JP5546289B2 - 鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法並びに処理システム - Google Patents

鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法並びに処理システム Download PDF

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Description

本発明は、溶融飛灰、塩素バイパスダスト等の、鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法並びに処理システムに関する。
従来より、溶融飛灰等の微粉末から鉛等の有用成分を回収するための種々の技術が知られている。
例えば、カルシウム成分と塩素成分と有価金属成分とを含有する溶融飛灰から石膏を回収する方法において、前記溶融飛灰を塩酸含有水溶液でpH7〜10に調整して浸出処理することにより前記溶融飛灰から前記カルシウム成分の大部分及び前記塩素成分を浸出して浸出液を生成する浸出工程と、前記浸出工程で生成された浸出液から前記溶融飛灰中の前記カルシウム成分の残部及び前記有価金属成分を含有する固形分を分離する第1固液分離工程と、前記第1固液分離工程で前記固形分が除去された前記浸出液に硫酸を添加して反応させ石膏を沈殿させるとともに前記浸出液を石膏ろ液である塩酸含有水溶液とする反応工程と、前記反応工程で沈殿した前記石膏を前記塩酸含有水溶液から分離する第2固液分離工程と、前記第2固液分離工程で前記石膏が除去された前記塩酸含有水溶液の一部又は全部を前記浸出工程に戻す工程とを含む溶融飛灰からの石膏の回収方法が、提案されている(特許文献1)。
特開2008−246398号公報
従来、溶融飛灰等の微粉末から鉛成分等の有用成分を回収するに際し、上述の特許文献1にも記載されているように、当該微粉末と水と塩酸を混合して、微粉末中のカルシウム成分、塩素成分等を溶出させた後、固液分離して、鉛成分等の有用成分を含む固形分と、カルシウム成分、塩素成分等を含む液分を得ることが行われている。
しかし、この場合、鉛成分のすべてを固形分中に含有させ、かつ、カルシウム成分のすべてを液分中に含有させることは、困難である。例えば、鉛成分の一部は、固形分中に残存せずに、液分中に溶出する。また、処理対象物である微粉末が硫酸成分(SO)を含む場合、固形分は、硫酸鉛のみならず、硫酸カルシウムも含む。
そこで、本発明は、鉛成分の回収率が高く、かつ、鉛成分とカルシウム成分を分別して回収することのできる、鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法並びに処理システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、処理対象物である微粉末を含むスラリーに対して、硫化剤、塩酸の順に薬剤を添加することによって、鉛成分の回収率が高くなること、及び、鉛成分とカルシウム成分を分別して回収しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] (A)鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末と、水と、硫化剤を混合して、鉛硫化物を含むスラリーを得る鉛硫化物生成工程と、(B)上記スラリーと、塩酸を混合して、上記微粉末中のカルシウム成分を溶出させて、鉛硫化物及び溶出したカルシウム成分を含むスラリーを得るカルシウム成分溶出工程と、を含むことを特徴とする鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法。
[2] (C)工程(B)で得られた上記スラリーに疎水化剤を加えて、上記鉛硫化物を疎水化させ、浮遊選鉱用スラリーを得る疎水化工程と、(D)上記浮遊選鉱用スラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱を得る浮遊選鉱工程と、を含む上記[1]に記載の鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法。
