JP5546016B2 - 電気泳動用粒子分散液及びその製造方法 - Google Patents
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Description
表示装置は、顔料粒子が偏在することなく、外部電場により移動することが求められており、この観点から、顔料粒子を樹脂で被覆した樹脂被覆顔料粒子の分散液の製造方法が種々報告されている。
例えば、特開2005−255911号公報(特許文献1)では、樹脂と、顔料粒子と、分散剤とを含む第1溶媒と、第1溶媒より高沸点で第1溶媒と相溶性のない第2溶媒とを混合した後、第1溶媒を除去することで、樹脂被覆顔料粒子の分散液を得る方法が記載されている。ここで、樹脂は、第1溶媒に溶解し、第2溶媒に溶解しないと記載されている。
更に、特開2009−186808号公報(特許文献4)及び特許4544358号公報(特許文献5)では、反応性シリコーン系高分子又は反応性長鎖アルキル系高分子を反応させ、反応性シリコーン系高分子の非架橋体又は反応性長鎖アルキル系高分子の非架橋体を着色粒子の表面に結合又は被覆する工程と、反応性シリコーン系高分子又は反応性長鎖アルキル系高分子を架橋させて、着色粒子の表面を覆って高分子ゲル層を形成する工程を経て高分子ゲルを得る方法が記載されている。また、この粒子作製方法では、連続相にて架橋を施している。
特許文献1では、高分子型分散剤が脱離することによる分散性への悪影響を抑制するため過剰量及び未反応の高分子型分散剤を除去することが望まれるが、樹脂被覆顔料粒子から相溶性の高い高分子型分散剤を完全に除去することは容易ではない。加えて、高分子型分散剤の脱離により、長期間の電気泳動性の低下や、帯電性の低下が生じるという懸念がある。また、帯電量の大きな粒子を作ることが困難である。更に、分散剤を使用しない場合、安定に樹脂被覆顔料粒子を製造することが困難であるという課題もある。
特許文献4及び5の方法では、第2溶媒として水を使用しているため、分散液中に水分が残存する。その結果、樹脂被覆顔料粒子の帯電性が低下するという課題がある。また、水分除去後に連続相にて架橋を行うため、工程数が多いという課題がある。
更に、特許文献6の方法では、コアセルベーション法を利用するため、使用する樹脂と溶媒とが限定されてしまい、工業的には汎用しうる技術ではない。
かくして本発明によれば、シリコーン鎖からなるセグメントと水酸基を有するアクリル系重合体からなるセグメントとを有するポリオール由来の成分と多官能イソシアネート由来の成分とを含む架橋樹脂層で顔料の表面を被覆した着色樹脂粒子と、非極性溶媒とを含むことを特徴とする電気泳動用粒子分散液が提供される。
更に、本発明によれば、上記方法により得られた電気泳動用粒子分散液が提供される。
更に、非極性溶媒が、シリコーンオイル又はパラフィン系炭化水素である場合、安定した分散性及び帯電特性、粒子の凝集の抑制、樹脂層の脱落の抑制をより向上できる。
本発明の方法では、乳化剤及び分散剤の非存在下でも、安定して着色樹脂粒子の分散液を製造できる。また、本発明の方法では、使用する材料が水分を含まないため、水の存在による電気泳動性に対する悪影響を防止できる。更に、本発明の方法では、架橋樹脂層の形成に多工程を経る必要がないため、簡便に着色樹脂粒子の分散液を製造できる。更に、本発明の方法では、使用できる材料が比較的限定されない製造法を利用するため、着色樹脂粒子の帯電性の制御幅の大きな分散液を得ることができる。
非極性溶媒が、シリコーンオイル又はパラフィン系炭化水素であり、非水系極性溶媒が、エステル類又はケトン類である場合、簡便な製造条件により安定して、電気泳動に対する悪影響が防止されかつ帯電性の制御幅の大きな分散液を製造できる。
また、着色樹脂粒子は、顔料と、顔料の表面を被覆させたポリオール由来の成分と多官能イソシアネート由来の成分とを含む架橋樹脂層とを備えている。
更に、ポリオールは、シリコーン鎖からなるセグメントとアクリル系重合体からなるセグメントとを有する。
上記のような電気泳動用分散液は、例えば、
(A)ポリオールと顔料と多官能イソシアネートとを含む非水系極性溶媒を非極性溶媒へ分散させる分散工程と、
(B)非水系極性溶媒を除去する除去工程と、
(C)ポリオールを多官能イソシアネートで架橋させて顔料の表面を架橋樹脂層で被覆する架橋工程と
を含む工程を経ることで製造できる。
(1)ポリオール
ポリオールは、非極性溶媒に不溶である。ここで、上記ポリオールが非極性溶媒に可溶であるか不溶であるかについては、例えば、シリコーンにポリオールを加え、室温(25℃)下においてホモミキサー等の撹拌機で撹拌し、透明になるかどうかで簡易に判断できる。
また、ポリオールは、シリコーン鎖からなるセグメントとアクリル系重合体からなるセグメントとを有する。この共重合体中、アクリル系重合体からなるセグメントは、非水系極性溶媒に親和性を有すること、シリコーン鎖からなるセグメントは、非極性溶媒に親和性を有することが好ましい。これら2つのセグメントは、顔料を非極性溶媒中で安定に分散させる機能を有している。具体的には、この機能は、ポリオールが顔料と非極性溶媒の界面に存在し、非水系極性溶媒に親和性を有するセグメントが顔料側に、非極性溶媒に親和性を有するセグメントが非極性溶媒側に位置することで、発現すると発明者等は推測している。
シリコーン鎖からなるセグメントとしては、下記一般式で表わされるジメチルシリコーン及び有機基を導入した変性シリコーンセグメントを例示できる。
