速機3のシフト状態に応じて異なる変速機内の動力伝達を担っているトルク容量可変のクラッチ・ブレーキによる締結要素のうち、1つを用いている。これにより自動変速機3は、第1クラッチ4を介して入力されるエンジン1の動力と、モータジェネレータ2から入力される動力を合成してタイヤ7、7へ出力する。
前記第1クラッチ4としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できるノーマルクローズの乾式単板クラッチや乾式多板クラッチ等が用いられる。前記第2クラッチ5としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチ等が用いられる。このパワートレーン系には、第1クラッチ4の接続状態に応じて2つの運転モードがあり、第1クラッチ4の切断状態では、モータジェネレータ2の動力のみで走行する「EVモード」であり、第1クラッチ4の接続状態では、エンジン1とモータジェネレータ2の動力で走行する「HEVモード」である。
そして、パワートレーン系には、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサ10と、モータジェネレータ2の回転数を検出するMG回転センサ11と、自動変速機3の入力軸回転数を検出するAT入力回転センサ12と、自動変速機3の出力軸回転数を検出するAT出力回転センサ13と、が設けられる。
図2は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両の制御システムを示す。以下、図2に基づいて制御システム構成を説明する。
実施例1の制御システムは、図2に示すように、統合コントローラ20と、エンジンコントローラ21と、モータコントローラ22と、インバータ8と、バッテリ9と、ソレノイドバルブ14と、ソレノイドバルブ15と、アクセル開度センサ17と、CL1ストロークセンサ23と、SOCセンサ16と、を備えている。
前記統合コントローラ20は、パワートレーン系構成要素の動作点を統合制御する。この統合コントローラ20では、アクセル開度APOとバッテリ充電状態SOCと、車速VSP(自動変速機出力軸回転数に比例)と、に応じて、運転者が望む駆動力を実現できる運転モードを選択する。そして、モータコントローラ22に目標MGトルクもしくは目標MG回転数を指令し、エンジンコントローラ21に目標エンジントルクを指令し、ソレノイドバルブ14、15に駆動信号を指令する。
前記エンジンコントローラ21は、エンジン1を制御する。前記モータコントローラ22は、モータジェネレータ2を制御する。前記インバータ8は、モータジェネレータ2を駆動する。前記バッテリ9は、電気エネルギーを蓄える。前記ソレノイドバルブ14は、第1クラッチ4の油圧を制御する。前記ソレノイドバルブ15は、第2クラッチ5の油圧を制御する。前記アクセル開度センサ17は、アクセル開度(APO)を検出する。前記CL1ストロークセンサ23は、第1クラッチ4(CL1)のクラッチピストンのストロークを検出する。前記SOCセンサ16は、バッテリ9の充電状態を検出する。
図3は、実施例1の統合コントローラ20を示す演算ブロック図である。以下、図3に基づいて統合コントローラ20の構成を説明する。
前記統合コントローラ20は、図3に示すように、目標駆動トルク演算部100と、モード選択部200と、目標発電出力演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を備えている。
前記目標駆動トルク演算部100は、図4(a)に示す目標定常駆動トルクマップと、図4(b)に示すMGアシストトルクマップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPから、目標定常駆動トルクとMGアシストトルクを算出する。
前記モード選択部200は、図5に示す車速毎のアクセル開度で設定されているエンジン始動停止線マップを用いて、運転モード(HEVモード、EVモード)を演算する。エンジン始動線とエンジン停止線は、エンジン始動線(SOC高、SOC低)とエンジン停止線(SOC高、SOC低)の特性に代表されるように、バッテリSOCが低くなるにつれて、アクセル開度APOが小さくなる方向に低下する特性として設定されている。
ここで、エンジン始動処理は、「EVモード」の選択状態で図5に示すエンジン始動線をアクセル開度APOが越えた時点で、第2クラッチ5をスリップさせるように、第2クラッチ5のトルク容量を制御する。そして、第2クラッチ5がスリップ開始したと判断した後に第1クラッチ4の締結を開始してエンジン回転を上昇させる。エンジン回転が初爆可能な回転数に達成したらエンジン1を燃焼作動させ、モータ回転数とエンジン回転数が近くなったところで第1クラッチ4を完全に締結する。その後、第2クラッチ5をロックアップさせて「HEVモード」に遷移させることをいう。
前記目標発電出力演算部300は、図6に示す走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCから目標発電出力を演算する。また、現在の動作点から図7で示す最良燃費線までエンジントルクを上げるために必要な出力を演算し、前記目標発電出力と比較して少ない出力を要求出力として、エンジン出力に加算する。
