JP5549783B2 - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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Description

本発明は、外部から加わる衝撃エネルギーを座屈変形しながら吸収する衝撃吸収部材に関する。
近年、自動車などの分野では、燃費や運動性能の向上を図る一方、更なる衝突安全性の向上が求められている。自動車の車体は、軽量化と高剛性化を両立させるため、モノコックボディと呼ばれるフレームとボディとを一体化した車体構造が一般的に採用されている。また、自動車の車体には、衝突時に運転手および同乗者の生存空間を確保するため、例えばエンジンルールやトランクルームなどの客室以外の空間を優先的に潰しながら、客室に加わる衝撃をできるだけ緩和し、客室の変形を最小限に留める、いわゆる衝撃吸収構造が広く採用されている。
従って、衝突安全性に優れた車体構造とするためには、衝突時の衝撃エネルギーを如何に有効に吸収させるかが重要な課題となる。このため、衝突時の衝撃エネルギーを効率良く吸収させるための衝撃吸収部材の開発が積極的に進められている(例えば、特許文献1〜16を参照。)。
一般に、衝撃吸収部材には、鋼板をプレス成形したものを溶接等で接合し、中空柱状に成形した薄肉構造体(中空柱状部材)が用いられる。また、衝撃吸収部材は、上述した軽量化と高剛性化を両立させるため、例えば四角形や六角形などの多角形状の断面を有た中空部材より成る。このような衝撃吸収部材は、例えば車体のフロントサイドメンバーなどに使用されており、衝突時にその一端側から衝撃荷重を受けたときに、軸線方向に座屈変形(軸圧潰)することで衝撃エネルギーを吸収する。従って、衝撃吸収性能を高めるためには、このような座屈変形を効率良く生じさせることと、その座屈荷重を高めることの2つが重要となる。
従来、このような課題に対する材料面からの対策として、衝撃吸収部材板を製造するために、比較的厚い鋼板や、比較的強度の高い高強度鋼板を用いたりして、座屈荷重を高めることが行われている。一方、構造面からの対策としては、ビードと呼ばれる座屈変形の端緒を与える窪み(ビード部)を設けて、効率良く座屈変形を生じさせることが行われている。また、中空の衝撃吸収部材の断面を多角形状とすることで、座屈荷重を高めることが行われている。
然しながら、上述した衝撃吸収部材の板厚を厚くすることは、部材の重量増加につながるため、この衝撃吸収部材を採用する車体の重量増加を招き、その結果として自動車の燃費や走行性能を悪化させることになる。また、高強度鋼板は、その強度に反比例して伸び率が低下するのが一般的である。このため、成形性も悪化し、現状では衝撃吸収部材用鋼板の高強度化には自ずと限界がある。
ところで、単に衝撃吸収部材の座屈荷重を増加させることは、座屈を生じさせる最低衝撃荷重の増大につながる。この場合、衝撃吸収部材に加わる衝撃荷重が衝撃吸収部材の変形によって吸収されることなく、そのまま客室などの他の構造部分へと伝わることになる。また、本来は変形すべきでない箇所に座屈変形が生じたり、客室の変形により運転手および同乗者の生存空間を確保することが困難となったり、大きな加速度変化が運転手および同乗者に加わったりすることで、運転手および同乗者への傷害の危険性が高まることになる。
このため、衝撃吸収部材では、例えば、座屈の開始端から断面形状を極力一定に保ちながら、座屈による変形量を確保するために、衝撃吸収部材を直線化する設計がなされている。また、衝撃吸収部材に加わる初期衝撃荷重を低下させるために、上述したビードの配置によって衝突時に蛇腹状の座屈変形を安定して生じさせることが行われている。
然しながら、上述したビードの配置については、それを求める確固とした理論はなく、衝撃吸収部材に対する座屈試験やコンピューターシミュレーションなどを多数繰り返すことによって求めているのが現状である。このため、各種の車両毎に上記実験やシミュレーションを繰り返す必要があり、設計効率が悪いだけでなく、実際の衝突時に予想される様々な荷重条件や座屈モードに対応することができないために、そのような手法を用いてビードの配置を最適化することは非常に困難である。
特開2009−286221号公報 特開2009−285668号公報 特開2009−168115号公報 特開2009−154587号公報 特開2009−113596号公報 特開2008−018792号公報 特開2007−030725号公報 特開2006−207726号公報 特開2006−207724号公報 特開2005−225394号公報 特開2005−153567号公報 特開2005−001462号公報 特開平10−138950号公報 特開平09−277954号公報 特開平09−277953号公報 特開平2011−56997号公報
