JP5545828B2 - 感光体ベルト用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真式の複写機、プリンターあるいはファクシミリ装置等に用いられる電子写真用感光体ベルト(ポリエステルフィルムの片面にアルミ蒸着層を設け、さらにその表面に感光層塗布した構成)として使用されるものであり、画像形成性能に優れたポリエステルフィルムに関するものである。
レーザービームをライン走査する方式である電子写真用感光体ベルトには、レーザー光を用いて形成する画像に干渉縞模様が現れるという特有の問題がある。この種の干渉縞の発生は、感光層内で吸収されなかった透過光が、ベルト基材に塗布された感光層内でレーザービームの多重反射を生じ、感光層表面の入射光との間で干渉を生じることに起因するとされている。
このような干渉縞の防止対策として、ベルト基材表面を粗面化することが提案されている。例えば、基材表面にサンドブラスト加工を施す方法(特許文献1)、または基材表面にエッチング加工を施す方法(特許文献2)等による方法が開示されている。
これらの方法によりベルト基材表面に凹凸を設けることで、入射光と反射光との干渉を抑制し、干渉縞の発生を防止することができる。しかしながら、上記従来の電子写真用感光体の製造方法では、干渉縞を防止するための上述の採用に際して、以下に述べるような問題点を有している。
すなわち、基材表面を粗面化する際に、ブラスト材等の粒子を小さくするためには限界があるために、削り跡の凹凸の大きさが現像用トナーと同じ大きさか、またはそれ以上となり、解像度が低下し、画像形成時に、いわゆる黒ポチ、白ポチの原因となる。また、サンドブラストを施す際に、主としてアルミナ系材料の砥粒からなるサンドブラスト材を基材にエアー等で吹き付けるので、基材表面にブラスト材が食い込む。したがって、洗浄を行っても、基材に食い込んだブラスト材を除去するのが困難であることから、残存するブラスト材がコピー画像の欠陥の原因となり好ましくない。一方、エッチング加工の場合、加工工程によりコスト高の要因となる。また、いずれの方法においても、ベルト基材表面を均一に粗面化することが困難であり、干渉縞とは異なった、画像の黒ポチ、白ポチが発生し、解像度が低下する問題がある。さらに、表面処理後にベルト基材表面の洗浄が、別工程で必要となるため好ましくない。
また、感光体ベルトでは、基材となるポリエステルフィルムの表面に、まずアルミ蒸着層を設けるが、ポリエステルフィルムとアルミ蒸着の接着性が不足すると、感光体ベルトに加工した後に、アルミ蒸着層と感光層がフィルムから剥離しやすいという問題がある。
特開平2−87154号公報 特開平6−10268号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、画像形成時に干渉縞を防止し、黒ポチ、白ポチの発生がなく良好な画像品質を得ることができ、さらにフィルム基材からアルミ蒸着層と感光層が剥離しにくい電子写真用感光体ベルトを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、平均粒径1〜3μmと平均粒径4〜7μmの異なる平均粒子径を有する無定形シリカ粒子を少なくとも2種含有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層がポリエステルおよびポリウレタンの中から選ばれた少なくとも1つ以上のポリマーを含有し、当該塗布層表面の空気漏れ指数が1000〜2000秒であることを特徴とする感光体ベルト用ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、画像形成時に干渉縞を防止し、黒ポチ、白ポチの発生がなく良好な画像品質を得ることができ、さらにフィルム基材からアルミ蒸着層と感光層が剥離しにくい電子写真用感光体ベルトを提供することができ、本発明の工業的価値は非常に大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真用ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、代表的には、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。その他にも、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
上記の優位構成成分以外の共重合成分としては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびオキシモノカルボン酸などのエステル形成性誘導体を使用することができる。また、ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほかに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することができる。
本発明の感光体ベルト用ポリエステルフィルムは、走行性を良くするために、フィルム中に汎用の微粒子を含有させることができる。含有させる微粒子としては、シリカ(酸化ケイ素)、フッ化リチウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アンモニウム、リン酸カルシウム、酸化チタン等の同素周期律表の第I族、第II族、第III族、第IV族、その他から選ばれる元素を含む塩または酸化物からなる不活性粒子、架橋ポリマー等の不活性粒子、あるいは、ポリエステル合成時に使用する金属化合物触媒、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等によってポリエステル製造時にポリマー内部に形成される粒子等を挙げることができる。
本発明においては、特に感光体ベルトとしての画像形成性能を付与するために、不活性添加粒子として、平均粒子径の異なる2種以上の無定形シリカ粒子を含有することが必要である。ここで添加する無定形シリカ粒子の平均粒子径は、1〜10μmであり、より好ましくは2〜7μmである。
本発明において無定形シリカ粒子が使用されるのは、ポリエチレンテレフタレートと屈折率が同程度でしかもフィルム延伸時にボイドを生じにくいためである。無定形シリカ粒子を用いる場合、最も好ましい形態としては、大粒子と中粒子のバイモータル系、具体的には平均粒径4〜7μmの大粒子と平均粒径1〜3μmの中粒子とのバイモータル系で、両者ともに無定形シリカであることが必要である。この場合、フィルム中の大粒子の含有量は2000〜4000ppm、中粒子の含有量は2000〜8000ppmとするのが好ましい。添加される大粒子の平均粒径が4μm未満ではフィルムの凹凸形成への寄与が小さく、逆に7μmを越えるとフィルム表面に粗大突起が生じ、画像の黒ポチ、白ポチの原因となることがある。一方、大粒子の含有量が2000ppm未満では得られるフィルムの凹凸形成が少なく、一方4000ppmを超えると、フィルム表面に粗大突起が生じ、画像の黒ポチ、白ポチの原因となることがある。また粒径の小さい中粒子の添加のみでは、得られるフィルムの表面凹凸形成が不十分となる傾向がある。