更に上記モノマーと併用可能なビニルモノマーとしては、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N,N−ジメチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N,N−ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル等を含んでいてもよい。
特に、重合体部分Aと重合体部分Bとの重量比率が25/75〜90/10であり、テトラヒドロフランを溶離液に用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が4000〜100000の範囲の共重合体が、本発明の目的とする微粒子を得るためには適している。このような共重合体としては、日本油脂社製商品名モディパーFS700(分子量Mw=27,000、水酸基価60mgKOH/g)が挙げられる。
このようなグラフト共重合体型のポリオールとしては、東亜合成社製商品名レゼタGS1015(分子量Mw=23,000、水酸基価120mgKOH/g、酸価14mgKOH/g、固形分45重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)が挙げられる。
シリコーンマクロアゾ開始剤としては、例えば下記式で示されるポリジメチルシロキサンセグメントがアゾ基を介して複数連結した構造を有する開始剤が挙げられる。
上記ブロック型共重合体は、例えば、溶剤としてトルエンを用い、高分子アゾ開始剤及びビニル系モノマーを重合温度70℃、5時間反応させることにより、目的のポリジメチルシロキサンとビニル系ポリマーが線状に結合したブロック共重合体を得ることができる。
また、本発明においてブロック共重合又はグラフト共重合体に水酸基を含有させポリオールとするには、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、ポリアルキレングリコールモノアクリレート、ポリアルキレングリコールモノメタクリレート等の水酸基を有するビニル系モノマーを使用できる。これらの水酸基を有するビニル系モノマーの使用量は、ブロック共重合体又はグラフト共重合体を構成する全モノマー及び高分子アゾ開始剤等の材料の合計を100重量部とした時、1〜50重量部であることが好ましく、2〜30重量部であることが好ましい。
多官能イソシアネートは、上記ポリオールと反応することで、架橋樹脂層を与える化合物である。多官能とは、2官能以上を意味する。好ましい官能数は2〜6である。また、多官能イソシアネートとしては、例えば、脂肪族鎖状炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素等の基本構造に、イソシアネート基が複数結合した化合物を使用できる。
多官能イソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環式ポリイソシアネート、その他、上記ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート等を挙げることができる。また、ポリオールに過剰のポリイソシアネートを反応させて得られる反応生成物であって、イソシアネート基を分子末端に有する所謂ウレタンプレポリマーも適用でき、更にはこれらの混合物も使用できる。
これらの具体的な例示として、HDIとして旭化成ケミカルズ社製商品名デュラネート 50M、ジフェニルメタンジイソシアネートとしては日本ポリウレタン社製商品名ミリオネート MT−Fが挙げられる。
式:多官能イソシアネートの必要量[部]=
(ポリオールの水酸基価/561)×(42×100)/(多官能イソシアネートのNCO%)×(ポリオール量/100)×(NCO/OH比)
この範囲内であれば、顔料から剥離し難く、非極性溶媒への分散性の良好な着色樹脂粒子を得ることができる。
架橋触媒の使用量は、例えば、多官能イソシアネート100重量部に対して、0.01〜5重量部とでき、0.05〜3重量部であることがより好ましい。
非水系極性溶媒としては、上記ポリオールを溶解でき、かつ多官能イソシアネートを溶解できる溶媒であれば、特に限定されない。
非水系極性溶媒としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
なお、分散液の製造容易性の観点から、非水系極性溶媒の沸点は、50〜120℃であることが好ましい。
また、非水系極性溶媒の沸点は、非極性溶媒よりも、10℃以上低いことが好ましく、20℃以上低いことがより好ましく、30℃以上低いことが更に好ましい。沸点の差が10℃未満である場合は、非水系極性溶媒を除去する際、非極性溶媒も同時に除去されることがあり、このことにより、分散安定性が低下することがある。
非極性溶媒としては、上記ポリオールを不溶な溶媒であれば、特に限定されない。しかしながら揮発性が低く、化学物質としての安全性の高い材料が望まれる。そのような溶媒としては、石油由来高沸点成分であるパラフィン系炭化水素、シリコーンオイル、フッ素系液体等が挙げられる。
パラフィン系炭化水素としては、炭素数20以上(沸点80℃以上)のノルマルパラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素が挙げられるが、安全性、揮発性等の理由から、イソパラフィンを用いることが望ましい。具体的には、エクソン社製商品名アイソパーH(100%留出温度188℃)、アイソパーL(100%留出温度199℃)、アイソパーG(100%留出温度176℃)、アイソパーM(100%留出温度199℃)や、出光石油化学社製商品名アイピーソルベント1620(100%留出温度202℃)、アイピーソルベント2028(100%留出温度262℃)、アイピーソルベント2835(100%流出温度353℃)等が挙げられる。ここで100%留出温度とは、常圧下の蒸留試験によって得られる蒸留終点の温度を意味する。