ところで、上述した衝撃吸収部材を蛇腹状に座屈変形させる座屈モード(Compact-mode)の中には、「凹凸混合モード」と呼ばれるものと、「凹凸独立モード」と呼ばれるものがある。このうち、凹凸混合モードは、衝撃荷重を加えることによって蛇腹状に座屈変形した中空柱状の衝撃吸収部材の任意の横断面において、蛇腹の谷部(凹部)と山部(凸部)が混在する変形モードである。一方、凹凸独立モードは、同じく任意の横断面において、凹部または凸部のみが存在する変形モードである。この場合、凹凸独立モードは、凹凸混合モードよりも部材全体に対する変形部分の割合が大きくなるため、その変形量(潰れ量)に対する衝撃エネルギーの吸収量が高く、優れた衝撃吸収性能を発揮することが可能となる。
然しながら、従来の衝撃吸収部材では、軸線方向に蛇腹状に座屈変形させながら、その衝撃エネルギーの吸収量を高めることについて様々な工夫がなされているものの、上述した凹凸独立モードを意図的に誘発させることについては全く考慮されていなかった。すなわち、従来の衝撃吸収部材による座屈モードは、凹凸混合モードが主であり、凹凸独立モードを発生させるメカニズムまでは解明されていなかった。
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、衝撃吸収特性に優れた衝撃吸収部材、特に、凹凸独立モードを意図的に誘発させることを可能とした衝撃吸収部材を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明によれば、軸線と、該軸線に対して平行に延びる複数の矩形状壁部と、前記軸線に対して垂直な多角形断面とを有し、外部から加わる衝撃エネルギーを前記軸線方向に座屈変形しながら吸収する、前記軸線方向に延びる中空柱状の衝撃吸収部材において、前記複数の壁部のうち少なくとも二組の隣接する壁部によって形成される少なくとも2つの角部から突出する少なくとも2つのフランジ部を具備し、該少なくとも2つのフランジ部は、その前記角部から突出する方向が周方向において同じ方向を向くように配置されている衝撃吸収部材が提供される。
前記衝撃吸収部材は、少なくとも1つの壁部にビード部を設けることができる。ビード部は、該衝撃吸収部材の外表面から凹んだディンプルまたは外表面から突出した膨隆とすることができる。ディンプルは、周方向においてフランジ部が突出する方向とは逆方向に位置する角部側に偏倚させて配置され、膨隆は、周方向においてフランジ部が突出する方向に位置する角部側に偏倚させて配置されることが好ましい。
さらに、前記壁部および/または角部に、軸線方向に座屈変形するときに各角部の稜線が周方向において同じ方向に倒れ込みながら座屈し始めるように、その方向を決定するための座屈誘発部を設けることによって、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることができる。
以上のように、本発明によれば、衝撃吸収特性に優れた衝撃吸収部材を提供することが可能であり、特に、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることによって、軸線方向に効率良く座屈変形を生じさせることができ、その結果、外部から加わる衝撃エネルギーの吸収量を高めて、優れた衝撃吸収性能を発揮することが可能となる。
正方形状の断面を有した中空柱状部材に、その一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えたときに、中空柱状部材に生じる変形をFEM数値解析により求めた斜視図であり、局所的な座屈によって折れ曲がった状態を示す図である。 図1Aと同様の中空柱状部材に生じる変形をFEM数値解析により求めた斜視図であり、軸線方向に不規則に座屈変形した非コンパクトモードを示している。 図1Aと同様の中空柱状部材に生じる変形をFEM数値解析により求めた斜視図であり、軸線方向に蛇腹状に座屈変形するコンパクトモードのうち凹凸混合モードを示す図である。 図1Aと同様の中空柱状部材に生じる変形をFEM数値解析により求めた斜視図であり、軸線方向に蛇腹状に座屈変形するコンパクトモードのうち凹凸独立モードを示す図である。 凹凸混合モードにおける中空柱状部材の軸線に対して垂直な任意の横断面を例示する模式図である。 凹凸混合モードにおける中空柱状部材の軸線に対して垂直な図2Aとは異なる他の横断面を例示する模式図である。 凹凸独立モードにおける中空柱状部材の軸線に対して垂直な任意の横断面を示す模式図である。 凹凸独立モードにおける中空柱状部材の軸線に対して垂直な図3Aとは異なる他の横断面を例示する模式図である。 フランジ部が突出する方向を説明するための断面模式図であり、フランジ部が一方の壁部に沿って延長された構成を示す図である。 フランジ部が突出する方向を説明するための断面模式図であり、フランジ部が一方およ他方の壁をそれぞれ異なる角度で折り曲げることによって形成されている構成を示す図である。 本発明による衝撃吸収部材の1つの実施の形態における座屈変形を説明するための断面模式図である。 本発明による衝撃吸収部材の他の実施の形態における座屈変形を説明するための断面模式図である。 本発明による衝撃吸収部材の更に別の実施の形態における座屈変形を説明するための断面模式図である。 本発明による衝撃吸収部材の更に別の実施の形態における座屈変形を説明するための断面模式図である。 本発明による衝撃吸収部材の更に別の実施の形態における座屈変形を説明するための断面模式図である。 本発明による衝撃吸収部材の更に別の実施の形態を示す斜視図である。 