[3] 上記微粉末が、溶融飛灰、焼却飛灰、及び塩素バイパスダストの中から選ばれる一種以上である上記[1]又は[2]に記載の鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法。
[4] 鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末と、水と、硫化剤を混合して、鉛硫化物を含むスラリーを得るための混合槽と、上記混合槽で得られたスラリーと、塩酸を混合して、鉛硫化物及び溶出したカルシウム成分を含むスラリーを得るためのカルシウム成分溶出と、上記カルシウム成分溶出で得られスラリーに疎水化剤を加えて、上記鉛硫化物を疎水化させ、浮遊選鉱用スラリーを得るための疎水化反応槽と、上記浮遊選鉱用スラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱を得るための浮遊選鉱と、を含むことを特徴とする鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理システム。
本発明によれば、硫化剤及び塩酸を加えた後の時点で、固体分として、高い回収率(例えば、98質量%以上)で鉛成分を回収することができる。
また、本発明によれば、このように高い回収率で回収された鉛成分を含む固体分に対して、例えば疎水化処理及び浮遊選鉱処理を行なうことによって、浮鉱として、鉛硫化物を含む固体分を回収することができる。この固体分は、高い品位で鉛成分を含み、カルシウム成分の含有率が小さいものである。この浮遊選鉱処理によって、高い回収率で鉛成分を回収することができる。
本発明の微粉末の処理方法の一例を示すフロー図である。 本発明の微粉末の処理システムの一例を概念的に示す図である。
まず、本発明の微粉末の処理方法について説明する。
本発明の微粉末の処理方法は、(A)鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末(例えば、溶融飛灰)と、水と、硫化剤(例えば、水硫化ソーダ)を混合して、鉛硫化物を含むスラリーを得る鉛硫化物生成工程と、(B)上記スラリーと、塩酸を混合して、上記微粉末中のカルシウム成分を溶出させて、鉛硫化物及び溶出したカルシウム成分を含むスラリーを得るカルシウム成分溶出工程と、を含むものである。
本発明の微粉末の処理方法は、上記工程(A)及び工程(B)に加えて、(C)工程(B)で得られた上記スラリーに疎水化剤(例えば、ザンセート)を加えて、上記鉛硫化物を疎水化させ、浮遊選鉱用スラリーを得る疎水化工程と、(D)上記浮遊選鉱用スラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱を得る浮遊選鉱工程と、を含むことができる。なお、図1は、工程(A)〜工程(D)を含む一例を示すものである。
以下、各工程について詳しく説明する。
[工程(A);鉛硫化物生成工程]
工程(A)は、鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末と、水と、硫化剤を混合して、鉛硫化物を含むスラリーを得る工程である。
本発明の処理対象となる微粉末としては、例えば、溶融飛灰、焼却飛灰、塩素バイパスダスト等が挙げられる。
硫化剤の例としては、水硫化ソーダ(NaSH)、硫化ソーダ(NaS)、硫化水素ガス(HS)等が挙げられる。
スラリー中に生成する鉛硫化物の例としては、硫化鉛(PbS)等が挙げられる。
水1リットル当りの鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の質量は、好ましくは5〜300g/リットル、より好ましくは20〜250g/リットル、特に好ましくは50〜200g/リットルである。該値が5g/リットル未満では、微粉末の単位質量当たりの水量が大きくなり、処理の効率が低下する。該値が300g/リットルを超えると、工程(D)(浮遊選鉱工程)における鉛成分と他の成分(特に、カルシウム成分)の分離性能が低下する。
