JP5547432B2 - 自動音量制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は自動音量制御装置に関し、より詳細には、音楽が流されている空間において会話が行われた場合に、発話に応じて音楽の出力レベルを音声帯域のモノラル成分のみ低減させることにより、円滑な会話を実現することが可能な自動音量制御装置に関する。
走行中の車両の室内では、運転(走行)中に音楽やラジオ番組等を流すことが多い。このような状況において、運転手と同乗者とが会話を行う場合には、音楽等の再生音によって、円滑な会話(会話の聞き取り等)が妨げられてしまうおそれがあった。
一般的な車載用オーディオ装置には、音量を調節するための音量調節スイッチや、音量を一時的に低減させるためのミュートスイッチなどが設けられている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。このため、運転者等は、音量調節スイッチやミュートスイッチを操作することにより、会話を妨げない程度まで音楽等の再生音量を低減させることが多かった。
特開2008−62906号公報 特開2006−67490号公報
しかしながら、会話を行う度に音量調節スイッチを操作して再生音を低減する方法では、操作が煩雑になり、かえって円滑な会話を妨げてしまうおそれがあるという問題があった。一方で、ミュートスイッチを用いて音楽の再生音(出力レベル)を低減させる方法では、会話が途切れた状態においてもそのまま音楽の再生音が低減された状態となってしまい、音楽やラジオ番組等を楽しむことができないという問題があった。
このため、音量調節スイッチやミュートスイッチを操作することなく会話が成立するような大きな声を、発話者が発することにより、音楽等を再生させたままの状態で会話を行うこともしばしば行われるが、会話が続く場合には、発話者はもちろんのこと会話の相手側においても会話に疲労を感じてしまうおそれがあるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、運転者又は同乗者が音量調節スイッチやミュートスイッチを操作することなく、さらに、大きな声を発することなく通常の状態で円滑な会話を行うことが可能な自動音量制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る自動音量制御装置は、マイクにより取得された音響信号より音声信号の検出を行う音声検出手段と、音源により出力されるLチャンネル用の音楽信号とRチャンネル用の音楽信号とのそれぞれを、音声帯域に対応する周波数帯域からなる第1音声帯域信号と、前記音声帯域に対応しない周波数帯域からなる非音声帯域信号とに帯域分割する帯域分割手段と、Lチャンネル用の前記第1音声帯域信号とRチャンネル用の前記第1音声帯域信号とのいずれか一方の音声帯域信号だけ位相反転を行う位相反転手段と、該位相反転手段により位相反転されたLチャンネル用の前記第1音声帯域信号あるいはRチャンネル用の前記第1音声帯域信号のいずれか一方の音声帯域信号と、前記位相反転手段により位相反転されなかった他方の音声帯域信号とを合成することにより、Lチャンネル用の第2音声帯域信号とRチャンネル用の第2音声帯域信号とを生成する音声帯域信号合成手段と、前記音声検出手段により前記音声信号の検出が行われた場合に、前記音声帯域信号合成手段により生成されたLチャンネル用の前記第2音声帯域信号とRチャンネル用の前記第2音声帯域信号とを各チャンネル用の音声帯域信号として出力し、前記音声検出手段により前記音声信号の検出が行われなかった場合には、前記帯域分割手段により帯域分割されたLチャンネル用の前記第1音声帯域信号とRチャンネル用の前記第1音声帯域信号とをそのまま各チャンネル用の音声帯域信号として出力する音声帯域信号選択手段と、該音声帯域信号選択手段により出力されたLチャンネル用の音声帯域信号およびRチャンネル用の音声帯域信号と、前記帯域分割手段において帯域分割されたLチャンネル用の非音声帯域信号およびRチャンネル用の非音声帯域信号とを、それぞれのチャンネル毎に合成することにより、Lチャンネル用の全帯域の音楽信号およびRチャンネル用の全帯域の音楽信号とを生成する音楽信号合成手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る自動音量制御装置によれば、Lチャンネル用の音楽信号とRチャンネル用の音楽信号とのそれぞれを、音声帯域に対応する周波数帯域からなる第1音声帯域信号と、音声帯域に対応しない周波数帯域からなる非音声帯域信号とに帯域分割した後に、Lチャンネル用の第1音声帯域信号とRチャンネル用の第1音声帯域信号とのいずれか一方の音声帯域信号だけ位相反転させて、位相反転されなかった他方の音声帯域信号に合成させるので、合成された第2音声帯域信号は、モノラル成分の出力(信号レベル)が合成により低減された状態になる。
このようにして音声帯域におけるモノラル成分の出力(信号レベル)が低減された音楽信号(第2音声帯域信号)と帯域分割手段により帯域分割された非音声帯域信号とを合成することにより、音楽信号の全体的なステレオ感を維持した状態で、会話の妨げとなり得る音声帯域のモノラル成分の信号レベルだけを効果的に低減させることができるので、音楽が流れる状況であっても円滑な会話を楽しむことが可能となる。