本発明による衝撃吸収部材の更に別の実施の形態を示す斜視図である。 本発明による衝撃吸収部材の更に別の実施の形態を示す斜視図である。 本発明による衝撃吸収部材の更に別の実施の形態を示す斜視図である。 本発明による衝撃吸収部材の更に別の実施の形態を示す斜視図である。 比較例1の各衝撃吸収部材について衝撃荷重を加える前の状態を示す斜視図である。 実施例1の各衝撃吸収部材について衝撃荷重を加える前の状態を示す斜視図である。 実施例2の各衝撃吸収部材について衝撃荷重を加える前の状態を示す斜視図である。 実施例3の各衝撃吸収部材について衝撃荷重を加える前の状態を示す斜視図である。 実施例4の各衝撃吸収部材について衝撃荷重を加える前の状態を示す斜視図である。 比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形状態をFEM数値解析により求めた斜視図である。 実施例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形状態をFEM数値解析により求めた斜視図である。 実施例2の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形状態をFEM数値解析により求めた斜視図である。 実施例3の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形状態をFEM数値解析により求めた斜視図である。 実施例4の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形状態をFEM数値解析により求めた斜視図である。 実施例1と比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの衝撃吸収部材からの反力と変形量(潰れ量)との関係を測定したグラフである。 実施例2と比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの衝撃吸収部材からの反力と変形量(潰れ量)との関係を測定したグラフである。 実施例3と比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの衝撃吸収部材からの反力と変形量(潰れ量)との関係を測定したグラフである。 実施例4と比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの衝撃吸収部材からの反力と変形量(潰れ量)との関係を測定したグラフである。 実施例1と比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形量(潰れ量)と吸収したエネルギー量との関係を測定したグラフである。 実施例2と比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形量(潰れ量)と吸収したエネルギー量との関係を測定したグラフである。 実施例3と比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形量(潰れ量)と吸収したエネルギー量との関係を測定したグラフである。 実施例4と比較例1の衝撃吸収部材に衝撃荷重を加えたときの変形量(潰れ量)と吸収したエネルギー量との関係を測定したグラフである。
以下、本発明を適用した衝撃吸収部材について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明による衝撃吸収部材は、軸線と、該軸線に対して平行に延びる複数の矩形状壁部と、前記軸線に対して垂直な多角形断面とを有し、外部から加わる衝撃エネルギーを前記軸線方向に座屈変形しながら吸収する前記軸線方向に延びる中空柱状の衝撃吸収部材である。前記複数の壁部のうち少なくとも二組の隣接する壁部によって形成される少なくとも2つの角部から少なくとも2つのフランジ部が突出しており、該少なくとも2つのフランジ部は、その前記角部から突出する方向が周方向において同じ方向を向くように配置されている。
さらに、該衝撃吸収部材は、少なくとも1つの壁部にビード部を設けることができる。ビード部は、該衝撃吸収部材の外表面から凹んだディンプルまたは外表面から突出した膨隆とすることができる。ディンプルは、周方向においてフランジ部が突出する方向とは逆方向に位置する角部側に偏倚させて配置され、膨隆は、周方向においてフランジ部が突出する方向に位置する角部側に偏倚させて配置されることが好ましい。
以下、本発明を適用した衝撃吸収部材について、図面を参照して詳細に説明する。
図1A〜図1Dを参照すると、正方形状の断面を有する直線状の中空柱状部材に対して、その一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えたときに、この中空柱状部材に生じる各種の変形モードが示されている。図1A〜図1Dに示す変形モードは、これらの中空柱状部材に衝撃荷重を加えたときの変形状態をFEM(Finite Element Method)数値解析(コンピューターシミュレーション)により求めたものである。