本発明のポリエステルフィルムは、具体的には、その表面にアルミニウムを真空蒸着法によって被覆形成させた上で、感光体ベルト用基材として使用される。
本発明の感光体ベルト用ポリエステルフィルムは、画像上の干渉縞や表面の粗大突起による画像の黒ポチ、白ポチを防止するために、JIS P 8119:1998による平滑度測定において、空気漏れ指数が1000〜2000秒であることが必要である。空気漏れ指数が1000秒未満の場合はフィルム表面の粗大突起による画像の黒ポチ、白ポチが発生してしまう。空気漏れ指数が2000秒を越える場合、干渉縞を防止することができない。本発明においては、ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に塗布層を設けることが必要であり、その塗布層表面の空気漏れ指数が1000〜2000秒であることを満たすように、均一粗面化されたフィルム表面とする。通常、この塗布層表面にアルミニウムの真空蒸着加工(アルミ膜厚=50〜100nm)を行い、さらにその表面に感光層が塗布形成される。
以下は、蒸着加工後に感光層を塗布する方法の一例であるが、フィルムの蒸着層表面には、所望により下引き層が形成される。下引き層は公知の樹脂を用いて形成されるが、膜厚4〜10μmの範囲、特に、4〜6μmの範囲に設定することが好ましい。積層感光体の場合は、電荷発生剤と結着樹脂を含む電荷輸送層とが、この順序または逆の順序で下引き層の上に設けられる。電荷発生層の膜厚は0.3〜1μmの範囲、特に、0.3〜0.7μmの範囲に設定することが好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は20〜40μmの膜厚で形成すればよい。このように表面処理された感光体ベルト基材表面に、電荷輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂、有機溶媒を混合した塗工液をディッピング法にて塗布し、厚さ30μmの感光層を形成して、電子写真感光体ベルトを作成することができる。
また、本発明のポリエステルフィルムの光沢度は、通常50〜80%、好ましくは60〜70%であり、ヘーズは、通常45〜70%、好ましくは55〜65%の範囲である。光沢度が80%を超えるか、ヘーズが45%未満の場合、干渉縞の発生を抑制できないことがある。また、光沢度が50%未満であるか、ヘーズが70%を超える場合、感光体ベルト表面の凹凸による画像の黒ポチ、白ポチが発生する傾向がある。
本発明のフィルムの塗布層としては、架橋剤と各種バインダー樹脂との組み合わせからなるものが好ましく、バインダー樹脂としては接着性の観点から、ポリエステルおよびポリウレタンの中から選ばれた少なくとも1つ以上のポリマーを併用することが必要である。上記のポリマーは、それぞれそれらの誘導体を含むものであってもよい。ここでいう誘導体とは、他のポリマーとの共重合体、官能基に反応性化合物を反応させたポリマーを指す。なお、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン等も強靭な被膜を形成し上塗り剤と良好な接着性を示すが、これらの化合物は塩素を含有する為、燃焼時に塩素を含む有害なダイオキシン化合物を発生する可能性があり、この点で好ましくない。また、塗布フィルムのスクラップを再利用する際に、着色、腐食性ガスの発生という問題があり、この点でも好ましくない。
さらに架橋剤樹脂として、メラミン系、エポキシ系、オキサゾリン系樹脂が一般に用いられるが、塗布性、耐久接着性の点で、メラミン系樹脂が特に好ましい。メラミン系樹脂は、特に限定される物ではないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物およびこれらの配合物などを用いることができる。
メラミン系樹脂としては、単量体あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよく、あるいはこれらの配合物を用いてもよい。
前記エーテル化に用いる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブタノールなどを好ましく使用することができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などを用いることができる。その中でもメチロール化メラミン樹脂が最も好ましい。さらに、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進するため、例えばp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いることもできる。
塗布剤中におけるメラミン樹脂の配合量は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲である。架橋剤樹脂の配合量が1重量%未満の場合は、耐久接着性が十分発揮されないことであり、耐溶剤性の改良効果が不十分となる傾向があり、50重量%を超える場合は、十分な接着性が発揮されない恐れがある。
本発明において、滑り性、固着性などをさらに改良するため、塗布層中に無機系粒子や有機系粒子を含有させることが好ましい。塗布剤中における粒子の配合量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜6重量%である。かかる配合量が0.5重量%未満では、耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、10重量%を超えると、フィルムの鮮明度が落ちる傾向がある。
無機粒子としては、二酸化ケイ素、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化バリウム、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモン等が挙げられる。これらの中では、二酸化ケイ素が安価かつ粒子径が多種あるので、利用しやすい。
上記無機粒子は表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、界面活性剤、分散剤としての高分子、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