スラリーのpHは、特に限定されないが、例えば、8以上である。
[工程(B);カルシウム成分溶出工程]
工程(B)は、工程(B)で得られたスラリーと、塩酸を混合して、処理対象物である微粉末中のカルシウム成分を溶出させて、鉛硫化物及び溶出したカルシウム成分を含むスラリーを得る工程である。
塩酸の添加量は、特に限定されないが、好ましくは、スラリーのpHが2〜7の範囲内となる量である。該pHが2未満では、カルシウム成分、塩素成分等の溶出量の増大が頭打ちとなる一方、塩酸の添加量が大きくなり、薬剤コストが増大する。該pHが7を超えると、カルシウム成分、塩素成分等の溶出が不十分となり、工程(D)(浮遊選鉱工程)における鉛成分と他の成分(特に、カルシウム成分)の分離性能が低下する。
処理対象物である微粉末に含まれる鉛成分の全量(100質量%)に対する、工程(B)で得られるスラリー中の固体分に含まれる鉛成分の質量の割合は、通常、98質量%以上である。
[工程(C);疎水化工程]
工程(C)は、工程(B)で得られたスラリーに疎水化剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化させ、浮遊選鉱用スラリーを得る工程である。
工程(C)(疎水化工程)は、工程(D)(浮遊選鉱工程)の前処理として、疎水化剤を加えて、鉛硫化物の粒子を疎水化させるものである。
浮遊選鉱とは、疎水性の表面を有する粒子及び親水性の表面を有する粒子を含む水中にガスを供給して、このガスからなる泡の表面に、疎水性の表面を有する粒子を付着させ、該粒子が付着している泡を、水中で浮力により浮上させることによって、沈鉱である親水性の表面を有する粒子と、浮鉱である疎水性の表面を有する粒子とに分離するものである。
なお、通常、粒子の表面の疎水性及び親水性を人為的に調節して、分離性能を高めるために、捕収剤と呼ばれる種々の化学薬剤が用いられる。従来知られている個々の捕収剤は、粒子の種類によってその効果(適否)が異なることが知られている。
工程(C)では、鉛硫化物と他の成分(硫酸カルシウム等)を分離させるために、鉛硫化物の粒子の表面の疎水性を高めるための捕収剤である疎水化剤を用いる。
疎水化剤の好ましい例として、ザンセートが挙げられる。鉛硫化物は、ザンセートによって疎水性を高められた後、泡の表面に付着して、水中を浮上し、浮鉱となる。
ザンセートとは、−OC(=S)−Sの化学構造を有するキサントゲン酸塩をいう。ザンセートの例としては、R−OC(=S)−S(式中、Rは炭素数1〜20(好ましくは2〜5)のアルキル基、MはNa、K等のアルカリ金属またはNH等を表す。)の一般式で表される化合物が挙げられる。
ザンセートの使用量は、例えば、本発明の処理対象物である微粉末中の鉛成分の通常の含有率から推測して定めることができる。具体的には、ザンセート/Pbのモル比が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.04以上となる量のザンセートを添加することが望ましい。該値が0.01未満では、鉛硫化物を浮鉱として十分に浮上させることが困難となる。
ザンセートの使用量の上限値は、特に限定されないが、薬剤コストの削減等の観点から、ザンセート/Pbのモル比が、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.2以下となる量であることが望ましい。
スラリーに起泡剤を加えることもできる。起泡剤を用いることによって、浮遊選鉱における浮鉱の浮上を促進することができる。起泡剤は、通常、鉛硫化物を疎水化した後に添加される。
起泡剤の例としては、メチルイソブチルカルビノール(MIBC;4−メチル−2−ペンタノール)、メチルイソブチルケトン、パイン油、エチレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、クレゾール酸等が挙げられる。起泡剤として、前記の例示物の他に、例えば、炭素数6〜8の鎖状の炭化水素基(アルキル基等)や炭素数10〜15の環状の炭化水素基(芳香族基、シクロアルキル基等)等の疎水性基、及び、水酸基、カルボキシル基等の親水性基を有する化合物も、使用することができる。
