JP5549546B2 - 半導体発光素子の製造方法およびランプ、電子機器、機械装置 - Google Patents
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Description
また、このような方法の具体的な例としては、例えばII-VI族化合物半導体レ−ザを製造するに際して、MBE装置では、p型伝導層を形成する第1の成長室と、n型伝導層を形成する第2の成長室と、活性層を形成する第3の成長室とを備え、これら各室が高真空に保持される共にゲートバルブを介して搬送室で接続され、互いに独立した異なる成長室を構成し、各室をGaAs基板が順次移動することによって基板上に必要な化合物半導体薄膜を積層する方法が知られている。
〔1〕 第一有機金属化学気相成長装置において、基板上に第一n型半導体層を積層する第一工程と、第二有機金属化学気相成長装置において、前記第一n型半導体層上に前記第一n型半導体層の再成長層と第二n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順次積層する第二工程とを具備し、前記第二工程において、前記再成長層を第一の成長温度T1で成長させた後に、前記第一の成長温度T1よりも高温の第二の成長温度T2に昇温して前記再成長層の成長を続けることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
〔2〕 前記再成長層を形成する工程において、前記第一の成長温度T1での成長条件を、基板温度950℃〜1150℃、成長時間1分〜30分の範囲とし、前記第二の成長温度T2での成長条件を、基板温度1000℃〜1150℃、成長時間1分〜29分の範囲とすること特徴とする〔1〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔3〕 前記第二の成長温度T2での前記再成長層の成長の後に、前記第二の成長温度T2よりも高温の第三の成長温度T3に昇温して前記再成長層の成長を続けることを特徴とする〔1〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔4〕 前前記第三の成長温度T3での成長条件を、基板温度1050℃〜1150℃、成長時間1分〜28分の範囲とすること特徴とする〔3〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔5〕 前記再成長層の膜厚を0.1μm〜1μmとすることを特徴とする〔1〕乃至〔4〕に記載の半導体発光素子の製造方法。
〔6〕 〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法を用いて製造された半導体発光素子を備えることを特徴とするランプ。
〔7〕 〔6〕に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
〔8〕 〔7〕に記載の電子機器が組み込まれていることを特徴とする機械装置。
なお、以下の説明において参照する図面は、本発明を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体発光素子1の寸法関係とは異なっている。
はじめに、サファイア等からなる基板11を用意する。
次に、基板11を第一MOCVD装置(第一有機金属化学気相成長装置)の成長室内に設置し、MOCVD法によって、基板11上に、バッファ層21と、下地層22を順次積層する。なお、バッファ層21は、スパッタ装置の成長室で、スパッタ法によって基板11上に積層してもよい。そして、次に、バッファ層21が積層された基板11を第一MOCVD装置の成長室内に移し、MOCVD法によって、バッファ層21上に下地層22を積層してもよい。
次いで下地層22上に、nコンタクト層12aの一部を構成する第一n型半導体層12cを積層する。このとき、第一n型半導体層12cの膜厚は0.5〜5μm厚で形成することが好ましく、2μm〜4μm厚で形成することが特に好ましい。上記範囲内で形成することにより、半導体の結晶性を良好に維持できるためである。
また、第一n型半導体層12cを成長させる原料としては、トリメチルガリウム(TMG)などのIII族金属の有機金属原料とアンモニア(NH3)などを用い、熱分解によりバッファ層上にIII族窒化物半導体層を堆積させる。MOCVD装置の成長室内の圧力は15〜80kPaとすることが好ましく、15〜60kPaとすることがより好ましい。キャリアガスは水素ガスのみであってもよいし、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスであってもよい。
第一工程で積層された後は、当該半導体基板を洗浄装置で表面洗浄してもよい。
第二工程はさらに、第一n型半導体層12c上にnコンタクト層12aの再成長層12dを形成する工程と、nクラッド層12b(第二n型半導体層)を形成する工程と、発光層13を形成する工程と、p型半導体層14を形成する工程と、から構成されている。以下それぞれについて詳細を説明する。
まず、第一n型半導体層12cまでの各層が積層された基板11を第二MOCVD装置(第二有機金属化学気相成長装置)の成長室内に設置する。次いで、MOCVD法によって第一n型半導体層12c上に、nコンタクト層12aの再成長層12dを形成する。
なお、第一n型半導体層12cの表面が汚染されたままである場合、逆方向電流(IR)が十分に低くならなかったり、静電気放電(ESD)耐圧が不足したりする恐れがあるため、半導体発光素子1の信頼性が低下してしまう。