塗布剤は、水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的または造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、水に溶解する範囲で使用することができる。有機溶剤としては、n-ブチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂肪族または脂環族アルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、n-ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸アミン等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、N-メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。これらの有機溶剤は、必要に応じて二種類以上を併用してもよい。
塗布方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
本発明のフィルムにおける塗布層は、インラインコーティングにより設けられるのが好ましい。インラインコーティングは、ポリエステルフィルム製造の工程内で塗布を行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押し出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法である。通常は、溶融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シート、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルム、熱固定前の二軸延伸フィルムの何れかに塗布する。これらの中では、一軸延伸フィルムに塗布した後に横方向に延伸する方法が優れている。かかる方法によれば、製膜と塗布乾燥を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがあり、塗布後に延伸を行うために薄膜塗布が容易であり、塗布後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温であるために塗膜とポリエステルフィルムが強固に密着する。
塗布層の厚さは、乾燥後の厚さとして、通常0.001〜10μm、好ましくは0.010〜5μm、さらに好ましくは0.015〜2μmである。塗布層の厚さが0.001μm未満の場合は、本発明のポリエステルフィルムのアルミ蒸着層に対する接着性が十分に発揮されないおそれがある。一方、塗布層の厚さが10μmを超える場合は、塗布層が粘着剤の様な作用をしてロールに巻き上げたフィルム同士が相互に接着する所謂ブロッキングを生じることがある。
ここで二軸延伸を用いた場合の一例を詳細に説明するが、本発明の要旨を超えない限り、本発明は以下の例に限定されるものではない。
まず、ポリエステルフィルムを構成する原料を押出機へ供給し、溶融混練後、押し出す。(積層フィルムの場合は、異なる押出機から供給された原料⇒溶融ポリマーをTダイ内でスリット状に積層してから押し出す。)次に、ダイから押し出された溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面均一性、冷却効果を向上させるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法が好ましく採用される。次いで、得られたシートを二軸方向に延伸してフィルム化する。まず、通常70〜150℃、好ましくは75〜130℃の延伸温度、通常2.0〜6.0倍、好ましくは2.5〜5.0倍の延伸倍率の条件下、前記未延伸シートを一方向(縦方向)に延伸する。かかる延伸にはロールおよびテンター方式の延伸機を使用することができる。次いで、通常75〜150℃、好ましくは80〜140℃の延伸温度で、通常2.0〜6.0倍、好ましくは2.5〜5.0倍の延伸倍率の条件下、一段目と直交する方向(横方向)に延伸を行い、二軸配向フィルムを得る。かかる延伸には、テンター方式の延伸機を使用することができる。
上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。次いで、テンター内熱処理を、通常180〜245℃、好ましくは200〜240℃で、1秒〜5分間行う。この熱処理工程では、熱処理の最高温度のゾーンおよび/または熱処理出口直前の冷却ゾーンにおいて、横方向および/または縦方向に0.1〜20%の弛緩を行うことが、熱寸法安定性付与の点で好ましい。
以下、本発明の構成および効果を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステルフィルムに用いるフィラー(微粒子)の平均粒子径(d50:μm)
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)空気洩れ指数(G)
東洋精機製、デジベック平滑度試験機を用いて、JIS8119:1998に従って測定した。まず、フィルムを試料台の中心にくるようにセットし、フィルムの上にゴム製押え板および加圧板を置き、加圧装置によって100kPaの圧力をかけた。容積380mlの大真空容器を選択し、容器内の圧力を50.7kPaより低くした後、10mlの空気が流れる時間、すなわち容器内の圧力が50.7kPaから48.0kPaに変化するまでの時間を秒単位で測定した。
(4)フィルム光沢度(G60°)
日本電色工業製VG‐2000型光沢度計を用いて、60度鏡面光沢度(60°)をJISZ8741に準じて測定した。すなわち、入射角、反射角60度における黒色標準板の反射率を基準に試料の反射率を求め光沢度とした。
(5)フィルムヘーズ
日本電色工業製NDH‐2000型濁度計を用いて、JISK6714に準じ、日本電色工業社製によりフィルムの濁度を測定した。
(6)フィルム塗布層厚さ
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、表層厚さ、および塗布層厚さを求めた。ただし、加速電圧は300kV、倍率は表層厚みに応じ、1〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点削除して30点を平均して測定値とした。
(7)接着性
