JP5552367B2 - 温度ヒューズおよび温度ヒューズの製造方法 - Google Patents
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また、当該温度ヒューズを備えた電気機器に高電流を通電する場合、最後に分断する可溶合金条(偏在した箇所の可溶合金条)に負荷が集中する事により、温度ヒューズを内装する外装体(例えば耐熱フィルム)に損傷を生じる場合があった。
また、接合部を含む低融点可溶合金の量や接合部の面積に対して十分な幅の開口部を設定することについても、同様の効果を奏することができる。
また、一対のリード導体の対向端部の間隔(対向面部の間隔)にも低融点可溶合金を充填することで、従来の温度ヒューズの構成に比べて、より高い定格電圧、定格電流に対応することができる。それと共に、温度ヒューズの小型化、高容量化を図ることができる。
また、一対のリード導体1、1の対向面部111、111(対向端部11、11)の間隔Dに溶接する低融点可溶合金2の量を調節することで、一対のリード導体1、1の対向面部111、111(対向端部11、11)の間隔Dに低融点可溶合金2を充填することも可能である。
また、接合部2を含む低融点可溶合金3の量や接合部3の面積に対して十分な幅の開口部7を設定することについても、同様の効果を奏することができる。
また、一対のリード導体1、1の対向端部11、11の間隔D(対向面部111、111の間隔D)にも低融点可溶合金2を充填することで、従来の温度ヒューズの構成に比べて、より高い定格電圧、定格電流に対応することができる。それと共に、温度ヒューズの小型化、高容量化を図ることができる。
また、並列させた場合、それぞれの間隔が一定ではない不具合が生じる可能性があり、出来上がる温度ヒューズを構成するヒューズ片の位置関係に不具合が生じる。その点で、工場におけるライン単位となると本発明のほうが経済的にも優れている。
また、開口部7がなす上面視の形状は、矩形状、つづみ状、真円状、長円状、正方形、菱形などの種々のものを採用することができる。
本実施形態では、対向するリード導体先端端面間への入り込みを行った低融点可溶合金部分でもあり、接合部3の長手方向中央部近傍(一対のリード導体1、1の間隔D近傍)において、低融点可溶合金2の幅方向両端部に2カ所、幅方向内側に切り欠いた切欠部25を設けている。
このような構成にすることにより、低融点可溶合金2の球状化分断が生じ易くなり、リード導体1、1間の低融点可溶合金2の溶断不良を防止することができる。
また、詳細は図5で後述するが、切欠部25、25を設けたことにより、フラックス4が当該切欠部25、25に入り込み、幅方向での温度ヒューズ全体の大きさを、切欠部がない状態と比較して小さくすることができ、結果として、幅方向端部におけるフラックス4の突出を防ぎ、温度ヒューズの幅方向の拡がりを抑え、当該切欠部25、25が温度ヒューズの小型化に貢献することができる。
また、溶断を生じ易くするために低融点可溶合金2の中央部両側に切欠部25、25を設けたとしても、リード導体先端端面11、11間に入り込んだ低融点可溶合金部分21のために、低融点可溶合金2の中央部における断面積を十分に確保でき、電流容量を確保することができる。
なお、低融点可溶合金2と封着剤9とが直接接触していると、可溶合金が溶融しても封着剤が糊のように可溶合金に着いているために、可溶合金を溶断することができない。そこで、低融点可溶合金2と封着剤9との間にフラックス4を設けている。このとき、温度ヒューズの幅方向の大きさを小さくするために、切欠部25、25は幅方向両端部に設けていることが望ましい。また、耐熱フィルム8の大きさが大きくてもいい場合は切欠部25、25を設けない構成にしてもよい。
上側フラックス41は、帯状リード導体1の端部上面に溶接された低融点可溶合金2を100%覆うように塗布されている。上面側フラックス31の塗布厚みは、帯状リード導体の端部上面に溶接された低融点可溶合金部分の平均厚みの70〜100%とすることが好ましい。
下側フラックス42の塗布厚みは、温度ヒューズ本体の下面側から低融点可溶合金への熱伝達性(感温性)を保証するために、下面側絶縁体厚み(下側フィルムと下側接着剤との総厚み)の50%以下とすることが好ましい。
フラックス4には、ロジン系を主成分とし、活性剤、例えば、ジカルボン酸(例えば、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸等)を添加したものを使用する。
また、温度ヒューズ本体の下面側からの熱伝達に対し、低融点可溶合金の入り込み厚みだけ低熱伝達物(フラックス)の厚みを薄くできるから、下面側からの感熱性をそれだけアップできる。