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標定常トルク、MGアシストトルクと目標モードと車速VSPと要求発電出力とを入力する。そして、これらの入力情報を動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標CL2トルク容量と目標変速比とCL1ソレノイド電流指令を演算する。
前記変速制御部500は、目標CL2トルク容量と目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機3内のソレノイドバルブを駆動制御する。図8に変速制御で用いられる変速線マップの一例を示す。車速VSPとアクセル開度APOから現在の変速段から次変速段をいくつにするか判定し、変速要求があれば変速クラッチを制御して変速させる。
図9は、実施例1の統合コントローラ20にて実行されるCL1トルク指令値補正制御のうちCL1トルク指令値出力補正処理の構成および流れを示す(第1クラッチトルク指令値補正制御手段、第1クラッチトルク指令値出力補正部)。以下、図9の各ステップについて説明する。
ステップS1では、CL1トルク指令値の補正を実施する判定条件として、CL1スリップ条件とモータ回転数条件とエンジン回転数条件が成立したか否かを判断する。Yes(補正実施判定条件成立)の場合はステップS2へ進み、No(補正実施判定条件不成立)の場合エンドへ進む。
ここで、CL1スリップ条件は、例えば、CL1スリップ≧100rpmとする。モータ回転数条件は、例えば、モータ回転数≧500rpmとする。エンジン回転数条件は、エンジン回転数≦初爆可能回転数(例えば、500rpm)とする。なお、エンジン回転数が初爆可能回転数を超えたらCL1補正トルクを保持する。また、燃料噴射停止(F/C)のエンジン始動では、CL1スリップが所定値(例えば、100rpm)以下でCL1補正トルクを保持する。
ステップS2では、ステップS1での補正実施判定条件成立との判断に続き、エンジン回転加速度We_dotとエンジンイナーシャJeを掛け合わせることで推定CL1トルクT^cl1を算出し、ステップS3へ進む。
ここで、エンジン回転数が低回転域では、センサの検出精度の影響で出力されないため、低回転域に限ってはエンジン回転加速度We_dotをCL1イナーシャトルクTcl1_iから推定する。
ステップS3では、ステップS2での推定CL1トルクT^cl1の算出に続き、CL1トルク指令値TTCL1からエンジンフリクションTeng_fricを除く演算によりCL1イナーシャトルクTcl1_iを算出し、ステップS4へ進む。
ここで、CL1トルク指令値TTCL1は、図11に示すストローク−トルクマップを用い、そのときのCL1トルク指令値TTCL1があらわすCL1伝達トルクをストロークに変換する。そして、変換したストロークを、図12に示すように、ストローク開始からトルク伝達点までのストローク空走を考慮、つまり、油圧応答の遅れを考慮したストロークに換算する。そして、換算したストロークを、再度、ストローク−トルクマップを用いてCL1伝達トルクに変換し、変換したCL1伝達トルクに対応するCL1トルク指令値TTCL1とする。
ステップS4では、ステップS3でのCL1イナーシャトルクTcl1_iの算出に続き、ステップS2で算出した推定CL1トルクT^cl1から、ステップS3で算出したCL1イナーシャトルクTcl1_iを差し引くことで、CL1補正トルクTcl1_hoseiを算出し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4でのCL1補正トルクTcl1_hoseiの算出に続き、算出したCL1補正トルクTcl1_hoseiを記憶し、ステップS6へ進む。
ここで、記憶したCL1補正トルクTcl1_hoseiは、図10に示す学習補正に用いる。
ステップS6では、ステップS5でのCL1補正トルクTcl1_hoseiの記憶に続き、CL1補正トルクTcl1_hoseiを反映させて最終CL1トルク指令値TTCL1_lastを、CL1トルク指令値TTCL1とCL1補正トルクTcl1_hoseiの合算により算出し、エンドへ進む。
ここで、CL1トルク指令値とCL1補正トルクの合算により最終CL1トルク指令値が算出された場合、図13に示すように、最終CL1トルク指令値と、ストローク−トルクマップ(図11)を用いて、トルクをストローク変換し、目標ストロークを求める。そして、第1クラッチ4(CL1)は、実ストロークを目標ストロークに一致させる制御により、最終CL1トルク指令値に対応する実CL1トルクを得る。
図10は、実施例1の統合コントローラにて実行されるCL1トルク指令値補正制御のうちCL1トルク指令値学習補正処理の構成および流れを示す(第1クラッチトルク指令値補正制御手段、第1クラッチトルク指令値学習補正部)。以下、図10の各ステップについて説明する。