起泡剤の添加量は、スラリー1リットルに対して、好ましくは5〜100mgである。
なお、本発明において、起泡剤の添加は必須ではなく、任意である。
[工程(D);浮遊選鉱工程]
工程(D)は、工程(C)で得られた浮遊選鉱用スラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱を得る工程である。
浮遊選鉱を行う手段としては、ファーレンワルド型浮選機(FW型浮選機)、MS型浮選機、フェジャーグレン型浮選機、アジテヤ型浮選機、ワーマン型浮選機等の浮選機が挙げられる。
浮鉱は、スラリーの液中の上部領域(特に液面付近)に存在する固体分を回収することによって、スラリーの他の成分(液分、沈鉱)から分離することができる。
浮鉱は、鉛(Pb)の分配率(換言すれば、浮鉱中のPbと沈鉱中のPbの合計量中の浮鉱中のPbの質量割合)が大きいので、鉛成分及びカルシウム成分を含有する微粉末に由来する鉛含有物質として分離回収することができる。
浮遊選鉱処理の回数は、1回でもよいし、複数回でもよいが、処理対象物である微粉末からの鉛成分の回収率を高める観点から、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上である。ただし、該回数は、処理コストの観点から、好ましくは5回以下である。
なお、処理対象物である微粉末中にPbが多く含まれ、かつCaの量が少ない場合(例えば、後述の実施例における飛灰Dを用いる場合)には、工程(B)で得られたスラリーを固液分離するだけで、鉛の品位が高い鉛含有固形分を得ることができ、工程(C)以降の工程を省略することができる。
浮遊選鉱処理を2回以上行なう場合、各回の前の時点で、疎水化剤を添加することが望ましい。つまり、工程(C)と工程(D)の一連の操作を繰り返すことが望ましい。
工程(D)によって得られる浮鉱中の鉛成分の品位(浮鉱の乾燥質量中の鉛成分のPb換算含有量の割合(%))は、浮遊選鉱処理の回数が1回目の場合で例えば35質量%以上、2回目の場合で例えば25質量%以上である。
浮遊選鉱処理の前の時点におけるスラリー中の固体分に含まれる鉛成分の全量(100質量%)に対する、浮鉱に含まれる鉛成分の質量の割合(浮鉱としての鉛成分の回収率)は、浮遊選鉱処理の回数が1回目の場合で例えば30質量%以上、回数が3回目の場合で例えば70質量%以上(1〜3回の累計)である。
次に、本発明の微粉末の処理システムの一例を説明する。
図2中、本発明の微粉末の処理システムは、図1に示す処理方法に対応する処理システムであって、処理対象物である微粉末と、水と、硫化剤を混合して、鉛硫化物を含むスラリーを得るための混合槽1と、混合槽1で得られた硫化物を含むスラリーと、塩酸を混合して、微粉末に含まれる塩素成分の溶出を促すためのカルシウム成分溶出槽5と、鉛硫化物及び溶出したカルシウム成分を含むスラリーに、疎水化剤を加えて、スラリー中の鉛硫化物を疎水化するための疎水化反応槽8と、疎水化反応槽8で得られたスラリーを導入して浮遊選鉱処理を行なうための浮遊選鉱機11を備えている。
なお、浮遊選鉱処理を2回以上行なう場合、浮遊選鉱機11は、複数、直列に配置される。この場合、2回目の浮遊選鉱処理を行なう浮遊選鉱機以降の各装置の前流側の地点にて、疎水化剤供給手段9と同様の疎水化剤供給手段によって、疎水化剤が供給される。
混合槽1、カルシウム成分溶出槽5、及び疎水化反応槽8は、各々、スラリーを撹拌するための撹拌翼を備えている。
混合槽1には、処理対象物である微粉末を供給するための微粉末供給手段2(例えば、微粉末の貯留槽及び流通路を有するもの)と、水を供給するための水供給手段3(例えば、水道管等の水の流通路)と、硫化剤を供給するための硫化剤供給手段4(例えば、硫化剤の貯留槽及び流通路を有するもの)が接続されている。
カルシウム成分溶出槽5には、塩酸を供給するための塩酸供給手段6(例えば、塩酸の貯留槽及び流通路を有するもの)が接続されている。