顔料としては、有機顔料又は無機顔料を用いることができる。
例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー74等のモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー17等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180等の非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18等の塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー等のアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT、C.I.ピグメントイエロー139等のイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー等のイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153等のニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117等の金属錯塩アゾメチン顔料、C.I.ピグメントレッド3等のモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1等やC.I.ピグメントレッド57:1等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194等のペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149等のペリレン顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180等のイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83等のアリザリンレーキ顔料等、C.I.ピグメントブルー25等のジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15等のフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18等のアルカリブルー顔料等、アニリンブラック系顔料等の有機顔料や銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、二酸化チタン、チタンブラック等のチタン酸化物類、及びファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料類等が挙げられる。
例えば電子ペーパーに用いられる着色樹脂粒子は、20nm〜10μmの平均粒子径を有することが好ましいため、顔料は、10nm〜1μmの平均粒子径を有することが好ましい。また、顔料の形状は、特に限定されないが、分散媒への分散安定性を考慮すると、できるだけ球形に近いことが好ましい。
顔料は、顔料分散剤で表面処理しておいてもよい。この表面処理は、顔料を非極性溶媒に分散させる前の非水系極性溶媒中で行うことが好ましい。
顔料分散剤、例えば、高分子分散剤タイプの顔料分散剤としては、ソルスパースシリーズ(日本ルーブリゾール社製)、Disperbykシリーズ及びBYKシリーズ(ビッグケミー社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)、フローレンシリーズ(共栄社化学製)、ディスパロンシリーズ(楠本化成社製)等を市販品のまま特段の精製をすることなく使用できる。これらの高分子活性剤タイプの顔料分散剤は、分子内に、塩やエステル基、アミノ基等を有し、有機溶剤に溶解した際の溶液粘度が小さく、又、顔料を細分化できる能力を有している。
前記Disperbykシリーズ及びBYKシリーズとしては、Disperbyk−103、Disperbyk−161、Disperbyk−166、Disperbyk−167、BYK−P104、BYK−P105等が挙げられる。
前記アジスパースシリーズとしては、PB−881、PB−821等が挙げられ、下記一般式を有している。
前記フローレンシリーズとしては、KDG−2400等が挙げられる。またディスパロンシリーズとしては、ディスパロン1210、ディスパロン1220等が挙げられる。