ステップS7では、学習補正を許可する条件として、エンジン回転数条件とCL2スリップ条件とCL1トルク指令値条件とATF温度条件が成立したか否かを判断する。Yes(学習補正許可条件成立)の場合はステップS8へ進み、No(学習補正許可条件不成立)の場合エンドへ進む。なお、「ATF」とは、変速機作動油のことをいう。
ここで、エンジン回転数条件は、第1エンジン回転数NE1以上で第2エンジン回転数NE2以下のとき学習を許可する。第1エンジン回転数NE1(例えば、200rpm)未満の低回転数域の場合は、圧縮反力やフリクションのばらつきがあるため学習しない。また、第2エンジン回転数NE2(例えば、500rpm)を超える高回転数域の場合は、初爆トルクによるエンジン回転上昇するため学習しない。
CL2スリップ条件は、スリップ回転が所定値(例えば、20rpm)以上のとき学習を許可する。つまり、CL2スリップしていない状態は、第1クラッチ4(CL1)もしくは第2クラッチ5(CL2)が容量過多の可能性がるため学習を許可しない。
CL1トルク指令値条件は、CL1トルク指令値が所定範囲内のみで学習を許可する。
各学習補正のとき、CL1トルク指令値が異なると、CL1補正トルクが変わるためCL1トルク指令値の範囲を限定することで学習精度を上げる。
ATF温度条件は、ATF温度により第1クラッチ4(CL1)の応答が変わるため、第1クラッチ4(CL1)が想定通り動く温度範囲で学習を実施する。
ステップS8では、ステップS7での学習補正許可条件成立という判断に続き、ステップS5で記憶したCL1補正トルクTcl1_hoseiを積算し、CL1補正トルク積算値Tcl1_sekisanとする処理を開始し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、ステップS8でのCL1補正トルク積算開始に続き、モータトルク飽和判定がONであるか否かを判断する。Yes(モータトルク飽和判定=ON)の場合はステップS10へ進み、No(モータトルク飽和判定=OFF)の場合はステップS12へ進む。
ここで、モータトルク飽和判定は、エンジン始動時のモータトルクとモータ上限トルクとの差が所定値以下である状態が所定時間継続した場合、モータトルク飽和と判定し、モータトルク飽和判定をONとする。
ステップS10では、ステップS9でのモータトルク飽和判定=ON出るとの判断に続き、CL1補正トルク<0(CL1トルク指令値を増加する補正トルク)であるか否かを判断する。Yes(CL1補正トルク<0)の場合はステップS11へ進み、No(CL1補正トルク≧0)の場合はステップS12へ進む。
ステップS11では、ステップS10でのCL1補正トルク<0であるとの判断に続き、時は、モータトルク飽和判定=ONで、CL1トルク指令値を増加する補正が行われるとき、第1クラッチ4(CL1)を掴み過ぎる可能があるため学習ゲイン(小)を選択し、ステップS13へ進む。
ステップS12では、ステップS9でのモータトルク飽和判定=OFFとの判断、あるいは、ステップS10でのCL1補正トルク≧0であるとの判断に続き、学習ゲイン(大)を選択し、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS11での学習ゲイン(小)の選択、あるいは、ステップS12での学習ゲイン(大)の選択に続き、ステップS8で算出した補正トルク積算値Tcl1_sekisanと選択した学習ゲインを乗じて学習値TCL1_learnを算出し、ステップS14へ進む。
ステップS14では、ステップS13での学習値算出に続き、前回のエンジン始動で学習した学習前回値と今回で算出した学習値TCL1_learnを合算して、学習値TCL1_learnを更新し、ステップS15へ進む。
ステップS15では、ステップS14での学習値の更新に続き、ステップS14で更新した学習値TCL1_learnを記憶し、ステップS16へ進む。
ステップS16では、ステップS15での学習値TCL1_learnの記憶に続き、次回エンジン始動時に学習値TCL1_learnを反映させて最終CL1トルク指令値TTCL1_lastを、CL1トルク指令値TTCL1と、CL1補正トルクTcl1_hoseiと、ステップS14で算出した学習値TCL1_learnの合算により算出し、エンドへ進む。
なお、少なくともモータトルクが飽和を判定し、かつ、CL1補正トルク<0の場合には、合算している学習値を減らすことになる。ただし、記憶している学習値は減らさない。
ここで、CL1トルク指令値とCL1補正トルクと学習値の合算により最終CL1トルク指令値が算出された場合、図13に示すように、最終CL1トルク指令値と、ストローク−トルクマップ(図11)を用いて、トルクをストローク変換し、目標ストロークを求める。そして、第1クラッチ4(CL1)は、実ストロークを目標ストロークに一致させる制御により、最終CL1トルク指令値に対応する実CL1トルクを得る。
次に、作用を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置における作用を、「CL1トルク指令値補正制御作用」、「CL1トルク指令値出力補正作用」、「CL1トルク指令値学習補正作用」に分けて説明する。
[CL1トルク指令値補正制御作用]