図1Aは、局所的な座屈によって折れ曲がった状態を表している。一方、図1Bは、軸線方向に不規則に座屈変形した非コンパクトモードを表している。図1C、1Dは、軸線方向に蛇腹状に座屈変形するモード、すなわち軸線方向において山部と谷部とを交互に繰り返しながら圧潰するコンパクトモードを表している。特に、図1Cは、コンパクトモードのうち凹凸混合モードを表している。この凹凸混合モードは、図2A、2Bに模式的に例示する中空柱状部材の任意の横断面において、蛇腹の谷部(凹部)と山部(凸部)が混在して表れるモードである。これに対して、図1Dは、コンパクトモードのうち凹凸独立モードを表している。この凹凸独立モードは、図3A、3Bに模式的に示す中空柱状部材の任意の横断面において、蛇腹の谷部(凹部)または山部(凸部)のみが表れるモードである。「凹凸独立モード」および「凹凸混合モード」との用語は、「拡張モード(extension mode)」および「不拡張モード(inextension mode)」とも称されることがある。
この場合、図1Aに示す変形モードから図1Dに示す変形モードに向かうに従って、部材全体に対する変形部分の割合が大きくなる。従って、部材の変形量(潰れ量)に対する衝撃エネルギーの吸収量が最も高いのは、図1Dに示す凹凸独立モードである。すなわち、この凹凸独立モードは、軸線方向に最も効率良く座屈変形を生じさせることができるため、非常に優れた衝撃吸収性能を示すことになる。
上述したように、本発明を適用した衝撃吸収部材では、少なくとも2つの角部にフランジ部が設けられており、該フランジ部は、角部から突出する方向が周方向において同じ方向を向くように配置されている。これにより、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることが可能である。
ここで、フランジ部が突出する方向とは、例えば図4Aに模式的に示すフランジ部100Aのように、このフランジ部100Aを構成する一方の壁部101と当該フランジ部100Aとの為す角αと、他方の壁部102と当該フランジ部100Aとの為す角βとのうち、その開き角が小さくなる側の壁部(本図では、β<αにより他方の壁部102)が位置する方向を言い、この方向(向き)を衝撃吸収部材の周方向におけるフランジ部100Aが突出する方向としている。
また、図4Aでは、このフランジ部100Aが一方の壁部101に沿って延長された構成(β<α=180゜)となっているが、フランジ部は、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば図4Bに模式的に示すフランジ部100Bのように、一方の壁部101および他方の壁102をそれぞれ異なる角度で折り曲げてフランジ部100Bを構成(β<α<180゜)することも可能であり、場合によっては、β<180゜<αとなるフランジ部(図示せず。)を構成することも可能である。
例えば図5Aに示す正方形状の断面を有する中空部材より成る衝撃吸収部材1Aは、中心軸線Oと、該中心軸線Oの周囲に配置された4つの壁部1a、1b、1c、1dとを有しており、該4つの壁部1a、1b、1c、1dの各間を接合することによって、4つの角部1e、1f、1g、1hからフランジ部2a、2b、2c、2dが形成される。各フランジ部2a、2b、2c、2dは、その角部1e、1f、1g、1hから突出する方向Xが、軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Yを向くように配置されている。
この場合、衝撃吸収部材1の一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えることによって、各角部1e、1f、1g、1hの稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y、すなわち各フランジ部2a、2b、2c、2dに対する開き角が小さくなる側の壁部1a、1b、1c、1dが位置する方向Xに倒れ込みながら座屈し始める。これにより、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることができる。
また、図5Bに示す正方形状の断面を有する衝撃吸収部材1Bのように、壁部1a、1dからなるパネルと、壁部1b、1cからなるパネルとを壁部1a、1bの間と壁部1c、1dの間で接合することによって、2つの角部1e、1gからフランジ部2が突出して設けられた場合、各フランジ部2は、その角部1e、1gから突出する方向Xが軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Yを向くように配置する。
さらに、この衝撃吸収部材1Bにおいて、フランジ部2が設けられた角部1e、1gとは異なる角部1f、1hを挟んで隣接する一方の壁部1a、1cに、外表面から凹んだディンプル3を設けた場合、各ディンプル3は、当該壁部1a、1cの中央部に対して、軸線Oを中心とした周方向においてフランジ部2が突出する方向Xとは逆方向に位置する角部1f、1h側に偏倚させて配置する。