また、会話中であっても音楽信号における全体的なステレオ感(特に非音声帯域信号のステレオ成分)は維持されているので、円滑な会話を実現させつつ、音楽の音質(臨場感や迫力など)の低下を抑制することが可能となる。
さらに、上述したように音楽信号合成手段により生成された全帯域の音楽信号において、音声帯域のモノラル成分における信号レベルを低減させる場合とは、音声検出手段により音声信号が検出された時だけ、つまり、発話者により言葉が発せられた時だけであるため、会話が行われる時だけ自動的に音楽の音声帯域におけるモノラル成分の信号レベルを低減させることができる。
また、このように音声信号の検出に応じて音楽信号の音量制御が行われるため、会話が行われていない状態(会話が途切れた状態など)では、音声帯域におけるモノラル成分の低減処理(音量制御)は行われない。このため、会話が行われていない状態(音声信号の検出がない状態)では、音楽信号において低減処理(音量制御)が全く行われないので、良質な音質の音楽を楽しむことが可能となる。
また、前記音声帯域信号合成手段は、前記音声帯域信号合成手段により合成処理されたLチャンネル用の前記第2音声帯域信号とRチャンネル用の前記第2音声帯域信号とに対して、それぞれのチャンネルに応じたゲインの重み付けを行うゲイン付加手段を有するものであってもよい。
このように、本発明に係る自動音量制御装置では、ゲイン付加手段により、モノラル成分の低減が成された第2音声帯域信号に対して、それぞれのチャンネルに応じたゲインの重み付けが行われるため、音声帯域信号においてモノラル成分の低減が行われていても、残されたステレオ成分が強調されることになるので、音声帯域(ボーカル成分)を含む全体的なステレオ感を高く維持することが可能となる。
さらに、ゲイン付加手段により第2音声帯域信号に対する重み付け処理が行われるため、Lチャンネル用の第2音声帯域信号とRチャンネル用の第2音声帯域信号とが無相関な信号となり、音楽信号合成手段において音楽信号の合成を行う場合において、ステレオ成分の音楽信号が干渉してしまうことを防止することが可能となる。
また、上述した自動音量制御装置において、前記帯域分割手段は、前記音源により出力されるLチャンネル用の前記音楽信号とRチャンネル用の前記音楽信号とのそれぞれを、音声帯域に対応する周波数帯域からなる前記第1音声帯域信号と、前記音声帯域よりも低い周波数帯域からなる低域信号と、前記音声帯域よりも高い周波数帯域からなる高域信号とに帯域分割すると共に、前記第1音声帯域信号のみ位相反転を行い、前記音楽信号合成手段は、前記音声帯域信号選択手段により出力されたLチャンネル用の前記音声帯域信号およびRチャンネル用の前記音声帯域信号と、Lチャンネル用の前記低域信号およびRチャンネル用の前記低域信号と、Lチャンネル用の前記高域信号およびRチャンネル用の前記高域信号とを、それぞれのチャンネル毎に合成することにより、Lチャンネル用の全帯域の音楽信号およびRチャンネル用の全帯域の音楽信号とを生成するものであってもよい。
このように、非音声帯域信号として、音声帯域よりも低い周波数帯域からなる低域信号と、音声帯域よりも高い周波数帯域からなる高域信号とに、音声信号を帯域分割することにより、音楽信号合成手段において合成処理が行われた音楽信号の高帯域および低帯域のステレオ成分をより効果的に発現することが可能となる。
さらに、帯域分割手段において第2音声帯域信号のみ、あらかじめ位相反転を行うことにより、音楽信号合成手段で各帯域の信号を合成する場合において、各信号間で干渉が生じてしまうことを低減させることが可能となる。
本発明に係る自動音量制御装置によれば、Lチャンネル用の音楽信号とRチャンネル用の音楽信号とのそれぞれを、音声帯域に対応する周波数帯域からなる第1音声帯域信号と、前記音声帯域に対応しない周波数帯域からなる非音声帯域信号とに帯域分割した後に、Lチャンネル用の第1音声帯域信号とRチャンネル用の第1音声帯域信号とのいずれか一方の音声帯域信号だけ位相反転させて、位相反転されなかった他方の音声帯域信号に合成させるので、合成された第2音声帯域信号は、モノラル成分の出力(信号レベル)が合成により低減された状態になる。
このようにして音声帯域におけるモノラル成分の出力(信号レベル)が低減された音楽信号(第2音声帯域信号)と帯域分割手段により帯域分割された非音声帯域信号とを合成することにより、音楽信号の全体的なステレオ感を維持した状態で、会話の妨げとなり得る音声帯域のモノラル成分の信号レベルだけを効果的に低減させることができるので、音楽が流れる状況であっても円滑な会話を楽しむことが可能となる。
本実施の形態に係る自動音量制御装置の概略構成を示したブロック図である。 本実施の形態に係る音声強調処理部の概略構成を示したブロック図である。 本実施の形態に係るオーディオキャンセラ部の概略構成を示したブロック図である。 本実施の形態に係る音声検出部の概略構成を示したブロック図である。 本実施の形態に係る移動平均部において移動平均が求められた音声信号と、音声検出スレッショルド部において設定される音声検出スレッショルドとの関係を示した図である。 本実施の形態に係る第1帯域分割部の概略構成を示したブロック図である。 本実施の形態に係る第1帯域分割部において、低域音楽信号L、中域音楽信号Lおよび高域音楽信号Lを生成するためのフィルタ特性を示した図である。 本実施の形態に係る音量制御部の概略構成を示したブロック図である。 