実施例1の場合、第1クラッチ4(CL1)を接続するエンジン始動時、CL1トルク指令値出力補正処理とCL1トルク指令値学習補正処理の何れにおいても、CL1伝達トルクがエンジン回転数から推定され、この推定結果に基づいて、CL1トルク指令値が補正される。
すなわち、エンジン始動時には、エンジンクランキングのために第1クラッチ4(CL1)が接続されるが、第1クラッチ4(CL1)のトルク容量制御精度が高い場合は、エンジン回転数(=クランキング回転数)の上昇特性が滑らかな勾配を描きながら立ち上がる。言い換えると、エンジン回転数を監視することで、第1クラッチ4(CL1)の伝達トルク(トルク容量)を推定でき、この推定結果に基づいて、CL1トルク指令値を補正することで、トルク容量制御精度を向上させることができる。
そして、第1クラッチ4(CL1)のトルク容量精度を向上させることで、第1クラッチ4(CL1)のトルク容量が不足する場合の不具合であるクラッチ摩耗促進やエンジン始動時間の遅延が解消される。また、第1クラッチ4(CL1)のトルク容量が過多である場合の不具合であるエンジン始動ショックが解消される。
このように、エンジン始動時に接続される第1クラッチ4(CL1)のトルク容量制御精度を向上させることにより、第1クラッチ4(CL1)の摩耗を抑えて耐久信頼性を確保しながら、エンジン始動時間のばらつき低減やエンジン始動ショックのばらつき低減が達成される。
[CL1トルク指令値出力補正作用]
CL1トルク指令値補正制御のうち、CL1トルク指令値出力補正作用を、図9のフローチャートと、図14(a)のタイムチャートに基づいて説明する。
エンジン始動時、補正実施判定条件が成立すると、図9のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→エンドへと進む。そして、ステップS6において、CL1補正トルクTcl1_hoseiを反映させて最終CL1トルク指令値TTCL1_lastが、CL1トルク指令値TTCL1とCL1補正トルクTcl1_hoseiの合算により算出される。つまり、最終CL1トルク指令値が算出された場合、図13に示すように、最終CL1トルク指令値と、ストローク−トルクマップ(図11)を用いて、トルクがストローク変換され、目標ストロークが求められる。そして、第1クラッチ4(CL1)は、実ストロークを目標ストロークに一致させる制御により、最終CL1トルク指令値に対応する実CL1トルクが得られる。
したがって、エンジン始動時、図14(a)に示すように、補正実施判定条件が成立する補正開始時刻t1から補正終了時刻t3までは、CL1補正トルクが算出され、このCL1補正トルクがエンジン始動開始時刻t0から出力されているCL1トルク指令値に合算される。そして、補正終了時刻t3以降は、最終CL1トルク指令値の出力が維持される。
このため、エンジン始動時、エンジン回転数(=クランキング回転数)が滑らかな勾配を描きながら上昇する図14(a)のエンジン回転数特性から明らかなように、第1クラッチ4(CL1)のトルク容量制御精度の向上が図られる。そして、実施例1のCL1トルク指令値出力補正は、下記の(a)〜(f)の特長を有する。
(a) CL1トルク指令値の補正を実施する判定条件として、CL1スリップ条件とモータ回転数条件とエンジン回転数条件が成立したか否かが判断される(ステップS1)。
例えば、CL1スリップではなく、CL1締結である場合には、エンジン回転数の上昇と第1クラッチ4(CL1)の伝達トルクの関係が成立しない。これに対し、CL1トルク指令値の補正を実施する判定条件を上記のように設定することで、誤ったCL1トルク指令値の補正が防止される。
(b) エンジン回転数条件は、エンジン1が初爆するエンジン回転数以下とされる(ステップS1)。
つまり、初爆トルクによるエンジン回転上昇は外乱として補正対象外とする。このため、エンジン1の初爆回転数以下で補正を実施することで、誤ったCL1トルク指令値の補正が防止される。
(c) エンジン回転加速度We_dotとエンジンイナーシャJeを掛け合わせることで推定CL1トルクT^cl1が算出される(ステップS2)。
したがって、エンジン始動時における第1クラッチ5(CL1)の伝達トルク推定値をあらわす推定CL1トルクT^cl1を、精度良く推定できる。
(d) エンジン回転加速度We_dotは、エンジン回転数が低回転域において、CL1イナーシャトルクTcl1_iから推定される(ステップS2)。
したがって、クランク角センサが検出できてない低エンジン回転領域において、精度良くCL1トルク指令値が補正される。
(e) CL1イナーシャトルクTcl1_iは、CL1トルク指令値TTCL1からエンジンフリクションTeng_fricを除く演算により算出される(ステップS3)。
すなわち、エンジン始動制御開始時のCL1トルク指令値TTCL1には、エンジンフリクションTeng_fricによるトルク分が含まれるが、エンジンフリクションTeng_fricによるトルク分は、エンジン1の回転上昇のために使われない。
したがって、CL1トルク指令値TTCL1からエンジンフリクションTeng_fricによるトルク分を除外することで、CL1イナーシャトルクTcl1_iが精度良く算出される。