疎水化反応槽8には、疎水化剤供給手段9(例えば、疎水化剤の貯留槽及び流通路を有するもの)が接続されている。
なお、カルシウム成分溶出槽5と疎水化反応槽8の各々には、pH測定手段(pH計)7,10が設けられている。pH測定手段7とpH測定手段10は、必ずしも両方設ける必要はなく、いずれか一方のみを設けてもよい。
混合槽1、カルシウム成分溶出槽5、疎水化反応槽8、及び浮遊選鉱機11の相互間には、各々、スラリーが混合槽1から浮遊選鉱機11まで一方向に流通するように、スラリーの流通路(例えば、ポンプ及び管路)が設けられている。
なお、本発明の処理システムは、疎水化反応槽8から浮遊選鉱機11までの流通路の途中に、起泡剤を供給するための起泡剤供給手段(図示略;例えば、起泡剤の貯留槽及び流通路を有するもの)を備えていてもよい。
本発明においては、連続式とバッチ式のいずれの処理システムを採用してもよいが、処理効率の観点からは、連続式の処理システムが好ましい。
[実施例1]
以下、実施例及び比較例により本発明を説明する。なお、以下の「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
[鉛成分及びカルシウム成分を含有する微粉末の用意]
処理対象物である鉛成分及びカルシウム成分を含有する微粉末として、下記の表1に示す成分組成を有する3種の溶融飛灰(飛灰A〜飛灰D)を用意した。なお、表1中、3質量%以下の含有率で含まれる成分は、省略した。
Figure 0005546289
[実施例1]
「飛灰A」130g及び蒸留水1300ミリリットルを混合槽に投入し、撹拌して、均一なスラリーを得た。このスラリーに硫化剤として、水硫化ソーダ/鉛のモル比が1.0である量の水硫化ソーダ水溶液(濃度:10%)を加えて、撹拌し、鉛硫化物を含むスラリーを得た。
次いで、このスラリーに塩酸(濃度:36%)を加えて撹拌し、液性をpH3.0に調整した。pH調整後のスラリーを、吸引ろ過器を用いて固液分離し、鉛硫化物を含む固体分と、液分を得た。
[実施例2]
「飛灰A」に代えて「飛灰B」を用いた以外は実施例1と同様にして実験した。
[実施例3]
「飛灰A」に代えて「飛灰C」を用いた以外は実施例1と同様にして実験した。
[実施例4]
「飛灰A」に代えて「飛灰D」を用いた以外は実施例1と同様にして実験した。
[比較例1]
「飛灰A」130g及び蒸留水1300ミリリットルを混合槽に投入し、撹拌して、均一なスラリーを得た。このスラリーに塩酸(濃度:36%)を加えて撹拌し、液性をpH3.0に調整した。得られたスラリーを、吸引ろ過器を用いて固液分離し、液分を得た。
次いで、この液分に硫化剤として、水硫化ソーダ/鉛のモル比が1.0である量の水硫化ソーダ水溶液(濃度:10%)を加えて、撹拌し、鉛硫化物を含むスラリーを得た。
得られたスラリーを、吸引ろ過器を用いて固液分離し、鉛硫化物を含む固体分と、液分を得た。
[比較例2]
「飛灰A」に代えて「飛灰B」を用いた以外は比較例1と同様にして実験した。
[比較例3]
「飛灰A」に代えて「飛灰C」を用いた以外は比較例1と同様にして実験した。
[比較例4]
「飛灰A」に代えて「飛灰D」を用いた以外は比較例1と同様にして実験した。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各固体分に含まれる鉛硫化物の量を定量し、飛灰に含まれている鉛成分の全量からの鉛成分の回収率(%)を求めた。
結果を表2に示す。表2から、実施例1〜4における鉛成分の回収率は、98.8%以上であり、非常に高いことがわかる。一方、比較例1〜4における鉛成分の回収率は、33.6%以下であり、実施例1〜4に比べて低いことがわかる。
Figure 0005546289
[実施例5]
最後に固液分離を行なわない以外は実施例1と同様にして、液性をpH3.0に調整したスラリーを得た。
このスラリーに疎水化剤としてザンセート水溶液(濃度:5%)を加えて、15分間撹拌した。ザンセートの添加量は、ザンセート/鉛のモル比が0.04となる量であった。次に、このスラリーを1段目の浮遊選鉱機に導き、20分間、浮遊選鉱処理を行なった。処理後、浮遊選鉱機から、浮鉱を含むスラリー部分、及び、沈鉱を含むスラリー部分を回収した。このうち、浮鉱を含むスラリー部分中の鉛硫化物の量を定量し、鉛成分の回収率及び品位を算出した。