この場合、衝撃吸収部材1Bの一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えることによって、角部1e、1gの稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y、すなわち各フランジ部2に対する開き角が小さくなる側の壁部1b、1dが位置する方向Xに倒れ込みながら座屈し始める。また、角部1f、1hの稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y、すなわちディンプル3を設けた側(X方向)に倒れ込みながら座屈し始める。これにより、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることができる。
また、図5Cに示す正方形状の断面を有する衝撃吸収部材1Cのように、壁部1a′、1d′からなるパネルと、壁部1b′、1c′からなるパネルとを壁部1a′、1b′の間と壁部1c′、1d′の間で接合することによって、2つの角部1e′、1g′からフランジ部2′が突出して設けられた場合、各フランジ部2′は、角部1e′、1g′から突出する方向X′が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y′を向くように配置する。
さらに、この衝撃吸収部材1Cにおいて、フランジ部2′が設けられた角部1e′、1g′とは異なる角部1f′、1h′を挟んで隣接する一方の壁部1a′、1c′に、その外表面から突出した膨隆3′を設けた場合、各膨隆3′は、当該壁部1a′、1c′の中央部に対して、軸線Oを中心とした周方向においてフランジ部2′が突出する方向X′に位置する角部1f′、1h′側に偏倚させて配置する。
この場合、衝撃吸収部材1Cの一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えることによって、角部1e′、1g′の稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y′、すなわち各フランジ部2′に対する開き角が小さくなる側の壁部1a′、1c′が位置する方向X′に倒れ込みながら座屈し始める。また、角部1f′、1h′の稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y、すなわち膨隆3′を設けた側とは反対側(X′方向)に倒れ込みながら座屈し始める。これにより、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることができる。
本発明を適用した別の衝撃吸収部材では、上述したように1つの角部にフランジ部を設けると共に、少なくとも1つの壁部に衝撃吸収部材の外表面から凹んだディンプルまたは外表面から突出した膨隆を設る。ディンプルを設ける場合、該ディンプルは、軸線Oを中心とした周方向においてフランジ部が突出する方向とは逆方向に位置する角部側に偏倚させて配置する。膨隆を設ける場合、該膨隆は、軸線Oを中心とした周方向においてフランジ部が突出する方向に位置する角部側に偏倚させて配置する。これにより、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることが可能である。
例えば図6Aに示す正方形状の断面を有する衝撃吸収部材1Dのように、壁部1a、1d、1c、1bからなるパネルを壁部1a、1bの間で接合することによって、1つの角部1eからフランジ部2が突出して設けられた場合、このフランジ部2が設けられた角部1eとは異なる角部1f、1g、1hを挟んで隣接する一方の壁部1a、1c、1dに、衝撃吸収部材1Dの外表面から凹んだディンプル3を設け、かつ、各ディンプル3を、当該壁部1a、1c、1dの中央部に対して、軸線Oを中心とした周方向においてフランジ部2が突出する方向Xとは逆方向に位置する角部1f、1h、1g側に偏倚させて配置する。
この場合、衝撃吸収部材1Dの一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えることによって、角部1eの稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y、すなわち各フランジ部2に対する開き角が小さくなる側の壁部1bが位置する方向Xに向かって倒れ込みながら座屈し始める。また、それ以外の角部1f、1g、1hの稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y、すなわちディンプル3を設けた側(X方向)に倒れ込みながら座屈し始める。これにより、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることができる。
また、図6Bに示す正方形状の断面を有する衝撃吸収部材1Eのように、壁部1a′、1d′、1c′、1b′からなるパネルを壁部1a′、1b′の間で接合することによって、1つの角部1eからフランジ部2′が突出して設けられた場合、このフランジ部27が設けられた角部1e′とは異なる角部1f′、1g′、1h′を挟んで隣接する一方の壁部1a′、1c′、1d′に、衝撃吸収部材1Eの外表面から突出した膨隆3′を設け、かつ、各膨隆部3′を、当該壁部1a′、1c′、1d′の中央部に対して、軸線Oを中心とした周方向においてフランジ部2が突出する方向X′に位置する角部1f′、1h′、1g′側に偏倚させて配置する。