本実施形態においては、第一の成長温度T1において、再成長層12dを成長させることにより、前のランで炉内に堆積した堆積物表面にも再成長層12dが積層され、第二の成長温度T2の工程で堆積物表面からの昇華物の発生を抑制することができる。このため、半導体基板上に積層される再成長層12dには、昇華物不純物が混入されにくい成長環境を作ることができる。
これに対し、M1が1分未満であると、再成長層12dの不純物含有量の低い部分が十分な厚さで形成されない。また、M1が30分を超えると、作業効率の面から好ましくない。
これに対し、基板温度が1000℃未満であると再成長層12dの結晶性が十分に高くならない。そのため、半導体発光素子の逆方向電流(IR)が十分に低くならなかったり、静電気放電(ESD)耐圧が不足したりする恐れがある。また、基板温度が1150℃を超えると、再成長層12d表面の結晶性が悪化し、半導体発光素子1の出力が不十分となるため好ましくない。
それに対し、M2が1分未満であると、再成長層12dの結晶性の高い部分が十分な厚さで形成されない。また、M2が29分を超えると、作業効率の面から好ましくない。
第一の成長温度T1から第二の成長温度T2へ昇温する時間は、30秒〜2分の範囲であることが好ましい。30秒未満の場合は昇温後の温度が安定しない場合がある。また、2分を超える場合は昇温中に再成長層12d表面が昇華するので好ましくない。
この場合、基板温度(第三の成長温度T3)は、1050℃〜1150℃の範囲とし、成長時間M3は1分〜28分の範囲とすることが好ましい。これにより、第二n型半導体層12b側に、結晶性の高い再成長層12dを十分な厚さで形成することができる。
次いで、再成長層12d上に超格子構造のnクラッド層12bを形成する。
まず始めに、膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなる図示しないn側第一層と、n側第一層と組成が異なる膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなるn側第二層とを交互に10ペア数(20層)〜40ペア数(80層)繰返し積層する。
次いで、多重量子井戸構造の発光層13を形成する。まず、井戸層13bと障壁層13aとを交互に繰返し積層する。このとき、n型半導体層12側及びp型半導体層14側に障壁層13aが配されるように積層することが好ましい。
井戸層13bおよび障壁層13aの組成や膜厚は、所定の発光波長になるように適宜設定することができる。また、発光層13の成長温度は600〜900℃とすることができ、キャリアガスとしては窒素ガスを用いることができる。
p型半導体層14の形成は、pクラッド層14aと、pコンタクト層14bとを順次積層すればよい。なお、pクラッド層14aを、超格子構造を含む層とする場合には、膜厚100オングストローム以下のIII族窒化物半導体からなるp側第一層と、p側第一層と組成が異なる膜厚100オングストローム以下III族窒化物半導体からなるp側第二層とを交互に繰返し積層すればよい。
以上のようにして、図1に示す積層半導体層20が製造される。
続いて、例えばフォトリソグラフィーの手法によりパターニングして、所定の領域の積層半導体層20の一部をエッチングしてnコンタクト層12aの第一n型半導体層12cの一部を露出させ、nコンタクト層12aの露出面20aにn型電極17を形成する。
その後、透光性電極15の上にp型ボンディングパッド電極16を形成する。
以上のようにして、図3に示す半導体発光素子1が製造される。
これらにより、結晶性が高い半導体発光素子1を得ることができる。さらに、また、半導体基板ウエーハの外周付近は、前のランで炉内に堆積した堆積物からの影響を受けやすいが、本実施形態の半導体発光素子1の製造方法を実施することにより、半導体基板ウエーハの外周付近に形成された半導体発光素子において、第一n型半導体層と再成長層間との間の接触抵抗が低い半導体発光素子1を得ることができる。それにより、半導体発光素子1の逆方向電流(IR)を低くするとともに、かつ、発光出力(Po)を高めることができる。このため、半導体発光素子1の不良を防ぐことができ、規格内のLEDチップ収得率を向上することが可能となる。それにより、収率面で大幅な生産性向上を図ることが可能となる。
図3は、本発明の半導体発光素子1の一例を示した断面模式図である。
図3に示す本実施形態の半導体発光素子1は、基板11と、基板11上に積層された積層半導体層20と、積層半導体層20の上面に積層された透光性電極15と、透光性電極15上に積層されたp型ボンディングパッド電極16と、積層半導体層20の露出面20a上に積層されたn型電極17と、から概略構成されている。
また、p型半導体層14の上面には、透光性電極15およびp型ボンディングパッド電極16が積層されている。これら、透光性電極15およびp型ボンディングパッド電極16によって、p型電極18が構成されている。
以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
基板11としては、例えば、サファイア、SiC、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化モリブデン等からなる基板を用いることができる。上記基板の中でも、特に、c面を主面とするサファイア基板を用いることが好ましい。基板11の大きさは、通常、2インチ〜8インチのものが用いられる。
バッファ層21は、設けられていなくてもよいが、基板11と下地層22との格子定数の違いを緩和して、基板11の(0001)C面上にC軸配向した単結晶層の形成を容易にするために、設けられていることが好ましい。また、バッファ層21の上に単結晶の下地層22を積層すると、より一層結晶性の良い下地層22が積層できる。