本実施の形態に係るマイクにより取得される音声信号の周波数特性を一例として示した図である。 Lチャンネル用のホワイト雑音とRチャンネル用のホワイト雑音とが同一のモノラル信号である場合において、本実施の形態に係る自動音量制御装置により、音量制御が行われた場合と行われていない場合とのホワイト雑音の周波数特性を示した図である。 Lチャンネル用のホワイト雑音とRチャンネル用のホワイト雑音とがそれぞれ無相関のステレオ信号である場合において、本実施の形態に係る自動音量制御装置により、音量制御が行われた場合と行われていない場合とのホワイト雑音の周波数特性を示した図である。 Lチャンネル用とRチャンネル用との音楽信号がステレオ成分を備えている場合において、自動音量制御装置による音量制御が行われた場合と行われていない場合との音楽信号の周波数特性を示した図である。
以下、本発明に係る自動音量制御装置について、図面を用いて詳細に説明を行う。
図1は、本実施の形態に係る自動音量制御装置の概略構成を示したブロック図である。なお、本実施の形態では、自動音量制御装置1が車両に設置される場合を一例として示して説明する。本実施の形態に係る自動音量制御装置1を車両に設置することにより、会話の有無に応じて、音源より出力される音楽信号のうち音声帯域のモノラル成分のみを自動的に低減させることが可能になる。
本実施の形態に係る自動音量制御装置1は、図1に示すように、音声強調処理部2、音声検出部(音声検出手段)3、第1帯域分割部(帯域分割手段)4、第2帯域分割部(帯域分割手段)5、音量制御部(位相反転手段、音声帯域信号合成手段、音声帯域信号選択手段、ゲイン付加手段)6、第1合成部(音楽信号合成手段)7、第2合成部(音楽信号合成手段)8、第1パワーアンプ9、第2パワーアンプ10、スピーカ11a,11b、マイクMにより概略構成されている。
[音声強調処理部]
まず、音声強調処理部2について説明する。図2は、音声強調処理部2の概略構成を示したブロック図である。音声強調処理部2は、オーディオキャンセラ部15と、ノイズキャンセラ部16とを有している。音声強調処理部2は、マイクMで取得された音響信号の中から、音楽信号や車両走行騒音などのノイズ音を低減させる役割を有している。
[オーディオキャンセラ部]
次に、オーディオキャンセラ部15について説明を行う。オーディオキャンセラ部15は、図3に示すように、第1バンドパスフィルタ部21と、第2バンドパスフィルタ部22と、第1遅延部23と、第2遅延部24と、第1適応フィルタ部25と、第2適応フィルタ部26とを有している。
第1バンドパスフィルタ部21および第2バンドパスフィルタ部22は、音源より出力された2チャンネルの音楽信号、すなわちLチャンネル(左側)用の音楽信号LおよびRチャンネル(右側)用の音楽信号Rに対して200Hz〜2.6kHz程度の帯域制限を行うことにより、音声信号のうち主に音声帯域の信号のみを通過させる役割を有している。
第1遅延部23および第2遅延部24は、第1バンドパスフィルタ部21および第2バンドパスフィルタ部22により帯域制限処理が行われた音響信号に対して遅延処理を施す役割を有している。第1遅延部23および第2遅延部24による遅延処理によって、マイクMにより取得された音響信号の伝搬遅延の補正を行うことが可能となる。
第1適応フィルタ部25は、第1FIR部28、第1LMS部29、第1加算部30により概略構成されており、第2適応フィルタ部26は、第2FIR部31、第2LMS部32、第2加算部33により概略構成されている。
第1FIR部28は、有限のインパルス応答フィルタを備えており、第1LMS部29によって行われる係数制御に基づいて、マイクMで集音された音響信号に対してフィルタ処理を施す機能を有している。第1加算部30は、第1FIR部28によりフィルタ処理が行われた音楽信号Lの位相を反転させた状態で、マイクMより入力される音響信号に対して加算する(実質的には、マイクMの音響信号から、フィルタ処理が行われた音楽信号Lの音響信号を減算する)。第1加算部30により加算処理された音響信号は、第1適応フィルタ部25から出力されるとともに、第1LMS部29へ出力される。
第1LMS部29は、第1加算部30より取得した音響信号(マイクMの音響信号からフィルタ処理が行われた音楽信号Lが減算された信号)と、音源からの音楽信号Lとを用い、最小二乗アルゴリズムに基づいて第1FIR部28におけるフィルタの係数制御を行う。このように第1LMS部29を第1適応フィルタ部25に設けることによって、LMSアルゴリズムを適用することが可能となる。
また、第2適応フィルタ部26は、図3に示すように、第1適応フィルタ部25における第1FIR部28と、第1LMS部29と、第1加算部30とを、第2FIR部31と、第2LMS部32と、第2加算部33に置き換えたものであり、第2適応フィルタ部26の構成およびその機能は、第1適応フィルタ部25と同じであるため、説明を省略する。
第2適応フィルタ部26の第2加算部33では、第1適応フィルタ部25においてフィルタ処理が行われた音響信号に対して、第2FIR部31によりフィルタ処理が行われた音楽信号Rを、位相を反転させた状態で加算する(実質的には、第1適応フィルタ部25においてフィルタ処理が行われた音響信号から、第2FIR部31によりフィルタ処理が行われた音楽信号Rを減算する)。第2加算部33により加算処理された音響信号は、第2適応フィルタ部26からノイズキャンセラ部16へ出力されるとともに、第2LMS部32へ出力される。