この場合、衝撃吸収部材1Eの一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えることによって、角部1e′の稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y′、すなわち各フランジ部2′に対する開き角が小さくなる側の壁部1a′が位置する方向Xに倒れ込みながら座屈し始める。また、それ以外の角部1f′、1g′、1h′の稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向Y′、すなわち膨隆3′を設けた側とは反対側(X′方向)に倒れ込みながら座屈し始める。これにより、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることができる。
以上のように、本発明のフランジ部およびビード部は、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させる座屈誘発部として、衝撃吸収部材が軸線方向に座屈変形するときに、各角部の稜線が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向に倒れ込みながら座屈し始めるように、その方向を決定する機能を有する。また、本発明のビード部は、上記従来のビード部のように座屈変形の端緒を与える機能とは異なり、直接的に座屈変形の端緒とはならず、むしろ角部の稜線が倒れ込んだ後(座屈後)に、凹凸独立モードへと速やかに移行させる機能を有する。
したがって、本発明を適用した衝撃吸収部材では、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることによって、軸線方向に効率良く座屈変形を生じさせることができ、その結果、外部から加わる衝撃エネルギーの吸収量を高めて、優れた衝撃吸収性能を発揮することが+可能となる。
そして、自動車等の車体において、このような衝撃吸収部材を採用した場合には、車体の軽量化と高剛性化を両立させながら、燃費および運動性能の向上を図りつつ、衝突安全性に優れた車体構造とすることが可能である。
本実施形態では、図5A〜図5Cおよび図6A、6Bに示す衝撃吸収部材1A〜1Eを例示したが、本発明を適用した衝撃吸収部材については、このような形態に限らず、種々の形態をとることが可能である。すなわち、本発明は、多角形状の断面を有して、外部から加わる衝撃エネルギーを軸線方向に座屈変形(軸圧潰)しながら吸収する中空柱状の衝撃吸収部材に対して幅広く適用することが可能である。
具体的に、衝撃吸収部材としては、例えば、鋼板をプレス成形したものを溶接等で接合することによってフランジ部が形成された中空柱状の薄肉構造体(中空柱状部材)からなるものを挙げることができる。ビード部は、この中空柱状部材を接合する前後にプレス加工等により設けることができる。
なお、衝撃吸収部材の材質については、上述した鋼板からなるものに限らず、例えば、鉄、アルミニウム、銅、またはそれらの合金などの金属材料や、FRPなどの樹脂材料等、外部から加わる衝撃エネルギーを軸線方向に座屈変形(軸圧潰)しながら吸収可能なものであればよい。また、溶接等により接合したものに限らず、押出成形等により中空柱状に成形されたものであってもよい。この場合、ビード部は、成形後にプレス加工等により設けることができる。
また、衝撃吸収部材は、軽量化と高剛性化を両立させるため、例えば四角形や六角形など四〜八角形状の断面を有することが好ましい。この場合、例えば図7A〜図7Cに示す六角形状の断面を有する衝撃吸収部材においても、フランジ部2の突出する方向が軸線Oを中心とした周方向において同じ方向を向くように当該フランジ部2を配置することで、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることが可能である。
また、図8A、8Bに示すように、ディンプル3は、衝撃吸収部材の座屈の開始端側から軸線方向に並べて配置することができる。この場合、ディンプル3は、壁部の一辺の長さピッチで配置することが好ましい。さらに、最も開始端側に位置するディンプル3は、この開始端から壁部の一辺の長さの1/2以上離れた位置に配置することが好ましい。これにより、蛇腹状の座屈変形を安定して生じさせることができる。
また、ビード部の形状については、上記本発明のビード部の機能を発揮するものであれば、既述した球面の一部を有した形状のディンプルや膨隆に限定されず、例えばV字状やU字状等の断面形状を有していてもよい。図8A、8Bに示すディンプル3は、衝撃吸収部材1の軸線方向と直交する方向(横断面方向)に延びるトラフ形の凹所より成る。この場合、上記本発明のビード部としての機能を更に高めることができる。トラフ形のディンプル3の衝撃吸収部材1の軸線Oに垂直な方向の長さL1は、好ましくは1/10W≦L1≦3/4W(W:壁部の幅であり衝撃吸収部材1の稜線間の距離)とする。トラフ形のディンプル3の衝撃吸収部材1の軸線Oの方向の長さL2は、好ましくは1/20L1≦L2≦L1とする。更に、ディンプル3と稜線との間の距離L3は、好ましくはT≦L3≦1/5T(T:板厚)とする。