バッファ層21は、例えば、多結晶のAlxGa1−xN(0≦x≦1)からなる厚さ0.01〜0.5μmのものとすることができる。バッファ層21の厚みが0.01μm未満であると、バッファ層21により基板11と下地層22との格子定数の違い緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、バッファ層21の厚みが0.5μmを超えると、バッファ層21としての機能には変化が無いのにも関わらず、バッファ層21の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下する問題がある。
下地層22としては、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)が挙げられるが、AlxGa1−xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層22を形成できるため好ましい。
下地層22の膜厚は0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlxGa1−xN層が得られやすい。また、下地層22の膜厚は10μm以下が好ましい。
下地層22の結晶性を良くするために、下地層22には不純物をドーピングしない方が望ましい。
(n型半導体層12)
n型半導体層12はさらに、nコンタクト層12a(第一n型半導体層12cおよび再成長層12d)と、nクラッド層12b(第二n型半導体層)とから構成されている。
nコンタクト層12aは、n型電極17を設けるための層であり、後述する第一工程において形成された第一n型半導体層12c(第一工程成長層とも言う)と、後述する第二工程において形成された再成長層12dとからなる。第一n型半導体層12cと再成長層12dとは、好ましくは同一の材料からなるものがよく、第一n型半導体層12cの厚みが、再成長層12dの厚みよりも厚くなっている。
また、本実施形態においては、図3に示すように、第一n型半導体層12cにn型電極17を設けるための露出面20aが形成されている。なお、n型電極17を設けるための露出面20aは、再成長層12dに形成されていてもよい。
なお、本実施形態の再成長層12dの結晶性は基板11寄りの部分よりも、発光層13側の方が高く形成されている。
nクラッド層12bは、nコンタクト層12aと発光層13との間に設けられている。nクラッド層12bは、発光層13へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めを行なう層であり、再成長層12dと発光層13との結晶格子の不整合を緩和し、発光層13のバッファ層としても機能する。nクラッド層12bはAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。なお、明細書中各元素の組成比を省略してAlGaN、GaN、GaInNと記述する場合がある。nクラッド層12bをGaInNで形成する場合には、発光層13のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましいことは言うまでもない。
発光層13は、障壁層13aと井戸層13bとが交互に複数積層された多重量子井戸構造から構成されている。多重量子井戸構造における積層数は3層から10層であることが好ましく、4層から7層であることがさらに好ましい。
また、障壁層13aは、GaNやAlGaNのほか、井戸層を構成するInGaNよりもIn比率の小さいInGaNで形成することができる。中でも、GaNが好適である。
また、障壁層13aには、不純物をドープすることができる。ドーパントとしては、発光強度を増進するものであるSi、Geを用いることが好ましい。ドープ量は1×1017cm−3〜1×1018cm−3程度が好適である。ドープ量が上記範囲である場合、発光素子の順方向電圧を低くすることができる。
また、井戸層13bは、Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体であることが好ましい。Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体は、青色の波長領域の強い光を発光するものであるため、好ましい。
p型半導体層14は、通常、pクラッド層14aおよびpコンタクト層14bから構成される。また、pコンタクト層14bがpクラッド層14aを兼ねることも可能である。
n型電極17は、ボンディングパットを兼ねており、積層半導体層20のn型半導体層12に接するように形成されている。このため、n型電極17を形成する際には、少なくとも発光層13およびp半導体層14の一部を除去してn型半導体層12を露出させ、n型半導体層12の露出面20a上にボンディングパッドを兼ねるn型電極17を形成する。n型電極17としては、各種組成や構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
透光性電極15は、p型半導体層14の上に積層されるものであり、p型半導体層14との接触抵抗が小さいものであることが好ましい。また、透光性電極15は、発光層13からの光を効率良く半導体発光素子1の外部に取り出すために、光透過性に優れたものであることが好ましい。また、透光性電極15は、p型半導体層14の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、優れた導電性を有していることが好ましい。