また、顔料分散剤として、シランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤を使用することもできる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチルパオロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパオロホスフェート)ジイソプロピルチタネート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テトラプロピルオルソチタネート、テトライソプロピルテトラエチルオルソチタネート、テトラブチルオルソチタネート、ブチルポリチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス−(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、チタニウムラクテート、アセトアセティツクエスチルチタネート、ジイソプロポキシビス8アセチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアルミナト)チタン、ジヒドロキシビス(ラクタト)チタン、チタニウム−イソプロポキシオクチレングリコレート、チトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、ブチルチタネートダイマー、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
ポリオール及び顔料分散剤は、顔料100重量部に対して、30〜130重量部及び3〜30重量部使用できる。
また、顔料は所望の粒子径に微分散させるために、必要に応じて溶剤及び顔料分散剤、ポリオールの存在下に、ガラスビーズ、スチールビーズやジルコニアビーズ等の分散媒体を用いて、ダイノーミルやDSP−ミルの如きビーズミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、ニーダーやナノマイザーの如き高圧噴射ミル等の分散機により分散させるのが好ましい。
非水系極性溶媒の使用量は、上記樹脂を溶解し、顔料を分散しうる量であるが、後の除去における時間を短縮するために、できるだけ少ないことが好ましい。この観点からは、非水系極性溶媒の使用量を、ポリオールと多官能イソシアネートと顔料の合計100重量部に対して、200〜3000重量部とできる。より好ましい使用量は、300〜1500重量部である。
電気泳動用粒子分散液を例えば表示装置に使用する場合、顔料量ができるだけ多いほうが良好な表示を得ることができる。しかし、架橋樹脂量が少なくなると分散液中での顔料の分散安定性が低下することがある。従って、顔料の使用量を、架橋樹脂100重量部に対して、5〜100重量部とできる。より好ましい使用量は、20〜80重量部である。なお、ポリオール由来の成分と多官能イソシアネート由来の成分からなる架橋樹脂量は、ポリオールと多官能イソシアネートの合計量とほぼ等価である。
混合液の製法としては、特に限定されないが、例えばボールミル、アトライター、サンドミル等のメディア型分散装置、ホモミキサー、ホモジナイザー、バイオミキサー等の剪断型分散装置、超音波分散装置等を用いた方法が挙げられる。この内、分散効率が高い超音波分散装置を用いた方法が好ましい。
超音波の照射による分散は、一般に用いられる超音波洗浄装置に温水等の媒体を適量満たし、これにポリオールと多官能イソシアネートと顔料と非水系極性溶媒との混合液を入れた容器を浸して超音波を照射する方法、又は内部照射型超音波発生装置等を用い、混合液を入れた容器に超音波振動子を挿入して超音波を照射する方法等により行うことができる。
また、超音波照射下における分散には、マグネチックスターラー等の機械的撹拌装置の併用も可能である。更に、外部温調装置により温度をコントロールした溶媒を超音波洗浄装置内に循環させることによって温度を調整してもよい。なお、分散温度としては、特に限定されず、室温(約25℃)で行うことができ、必要に応じて、冷却又は加温できる。
なお、非水系極性溶媒へのポリオールと多官能イソシアネートと顔料の添加の順は特に限定されない。従って、ポリオールと多官能イソシアネートを添加した後、顔料を添加してもよく、その逆順で三者を添加してもよく、三者を同時に添加してもよい。
ここでの分散方法は、上記混合液の製法の欄に記載した、非水系極性媒体への顔料の分散方法をいずれも使用できる。
B工程では、例えば、非極性溶媒と混合液とを含む系を加熱及び/又は減圧することで、非水系極性溶媒が除去される。この除去工程は、ポリオールを、多官能イソシアネートで架橋させて架橋樹脂層を形成する架橋工程(C工程)を兼ねてもよい。また、除去工程を、架橋工程と兼ねない場合は、非水系極性溶媒が除去して顔料表面にポリオールと多官能イソシアネートとを含む層を形成し、次いで架橋工程に付すことで、架橋樹脂層を得ることができる。
加熱温度は、非水系極性溶媒を除去できさえすれば、特に限定されない。例えば、非水系極性溶媒の沸点の50〜200℃高い温度で加熱すれば、非水系極性溶媒を容易に除去できる。また、沸点の差を利用して、常温以下の温度で減圧により非極性溶媒を除去してもよい。更に、加熱と同時に減圧することで、除去時間を短縮することも可能である。
なお、非水系極性溶媒の除去の終点は、ガスクロマトグラフィー等で測定することにより判断できる。
更に、B工程がC工程を兼ねる場合、加熱温度は、例えば、非水系極性溶媒の沸点の10℃以上高い温度であることが好ましく、20℃以上高い温度であることがより好ましく、30℃以上高い温度であることが更に好ましい。
着色樹脂粒子は、顔料の表面を被覆する架橋樹脂層により、分散液中での分散安定性が向上している。
本発明でいう架橋樹脂層での被覆とは、樹脂内部に顔料が取り込まれていることをいい、透過型電子顕微鏡(TEM)写真にて、確認できる。例えば、樹脂内部に少なくとも1つ又はそれ以上の顔料が含まれていればよい。また、樹脂内部であれば、顔料が偏在、均一に分散した状態でもよい。