フィルムに、真空蒸着工程で厚さ70nmのアルミ蒸着層を設け、アルミ蒸着面に碁盤目状に100枡のクロスカットを入れる。クロスカットの部分に、ニチバン製セロテープ(登録商標)(18mm幅)を気泡の入らぬように7cmの長さに貼り、この上を3kgの手動式荷重ロールで一定の荷重を与えた。フィルムを固定し、テープの一端を500gの錘に接続し、錘が45cmの距離を自然落下後に、180℃方向の剥離試験が開始する方法で評価した。接着性は、次の3段階の基準で評価した。
○:フィルム面からアルミが全く剥離しない
△:フィルム面からアルミが剥離するが、剥離する面積は10%未満である
×:10%以上の面積でアルミが剥離する
実用的には○または△であれば使用可能である。
(8)画像形成性能評価
フィルムに、真空蒸着工程で厚さ70nmのアルミ蒸着層を設け、さらに蒸着層表面に、電荷輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂、有機溶媒を混合した塗工液をディッピング法にて塗布し、厚さ30μmの感光層を形成した。作成された電子写真感光体ベルトを京セラミタ社製複写機AF1000に取り付け、グレー原稿にて転写紙上に画像を出し、画像上の干渉縞および白ポチ・黒ポチおよび画像抜けを評価した。
◎:最も優れた画像を形成した
○:優れた画像を形成した
△:画像にやや難があるが使用可能なレベル
×:画像欠陥が多く、使用できない
<接着層塗布液の組成>
下記表1に示す水性塗料原液を下記表2に示す割合で配合してP1〜P4の水性塗布液を作成した。
Figure 0005545828
Figure 0005545828
比較例1:
ベント付き二軸押出機を使用し、平均粒子径4.1μmの無定形シリカ粒子(A)を3000ppmと、平均粒子径3.2μmの無定形シリカ粒子(B)を4000ppmを含有するポリエチレンテレフタレートを280℃〜300℃の温度で溶融押し出しし、静電密着法を併用しながら冷却ドラム上にキャストして、無定形フィルムを得た。このフィルムを82℃で縦方向に3.3倍延伸し、さらに120℃で横方向に3.9倍延伸し、230℃で熱処理して、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1:
比較例1において、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP1の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
実施例2:
比較例1において、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP2の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
実施例3:
比較例1において、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP3の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
実施例4:
比較例1において、シリカ粒子(A)を3000ppmと、シリカ粒子(B)を5000ppm含有するポリエチレンテレフタレートを使用し、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP1の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
実施例5:
比較例1において、シリカ粒子(A)を3000ppmと、シリカ粒子(B)を3000ppmを含有するポリエチレンテレフタレートを使用し、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP1の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
実施例6:
比較例1において、シリカ粒子(A)を3000ppmと、シリカ粒子(B)を1000ppmを含有するポリエチレンテレフタレートを使用し、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP1の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
比較例2:
比較例1において、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP4の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
比較例3:
比較例1において、シリカ粒子(A)を3000ppmを含有し、シリカ粒子(B)を含有しないポリエチレンテレフタレートを使用し、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP1の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
比較例4:
比較例1において、シリカ粒子(B)を4000ppmを含有し、シリカ粒子(A)を含有しないポリエチレンテレフタレートを使用し、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP1の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
比較例5:
比較例1において、シリカ粒子(A)を10000ppm含有し、シリカ粒子(B)を含有しないポリエチレンテレフタレートを使用し、縦延伸後のフィルム片面に表2に示すP1の組成からなる塗布液を塗布した。その他は同様にして、厚さ75μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗布層の乾燥後の厚さは0.1μmであった。
得られたフィルムの特性評価を下記表3〜4に示す。
Figure 0005545828
Figure 0005545828
本発明のポリエステルフィルムは、アルミ蒸着易接着性感光体ベルト用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 平均粒径1〜3μmと平均粒径4〜7μmの異なる平均粒子径を有する無定形シリカ粒子を少なくとも2種含有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層を有し、当該塗布層がポリエステルおよびポリウレタンの中から選ばれた少なくとも1つ以上のポリマーを含有し、当該塗布層表面の空気漏れ指数が1000〜2000秒であることを特徴とする感光体ベルト用ポリエステルフィルム。
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