p型ボンディングパッド電極16はボンディングパットを兼ねており、透光性電極15の上に積層されている。p型ボンディングパッド電極16としては、各種組成や構造が周知であり、これら周知の組成や構造を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
p型ボンディングパッド電極16は、透光性電極15上であれば、どこへでも形成することができる。例えばn型電極17から最も遠い位置に形成してもよいし、半導体発光素子1の中心などに形成してもよい。しかし、あまりにもn型電極17に近接した位置に形成すると、ボンディングした際にワイヤ間、ボール間のショートを生じてしまうため好ましくない。
図示しない保護膜層は、必要に応じて透光性電極15の上面および側面と、n型半導体層12の露出面20a、発光層13およびp型半導体層14の側面、n型電極17およびp型ボンディングパッド電極16の側面や周辺部を覆うよう形成される。保護膜層を形成することにより、半導体発光素子1の内部への水分等の浸入を防止でき、半導体発光素子1の劣化を抑制することができる。
保護膜層としては、絶縁性を有し、300〜550nmの範囲の波長において80%以上の透過率を有する材料を用いることが好ましく、例えば、酸化シリコン(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タンタル(Ta2O5)、窒化シリコン(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)等を用いることができる。このうちSiO2、Al2O3は、CVD成膜で緻密な膜が容易に作製でき、より好ましい。
本実施形態のランプは、本発明の半導体発光素子1を備えるものであり、上記の半導体発光素子1と蛍光体とを組み合わせてなるものである。本実施形態のランプは、当業者周知の手段によって当業者周知の構成とすることができる。例えば、本実施形態のランプにおいては、半導体発光素子1と蛍光体と組み合わせることによって発光色を変える技術を何ら制限されることなく採用できる。
(実施例1)
以下に示す方法により、図3に示す半導体発光素子1を製造した。
実施例1の半導体発光素子1では、サファイアからなる基板11上に、AlNからなるバッファ層21、厚さ5μmのアンドープGaNからなる下地層22、厚さ3μmのSiドープn型GaNからなる第一n型半導体層12cと厚さ0.2μmのSiドープn型GaNからなる再成長層12dとからなる厚さ3.2μmのnコンタクト層12a、GaInNからなる厚さ2nmのn側第一層と、GaNからなる厚さ2nmのn側第二層とからなる薄膜層を20層(ペア数)繰り返し成長させてなる厚さ80nmの超格子構造のnクラッド層12b、厚さ5nmのSiドープGaN障壁層および厚さ3.5nmのIn0.15Ga0.85N井戸層を6回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層13、厚さ0.01μmのMgドープ単層Al0.07Ga0.93Nからなるpクラッド層14a、厚さ0.15μmのMgドープp型GaNからなるpコンタクト層14bと、を順に積層した。
なお、再成長層12dを積層する前に、970℃でサーマルクリーニングを行なった。
再成長層12dはトリメチルガリウム(TMG)のIII族金属元素を含む有機金属原料とアンモニア(NH3)などのV族元素を含む原料を用いて第一n型半導体層12c上に堆積させる。n型ドーピングにはモノシラン(SiH4)を用いた。
このとき、MOCVD成長炉内の圧力は40kPa、キャリアガスは水素とした。
次に、フォトリソグラフィの手法を用いてエッチングを施し、所望の領域にnコンタクト層12aの露出面20aを形成し、その上にTi/Auの二層構造のn型電極17を形成した。
また、透光性電極15の上に、80nmのAlからなる金属反射層と200nmのTiからなるバリア層と1100nmのAuからなるボンディング層とからなる3層構造のp型ボンディングパッド構造16を、フォトリソグラフィの手法を用いて形成した。
以上のようにして、図3に示す実施例1の半導体発光素子1を得た。
実施例1の再成長層12dを0.2μmの厚さで形成し、第一の成長温度T1を1020℃に変えた以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.15V、発光出力Po=20mW、逆方向電流IR(@20V)=1.1μAであった。
実施例1の再成長層12dを0.2μmの厚さで形成し、第二の成長温度T2を1160℃に変えた以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.2V、発光出力Po=22mW、逆方向電流IR(@20V)=0.5μAであった。
実施例1の再成長層12dを0.2μmの厚さで形成し、第二の成長温度T2を1100℃、第二の成長時間M2を1分としたのちに、1分かけて第三の成長温度T3を1120℃まで昇温し、その後基板温度を1120℃のまま2分間(第三の成長時間M3)保持した以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.2V、発光出力Po=21mW、逆方向電流IR(@20V)=0.8μAであった。
実施例1の再成長層12dを0.2μmの厚さで形成し、第一の成長温度T1から第二の成長温度T2に昇温する過程にも原料ガスを導入して再成長層12dを形成した以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.2V、発光出力Po=22mW、逆方向電流IR(@20V)=0.6μAであった。実施例5では、第一の成長温度T1から第二の成長温度T2に移る過程においても連続的に再成長層12dを形成した。