このように構成することにより、複数のリード片付きヒューズ素子を並列に用いて高容量化した場合に比べて、低融点可溶合金2またはフラックス4等の接合部材が均一で連続した同一単体のものを使用したこととなり、かつ、均一に塗布されることになるため、それぞれの温度ヒューズの動作は一定のものを得ることができ、信頼性は高くなる。
また、複数個の開口部7aを設けることで、低融点可溶合金2の数を調節し、あらゆる電気容量に対応させることができる。
低融点可溶合金2の幅に変化を持たせることによって、最終的に溶断することで負荷が集中する可溶合金を指定することができ、耐熱フィルムの部分強化等の対策を施すことが可能となる。動作電流が流れているときにアークが発生するため、最後に動作する箇所の低融点可溶合金の幅が最大であることが望ましい。
10 長尺状条材
11 対向端部
111 対向面部
112 上面部
113 下面部
2 低融点可溶合金
20 溶湯
21 入り込み部分
22 長手方向の端部
25 切欠部
3 接合部
4 フラックス
41 上側フラックス
42 下側フラックス
5 リード導体付き低融点可溶合金(リード片付きヒューズ素子)
50 温度ヒューズ
7 開口部
8 耐熱フィルム
9 封着剤
A 作業台
B 半田ごて
D 一対のリード導体の長手方向の間隔
P 開口部の長手方向の寸法
Q 接合部の長手方向の寸法
Claims (12)
- 長手方向に間隔を隔てて対向する一対のリード導体と、
前記各リード導体の対向端部に低融点可溶合金を溶接して前記一対のリード導体を接合した接合部と、
前記接合部または前記接合部を含む前記一対のリード導体の中央部近傍の位置において厚さ方向に貫通した開口部と、
を有し、
前記開口部の長手方向の大きさが、前記接合部の長手方向全体の大きさと同等に設定しているかまたは前記接合部の長手方向全体の大きさより大きくなるように設定している温度ヒューズ。 - 前記リード導体の対向端部は、
前記一対のリード導体の各対向面部と、
前記各対向面部に連続した面である各上面部および/または各下面部と、
を含んでなる請求項1に記載の温度ヒューズ。 - 前記開口部が、
前記接合部の前記長手方向に垂直な方向である幅方向に亘って、
複数個間隔をおいて並列にそれぞれ設けられている請求項1または請求項2に記載の温度ヒューズ。 - 前記各リード導体の対向端部にそれぞれ溶接される複数の前記低融点可溶合金の間で、前記低融点可溶合金の寸法が、幅方向に亘って不均一である請求項1から請求項3のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記開口部の前記長手方向の寸法は、前記接合部を含む前記低融点可溶合金の長手方向全体の寸法より大きい請求項1から請求項4のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記低融点可溶合金の少なくとも幅方向一方に切欠部を設けた請求項1から請求項5のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記接合部の長手方向中央部近傍において、前記低融点可溶合金の幅方向両端部に前記切欠部を設けた請求項6記載の温度ヒューズ。
- 前記間隔の長手方向中央部近傍に位置する低融点可溶合金の中央部近傍の厚さ寸法が、前記リード導体の対向面部を含む前記接合部分より厚くなっている請求項1から請求項7のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記一対のリード導体と、
前記リード導体間を接続するように接合した低融点可溶合金と、
前記低融点可溶合金の表裏両側から封着剤を介して前記低融点可溶合金を前記リード導体の一部と共に上下方向に挟み込んで互いに密着する耐熱フィルムと、
を備える請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の温度ヒューズ。 - 二次電池に接触して取り付けられる請求項1から請求項9のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記低融点可溶合金にフラックスを塗布している請求項1から請求項10のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 長手方向に間隔を隔てて対向する一対のリード導体と、
前記各リード導体の対向端部に低融点可溶合金を溶接して前記一対のリード導体を接合した接合部と、
前記接合部または前記接合部を含む前記一対のリード導体の中央部近傍の位置において厚さ方向に貫通した開口部と、
を有し、
前記開口部の長手方向の大きさが、前記接合部の長手方向全体の大きさと同等に設定するかまたは前記接合部の長手方向全体の大きさより大きくなるように設定する温度ヒューズの製造方法。
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