一方、1段目の浮遊選鉱機から回収した沈鉱を含むスラリー部分に、ザンセート水溶液(濃度:5%)を加えて、15分間撹拌した。ザンセートの添加量は、ザンセート/鉛のモル比が0.04となる量であった。次に、このスラリー部分を2段目の浮遊選鉱機に導き、10分間、浮遊選鉱処理を行なった。処理後、浮遊選鉱機から、浮鉱を含むスラリー部分、及び、沈鉱を含むスラリー部分を回収した。このうち、浮鉱を含むスラリー部分中の鉛硫化物の量を定量し、鉛成分の回収率及び品位を算出した。
一方、2段目の浮遊選鉱機から回収した沈鉱を含むスラリー部分に、ザンセート水溶液(濃度:5%)を加えて、15分間撹拌した。ザンセートの添加量は、ザンセート/鉛のモル比が0.04となる量であった。次に、このスラリー部分を3段目の浮遊選鉱機に導き、10分間、浮遊選鉱処理を行なった。処理後、浮遊選鉱機から、浮鉱を含むスラリー部分、及び、沈鉱を含むスラリー部分を回収した。このうち、浮鉱を含むスラリー部分中の鉛硫化物の量を定量し、鉛成分の回収率及び品位を算出した。
[実施例6〜8]
飛灰の種類を表3に示すものに変えた以外は実施例5と同様にして、実験した。
以上の結果を表3に示す。表3から、3回の浮遊選鉱を行なうことによって、73%以上の回収率で鉛成分を回収しうることがわかる。また、鉛成分の品位が、1〜3回目のすべてにおいて32%以上であることもわかる。
Figure 0005546289
1 混合槽
2 微粉末供給手段
3 水供給手段
4 硫化剤供給手段
5 カルシウム成分溶出槽
6 塩酸供給手段
7 pH計
8 疎水化反応槽
9 疎水化剤供給手段
10 pH計
11 浮遊選鉱機

Claims (4)

  1. (A) 鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末と、水と、硫化剤を混合して、鉛硫化物を含むスラリーを得る鉛硫化物生成工程と、
    (B) 上記スラリーと、塩酸を混合して、上記微粉末中のカルシウム成分を溶出させて、鉛硫化物及び溶出したカルシウム成分を含むスラリーを得るカルシウム成分溶出工程と、
    を含むことを特徴とする鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法。
  2. (C) 工程(B)で得られた上記スラリーに疎水化剤を加えて、上記鉛硫化物を疎水化させ、浮遊選鉱用スラリーを得る疎水化工程と、
    (D) 上記浮遊選鉱用スラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱を得る浮遊選鉱工程と、
    を含む請求項1に記載の鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法。
  3. 上記微粉末が、溶融飛灰、焼却飛灰、及び塩素バイパスダストの中から選ばれる一種以上である請求項1又は2に記載の鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理方法。
  4. 鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末と、水と、硫化剤を混合して、鉛硫化物を含むスラリーを得るための混合槽と、
    上記混合槽で得られたスラリーと、塩酸を混合して、鉛硫化物及び溶出したカルシウム成分を含むスラリーを得るためのカルシウム成分溶出と、
    上記カルシウム成分溶出で得られスラリーに疎水化剤を加えて、上記鉛硫化物を疎水化させ、浮遊選鉱用スラリーを得るための疎水化反応槽と、
    上記浮遊選鉱用スラリーを浮遊選鉱処理して、鉛硫化物を含む浮鉱を得るための浮遊選鉱と、
    を含むことを特徴とする鉛成分及びカルシウム成分を含む微粉末の処理システム。
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