実施例1の再成長層12dを1μmの厚さで形成し、第二の成長時間M2を10分に変えた以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.2V、発光出力Po=22mW、逆方向電流IR(@20V)=0.5μAであった。
実施例1の再成長層12dを0.6μmの厚さで形成し、第一の成長時間M1を18分とし、第二の昇温を行わなかった以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.2V、発光出力Po=20mW、逆方向電流IR(@20V)=2μAであった。
実施例1の再成長層12dを0.2μmの厚さで形成し、第一の成長温度T1を1060℃、第一の成長時間M1を6分とし、第二の昇温を行わなかった以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.2V、発光出力Po=19.5mW、逆方向電流IR(@20V)=4.5μAであった。
実施例1の再成長層12dを0.2μmの厚さで形成し、第一の成長温度T1を1100℃、第一の成長時間M1を6分とし、第二の昇温を行わなかった以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.25V、発光出力Po=19.5mW、逆方向電流IR(@20V)=1.8μAであった。
実施例1の再成長層12dを0.2μmの厚さで形成し、第一の成長温度T1を1060℃とし、6分かけて1100℃まで昇温した以外は、実施例1と同様な操作を行った。その結果、半導体発光素子1としての特性は、順方向電圧Vf=3.2V、発光出力Po=19mW、逆方向電流IR(@20V)=3.5μAであった。
実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例4の半導体発光素子の順方向電圧、発光出力(Po)、逆方向電流(IR)の結果を表1に示す。
一方、第二の加熱を行わなかった比較例1〜比較例4では、実施例1〜実施例4と比較して発光出力(Po)が低く、順方向電圧が比較的高く、漏れ電流(逆方向電流(IR)が大きかった。
さらにまた、半導体基板ウエーハの外周付近は、一般に前のランで炉内に堆積した堆積物からの影響を受けやすいが、本実施形態の半導体発光素子1の製造方法を実施することにより、半導体基板ウエーハの外周付近に形成された半導体発光素子において、第一n型半導体層と再成長層間との間の接触抵抗が低い半導体発光素子1を得ることができる。
Claims (10)
- 第一有機金属化学気相成長装置において、基板上に第一n型半導体層を積層する第一工程と、
第二有機金属化学気相成長装置において、前記第一n型半導体層上に前記第一n型半導体層の再成長層と第二n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順次積層する第二工程とを具備し、
前記第二工程において、前記再成長層を基板温度950℃以上1150℃以下の第一の成長温度T1で成長させた後に、前記第一の成長温度T1よりも高温で基板温度1000℃以上1160℃以下の第二の成長温度T2に昇温して前記再成長層の成長を続けることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 前記第二の成長温度T2の温度が、前記第一の成長温度T1よりも40℃以上高温であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層を形成する工程において、前記第一の成長温度T1での成長時間を1分〜30分の範囲とし、前記第二の成長温度T2での成長時間を1分〜29分の範囲とすること特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第二の成長温度T2での前記再成長層の成長の後に、前記第二の成長温度T2よりも高温の第三の成長温度T3に昇温して前記再成長層の成長を続けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第一の成長温度T1での成長条件を基板温度950℃以上1060℃以下とし、前記第二の成長温度T2での成長条件を基板温度1000℃以上1150℃未満とし、前記第三の成長温度T3での成長条件を基板温度1050℃以上1150℃以下とすること特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第一の成長温度T1での成長条件を成長時間1分〜30分の範囲とし、前記第二の成長温度T2での成長条件を成長時間1分〜29分の範囲とし、前記第三の成長温度T3での成長条件を成長時間1分〜28分の範囲とすること特徴とする請求項5に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記再成長層の膜厚を0.1μm〜1μmとすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法を用いて製造された半導体発光素子を備えることを特徴とするランプ。
- 請求項8に記載のランプが組み込まれていることを特徴とする電子機器。
- 請求項9に記載の電子機器が組み込まれていることを特徴とする機械装置。
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