なお、オーディオキャンセラ部15では、図3に示すように、第1適応フィルタ部25および第2適応フィルタ部26がカスケード接続されている。従って、オーディオキャンセラ部15では、第1適応フィルタ部25においてマイクMから入力された音響信号を音楽信号Lで減算処理した後に、第2適応フィルタ部26において第1適応フィルタ部25で減算処理された音響信号を音楽信号Rで減算処理する構成となっている。この場合において、第1適応フィルタ部25は第2適応フィルタ部26よりも早く収束させることが必要となるため、適応速度を大きく設定している。なお、音源が2チャンネル以上ある場合は、チャンネル数に応じて適応フィルタ部の設置数を増加することにより同様の効果を奏することが可能である。
[ノイズキャンセラ部]
ノイズキャンセラ部16は、スペクトル減算法などを用いて、オーディオキャンセラ部15より入力される信号からノイズ信号の除去を行う役割を有している。具体的に説明すると、オーディオキャンセラ部15から出力される信号には、音声信号とノイズ信号(音声以外の信号)とが含まれている。ノイズキャンセラ部16は、周波数スペクトルにおける時間的に定常的な成分(会話が行われていない状況、音声がない区間における成分)
)をノイズパターンとして推定・保持しており、音声信号とノイズ信号とが含まれる入力信号(オーディオキャンセラ部15より入力される信号)の周波数領域において、保持するノイズパターンを減算すると同時に、ノイズパターン自体を更新し続けることにより、入力信号(オーディオキャンセラ部15より入力される信号)からノイズ信号の除去を行う。
上述したようにオーディオキャンセラ部15においてフィルタ処理を行うことによって、さらに、ノイズキャンセラ部16においてノイズ除去処理を行うことによって、マイクMで取得された音響信号の中から、音楽信号や車両走行騒音などのノイズ音が低減されるので、発話者の音声を強調させることが可能となる。
[音声検出部]
次に、音声検出部3について説明する。図4は、音声検出部3の概略構成を示したブロック図である。音声検出部3は、図4に示すように、実効値検出部41と、移動平均部42と、音声検出スレッショルド部43と、音声信号ホールド部44とを有している。
実効値検出部41は、音声強調処理部2によって音声強調処理が行われた音声信号において、所定区間の実効値の検出を行う役割を有している。移動平均部42は、実効値検出部41において実効値の検出が行われた信号に対して、所定区間の移動平均を求める役割を有している。音声検出スレッショルド部43は、あらかじめ設定された音声検出スレッショルド(閾値)に基づいて、信号レベルが音声検出スレッショルド(閾値)を超えた音声信号の検出を行う役割を有している。
図5は、移動平均部42において移動平均が求められた音声信号と、音声検出スレッショルド部43において設定される音声検出スレッショルドとの関係を示した図である。音声検出スレッショルド部43において音声信号の検出を行う場合、音声強調処理部2より入力される音声信号は、音声強調処理部2においてノイズ音が低減されて発話者の音声が強調された状態となっているので、音声検出スレッショルドに基づく音声信号の検出を容易に行うことが可能である。図5において音声検出スレッショルドよりも高い信号レベルとなる部分(例えば、図5に示した音声区間に該当する部分など)が音声信号の検出部分として判断されることになる。
音声信号ホールド部44は、音声検出スレッショルド部43において検出された音声検出信号に対して所定時間の保持を行う役割を有している。音声信号ホールド部44によりホールド処理された音声信号は、音声検出信号として音量制御部6に出力される。
[第1帯域分割部]
次に、第1帯域分割部4について説明する。図6は、第1帯域分割部4の概略構成を示したブロック図である。第1帯域分割部4は、図6に示すように、第1ローパスフィルタ部51と第2ローパスフィルタ部52と、第1ハイパスフィルタ部53と、第2ハイパスフィルタ部54と、位相反転部55とを有している。
第1ローパスフィルタ部51および第2ローパスフィルタ部52は、低域通過型の3次のバタワース(Butterworth)・フィルタを2段カスケード接続することにより構成されたものであり、また、第1ハイパスフィルタ部53および第2ハイパスフィルタ部54は、高域通過型の3次のバタワース・フィルタを2段カスケード接続することにより構成されている。
本実施の形態に係る第1ローパスフィルタ部51、第2ローパスフィルタ部52、第1ハイパスフィルタ部53および第2ハイパスフィルタ部54を用いて、入力された音楽信号Lを、低域音楽信号L、中域音楽信号Lおよび高域音楽信号Lへ帯域分割するためのフィルタ特性は、図7に示した状態になる。具体的に、第1ローパスフィルタ部51のカットオフ周波数は300Hz、第2ローパスフィルタ部52のカットオフ周波数は6,000Hz、第1ハイパスフィルタ部53のカットオフ周波数は300Hz、第2ハイパスフィルタ部54のカットオフ周波数は6,000Hzに設定されている。