着色樹脂粒子の形状は、特に限定されない。しかしながら、表示装置の用途では、できるだけ球状に近い形状を着色樹脂粒子が有していることが好ましい。
また、着色樹脂粒子の帯電性における極性は、使用する顔料の極性に対応している。従来、電荷制御剤を使用することで、着色樹脂粒子の極性を調整する技術が知られている。これに対して、本発明では、そのような電荷制御剤を使用することなく、顔料の種類を適宜選択するだけで、所望の極性を有する着色樹脂粒子を得ることができる。
電気泳動用粒子分散液は、表示装置用途に好適に使用できる。表示装置としては、電子ペーパーのような電気泳動を利用した装置が挙げられる。
電気泳動を利用した装置としては、例えば、電極を有する一対の基板間に、着色樹脂粒子が非極性溶媒中に分散した電気泳動用粒子分散液からなる表示層を挟んだ構造が挙げられる。電極間に電圧を印加することで、印加された電圧の極性に応じて樹脂被覆顔料粒子が、一対の基板の内の片側に移動する。この装置では、着色樹脂粒子の移動を利用して情報が表示される。
(顔料と着色樹脂粒子の平均粒子径)
平均粒子径は、動的光散乱法と呼ばれる方法を利用して測定したZ平均粒子径である。Z平均粒子径は次のようにして得る。即ち、粒子の非極性溶媒分散液にレーザー光を照射し、粒子から散乱される散乱光強度をマイクロ秒単位の時間変化で測定する。検出された粒子に起因する散乱強度分布を正規分布に当てはめて、平均粒子径を算出するためのキュムラント解析法によりZ平均粒子径が得られる。この種の平均粒子径は、市販の測定装置で簡便に測定可能であり、本実施例ではマルバーン社から市販されている「ゼータサイザーナノZS」を測定に使用する。
上述の市販の測定装置にはデータ解析ソフトが搭載されており、測定データを自動的に解析することで、Z平均粒子径を算出できる。
20mlのガラス瓶に、着色樹脂粒子固形分が8重量%の分散液を1.25g量り取り、そこへ着色樹脂粒子固形分が1重量%となるように非極性溶媒を加えて10gとし、これを測定用試料とする。
次に、片面にインジウムスズオキサイド(ITO)をコートしたガラス板(幅8.0mm、長さ100mm、厚み0.7mm:松浪硝子工業社製)2枚を、コート面を内側にし、銅テープを貼り付けたスペーサーをガラス板間に挟んでガラス板の間隔を1mmとした平行平板(冶具)を用意する。
冶具を測定用試料に浸漬し、冶具の左側に+100Vの電圧を印加して10秒静置する。10秒経過後、測定用試料から冶具を引き上げ、左側のガラス板に粒子が付着していればその粒子の帯電性は負、右側のガラス板に粒子が付着していればその粒子の帯電性は正とする。また、ガラス板の片側への付着が顕著であるが、他方への付着も見られる場合を「逆極」と、ガラス板の両側に同等な付着が見られる場合を「両極」とする。更に、電圧を入れ替えを繰り返し、30回駆動させ、ガラス板への貼り付きを評価する。
○:繰り返し駆動が良好(ガラス板への貼り付きなし)
×:繰り返し駆動が不良(ガラス板への貼り付きあり)
粒子分散液40mLを50mLのコニカルチューブに入れ、遠心分離機(Kubota社製9730)を用いて、1000rpmで10分間遠心分離に付す。取り出したコニカチューブ中の粒子の分散状態を観察して、以下の基準で分散安定性を評価する。
○:沈降しない
△:沈降する粒子としない粒子とが共存している
×:沈降する
20mlのガラス瓶に、着色樹脂粒子固形分が8重量%の分散液を10g加えて、測定用試料とする。
次に、片面に酸化インジウムスズ(ITO)をコートしたガラス板(幅20mm、長さ100mm、厚み0.7mm:松浪硝子工業社製)2枚を用意する。図1に示すように、一方のガラス基板のコート面にスペーサーとして厚み50μmのテフロンフィルム(幅20mm、長さ25mm)を貼り付け、2枚のガラス板をコート面が内側になるようにした状態でスペーサーを介して挟み込んだ平行平板(冶具)とする。2枚のガラス板の酸化インジウムスズ(ITO)のコート面のすき間(幅25mm、長さ20mm、厚み50μm)に、シリンジを用いて測定用試料を毛細管現象により浸透させる。次に、冶具の両側を測定装置(KEITHLEY社製:KEITHLEY6514)に接続し、+10Vの電圧を60秒間印加させて得られた測定値を測定面積で除し、これを帯電量(nC/cm2)とする。
「平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した、ポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を意味する。
具体的には、試料4mgをテトラヒドロフラン(THF)4mLに溶解させ(浸透時間:6.0±0.5hr(完全溶解))、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過した上で、次の条件でクロマトグラフを用いて測定する。予め測定し、作成しておいた標準ポリスチレンの検量線から試料の平均分子量を求める。
液体クロマトグラフ:東ソー社製、商品名「ゲルパーミエーションクロマトグラフ HLC−8320」
ガードカラム:東ソー社製、商品名「TSKguardSuperMP(HZ)−HX」1本(4.6mmI.D.×2cm)
カラム:東ソー社製、商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ−H X」2本(4.6mmI.D.×15cm)
カラム温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
移動相流量:0.2mL/min
検出:RI
試料濃度:0.5g/mL THF