(f) CL1トルク指令値TTCL1は、ストローク−トルクマップ(図11)を用い、トルクをストロークに変換し、変換したストロークを、油圧応答の遅れを考慮したストロークに換算し、換算したストロークを、再度トルク変換することで得られる値とした(ステップS3)。
すなわち、ストローク応答は、ATF温度により変化するので、むだ時間で設定するのは難しく、ストローク空走時間を考慮する場合、トルクをストロークに変化した方が、図12に示すように、ストローク開始からトルク伝達点までの油圧応答の遅れによるストローク空走時間を精度良く模擬できる。
したがって、ストローク空走時間を考慮することで、CL1イナーシャトルクTcl1_iが精度良く算出される。
[CL1トルク指令値学習補正作用]
CL1トルク指令値補正制御のうち、CL1トルク指令値学習補正作用を、図10のフローチャートと、図14(b)および図15のタイムチャートに基づいて説明する。
エンジン始動時、学習許可条件が成立し、かつ、モータトルク飽和判定がOFFであると、図10のフローチャートにおいて、ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS15→ステップS16→エンドへと進む。
エンジン始動時、学習許可条件が成立し、かつ、モータトルク飽和判定がONであるが、CL1補正トルクがCL1補正トルク≧0であると、図10のフローチャートにおいて、ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS15→ステップS16→エンドへと進む。
エンジン始動時、学習許可条件が成立し、かつ、モータトルク飽和判定がONであり、かつ、CL1補正トルクがCL1補正トルク<0であると、図10のフローチャートにおいて、ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS13→ステップS14→ステップS15→ステップS16→エンドへと進む。
そして、ステップS16において、CL1補正トルクTcl1_hoseiと学習値TCL1_learnを反映させて最終CL1トルク指令値TTCL1_lastが、CL1トルク指令値TTCL1とCL1補正トルクTcl1_hoseiと学習値TCL1_learn(ステップS14)の合算により算出される。つまり、最終CL1トルク指令値が算出された場合、図13に示すように、最終CL1トルク指令値と、ストローク−トルクマップ(図11)を用いて、トルクがストローク変換され、目標ストロークが求められる。そして、第1クラッチ4(CL1)は、実ストロークを目標ストロークに一致させる制御により、最終CL1トルク指令値に対応する実CL1トルクが得られる。
したがって、エンジン始動時、図14(a)に示すように、時刻t2から時刻t3までのエンジン回転数の所定範囲で学習(積算)が許可されると、図9のステップS5で記憶したCL1補正トルクが補正トルク積算値Tcl1_sekisanとして積算される。そして、次回のエンジン始動時には、図14(b)に示すように、エンジン始動開始時刻t0から出力されているCL1トルク指令値に学習値TCL1_iearnが合算される。そして、補正実施判定条件が成立する補正開始時刻t1から補正終了時刻t3までは、さらに、CL1補正トルクTcl1_hoseiが合算され、補正終了時刻t3以降は、最終CL1トルク指令値TTCL1_lastの出力が維持される。
このため、エンジン始動時、図14(b)のトルク特性から明らかなように、CL1トルク指令値TTCL1に予め学習値TCL1_iearnを合算しておくことで、補正量を小さく抑えることができる。さらに、学習補正を行うことで、図15のタイムチャートの矢印Aに示すように、最初は外乱推定値から学習値を算出するが、図15のタイムチャートの矢印Bに示すように、次回のエンジン始動で指令値に上乗せすることで、補正トルクが小さくなる。そして、エンジン始動を繰り返す毎に学習経験を積み重ねてゆくことで、最終的には、図15のタイムチャートの矢印Cに示すように、外乱推定値が学習値に収束し、補正トルクが徐々にゼロに収束していくものとなる。この学習補正によって、エンジン回転数(=クランキング回転数)が滑らかな勾配を描きながら上昇する図14(b)のエンジン回転数特性から明らかなように、第1クラッチ4(CL1)のトルク容量制御精度の更なる向上が図られる。そして、実施例1のCL1トルク指令値学習補正は、下記の(g)〜(j)の特長を有する。
(g) 学習補正を許可する条件として、エンジン回転数条件とCL2スリップ条件とCL1トルク指令値条件とATF温度条件を用いる(ステップS7)。
すなわち、エンジン回転数条件は、第1エンジン回転数NE1以上で第2エンジン回転数NE2以下のとき学習を許可する。第1エンジン回転数NE1(例えば、200rpm)未満の低回転数域の場合は、圧縮反力やフリクションのばらつきがあるため学習しない。また、第2エンジン回転数NE2(例えば、500rpm)を超える高回転数域の場合は、初爆トルクによるエンジン回転上昇するため学習しない。
CL2スリップ条件は、スリップ回転が所定値(例えば、20rpm)以上のとき学習を許可する。つまり、CL2スリップしていない状態は、第1クラッチ4(CL1)もしくは第2クラッチ5(CL2)が容量過多の可能性がるため学習を許可しない。