このようにしてカットオフ周波数が設定される第1ローパスフィルタ部51、第2ローパスフィルタ部52、第1ハイパスフィルタ部53および第2ハイパスフィルタ部54を、図6に示すようにそれぞれを組み合わせることによって、第1帯域分割部4に入力される音楽信号Lを、低域用の音楽信号として帯域分割が行われた低域音楽信号(非音声帯域信号)Lと、中域用の音楽信号として帯域分割が行われた中域音楽信号(第1音声帯域信号)Lと、高域用の音楽信号として帯域分割が行われた高域音楽信号(非音声帯域信号)Lとに分割することが可能となる。ここで、中域音楽信号の帯域幅は、第2ローパスフィルタ部52のカットオフ周波数と、第1ハイパスフィルタ部53のカットオフ周波数より明らかなように、音声信号の音声帯域に相当する帯域として設定されている。
位相反転部55は、第2ローパスフィルタ部52および第1ハイパスフィルタ部53によりフィルタ処理が行われた中域音楽信号Lの位相を反転させる役割を有している。帯域分割により中域音楽信号を生成する場合には、図7に示すように、音楽信号に対して第2ローパスフィルタ部52が適用されてカットオフ周波数が6,000Hz以下の信号レベルのみが音楽信号の出力として認められ、さらに、第1ハイパスフィルタ部53が適用されてカットオフ周波数が300Hz以上の信号レベルのみが音楽信号の出力として認められることになる。このため、位相反転部55によって中域音楽信号の位相を反転させることにより、低域周波数部分および高域周波数部分の出力値が強調されることになり、第1合成部7で帯域分割されたそれぞれの音楽信号を合成する場合において、それぞれの信号間で生ずる干渉を低減させることが可能となる。
なお、第2帯域分割部5は、第1帯域分割部4と実質的に同一の構成であり、入力された音楽信号Rをフィルタ処理により低域音楽信号Rと中域音楽信号Rと高域音楽信号Rとに帯域分割する。第2帯域分割部5の構成については、第1帯域分割部4と同一であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
[音量制御部]
次に、音量制御部6について説明する。図8は、音量制御部6の概略構成を示したブロック図である。音量制御部6は、図8に示すように、位相反転部(位相反転手段)61と、合成部(音声帯域信号合成手段)62と、第1ゲイン部(ゲイン付加手段)63と、第2ゲイン部(ゲイン付加手段)64と、選択部(音声帯域信号選択手段)65とを有している。
位相反転部61は、第2帯域分割部5により帯域分割された中域音楽信号Rに対して位相反転を行う役割を有しており、合成部62は、位相反転された中域音楽信号Rと、第1帯域分割部4により帯域分割された中域音楽信号Lとの合成を行う役割を有している。このように、中域音楽信号Lに対して、位相反転された中域音楽信号Rを合成することにより、中域音楽信号Rと中域音楽信号Lとの共通する音楽成分であるモノラル成分が除去されることになる。
特に、中域音楽信号Rおよび中域音楽信号Lは、音楽信号における音声帯域成分、つまり、音楽信号におけるボーカル帯域に該当するため、合成部62による合成処理によって、ボーカル帯域のモノラル成分の除去が行われることになる。一方で、合成された中域音楽信号(第2音声帯域信号)において、中域音楽信号Rと中域音楽信号Lとで共通していない音楽成分は残されることになるので、結果として中域音楽信号においてステレオ成分は保持された状態となる。
第1ゲイン部63および第2ゲイン部64は、ボーカル帯域のモノラル成分が除去された中域音楽信号に対してLチャンネル用およびRチャンネル用のゲインの重み付けを行うことにより、位相とレベルの補正を行う役割を有している。ボーカル帯域のモノラル成分が除去された(ステレオ成分が保持された)中域音楽信号は、第1ゲイン部63において0.707(1/√2)倍のゲインの重み付けが行われ、また、第2ゲイン部64において、−0.707(−1/√2)倍のゲインの重み付けが行われる。第1ゲイン部63においてゲインの重み付けが行われた中域音楽信号はLチャンネル用の中域音楽信号となり、第2ゲイン部64において重み付けが行われた中域音楽信号はRチャンネル用の中域音楽信号となる。
この重み付け処理によって、Lチャンネル用およびRチャンネル用のそれぞれの中域音楽信号は、チャンネル間で無相関な信号になると共に、それぞれのステレオ成分が強調されることになるため、次述する第1合成部7および第2合成部8において各帯域の音楽信号を合成する場合において、音楽信号がステレオ成分において干渉してしまうことを防止することが可能となると共に、ステレオ成分の音質劣化を低減させることが可能になる。
選択部65は、音声検出部3により出力された音声検出信号に応じて、音量制御部6より第1合成部7へ出力する中域音楽信号L'と、第2合成部8へ出力する中域音楽信号R'との決定を行う役割を有している。具体的に選択部65は、音声検出信号に基づいて音声の検出が行われたと判断した場合には、第1合成部7へ出力する中域音楽信号L'としてモノラル成分の除去が行われたLチャンネル用の中域音楽信号を選択すると共に、第2合成部8へ出力する中域音楽信号R'としてモノラル成分の除去が行われたRチャンネル用の中域音楽信号を選択する。
一方で、選択部65は、音声検出信号に基づいて音声の検出が行われなかったと判断した場合には、第1合成部7へ出力する中域音楽信号L'としてモノラル成分の除去が行われていないLチャンネル用の中域音楽信号L(つまり、第1帯域分割部4において帯域分割された中域音楽信号L)を選択すると共に、第2合成部8へ出力する中域音楽信号R'としてモノラル成分の除去が行われていないRチャンネル用の中域音楽信号R(つまり、第2帯域分割部5において帯域分割された中域音楽信号R)を選択する。選択部65により選択されたLチャンネル用の中域音楽信号(中域音楽信号L')は、第1合成部7へ出力され、選択されたRチャンネル用の中域音楽信号(中域音楽信号R')は、第2合成部8に出力される。