注入量:20マイクロリットル
測定時間:25min
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:5620000、3120000、1250000、442000、131000、54000、20000、7590、3450、1320
検量線の作成方法;上記検量線用標準ポリスチレンをA,Bにグループ分けし、約1wt%濃度(0.1g/L)になるように、THFで溶解し、20μL注入した。これらの保持時間から較正曲線(一次式)を作成し、分子量分布測定に用いた。
トルエン10g中に、高分子アゾ開始剤(和光純薬社製シリコーンマクロアゾ開始剤、商品名:VPS−1001)1gを溶解させた。そこへMMA(メタクリル酸メチル)2.64gと、HEMA(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)1.68gと、TFEMA(メタクリル酸トリフルオロエチルエステル)0.80gと、ラウリルメルカプタン0.04gとを混合し、混合液をオイルバス(80℃、5時間)で加熱撹拌した。作製されたポリマー溶液をテフロンシートに流し、乾燥機(60℃、2時間)で乾燥させ、フィルム状のポリオール(ブロック共重合体)を得た。
(ポリオール製造例2〜8)
表1に示す量で各種材料を使用すること以外はポリオール製造例1と同様にしてポリオールを得た。
ジルコニアビーズ(直径5mm)500gを入れた300mlガラス製ビーズポットに酢酸エチル 72g、キナクリドン系赤色顔料 (Ciba社製 商品名 Pink PT、C.I.ピグメントレッド122) 28gと顔料の表面処理剤として高分子顔料分散剤(味の素社製 商品名 アジスパーPB881) 2.8gを添加し、室温にて24時間ビーズミルによる顔料分散を行った。
(顔料分鎖液の製造例2〜5)
表2で示す材料および配合量とした以外は、顔料分散液の製造例1と同様の条件にて、分散液を得た。
非極性溶媒としてのイソパラフィン(出光興産社製 商品名 IPソルベント2028)25gを連続相とした。顔料分散液の製造例1により得られた顔料分散液1.1gに、非水系極性溶媒としての酢酸エチル5.2gを加え、更に、IPソルベント2028への親和性を有するセグメントと酢酸エチルへの親和性を有するセグメントを有するブロック共重合体として、ポリオール製造例1で得られたポリオール0.8gを酢酸エチル6gに溶解した溶液と、多官能イソシアネート(架橋剤)としてデュラネートTPA−100(旭化成ケミカル社製、商品名 デュラネートTPA−100、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート)0.12gを溶解して、反応相(非水系極性溶媒として酢酸エチルの合計量12gを含む)を得た。50mLの容量のガラス瓶に連続相を入れ、超音波ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、連続相に反応相(全量38.22g)を添加した。添加後、得られた混合物を引き続いて10分間、乳化分散に付して乳化液を得た。
ポリオール製造例1のポリオールに代えて、ポリオール製造例2で得られたポリオールを使用する以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、マゼンタ色であり、844nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性がやや良好であり、107nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
(実施例3)
ポリオール製造例1のポリオールに代えて、ポリオール製造例3で得られたポリオールを使用し、多官能イソシアネートを0.10g使用すること以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、マゼンタ色であり、711nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性がやや良好であり、120nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
実施例3において、ポリオール製造例3のポリオールに代えて、ポリオール製造例4で得られたポリオールを使用すること以外は、実施例3と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、マゼンタ色であり、468nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性が良好であり、174nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
(実施例5)
実施例3において、ポリオール製造例3のポリオールに代えて、ポリオール製造例5で得られたポリオールを使用すること以外は、実施例3と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、マゼンタ色であり、327nmの平均粒子径を有しており、負帯電を有しており、分散性が良好であり、288nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