本発明によれば、衝撃吸収部材の少なくとも1つの壁部において一方の角部に偏倚させてビード部を配置することによって、上記凹凸独立モードを意図的に誘発させることが可能である。すなわち、本発明では、少なくとも1つの壁部に偏倚して設けられたビード部を起点にして、該ビード部が偏倚した側にある角部の稜線が倒れ込む方向が決まるため、その他の角部の稜線についても、その起点となった角部の稜線と同一方向に倒れ込みを誘発させることができる。
然しながら、このような角部の同一方向への倒れ込みを安定化させるためには、2つの壁部にビード部を角部側に偏倚させて配置することがより好ましく、更に、全ての壁部にビード部を角部側に偏倚させて配置することが最も好ましい。すなわち、ビード部を付与した部分は、座屈変形後に衝撃吸収部材の断面内で蛇腹の谷部(凹部)となる。このため、全ての壁部にビード部を配置した場合には、その横断面においてビード部が付与されていない角部が座屈変形後に蛇腹の山部(凸部)となるといったことを未然に防ぐことが可能である。なお、複数の壁部にビード部を角部側に偏倚させて配置する場合は、多角形状の断面の対角を為す壁部から順に配置していくことが、ビード部の配置のバランスを考える上で好ましい。
また、本発明において、ビード部を角部側に偏倚させて配置するとは、ビード部が壁部の中央部にかからない(中央部を変形させない)程度に角部側にずらして配置することを言う。さらに、ビード部は、周方向において同じ方向に位置する角部の近傍に配置することが好ましい。ここで、角部の近傍とは、角部の稜線にかからない(角部を変形させない)程度に角部に近づけた位置をいい、ビード部の中心を壁部の幅に対して1/4以下ほど角部側に近づけた位置を言う。本発明では、ビード部を角部の近傍に配置することで、上記角部の稜線の倒れ込みを安定して行わせることができる。
一方、角部にビード部が形成されると、座屈は安定するものの、角部が支える荷重が低下するために、その結果として座屈変形によるエネルギー吸収量が低下することになる。但し、フランジ部がある角部は、この角部を挟んで隣接する壁部の接合部分であるため、変形抵抗が高く、荷重の低下が少ない。したがって、座屈安定性を求める場合には、フランジ部や、このフランジ部が設けられた角部にビード部を設けることも可能であり、また、フランジ部と壁部との間でビード部を細長く形成してもよい。
また、本発明では、ビード部を偏倚させる方向を衝撃吸収部材に加わる捻れ方向の荷重の向きと一致させることで、この捻れ荷重に対しても有効に衝撃吸収性能を発揮させることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本実施例では、先ず、実施例1〜4および比較例1の衝撃吸収部材に対して、その一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えたときの変形状態をFEM数値解析(コンピュータシミュレーション)により求めた。なお、このFEM数値解析による解析条件は、板厚1.4mm、一辺が50mm、長さが300mmの四角形状の断面を有する直線状の中空柱状部材をモデルとした。このモデルの材料定数は、下記表1のとおりである。
そして、この中空柱状部材の一端(上端)側に1000kgの剛体壁を4.44m/sで落下させたときの変形状態を求めた。なお、このFEM数値解析で使用する構成方程式は、下記に示すSwift+Cowper−Symondsの式である。また、解析時間は50msとした。
(比較例1)
比較例1は、図9Aに示すように、いわゆるハット型の中空柱状部材であり、2つのフランジ部が周方向において異なる方向を向くように配置された場合である。なお、このハット型の中空柱状部材の寸法は、図9Aに示すとおりである。この場合、図10に示すように、座屈変形の初期段階から凹凸混合モードで座屈変形が進むことがわかる。
(実施例1)
実施例1は、図9Bに示すように、上記中空柱状部材の対角を為す2つの角部にフランジ部(突出量20mm)が設けられ、これら2つのフランジ部が周方向において同じ方向を向くように配置された場合である。この場合、図11に示すように、座屈変形の初期段階から凹凸独立モードで座屈変形が進むことがわかる。
(実施例2)
実施例2は、図9Cに示すように、上記実施例1の構成に、更にフランジ部が設けられた角部とは異なる2つの角部を挟んで隣接する壁部の一方に、衝撃吸収部材の外表面kら凹んだディンプルを設け、かつ、このディンプルを、当該壁部の中央部に対して、周方向においてフランジ部が突出する方向とは逆方向に位置する角部側に偏倚させて配置した場合である。この場合、図12に示すように、座屈変形の初期段階から凹凸独立モードで座屈変形が進むことがわかる。
(実施例3)
実施例3は、図9Dに示すように、上記実施例2の構成に、更にフランジ部が設けられた2つの角部を挟んで隣接する壁部の一方に、衝撃吸収部材の外表面から凹んだディンプルが設け、かつ、このディンプルを、当該壁部の中央部に対して、周方向においてフランジ部が突出する方向とは逆方向に位置する角部側に偏倚させて配置した場合である。この場合、図13に示すように、座屈変形の初期段階から凹凸独立モードで座屈変形が進むことがわかる。