[第1合成部および第2合成部]
第1合成部7は、第1帯域分割部4において帯域分割された低域音楽信号Lおよび高域音楽信号Lと、音量制御部6により出力された中域音楽信号L'とを合成して第1パワーアンプ9へと出力する役割を有している。マイクMにより音声信号が取得された場合、第1合成部7において合成される中域音楽信号L'(音声帯域に該当)は、モノラル成分が除去された状態となる。このため、車室内で会話が行われた場合には、会話の妨げとなり得る中域成分のモノラル成分のみが低減された状態となり、円滑な会話を行うことが可能となる。さらに、マイクMにより音声信号が取得された場合には、音楽のモノラル成分は除去されてしまうが、ステレオ成分は除去されることがないため、音楽の音質(臨場感や迫力など)を損なうことがない。
第2合成部8も、第1合成部7と同様に、第2帯域分割部5において帯域分割された低域音楽信号Rおよび高域音楽信号Rと、音量制御部6により出力された中域音楽信号R'とを合成して第2パワーアンプ10へと出力する役割を有している。第2合成部8においても、マイクMで音声信号が取得された場合、音声帯域に該当する中域音楽信号のモノラル成分が除去された状態となるため、会話の妨げとなり得る中域成分のモノラル成分のみが低減され、円滑な会話を行うことが可能となる。さらに、ステレオ成分は除去されることがないため、音楽の音質(臨場感や迫力など)を損なうことがなくなる。
第1パワーアンプ9では、第1合成部7により出力された音楽信号を増幅した後にスピーカ11aより出力させ、第2パワーアンプ10では、第2合成部8により出力された音楽信号を増幅した後にスピーカ11bより出力させる。
次に、上述した自動音量制御装置1を用いて、音楽信号のモノラル成分が低減された場合と低減されていない場合とのそれぞれの音楽信号の周波数特性を、図9〜図12を用いて説明する。
図9は、マイクMにより取得される音声信号の周波数特性を一例として示している。このような音声信号がマイクMで取得される場合において、図10および図11に示すようなホワイト雑音が、音楽信号の一例として音源から出力される場合について説明する。なお、図10に示すホワイト雑音は、Lチャンネル用のホワイト雑音とRチャンネル用のホワイト雑音とが同一のモノラル信号である場合を示し、図11に示すホワイト雑音は、Lチャンネル用のホワイト雑音とRチャンネル用のホワイト雑音とがそれぞれ無相関のステレオ信号である場合を示している。
図10に示されるように音量制御が行われていない状態では、ホワイト雑音に特有な周波数特性(周波数にかかわらず信号レベルが一定)が示されているが、音量制御が行われた状態では、中帯域の信号レベルが顕著に低減されている様子が示されている。図10に示したホワイト雑音の場合には、Lチャンネル用のホワイト雑音とRチャンネル用のホワイト雑音とが同一のモノラル信号であり、中帯域におけるモノラル成分が多いため、信号レベルの低減が顕著に表れることになる。この中帯域におけるモノラル成分の信号レベルの低減により、円滑な会話を実現することが可能となる。
一方で、図11の場合、音量制御が行われていない状態では、ホワイト雑音に特有な周波数特性(周波数にかかわらず信号レベルが一定)が示されているが、音量制御が行われた状態であっても、ホワイト雑音に特有な周波数特性(周波数にかかわらず信号レベルが一定)が示され、制御の有無によって信号レベルの変化を判断することが困難となっている。図11に示したホワイト雑音の場合には、Lチャンネル用のホワイト雑音とRチャンネル用のホワイト雑音とがそれぞれ無相関のステレオ信号であるため、中帯域におけるモノラル成分が存在せず、信号レベルの低減が行われないためである。このようにモノラル成分以外のステレオ成分に関しては中帯域における信号レベルの低減が行われないので、音楽の音質(臨場感や迫力など)などを維持することが可能となる。
図12は、ボーカル音を含んだ音楽信号を用いた場合における周波数特性を示しており、図12における音楽信号では、Lチャンネル用とRチャンネル用との音楽信号がステレオ成分(モノラル成分も含む)を備えているものとする。図12に示すように、音量制御を行った場合と、音量制御を行わない場合とのそれぞれの音楽信号の周波数特性を比較すると、ボーカル帯域(音声帯域)に該当する中帯域の信号レベルだけが大きく減衰し、高帯域および低帯域の信号レベルは、音量制御の有無にかかわらずほとんど同じような信号レベルを維持した状態となっている。
図12に示す場合には、ボーカル帯域に該当する中帯域のモノラル成分のみ低減されるため、中帯域の信号レベルが低減されるが、高帯域および低帯域に関してはモノラル成分の低減処理が行われないため信号レベルに変化が生じないことになる。一方で、音楽信号のステレオ成分に関しては、音量制御の有無にかかわらず信号レベルの低減が生じないため、ほぼ全ての周波数において一様に出力が確保されている。