CL1トルク指令値条件は、CL1トルク指令値が所定範囲内のみで学習を許可する。
各学習補正のとき、CL1トルク指令値が異なると、CL1補正トルクが変わるためCL1トルク指令値の範囲を限定することで学習精度を上げる。
ATF温度条件は、ATF温度により第1クラッチ4(CL1)の応答が変わるため、第1クラッチ4(CL1)が想定通り動く温度範囲で学習を実施する。
したがって、誤学習を防止することで、学習補正精度が向上する。
(h) エンジン始動時のモータトルクとモータ上限トルクとの差が所定値以下である状態が所定時間継続した場合、モータトルク飽和と判定し、モータトルク飽和判定をONとし、次回更新する学習量を小さくする(ステップS9→ステップS11)。
すなわち、モータトルク飽和時は、第1クラッチ4(CL1)、または、第2クラッチ5(CL2)の容量過多の可能性がある。
このため、モータトルク飽和と判定されたとき、学習する量を小さくすることで、誤学習が防止される。
(i) CL1補正トルク<0(CL1トルク指令値を増加する補正トルク)であるとき、次回更新する学習量を小さくする(ステップS10→ステップS11)。
すなわち、CL1トルク指令値を増加する補正が行われるときは、第1クラッチ4(CL1)の容量過多の可能性がある。
このため、CL1トルク指令値を増やす側の補正は小さくし、CL1トルク指令値を減らす側の補正は小さくしないことにより、学習精度が向上する。
(j) 少なくともモータトルク飽和を判定した場合、既にCL1トルク指令値TTCL1に合算している掴む側の学習値を小さくする(ステップS16)。
上記のように、モータトルク飽和時は、第1クラッチ4(CL1)、または、第2クラッチ5(CL2)の容量過多の可能性がある。
このため、少なくともモータトルク飽和を判定した場合、CL1トルク指令値TTCL1から学習分を除くように小さくすることで、第1クラッチ4(CL1)の容量過多が防止され、第2クラッチ5(CL2)のCL2スリップが維持し易くなる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジン1と、
モータ(モータジェネレータ2)と、
前記エンジン1と前記モータ(モータジェネレータ2)の間に介装され、前記モータ(モータジェネレータ2)をスタータモータとするエンジン始動時に接続される第1クラッチ4(CL1)と、
前記モータ(モータジェネレータ2)と駆動輪(タイヤ7,7)の間に介装され、前記エンジン始動時にスリップ締結される第2クラッチ5(CL2)と、
前記第1クラッチ4(CL1)を接続するエンジン始動時、第1クラッチ伝達トルクをエンジン回転数から推定し、推定結果に基づいて、第1クラッチトルク指令値(CL1トルク指令値TTCL1)を補正する第1クラッチトルク指令値補正制御手段(図9,図10)と、
を備える。
このため、エンジン始動時に接続される第1クラッチ4(CL1)のトルク容量制御精度を向上させることにより、第1クラッチ4(CL1)の耐久信頼性を確保しながら、エンジン始動時間やエンジン始動ショックのばらつき低減を達成することができる。
(2) 前記第1クラッチトルク指令値補正制御手段(図9,図10)は、第1クラッチ補正トルクTcl1_hoseiを、第1クラッチトルク指令値TTCL1から算出した第1クラッチイナーシャトルクTcl1_iと、エンジン回転数から算出した推定第1クラッチトルクT^cl1と、の差から算出し、前記第1クラッチ補正トルクTcl1_hoseiにより出力される前記第1クラッチトルク指令値TTCL1を補正する第1クラッチトルク指令値出力補正部(図9)を有する。
このため、(1)の効果に加え、エンジン始動時、出力されるCL1トルク指令値TTCL1を補正することで、第1クラッチ4(CL1)のトルク容量制御精度の向上を図ることができる。
(3) 第1クラッチトルク指令値出力補正部(図9)は、前記推定第1クラッチトルクT^cl1を、エンジン回転加速度We_dotとエンジンナーシャJeから算出する(ステップS2)。
このため、(2)の効果に加え、エンジン始動時における第1クラッチ5(CL1)の伝達トルク推定値をあらわす推定CL1トルクT^cl1を、精度良く推定することができる。
(4) 前記第1クラッチトルク指令値出力補正部(図9)は、前記エンジン回転加速度We_dotを、エンジン低回転域において第1クラッチイナーシャトルクTcl1_iから算出する(ステップS2)。
このため、(3)の効果に加え、クランク角センサが検出できてない低エンジン回転領域において、精度良くCL1トルク指令値TTCL1を補正することができる。
(5) 前記第1クラッチトルク指令値出力補正部(図9)は、前記第1クラッチイナーシャトルクTcl1_iを、第1クラッチトルク指令値TTCL1とエンジンフリクションTeng_fricの差から算出する(ステップS3)。
このため、(2)〜(4)の効果に加え、CL1トルク指令値TTCL1からエンジンフリクションTeng_fricによるトルク分を除外することで、CL1イナーシャトルクTcl1_iを精度良く算出することができる。