実施例3において、ポリオール製造例3のポリオールに代えて、ポリオール製造例6で得られたポリオールを使用すること以外は、実施例3と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、マゼンタ色であり、329nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性が良好であり、59nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
(実施例7)
実施例3において、ポリオール製造例3のポリオールに代えて、ポリオール製造例7で得られたポリオールを使用すること以外は、実施例3と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、マゼンタ色であり、487nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性が良好であり、118nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
実施例3において、顔料分散液の製造例2で得られた顔料分散液 1.6g、非水系極性溶媒としての酢酸エチル4.8gを加え、ポリオール製造例1で得られたポリオールに代えてポリオール製造例8で得られたポリオールを0.8g使用すること以外は、実施例3と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、黒色であり、583nmの平均粒子径を有しており、負帯電を有しており、分散性が良好であり、360nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
(実施例9)
実施例1において、顔料分散液の製造例3で得られた顔料分散液0.6g、非水系極性溶媒としての酢酸エチル3.7gを加え、ポリオール製造例1で得られたポリオールに代えてモディパーFS700(日油社製シリコーン−アクリル系ブロック共重合体、水酸基価60mgKOH/g)0.8gを酢酸エチル6gで溶解した溶液を使用し、多官能イソシアネートを0.11g使用すること以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、白色であり、384nmの平均粒子径を有しており、負帯電を有しており、分散性が良好であり、81nCの帯電量を有していた。
なお、モディパーF600は、メタクリル酸エステルからなる非水系極性溶媒に親和性を有するセグメントと、フッ素を有するメタクリル酸エステルからなるセグメントとを備えたブロック型共重合体であり、シリコーン鎖からなるセグメントを有していない。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
実施例9において、顔料分散液の製造例4で得られた顔料分散液 1.56g、非水系極性溶媒としての酢酸エチル2.8gを加える以外は、実施例9と同様にして着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、黒色であり、378nmの平均粒子径を有しており、負帯電を有しており、分散性が良好であり、167nCの帯電量を有していた。
またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
(実施例11)
実施例9において、顔料分散液の製造例5で得られた顔料分散液 1.1gを用い、非水系極性溶媒としての酢酸エチル3.2gを加え、モディパーFS700代えてレゼタGS−1015(東亞合成社製シリコーン−アクリル系グラフト共重合体、酸価14mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g)を0.8g使用し、多官能イソシアネートを0.22g使用すること以外は、実施例9と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、シアン色であり、469nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性が良好であり、78nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
実施例11において、IPソルベント2028に代えてKF−96L−2CS(信越化学社製)を使用すること以外は、実施例11と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、シアン色であり、418nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性が良好であり、72nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
(実施例13)
実施例11において、顔料分散液の製造例6で得られた顔料分散液 0.71gを用い、非水系極性溶媒としての酢酸エチル3.65gを加えること以外は、実施例11と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、白色であり、463nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性が良好であり、105nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