このように、LチャンネルとRチャンネルとの間が無相関な信号となるステレオ信号においては、第1合成部7および第2合成部8において音楽信号の合成処理を行っても干渉が発生していない。一方で、中帯域(ボーカル帯域)におけるモノラル成分に関しては、図12に示すように、約10dB程度の信号レベルの減衰が生じており、会話の妨げとなり得る音声帯域(ボーカル帯域、中帯域)の信号レベル(音量)だけを効果的に低減させる(制御する)ことが可能となる。なお、中帯域における信号レベルの減衰量は、音楽のボーカルのレベルに応じて可変し、ボーカルのレベルが大きくなるほど減衰が相対的に大きくなる。
以上、説明したように、本実施の形態に係る自動音量制御装置1によれば、Lチャンネル用の音楽信号Lを、低域音楽信号L、中域音楽信号L、高域音楽信号Lに帯域分割し、同様に、Rチャンネル用の音楽信号Rを、低域音楽信号R、中域音楽信号R、高域音楽信号Rに帯域分割した後に、Rチャンネル用の中域音楽信号Rの位相を反転させてLチャンネル用の中域音楽信号Lと合成させることにより、スピーカ11a、11bより出力させる音楽信号の音声帯域(中帯域)におけるモノラル成分の出力(信号レベル)を低減させることができる。
このため、スピーカ11a,11bより出力される音楽信号の全体的なステレオ感を維持した状態で、会話の妨げとなり得る音声帯域のモノラル成分の信号レベルだけを効果的に低減させることができ、音楽が流れる状況であっても円滑な会話環境を実現することが可能となる。また、会話中であっても音楽信号における全体的なステレオ感(特に低域音楽信号と高域音楽信号のステレオ成分)は維持することができるので、円滑な会話を実現させつつ、音楽の音質(臨場感や迫力など)の低下を抑制することが可能となる。
特に、本実施の形態に係る自動音量制御装置1では、第1ゲイン部63および第2ゲイン部64においてモノラル成分の低減が成された中域音楽信号に対してチャンネル毎に重み付け処理が行われているため、中域音楽信号においてモノラル成分の低減が行われた場合であっても残されたステレオ成分が強調され、音声帯域(ボーカル帯域)を含む全体的なステレオ感を高く維持することが可能となる。
さらに、第1ゲイン部63および第2ゲイン部64において中域音楽信号に対する重み付け処理が行われるため、Lチャンネル用の中域音楽信号とRチャンネル用の中域音楽信号とが無相関な信号となり、第1合成部7および第2合成部8において音楽信号の合成を行う場合において、ステレオ成分の音楽信号が干渉してしまうことを防止することが可能となる。
さらに、上述した音声帯域におけるモノラル成分の出力低減は、マイクMにより音声信号が検出されたと音声検出部3により判断された時に、音量制御部6において制御されるため、発話者による会話が行われた時だけ、自動的に音楽信号レベルを低減させることができる。また、このように音声検出に応じて音楽信号の音量制御が行われるため、会話が行われていない状態(会話が途切れた状態など)では、音声帯域におけるモノラル成分の音量低減制御は行われないため、会話が行われていない状態では(音声信号の検出がない場合には)、音楽信号の信号レベルの低減処理(音量制御)が全く行われなくなり、良質な音質の音楽を楽しむことが可能となる。
さらに、第1帯域分割部4および第2帯域分割部5において帯域分割を行った中域音楽信号には、位相反転部55においてあらかじめ位相反転が行われているので、第1合成部7および第2合成部8において、高域音楽信号および低域音楽信号と共に音声信号の合成を行う場合において、各信号間で干渉が生じてしまうことを低減させることが可能となる。
また、オーディオキャンセラ部15の第1適応フィルタ部25および第2適応フィルタ部26においてLMS適応アルゴリズムを適用することにより、音声信号における音声信号成分以外の信号成分(ノイズ成分)が効果的に低減され、さらに、ノイズキャンセラ部16においてノイズ信号の除去が行われているので、音声検出部3における音声信号の検出精度の向上を図ることが可能となる。
以上、本発明に係る自動音量制御装置について、図面を用いて詳細に説明した、本発明に係る自動音量制御装置は、上述した実施の形態に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本実施の形態では、自動音量制御装置1を車両に設置する場合を一例として示したが、本発明に係る自動音量制御装置は、車両に設置されるものには限定されず、音楽などが流れる空間において、音楽などにより会話が妨げられるおそれがある環境であれば、車室内には限定されず、異なる環境・空間に設置することも可能である。
また、本実施の形態では、Lチャンネル用の音楽信号Lを、低域音楽信号L、中域音楽信号L、高域音楽信号Lの3帯域に帯域分割し、同様に、Rチャンネル用の音楽信号Rを、低域音楽信号R、中域音楽信号R、高域音楽信号Rの3帯域に帯域分割した場合について説明を行ったが、本発明に係る自動音量制御装置は、3帯域に分割されるものには限定されない。本発明に係る自動音量制御装置では、音声帯域を含む音声帯域信号と、音声帯域以外の帯域を含む非音声帯域信号とに少なくとも帯域分割することができればよく、非音声帯域信号に該当する信号は、高域信号および低域信号のみに限定されず、さらに細かく帯域分割されるものであってもよい。
1 …自動音量制御装置
2 …音声強調処理部
3 …音声検出部(音声検出手段)
4 …第1帯域分割部(帯域分割手段)
5 …第2帯域分割部(帯域分割手段)
6 …音量制御部(位相反転手段、音声帯域信号合成手段、音声帯域信号選択手段、ゲイン付加手段)
7 …第1合成部(音楽信号合成手段)
8 …第2合成部(音楽信号合成手段)
9 …第1パワーアンプ
10 …第2パワーアンプ