(6) 前記第1クラッチトルク指令値出力補正部(図9)は、前記第1クラッチトルク指令値TTCL1を、ストローク−トルクマップ(図11)を用い、トルクをストロークに変換し、変換したストロークを、油圧応答を考慮したストロークに換算し、換算したストロークを、再度トルク変換を行うことで得られる値とした(ステップS3、図12)。
このため、(5)の効果に加え、ストローク空走時間を考慮することで、CL1イナーシャトルクTcl1_iを精度良く算出することができる。
(7) 前記第1クラッチトルク指令値出力補正部(図9)は、前記第1クラッチトルク指令値TTCL1の補正を実施する判定条件として、少なくとも、第1クラッチスリップ条件とモータ回転数条件とエンジン回転数条件を用いる(ステップS1)。
このため、(2)〜(6)の効果に加え、CL1トルク指令値の補正を実施する判定条件を設定することで、誤ったCL1トルク指令値TTCL1の補正を防止することができる。
(8) 前記第1クラッチトルク指令値出力補正部(図9)は、前記エンジン回転数条件を、エンジン1が初爆する回転数以下とする(ステップS1)。
このため、(7)の効果に加え、エンジン1の初爆回転数以下で補正を実施することで、誤ったCL1トルク指令値の補正を防止することができる。
(9) 前記第1クラッチトルク指令値補正制御手段(図9,図10)は、エンジン始動時、補正に用いた前記第1クラッチ補正トルクTcl1_hoseiを学習値TCL1_learnとして記憶し(図9のステップS5)、次回のエンジン始動時において予め学習値TCL1_learnを指令値に合算する第1クラッチトルク指令値学習補正部(図10)を有する。
このため、(1)の効果に加え、外乱推定値が学習値に収束し、補正トルクが徐々にゼロに収束させながら、第1クラッチ4(CL1)のトルク容量制御精度の更なる向上を図ることができる。
(10) 前記第1クラッチトルク指令値学習補正部(図10)は、学習補正を許可する条件として、少なくとも、エンジン回転数条件と第2クラッチスリップ条件と第1クラッチトルク指令値条件と作動油温度条件(ATF温度条件)を用いる(ステップS7)。
このため、(9)の効果に加え、誤学習を防止する条件設定により、学習補正精度を向上させることができる。
(11) 前記第1クラッチトルク指令値学習補正部(図10)は、エンジン始動時にモータトルクとモータ上限トルクとの差が所定値以下である状態が所定時間継続した場合、モータトルク飽和と判定し、モータトルク飽和を判定した場合(ステップS9でYes)、次回更新する学習量を小さくする(ステップS11)。
このため、(9)または(10)の効果に加え、モータトルク飽和と判定されたとき、学習する量を小さくすることで、誤学習を防止することができる。
(12) 前記第1クラッチトルク指令値学習補正部(図10)は、第1クラッチトルク指令値TTCL1の補正が第1クラッチトルク容量を増やす補正である時、前記学習量を小さくする(ステップS10→ステップS11)。
このため、(11)の効果に加え、CL1トルク指令値を増やす側の補正は小さくし、CL1トルク指令値を減らす側の補正は小さくしないことにより、学習精度を向上させることができる。
(13) 前記第1クラッチトルク指令値学習補正部(図10)は、少なくともモータトルク飽和を判定した場合、既に第1クラッチトルク指令値TTCL1に合算している掴む側の学習値TCL1_learnを小さくする(ステップS16)。
このため、(11)または(12)の効果に加え、このため、少なくともモータトルク飽和を判定した場合、CL1トルク指令値TTCL1から学習分を除くように小さくすることで、第1クラッチ4(CL1)の容量過多を防止できると共に、第2クラッチ5(CL2)のCL2スリップを維持し易くすることができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、最終CL1トルク指令値TTCL1_lastを補正する例を示した。しかし、この最終CL1トルク指令値TTCL1_lastにCL1補正トルクTcl1_hoseiや学習値TCL1_learnを反映する方法の他に、図16に示すように、トルク−ストロークマップを補正する方法であっても良い。なぜなら、トルク−ストロークマップは、トルクをストロークに換算するマップであるため、トルク補正とストローク補正は同義となることによる。なお、トルク−ストロークマップを補正する場合、ゼロトルク点は固定とし、基準マップによる特性の傾きを変更する補正を行う。
実施例1では、エンジンとモータジェネレータとの間に第1クラッチが介装された1モータ2クラッチタイプのパワートレーン系を持つ後輪駆動のハイブリッド車両に対し適用した例を示した。しかし、1モータ2クラッチタイプのパワートレーン系を持つ前輪駆動のハイブリッド車両に対し適用することができる。
1 エンジン
2 モータジェネレータ(モータ)
3 自動変速機
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
6 ディファレンシャルギア
7 タイヤ(駆動輪)
8 インバータ
9 バッテリ
10 エンジン回転センサ
11 MG回転センサ
12 AT入力回転センサ
13 AT出力回転センサ
14、15 ソレノイドバルブ