実施例13において、デュラネートTPA−100を0.08g使用すること以外は、実施例13と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、白色であり、463nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性が良好であり、112nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
(実施例15)
実施例10において、顔料分散液の製造例2で得られた顔料分散液を使用し、多官能イソシアネートとしてデュラネートTPA−100(イソシアヌレート型ポリイソシアネート)に代えてデュラネート P301−75E(旭化成ケミカルズ社製、アダクト型ポリイソシアネート)を0.23g使用すること以外は、実施例10と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、黒色であり、436nmの平均粒子径を有しており、負帯電を有しており、分散性が良好であり、128nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
実施例10において、多官能イソシアネートとしてデュラネート TPA−100(イソシアヌレート型ポリイソシアネート)に代えてデュラネート D101(旭化成ケミカルズ社製、ウレタンプレポリマーよりなるポリイソシアネート)を0.14g使用すること以外は、実施例10と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、黒色であり、382nmの平均粒子径を有しており、負帯電を有しており、分散性が良好であり、133nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
(実施例17)
実施例10において、多官能イソシアネートとしてデュラネートTPA−100(イソシアヌレート型ポリイソシアネート)に代えてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(日本ポリウレタン工業社製、商品名 ミリオネートMT)を0.08g使用すること以外は、実施例10と同様にして、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた着色樹脂粒子は、黒色であり、373nmの平均粒子径を有しており、負帯電を有しており、分散性が良好であり、114nCの帯電量を有していた。またTEM写真により、顔料が被覆されていることが確認できた。
実施例1において、多官能イソシアネートTPA‐100及び架橋触媒トリエチルアミンを使用せず、ポリオール製造例1で得られたポリオールに代えてレゼタGS−1015(東亞合成社製シリコーン−アクリル系グラフト共重合体、酸価14mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g)0.8gを使用すること以外は実施例1と同様に乳化液を得た。
次に、得られた乳化液をナスフラスコに入れ、攪拌しながら90℃に加熱することにより酢酸エチルを除去し、着色樹脂粒子を含む分散液を得た。得られた粒子分散液は、遠心分離機(Kubota社製9730)を用いて2回洗浄を行い、再び連続相へ分散した。得られた着色樹脂粒子は、マゼンタ色であり、680nmの平均粒子径を有しており、正帯電を有しており、分散性はやや良好であった。しかし、多官能イソシアネートによる架橋がないため、30回繰り返し駆動が不良(貼り付きあり)であった。
(比較例2)
実施例1において、ブロック共重合体として、モディパーF600(日油社製フッ素−アクリル系ブロック共重合体、水酸基価55mgKOH/g)0.8gを用いる以外は同様の条件にて、粒子分散液の作成をおこなった。超音波ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、連続相に非水系極性溶媒相を添加したが、連続相へ分散しなかった。
Claims (7)
- シリコーン鎖からなるセグメントと水酸基を有するアクリル系重合体からなるセグメントとを有するポリオール由来の成分と多官能イソシアネート由来の成分とを含む架橋樹脂層で顔料の表面を被覆した着色樹脂粒子と、非極性溶媒とを含むことを特徴とする電気泳動用粒子分散液。
- 前記ポリオールが、A−B型ブロック共重合体である請求項1に記載の電気泳動用粒子分散液。
- 前記非極性溶媒が、シリコーンオイル又はパラフィン系炭化水素である請求項1又は2に記載の電気泳動用粒子分散液。
- ポリオールと顔料と多官能イソシアネートとを含む非水系極性溶媒を非極性溶媒へ分散させる分散工程と、前記非水系極性溶媒を除去する除去工程と、前記ポリオールを前記多官能イソシアネートで架橋させて顔料の表面を架橋樹脂層で被覆する架橋工程とを含み、前記ポリオールが前記非極性溶媒に不溶であり、かつ前記非水系極性溶媒に親和性を有すると共に水酸基を有するアクリル重合体からなるセグメントと、前記非極性溶媒に親和性を有するシリコーン鎖からなるセグメントとを備えることを特徴とする電気泳動用粒子分散液の製造方法。
- 前記非水系極性溶媒の沸点が、前記非極性溶媒より低く、50〜200℃である請求項4に記載の電気泳動用粒子分散液の製造方法。
- 前記非極性溶媒が、シリコーンオイル又はパラフィン系炭化水素であり、前記非水系極性溶媒が、エステル類又はケトン類である請求項4又は5に記載の電気泳動用粒子分散液の製造方法。
- 請求項4〜6のいずれか1つに記載の方法により得られた電気泳動用粒子分散液。
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