11a、11b …スピーカ
15 …(音声強調処理部の)オーディオキャンセラ部
16 …(音声強調処理部の)ノイズキャンセラ部
21 …(オーディオキャンセラ部の)第1バンドパスフィルタ部
22 …(オーディオキャンセラ部の)第2バンドパスフィルタ部
23 …(オーディオキャンセラ部の)第1遅延部
24 …(オーディオキャンセラ部の)第2遅延部
25 …(オーディオキャンセラ部の)第1適応フィルタ部
26 …(オーディオキャンセラ部の)第2適応フィルタ部
28 …(第1適応フィルタ部の)第1FIR部
29 …(第1適応フィルタ部の)第1LMS部
30 …(第1適応フィルタ部の)第1加算部
31 …(第2適応フィルタ部の)第2FIR部
32 …(第2適応フィルタ部の)第2LMS部
33 …(第2適応フィルタ部の)第2加算部
41 …(音声検出部の)実効値検出部
42 …(音声検出部の)移動平均部
43 …(音声検出部の)音声検出スレッショルド部
44 …(音声検出部の)音声信号ホールド部
51 …(第1帯域分割部の)第1ローパスフィルタ部
52 …(第1帯域分割部の)第2ローパスフィルタ部
53 …(第1帯域分割部の)第1ハイパスフィルタ部
54 …(第1帯域分割部の)第2ハイパスフィルタ部
55 …(第1帯域分割部の)位相反転部
61 …(音量制御部の)位相反転部(位相反転手段)
62 …(音量制御部の)合成部(音声帯域信号合成手段)
63 …(音量制御部の)第1ゲイン部(ゲイン付加手段)
64 …(音量制御部の)第2ゲイン部(ゲイン付加手段)
65 …(音量制御部の)選択部(音声帯域信号選択手段)
M …マイク

Claims (3)

  1. マイクにより取得された音響信号より音声信号の検出を行う音声検出手段と、
    音源により出力されるLチャンネル用の音楽信号とRチャンネル用の音楽信号とのそれぞれを、音声帯域に対応する周波数帯域からなる第1音声帯域信号と、前記音声帯域に対応しない周波数帯域からなる非音声帯域信号とに帯域分割する帯域分割手段と、
    Lチャンネル用の前記第1音声帯域信号とRチャンネル用の前記第1音声帯域信号とのいずれか一方の音声帯域信号だけ位相反転を行う位相反転手段と、
    該位相反転手段により位相反転されたLチャンネル用の前記第1音声帯域信号あるいはRチャンネル用の前記第1音声帯域信号のいずれか一方の音声帯域信号と、前記位相反転手段により位相反転されなかった他方の音声帯域信号とを合成することにより、Lチャンネル用の第2音声帯域信号とRチャンネル用の第2音声帯域信号とを生成する音声帯域信号合成手段と、
    前記音声帯域信号合成手段により生成されたLチャンネル用の第2音声帯域信号とRチャンネル用の第2音声帯域信号とのいずれか一方に対して、他方に対する位相反転補正を行う位相補正手段と、
    前記音声検出手段により前記音声信号の検出が行われた場合に、前記位相補正手段によりいずれか一方の位相反転補正が行われたLチャンネル用の前記第2音声帯域信号およびRチャンネル用の前記第2音声帯域信号各チャンネル用の音声帯域信号として出力し、前記音声検出手段により前記音声信号の検出が行われなかった場合には、前記帯域分割手段により帯域分割されたLチャンネル用の前記第1音声帯域信号とRチャンネル用の前記第1音声帯域信号とをそのまま各チャンネル用の音声帯域信号として出力する音声帯域信号選択手段と、
    該音声帯域信号選択手段により出力されたLチャンネル用の音声帯域信号およびRチャンネル用の音声帯域信号と、前記帯域分割手段において帯域分割されたLチャンネル用の非音声帯域信号およびRチャンネル用の非音声帯域信号とを、それぞれのチャンネル毎に合成することにより、Lチャンネル用の全帯域の音楽信号およびRチャンネル用の全帯域の音楽信号とを生成する音楽信号合成手段と
    を備えることを特徴とする自動音量制御装置。
  2. 前記位相補正手段は、前記音声帯域信号合成手段により合成処理されたLチャンネル用の前記第2音声帯域信号とRチャンネル用の前記第2音声帯域信号とに対して、それぞれのチャンネルに応じたゲインの重み付けを行うゲイン付加手段としての機能を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動音量制御装置。
  3. 前記帯域分割手段は、前記音源により出力されるLチャンネル用の前記音楽信号とRチャンネル用の前記音楽信号とのそれぞれを、音声帯域に対応する周波数帯域からなる前記第1音声帯域信号と、前記音声帯域よりも低い周波数帯域からなる低域信号と、前記音声帯域よりも高い周波数帯域からなる高域信号とに帯域分割すると共に、前記第1音声帯域信号のみ位相反転を行い、
    前記音楽信号合成手段は、前記音声帯域信号選択手段により出力されたLチャンネル用の前記音声帯域信号およびRチャンネル用の前記音声帯域信号と、Lチャンネル用の前記低域信号およびRチャンネル用の前記低域信号と、Lチャンネル用の前記高域信号およびRチャンネル用の前記高域信号とを、それぞれのチャンネル毎に合成することにより、Lチャンネル用の全帯域の音楽信号およびRチャンネル用の全帯域の音楽信号とを生成すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動音量制御装置。
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