16 SOCセンサ
17 アクセル開度センサ
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータコントローラ
23 CL1ストロークセンサ

Claims (12)

  1. エンジンと、
    モータと、
    前記エンジンと前記モータの間に介装され、前記モータをスタータモータとするエンジン始動時に接続される第1クラッチと
    記第1クラッチを接続するエンジン始動時、第1クラッチ伝達トルクをエンジン回転数から推定し、推定結果に基づいて、第1クラッチトルク指令値を補正する第1クラッチトルク指令値補正制御手段と、
    を備え
    前記第1クラッチトルク指令値補正制御手段は、第1クラッチ補正トルクを、第1クラッチトルク指令値から算出した第1クラッチイナーシャトルクと、エンジン回転数から算出した推定第1クラッチトルクと、の差から算出し、前記第1クラッチ補正トルクにより出力される前記第1クラッチトルク指令値を補正する第1クラッチトルク指令値出力補正部を有する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値出力補正部は、前記推定第1クラッチトルクを、エンジン回転加速度とエンジンイナーシャから算出することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値出力補正部は、前記エンジン回転加速度を、エンジン低回転域において第1クラッチイナーシャトルクから算出することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値出力補正部は、前記第1クラッチイナーシャトルクを、第1クラッチトルク指令値とエンジンフリクションの差から算出することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値出力補正部は、前記第1クラッチトルク指令値を、ストローク−トルクマップを用い、トルクをストロークに変換し、変換したストロークを、油圧応答を考慮したストロークに換算し、換算したストロークを、再度トルク変換を行うことで得られる値としたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1から請求項5までの何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値出力補正部は、前記第1クラッチトルク指令値の補正を実施する判定条件として、少なくとも、第1クラッチスリップ条件とモータ回転数条件とエンジン回転数条件を用いることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項6に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値出力補正部は、前記エンジン回転数条件を、エンジンが初爆する回転数以下とすることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値補正制御手段は、エンジン始動時、補正に用いた前記第1クラッチ補正トルクを学習値として記憶し、次回のエンジン始動時において予め学習値を指令値に合算する第1クラッチトルク指令値学習補正部を有することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  9. 請求項8に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータと駆動輪の間に介装され、前記エンジン始動時にスリップ締結される第2クラッチと、
    前記第1クラッチトルク指令値学習補正部は、学習補正を許可する条件として、少なくとも、エンジン回転数条件と第2クラッチスリップ条件と第1クラッチトルク指令値条件と作動油温度条件を用いることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値学習補正部は、エンジン始動時にモータトルクとモータ上限トルクとの差が所定値以下である状態が所定時間継続した場合、モータトルク飽和と判定し、モータトルク飽和を判定した場合、次回更新する学習量を小さくすることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  11. 請求項10に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値学習補正部は、第1クラッチトルク指令値の補正が第1クラッチトルク容量を増やす補正である時、前記学習量を小さくすることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチトルク指令値学習補正部は、少なくともモータトルク飽和を判定した場合、既に第1クラッチトルク指令値に合算している掴む側の学習値を小さくすることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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