(実施例4)
実施例4は、図9Eに示すように、実施例2の衝撃吸収部材において、更にフランジ部にディンプルを設けた例である。この場合、図14に示すように、座屈変形の初期段階から凹凸独立モードで座屈変形が進むことがわかる。
次に、実施例1〜4および比較例1の衝撃吸収部材に対して、その一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えたときに、衝撃吸収部材からの反力(衝撃エネルギーに対する部材の抵抗力)と変形量(潰れ量)との関係を測定した結果を図15A〜図15Dに示す。図15A〜図15Dにおいて、図15Aのグラフは実施例1の場合、図15Bのグラフは実施例2の場合、図14Cのグラフは実施例3の場合、図14Dのグラフは実施例4の場合であり、各グラフは比較例1との比較で表している。なお、衝撃吸収部材からの反力と潰れ量との積が吸収したエネルギー量に相当するため、反力が高いほど優れた衝撃吸収性能を有することになる。
また、実施例1〜4および比較例1の衝撃吸収部材に対して、その一端側から軸線方向に衝撃荷重を加えたときに、変形量(潰れ量)と吸収したエネルギー量との関係を測定した結果を図16A〜図16Dに示す。図16A〜図16Dにおいて、図16Aのグラフは実施例1の場合、図16Bのグラフは実施例2の場合、図16Cのグラフは実施例3の場合、図15Dのグラフは実施例4の場合であり、各グラフは比較例1との比較で表している。
図15A〜図15Dおよび図16A〜図16Dに示すように、実施例1〜3の衝撃吸収部材では、凹凸独立モードを誘発させることによって、比較例1の凹凸混合モードよりも変形量(潰れ量)に対する衝撃エネルギーの吸収量の割合が高くなっており、優れた衝撃吸収性能を発揮していることがわかる。
1A 衝撃吸収部材
1B 衝撃吸収部材
1C 衝撃吸収部材
1D 衝撃吸収部材
1E 衝撃吸収部材
1a 壁部
1b 壁部
1c 壁部
1d 壁部
1a′ 壁部
1b′ 壁部
1c′ 壁部
1d′ 壁部
1e 角部
1f 角部
1g 角部
1h 角部
1e′ 角部
1f′ 角部
1g′ 角部
1h′ 角部
2a フランジ部
2b フランジ部
2c フランジ部
2d フランジ部
2a′ フランジ部
2b′ フランジ部
2c′ フランジ部
2d′ フランジ部
3 ディンプル
3′ 膨隆

Claims (6)

  1. 軸線と、該軸線に対して平行に延びる複数の矩形状壁部と、前記軸線に対して垂直な多角形断面とを有し、外部から加わる衝撃エネルギーを前記軸線方向に座屈変形しながら吸収する、前記軸線方向に延びる中空形状の衝撃吸収部材において、
    前記複数の壁部のうち少なくとも二組の隣接する壁部によって形成される少なくとも2つの角部から突出する少なくとも2つのフランジ部を具備し、
    該少なくとも2つのフランジ部は、その前記角部から突出する方向が周方向において同じ方向を向くように配置されている衝撃吸収部材。
  2. 前記複数の壁部のうちの少なくとも1つにビード部が設けられており、該ビード部は、前記衝撃吸収部材の外表面から凹んだディンプルまたは外表面から突出した膨隆であって、前記ディンプルは、周方向において前記フランジ部が突出する方向とは逆方向に位置する角部側に偏倚させて配置され、前記膨隆は、周方向において前記フランジ部が突出する方向に位置する角部側に偏倚させて配置されている請求項1に記載の衝撃吸収部材。
  3. 前記ビード部は、前記フランジ部が突出する方向とは逆方向に位置する角部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の衝撃吸収部材。
  4. 前記ビード部は、前記軸線方向と直交する方向に延びるトラフ形に形成されたディンプルである請求項2または3に記載の衝撃吸収部材。
  5. 前記ビード部は、前記座屈の開始端側から軸線方向に並んで配置されている請求項2〜4の何れか一項に記載の衝撃吸収部材。
  6. 多角形状の断面を有して、外部から加わる衝撃エネルギーを軸線方向に座屈変形しながら吸収する中空形状の衝撃吸収部材であって、
    前記衝撃吸収部材の壁部および角部に、前記軸線方向に座屈変形するときに各角部の稜線が周方向において同じ方向に倒れ込みながら座屈し始めるように、その方向を決定するための座屈誘発部が設けられ
    前記座屈誘発部は、1つの角部から突出するフランジ部と、該フランジ部が設けられた角部とは異なる角部を挟んで隣接する壁部の一方に、前記衝撃吸収部材の外表面から凹んだディンプルまたは該外表面から突出する膨隆とを有し、
    前記ディンプルは、該ディンプルが設けられている壁部の中央部に対して、前記軸線を中心とした周方向において前記フランジ部が突出する方向とは逆方向に位置する角部側に偏倚させて配置されており、
    前記膨隆は、該膨隆が設けられている壁部の中央部に対して、前記軸線を中心とした周方向において前記フランジ部が突出する方向に位置する角部側に偏倚させて配置されていることを特徴とする衝撃吸収部材。
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